JP6087087B2 - パッドタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、パッドタイプ使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつとしては、パッドタイプ、テープタイプ、パンツタイプ等の形態のものが提供されている。また、パッドタイプの一形態として、表裏両面から吸収可能な補助吸収性物品も提供されている。
パッドタイプ使い捨ておむつ(特許文献1,2参照)は、テープタイプやパンツタイプ等のアウター(外側に用いられる)の内面に敷いて使用されることが想定されている。アウターとなる一般的な使い捨ておむつは、表面の両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在しているものが一般的であるため、その内面にパッドタイプ使い捨ておむつを敷く場合、パッドタイプ使い捨ておむつは立体ギャザーの間に収まる方が望ましい。
しかし、立体ギャザーは前後の端部に倒伏状態で固定された倒伏部分が設けられ、この前後の倒伏部分の間に起立可能な自由部分が設けられた構造を有しているため、パッドタイプ使い捨ておむつの前後長がアウターの立体ギャザーにおける前後の倒伏部分の間隔よりも長く、かつパッドタイプ使い捨ておむつの幅がアウターの立体ギャザーにおける左右の倒伏部分の間隔より広いと、アウターの立体ギャザーの倒伏部分が邪魔になり、パッドタイプ使い捨ておむつをアウターの立体ギャザーの間に収めようとすると、アウターの立体ギャザーの不適切な変形や、パッドタイプ使い捨ておむつの側部の不適切な変形をもたらすおそれがあるだけでなく、パッドタイプ使い捨ておむつの位置ズレや側部の捲れをもたらすおそれもある。
特開平9−99007号公報 特開2009−195309号公報
そこで、本発明の主たる課題は、アウターの立体ギャザーの不適切な変形、及びパッドタイプ使い捨ておむつの側部の不適切な変形や位置ズレを防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体側に突出する立体ギャザーが表面の両側部にそれぞれ前後方向に沿って延在されたアウター使い捨ておむつの内面に敷いて使用される、パッドタイプ使い捨ておむつにおいて、
股間部よりも前後少なくとも一方側における両側部に、側縁から幅方向中央側に延びる、切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目からなり、前記アウター使い捨ておむつの立体ギャザーが差し込まれる差し込み部が設けられている、ことを特徴とするパッドタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明のパッドタイプ使い捨ておむつでは、股間部よりも前後少なくとも一方側における両側部が、切り込み若しくは切欠きを境として股間部側とその反対側に分離される。よって、股間部側の分離部分は、アウターの立体ギャザーの前後の倒伏部分間において立体ギャザーの内側に差し込み、股間部側と反対側の分離部分は、アウターの立体ギャザーの外側に出すことにより、アウターの立体ギャザーの倒伏部分を避けつつ、アウターの立体ギャザーに沿って重ねることができる。よって、アウターの立体ギャザーにおける前後の倒伏部分の間隔よりも長く、かつアウターの立体ギャザーにおける左右の倒伏部分の間隔より広い場合であっても、アウターの立体ギャザーの倒伏部分が邪魔にならず、アウターの立体ギャザーの不適切な変形や、パッドタイプ使い捨ておむつの側部の不適切な変形を防止できる。またそれだけでなく、切り込み若しくは切欠きにアウターの立体ギャザーを差し込んでして引っ掛けることになるため、パッドタイプ使い捨ておむつの位置ズレをも効果的に防止することもできる。
<請求項2記載の発明>
股間部よりも前側から股間部よりも後側まで延在する吸収体を備えており、この吸収体の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側及びその反対側にそれぞれ延在する突出部分を有している、請求項1記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
吸収体の側部形状をこのようにすることにより、切り込み若しくは切欠きを間にして少なくとも一方側の分離部分内に吸収体による芯が入った状態となり、おむつの両側部の形状維持性が向上する。よって、前述のように股間部側の分離部分を立体ギャザーの内側に差し込む作業や、股間部側と反対側の分離部分をアウターの立体ギャザーの外側に出す作業に際して、分離部分が折れたり捲れたりし難くなり、作業が容易となるだけでなく、その装着形状が効果的に維持されるようになる。
<請求項3記載の発明>
前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目として、おむつの前端部及び後端部の両側部に、側縁から幅方向中央側かつ股間側に向かう斜め方向の切り込み又はこれらを形成するためのミシン目が設けられている、請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような位置及び形状の切り込み等を有することにより、アウターの立体ギャザーの内側に差し込まれる股間部側の分離部分が尖った形状となり、アウターの立体ギャザーの倒伏部分に当接した状態ではアウターの立体ギャザーの内側から抜け出にくくなるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目として、おむつの前端部及び後端部の両側部に、側縁から幅方向中央側に向かうにつれて前後方向間隔が短くなる形状の切欠き又はこれらを形成するためのミシン目が設けられている、請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような位置及び形状の切欠き等を有することにより、切欠きが開いた形状となり、切欠きにアウターの立体ギャザーを差し込み易くなるため、装着作業が容易となる。
<請求項5記載の発明>
前記吸収体は上層及び下層からなる二層構造を有しており、前記上層及び下層のうち、いずれか一方の層の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側に延在する突出部分を有するとともに、いずれか他方の層の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側と反対側に延在する突出部分を有している、請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
以上のとおり本発明によれば、アウターの立体ギャザーの不適切な変形、及びパッドタイプ使い捨ておむつの側部の不適切な変形や位置ズレを防止できるようになる、等の利点がもたらされる。
パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の表面側を示す平面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の裏面側を示す平面図である。 図1のY−Y断面図である。 図1のZ−Z断面図である。 装着状態の表面側を示す(a)腹側、(b)背側の斜視図である。 装着状態の要部を示す展開状態平面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の裏面側を示す平面図である。 装着状態の要部を示す展開状態平面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の裏面側を示す平面図である。 装着状態の要部を示す展開状態平面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の裏面側を示す平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部平面図である。 図12のC−C断面図である。 図12のA−A断面図である。 図12のB−B断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの接着剤塗布パターンを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの弾性部材カットパターンを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の背面図である。 図12のD−D断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の背面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部拡大平面図(外面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部拡大平面図(外面側)である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。なお、本発明の用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向中間あるいは吸収体の前後方向中間に幅の狭い括れ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方の括れ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。
<パッドタイプ使い捨ておむつの例>
(基本構造)
図1〜図4は、本発明に係るパッドタイプ使い捨ておむつ例200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Lは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より広い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート221の内面と、液透過性トップシート222との間に、吸収体223が介在された基本構造を有している。
吸収体223の裏面側には、液不透過性シート221が吸収体223の周縁より若干食み出すように設けられている。液不透過性シート221としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。なお、液不透過性シート221の外面は、不織布からなる外装シートにより覆うこともできる。
吸収体223の表面側は、液透過性トップシート222により覆われている。図示形態ではトップシート222の側縁から吸収体223の幅方向両端部が一部食み出しているが、吸収体223の幅方向両端部の側縁が食み出さないようにトップシート222の幅を広げることもできる。トップシート222としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
トップシート222と吸収体223との間には、中間シート225を介在させるのが望ましい。この中間シート225は、吸収体223により吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、且つ液透過性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。トップシート222の前端を0%としトップシート222の後端を100%としたとき、中間シート225の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート225の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート225の幅W4は後述する吸収体223の幅W2の50〜90%程度であるのが好ましい。
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、液不透過性シート221および液透過性トップシート222が吸収体223の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体223の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、液不透過性シート221が吸収体223の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート222の側部までの部分の表面には、立体ギャザー224を構成するギャザーシート224sの幅方向外側の部分224xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体223の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。部材相互の貼り合わせ部分は、図1では斜線模様、図3、図4では点模様でそれぞれ示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。
ギャザーシート224sの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
ギャザーシート224sの幅方向中央側の部分224cはトップシート222上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材224Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材224Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両ギャザーシート224sは、幅方向外側の部分224xが前後方向全体にわたり液不透過性シート221に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分224cは、前後方向の両端部では倒伏状態で物品内面(図示形態ではトップシート222表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート222表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に二点鎖線で示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート222表面)に対して起立可能なバリヤ部となる部分であり、その起立基端224bはギャザーシート224sにおける幅方向外側の固定部分224xと内側の部分224cとの境に位置する。
吸収体223としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等、必要に応じて、吸収体223はクレープ紙等の包装シート226(断面図中には図示せず)により包むことができる。
吸収体223における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m2程度とするのが好ましい。より詳細には、下層吸収体223Bの繊維目付けは例えば80〜400g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば50〜400g/m2程度とすることができ、上層吸収体223Uの繊維目付けは例えば80〜300g/m2程度、高吸収性ポリマーの目付けは例えば10〜200g/m2程度とすることができる。
吸収体223は、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が、前後両側よりも幅の狭い括れ形状や、矩形状等適宜の形状とすることができる。
パッドタイプ使い捨ておむつ200の裏面には、必要に応じてアウターの内面に対するずれ止め部280が設けられる。このようなずれ止め部280は粘着剤層又はメカニカルファスナー(面ファスナー)のフックテープ(雄材)を用いることができる。ずれ止め部280は吸収体223と重なる部位に設けることが望ましい。
(アウター立体ギャザー差し込み部)
特徴的には、図1及び図2に示すように、おむつ200の前端部及び後端部の両側部に、側縁から幅方向に沿って吸収体223側に延びる切り込み230がそれぞれ設けられており、切り込み230を境として股間部側とその反対側に分離されている。使用に際しては、図5及び図6に示すように、股間部側の分離部分201は、アウター100の立体ギャザー70の前後の倒伏部分72間においてアウター100の立体ギャザー70の内側(裏側)に差し込み、股間部側と反対側の分離部分202は、アウター100の立体ギャザー70の外側(表側)に出すことにより、アウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72を避けつつ、アウター100の立体ギャザー70に沿って重ねることができる。よって、アウター100の立体ギャザー70における前後の倒伏部分72の間隔よりも長く、かつアウター100の立体ギャザー70における左右の倒伏部分72の間隔より広い場合であっても、アウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72が邪魔にならず、アウター100の立体ギャザー70の不適切な変形や、パッドタイプ使い捨ておむつ200の側部の不適切な変形を防止できる。またそれだけでなく、切り込み230若しくは切欠き231にアウター100の立体ギャザー70を差し込んでして引っ掛けることになるため、パッドタイプ使い捨ておむつ200の位置ズレをも効果的に防止することもできる。
特に、図示形態のように、吸収体223の側部を部分的に突出させ、突出部分223pを切り込み230の股間側及びその反対側に延在させると、切り込み230の前後両側の分離部分201,202内にそれぞれ吸収体223の突出部分223pによる芯が入った状態となり、おむつ200の両側部の形状維持性が向上する。よって、前述のように股間部側の分離部分201を立体ギャザーの内側に差し込む作業や、股間部側と反対側の分離部分202をアウター100の立体ギャザー70の外側に出す作業に際して、分離部分201,202が折れたり捲れたりし難くなり、作業が容易となるだけでなく、その装着形状が効果的に維持されるようになる。
なお、吸収体223の側部を、切り込み230の股間側及びその反対側の両方に延在させる場合、一層の吸収体223では製造が困難となるため、図11に示すように、吸収体223を二層構造とし、一方の層223A(例えば上層)の側部に切り込み230の股間側に延在する部分を形成し、他方の層223B(例えば下層)の側部に切り込み230の股間側と反対側に延在する部分を形成するのも好ましい形態である。
切り込み230の位置は適宜定めることができ、股間部よりも前後少なくとも一方側であれば、おむつ200の前後方向端部でなくても良く、また前後両側に設けなくても良い。ただし、図示形態のように、切り込み230の位置をアウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72の股間側近傍とすることにより、アウター100の立体ギャザー70が倒伏部分72近傍では最も倒れた状態となるため、股間部側の分離部分201をアウター100の立体ギャザー70で押えつけることができる。
切り込み230の幅方向長さは、アウター100の立体ギャザー70の高さ(起立可能な自由部分の幅)に応じて適宜定めることができ、アウター100の立体ギャザー70の高さ以上とすることが望ましい。具体的には、大人用の場合、切欠き231の幅方向長さは15〜40mm程度とすることができる。
切り込み230に代えて、切欠き231(図9、図10の例参照)を形成することもでき、又はこれらを形成するためのミシン目を形成しておき、使用者が使用時にミシン目を切り離して切り込み230若しくは切欠き231を形成する形態を採用することもできる。
特に、図7及び図8に示すように、切り込み230の形状を、側縁から幅方向中央側かつ股間側に向かう斜め方向とするのも一つの好ましい形態である。この場合、アウター100の立体ギャザー70の内側に差し込まれる股間部側の分離部分201が尖った形状となり、アウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72に当接した状態ではアウター100の立体ギャザー70の内側から抜け出にくくなる。この場合、図示するように、アウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72を固定するための接着部72bの股間側の縁を、切り込み230の斜め形状に合わせて、側端から幅方向中央側かつ股間側に向かう斜め方向とするとより好ましい。
また、切り込み230に代えて切欠き231を採用する場合には、側縁から幅方向中央側に向かうにつれて前後方向間隔が短くなる形状とするのも一つの好ましい形態である。この場合、切欠き231が開いた形状となり、切欠き231にアウター100の立体ギャザー70を差し込み易くなるため、装着作業が容易となる。この場合、図示するように、アウター100の立体ギャザー70の倒伏部分72を固定するための接着部72bの股間側の縁を、切欠き231の股間側の縁の斜め形状に合わせて、側端から幅方向中央側かつ股間側と反対側に向かう斜め方向とすると、より装着作業が容易となるため好ましい。
他方、パッドタイプ使い捨ておむつ200の外形は矩形とするほか、図9に示すように、吸収体223の外形に合わせて、股間部を含む前後方向中間部が括れた形状となっていると、アウター100の立体ギャザー70間に収め易くなるため好ましい。
<アウター使い捨ておむつの例>
本発明のパッドタイプ使い捨ておむつ200を組み合わせるアウター使い捨ておむつ1は特に限定されず、より大きなパッドタイプ使い捨ておむつとしたり、テープタイプ使い捨ておむつとしたりすることもできるが、装着時に立体ギャザーの股間幅が狭くなるという点でパンツタイプ使い捨ておむつが好適である。そこで以下では、このアウター使い捨ておむつ1としてパンツタイプ使い捨ておむつの一例について説明する。
図12〜図25はパンツタイプ使い捨ておむつ1を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ1(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bを形成する外装シート20と、この外装シート20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装シート20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装シート20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合され、サイドシール部21,22が形成されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(外装シートの構造例)
外装シート20は、図15〜図17にも示されるように、それぞれ不織布からなる内側層20A及び外側層20Bがホットメルト接着剤により張り合わされてなる2層構造シートとされ、内側層20Aと外側層20Bとの間、及び外側層20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布間に各種弾性部材24が伸長状態で挟持固定され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状のレッグ開口縁(レッグ開口部の縁)29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。弾性部材24〜28としては、合成ゴムや天然ゴムを糸状、紐状、帯状等の細長状に形成したものを用いることができる。
特に、図示形態の外装シート20においては、図12〜図14に示すように、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、ウエスト開口部近傍23に配置されたウエスト部弾性部材24,24…と、ウエスト部弾性部材24,24…よりも股間側に配置された、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数の腰り弾性部材25,25…と、腰り弾性部材群25,25…とは別に、前身頃Fと後身頃Bとを接合する両サイドシール部21,22からレッグ開口縁29に沿って幅方向中央に向かうにつれて反対の身頃側へ向かうように湾曲しつつ、内装体10の両側部と重なる部位まで延在するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26…,28…とを備えている。なお、本外装シート20では、湾曲弾性部材26…,28…により脚周りに対するフィット性が確保されるため、レッグ開口縁29に沿って前身頃Fから後身頃Bまで実質的に連続する脚り弾性部材は設けられていないが、湾曲弾性部材26…,28…とともに設けることも可能である。
ウエスト部弾性部材24,24…は、サイドシール部21,22を有する縦方向範囲のうち、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、その延在方向(おむつの幅方向)に伸長状態で外装シートに固定されることにより、身体のウエスト部りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつのウエスト開口縁を身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト部弾性部材24,24…は、ウエスト部における外側層20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、内側層20Aと外側層20Bとの間に挟持しても良い。
り弾性部材25,25…は、サイドシール部21,22と対応する縦方向範囲、及びそれよりも股間側の範囲のうち、概ね上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設された糸ゴム等の細長状弾性部材であり、その延在方向(おむつの幅方向)に伸長状態で外装シートに固定されることにより、前身頃F及び後身頃Bの腰り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、おむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト部弾性部材24,24…と腰り弾性部材25,25…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性部材として機能し、残りの弾性部材が腰り弾性部材として機能していればよい。
後身頃Bにおいて、腰り弾性部材25,25…とは別に配設された背側湾曲弾性部材26,26…は、その長手方向中間に縦方向との鋭角側交差角θ(以下、縦方向交差角ともいう)が最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つおむつを展開した状態で内装体10の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60度以下となる交差部分を有する所定の曲線に沿って配置されているものであり、その延在方向に伸長状態で外装シートに固定されている。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸ゴム状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26,26…は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26,26…は、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて複数本以上配置される。
前身頃Fにおいて、腰り弾性部材群25,25…とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28,28…は、その長手方向中間に縦方向との縦方向交差角θが最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つおむつを展開した状態で内装体10の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60度以下となる交差部分を有する所定の曲線に沿って配置されているものであり、その延在方向に伸長状態で外装シートに固定されている。腹側湾曲弾性部材28,28…は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28,28…は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28,28…も、2、3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて複数本以上配置される。
湾曲弾性部材26…,28…は図示例のようにその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。また、湾曲弾性部材26…,28…を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26の群の一部又は全部とが股間部又はその前側若しくは後側近傍で交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26の群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適であり、その縦方向離間距離は10〜20mm程度とするのが好ましい。
他方、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰り弾性部材25,25…及び湾曲弾性部材26…,28…は、内装体10を横切る一部の部位には設けられておらず、当該部位が非伸縮領域とされている。このように、弾性部材を有しない又は設けられていない形態には、弾性部材が存在しない形態の他、弾性部材は存在するが収縮力が作用しない程度に細かく切断させている形態も含まれる。図19は、後者の例を示しており、腰り弾性部材25,25…及び湾曲弾性部材26…,28…を、一方側のサイドシール部22から内装体10を横切って他方(反対)側のサイドシール部22まで連続的に設けた後に、所定の切断パターンCPにより内装体10を横切る部分の一部又は全部を切断し、不連続とするものである。弾性部材25,26,28を内装体10と重なる部分で不連続とすることにより、内装体10(特に吸収体13)の幅方向の収縮を防止することができる。もちろん、腰り弾性部材25,25…を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装シート20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26…,28…を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
(屈曲フィット部)
図24及び図25に詳細に示すように、外装シート20は、後身頃Bの外装シート20における臀裂対向部の幅方向両側の部分が、内装体10の側部と重なる側部重なり部分41と、内装体10の側縁10eより側方に延出する側方延出部分42とを有しており、背側湾曲弾性部材26は、後身頃Bの右のサイドシール部から後身頃Bの右のレッグ開口縁29に沿って右側の側部重なり部分41に至り、右側の側部重なり部分41から更に幅方向中央側に向かいつつ前側に向かうように湾曲して後身頃Bの幅方向中央部に位置する臀裂対向部に至り、臀裂対向部において後側に折り返され、更に左側に向かいつつ後側に向かうように湾曲して左側の側部重なり部分41に至り、左側の側部重なり部分41から後身頃Bの左のレッグ開口縁29に沿って後身頃Bの左のサイドシール部に至るように固定されている。
また、一方の側方延出部分42の側縁から臀裂対向部及びその両側の側部重なり部分41を幅方向に横切って他方の側方延出部分42の側縁まで延在する細長状の臀裂部幅方向弾性部材27…が、その延在方向に所定の伸長率で伸長された状態で外装シート20に固定されている。
そして、臀裂対向部においては、背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27は、側部重なり部分41の幅方向中央側に位置する部分のみが、所定の切断パターンCPにより細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分43とされるとともに、臀裂部幅方向弾性部材27は、臀裂対向部に位置する主部分44、及び側部重なり部分41と側方延出部分42との境界の幅方向両側近傍にわたる境界部分45よりも、当該境界部分45の幅方向外側に位置する縁側部分46、及び当該境界部分45と非収縮部分43との間に位置する中間部分47の方が、低い伸長率で外装シート20に固定されている。
このように構成されたパンツタイプ使い捨ておむつにおいては、背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27のうち、側部重なり部分41の幅方向中央側に位置する部分のみが細かく切断され、実質的に収縮しない部分となるため、それらの間の臀裂対向部が、図21及び図22に示すように臀裂部幅方向弾性部材27の収縮作用により装着者の臀裂に入り込む立体形状(おむつ内面が峰状に***)の屈曲フィット部40となるとともに、側部重なり部分41の幅方向中央側の部分では内装体10が不必要に収縮せずに尻べたにフィットする形状となる。そしてその側方では、側部重なり部分41と側方延出部分42との境界及びその幅方向両側近傍に臀裂部幅方向弾性部材27の収縮力がしっかりと作用して内装体10の側縁部が装着者の尻べたに良好にフィットし、さらにその幅方向外側の部分には収縮力が弱く作用するか、又は実質的に作用しない(全く収縮力が作用しない状態と、収縮力は作用しているが収縮していない状態を含む)ため、レッグ開口部の縁部の捲れが発生し難くなる。よって、臀裂及びその幅方向両側におけるフィット性に優れ、後身頃Bにおけるレッグ開口部の縁部が捲れ難いものとなる。しかも、臀裂部幅方向弾性部材27は、幅方向に沿って設けられるものであるため、低コストで製造できるだけでなく、高速ラインにより安定して製造できる。
臀裂部幅方向弾性部材27の各部の伸長率は適宜定めることができるが、主部分44及び境界部分45は200〜240%とするのが好ましく、縁側部分46及び中間部分47は100〜140%とするのが好ましい。
このような伸長率差を有する臀裂部幅方向弾性部材27の取り付け方法は特に限定されないが、既存技術を利用して製造する場合、図18及び図24に示すように塗布するのが好ましい。すなわち、臀裂部幅方向弾性部材27を高い方の伸長率で供給して外装シート20に固定する際、外側層20Bと内側層20Aとの間のホットメルト接着剤G2,G3の塗布量を、主部分44及び境界部分45よりも縁側部分46及び中間部分47の方が少なくなるようにし、その後に、背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27における側部重なり部分41の幅方向中央側に位置する部分のみを細かく切断するとともに、レッグ開口部の打ち抜きにより臀裂部幅方向弾性部材27の端部を切断する方法を提案する。これにより、臀裂部幅方向弾性部材27の主部分44及び境界部分45が十分な塗布量のホットメルト接着剤G2,G3により供給時の伸長率で外装シート20に対して固定される一方、臀裂部幅方向弾性部材27の縁側部分46及び中間部分47は少ない塗布量のホットメルト接着剤G3により弱く固定される結果、ある程度まで収縮して境界部分45に向かって引き込まれ、境界部分45より低い伸長率で固定されるようになる。臀裂部幅方向弾性部材27は、ホットメルト接着剤G2を間欠塗布することを除いて、腰り弾性部材25と同様の手法により、また同時に取り付けることができる。
ホットメルト接着剤の塗布量差を設ける方法は特に限定されないが、後述するように、臀裂部幅方向弾性部材27を外装シート20に固定するに際して、臀裂部幅方向弾性部材27をその外周面にホットメルト接着剤G2を直に塗布した後に外装シート20に固定する手法を採用する場合には、臀裂部幅方向弾性部材27の長手方向に間欠的にホットメルト接着剤G2を塗布する(つまり、主部分44及び境界部分45となる部位にはホットメルト接着剤G2を塗布し、縁側部分46及び中間部分47となる部位にはホットメルト接着剤を塗布しない)ことにより、上述のホットメルト接着剤の塗布量差、ひいては上述の伸長率差を達成することができる。
各部の幅は適宜定めることができるが、通常の場合、臀裂対向部の幅は内装体10の幅10Xの0.15〜0.40倍程度、側部重なり部分41は内装体10の幅10Xの0.05〜0.20(片側のみ)倍程度、側方延出部分42は内装体10の幅10Xの0.05〜0.35(片側のみ)倍程度、非収縮部分43は内装体10の幅10Xの0.25〜0.40倍(片側のみ)程度、主部分44は内装体10の幅10Xの0.10〜0.40倍程度、境界部分45は内装体10の幅10Xの0.05〜0.20倍(片側のみ)程度、縁側部分46は内装体10の幅10Xの0.05〜0.10倍(片側のみ)程度、及び中間部分47は内装体10の幅10Xの0.05〜0.15倍(片側のみ)程度とすることができる。
臀裂対向部の収縮力作用部分(背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27を切断せずに残した幅方向中央領域)は、前後方向に延びる長方形状や、前側に向かうにつれて幅が広がる形状(例えば、底辺が前側に位置する二等辺三角形状や、その二等辺が曲線のラッパ状)であっても良いが、臀裂対向部の前端部から前後方向中間までは後側に向かうにつれて幅が拡大し、それよりも更に後側では後側に向かうにつれて幅が縮小する形状を有していると、特に臀裂に対して好適にフィットする屈曲フィット部40が形成されるため好ましい。
臀裂対向部の収縮力作用部分の寸法は適宜定めることができるが、幅は内装体10よりも狭く、例えば内装体10の幅10Xの0.15〜0.40倍程度とするのが望ましく、前後方向長さは内装体10の前後方向長さの1/5〜1/2程度とするのが望ましい。また、その前端は前後方向中央又はその近傍に位置しているのが好ましい。前述の切断パターンにおける非切断部分NCは、収縮力作用部分と同じ形状で、同じ又は若干大きめの寸法となる。また、前述の吸収体13に設ける溝13D又はスリットの前後方向長さ及び幅は、この収縮力作用部分より短くても、長くても、同じでも良いが、幅については収縮力作用部分未満とするのが好ましい。
(内装体10と外装シート20との固定)
内装体10は、図14及び図16に示すように、その裏面の適宜の領域81〜83にホットメルト接着剤Gを塗布し、外装シート20の内面に固定することができるが、図示例のように、脚の動きに対する内装体10の追従性を向上させる観点から、股間部における固定領域81の幅を狭くする、例えば内装体10の幅10Xの30〜45%程度とするのが好ましく、股間部の前後両側の固定領域82,83は内装体10をしっかりと固定するために幅を広くし、特に両側縁近傍まで延在させるのが好ましい。
このような形状の固定領域81〜83は、ホットメルト接着剤Gを幅方向に複数列並べて塗布するとともに、中間部については前後方向に連続的に、両側部については間欠的(股間部では塗布せず)に、それぞれ塗布することにより形成することができる。
ただし、股間部における固定領域81の幅を狭くする際、その幅の狭い領域を過度に後方に延在させると次のような問題がある。すなわち、背側湾曲弾性部材26により股間部を後方へ引き上げるには、背側湾曲弾性部材26及び臀裂部幅方向弾性部材27は間隔空けて複数本設けられるとともに、少なくとも一本の背側湾曲弾性部材26が最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側に膨出するように配置されているのが好ましい。しかしその場合、外装シート20における最も前側に位置する背側湾曲弾性部材26の幅方向外側であってかつ最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側の領域84が内装体10に固定されていないと、当該領域84においてレッグ開口部の縁部が外側に捲れ易くなる。そこで、本実施形態では、股間部における接着幅の狭い領域81を後側に過度に延在させず、後方の幅の広い固定領域83を、外装シート20における最も前側に位置する背側湾曲弾性部材26の幅方向外側であってかつ最も前側に位置する臀裂部幅方向弾性部材27の前側の領域84まで延在させて、当該領域84を内装体10に固定し、捲れを防止するように構成している。
(縦方向の弾性変形時引張応力のバランス)
また、臀裂対向部のフィット性を良好にするためには、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力よりも大きくなる前後収縮力バランスとするのが好ましい。図示例では、前身頃F及び後身頃Bにおいて股間部をウエスト側に持ち上げるように縦方向成分の収縮力を発揮する引上げ弾性部材として湾曲弾性部材26…,28…が設けられており、その前後収縮力バランスにより、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力よりも大きくなるように構成されている。弾性変形時引張応力は、おむつの両サイドシール部21,22を剥がして展開状態にした後、測定対象身頃のウエスト開口縁部と、測定対象でない反対の身頃の股間側端部とを引張試験機のチャックでそれぞれ掴み、引張試験を行うことにより計測することができる。弾性変形時引張応力の差は適宜定めることができるが、前身頃Fにおける80%伸び時(弾性限界の伸び(ひずみ)を100%としたとき)の縦方向の弾性変形時引張応力が、後身頃Bにおけるそれの1.1〜1.2倍程度であるのが好ましい。なお、このことからも分かるように、弾性変形時引張応力の大小は同じ伸び(弾性限界の伸びを100%としたとき、伸びが65〜95%の範囲内とするのが好ましい)での大小を意味する。
このように前身頃F及び後身頃Bに引上げ弾性部材26…,28…を設けて、前身頃Fにおける縦方向の弾性変形時の引張応力を後身頃Bのそれよりも大きくすると、図21及び図22に示すように、装着状態においては、後身頃Bの引上げ弾性部材26…による収縮力に抗する前身頃Fの引上げ弾性部材28…による収縮力によって、おむつの股間部が前側に移動しつつ持ち上がって股間にフィットし、これに伴い屈曲フィット部40の前端部が前側に引っ張られ、その結果として屈曲フィット部40はその屈曲状態を維持したまま臀裂にフィットするようになる。よって、臀裂から股間にかけて良好にフィットするとともに、そのフィットが身体の動きに追従して弾力的に維持され、装着時に股間部がモコモコし難くなる。これに対して、一般的なパンツタイプ使い捨ておむつでは、図23に示すように、臀裂対向部が膨出して肌から大きく離間する結果、股間部がモコモコし、普通の下着と顕著に異なる違和感が発生する。
図示例では、引上げ弾性部材は湾曲弾性部材26…,28…のみで構成している。湾曲弾性部材26…,28…は、前身頃Fにおいては鼠蹊部に対するフィット性を向上させ、後身頃Bにおいては臀部の膨らみに対するフィット性を向上させる機能も有するものである。もちろん、湾曲弾性部材26…,28…に代えて又はこれとともに、細長状、シート状等の弾性部材を幅方向中間部に縦方向に沿って伸長状態で固定し、引き上げ弾性部材としても良い(図示略)。湾曲弾性部材26…,28…を他の種類の引き上げ弾性部材と組み合わせて用いる場合、図示例とは異なり、湾曲弾性部材26…,28…を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設け、他方に他の引き上げ弾性部材を設けるだけでも良い。
特に、図示例のような湾曲弾性部材26…,28…を設ける場合、内装体10の側縁より幅方向外側の部位では、後身頃Bにおける湾曲弾性部材26の縦方向間隔が、前身頃Fにおける湾曲弾性部材28の縦方向間隔よりも広い配置となっていると、前身頃Fの湾曲弾性部材28によって鼠蹊部に入り込むようなフィット性が発揮され、後身頃Bの湾曲弾性部材26によって臀部の膨らみが包まれるようなフィット性が発揮されるだけでなく、屈曲フィット部40がその屈曲状態を維持したまま臀裂にフィットする際、臀裂に対してきつく食い込むといった事態が発生し難くなるため好ましい。
前述の前後収縮力バランスは、各身頃F,Bにおける縦方向の弾性変形時引張応力の因子、例えば引上げ弾性部材26…,28…の太さ、伸長率、本数等の少なくとも一つを前後で異ならしめることにより実現できる。引上げ弾性部材26…,28…の太さ等を調整する場合、引上げ弾性部材26…,28…の本数は、おむつのサイズや配置に応じて定めるのが好ましいため、その配置及び本数を基本として、前述の前後収縮力バランスが得られるように、太さ及び伸長率の少なくとも一方を、後身頃Bよりも前身頃Fが太く又は高くなるようにするのが好ましい。
具体的に、図示例の場合には次の範囲内で各部の仕様を定めるのが好ましい。なお、弾性部材の太さの単位をdtexに統一しているが、合成ゴムに限定するものではなく、天然ゴムを用いることもでき、天然ゴムを用いる場合の単位dtexとは、当該dtexの合成ゴムと同等のSSカーブを有する天然ゴムの太さ(例:ウエスト部弾性部材24に天然ゴムを用いる場合は0.5mm〜3.0mm)を意味するものである。
・外装シート20
素材:不織布
坪量:30〜75g/m2、特に36〜60g/m2
・前身頃F及び後身頃Bのウエスト部弾性部材24
太さ:470〜1,240dtex、特に940〜1,240dtex
本数:5〜10本、特に8〜10本(各身頃)
間隔:0〜5mm、特に3〜5mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
・前身頃Fの腰り部弾性部材25
太さ:470〜1,240dtex、特に470〜620dtex
本数:6〜26本、特に8〜16本
間隔:10〜40mm、特に15〜35mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
・後身頃Bの腰り部弾性部材25
太さ:470〜1,240dtex、特に470〜620dtex
本数:6〜24本、特に9〜14本
間隔:10〜40mm、特に15〜35mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
・臀裂部幅方向弾性部材27
太さ:470〜1,240dtex、特に940〜1,240dtex
本数:5〜20本、特に9〜10本
間隔:5〜20mm、特に10〜16mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜330%
・前身頃Fの湾曲弾性部材28
太さ:620〜1,240dtex、特に620〜940dtex
本数:3〜10本、特に5〜10本
間隔:10〜35mm、特に16〜32mm
固定時の伸長率:230〜380%、特に300〜380%で且つ後身頃Bの湾曲弾性部材26より高い伸長率
・後身頃Bの湾曲弾性部材26
太さ:620〜1,240dtex、特に620〜940dtex
本数:3〜10本、特に5〜10本
間隔:10〜35mm、特に16〜32mm
固定時の伸長率:200〜350%、特に250〜300%
(外装シートの柔軟化に関する構成)
り弾性部材25…を有する縦方向範囲と湾曲弾性部材26…,28…を有する縦方向範囲31とが一部(又は全部でも良い)重複しており、且つこの重複範囲30内に腰り弾性部材25…が複数本(例えば5〜10本程度)含まれるとともに、そのうちの少なくとも一部の腰り弾性部材25…の相互間隔d1が他の腰り弾性部材25…の相互間隔d2よりも広くなっていると好ましい。また、重複範囲30外においても、湾曲弾性部材26…,28…を有する縦方向範囲31とウエスト部弾性部材24を有する縦方向範囲との間の中間範囲32に、腰り弾性部材25…が複数本(例えば10〜16本程度)設けられていると好ましい。
このように、腰り弾性部材25…を有する縦方向範囲と湾曲弾性部材26…,28…を有する縦方向範囲との重複範囲30をある程度許容しつつ、その範囲内に腰り弾性部材25…の相互間隔の広い部分を設けることによって、フィット性を損ねずに、弾性部材の密集を抑制することができる。その結果、上記重複範囲30において外装シート20にプリーツが密集せず、厚みの不必要な増加、弾性部材自体及びその接着による硬質化が抑制され、もって柔軟で快適な装着感が得られるようになる。
通常の場合、上述の腰り弾性部材25…の相互間隔d1は15〜50mm程度、他の腰り弾性部材25…の相互間隔d2は10〜20mm程度とするのが好ましい。また、重複範囲30の縦方向長さは展開状態でのおむつの全長の15〜30%程度であるのが好ましく、重複範囲30に占める腰り弾性部材25…の相互間隔の広い間隔部分35の割合は縦方向長さの比(すなわち、間隔d1の総和/重複範囲30の縦方向長さ)で60〜100%程度であるのが好ましい。上記重複範囲30が狭すぎると、腰り弾性部材25…の間隔を広げる意義が薄くなり、広過ぎると腰り弾性部材25…の間隔の広い部分35が増加することによりフィット性が低下する。また、上記重複範囲30内に占める腰り弾性部材25…の相互間隔の広い部分35の割合が少な過ぎると柔軟性の向上は見込めるものの顕著な向上は困難となる。
具体的に、図示例の場合、重複範囲30に占める腰り弾性部材25…の相互間隔d1の広い部分35の割合は、前身頃Fでは40%程度、後身頃Bでは100%となっている。このように、柔軟性向上に関する構成は、前身頃Fと後身頃Bとで異ならしめることができ、外装シート20における前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ適用することも可能である(以下同じ)。
他方、ウエスト部弾性部材24、腰り弾性部材25…、臀裂部幅方向弾性部材27…及び湾曲弾性部材26…,28…は、外装シート20を構成する一対のシート層20A,20Bの間に挟まれるとともに、それらシート層20A,20Bに対してホットメルト接着剤により接着固定されており、その接着剤塗布量は外装シート20の柔軟性を大きく左右する。よって、図18に示すように、その接着剤の塗布部分G1〜G3は、ウエスト部弾性部材24の配置部分及びその近傍、腰り弾性部材25…の配置部分及びその近傍、臀裂部幅方向弾性部材27…の配置部分及びその近傍、湾曲弾性部材26…,28…の配置部分及びその縦横各所定距離a以内(通常の場合±25mm以内、より好ましくは±10mm以内、特に好ましくは±5mm以内)の領域のみとし、これらの接着剤以外には両シート層間に接着剤を塗布しないようにするのが好ましい。このように、接着剤塗布部分G1〜G3を可能な限り低減することにより、接着剤による硬質化を各段に抑制することができる。しかも、これと前述の腰り弾性部材25…の局所的間隔増大とが組み合わさると、予想以上の柔軟性向上効果が得られる。
図18は、製造工程におけるホットメルト接着剤の塗布部位G1〜G3を示しており、湾曲弾性部材26…,28…は二点鎖線で示されるように内装体10を横切る部分の切断前の状態を示している。ウエスト部弾性部材24及び腰り弾性部材25…を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G1、臀裂部幅方向弾性部材27…を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G2は、実質的に各弾性部材24,25の配置部位及びその近傍にのみ塗布されている。このような接着剤の塗布は、外周面に接着剤を塗布した弾性部材24,25を両シート層20A,20Bで挟むことにより実現することができ、そのような弾性部材24,25の外周面への接着剤の塗布はノードソン社のシュアラップノズルにより行うことができる。
一方、湾曲弾性部材26…,28…を両シート層20A,20Bに固定するための接着剤G3は、矩形の接着剤塗布部分B2が湾曲弾性部材26…,28…の湾曲方向に沿って階段状に並設されることにより、湾曲弾性部材26…,28…の長手方向全体にわたり、湾曲弾性部材26…,28…の配置部分及びその縦横各所定距離a以内の領域にのみ接着剤が塗布されている。このような接着剤の塗布は、塗布工程においてシート層20A,20Bの横方向(おむつの幅方向)がラインMD方向(流れ方向)に沿う通常の形態では、ラインCD方向(MD方向と交差する方向)に複数のスロット塗布ノズルを並設し、各ノズルから独立的かつ間欠的に接着剤を塗布することにより行うことができる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図15〜図17に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した***液を吸収保持するものである。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができ、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。吸収体13の形状は、図示形態のように長方形状とする他、背側及び腹側に対して股間部の幅が狭い砂時計形状(括れ形状)とすることもできる。
なお、上述の屈曲フィット部40は、吸収体13における臀裂対向部に縦方向に沿う溝13Dやスリットを設ける等によってその形成を補助することもでき、その場合、適切な位置を折り目として屈曲フィット部40が形成され、またその形状も維持され易くなる。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザー70が形成されているのが好ましい。この立体ギャザー70はギャザーシート15により形成される、ギャザーシートとしては、図16及び図17に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が好適に用いられ、液透過性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、ギャザーシート15は、おむつ1の長手方向中間部では、起立可能な自由部分71を先端側に残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また前後端部では、幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、残りの部分(自由部分と対応する部分)は吸収体13の上側で折り畳まれ、倒伏状態でホットメルト接着剤等により接着されている。後者の部分が倒伏部分72である。
ギャザーシート15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16、16…が挟まれている。糸状弾性伸縮部材16、16…は、製品状態において図16に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザー70を形成するためのものである。
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザーシート15の内部まで進入し、図16に示されるように、立体ギャザー70の下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、伸長率は150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザーシート15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザーシート15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(前後押えシート)
図12及び図15にも示されるように、外装シート20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装シート20をおむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、吸収パッド200と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
本発明は、パッドタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
B…後身頃、F…前身頃、1…アウター使い捨ておむつ、10…内装体、11…液透過性表面シート、12…液不透過性裏面側シート、13…吸収体、14…包装シート、15…ギャザーシート、16…糸状弾性伸縮部材、20…外装シート、20C…外装シート折り返し部、21,22…サイドシール部、24…ウエスト部弾性部材、25…腰り弾性部材、26…背側湾曲弾性部材、27…臀裂部幅方向弾性部材、28…腹側湾曲弾性部材、29…レッグ開口縁、41…側部重なり部分、42…側方延出部分、43…非収縮部分、44…主部分、45…境界部分、46…縁側部分、47…縁側部分、81〜83…固定領域、200…パッドタイプ使い捨ておむつ、221…液不透過性シート、222…トップシート、223…吸収体、223n…括れ部分、224…立体ギャザー、224s…ギャザーシート、225…中間シート、226…包装シート、230…切り込み、231…切り欠き、280…ずれ止め部。

Claims (5)

  1. 身体側に突出する立体ギャザーが表面の両側部にそれぞれ前後方向に沿って延在されたアウター使い捨ておむつの内面に敷いて使用される、パッドタイプ使い捨ておむつにおいて、
    股間部よりも前後少なくとも一方側における両側部に、側縁から幅方向中央側に延びる、切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目からなり、前記アウター使い捨ておむつの立体ギャザーが差し込まれる差し込み部が設けられている、ことを特徴とするパッドタイプ使い捨ておむつ。
  2. 股間部よりも前側から股間部よりも後側まで延在する吸収体を備えており、この吸収体の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側及びその反対側にそれぞれ延在する突出部分を有している、請求項1記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目として、おむつの前端部及び後端部の両側部に、側縁から幅方向中央側かつ股間側に向かう斜め方向の切り込み又はこれらを形成するためのミシン目が設けられている請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目として、おむつの前端部及び後端部の両側部に、側縁から幅方向中央側に向かうにつれて前後方向間隔が短くなる形状の切欠き又はこれらを形成するためのミシン目が設けられている、請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記吸収体は上層及び下層からなる二層構造を有しており、前記上層及び下層のうち、いずれか一方の層の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側に延在する突出部分を有するとともに、いずれか他方の層の側部に、前記切り込み若しくは切欠き又はこれらを形成するためのミシン目の股間側と反対側に延在する突出部分を有している、請求項2記載のパッドタイプ使い捨ておむつ。
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