JP7269338B2 - ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構、それを用いた自動車の自動ドア、及び自動車 - Google Patents

Description

本発明は、自動車の技術分野に関し、特にナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構、自動車の自動ドア、及び自動車に関する。

自動車の自動化や知能化は、すでに自動車開発の主流方向になっている。無人運転や自動駐車など、様々なユーザーフレンドリーな機能が徐々に日常の自動車に登場してきている。さらに、自動ドアが、電動の新エネルギー自動車の主要な機能の売りである。科学技術感溢れる車両ドア自動開閉は、自動車のグレードを向上させるだけでなく、日常の使用中に自動車の所有者にとって非常に便利である。そのため、伝統的な自動車についても、市場の需要に対応できるように、グレードアップして改造する必要がある。伝統的な自動車の自動ドア開閉機構は、４リンク機構を採用し、効率が低く、しかも必要な空間が大きいので、車両ドアに対する取付け要求が高く、車両ドアの知能化のアップグレードや改造が制限されている。

伝統的な自動車の自動ドア開閉機構の効率が低く、占有空間が大きい問題に対して、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構、自動車の自動ドア、及び自動車を提供する必要がある。

本発明のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、車両ドアに固定的に接続されている駆動装置と、車両ドアにヒンジ結合されているギヤボックスと、ギヤボックス内に設けられているナットギヤと、一端が車両本体にヒンジ結合され、他端が軸線方向に沿って延在しているリードスクリューと、を含み、ナットギヤは、リードスクリューに外嵌されており、駆動装置は、ナットギヤがリードスクリューに沿って往復直線運動できるようにナットギヤを駆動して、さらに車両本体に対する車両ドアの開閉を駆動する。

上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動装置と、ギヤボックスと、ナットギヤと、リードスクリューとの協働により、自動車ドアの自動開閉を実現する。具体的には、車両ドアと車両本体は車両ドアヒンジで接続され、リードスクリューと車両本体の側面周囲はリードスクリューヒンジで接続されている。車両ドアを開閉する過程で、駆動装置は、ナットギヤが回転して且つリードスクリューに沿って往復直線運動できるように、ナットギヤを駆動して、且つ、軸方向の力を生成する。この軸方向の力は、リードスクリューを介して、最終的には、リードスクリューと車両本体の側面周囲とがヒンジ結合された箇所に作用する。車両本体の側面周囲に反力が発生し、リードスクリューに沿って車両ドアに作用する。この反力は車両ドアの回動中心を通過しないので、車両ドアの回動中心との間にモーメントアームがあり、回転モーメントが発生して車両ドアの自動開閉を駆動する。同時に、リードスクリューのヒンジ結合の中心が車両ドアの回動中心と一致していないので、車両ドアの開き角度はリードスクリューのスイング角度とは異なる。上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、ギヤボックスが車両ドアにヒンジ結合されることにより、ギヤボックスが車両ドアに対してスイングして角度差を自動的に補償することができ、リードスクリューと同軸に協働し、ナットとリードスクリューの正常な動作を保証することができる。本発明のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、全体構造がシンプルで、協働が確実で、占有空間が小さく、元の車両ドアの構造の変更が少なく、汎用性が高い。また、ナットとリードスクリューとの協働による伝達効率が高く、小さな駆動装置を採用すれば、車両ドアの開閉が可能になる。よって、このナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、小型体積や軽量化の開発ニーズを満足させることができる。

本発明の一実施形態において、駆動装置は、駆動モーターと、駆動モーターの回転軸に接続されている駆動ギヤとを含み、ナットギヤは駆動ギヤと噛み合っている。

本発明の一実施形態において、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、車両ドアに固定的に接続されているブラケットをさらに含み、駆動モーターはブラケットに固定的に接続され、ギヤボックスは、鉛直に延びるギヤボックスヒンジを介してブラケットにヒンジ結合され、駆動ギヤとナットギヤはいずれもギヤボックス内に設けられており、リードスクリューは軸線方向に沿ってギヤボックスを貫通している。

本発明の一実施形態において、駆動モーターは鉛直に配置され、その回転軸は鉛直に延びており、駆動ギヤとナットギヤはいずれもベベルギヤであり、互いに垂直で且つ噛み合っている。

本発明の一実施形態において、駆動モーターの回転軸とギヤボックスヒンジは、同じ軸線に沿って延びている。

本発明の一実施形態において、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動モーターと駆動ギヤの間に設けられているブレーキを更に含む。

本発明の一実施形態において、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動モーターとブレーキの間に設けられているクラッチを更に含む。

本発明の一実施形態において、クラッチは、ベースと、入力シャフトと、出力シャフトと、磁性柱状体とを含み、入力シャフトは、ベースを挿通し且つ出力シャフトの円盤内に嵌められており、入力シャフトの反対する２つの側面は平面に構成されており、入力シャフトは駆動モーターに接続され、出力シャフトは駆動ギヤに接続され、出力シャフトの円盤内には、磁性柱状体を挿入するための半円溝が設けられ、磁性柱状体の両端はそれぞれベースと出力シャフトに接しており、磁性柱状体の外周面は入力シャフトの平面と磁気により吸着し合っている。

本発明の自動車の自動ドアは、上記ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構を含む。

本発明の自動車は、上記自動車の自動ドアを含む。

本発明の一実施形態に係るナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構の構造模式図である。 図１におけるナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構の部分構造模式図である。 図１におけるナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構の平面模式図である。 ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構が車両ドアを開ける時の模式図である。 ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構が車両ドアを閉める時の模式図である。 本発明の一実施形態に係るナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構のクラッチの構造模式図である。 図６におけるクラッチの断面構造模式図である。

本発明の理解を容易にするために、本発明を、関連する図面を参照して以下でより完全に説明する。本発明の好ましい実施形態は、図面に示されている。しかしながら、本発明は、様々な形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されない。それどころか、これらの実施形態を提供する目的は、本発明の開示をより完全に理解してもらうことである。

説明しておきたいが、ある要素が他の要素に「固定されている」と呼ばれる場合、該要素は他の要素に直接存在してもよく、または中間要素が存在してもよい。一要素が他の要素に「接続されている」とされる場合、該要素は他の要素に直接接続されてもよく、または中間要素が同時に存在してもよい。これに対して、ある要素が他の要素に「直接にある」と呼ばれる場合、中間要素は存在しない。本明細書で使用される「鉛直」、「水平」、「左」、「右」という用語およびこれらに似たような表現は、例示のみを目的とする。

図１～７に示すように、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動装置と、ギヤボックス５０と、ナットギヤ２０と、リードスクリュー３０とを含む。駆動装置は、車両ドア１００に固定的に接続されている。ギヤボックス５０は、車両ドア１００にヒンジ結合されている。ナットギヤ２０は、ギヤボックス５０内に設けられている。リードスクリュー３０の一端は車両本体２００にヒンジ結合され、他端は軸線方向に延びている。ナットギヤ２０は、リードスクリュー３０に外嵌されている。駆動装置は、ナットギヤ２０がリードスクリュー３０に沿って往復直線運動できるように、ナットギヤ２０を回転駆動して、さらに車両本体２００に対する車両ドア１００の開閉を駆動するように構成されている。

このナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、車両ドアの自動開閉に適用できる。もちろん、他の機器のドア本体の自動開閉にも適用できる。以下は、主に車両ドアにナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構を適用することについて説明する。具体的には、車両ドア１００は、車両本体２００の側面周囲との間は車両ドアヒンジ１１０を介して接続されており、車両本体２００に対して回動することができる。駆動装置は、車両ドア１００に直接固定されてもよく、ブラケット４０を介して車両ドア１００に固定されてもよい。リードスクリュー３０の一端は、リードスクリューヒンジ３１を介して車両本体２００とヒンジ結合されている。ナットギヤ２０の内穴は、リードスクリュー３０と協働して、ナットとリードスクリューとからなる対を形成するためのねじを備えている。ナットギヤ２０とリードスクリュー３０との間のねじ駆動は、すべりねじ、ボールねじ、または静圧ねじなどであってよい。ナットとリードスクリューの伝達中に軸方向の力が発生するため、ナットギヤ２０の両端にスラスト軸受を設けてもよく、これにより、軸方向の力の作用がかかってもナットギヤ２０をスムーズに回転させることができる。また、このナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動装置と電気的に接続された制御ユニットをさらに含む。制御ユニットは、駆動装置の動作および停止を制御するために使用される。

上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動装置と、ギヤボックス５０と、ナットギヤ２０と、リードスクリュー３０との協働により、自動車ドア１００の自動開閉を実現する。具体的には、車両ドア１００と車両本体２００は車両ドアヒンジ１１０で接続されている。車両ドア１００を開閉する過程で、駆動装置は、ナットギヤ２０が回転してリードスクリュー３０に沿って往復直線運動できるように、ナットギヤ２０を駆動して、且つ、軸方向の力を生成する。この軸方向の力は、リードスクリュー３０を介して、最終的には、リードスクリュー３０と車両本体２００の側面周囲とがヒンジ結合された箇所に作用する。車両本体２００の側面周囲に反力が発生し、リードスクリュー３０に沿って車両ドア１００に作用する。この反力が車両ドア１００の回動中心を通過しないので、車両ドア１００の回動中心との間にモーメントアームがあり、回転モーメントが発生して車両ドア１００の自動開閉を駆動する。同時に、リードスクリュー３０のヒンジ結合の中心が車両ドア１００の回動中心と一致していないので、車両ドア１００の開き角度はリードスクリュー３０のスイング角度とは異なる。上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、ギヤボックス５０を車両ドア１００にヒンジ結合することにより、ギヤボックス５０は、車両ドアに対してスイングして角度差を自動的に補償し、リードスクリュー３０と同軸に協働することで、ナットとリードスクリューの正常な動作を保証することができる。本発明のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、全体構造がシンプルで、協働が確実で、占有空間が小さく、元の車両ドア１００の構造の変更が少なく、汎用性が高い。また、ナットとリードスクリューとの協働による伝達効率が高く、小さな駆動装置を採用すれば、車両ドアの開閉が可能になる。よって、このナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は小型体積と軽量化の開発ニーズを満足させることができる。

本発明の一実施形態において、図２に示すように、駆動装置は、駆動モーター１０と、駆動モーター１０の回転軸に接続されている駆動ギヤ１１とを含み、ナットギヤ２０は、駆動ギヤ１１と噛み合っている。駆動モーター１０の回転軸が駆動ギヤ１１を駆動して回転させることで、ナットギヤ２０は駆動されて回転することができる。ここで、駆動モーター１０は、水平、鉛直、または斜めに配置してよく、車両ドア１００の内部空間に応じて調整することができ、様々な形態で配置してよい。これに応じて、駆動ギヤ１１およびナットギヤ２０の構造は、駆動モーター１０の配置形態に応じて調整することができる。

さらに、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、車両ドア１００に固定的に接続されているブラケット４０をさらに含み、駆動モーター１０はブラケット４０に固定的に接続され、ギヤボックス５０は鉛直に延びるギヤボックスヒンジ５１を介してブラケット４０にヒンジ結合され、駆動ギヤ１１とナットギヤ２０はいずれもギヤボックス５０内に設けられており、リードスクリュー３０は軸線方向に沿ってギヤボックス５０を貫通している。

本実施の形態では、駆動モーター１０およびギヤボックス５０の取り付けを容易にするためにブラケット４０を設けることで、車両ドア１００自体の構造の変更を控え、汎用性をさらに向上させることができる。具体的には、ブラケット４０は枠状に設けられており、ブラケット４０の片側は車両ドア１００に固定的に接続され、駆動モーター１０はブラケット４０を介して車両ドア１００に間接的に固定されている。ギヤボックス５０は、ブラケット４０の内部に設けられ、且つブラケット４０とヒンジ結合されている。ギヤボックスヒンジ５１の投影は、リードスクリュー３０の中心軸線に位置する。ナットギヤ２０は、軸と穴との嵌合によってギヤボックス５０内に固定されている。リードスクリュー３０は、軸線方向に沿ってギヤボックス５０を貫通し、且つナットギヤ２０と伝達可能に嵌合する。リードスクリュー３０のヒンジ結合中心は車両ドア１００の回動中心と一致しないので、車両ドア１００の開き角度はリードスクリュー３０のスイング角度とは異なる。ギヤボックス５０がブラケット４０にヒンジ結合されることで、ギヤボックス５０はギヤボックスヒンジ５１回りに自由にスイングして角度差を自動的に補償し、リードスクリュー３０と同軸に協働して、ナットとリードスクリューの正常な動作を保証する。また、加工精度や組立誤差により、各接続ヒンジが平行ではないが、ナット・リードスクリュー機構の動きの円滑性を確保し、車両ドア１００の開閉をスムーズにするために、リードスクリュー３０と車両本体２００の側面周囲とがヒンジ結合された箇所、およびギヤボックス５０とブラケット４０とがヒンジ結合された箇所には、球面の対を利用したヒンジ結合を採用してよい。

さらに、駆動モーター１０は鉛直に配置され、その回転軸は鉛直に延びており、駆動ギヤ１１とナットギヤ２０はいずれもベベルギヤであり、互いに垂直で且つ噛み合っている。具体的には、駆動モーター１０は、鉛直に配置されてブラケット４０の底部に固定されている。駆動モーター１０の回転軸はギヤボックス５０内まで挿通している。駆動ギヤ１１は水平に配置され、駆動モーター１０の回転軸に接続されている。ナットギヤ２０は、鉛直に配置されて、駆動ギヤ１１と噛み合っている。上記の構造は、２つのベベルギヤが垂直に交差することにより動力を伝達し、ナットギヤ２０を駆動して回転させ、駆動モーター１０が鉛直に配置されるとともにブラケット４０と固定されることが実現される。可動部品が少なくなり、取り付け構造が簡素化され、機構全体の信頼性が向上する。同時に、駆動モーター１０の回転軸がギヤボックス５０のギヤボックスヒンジ５１と平行になるように駆動モーター１０を鉛直に配置することで、ギヤボックス５０と駆動モーター１０のスイングの動き空間を減らすことができる。

さらに、駆動モーター１０の回転軸とギヤボックスヒンジ５１は、同じ軸線に沿って延びている。駆動モーター１０の回転軸とギヤボックス５０のギヤボックスヒンジ５１とが同軸に配置されることで、モーターが固定されギヤボックス５０のみがスイングするような構成とすることができる。

本発明の一実施形態において、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動モーター１０と駆動ギヤ１１の間に設けられているブレーキ６０を更に含む。ブレーキ６０を設けることにより、駆動モーター１０が駆動を停止すると、ブレーキ６０はロックし、ブレーキ６０の摩擦モーメントにより、車両ドア１００が確実に現在位置にホバリングすることで、車両ドア１００が開いた後、自身の重量により現在位置に留まることができず、使用に影響を与えることが効果的に回避される。駆動モーター１０が駆動ギヤ１１を駆動して回転させると、ブレーキ６０が解放され、車両ドア１００が正常に回動できるようになる。より良い動作効果および人間工学を達成するために、ブレーキ６０は、好ましくは電磁ブレーキであり、もちろん、スプリングブレーキなど他の形態のブレーキ６０または摩擦装置を使用してもよい。

駆動モーター１０内の摩擦により、手動でドアを開閉するときに駆動ギヤ１１を回転させるためにこの摩擦を克服する必要があり、すなわち、車両ドア１００を開閉するために抵抗を克服する必要があり、体験が悪くなる。より良い人間工学を達成するために、本発明の一実施形態において、ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構は、駆動モーター１０とブレーキ６０との間に設けられているクラッチ７０をさらに含む。ドアを電動で開閉するとき、クラッチ７０が係合して駆動力を伝達する。ドアを手動で開閉するとき、クラッチ７０が外れ、車両ドア１００を容易に開閉することができる。

さらに、図６及び図７に示すように、クラッチ７０が、ベース７１と、入力シャフト７２と、出力シャフト７３と、磁性柱状体７４とを含む。入力シャフト７２は、ベース７１を挿通して且つ出力シャフト７３の円盤内に嵌められており、入力シャフト７２の反対する２つの側面は平面に構成されており、入力シャフト７２は駆動モーター１０に接続され、出力シャフト７３は駆動ギヤ１１に接続され、出力シャフト７３の円盤内には、磁性柱状体７４を挿入するための半円溝が設けられ、磁性柱状体７４の両端はそれぞれベース７１と出力シャフト７３に接しており、磁性柱状体７４の外周面は入力シャフト７２の平面と磁気により吸着し合っている。

具体的には、このクラッチ７０は、機械的な一方向伝達のクラッチである。すなわち、動力は、入力シャフト７２から出力シャフト７３にのみ伝達することができ、逆方向に伝達することはできない。入力シャフト７２は駆動モーター１０に接続され、出力シャフト７３は駆動ギヤ１１に接続されている。手動でドアを開ける場合、モーターの摩擦を克服する必要がなく、ドアを簡単に開閉できる効果が得られる。クラッチ７０は、入力シャフト７２と、出力シャフト７３と、ベース７１と、磁性柱状体７４とを含む。なお、ベース７１は、透磁性材料であり、中央に貫通穴が設けられている。入力シャフト７２は、透磁性材料であり、ベース７１を挿通し、出力シャフト７３の円盤内に嵌められ、且つ、出力シャフト７３と同軸になる。出力シャフト７３は非透磁性材料であり、出力シャフト７３の円盤の内側には一対の半円溝が設けられており、磁性柱状体７４を半円溝に配置することができる。磁性柱状体７４の上端面および下端面は、それぞれベース７１および出力シャフト７３の円盤と接している。そして、自身の磁力によりベース７１と吸着し合い、移動中に倒れないことを確保する。

入力シャフト７２は時計回りに回転し、その平面が磁性柱状体７４を押圧する。磁性柱状体７４は、出力シャフト７３の半円溝内に配置されて逸脱できないため、入力シャフト７２は、磁性柱状体７４を介して出力シャフト７３を回転させ、動力伝達を実現する。入力シャフト７２が回転を停止し、出力シャフト７３が反時計回りに回転するとき、磁性柱状体７４は、出力シャフト７３の半円溝によって一緒に移動する。同時に、磁力の作用により、磁性柱状体７４は常に入力シャフト７２の平面と吸着し合い、平面に沿って移動するので、入力シャフト７２は静止したままにあり、一方向の伝達が実現される。出力シャフト７３が設定された角度だけ回転すると、磁性柱状体７４は出力シャフト７３の半円溝から完全に逸脱する。次回に入力シャフト７２が回転すると、磁性柱状体７４が出力シャフト７３の半円溝に再び押し込まれる。

さらに、本発明は、上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構を含む自動車自動ドアを提供する。ナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構の具体的な構造については、上記の実施形態を参照してよい。この自動車の自動ドアは、上記の実施形態のすべての技術案を採用しているので、少なくとも、上記の実施形態によるすべての有益な効果を含み、ここでは説明を省略する。

図４および図５を参照して、右ねじのナット・リードスクリュー、および運転席側ドアのみを例にして、本発明の一実施形態による自動車の自動ドアの開閉動作を詳細に説明する。また、左ねじのナット・リードスクリューの場合、モーターの駆動方向を逆にすればいい。

図４に示すように、駆動モーター１０が「ドアを開ける」とのＥＣＵ指令を受信すると、駆動モーター１０の回転軸は反時計回りに回転し、噛み合ったナットギヤ２０は時計回りに回転する。ナットとリードスクリューとからなる対には、リードスクリューヒンジ３１に向かう軸方向の力が発生する。この軸方向の力は、リードスクリュー３０を介して、最終的には、リードスクリュー３０と車両本体２００の側面周囲とをヒンジ結合するリードスクリューヒンジ３１に作用する。車両本体２００の側面周囲に反作用推力が発生し、リードスクリュー３０に沿って車両ドア１００に作用する。また、この反作用力は車両ドア１００の回動中心を通過しないので、時計回りの回転モーメントが発生し、車両ドア１００は回転駆動されて開く。車両ドア１００が開くに伴って、ナットもリードスクリュー３０に沿って車両の後部に向かって直線に移動し、同時に、ギヤボックス５０がヒンジ５１回りにスイングして、ナットギヤ２０とリードスクリュー３０との協働を確実にする。

図５に示すように、駆動モーター１０が「ドアを閉める」というＥＣＵ指令を受信すると、駆動モーター１０の回転軸は時計回りに回転し、噛み合ったナット歯車２０は反時計回りに回転する。ナットとリードスクリューとからなる対に、リードスクリューヒンジ３１に背く軸方向の力が発生する。車両本体２００の側面周囲には、反時計回りの回転モーメントを発生させる反作用引張力が発生し、これにより、車両ドア１００は回転駆動されて閉じる。

さらに、本発明は、上記の自動車自動ドアを含む自動車を提供する。この自動車自動ドアは、上記のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構を含む。このナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構の具体的な構造については、上記の実施形態を参照してよい。この自動車の自動ドアは、上記の実施形態のすべての技術案を採用しているので、少なくとも、上記の実施形態によるすべての有益な効果を含み、ここでは説明を省略する。

上記実施形態の技術的特徴は任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施形態における様々な技術特徴のすべての可能な組み合わせを記載してはいない。ただし、これらの技術特徴の組み合わせは、矛盾がない限り、本明細書に記載されている範囲内のものとみなすべきである。

上記の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を表すだけであり、比較的に具体的かつ詳細に説明されたが、これらは、本発明の特許の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの変形や改善を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に含まれることを指摘しておくべきである。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。

１０ 駆動モーター
１１ 駆動ギヤ
２０ ナットギヤ
３０ リードスクリュー
３１ リードスクリューヒンジ
４０ ブラケット
５０ ギヤボックス
５１ ギヤボックスヒンジ
６０ ブレーキ
７０ クラッチ
７１ ベース
７２ 入力シャフト
７３ 出力シャフト
７４ 磁性柱状体
１００ 車両ドア
１１０ 車両ドアヒンジ
２００ 車両本体

Claims (6)

1. 車両ドアに固定的に接続されている駆動装置と、
   前記車両ドアにヒンジ結合されているギヤボックスと、
   前記ギヤボックス内に設けられているナットギヤと、
   一端が車両本体にヒンジ結合され、他端が軸線方向に沿って延在しているリードスクリューと、を含み、
   前記ナットギヤは前記リードスクリューに外嵌されており、
   前記駆動装置は、前記ナットギヤが前記リードスクリューに沿って往復直線運動できるように前記ナットギヤを駆動して、さらに前記車両本体に対する前記車両ドアの開閉を駆動して、
   前記駆動装置は、駆動モーターと、前記駆動モーターの回転軸に接続されている駆動ギヤとを含み、
   前記ナットギヤは前記駆動ギヤと噛み合って、
   前記車両ドアに固定的に接続されているブラケットをさらに含み、
   前記駆動モーターは、前記ブラケットに固定的に接続され、
   前記ギヤボックスは、鉛直に延びるギヤボックスヒンジを介して前記ブラケットにヒンジ結合され、
   前記駆動ギヤと前記ナットギヤはいずれも前記ギヤボックス内に設けられており、
   前記リードスクリューは、軸線方向に沿って前記ギヤボックスを貫通して、
   前記駆動モーターは鉛直に配置され、その回転軸は鉛直に延びており、
   前記駆動ギヤと前記ナットギヤはいずれもベベルギヤであり、互いに垂直で且つ噛み合って、
   前記駆動モーターの回転軸と前記ギヤボックスヒンジは、同じ軸線に沿って延びていることを特徴とするナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構。
2. 前記駆動モーターと前記駆動ギヤの間に設けられているブレーキを更に含むことを特徴とする請求項１に記載のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構。
3. 前記駆動モーターと前記ブレーキの間に設けられているクラッチを更に含むことを特徴とする請求項２に記載のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構。
4. 前記クラッチは、ベースと、入力シャフトと、出力シャフトと、磁性柱状体とを含み、
   前記入力シャフトは、前記ベースを挿通して且つ前記出力シャフトの円盤内に嵌められており、
   前記入力シャフトの反対する２つの側面は平面に構成されており、
   前記入力シャフトは、前記駆動モーターに接続されており、
   前記出力シャフトは前記駆動ギヤに接続されており、
   前記出力シャフトの円盤内には、前記磁性柱状体を挿入するための半円溝が設けられ、
   前記磁性柱状体の両端はそれぞれ前記ベースと前記出力シャフトに接しており、
   前記磁性柱状体の外周面は前記入力シャフトの平面と磁気により吸着し合っていることを特徴とする請求項３に記載のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構。
5. 請求項１から４のいずれか１項に記載のナット・リードスクリュー式自動ドア開閉機構を含むことを特徴とする自動車の自動ドア。
6. 請求項５に記載の自動車の自動ドアを含むことを特徴とする自動車。

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