JP7267894B2 - 原子炉圧力容器の解体工法及びその装置 - Google Patents

原子炉圧力容器の解体工法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は原子力発電所が廃止措置される際の原子炉圧力容器の解体工法及びその装置に関する。
図13の(1)はオペレイティングフロアの平面図であり、(2)は(1)のA-A矢視の原子炉建屋の主要部の概略断面図である。図示のように原子炉建屋10の内部には、原子炉格納容器17が配置されており、原子炉格納容器17内のペデスタル22に原子炉圧力容器18が設置されている。原子炉圧力容器18の周囲は原子炉熱遮蔽壁19が形成されている。原子炉圧力容器18の上部には燃料交換や使用済み燃料の保管等の作業に供されるオペレイティングフロア(以下OFと略すことがある)11があり、その上部には定期検査等に使用される天井クレーン23が設置されている。
原子炉圧力容器18の内部には炉内構造物と称されるドライヤー(蒸気乾燥器)とセパレータ(気水分離機)とシュラウド(燃料を収納する構造物)とジェットポンプ等が設置されている。
また原子炉建屋10には使用済燃料貯蔵プール(Spent Fuel Pool:以下単にSFPと略すことがある)16と機器貯蔵プール(Dryer Separater Pool:以下単にDSPと略すことがある)15が設置されている。SFP16は主として使用済燃料の貯蔵を、DSP15は定期検査時にドライヤー及びセパレータの保管を目的としている。SFP16とDSP15の間にはDSP15よりもスペースの広い原子炉ウエル14があり、原子炉ウエル14の下方に原子炉格納容器17がある。
このような原子力発電設備は、耐用年数が経過すると一般に廃止措置となり設備の解体が行われる。このときの解体作業は放射性物質の外部飛散を防止し、解体作業に従事する作業者の被曝を防止しながら慎重に行わなければならない。特に炉内構造物は汚染度が高く、炉心部分は放射能レベルの比較的高い廃棄物(レベル1:L1)、炉心部分近辺で放射能レベルの比較的低い廃棄物(レベル2:L2)、その他は放射能レベルの極めて低い廃棄物(レベル3:L3)である。また原子炉圧力容器18も同様で炉心部分は、放射能レベルの比較的低い廃棄物(レベル2:L2)、その他は放射能レベルの極めて低い廃棄物(レベル3:L3)である。
L1、L2は放射線防護の観点から遠隔操作による解体、水中での解体が特許文献1、特許文献2に開示されており、切断は使用済燃料貯蔵プール16、機器貯蔵プール15、あるいは作業用プールで行われている。
炉内構造物は使用済燃料交換時の作業と同じように、機器貯蔵プール15、原子炉ウエル14、使用済燃料貯蔵プール16、原子炉圧力容器18内を満水にして解体を行うことができる。
しかしながら原子炉圧力容器18を解体する場合には、原子炉ウエル14部分のバルクヘッドプレート24を解体、撤去することから原子炉ウエル14の密閉性が失われ、前記手順のように原子炉ウエル14内を満水にすることができない。仮設構造物で閉止して満水にしても、機器貯蔵プール15、使用済燃料貯蔵プール16に原子炉圧力容器18の1次切断物を搬送するためには、オペレイティングフロア11まで吊揚げなければならない。放射能レベルの比較的低い廃棄物L2であってもオペレイティングフロア11上に出ると被曝防止の観点からオペレイティングフロアでの作業を一時中断するなど作業調整が必要になる。また解体物に遮蔽壁を被せるなど被曝低減対策が必要となり、手順が煩雑になるため作業効率が下がってしまう。
また使用済燃料貯蔵プール16を2次切断作業に使うことを考えると、使用済燃料が発電所外に搬出されていることが前提となり、使用済燃料が搬出されるまで原子炉圧力容器18及び炉内構造物の解体に着手できない課題もある。
特許文献3に開示の解体工法は、一時切断した原子炉圧力容器18をOF11のフロアレベル以下を保ちながらDSP15まで移動し、DSP15に設置した2次切断装置で2次切断を行い、ついで、DSP15に設置した回収容器に収容している。
しかしながらDSP15に2次切断用の回転テーブルを設置すると、作業スペースが極めて狭くなり、解体手段が限定的となる。また、DSP15に回転テーブルを設置すると回収容器を設置するスペースが狭くなり、一時的に仮置きする容器数が限られてしまう。従って2次切断作業中に外部へ搬送する作業も並行して行わなければならない。
特開2017―67728号公報 特許第6337410号公報 特開2019-105584号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、解体した原子炉圧力容器の汚染の拡散防止、作業員の被曝低減を図りながら迅速で安全性の高い原子炉圧力容器の解体工法及びその装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、輪切りに1次切断した原子炉圧力容器を原子炉ウエル底面の原子炉格納容器の開口部を覆った開閉式作業床上で前記原子炉圧力容器の軸方向(輪切り切断した原子炉圧力容器の筒状部分の中心線方向)に2次切断することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第1の手段によれば、機器貯蔵プールよりも広いスペースの原子炉ウエルを2次切断の作業エリアとして活用でき、放射能レベルの比較的低い廃棄物L2であれば原子炉ウエル内で切断できるため、原子炉ウエル壁面が遮蔽壁となることから被曝リスクが低減しオペレイティングフロアとの並行作業が可能となり、安全に作業ができる。また原子炉ウエル壁面が遮蔽壁になることから新たな遮蔽対策が不要になる。また2次切断のときは前記作業床を閉止しておくことにより開口部となる原子炉ウエル底部からの転落や物の落下による災害を防ぐことができる。また前記作業床を閉止することで、原子炉ウエルと隔離した状態で原子炉圧力容器を1次切断することが可能となり、作業中に発生する粉塵や発生するガス等の汚染拡大を抑えることができる。
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、原子炉ウエル底面で原子炉格納容器の開口部を覆うように開閉式作業床を設置する工程と、
前記開閉式作業床を開いて前記開口部から1次切断手段を前記原子炉圧力容器の切断箇所に設置しながら前記原子炉圧力容器を輪切りにする1次切断工程と、
1次切断した前記原子炉圧力容器をオペレイティングフロアのフロアレベルよりも下方の原子炉ウエル内に吊り揚げて、前記開閉式作業床を閉じる工程と、
前記開閉式作業床の上面に1次切断した前記原子炉圧力容器を設置する工程と、
前記開閉式作業床にバンドソーを設置して、1次切断した前記原子炉圧力容器を軸方向に2次切断する工程と、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第2の手段によれば、機器貯蔵プールよりも広いスペースの原子炉ウエルを2次切断の作業エリアとして活用でき、放射能レベルの比較的低い廃棄物L2であれば原子炉ウエル内で切断できるため、原子炉ウエル壁面が遮蔽壁となることから被曝リスクが低減しオペレイティングフロアとの並行作業が可能となり、安全に作業ができる。また原子炉圧力容器の1次切断手段(装置)を天井クレーンで吊った状態で原子炉圧力容器上に設置することができる。また1次切断物、2次切断物、切断片の搬送をオペレイティングフロアレベル以下の高さで移送が行え、オペレイティングフロアでの作業へ被曝リスクを低減でき、作業に影響を与えることなく並行作業が可能となる。また使用済燃料貯蔵プール内の使用済燃料の有無にかかわらず解体作業を進めることがでる。すなわち使用済燃料の搬出工程の影響を受けることなく解体を行うことが可能になる。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、第2の手段において、前記1次切断工程は、前記開閉式作業床を開いて1次切断手段を前記原子炉圧力容器上に設置した後、前記開閉式作業床を閉じた状態で行うことを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、作業床を閉じて原子炉格納容器を密閉した状態で原子炉圧力容器を1次切断することができ、1次切断作業中に発生する放射性物質の飛散を防止できる。これによりオペレイティングフロアでの作業時の被曝リスクを低減でき、作業に影響を与えることなく並行作業が可能となる。
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第2又は第3の手段において、前記バンドソーは、前記開閉式作業床上で前記原子炉圧力容器の軸心回りを回転又は前記原子炉圧力容器の径方向に進退移動しながら2次切断することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、2次切断作業を効率的かつ短時間で行うことができ、汚染の拡散防止、作業員の被曝低減を図りながら安全性を確保できる。
本発明は、上記課題を解決するための第5の手段として、第2ないし第4のいずれか1の手段において、機器貯蔵プールに処分容器を設置して、2次切断した前記原子炉圧力容器をオペレイティングフロアのフロアレベルよりも下方の前記機器貯蔵プール内で移動させて前記処分容器に収納する原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第5の手段によれば、機器貯蔵プール内のスペースに処分容器を複数設置することができる。また2次切断物の搬送をオペレイティングフロアのフロアレベル以下の高さで移送が行え、オペレイティングフロアでの作業へ被曝リスクを低減でき、作業に影響を与えることなく並行作業が可能となる。
本発明は、上記課題を解決するための第6の手段として、第5の手段において、前記処分容器を前記機器貯蔵プール内で1次保管することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法を提供することにある。
上記第6の手段によれば、1次保管する処分容器の場所を新たに確保する必要がない。また機器貯蔵プールの壁面が遮蔽壁になることから新たな遮蔽対策が不要になる。
本発明は、上記課題を解決するための第7の手段として、原子炉ウエル底面の原子炉格納容器の開口部を覆う開閉式作業床と、
前記開閉式作業床の下方で開閉自在に支持すると共に、輪切りに1次切断した前記原子炉圧力容器が通る開口を有し、前記原子炉ウエル底面に設置するベースと、
前記開閉式作業床の上に載置された1次切断した原子炉圧力容器を軸方向に2次切断するバンドソーと、
を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体装置を提供することにある。
上記第7の手段によれば、開閉式作業床で原子炉ウエル底部の開口部を開閉自在とする構成であり、作業床を開いて1次切断した原子炉圧力容器を搬出した後に、作業床を閉じて機器貯蔵プールよりも広いスペースの原子炉ウエルを2次切断の作業エリアとして活用でき、放射能レベルの比較的低い廃棄物L2であれば原子炉ウエル内で切断でき、かつ原子炉ウエルと原子炉圧力容器との間で放射線の隔離が実現でき、被曝リスクが低減しオペレイティングフロアとの並行作業が可能となり、安全に作業ができる。
本発明は、上記課題を解決するための第8の手段として、第7の手段において、前記開閉式作業床又はベースは、前記バンドソーが前記原子炉圧力容器の軸心回りを回転又は前記原子炉圧力容器の径方向に進退移動可能なレールを備えたことを特徴とする原子炉圧力容器の解体装置を提供することにある。
上記第7の手段によれば、2次切断装置となるバンドソーの移動を(遠隔操作で)自動化でき、作業を効率的かつ短時間で行うことができ、汚染の拡散防止、作業員の被曝低減を図りながら安全性を確保できる。
本発明によれば、機器貯蔵プールよりも広いスペースの原子炉ウエルを2次切断の作業エリアとして活用できる。新たに遮蔽対策を行わないでも気中切断が可能になり、使用済み燃料の発電所外搬出の工程の影響を受けずに原子炉圧力容器の解体が可能になる。また原子炉ウエル底部の原子炉格納容器開口部を閉止できることから、原子炉圧力容器の1次切断時に発生する粉塵、ガス類の拡散防止、転落、物品の落下等安全対策も確実にできる。
実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図1である。 実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図2である。 実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図3である。 実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図4である。 実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図5である。 実施例1のバンドソーによる2次切断の説明図である。 実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図1である。 実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図2である。 実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図3である。 実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図4である。 実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図5である。 実施例2のバンドソーによる2次切断の説明図である。 原子炉建屋の主要部の概略断面図である。
本発明の原子炉圧力容器の解体工法及びその装置の実施形態について、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。本発明では特に原子炉圧力容器を解体対象とし、その解体工法について以下説明する。
なお本実施例では、説明を容易にするために、便宜上、あらかじめ原子炉圧力容器18上部を覆っている原子炉圧力容器上蓋20及び原子炉格納容器上蓋21は取り除いて開放され、かつ原子炉圧力容器18内の炉内構造物は撤去されているものとする(図13参照)。また原子炉圧力容器18のノズル部分が残っているため、原子炉圧力容器18の切断部材を通過させるため原子炉ウエル14底部のバルクヘッドプレート24を切断し開口部を広げてある。
[原子炉圧力容器の解体装置30]
本発明の原子炉圧力容器の解体装置30は原子炉ウエル14底面に設置して輪切りに1次切断した原子炉圧力容器18が通る開口を有するベース31と、ベース31上に設置して原子炉ウエル14底面の原子炉格納容器17の開口部を覆う開閉式作業床32と、原子炉圧力容器18を軸心に沿って2次切断するバンドソー33を有している(図1参照)。
ベース31は、輪切りの1次切断した原子炉圧力容器18が通る開口を有し、後述する開閉式作業床32を上面に設置して開閉自在に支持している。ベース31は、原子炉ウエル14底面の原子炉格納容器17の開口部回りに設置可能であれば、平面視で多角形(四角形、六角形、八角形など)、円形などの形状に形成できる。ベース31は、開閉式作業床32及び1次切断した原子炉圧力容器18を載置するため、所定強度を備えた鋼材を用いることができる。
開閉式作業床32は、平面視でベース31とほぼ同形状とし、原子炉格納容器17の開口部を覆う蓋体、かつ原子炉圧力容器18を2次切断するための作業床となる。また開閉式作業床32は、平面視で2分割されており、OF11に設置したウィンチ37を用いて原子炉格納容器17の開口部を覆う閉じた状態から、起き上がり開口部内の原子炉圧力容器18が露出する開いた状態の開閉動作が可能となる(図2参照)。なおウィンチ37のワイヤーは、バンドソー33による2次切断作業の邪魔にならない箇所に接続している。開閉式作業床32は放射性物質の遮蔽効果のある鉛材、鋼材等を用いている。
バンドソー33は、上下フレームと、無端状の鋸刃と、鋸刃を上下方向に移動させる昇降部を有し、ループ状の鋸刃を回転させ切断する構造であり、一度の切断作業で4カ所の切断が可能である。
このバンドソー33は開閉式作業床32が閉じた状態、すなわち原子炉格納容器17の開口部を覆った開閉式作業床32上に設置して、原子炉ウエル14内で1次切断した原子炉圧力容器18を軸心に沿って2次切断(垂直切断)できる切断手段である。
またバンドソー33は、ベース31又は開閉式作業床32に設置したレール38上を移動可能な車輪を底面に有している。図1~6に示すレールは、開閉式作業床32の中心を同心とする環状に設置している。これによりバンドソー33は作業床上を原子炉圧力容器18の軸回りに沿って360°回転可能に構成している。
前記ベース31と開閉式作業床32とバンドソー33は、いずれも天井クレーン23を用いてOF11から搬送して原子炉ウエル14底部に設置することができる。
[原子炉圧力容器の解体工法]
上記構成による本発明の原子炉圧力容器の解体装置30を用いた解体工法について、以下説明する。
(実施例1)
図1~5は、実施例1の原子炉圧力容器の解体工法の説明図1~5であり、各図の(1)はOFの平面図であり、(2)は(1)のA-A矢視の概略断面図である。
図1に示すように、あらかじめOF11上にベース31と開閉式作業床32とバンドソー33を仮置きしておく。そして天井クレーン23を用いてベース31を原子炉ウエル14底面に設置する。ベース31は開閉式作業床32を設置するベースとなり、作業床を開閉自在に支持できる。
図2に示すように、原子炉ウエル14底面に設置したベース31上に開閉式作業床32及び開閉式作業床32を開閉する動作機構となるウィンチ37をOF11に設置する。その後、開閉式作業床32の開閉動作の確認を行う。またDSP15内に処分容器36を複数搬入する。
次に1次切断手段を原子炉格納容器17内に搬入して、原子炉圧力容器18を所定の寸法に輪切りする1次切断(水平切断)を行う。なお1次切断作業中は開閉式作業床32を閉じて放射性物質の飛散を防止することもできる。そして図3に示すように、開閉式作業床32を開けて、天井クレーン23で1次切断した原子炉圧力容器18をOF11のフロアレベルよりも下方まで吊揚げ(原子炉ウエル14内)、開いている開閉式作業床32の高さを超えたら、天井クレーン23を停止させ、開閉式作業床32を閉じる。作業床上に1次切断した原子炉圧力容器18を吊降ろし、2次切断する位置を考慮して固縛する。
図4に示すように、天井クレーン23を用いてOF11に仮置きしているバンドソー33を開閉式作業床32のレール38上に設置する。その後、電源を接続し動作確認を行う。
バンドソー33を切断位置に移動した後、固定する。そして原子炉圧力容器18の軸心に沿って2次切断(垂直切断)を行なう。切断片35は順次DSP15内の処分容器36に収納する。このとき切断片35は、OF11のフロアレベルよりも下方で移動させている(図5参照)。切断片35が一杯になった処分容器36はDSP15内の端に移動させて放射線の遮蔽効果のある所定高さまで積み上げて1次保管する。そして空の処分容器36をDSP15内に順次搬入し、この作業を切断片35がなくなるまで繰り返し行う。この他、順次OF11に搬出し、外部の保管場所に移動させても良い。
図6は実施例1のバンドソーによる2次切断の説明図である。バンドソー33により圧力容器18の直径方向に4か所同時に2次切断する(同図(1)参照)。その後、バンドソー33をレール38上で所定の角度で回転させて2次切断する(同図(2)参照)。バンドソー33をほぼ180°回転させることにより、環状の原子炉圧力容器18を全て2次切断できる(同図(3)参照)。2次切断後はバンドソー33をOF11に搬送して開閉式作業床32上から撤去して、作業床上の切断片35を処分容器36に全て収納する(同図(4)参照)。
以降、図1~図5の作業を繰返し、原子炉圧力容器18を全て解体する。
(実施例2)
図7~11は、実施例2の原子炉圧力容器の解体工法の説明図1~5であり、各図の(1)はOFの平面図であり、(2)は(1)のA-A矢視の概略断面図である。
図7に示すように、実施例2のベース31Aは、平面視で四角形であり、いずれか1の対向する辺にレール38Aを有している。レール38Aは、バンドソー33が原子炉圧力容器18の径方向に沿って進退(スライド)移動可能に構成している。なお開閉式作業床32Aも平面視でベース31Aとほぼ同じ形状に形成している。
あらかじめOF11上にベース31Aと開閉式作業床32Aとバンドソー33を仮置きしておく。そして天井クレーン23を用いてベース31Aを原子炉ウエル14底面に設置する。
図8に示すように、原子炉ウエル14底面に設置したベース31A上に開閉式作業床32A及び開閉式作業床32Aを開閉する動作機構となるウィンチ37をOF11に設置する。その後、開閉式作業床32の開閉動作の確認を行う。またDSP15内に処分容器36を複数搬入する。
次に1次切断手段を原子炉格納容器17内に搬入して、原子炉圧力容器18を所定の寸法に輪切りする1次切断(水平切断)を行う。なお1次切断作業中は開閉式作業床32Aを閉じて放射性物質の飛散を防止することもできる。そして図9に示すように、開閉式作業床32Aを開けて、天井クレーン23で1次切断した原子炉圧力容器18をOF11のフロアレベルよりも下方まで吊揚げ(原子炉ウエル内)、開いている開閉式作業床32Aの高さを超えたら、天井クレーン23を停止させ、開閉式作業床32Aを閉じる。作業床上に1次切断した原子炉圧力容器18を吊降ろし、2次切断する位置を考慮して固縛する。
図10に示すように、天井クレーン23を用いてOF11に仮置きしているバンドソー33をベース31Aのレール38上に設置する。その後、電源を接続し動作確認を行う。
図11に示すようにバンドソー33を切断位置に移動した後、固定する。そして原子炉圧力容器18の軸心に沿って2次切断(垂直切断)を行なう。切断片35は順次DSP15内の処分容器36に収納する。このとき切断片35は、OF11のフロアレベルよりも下方で移動させている。切断片35が一杯になった処分容器36はDSP15内の端に移動させて放射線の遮蔽効果のある所定高さまで積み上げて1次保管する。そして空の処分容器36をDSP15内に順次搬入し、この作業を切断片35がなくなるまで繰り返し行う。この他、順次OF11に搬出し、外部の保管場所に移動させても良い。
図12は実施例2のバンドソーによる2次切断の説明図である。切断片35の切り端の切断面が鋭角になると処分容器36の収納効率が悪くなるため、原子炉圧力容器18の中心部分から切断して、切断面が鋭角にならないようにする。
そこで同図(1)に示すように、中心部分を残して1カ所目を切断する。次いで同図(2)に示すように1か所目と線対象となる位置にバンドソー33をスライド移動して2カ所目を切断する。
同図(3)に示すように2回の切断作業で8カ所の切断ができ、片側3片、計6片の切断片35ができる。
次に同図(4)に示すように、残りの原子炉圧力容器18を天井クレーン23で吊揚げ、90度向きを回転させて再設置し、固縛を行い前記同様の切断を行なう。なお原子炉圧力容器18にはノズル部分などがあるため、そのノズル部分を避けるように切断すると良い。
以降、図7~図11の作業を繰返し、原子炉圧力容器18を全て解体する。
このような本発明の原子炉圧力容器の解体方法及びその装置によれば、機器貯蔵プールよりも広いスペースの原子炉ウエルを2次切断用の作業エリアとして活用することができ、放射能レベルの比較的低い廃棄物L2であれば原子炉ウエル内での切断が可能であり、原子炉ウエル壁面が遮蔽壁となることからオペレイティングフロアとの並行作業も被曝リスクを低減して安全に作業ができる。また通常は閉止しておくことにより開口部となる原子炉ウエル底部からの転落や物の落下による災害を防ぐことができる。また開閉式作業床を閉じて原子炉格納容器を密閉した状態で原子炉圧力容器を1次切断する場合、発生する粉塵や発生するガス等の汚染拡大を抑えることができる。
従来の解体工法のような水中切断では、操作の視認性確保のため水の清浄度を向上させる対策が必要となり、切断作業の難易度が上がってしまう。しかしながら本発明のような気中であるとこのような対策が不要となり、切断作業が容易になる。また、原子炉ウエルの壁面が遮蔽壁となり被曝低減策となる。
また、原子炉圧力容器の1次切断と2次切断を並行して行えば1次切断クル―と2次切断クルーの作業が連続的、並行して行うことになり作業効率が向上する。また連続した作業となることから作業習熟度が上がり安全性も向上する。
なお原子炉圧力容器の2次切断作業は、バンドソーを移動しながら行う他、バンドソーを固定した状態で、開閉式作業床32上で1次切断した原子炉圧力容器18を軸回りに回転しながら2次切断する構成としても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
本発明の原子炉圧力容器の解体工法及びその装置は、特に原子力発電所の廃止措置を行う原子力産業分野において、産業上の利用可能性を有する。
10 原子炉建屋
11 オペレイティングフロア
13 ウエルカバー
14 原子炉ウエル
15 機器貯蔵プール
16 使用済燃料貯蔵プール
17 原子炉格納容器
18 原子炉圧力容器
19 熱遮蔽壁
20 原子炉圧力容器上蓋
21 原子炉格納容器上蓋
22 ペデスタル
23 天井クレーン
24 バルクヘッドプレート
30 原子炉圧力容器の解体装置
31,31A ベース
32,32A 開閉式作業床
33 バンドソー
34 鋸刃
35 切断片
36 処分容器
37 ウィンチ
38 レール

Claims (8)

  1. 輪切りに1次切断した原子炉圧力容器を原子炉ウエル底面の原子炉格納容器の開口部を覆った開閉式作業床上で前記原子炉圧力容器の軸方向に2次切断することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  2. 原子炉ウエル底面で原子炉格納容器の開口部を覆うように開閉式作業床を設置する工程と、
    前記開閉式作業床を開いて前記開口部から1次切断手段を原子炉圧力容器の切断箇所に設置しながら前記原子炉圧力容器を輪切りにする1次切断工程と、
    1次切断した前記原子炉圧力容器をオペレイティングフロアのフロアレベルよりも下方の原子炉ウエル内に吊り揚げて、前記開閉式作業床を閉じる工程と、
    前記開閉式作業床の上面に1次切断した前記原子炉圧力容器を設置する工程と、
    前記開閉式作業床にバンドソーを設置して、1次切断した前記原子炉圧力容器を軸方向に2次切断する工程と、
    を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  3. 請求項2に記載された原子炉圧力容器の解体工法であって、
    前記1次切断工程は、前記開閉式作業床を開いて1次切断手段を前記原子炉圧力容器上に設置した後、前記開閉式作業床を閉じた状態で行うことを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  4. 請求項2又は3に記載された原子炉圧力容器の解体工法であって、
    前記バンドソーは、前記開閉式作業床上で前記原子炉圧力容器の軸心回りを回転又は前記原子炉圧力容器の径方向に進退移動しながら2次切断することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1に記載された原子炉圧力容器の解体工法であって、
    機器貯蔵プールに処分容器を設置して、2次切断した前記原子炉圧力容器をオペレイティングフロアのフロアレベルよりも下方の前記機器貯蔵プール内で移動させて前記処分容器に収納する原子炉圧力容器の解体工法。
  6. 請求項5に記載された原子炉圧力容器の解体工法であって、
    前記処分容器を前記機器貯蔵プール内で1次保管することを特徴とする原子炉圧力容器の解体工法。
  7. 原子炉ウエル底面の原子炉格納容器の開口部を覆う開閉式作業床と、
    前記開閉式作業床の下方で開閉自在に支持すると共に、輪切りに1次切断した前記原子炉圧力容器が通る開口を有し、前記原子炉ウエル底面に設置するベースと、
    前記開閉式作業床の上に載置された1次切断した原子炉圧力容器を軸方向に2次切断するバンドソーと、
    を有することを特徴とする原子炉圧力容器の解体装置。
  8. 請求項7に記載の原子炉圧力容器の解体装置において、
    前記開閉式作業床又はベースは、前記バンドソーが前記原子炉圧力容器の軸心回りを回転又は前記原子炉圧力容器の径方向に進退移動可能なレールを備えたことを特徴とする原子炉圧力容器の解体装置。
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