JP7266544B2 - パイル用紡績糸及び織編物 - Google Patents
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Description
(1)英式番手5~30番手、撚係数Kが2.5~3.4の綿繊維からなるパイル用紡績糸であって、JIS-L1019A法で測定したときに前記紡績糸の平均繊維長が10~23mm、かつ短繊維含有率が30~50%であることを特徴とするパイル用紡績糸。
(2)JIS-L1095B法による比容積が6.0~8.5cm3/gであることを特徴とする(1)に記載のパイル用紡績糸。
(3)(1)又は(2)に記載のパイル用紡績糸の製造方法であって、前記紡績糸の原料として、JIS-L1019A法で測定したときに平均繊維長が10~18mmの綿繊維Aを10~50重量%、平均繊維長が22~35mmの綿繊維Bを50~90重量%使用することを特徴とする製造方法。
(4)(1)又は(2)に記載されたパイル用紡績糸の混率が30~55重量%であるパイル織編物であって、比容積が6.0~8.0cm3/gであることを特徴とするパイル織編物。
(5)パイル織編物が裏毛、又はシンカーパイルであることを特徴とする(4)に記載のパイル織編物。
JIS-L1019-7.2.1の繊維長のA法(ダブルソータ法)に準拠して、紡績糸を繊維の状態にして短繊維含有率を測定した。また、平均繊維長は面積から算出した。試験環境は20℃65%RHとした。
JIS-L1019-7.4.1の繊度のマイクロネヤによる方法に準拠して求めた。
JIS-L1095-9.4.2の方法で見掛けの綿番手(英式番手)を測定した。
JIS-L1095-9.15A法により、撚数を測定して、下記式に当てはめて撚係数(K)を求めた。
撚係数(K)=インチ当たりの撚回数(T)/√番手(’s)
JIS-L1095B法に従って比容積を求めた。
JIS-L1018-6.5のメリヤス生地試験方法の厚さに準拠して測定した。
JIS-L1018-6.4.2のメリヤス生地の試験方法の備考の目付けに準拠して測定した。
編物の嵩高性の指標として、厚みと目付の測定値を用いて以下の式により比容積を算出した。
比容積(cm3/g)={編地の厚み(mm)/編地の目付(g/m2)}×1000
ウースター社の糸測定装置UT-5を用い、糸400m/分をスリットに通し走行させて2Dφ(2方向から測定した平均糸直径)の測定項目に表示されたデータ(mm)を糸直径として読み取った。
カトーテック社製のサーモラボIIを用い、20℃、65%RHの環境下で、BT-BOXのBT板(熱板)を人の皮膚温度を想定して35℃に設定し、その上に試料を置き、熱移動量が平衡になったときの消費電力量Wを測定した。また、試料を置かない条件での消費電力量W0を計測する。以下の式で保温性を計算した。
保温性(%)={(W0-W)/W0}×100
BT板は、サイズ10cm×10cmであるが、試料は20cm×20cmとする。通常は試料を熱板に接触させて測定するが、本発明では、保温性は、熱板の上に断熱性のある発砲スチロール等のスペーサーを設置して試料との空隙を5mm設けて計測を行った。
平均繊維長26.2mmの綿(綿繊維B)80重量%、平均繊維長16.3mmの綿(綿繊維A)20重量%を用いて各々OHARA製混綿機で混綿し、次いで石川製作所製カード機を用いて300ゲレン/6ydのカードスライバーを紡出した。カード機で得たスライバーを原織機製練条機に2回通して400ゲレン/6ydの練条スライバーを得た。更に、このスライバーを豊田自動織機製粗紡機に通して210ゲレン/15ydの粗糸を作成した。そして、豊田自動織機製リング精紡機を用いてドラフト18倍、トラベラ回転数(スピンドル回転数)6000rpmで紡出して英式番手10番手の紡績糸を得た。そのときの撚係数(K)は3.0(撚数9.5T/inch)であった。得られた紡績糸の短繊維含有率は33.2%、平均繊維長は21.3mmであった。紡績糸の比容積は、6.3cm3/gであった。
平均繊維長26.4mmの綿65重量%、平均繊維長16.1mmの綿35重量%を混綿した以外は実施例1と同じ条件で紡績糸を得た。そのとき得られた紡績糸の短繊維含有率は40.6%、平均繊維長は18.4mmであった。紡績糸の比容積は、7.0cm3/gであった。次いで出来上がった該紡績糸を用いて実施例1と同じ条件で2飛裏毛を編成し、染色仕上げを行なって裏毛編地を得た。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、7.2cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例2の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
紡績時の精紡機のスピンドル回転数を8000rpmに変えた以外は、実施例1と同じ条件で紡績した。次いで出来上がった紡績糸を用いて実施例1と同じ条件にて2飛裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、6.38cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例3の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
紡績時の精紡機のスピンドル回転数を4000rpmに変え、糸の撚係数Kを2.7に変更した以外は、実施例1と同じ条件で紡績した。次いで出来上がった紡績糸を用いて実施例1と同じ条件にて2飛裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、6.90cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例4の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
綿繊維Bに使用する綿として平均繊維長24.3mmのものを60重量%、綿繊維Aに使用する綿として平均繊維長12.3mmのものを40重量%に変えた以外は、実施例1と同じ条件で紡績した。次いで出来上がった紡績糸を用いて実施例1と同じ条件にて2飛裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、7.15cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例5の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
綿繊維Bに使用する綿として平均繊維長が28.6mmのものを60重量%、綿繊維Aに使用する綿として平均繊維長14.2mmのものを40重量%に変えた以外は、実施例1と同じ条件で紡績した。次いで出来上がった紡績糸を用いて実施例1と同じ条件にて2飛裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、6.90cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例6の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
実施例1と同条件の綿を用いて粗糸ゲレンを130ゲレン/15ydとして精紡機にて21.8倍のドラフトを掛け、20/1の糸を紡出した。得られた紡績糸を用いてシンカーパイル編地を編成した。シンカーパイルの編機は、30”-18Gの福原機械のPL-2編機を用いてパイル長2.0mmで編成した。使用したシンカーパイルの組織図を図6に示す。次いで実施例1と同条件で染色加工し、シンカーパイル編地を得た。出来上がったシンカーパイル編地は、上記紡績糸の混率が40重量%で、その比容積(嵩高性)は、7.50cm3/gとなり、ソフトで膨らみのある編地であった。実施例7の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
平均繊維長32.7mmの綿100重量%をOHARA製混綿機を用いて混綿し、次いで石川製作所製カード機を用いて300ゲレン/6ydのカードスライバーを紡出した。次いでカードスライバーをコーマ機に掛けて繊維長の長い繊維を残して350ゲレン/6ydのコーマスライバーを得た。コーマスライバーを練条機でダブリング、ドラフトを二回繰り返し、400ゲレン/6ydの練条スライバーを作製した。次いで粗紡機に掛けて210ゲレン/15ydの粗糸を得た。できた粗糸を用いて精紡機にて18倍のドラフトを掛けて10/1のコーマ糸で撚係数K3.6で紡出した。得られた紡績糸の比容積は5.1cm3/gで低い値となった。得られた紡績糸を用いて実施例1と同じ条件で2飛の裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、5.40cm3/gであった。比較例1の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
平均繊維長28.1mmの綿100重量%を用い、糸の撚係数Kを4.0とした以外は、実施例1と同じ条件で紡績した。得られた紡績糸を用いて実施例1と同じ条件で2飛の裏毛編物を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、5.90cm3/gであった。比較例2の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
実施例1と同じ条件にて400ゲレン/6ydの練条スライバーまで作製した後、出来たスライバーを村田機械製のMVS861タイプにて紡績した。そのときのMVSのドラフト条件は110倍として10/1の糸を得た。このように空気紡績で得られた紡績糸を用いて実施例1と同じ条件で2飛の裏毛編地を作製した。出来上がった裏毛編地は、上記紡績糸の混率が36重量%で、その比容積(嵩高性)は、5.10cm3/gであった。比較例3の紡績糸、編地等の詳細を表1に示す。
Claims (5)
- 英式番手5~30番手、撚係数Kが2.5~3.4の綿繊維からなるパイル用紡績糸であって、JIS-L1019A法で測定したときに前記紡績糸の平均繊維長が10~23mm、かつ短繊維含有率が30~50%であることを特徴とするパイル用紡績糸。
- JIS-L1095B法による比容積が6.0~8.5cm3/gであることを特徴とする請求項1に記載のパイル用紡績糸。
- 請求項1又は2に記載のパイル用紡績糸の製造方法であって、前記紡績糸の原料として、JIS-L1019A法で測定したときに平均繊維長が10~18mmの綿繊維Aを10~50重量%、平均繊維長が22~35mmの綿繊維Bを50~90重量%使用することを特徴とする製造方法。
- 請求項1又は2に記載されたパイル用紡績糸の混率が30~55重量%であるパイル織編物であって、比容積が6.0~8.0cm3/gであることを特徴とするパイル織編物。
- パイル織編物が裏毛、又はシンカーパイルであることを特徴とする請求項4に記載のパイル織編物。
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