JP7264618B2 - ポリエステル系熱融着性繊維、その製造方法、およびそれを用いた湿式不織布 - Google Patents

ポリエステル系熱融着性繊維、その製造方法、およびそれを用いた湿式不織布 Download PDF

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Description

本発明は、共重合系ポリエステル系熱融着性繊維に関し、さらに詳しくは主体繊維としてポリエステル繊維を用いるポリエステル繊維紙の製造に適した共重合系ポリエステル系熱融着性繊維に関するものである。
従来、抄紙用原料としてはパルプやレーヨン等のセルロース系繊維が使用されてきたが、機械的特性、電気的特性、耐熱性等の優れた物性の面から、ポリエステル繊維を原料として使用した抄紙法による合成繊維紙の用途が拡大している。
このような合成繊維紙では延伸繊維からなる主体繊維を接着する熱融着性繊維として未延伸ポリエステル繊維を使用することが知られている(特許文献1~3等)。近年、セパレータやフィルター用途等の産業用途において、より緻密な合成繊維紙の要求が高まっており、主体繊維である延伸繊維のみならず、熱融着性繊維にもより細い単糸繊度の繊維が求められている。
例えば特許文献4では、所定の組成のポリマー0.1~5.0質量%とポリエステルを含むポリエステル樹脂から紡糸される繊維で1dtexより細い未延伸熱融着性繊維を開示している。
しかし、その実施例で開示されている繊維の単糸繊度は0.8dtexが下限である。
特許文献1~4に記載の熱融着性繊維では、まだ十分に単糸繊度の熱融着性繊維を得ることは困難であるのが現状であった。
一方、特許文献3には、ナトリウム-5-スルホイソフタル酸を2.5モル%共重合した極限粘度が0.46の共重合ポリエステルからなる未延伸糸を用いたポリエステル繊維紙が開示されている。この繊維の融点は約253℃であるが、得られた紙は強力が小さく、やや弱いものであったと記載されている。紙強力を上げるためには、ポリマーの共重合比率を大きくして未延伸糸の融点を下げる、かつ、結晶性を下げることが効果的であることが自明である。
しかしながら、融点250℃以下の共重合ポリエステル樹脂からなる未延伸熱融着性繊維は、溶融紡糸での冷却固化が遅れることから、安定して細繊度の未延伸糸を採取することが難しい。
また、結晶性に乏しいことから、高温下での保管中や抄紙工程の間で単糸間の融着を生じやすく、均一な地合いで繊維の凝集塊の少ないポリエステル繊維紙を得ることは困難であった。
特公昭49-8809号公報 特開昭57-82599号公報 特開平1-104823号公報 国際公開第2015/152082号公報
細繊度であるポリエステル系熱融着性繊維、その製造方法、それを含む湿式不織布を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成できる熱融着性繊維が得られることを見出した。
すなわち、本発明によれば、
1.融点250℃以下の共重合ポリエステル樹脂から構成されるポリエステル系熱融着性繊維であって、
共重合ポリエステル樹脂が共重合ポリアルキレンテレフタレートであり、
共重合成分の、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分がイソフタル酸成分、イソフタル酸―DEG成分、イソフタル酸-ビスフェノールA成分のいずれかであり、
複屈折率が0.01~0.05、比重が1.37以下であり、且つ、示差走査熱量測定において、25℃から20℃/minの速度で昇温しながら測定した示差走査熱量分析において、40~180℃の温度範囲で冷結晶化ピーク面積により冷結晶化熱量を計算した際に、その値が0.5~10J/gであることを特徴とする、ポリエステル系熱融着性繊維である。
そして、
.共重合ポリアルキレンテレフタレートが、共重合ポリエチレンテレフタレートである、前記記載のポリエステル系熱融着性繊維や、
.単糸繊度が0.7dtex以下であることを特徴とする、前記1または2に記載のポリエステル系熱融着性繊維であり、さらには、
.繊維長さが0.5~15mmである前記1~のいずれか1つに記載のポリエステル系熱融着性繊維が好ましい。
また、別の発明として、
.融点250℃以下の共重合ポリエステル系樹脂を溶融紡糸し、フロー延伸とネック延伸を行った後にカットする繊維の製造方法であって、ネック延伸倍率が1.3~1.9倍であることを特徴とする前記1~のいずれか1つに記載のポリエステル系熱融着性繊維の製造方法である。
そして、さらに別の発明として、
.前記1~のいずれか1つに記載のポリエステル系熱融着性繊維を含有する湿式不織布である。
本発明により、細い単糸繊度で、かつ熱接着後の繊維紙の強度が高く、かつ均一で繊維凝集塊の少ないポリエステル系熱融着性繊維、その製造方法、そして前記ポリエステル系熱融着性繊維を含んだ湿式不織布が提供される。
本発明のポリエステル系熱融着性繊維は、融点250℃以下の共重合ポリエステル系樹脂から構成され、複屈折率が0.05以下、比重が1.37以下であり、且つ、示差走査熱測定において、25℃から20℃/minの速度で昇温しながら測定した示差走査熱量分析において、40~180℃の温度範囲で冷結晶化ピーク面積により冷結晶化熱量を計算した際に、その値が0.5~10J/gであることを特徴とする。
以下、本発明について詳細を説明する。
(ポリマー)
本発明に用いるポリマーは、芳香族ジカルボン酸に脂肪族ジオールを重縮合してなるポリエステルに、第三成分を少なくとも1種以上共重合した、融点250℃のポリエステル系樹脂から構成される。
本発明に用いる前記の共重合ポリエステルの主たる骨格となる成分としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のがポリアルキレンナフタレートといった芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、ポリアルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート等の脂環族カルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、ポリシクロヘキサンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸と脂環族ジオールのポリエステル、ポリエチレンサクシネートやポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールのポリエステル、ポリ乳酸やポリヒドロキシ安息香酸等のポリヒドロキシカルボン酸、等が例示される。好ましくはポリアルキレンテレフタレート、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
そして、前記ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートに共重合させるジオール成分としては、ジエチレングリコール、1、3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環族ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン(ビスフェノールAP)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン(ビスフェノールG)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)等のビスフェノール類、(3S,3aα,6aα)-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3α,6β-ジオール等のイソソルビド、ポリアルキレングリコール等のポリエーテル類、等を1成分以上共重合させてもよく、さらにペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸等の3個以上のカルボン酸成分または水酸基をもつ成分を共重合して分岐をもたせてもよい。
また、前記ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートに共重合させるジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、5-ナトリウムスルホイソフタル酸(別名:3,5-ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸)、5-ナトリウムイソフタル酸ジメチル(別名:3,5-ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム塩)、5-テトラ(n-ブチル)ホスホニウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン等のテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸成分、β-ヒドロキシエトキシ安息香酸、p-オキシ安息香酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸成分、ε-カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン成分(開裂してヒドロキシカルボン酸となる)が例示されるが、特に、イソフタル酸、または5-スルホイソフタル酸塩等のイソフタル酸系ジカルボン酸が、後述する接着力、複屈折率(非晶部分の分子配向)、比重(結晶化度)、冷結晶化発熱量、が適度であり、好ましいと考えられる。
共重合ポリエステル中の主たる骨格となる成分以外の共重合成分の合計量としては、好ましくは3~25モル%、より好ましくは3~20モル%共重合する。3モル%より少ないと接着性が不足する。25モル%より多いと繊維同士が膠着し、分散性が不良となるため、好ましくない。
また、本発明に用いる融点250℃以下の共重合ポリエステルは、上記に例示されるような組成の異なるポリエステルの混合物も含まれる。なお、これらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、抗菌剤、消臭剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。
ここに示すような、融点250℃以下の共重合ポリエステル樹脂は、共重合によって、融点を降下させるとともに結晶性を下げる方向にあるので、未延伸熱融着性繊維に用いたときに、加熱熱や加圧によって高いポリマーの流動性を示し、その結果、この共重合ポリエステルからなる未延伸熱融着性繊維は、高い接着力を呈し、この未延伸熱融着性繊維を含んで得られる不織布や織布の強力を大きくすることができる。しかしながら、前述のように、溶融紡糸工程や高温下保管、および布帛の製造工程において単糸間の融着による凝集塊が発生するので、繊維の繊維軸方向の分子配向を適度の範囲に高く保つことによって、加熱または加圧が低いときには接着しないように制御することで、高い接着力の発現と、紡糸工程から接着工程前の間で繊維接着を起こさないという二律背反の課題を解決し、本発明に到達した。
(複屈折率)
本発明では、ポリエステル系熱融着性繊維の複屈折率(繊維軸方向の分子配向の代用特性)を0.01~0.05の範囲とすることが肝要である。分子配向の代用特性である複屈折率を0.01以上にすることで、非晶部の分子配向が接着時に崩れる際により大きな熱量を必要とするため、融着を生じ難くすることができる。複屈折率が0.01未満となると、前述のような溶融紡糸中の単糸融着や高温下保管時の熱接着発生により塊状の繊維が発生する、また、短繊維として湿式不織布を製造する際には、抄紙工程内の撹拌工程の機械的外力により繊維が融着塊を発生し易くなる。但し、0.05より高くなると布帛製造工程における熱接着処理時に軟化が起こり難くなり、得られるポリエステル熱融着性繊維を含む布帛の強力が低くなる。好ましい範囲は0.02~0.04である。
(結晶化温度、冷結晶化熱量)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維は、示差走査熱量測定において、25℃から20℃/minの速度で昇温しながら測定した示差走査熱量測定のチャートにおいて、40~180℃の温度範囲で冷結晶化ピーク(昇温時結晶化発熱ピーク)のピーク面積を求めることにより冷結晶化(昇温時結晶化)発熱量を計算した際に、その値が0.5~10J/gにあることが本発明の特性を示す特徴である。この範囲とすることで、接着性を抑制しながら、接着性を付与することができる。つまり、10J/g以上の熱量が加わらないような環境温度または圧力下であれば、短繊維間の接着を生じないということである。公知であるポリエチレンテレフタレートのみからなる未延伸糸からなる熱融着性繊維では10J/gより大きく、繊維軸方向への分子配向が小さく、比較的ランダムであることを示している。本発明で用いる共重合ポリエステル樹脂を用いる場合、10J/gより大きいと、例えば抄紙工程での乾燥ローラーや熱圧ローラー、特に金属製のローラーに熱融着性繊維が取られやすくなる。一方、0.5J/gより小さいということは、分子配向が高すぎることを示し、その結果、接着性能が不足する。
(比重)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維の比重は1.37以下である必要がある。1.37より大きいと熱融着性繊維の結晶化が進んでおり、湿式不織布製造の場合、抄き上げ後、乾燥した不織布の接着性が不足する。好ましくは1.365以下、さらには1.36以下が好ましい。
(固有粘度)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維の固有粘度の範囲は、好ましくは0.10~0.80dl/g、より好ましくは0.20~0.70dl/gである。固有粘度が0.80dl/gを越えると収縮率が高過ぎるものとなり、また得られたポリエステル繊維布帛の強力が低くなる。一方、固有粘度が0.10dl/gより小さくなると、曵糸性が悪化し、紡糸が極めて難しくなる。
(単糸繊度)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維の単糸繊度は0.7dtex以下であり、好ましくは0.6dtex以下、さらに好ましくは0.4dtex以下である。単糸繊度が0.7dtexを超えると、得られるポリエステル繊維紙の緻密性が低くなる。単糸繊度の下限は、特に限定されるものではないが、通常安定な製糸性の点から、好ましくは0.01dtex、より好ましくは0.05dtexである。
(繊維長)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維を湿式不織布に用いる場合、好ましい繊維長は0.5~15mm、より好ましくは1~10mmの範囲である。繊維長が0.5mmより短くなると、他の繊維との接着点数が減少し、十分な紙強力が得られなくなる。また、繊維長が15mmより長くなると、抄紙時の繊維の水中分散性が悪化する。
(製造方法)
本発明のポリエステル系熱融着性繊維は以下の方法で製造できる。
即ち、ペレット化された本発明のポリエステル系熱融着性繊維に用いるポリマーを常法によって乾燥後、スクリュー式溶融押出機等を装備した紡糸設備で溶融紡糸し、冷却・固化し、300~1500m/分の速度で引取る。ここで、該ペレットの含有水分率、乾燥温度、溶融紡糸温度および溶融ポリマーの紡糸機内滞留時間を設定、調節し、該ポリマーの固有粘度が、例えば0.10~0.80dl/gの範囲となるようにする。また、各々の固有粘度および吐出量に応じ、紡糸速度を設定する。
そして、粘着性を抑制しながら、さらにはより繊度を細くするために、以下記載の延伸工程を実施する。
得られたポリエステル系未延伸繊維を収束し、そのポリエステル系未延伸繊維をそのガラス転移点(以下、Tgと記す)より高い温度で延伸を行う、いわゆるフロー延伸を行う。そうすることで、未延伸繊維の配向を維持しながら、繊維径を細くする時に有効な延伸方法である。なお、本発明においては、より安定した延伸を行うため、使用するポリエステルのTgより10℃以上高い媒体中で延伸することが望ましい。例えば、本発明に用いる共重合ポリエステルの場合は、80~100℃の湿熱中、即ち、80~99℃の温水中、または、100℃の湿熱中で行う。
フロー延伸倍率は、2.0倍以上とすることが望ましい。2.0倍以上とすることで、通常の延伸方法では得難い、極細繊維の繊維を得るのに有利な条件とすることができる。好ましくは3.5倍以上、より好ましくは5.0倍以上である。
さらに、30~70℃温水中で、ネック延伸倍率は1.3~1.9倍で延伸する。ネック延伸倍率をこの範囲とすることで、熱圧加工時のローラーへの粘着性を抑制しながら、さらに単糸繊度を細くすることが可能となる。ネック延伸倍率が1.3倍より小さいと布帛製造工程中での乾燥ローラーや熱圧ローラーに繊維が取られやすくなる。また、1.9倍より大きいと繊維軸方向の分子配向が進み、接着性能が大きく低下する。また、延伸倍率をこの範囲とすることで示差走査熱分析における冷結晶化(昇温時結晶化)発熱量を上述の範囲とすることができる。
更に、湿式不織布に用いる場合は、延伸した繊維束に対して、抄紙用の界面活性剤を付与したのち、5~40重量%の水分を保持した状態でカッターに供給し、所定の繊維長に切断する。なお、水分率が5重量%より低いと抄紙時の繊維の分散性が悪くなる。水分率が40重量%を越えると、ロータリードラム式カッターで切断する際の水の飛散が多くなり、カッターの運転が困難となる。
また、上記のような製造方法にて得られた本発明のポリエステル系熱融着性繊維を含有することによって、もう一つの本発明の湿式不織布を得ることが可能である。
このような湿式不織布、いわゆる紙を得るには、下記のような製造方法にて得ることができる。
まずこのようなポリエステル湿式不織布、又はポリエステル紙を得る場合には、本発明の熱融着性繊維に加えて、ポリエステル系の延伸繊維と混抄することが好ましい。このような延伸繊維は、通常の延伸を行った繊維であっても良いが、上記のようなフロー延伸した後に、さらに十分にネック延伸を行い、結晶化温度を示さないようにしたポリエステル延伸繊維であることも好ましい。
延伸繊維としては、単糸繊度は0.7dtex以下であることが好ましく、さらには0.5dtex以下、より好ましくは0.001~0.1dtexの範囲内、さらに好ましくは0.01~0.05dtexの範囲である。延伸繊維を得るためのネック延伸倍率としては、2.0~7.0倍の範囲であることが好ましく、特には2.2~6.0倍の範囲であることが好ましい。
バインダー繊維と同じく、この延伸繊維もフロー延伸と同様に媒体中にて行うことが好ましく、特には60~80℃の温水中で行うことが好ましい。
湿式不織布を構成する延伸繊維(または主体繊維という)と熱融着性繊維の重量比率としては、95/5~0/100が好ましく、さらには80/20~0/100、より好ましくは70/30~0/100の範囲であることが好ましい。熱融着性繊維の含量が少なすぎると、湿式不織布の形態を構成する繊維本数が極端に少なくなり、均一な不織布を製造できなくなる、強度不足となるなどの傾向にある。
一般に、主体繊維と熱融着性繊維から成る湿式不織布は、熱融着性繊維の混抄率が高いと、後のカレンダー加工の際に熱融着性繊維がフィルム化し、不織布の特性である通気性を損なうおそれがあるが、より低い結晶化温度を持つ未延伸糸を熱融着性繊維として用いると、その製造工程の中でかかる熱によって結晶化が進むため、熱プレスの際にフィルム化しにくいという特徴が発現する。そのため、主体繊維と熱融着性繊維の重量比を0/100としても、通気性を維持した湿式不織布を製造することが可能である。
そしてこのようなポリエステルからなる湿式不織布は、一般的な抄紙工程によって製造することができる。より具体的には、パルパー中に繊維を分散させ、その後、長網抄紙方式、円網抄紙方式、短網抄紙方式、あるいはこれらを複数台組み合わせて多層抄きにすることも好ましい。より均一な湿式不織布とするためには、パルパー中に分散剤や消泡剤を添加することも好ましい。
抄紙後の乾燥工程は、常法にしたがい、ヤンキードライヤー、エアスルードライヤーなどを用いることができる。乾燥温度は、70~150℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは80~140℃、さらに好ましくは90~130℃の範囲である。乾燥温度が低すぎる場合は、乾燥が不十分となり、最終的に湿式不織布の強度が不足する傾向にある。逆に、乾燥温度が高すぎる場合、熱融着性繊維が結晶化し、最終的に湿式不織布の強度が低下する傾向にある。
そして湿式不織布の製造方法としては、上記のように常法にて抄紙された後、紙強度を向上させるためにカレンダー加工により熱プレスすることが好ましい。この時用いるカレンダーロールとしては、金属/金属ロール、金属/ペーパーロール、金属/弾性ロールなどを用いることが好ましい。
このようなカレンダーによる熱処理において、そのカレンダープレスの温度としては100~240℃の範囲内であることが好ましい。より好ましくは130~230℃、さらに好ましくは150~210℃の範囲内である。温度が低すぎる場合には、繊維が潰れにくくなり湿式不織布の強度が発現しにくい傾向にある。逆に温度が高すぎると、繊維が融解しやすくなり不均一な湿式不織布となる傾向にある。カレンダー熱処理時のプレス圧力としては100~2500N/cm(10~255kgf/cm)の範囲内であることが好ましく、より好ましくは300~2200N/cm(31~224kgf/cm)、さら好ましくは400~2000N/cm(41~204kgf/cm)の範囲である。
そして本発明のポリエステル系熱融着性繊維を用いることによって、ポリエステル主体繊維を熱接着して緻密なポリエステル繊維紙(湿式不織布)を得ることができる。
さらにこのようなポリエステル繊維紙(湿式不織布)は、機械的特性、電気的特性、耐熱性、寸法安定性、疎水性等の優れた物性に優れたものであって、熱カレンダー処理によってもフィルム化しにくく、高い通気性を維持する湿式不織布である。特に本発明の湿式不織布は均一性や多孔性に優れ、特にフィルターやセパレータなどの低目付の用途において、特に有用である。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として、35℃の温度でウベローデ粘度管にて測定した。
(2)融点、結晶化温度、冷結晶化熱量(示差走査熱量測定)
繊維サンプルを温度20℃、相対湿度65%で24時間保持し、乾燥させた。その後、乾燥させた繊維サンプルをTAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121-1987、JIS K7122-1987に記載の方法で測定を行った。
(3)単糸繊度
JIS L1015 8.5.1 B法に従って測定した。
(4)複屈折率(Δn)
市販の偏光顕微鏡を使って、光源にナトリウムランプを用い、試料をα-ブロムナフタリンに浸漬した状態下でBerekコンペンセーター法からレターデーションを求めて算出した。
(5)比重
硝酸カルシウム水溶液から成る密度勾配管で、ISO1183-2:2004に準拠して測定した。
(6)水分率
水分を含んだ約100gのポリエステル熱融着性繊維を120℃の熱風循環式乾燥機の中で絶乾になるまで乾燥する。乾燥前の試料の重量W0と乾燥後の試料の重量W1から、次式によって求めた。
水分率(%)={(W0-W1)/W1}×100
(7)通気度
JIS L1913(一般短繊維不織布試験方法)に基づいて測定し、同一目付の不織布の緻密さの指標とした。
[実施例1]
固有粘度0.66dl/gのイソフタル酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(融点232℃)を140℃で乾燥後、280℃で溶融し、孔数が2504の口金を通して、吐出量420g/分で吐出し、紡糸速度500m/分の速度で引取り、単糸繊度が1.3デシテックスの未延伸ポリエチレンテレフタレート系繊維を得た。該ポリエチレンテレフタレート系繊維を約20万dtexのトウとなし、85℃の温水中において10倍で延伸した後、72℃の温水中において、1.6倍の2段延伸を行い、油剤を付与後、トウの水分率が約15重量%となるように絞り、ドラム式カッターで3mmの長さに切断し、表1に示す特性のポリエチレンテレフタレート系繊維を得た。
得られた未延伸ポリエチレンテレフタレート系繊維40重量%と、単糸繊度が0.6dtex、長さが5mmの延伸熱処理されたポリエチレンテレフタレート(PETと略す)繊維60重量%とを混合撹拌し、ハンド抄紙機(熊谷理機工業製、型番:No.2555、標準角型シートマシン、以下同じ)を用いて、15g/mを抄紙した後、ドライヤー(熊谷理機工業製、型番:No.2575-II、回転式乾燥機(高温型))を用いて、120℃×1分で乾燥処理を施した。
その後、金属/金属からなるカレンダー加工(170℃×50kg(490N)/cm)を施し、不織布を得た。結果を表1に示す。
[実施例2]
固有粘度0.64dl/gのイソフタル酸20モル%共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(融点217℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱融着性繊維、及び、不織布を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
固有粘度0.37dl/gの5-ナトリウムスルホイソフタル酸4.5モル%共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(融点248℃)を150℃で乾燥後、290℃で溶融した以外は、実施例1と同様にして熱融着性繊維、及び、不織布を得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
1段目の延伸倍率を6.5倍、2段目の延伸倍率を1.45倍とする以外は、実施例3と同様にして熱融着性繊維、及び、不織布を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
固有粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット(融点256℃)を170℃で乾燥後、290℃で溶融し、孔数が2504の口金を通して、吐出量390g/分で吐出し、紡糸速度1200m/分の速度で引取り、単糸繊度が1.3デシテックスの未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を得た。該ポリエチレンテレフタレート繊維を約20万デシテックスのトウとなし、油剤を付与後、トウの水分率が約15重量%となるように絞り、ドラム式カッターで5mmの長さに切断し、表1に示す特性のポリエチレンテレフタレート繊維を得た。
得られた繊維は、128℃にピークを有する冷結晶化(昇温時結晶化)発熱ピーク(発熱量27J/g)を示した。引き続いて、実施例1と同じ条件で抄紙した。得られた不織布の特性を表1に示す。
[比較例2]
2段目の延伸倍率を2.4倍とする以外は、実施例3と同等として繊維を得た。実施例1と同様の条件で不織布を作製したが抄き上げ紙の乾燥後の強度が著しく低く、不織布サンプルを採取することができなかった。
[比較例3]
1段目の倍率を14.6倍、2段目の延伸倍率を1.1倍とする以外は、実施例3と同等として繊維を得た。実施例1と同様の条件で不織布を作製したが、カレンダー加工時に熱融着性繊維が金属ローラーに取られ、不織布サンプルを採取することができなかった。
[実施例5]
固有粘度0.56dl/gのイソフタル酸10モル%/ジエチレングリコール(DEG)15モル%共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(融点202℃)を120℃で乾燥後、280℃で溶融し、2段目の延伸倍率を1.9倍とする以外は、実施例1と同様にして熱融着性繊維、及び、不織布を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
固有粘度0.51dl/gのイソフタル酸10モル%/ビスフェノールA5モル%共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(融点228℃)を130℃で乾燥後、280℃で溶融し、2段目の延伸倍率を1.9倍とする以外は、実施例1と同様にして熱融着性繊維、及び、不織布を得た。結果を表1に示す。
Figure 0007264618000001
本発明のポリエステル熱融着性繊維により抄紙(湿式不織布)において、緻密性に優れたポリエステル繊維紙を得ることができ、ろ過膜や、セパレータの基材、高性能フィルターやセパレータ等の用途に供することができる。

Claims (6)

  1. 融点250℃以下の共重合ポリエステル樹脂から構成されるポリエステル系熱融着性繊維であって、
    共重合ポリエステル樹脂が共重合ポリアルキレンテレフタレートであり、
    共重合成分の、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分がイソフタル酸成分、イソフタル酸―DEG成分、イソフタル酸-ビスフェノールA成分のいずれかであり、
    複屈折率が0.01~0.05、比重が1.37以下であり、且つ、示差走査熱量測定において、25℃から20℃/minの速度で昇温しながら測定した示差走査熱量分析において、40~180℃の温度範囲で冷結晶化ピーク面積により冷結晶化熱量を計算した際に、その値が0.5~10J/gであることを特徴とする、ポリエステル系熱融着性繊維。
  2. 共重合ポリアルキレンテレフタレートが、共重合ポリエチレンテレフタレートである、請求項記載のポリエステル系熱融着性繊維。
  3. 単糸繊度が0.7dtex以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエステル系熱融着性繊維。
  4. 繊維長さが0.5~15mmである請求項1~のいずれか1項に記載のポリエステル系熱融着性繊維。
  5. 融点250℃以下の共重合ポリエステル系樹脂を溶融紡糸し、フロー延伸とネック延伸を行った後にカットする繊維の製造方法であって、ネック延伸倍率が1.3~1.9倍であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のポリエステル系熱融着性繊維の製造方法。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のポリエステル系熱融着性繊維を含有する湿式不織布。
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