JP3572645B2 - 竪型製錬炉の原料装入方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、竪型炉により溶融金属を製造する製錬技術に関し、とくに竪型製錬炉内への原料装入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
竪型製錬炉の一つである高炉では、炉内が固・気・液体の向流する高温移動層になっており、その操業を安定に維持することを目的として、原料装入時には原料の装入物分布制御が行われている。
この場合の装入物分布制御とは、高炉内に装入される鉱石, 焼結鉱,コークスなどの装入原燃料(以下原料と呼ぶ)の炉半径方向や炉円周方向での
(1)鉱石層厚やコークス層厚、あるいは鉱石層厚とコークス層厚の比、
(2)鉱石粒径やコークス粒径、あるいは鉱石粒径とコークス粒径の比、
を目標値に制御することであり、
1)炉円周方向での原料の堆積分布については、上記(1)、(2)の値が炉円周方向で均一に分布することが望ましく、
2)炉半径方向での原料の堆積分布については、(1)と(2)の値から決定される通気抵抗分布を適正に制御することが肝要である。
【0003】
そして、ベル式装入装置をもつ高炉では所謂ムーバブル・アーマを用いて、また、ベルレス式装入装置をもつ高炉では旋回シュートの傾動角あるいは複数の傾動角を組合せることによって、原料の装入物分布制御が行われている。
一方、高炉以外の竪型製錬炉では、高炉と異なる炭材を用いるため炉頂から装入する原料の落下強度が弱く、上記ムーバブル・アーマや旋回シュートを使用した場合には、炉頂で原料が粉化して
a)ダストとしての飛散が多くなる、
b)竪型精錬炉内の固体移動層の降下異常の原因となり、安定な操業ができない、
c)炉頂温度が高くなった場合には、上記ムーバブル・アーマやベルレス式炉頂装入装置は使えない
等の理由で、炉頂からの原料装入を炉頂に設けた単数あるいは複数本数の筒もしくは管(以下、このような筒,管を合わせて装入管と称する)から行うことが試みられている。
【0004】
たとえば、Iron Steel Eng.,45(1968)第197〜201頁に開示され、また、第3版 鉄鋼便覧II製銑・製鋼(日本鉄鋼協会編;昭和54年発行〔丸善〕)第333頁にも引用されている還元鉄の製造法(Midrex法)では、炉頂ホッパ下部の原料排出口から炉頂全域に渡って多岐に分岐した装入管を用いた原料装入装置が配設されている。
【0005】
しかしながら、この方法では、炉頂ホッパ排出口から供給される広い粒度分布をもった原料を、炉頂半径方向に所望する粒度分布を持たせることはできない。すなわち、上記方法では、実質上、炉頂で原料粒度分布の半径方向制御は不可能であり、その結果、該竪型製錬炉内の半径方向ガス流れは極端な炉壁流となり、炉壁の熱負荷が多くなり、耐火物の損耗が多くなるとともに、熱損失も多くなり、燃料比が高く、不経済な操業となる。
【0006】
また、Nippon Steel Technical Report,No.12(1978)Dec.に開示された還元鉄の製造法(新日鉄法)では、炉頂に配設された装入管は、竪型製錬炉の軸芯に一致して配設された1本の装入管である。そのため、装入管下端からの粒度分布をもった原料装入物の炉壁に向かう降下流れは、装入前の粒度分布をもった炉頂粒子堆積群が1種のスクリーン作用をするので、新規に装入したより小さな粒子は装入前のより大きな堆積粒子群の間を通過して下に落ちるため、装入管直下の中心位置で細粒が最も多くなり、炉壁部で粗粒の粒子が最も多くなる粒度分布となる。その結果、該竪型製錬炉内の半径方向ガス流れも極端な炉壁流となり、炉壁の熱負荷が多くなり、耐火物の損耗が多くなるとともに、熱損失も多くなり、燃料比が高く、不経済な操業となる。
【0007】
さらに、特開昭59−143009に開示された、粉状原料からの溶融金属製造法に用いられた装入装置は、竪型製錬炉内に装入するのは炭材のみであるため、還元鉄製造のための竪型炉よりは炉頂温度が上昇し、場合によっては1000℃以上の高温となる場合もあり、装入管方式の原料装入装置が必須であった。
しかしながら、この場合においても上記と同様、1本の装入管であり、該竪型炉内の半径方向ガス流れは炉壁流となり、炉壁の熱負荷が多くなり、耐火物の損耗が多くなるとともに、熱損失も多くなり、燃料比が高くなり不経済な操業となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたもので、還元鉄の製造や粉状鉱石からの溶融金属製造に使われる竪型製錬炉において、炉頂ではムーバブル・アーマや旋回シュートを用いずに、炉頂で装入原料の半径方向での粒度分布を制御できる原料装入方法の提供を目的とする。その結果、本発明は、最終的に該竪型製錬炉内の半径方向ガス流れを中心流から炉壁流まで自由に制御でき、極端な炉壁流に伴う炉壁の熱負荷の増大、炉壁耐火物の損耗の増大、炉壁熱負荷の増大、燃料比の増大等を避け、且つ安定した竪型製錬炉の操業を維持することを狙いにしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するために、多数の実験、研究を繰り返し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、竪型製錬炉の炉上方に設けた均排圧ホッパ、装入ホッパ及び装入管を経て炉内へ原料を装入するに際し、該装入ホッパ内に堆積する原料を、該原料の半径方向粒度偏析が該竪型製錬炉炉頂部での原料の半径方向粒度偏析とほぼ同じになるよう調整し、複数の装入管を経て炉内へ装入することを特徴とする竪型製錬炉の原料装入方法である。その際、好ましくは装入ホッパ内に堆積する原料の半径方向粒度偏析を装入ホッパ内に配設したベル、ベルとベルカップの組み合わせ、あるいは旋回シュートにより調整することを特徴とする竪型製錬炉の原料装入方法である。また、実際に際して、本発明は、竪型製錬炉が、炉内に炭素系固体還元剤の充填層が形成され、該充填層に高温空気や粉体原料を吹込む上下少なくとも2段に設けられたそれぞれ複数の羽口を有する炉であり、装入原料が炭材であることを特徴とする請求項1記載の竪型製錬炉の原料装入方法である
【0010】
【作用】
本発明では、竪型製錬炉に原料を装入するに際し、炉上方に設けた装入ホッパ内に堆積する原料を半径方向でムーバブル・アーマ、旋回シュート又は他の手段を用いて粒度偏析させ、装入管を経て炉頂に装入された場合には、そのままの偏析状態を維持して炉内へ該原料を装入できるようにしたので、炉内で原料の半径方向の粒度偏析が得られるようになる。また、本発明を炭素系固体充填層を形成し、該充填層に高温空気や粉体原料を吹込む上下2段に設けた羽口を有する竪型製錬炉に適用しても、上記と同じ効果が得られる
【0011】
その結果、操業者が炉内のガス流れを「中心流を抑制し、炉壁流を促進」したい時は、装入ホッパ内の炉壁側に粗粒コークスを分布させ、装入ホッパの炉中心側には細粒コークスを分布させることで、その目的を達成できる。逆に、炉内のガス流れを「中心流を促進し、炉壁流を抑制したい」ときは、装入ホッパ内の炉壁側に細粒コークスを分布させ、装入管ホッパの炉中心側には粗粒コークスを分布させることで良い。
【0012】
以下、図1〜7に基づき、本発明に至る経緯と内容を説明する。
発明者らは、図1に示すような本発明に係る原料装入方法の概念で模型装置を製作し、炉中心軸に対して同心円上に配設され、かつ重力作用により、原料をその炉頂部に降下・充填させる4本の鉛直原料装入管を用いた原料の装入実験を行った。その実験では、
(A)装入ホッパに装入した原料の半径方向の粒径分布と、装入管を介して竪型製錬炉の炉頂に実現される原料の半径方向の粒径分布との関係、
(B)(A)の関係に対する装入物降下速度の影響、
(C)装入管構造や、装入ホッパの構造についての好ましい条件、等に焦点をあて、広範かつ網羅的な検討がなされた。
【0013】
まず、図4は、本発明に係る竪型製錬炉の概略を示す図であり、上記模型実験は実際の炉に対して縮尺1/7.5の冷間模型(高温で還元をせず、原料の装入のみ)で行った。
装入コンベア1から装入された原料は、レシービングシュート2を経由して、均排圧ホッパ3に一時貯えられる。均排圧ホッパへの原料の装入を完了した後、レシービングシュート2の下端に設けられた上部シール弁4を閉じ、均排圧ホッパ3内部と装入ホッパ5内部の圧力が等しくなるように均排圧ホッパ3内部を加圧する。ついで、下部シール弁6、ゲート弁7の順で開放し、均排圧ホッパ3に一時貯えられた装入炭材を装入ホッパ5に排出する。ここでゲート弁7の開口部の大きさは、装入スケジュールで決められた時間内に原料の排出が完了するように調整できることが望ましい。均排圧ホッパ3から装入ホッパ5への原料の排出完了後、ゲート弁7、下部シール弁6の順で閉じる。装入ホッパ5に堆積したコークスあるいは石炭などの装入原料は、炉本体8での酸素あるいは二酸化炭素などとの反応によって消費されるので、その消費量に応じて装入ホッパ5下端に設けられた装入管9内を降下して装入管9先端から炉内に供給される(模型装置では、炉本体の下に設けた電磁フィーダーで炉内の原料を抜き出して消費量とする)。装入ホッパ5内には常に所定量の原料を堆積させることとし、装入ホッパ5内の原料量があらかじめ設定した下限値にいたった時に、再度、原料装入操作を繰り返す。
【0014】
以下、上記(A)〜(C)に記した広範な検討で行った実験の条件及び結果の一例を、原料がコークスである場合について述べる。
I.一般的な実験条件
(a)実験で用いたコークスは事前に乾燥−破砕−篩い分けを行ったもので、実操業で使用しているコークスに対して、できるだけ固体流れの相似を満たすように、調和平均径で2.5mmになるよう粒度別に篩い分けたコークス試料を配合した。
(b)1チャージ当たりのコークス重量は3.2kgとし、これは実機では1350kgに相当する。
(c)実操業でのコークスの水分量は天候に大きく左右されるが、模型実験ではコークスの水分は特に調整せず、乾燥したままで用いた。
(d)この場合、該コークスの諸特性を測定したところ、コークス付着水分量は1%以下であり、嵩密度は5.3g/cm 、安息角は36°であった。
(e)着色したコークスをトレーサとして用いて、「装入ホッパ〜装入管〜炉内」での装入炭材の降下状況を調べた。
(f)この場合、図5に示すように、装入ホッパの底面(フラット部)の上端までコークスを充填し、次に装入ホッパ内に2枚の薄鉄板製円筒10を同心円状に置いて装入ホッパ内部を3つの領域に分割し、領域毎に色の異なるコークスを入れ、装入ホッパの上端までコークスで満たした。
(g)炉本体の下に設けた電磁フィーダ(図示せず)で炉内のコークスを抜き出し、炉内のコークスを連続的に降下させると、装入ホッパ内の試料は装入管を経由して降下し、装入管の下端に到って、炉内に装入される。装入ホッパ内のコークス試料の減少に対応して、同心円状の3つの領域の各々にすでに装入してあるコークスと同じ色のコークスを追加した。
(h)実験では、実機の炭材20チャージ分に相当する64kgのコークスを炉内から抜き出した。抜き出し時間はおおよそ80分であった。
(i)試料抜き出し終了後、炉内の堆積面表面あるいは炉内の垂直断面でコークスの分布状況を観察した。断面観察の場合は、実験前に炉内の観察面の位置の直径方向に透明塩ビ製の板を垂直に固定し、実験後に炉内を半分に仕切っている塩ビ板の片側半分の試料を掘り出し、半裁断面を観察した。
II.実験結果
実験後の炉内表面の原料の分布状態は、装入ホッパの壁側に堆積したコークスは炉頂では炉壁部に堆積し、装入ホッパの中心部に堆積したコークスは炉頂では中心部に堆積していることが明らかになった。この事実と装入管直下部の炉内の垂直断面での原料の分布状態とを合わせると、装入ホッパから排出されたコークスが装入管を経由して降下する時、装入ホッパの壁側に分布したコークスは装入管内の外側を降下し、装入ホッパの中心部に分布したコークスは装入管内の内側を降下し、コークスが炉内に供給される際に、装入管内の外側を降下してきたコークスは装入管先端の外側の部分から炉壁側に向けて排出され、これに対して、装入管内の内側を降下してきたコークスは装入管先端の炉中心側の部分から炉中心部に向けて排出される。これを図示すると図6のようになる。なお、図6中の記号9−1、9−2等は装入管を示している。
【0015】
また、図7に示すように、コークス排出速度を変化させても、装入ホッパ内の壁側に堆積したコークスの装入ホッパからの排出速度と、装入ホッパの中心部に堆積したコークスの装入ホッパからの排出速度の比率は大きくは変化せず、やはり、装入ホッパの壁側に堆積したコークスは炉内の炉壁に堆積し、装入ホッパの中心部に堆積したコークスは炉内の中心部に堆積する。
【0016】
ここで、「従来の技術」の項でも述べたように、装入管が1本の場合は中央に設置すると、図3(a)に示したように、炉中心部に細粒が分布し、かつ炉壁部に粗粒が分布して操業上好ましくない。中心からずれた位置に装入管を設置することで細粒の分布を炉中心からずらすことはできても、炭材の粒度分布の対称の中心が炉の中心軸と一致せず、炉内の炭材の粒度分布の対称性が乱れ、操業に対する外乱要因になるのみと推定された。装入管2本の場合も、炭材の粒度分布の対称性は改善効果は少なく、装入管を用いた竪型炉内への炭材の供給は、炭材の粒度分布の対称性の観点からは、装入管の本数が多い方が好ましいといえる。しかし、無制限に多くすることは設備の取り合いからできないから、少なくとも3本以上の装入管から構成することが適当である。さらに、複数本の装入管を装入ホッパに同心円上に配置することで、炭材の粒度分布の対称性を乱さず、目標装入物分布の確保を効果的に実施できる。
【0017】
装入管4本を用い、装入ホッパ内の半径方向での堆積コークスの粒度分布を制御しない場合の各サンプリング点での平均粒径値を全体の平均粒径値で除した無次元粒径の炉直径方向の分布、並びに装入ホッパーの半径方向での堆積コークスの粒径分布を制御した場合の分布を図3(b)及び(c)に示した。なお、図2はこの実験での装入管位置を方位で示す図である。図3(b)よりあきらかなように、均排圧ホッパに制御板を入れずに装入管を4本用いても、炉中心部と炉壁部に粗粒が堆積する粒度分布が形成されている。このことは、炉壁部に堆積した粗粒によって炉内の高温のガスが炉壁部に優先的に流れる(炉壁流になる)ことになるから、耐火物の保護、経済性の観点から、この粒度分布は一般的に好ましくない。
【0018】
一方、均排圧ホッパに制御板を入れて装入ホッパ内の粒度分布を制御した場合は、炉中心部のコークス粒径を大きく、炉壁部のコークス粒径を小さくできることから炉内でのガス流分布を操業上好ましい状態にできると推定される。その際、均排圧ホッパ内に設ける原料の半径方向粒度偏析の制御装置としては、制御板、回転分配器等、どのようなものでも良いが、特に制御板の場合には、円形、正方形、あるいは円錐形状であってもかまわない。ただし、炉の中心軸と制御板の重心を一致させ、炉の中心軸に対して対称形であることが好ましい。また、装入ホッパ内にベル、ベルとベルカップの組み合わせあるいは旋回シュートを配設して原料の半径方向粒度偏析の制御を行っても良い。
【0019】
さらに、上記の結果は、原料がコークスでなく、塊鉱石、焼結鉱、他の炭材でも同様の傾向・効果が得られ、粒径分布を持つ原料装入物の炉頂装入時に共通する粒度偏析現象であることが多くの実験から明らかになった。
装入ホッパの形状は、円筒に4個のコーン部が配置され、各ホッパの先端に装入管が取り付けられており、この装入管を経由して炉内にコークスが供給される形式のものを用いた。あるいは装入ホッパの形状として、ホッパ中心部に円錐台形状の突起を有し、円錐台形状の突起とホッパの外壁との間で漏斗状の空間を形成し、漏斗状の空間の底部に装入管を配置したものであってもよい。また、装入管自体の構造としては、円筒状でも良いが、管内でのブリッジの発生を防止する意味から若干末拡がりのテーパーを付けた円筒管が好ましい。その材質は、炉頂ガスと反応しないもので、特に、該竪型製錬炉の炉頂温度が上昇する可能性のある場合には、耐熱合金製又はセラミックスや耐火物製のものが好ましい。
【0020】
発明者は、以上のような模型実験で得た新規な知見にもとづいて、装入ホッパ内の半径方向のコークス粒度分布を制御し、その粒度分布を維持するように多数の装入管を通して原料を落下させることによって、炉内半径方向のコークス粒度分布を制御技術を完成させたのである。
装入ホッパ内でのコークスの粒度分布を制御するには、装入ホッパ内での炭材の堆積状態を調整する方策が有効であり、具体的には、装入ホッパ下端に有する複数本の装入管を装入ホッパの中心軸あるいは製錬炉の中心軸を中心とする同心円上に配置するとともに、図1に示すように均排圧ホッパ内に制御板を設けて、装入ホッパに炭材を供給する均排圧ホッパ内での炭材堆積時と、均排圧ホッパからの炭材排出時の炭材の運動を制御すればよいとの結論に達したのである。
【0021】
【実施例】
内容積140m の竪型製錬炉8の炉頂部に、該製錬炉の中心軸に対して同心円上90°の等間隔に配設され、かつ重力作用により、原料11を製錬炉8炉頂部に降下・充填させる4本の鉛直原料装入管9と、該装入管9に連結された装入ホッパ5、該装入ホッパ5に原料11の粒度偏析を半径方向につける手段及び該原料11の半径方向の粒度偏析を検知する手段を有する均排圧ホッパ3からなる原料装入装置を用いて炭材を炉内に装入し、装入物の填充状態を調査をした。
【0022】
均排圧ホッパ3は、内径2200mm、排出部直径500mm、制御板12の径は750mmで、かつその取付け位置は均排圧ホッパ3の原料11排出部下端から上方に800mmの位置である。この時、制御板12と均排圧ホッパ3の間隔は250mmであった。炭材の平均粒径は25mmであったが、制御板12と均排圧ホッパ3間での炭材の詰まりの問題はおこらなかった。
【0023】
装入ベルトコンベア1から装入されたコークス11を、レシービングシュート2を経由して、均排圧ホッパ3に一時貯え、レシービングシュート2の下端に設けられた上部シール弁4を閉じて、均排圧ホッパ3内部と装入ホッパ5内部の圧力が等しくする操作を行った。ついで、下部シール弁6、ゲート弁7の順で開放し、均排圧ホッパ3に一時貯蔵したコークス11を装入ホッパ5に排出した。ここでゲート弁7の開口部の形状は300mmの正方形であり、原料11の排出平均時間は101.5秒(実験回数n=10)であった。均排圧ホッパ3から装入ホッパ5への原料の排出完了後、ゲート弁7、下部シール弁6の順で閉じた。
【0024】
この実験結果をまとめると先に模型実験で得た図3(b)〜(c)と同様になり、単純に4本足装入管9から原料11を炉内に供給したベース(図3(b))と比較して、均排圧ホッパ3内の制御板12を設けた場合は(図3(a))、炉壁部の粗粒の抑制に効果が認められた。すなわち、均排圧ホッパ3内の制御板12の有無によって竪型製錬炉8内の半径方向の炭材粒径分布の制御が可能であった。
【0025】
さらに、装入ホッパ5に原料を供給する均排圧ホッパ3に配設した装入管ホッパ5内の原料粒度偏析を半径方向に制御する制御板12を具体的に作用させるにあたって、竪型製錬炉8内炉頂に設けた観察用カメラの撮像結果から該原料11の半径方向の粒度偏析状況を求めた。これと予め設定した竪型製錬炉炉頂部での原料11の半径方向粒度分布の目標値を比較するとほぼ一致していた。この装入状態で操業を行った場合、竪型製錬炉8の高さ方向3ケ所、円周方向45°ピッチ8ケ所の計24ケ所での炉壁耐火物の損耗速度は前者を基準として、10%の低減効果があった。
【0026】
また、均排圧ホッパ3に配設した制御板12を作用させるにあたって、竪型製錬炉8の炉頂部直径方向に差し渡した水平ゾンデ(温度、ガス組成のセンサ)を用いて竪型製錬炉8の半径方向のガス組成分布とガス温度分布を検出し、これが目標とするガス組成、ガス温度分布のいづれかもしくは両者と一致するように制御すると更に効果的である。
【0027】
本実施例においては、制御板12が無い場合と比較して原料排出制御板12が有る場合は、炉中心部の炭材の平均粒径を大きくでき、かつ炉壁部の炭材の平均粒径を抑制できる。すなわち、炉壁部のみに優先的にガスが流れる条件では炉壁に対する熱的な負荷が上昇し炉壁の損耗を早めることになるから、制御板12を設置し炉壁部の炭材の平均粒径を抑制すればよい。逆に炉壁部にほとんどガスが流れない条件では、炉壁での付着物の形成が進むと、やがて炉壁から付着物が脱落し、安定操業に対する著しい阻害要因となるから、制御板12を使用せず炉壁部の炭材の平均粒径を促進すればよい。
【0028】
また、制御板12の大きさ・取付け位置を変更することで装入ホッパ5内の炭材の堆積・排出状態を変化させることができ、ホッパ内の炭材粒度分布を制御し、ホッパの炉壁部に堆積したコークスは炉内の炉壁に堆積し、ホッパの中心部に堆積したコークスは炉内の中心部に堆積するから、炉内の炭材の粒度分布が制御できることはいうまでもない。
【0029】
次に、上記実施例と同じ内容積140m の竪型炉を用いて、別の填充調査を行った。その際、図8に示すように、装入ホッパ5には、底面直径2400mmで高さ1200mmの円錐形状の耐摩耗鋳鋼製のベル13を取付けた。ベル13下端と装入ホッパ5の底面フラット部14との距離を1000mmとして、ベル13の中心軸と竪型製錬炉8の中心軸が一致するように、ベル13を固定した。装入ホッパ5の内径は3300mm,ベル13底面の直径は2400mmであり、装入管9の内壁とベル13との間のクリアランスは450mmであったが、均排圧ホッパ3から排出した炭材11は、特に問題なく装入ホッパ5内に堆積し、かつ装入管9を降下した。装入管の本数はこの場合も4本であって、それらは竪型製錬炉の中心軸に対して同心円上に配置されている。但し、図8(b)に示した装入ホッパ5内にベル13のみを設けた条件では、均排圧ホッパ3からの炭材11の落下具合によって、ベル13の特定の斜面からの炭材11の落下が優先し、竪型製錬炉8内円周方向で炭材11の堆積状態が不均一になることがあった。
【0030】
装入ベルトコンベア1から装入された炭材11を、レシービングシュート2を経由して、均排圧ホッパ3に一時貯えた。レシービングシュート2の下端に設けられた上部シール弁4を閉じて、均排圧ホッパ3内部と装入ホッパ5内部の圧力を等しくする操作を行った。ついで、下部シール弁6、ゲート弁7の順で開放し、均排圧ホッパ3に一時貯蔵した炭材11を装入ホッパ5に排出した。ここで、ゲート弁7の開口部の径は300mmであり、炭材11の排出平均時間は103.7秒(実験回数n=10)であった。均排圧ホッパ3から装入ホッパ5への炭材11の排出完了後、ゲート弁7、下部シール弁6の順で閉じる。図3(d)はこの時の実験結果をまとめたものであり、本発明者の推論に違わず、単純に4本足装入管から炭材11を炉内に供給したベース条件と比較して、装入ホッパ5内の炭材11の堆積形状を制御することで、炉中心部の平均粒径の増加と炉壁部の粗粒の抑制の効果が認められた。
【0031】
装入ホッパ5内にベル13を設置するだけの図8(b)のような場合は、均排圧ホッパ3からの炭材11の落下の具合によって、炭材11がベル13の特定の斜面から落下し、炉内円周方向で炭材11の堆積量が不均一になることがある。これに対して、図8(c)に示すように、装入ホッパ5内に設置したベル13にベルカップ15を組み合わせ、一度ベル13とベルカップ15の間に炭材11を堆積させた後に、ベル13を降下することでベル13とベルカップ15の間隙から炭材11が落下するようにベルカップ15を配置すると(図9参照)、ベル13上での炭材11の偏流に起因した円周方向の炭材落下量のばらつきを小さくできた。この場合は、装入ホッパ5内に設置するベル13あるいはベルカップ15を可動構造にする必要があり、例えば高炉で見られるように上下に駆動できる構造のベルにする。
【0032】
装入ホッパ5内にベル13を設置する、あるいはベル13とベルカップ15を設置した上記実施例に対して、図8(d)に示すように、炉半径方向に可動するムーバブル・アーマ16を円周方向に配置した場合も調査した。そこでは、炭材11がベル13先端から炉内に落下する際、図9に示すように、炉半径方向でその位置を調整したムーバブル・アーマ16に炭材11がぶつかった後に、竪型製錬炉8内に落下するようになるので、炭材11の炉半径方向での落下位置は容易に制御することができた。さらに、装入ホッパ5内での炭材11の堆積形状の調節に図8(e)に示すように、装入ホッパ5内に傾動旋回自在のベルレスシュート17を設置すると、竪型製錬炉8内に落下する炭材11の落下位置は、図8(d)の場合と比較してみてもさらに精度の良い制御が可能となった。ベル、ベルカップさらにムーバブル・アーマあるいはベルレスシュートを用いたこの実施例においては、これら装置は炉頂部ではなく、装入ホッパ内に配置され、炉内とは装入管によって連絡するものの高温のガスが炉頂部から装入ホッパに入らないので、設備上の耐使用温度に関する問題はない。
【0033】
【発明の効果】
竪型製錬炉において装入管方式で行う原料装入は、高炉のようにムーバブル・アーマや旋回シュートを持たないので、設備構造が比較的簡単であり、製錬炉における設備費を相対的に安価なものにでき、且つ設備のメンテも容易である。本発明では、かかる利点を活かしながら、従来できなかった炭材の粒度偏析分布を実現したことになる。
【0034】
その結果、高温度にも耐え、炉壁部のみに優先的にガスが流れることを防いで炉壁に対する熱的な負荷の上昇を低減し、炉壁損耗の抑制が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原料装入方法の概念を示す模式図である。
【図2】モデル実験での装入管位置を方位で示す図である。
【図3】図1に示した装置を用いて本発明を実験した時の炉頂における炉半径方向の平均粒度分布(c)(d)、ならびに比較例(a),(b)を示す図である。
【図4】竪型製錬炉の具体的な装置構成を示す図である。
【図5】模型実験の実施方法を示す図である。
【図6】模型実験による装入ホッパから炉内への原料降下状況の調査結果であり、(a)は装入ホッパ内の原料分布、(b)は製錬炉内装入物の表面における原料分布を示す図である。
【図7】模型実験による装入ホッパからの原料排出速度の影響を調査した結果である。
【図8】本発明に係る原料装入方法の実施態様を示す図であり、(a)は従来例、(b)は装入ホッパ内の堆積原料の粒度偏析を起こさせるためにベル、(c)はベルとベルカップ、(d)はベルとムーバブル・アーマ、(e)はベルレス・シュートをそれぞれ用いた場合である。なお、図中の矢印は炭材の運動を示している。
【図9】ベルとベルカップ間から炭材が落下する様子を示し、(d)の装置を用いての(a)はベルとベルとベルカップ間に炭材を堆積した状況、(b)はムーバブル・アーマ使用なし、(c)はムーバブル・アーマ使用時の炭材落下状況を示す図である。
【図10】ベルレス・シュートを用いた装入ホッパ内での炭材堆積状況である。
【符号の説明】
1 装入コンベア
2 レシービングシュート
3 均排圧ホッパ
4 上部シール弁
5 装入ホッパ
6 下部シール弁
7 ゲート弁
8 炉本体(竪型精錬炉)
9 装入管
10 薄い鉄板の仕切り
11 原料(コークス)
12 制御板
13 ベル
14 装入ホッパの底面フラット部
15 ベルカップ
16 ムーバブル・アーマ
17 ベルレス・シュート

Claims (3)

  1. 竪型製錬炉の炉上方に設けた均排圧ホッパ、装入ホッパ及び装入管を経て炉内へ原料を装入するに際し、該装入ホッパ内に堆積する原料を、該原料の半径方向粒度偏析が該竪型製錬炉炉頂部での目標とする原料の半径方向粒度偏析とほぼ同じになるように調整し、複数の装入管を経て炉内に装入することを特徴とする竪型製錬炉の原料装入方法。
  2. 竪型製錬炉が、炉内に炭素系固体還元剤の充填層が形成され、該充填層に高温空気や粉体原料を吹込む上下少なくとも2段に設けられたそれぞれ複数の羽口を有する炉であり、装入原料が炭材であることを特徴とする請求項1記載の竪型製錬炉の原料装入方法。
  3. 請求項1または2において、装入ホッパ内に堆積する原料の半径方向粒度偏析を装入ホッパ内に配設したベル、ベルとベルカップの組み合わせ、あるいは旋回シュートにより調整することを特徴とする竪型製錬炉の原料装入方法。
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