JP7262760B2 - シワ予防・改善用の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物 - Google Patents

シワ予防・改善用の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物 Download PDF

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本発明は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有する、皮膚のシワに対する予防・改善効果に優れた内服剤、外用剤、化粧料、および飲食品組成物に関する。
加齢に伴って皮膚の弾力性は失われ、シワの形成と肌の老化が進行するが、その原因は、皮膚の弾力やハリを維持している真皮のコラーゲンやエラスチンなど弾性繊維が減少すること、並びに基底膜のコラーゲンが分解して土台としての役割が損なわれることが主な原因である。
これまでに、シワ改善剤としてはレチノイン酸が広く知られているが、催奇性などの重大な副作用があるため、日本では認可されていない。また、コラーゲン、ヒアルロン酸を配合することによるシワ改善の試みがなされているほか、アスコルビン酸(例えば、特許文献1参照)などがシワ改善剤として知られている。しかしながら、従来のシワ改善剤の多くは化学合成品であり、副作用などの問題があった。また、植物抽出物を有効成分とするものでは、十分なシワ改善効果が得られなかった。
一方、ポリメトキシフラボノイドであるタンゲレチンは、カンキツ特有のフラボノイドであるが、近年、がん予防、老化抑制、抗動脈硬化作用等さまざまな生理作用が知られるようになってきた。
本発明者らは、タンゲレチンを多く含有するカンキツ類の果皮を用い、特定種類の麹菌で発酵することにより、主成分の一つであるタンゲレチンが4’-デメチルタンゲレチンに変換することを明らかにした。また、本発明者らは、4’-デメチルタンゲレチンが、優れた記憶改善作用を有することも見出した(例えば、特許文献2参照)。
特開2003-267856号公報 特許第5667561号公報
本発明は、食品由来の安全性の高い成分を有効成分とし、皮膚のシワ形成に対する予防・改善効果がある内服剤、外用剤、化粧料、および飲食品組成物を開発することを目的とする。
本発明者らは、さらに4’-デメチルタンゲレチンの機能性について検討を重ねた結果、皮膚のシワ、弾力性低下などの肌老化に対して有効であることを見出した。これらの知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワの予防又は改善用の医薬品、医薬部外品又は化粧料に関する。
また、本発明は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワの予防又は改善用飲食品組成物に関する。
本発明は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有することにより、皮膚のシワ形成に対する予防・改善効果がある内服剤、外用剤、化粧料、および飲食品組成物を提供することを可能とする。
4’-デメチルタンゲレチンはカンキツ果皮成分のタンゲレチンから麹菌発酵法により変換して得ることができるため、本発明の薬剤、飲食物は安全性が高く副作用の心配がない。
4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤又はプラセボ錠剤摂取によるヒトの皮膚への効果を示す図である。棒グラフは左からプラセボ錠剤服用者の試験開始前、試験開始6か月後、4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用者の試験開始前、試験開始6か月後、の手の甲の写真の2値化処理による黒/白比の値を示す。バーは標準偏差を示す。*は試験開始前の黒/白比に対してp<0.05で有意差があることを示す。 4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤摂取によるヒトの皮膚への効果を示す図である。図は試験開始前(左)及び試験開始6か月後(右)の手の甲の写真の2値化処理例を示す。
以下、本願の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワの予防又は改善用の医薬品、医薬部外品、化粧料または飲食品組成物に関する。
〔4’-デメチルタンゲレチン〕
4’-デメチルタンゲレチン(式1)は市販されていないが、合成品を用いることができる。あるいは、上記した特許文献2の方法により、タンゲレチンを含有するカンキツ類、特に果皮を用いた麹菌発酵により得られた4’-デメチルタンゲレチン純品(単離物)または4’-デメチルタンゲレチン含有組成物を用いることができる。合成品よりも、麹菌発酵によるタンゲレチンの生物変換を利用する特許文献2の方法の方が簡便かつ安価なため、好適である。
Figure 0007262760000001
4’-デメチルタンゲレチンは、タンゲレチンが体内で吸収された後にできる代謝産物の一つでもある。カンキツ果皮はマーマレード、砂糖煮などのお菓子の原料として利用され、また、タンゲレチン含量の高いマンダリンオレンジ(Citrus reticulata)はチンピとして長年の食経験があり、4’-デメチルタンゲレチンおよびその含有組成物は、非常に安全性が高い。
特許文献2に記載された方法に準じた、4’-デメチルタンゲレチンおよびその含有組成物の製造方法について、以下に説明する。
〔発酵原料〕
麹菌発酵の原料は、ポリメトキシフラボノイドであるタンゲレチンを含有するカンキツ類の‘果実’(果皮、果汁、果肉、種子などを含む果実全体)であるが、特には、タンゲレチンの含有率、廃棄物の有効利用の観点から、‘果皮’を用いることが望ましい。
また、カンキツ類の種類としては、タンゲレチンを含有するカンキツ類であれば、如何なる品種、系統のもの(例えば、ポンカン、シークワーシャ、タンジェリン、タチバナなど)も用いることもできる。
なお、発酵原料としては、カンキツ類の植物体の他の部分(例えば、葉、芽、茎、花、など)を含むものを用いてもよいが、タンゲレチンの含有率の点でこれらを含まないものであることが望ましい。
上記カンキツ類は、好ましくは、収穫・採取した生のもの、水洗いしたもの、を用いることが望ましいが、乾燥、凍結、長期保存したものなどであっても用いることができる。
また、カンキツ類はそのままの形態で用いてもよいが、刻むか、砕片化するか、擂潰するかのいずれかの処理を行うことが望ましい。
当該工程は、カンキツ類をいくつかの破片に大きめに刻むこと、細かい小片に細断すること、破砕すること、擂り潰すこと、粉末状にすること、等、幅広い行為を含むものである。好ましくは、1~数cm程度に大きめに刻んだ状態にすることによって、行うことができる。
またさらには、これら発酵原料から、予めタンゲレチンを抽出して得た抽出物(エキス、乾燥物)や、純品のタンゲレチンとして単離したものを用いることもできる。
なお、これら発酵原料は、後記の麹菌発酵を行う前に、加熱処理を行って、原料中の雑菌を殺菌しておくことが好ましい。
〔麹菌発酵〕
前記発酵原料を発酵させる麹菌としては、例えばアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、リゾプス属糸状菌(別名クモノスカビ)、などを用いることができる。また、これらを混合させて用いてもよい。
前記麹菌のうち好ましくは、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、を用いると、4’-デメチルタンゲレチンを高い含有率で得ることができる。
発酵原料へ前記麹菌を接種する方法としては、麹菌の胞子を発酵原料に直接振りかけて付着させることができる。また、予め前記麹菌を液体培養により予備発酵した培地を、発酵原料全体に行き渡るように接種してもよい。
前記麹菌を発酵原料に接種する場合の微生物発酵条件としては、好気的条件で行うことが望ましいことから、例えば有底円筒状の底部が広く深さが浅い容器が好適である。
このような容器の底部に、発酵原料を万遍なく広げ、空気との接触面積が大きくなるようにするとよい。
発酵温度としては、前記麹菌の生育に好適な条件として、好ましくは10~40℃、より好ましくは20~40℃、さらに好ましくは25~32℃で行われる。加えて、前記麹菌の生育に好適な条件として、暗所で発酵させるのが好ましい。また、原料中に十分な水分が含まれている状態であることが好ましい。
4’-デメチルタンゲレチンを多量に得るための微生物発酵の発酵期間としては、1~14日間とすることができ、好ましくは2~14日間、より好ましくは2~10日間、さらに好ましくは2~4日間である。
この発酵期間が1日間未満の場合には、前記麹菌による微生物発酵がほとんど進行していないことから十分な4’-デメチルタンゲレチンが得られない。また、逆に14日間を超える場合には、微生物変換により生成された4’-デメチルタンゲレチンの分解が進み、またカンキツ由来の好ましい芳香が消失する。
また、当該麹菌発酵においては、麹菌から分泌される酵素によって、タンゲレチンがデメチル化され、4’-デメチルタンゲレチンへと変換させるものである。
従って、麹菌発酵を行う代わりに、当該麹菌もしくは発酵後に得られる発酵物から溶液抽出を行ってタンゲレチンをデメチル化する酵素を含む酵素液を得、当該酵素を用いて前記原料と酵素反応を行って反応物を得ることで、4’-デメチルタンゲレチンを得ることも可能である。
具体的には、当該麹菌発酵後の発酵物からの水溶解物を回収し、粗酵素液として用いることで、酵素反応を行うことができる。
上記の麹菌発酵を行うことによって、前記カンキツ原料に含有されるポリメトキシフラボノイドであるタンゲレチンは、すべて4’-デメチルタンゲレチンに変換される。
具体的には、前記カンキツ原料を麹菌発酵することによって、4’-デメチルタンゲレチンが乾燥重量あたり約0.5~1.5質量%(具体的には、約1質量%)という、高い含有率の麹菌発酵物を得ることができる。
従って、ここで得られた麹菌発酵物を、得られたそのままの形態で、もしくは、加工(例えば、細片化、擂潰、粉末化、乾燥、など)して、本実施形態の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物の有効成分として用いることができる。
〔溶液抽出〕
なお、純度の点を鑑みると、本実施形態の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物の製造においては、前記麹菌発酵の後に得られる発酵物から溶液抽出を行って、抽出物を得ることが望ましい。
当該溶液抽出工程は、前記麹菌発酵物に対して直接行うこともできるが、前記麹菌発酵物について、さらに細片化、破砕、擂潰、粉末化等のいずれかの処理を行った後に得られたものに対して行うことが望ましい。
溶液抽出工程に用いる溶媒は、水、緩衝液、有機溶媒、またはそれらの含水溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールのような低級脂肪族アルコールや、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム等が挙げられる。
これらの溶媒の中でも、水、エタノールあるいは含水エタノールが抽出効率や取り扱いやすさ、安全性の面で特に好ましい。
特には、含水エタノールが好ましく、より好ましくは終濃度20%以上、さらに好ましくは終濃度30%以上、特に好ましくは終濃度35~45%、最も好ましくは終濃度37~43%(いずれもv/v)の含水エタノールを用いて抽出を行うことで、4’-デメチルタンゲレチンの抽出効率を向上できるため好ましい。
抽出条件としては、前記原料(好ましくは砕片化物)に対して、前記溶媒を、1から20倍量、好ましくは2~10倍量(いずれも質量比)加え、0℃~溶媒の沸点の温度条件、好ましくは室温~溶媒の沸点以下の温度で、5分間~1ヶ月間、好ましくは20分間~1週間、浸漬もしくは振盪することにより、抽出することが可能である。
得られた抽出液は、凍結乾燥やエバポレーター等を用いて乾燥させることで、濃縮乾固物とすることができる。
また、溶液抽出工程は、異なる複数の溶媒で、複数回行うこともできる。特に、一度目の抽出を水や低濃度の含水アルコールで行った場合、次に前記特定濃度の含水エタノールを用いた抽出を行うことで、4’-デメチルタンゲレチンの抽出効率を向上させることができる。
上記により得られた抽出物(前記抽出液や濃縮乾固物)は、皮膚のシワ、弾力性低下といった肌老化に対して優れた防止・改善作用を有するため、そのまま本実施形態の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物の有効成分として用いることができる。
〔精製〕
また、これらに対して、精製工程を行うことによって、4’-デメチルタンゲレチン含有量をさらに高めることができる。
精製工程としては、液-液分離抽出や、シリカゲル、化学修飾シリカゲル、活性炭、合成吸着樹脂担体等によるカラム精製により、高含有組成物を得ることができる。以下に好適な精製条件の一例を示す。
まず、エタノール濃度35~40%(v/v)の含水エタノールでの抽出により得られた抽出液を、抽出溶媒と同様のエタノール濃度の含水エタノールで平衡化した多孔性合成吸着樹脂(具体的には、ダイヤイオンHP20〔三菱化学社製〕)のカラムに供した後、39~41%(v/v)エタノール(具体的には40%(v/v)エタノール)で溶出される液を除去する。
次に、42~44%(v/v)エタノール(具体的には43%(v/v)エタノール)で溶出される成分を回収することにより、4’-デメチルタンゲレチンを選択的に分離し、4’-デメチルタンゲレチン高含有組成物を得ることができる。
なお、上記に記載した好適な条件で抽出および精製を行うことにより、4’-デメチルタンゲレチン30%(w/w)以上を高含有する組成物を得ることができる。
また、上記のように得られた4’-デメチルタンゲレチン含有組成物は、さらにODSカラムクロマトグラフィー(具体的には40%(v/v)メタノール溶出)、薄層クロマトグラフィー(TLC)(具体的にはヘキサン/エタノール〔7:3〕)、ODS-HPLC(具体的には33%〔V/V〕アセトニトリル・水の混合溶媒)に供し、目的ピークを採取することで、4’-デメチルタンゲレチンの純品を単離することができる。
上記により得られる4’-デメチルタンゲレチンは、4’位が脱メチル化したタンゲレチンのモノデメチル体である。4’-デメチルタンゲレチンは脱メチル化により極性が高くなり、タンゲレチンに比べてアルコール、水への溶解性に優れる。
また、4’-デメチルタンゲレチンは、皮膚のシワ、弾力性低下などの肌老化に対する優れた予防・改善作用を有する。
したがって、4’-デメチルタンゲレチンは、肌老化並びに皮膚のシワ予防・改善剤として、本実施形態の医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物の有効成分として用いることができる。
〔医薬品、医薬部外品、化粧料及び飲食品組成物〕
本実施形態は、4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワ予防又は改善用の医薬品、医薬部外品、化粧料或いは飲食品組成物に関する。
上記の4’-デメチルタンゲレチンは、上記工程で得られる各組成物(‘発酵物を直接含有する組成物’‘溶液抽出物’‘高含有組成物’)や、‘単離物’として各種原料に混合することで、医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物の有効成分として用いることができる。
ここにおいて、「飲食品組成物」には一般的な飲食物と機能性食品、機能性飲料が含まれる。
また、前記医薬品、医薬部外品は内服剤、外用剤のいずれの形態であってもよい。
内服剤や飲食品組成物として経口摂取する場合の4’-デメチルタンゲレチンの有効摂取量としては、体重60kgの成人1日あたり、1mg以上、好ましくは5mg以上経口摂取することにより、皮膚のシワ、弾力性低下などの肌老化に対する優れた予防、改善作用を得ることができる。
あるいは化粧料、医薬部外品等として外用する際は、4’-デメチルタンゲレチンを0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上を含む外用剤により、皮膚のシワ、弾力性低下などの肌老化に対する優れた予防・改善効果が得られる。
従って、この必要量を確保できる形態や摂取方法(回数、量)で、本実施形態の医薬品、医薬部外品、化粧料または飲食品組成物を摂取または塗布することで、上記薬理作用が得られることが期待される。ただし、対象の年齢、体重、症状、摂取スケジュール、製剤形態などにより、摂取量や塗布量を適宜決定することが望ましい。
また、医薬品、医薬部外品、化粧料又は飲食品組成物における4’-デメチルタンゲレチンの含有量としては、上記必要な摂取量を担保できるように含有するものであればよいが、具体的には、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上となるように含有させることができる。また、上限としては、20質量%以下を挙げることができる。
医薬品、医薬部外品又は化粧料の形態としては、例えば、服用する際は粉末状、細粒状、顆粒状、などとすることができ、カプセルに充填する形態の他、水に分散した溶液の形態、クリーム状、賦形剤等と混和して得られる錠剤の形態とすることもできる。医薬部外品や化粧料などの外用剤として用いる際は、液体状やジェル状、クリーム状、軟膏などの形態とすることができる。
本実施形態の医薬品、医薬部外品又は化粧料には、4’-デメチルタンゲレチンまたはその含有組成物以外にも、本発明の効果を奏する範囲内で、各種担体や添加剤、他の薬効成分などが含まれていても良い。
また、飲食品組成物としては、種々の食品原料や添加剤などと混合して、例えば、ビスケット、スナック菓子、ガム、チュアブル錠、清涼飲料水、ドリンク、スープ、ゼリー、キャンディ等の形態とすることができる。
上記、飲食品組成物、化粧料、医薬部外品、医薬品は、スキンケアとして外用、内服両方を併用することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1> 4’-デメチルタンゲレチン含有組成物の調製
特許文献2に記載の方法に準じて、ポンカン果皮を麹菌発酵することによりタンゲレチン変換物4’-デメチルタンゲレチンを調製した。
すなわち、ポンカン果皮10kgを刻んで細片化し、蒸煮処理により滅菌処理を行った。得られたポンカン果皮に、全体に行き渡るようにアスペルギルス・アワモリ((株)ビオック製)を接種した。そして、30℃の恒温室内にて発酵処理(麹菌発酵)を好気的に2日間行うことで、麹菌発酵物を得た。
得られた麹菌発酵物6kgに対して40%(v/v)エタノール75Lを添加し、100℃において1時間エキス抽出して抽出液を得た。当該抽出液を、あらかじめ40%(v/v)エタノールで平衡化したダイヤイオンHP20(多孔性合成吸着樹脂カラム)に供し、3Lの40%(v/v)エタノールで非吸着成分を除いた後、10Lの43%(v/v)エタノールで溶出する成分を回収した。当該回収物をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することにより、4’-デメチルタンゲレチン含有組成物(4’-デメチルタンゲレチン含量 32%)を得た。
<実施例2> 4’-デメチルタンゲレチン単離物の調製
実施例1で得られた4’-デメチルタンゲレチン含有組成物2gを20%(v/v)メタノールに溶解し、ODSカラムクロマトグラフィー(内径20mmφ、長さ30cmのカラムに和光ゲル50C18を30g詰めた)に供した。30%(v/v)メタノールで溶出する成分を除去し、40%(v/v)メタノールで溶出する成分を得た。
次いで、得られた成分について、展開溶媒ヘキサン/エタノール7:3の条件で分取TLCクロマトグラフィー(シリカゲル70PF254プレートワコー、膜厚0.75mm、和光純薬製)を行い、4’-デメチルタンゲレチンを含む画分を、UVランプを用いて確認しながら採取した。
そして、得られた画分を、分取HPLCカラム(TSK GEL ODS、東ソー社製、4.6mm×25cm)に供し、33%(v/v)アセトニトリルの移動層によって、純品の4’-デメチルタンゲレチン30mgを得た。
<実施例3> ヒトの皮膚への効果
4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤をヒトに経口投与して、シワや弾力性低下といった肌老化に対する有効性を調べた。
はじめに、実施例1で得られた4’-デメチルタンゲレチン含有組成物を用いて、下記の処方により錠剤とした。
Figure 0007262760000002
対象者は50歳以上の男女とし、服用期間は6か月とした。4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤の服用者7名(男2名、女5名)は1日1回2粒を摂取した。4’-デメチルタンゲレチンは錠剤2粒中に5mg含まれていた。
一方、プラセボ群(男1名、女4名)においては、表1において4’-デメチルタンゲレチン含有組成物を同量のデキストリンに置き換えた錠剤を1日1回2粒摂取した。
試験開始前と6か月後の試験終了時に手の甲の写真撮影を行い、中心部について画像処理ソフト(PickMap)を用いて白黒の2値化処理を行った。シワの深さを示す2値化処理後の黒/白比を試験前後で比較することで、シワや弾力性低下といった肌老化の予防・改善効果を調べた。4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用者及びプラセボ錠剤服用者の結果を図1に示した。
図1は、4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤又はプラセボ錠剤摂取によるヒトの皮膚への効果を示す図である。棒グラフは左からプラセボ錠剤服用者の試験開始前、試験開始6か月後、4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用者の試験開始前、試験開始6か月後、の手の甲の写真の2値化処理による黒/白比の値を示す。バーは標準偏差を示す。*は試験開始前の黒/白比に対してp<0.05で有意差があることを示す。
図1において、写真の2値化処理後の黒/白比の数値が大きいほど、シワが深いことを示す。4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用者の黒/白比は、試験開始前の0.34±0.10から、6か月後には0.28±0.07へと、有意に低下した(図1)。
また、4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用の各対象者について、試験開始前に比べてすべすべしてきた、柔らかくなった、うるおいが出てきた等の体感が得られた。
一方、プラセボ群において手の甲の写真の2値化処理による黒/白比の値は、試験開始前の0.33±0.05に対して、6か月後は0.34±0.05であり、体感と共に何ら変化は示されなかった(図1)。
なお、図2に4’-デメチルタンゲレチン含有錠剤服用者の試験開始前(左)及び試験開始6か月後(右)の手の甲の写真の2値化処理の代表例を示す。
以上の結果から、4’-デメチルタンゲレチン配合製剤を経口摂取することによる、シワ、弾力性低下などの予防・改善効果や保湿効果が示され、肌老化に対する有効性が示された。
<実施例4> 外用剤の処方例
処方例1 クリームの調製
オリーブスクワラン 30ml
ミツロウ 5g
4’-デメチルタンゲレチン100mg含有1,3-プロパンジオール溶液 5ml
精製水 15ml
処方例2 軟膏の調製
オリーブスクワラン 30ml
ミツロウ 5g
ティートゥリー精油 3滴
4’-デメチルタンゲレチン100mg含有1,3-プロパンジオール溶液 5ml
処方例3 ローションの調製
グリセリン 7g
4’-デメチルタンゲレチン20mg含有1,3-プロパンジオール溶液 5ml
水 86ml
カーボポール 0.1g
処方例4 化粧水の調製
水 200ml
尿素 5g
グリセリン 1ml
4’-デメチルタンゲレチン20mg含有1,3-プロパンジオール溶液 1ml
処方例5 サンスクリーン剤の調製
スクワラン 30ml
ミツロウ 5g
微粒子二酸化チタン 7g
4’-デメチルタンゲレチン20mg含有1,3-プロパンジオール溶液 1ml
精製水 70ml
本発明は、安全性の高い原料である4’-デメチルタンゲレチンを有効成分原料として、シワ形成、弾力性低下などの肌老化に対して予防・改善効果のある飲食物、化粧料、医薬部外品、医薬品等に利用されることが期待される。

Claims (2)

  1. 4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワの予防又は改善用の医薬品、医薬部外品又は化粧料。
  2. 4’-デメチルタンゲレチンを有効成分として含有するシワの予防又は改善用飲食品組成物。
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