JP7262341B2 - 農業用作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、農業用作業車両に関する。
従来から、内燃機関により駆動される農業用作業車両が知られている。特許文献1は、この種の農業用作業車両である農用トラクタを開示する。
特許文献1の農用トラクタは、その前部に、内燃機関及び冷却ファンを備える。冷却ファンは、内燃機関の前方に配置されている。農用トラクタの前部に、内燃機関及び冷却ファンを覆うボンネットが設けられている。このボンネットの後方に、当該農用トラクタの運転者が搭乗するための運転部が配置されている。
特許第4568268号公報
上記特許文献1のような農用トラクタにおいては、ボンネットの内部に位置する内燃機関及び冷却ファンが騒音源となっている。ボンネットの内部で発生した騒音は、内燃機関の側方に形成されたボンネットの孔等からボンネットの外部へ漏れ易い。そのため、ボンネットの外側にいる農用トラクタの運転者及び/又は農用トラクタの周囲に伝わる騒音の低減が望まれている。
このような騒音を低減するための対策としては、例えば、騒音源である内燃機関及び冷却ファンに対してこれを遮蔽する遮蔽部材を設けることが考えられる。しかし、この場合には、ボンネットの内部で内燃機関及び冷却ファンの周囲に遮蔽部材が配置されることになるので、冷却ファンによる気流が遮蔽部材で妨げられて、内燃機関の冷却が不十分になる可能性がある。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、内燃機関についての冷却性能の低下を抑制しつつ、内燃機関等での発生後に農業用作業車両の運転者及び/又は農業用作業車両の周囲に伝わる騒音を低減することができる農業用作業車両を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の農業用作業車両が提供される。即ち、この農業用作業車両は、内燃機関により駆動される。前記農業用作業車両は、車体と、冷却ファンと、ボンネットと、吸気部と、排気部と、を備える。前記車体は、前記内燃機関を搭載する。前記冷却ファンは、前記内燃機関の前方に配置され、前記内燃機関に向かって空気を送る。前記ボンネットは、前記車体の上方に配置され、前記内燃機関及び前記冷却ファンを覆う。前記吸気部は、前記冷却ファンよりも前方に配置され、前記ボンネットの内部に空気を導くように構成される。前記排気部は、前記冷却ファンよりも後方に配置され、前記ボンネットの内部の空気を排出するように構成される。前記ボンネットは、第1カバー部と、第2カバー部と、を備える。前記第1カバー部は、第1部分を有する。前記第1部分は、前記冷却ファンよりも後方でかつ前記内燃機関の前端部よりも後方に位置する後端部を含む。前記第2カバー部は、第2部分を有する。前記第2部分は、前記冷却ファンよりも後方でかつ前記第1カバー部の後端部よりも前方に位置する前端部を含む。前記第1カバー部の第1部分は、前記第2カバー部の第2部分に、外側から被さる。前記第1カバー部の第1部分と前記第2カバー部の第2部分との間に、前記排気部を構成する隙間が形成されている。
これにより、第1カバー部と第2カバー部との間に位置する隙間から、排気部を構成することができる。従って、冷却ファンにより吸気部からボンネットの内部に導かれた空気を、冷却風として内燃機関に当て、その後に排気部からボンネットの外部へ排出することができる。しかも、排気部からのボンネットの内部の空気の排出を妨げることなく、内燃機関を第2カバー部により覆う状態を維持することができるので、ボンネットの外側へ伝わる騒音を抑えることができる。つまり、内燃機関についての冷却性能の低下を抑制しつつ、農業用作業車両の運転者及び/又は農業用作業車両の周囲に伝わる騒音を低減することができる。
前記の農業用作業車両においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記排気部を構成する隙間は、前記ボンネットの内部の空気を排出するための流路として、前記ボンネットの側部に位置する第1流路と、前記ボンネットの上部に位置する第2流路と、を構成する。前記第1流路の流路面積は、前記第2流路の流路面積よりも大きい。
これにより、ボンネットの内部の空気が、第2流路に比べて、第1流路から排出され易くなる。よって、ボンネットの後上方の領域に高温の空気が流れてオペレータが不快になるのを抑制することができる。
前記の農業用作業車両においては、前記排気部は、前記ボンネットのうち側部に位置する部分のみに設けられていることが好ましい。
これにより、ボンネットの内部の空気が、ボンネットの側部のみから排出されることになる。よって、ボンネットの後上方の領域に高温の空気が流れるのを確実に抑制することができる。
前記の農業用作業車両においては、前記第1カバー部の上面と、前記第2カバー部の上面と、は面一に配置されていることが好ましい。
これにより、ボンネット、ひいては農業用作業車両の外観を向上させることができる。
前記の農業用作業車両においては、前記吸気部は、前記車体に設けられることが好ましい。
これにより、ボンネットに、吸気部を構成するための開口部を設ける必要がなくなる。従って、ボンネットの遮音効果を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るトラクタの側面図。 トラクタの前部の模式側面図。 図2のX-X断面矢視図。 ボンネットをその後方に位置する運転部から見た場合の当該ボンネットの上部の構成を示す図。 ボンネットの第1変形例を示す模式側面断面図。 ボンネットの第2変形例を示す模式側面断面図。 ボンネットの第3変形例を示す模式側面図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。初めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る農業用作業車両であるトラクタ1の全体的な構成について説明する。図1は、トラクタ1の側面図である。なお、以下の説明において「左」、「右」等というときは、トラクタ1に搭乗するオペレータから見た左及び右を意味する。
図1に示すように、トラクタ1は、フレーム等で構成される車体2を備えている。車体2は、走行車輪としての左右1対の前輪3及び左右1対の後輪4により支持されている。車体2は作業機を着脱可能に構成されている。作業機としては、例えば、耕耘機、プラウ、施肥機、草刈機、播種機等の種々の作業機がある。
トラクタ1の車体2の前部に、ボンネット5が配置されている。ボンネット5は、その内部を露出することができるように開閉可能に設けられている。ボンネット5の内部には、駆動源としてのエンジン(内燃機関)6等が配置されている。本実施形態においてエンジン6はディーゼルエンジンから構成されているが、他の形式のエンジンであっても良い。エンジン6は、車体2に搭載されている。
ボンネット5の後方に、トラクタ1の運転部7が配置されている。運転部7は、座席8及びステアリングハンドル9を備える。座席8には、オペレータが座ることができる。ステアリングハンドル9は、座席8の前方に配置されている。オペレータは、ステアリングハンドル9を含む操作部を用いて、トラクタ1の走行操作等を行うことができる。
トラクタ1においては、オペレータによる走行操作に応じて、ボンネット5内のエンジン6で発生した動力が、図略のクラッチハウジング及びミッションケース等を介して後輪4に伝達される。これにより、トラクタ1を走行させることができる。
次に、図1及び図2を参照して、トラクタ1の前部における空気の流れに関する構成について説明する。図2は、トラクタ1の前部の模式側面図である。
図1及び図2に示すように、トラクタ1の前部には、車体2に備えられたエンジンフレーム11が配置されている。エンジンフレーム11は、前後方向に延びるように設けられている。具体的には、エンジンフレーム11は、左右1対で配置されたフレーム部材を互いに結合した構成となっている。それぞれのフレーム部材は、前後方向に細長く形成される。エンジンフレーム11の後部に、エンジン6が支持されている。エンジン6は、エンジンフレーム11の上方に配置されたボンネット5の内部に位置するように、ボンネット5により覆われている。
エンジン6は、エンジンフレーム11から上方へ突出するように設けられている。エンジン6は、ボンネット5の内部において、当該ボンネット5の後側領域に位置する。エンジン6の前部には、冷却ファン12が設けられている。冷却ファン12の周囲に、ファンシュラウド13が設けられている。ファンシュラウド13の前方に、ラジエータ14が配置されている。
即ち、ボンネット5の内部では、ラジエータ14、冷却ファン12、ファンシュラウド13、及びエンジン6が、前から順に配置されている。また、ラジエータ14及び冷却ファン12よりも前方に、ボンネット5の内部に空気を導くための吸気部15が配置されている。吸気部15は、ボンネット5の外部及び内部に臨むように設けられている。
冷却ファン12は、エンジン6に向かって空気を送ることができる。具体的には、冷却ファン12は、エンジン6の前方に配置されて、エンジン6の出力軸に連結されている。冷却ファン12は、エンジン6の出力軸から動力が伝達されて回転する。
冷却ファン12が回転すると、ボンネット5の外部の空気は、吸気部15を通じて内部に冷却風として取り込まれる。吸気部15は、本実施形態ではエンジンフレーム11の前部に設けられている。吸気部15から取り込まれた空気は、ボンネット5の内部の前側領域で、流れる向きが変化する。その後、空気は、冷却ファン12及びファンシュラウド13付近を通過しつつエンジン6に向かって流れる。
エンジン6に向かって流れた空気は、エンジン6の前部に当たって放射状に広がり、エンジン6の周囲を経て、冷却ファン12よりも後方に配置された排気部16からボンネット5の外部へ排出される。このように冷却ファン12の回転により空気がボンネット5の外部から内部に取り込まれて外部へ排出される過程で、エンジン6等が冷却される。
次に図2から図4までを参照して、ボンネット5について詳細に説明する。図3は、ボンネット5についての図2のX-X断面矢視図である。図4は、ボンネット5を運転部7から見た場合のボンネット5の上部の構成を示す図である。
図2に示すように、ボンネット5は、前後方向で分かれた分割型のボンネットとして構成されている。ボンネット5は、ボンネット5の前部を構成する第1カバー部21と、後部を構成する第2カバー部22と、を備える。
第1カバー部21は、第1部分21bと、第1部分21bの前側に隣接する前側部分21cと、を有する。第1部分21bは、冷却ファン12よりも後方に位置する後端部21aを含んでいる。吸気部15は、第1カバー部21の外部及び内部に臨むように設けられている。
前述したとおり、吸気部15はエンジンフレーム11に設けられている。具体的に説明すると、エンジンフレーム11の前部において、エンジンフレーム11を構成する1対のフレーム部材を互いに接続するように、図略の底板が設けられている。吸気部15は、この底板を上下方向に貫通する貫通孔から構成されている。第1カバー部21は、その外部から吸気部15を通じて空気が導かれると、空気の向きを上下方向から前後方向に変えて、空気を後方(エンジン6側)に向かって案内する。
なお、吸気部15は、エンジンフレーム11に代えて、例えば、第1カバー部21の前部に設けても良い。例えば、第1カバー部21の正面部にフロントグリルを設け、このフロントグリルにより吸気部15を構成することが考えられる。
第1カバー部21の第1部分21bは、冷却ファン12よりも後方に配置される。第1部分21bは、エンジン6の前側部分に対してその左右側方及び上方に配置されている。第1部分21bは、エンジンフレーム11の前後中途部の上方に配置されている。
第1カバー部21の後端部21aは、冷却ファン12よりも後方であって、エンジン6の前端部よりも後方に位置する。また、第1カバー部21の後端部21aは、エンジン6の後端部よりも前方に位置する。本実施形態では、第1カバー部21の後端部21aは、第1部分21bの形状に応じて、エンジン6の前側部分の左右側方及び上方に配置されている。
第1部分21bは、図3に示すように、正面視で下側を開放させる逆向きU字状に形成されている。第1部分21bは、その内側にエンジン6の前側部分が位置するように、エンジン6の前側部分の左右側方及び上方を覆う。第1部分21bは、エンジン6の前側部分と間隔をあけて配置されている。
前側部分21cは、第1部分21bの前方に配置され、第1部分21bに対して連続的に設けられている。前側部分21cは、第1部分21bと同様に、正面視で逆向きU字状に形成されている。前側部分21cは、その内側に冷却ファン12が位置するように、少なくとも冷却ファン12の左右側方及び上方を覆う。
第2カバー部22は、図2に示すように、第1カバー部21と一部が重なり合うように前後に並べて配置されている。第2カバー部22は、第2部分22b、及び、第2部分22bの後側に隣接する後側部分22cを有する。第2部分22bは、第2カバー部22の前端部22aを含んでいる。前端部22aは、冷却ファン12よりも後方でかつ第1カバー部21の後端部21aよりも前方に位置している。
第2カバー部22の第2部分22bは、冷却ファン12よりも後方に配置される。第2部分22bは、図3に示すように、左右方向及び上下方向の何れにおいても、エンジン6の前側部分と第1カバー部21の第1部分21bとの間に配置されている。また、第2部分22bは、エンジンフレーム11の前後中途部の上方に配置されている。
第2カバー部22の前端部22aは、本実施形態では図2に示すように、エンジン6の前端部付近(第1部分21bの前端部付近)に位置する。なお、第2カバー部22の後端部22dは、エンジン6の後端部よりも後方に配置されている。
第2部分22bは、図3に示すように、正面視で下側を開放させる逆向きU字状に形成されている。第2部分22bは、その内側にエンジン6の前側部分が位置するように、エンジン6の前側部分の左右側方及び上方を覆う。第2部分22bは、第1部分21bよりもエンジン6に近い側に配置されている。
即ち、第2部分22bの左右幅は、エンジン6の左右幅よりも若干大きく、第1部分21bの左右幅よりも小さい。第2部分22bの上部の高さは、エンジン6の上面の高さよりも若干高く、第1部分21bの上部の高さよりも低い。第2部分22bがエンジン6の前側部分を覆うとともに、第1部分21bが当該第2部分22bを覆っている。この2重構造により、第1部分21bと第2部分22bとの間に後述の隙間25が形成される。
こうして、第1カバー部21の第1部分21bが、冷却ファン12よりも後方で、第2カバー部22の第2部分22bに、ボンネット5の外側から間隔をあけて被さっている。具体的には、図3に示すように、第2部分22bは、第1部分21bの左右両側部のそれぞれに対して左右方向に間隔W1をあけて配置されている。第2部分22bは、第1部分21bの上部に対して上下方向に間隔W2をあけて配置されている。
後側部分22cは、図2に示すように、第2部分22bの後方に配置され、第2部分22bと連続的に設けられている。後側部分22cは、第2部分22bと同様に、正面視で逆向きU字状に形成されている。後側部分22cは、エンジン6の後側部分の左右側方及び上方を覆う。後側部分22cは、エンジン6の後側部分の近傍に配置されている。
このような配置により、図3に示すように、第1カバー部21の第1部分21bと、第2カバー部22の第2部分22bと、の間に隙間25が形成されている。隙間25は、ボンネット5の内部の空気を排出するための排気部16を構成している。隙間25は、第1カバー部21と第2カバー部22とが厚み方向で重複する部分で、空気を前後方向に流通させることができる。
隙間25は、正面視で逆向きU字状に形成されている。図3に示すように、前後方向に垂直な面で隙間25を切った断面は、ボンネット5の左右のそれぞれの側部において、上下方向に細長い部分を有している。また、隙間25の当該断面は、ボンネット5の上部において、左右方向に細長い部分を有している。この構成により、隙間25は、ボンネット5の側部に位置する第1流路31と、ボンネット5の上部に位置する第2流路32と、を構成している。第1流路31と第2流路32は互いに連続しており、何れも、ボンネット5から排出される空気の流路として機能する。
前後方向に垂直な面で第1流路31及び第2流路32のそれぞれを切った断面の面積(流路面積)は、前後方向において略一定である。図4には、運転部7からボンネット5を見た様子が示されている。図4に示すように、第1流路31及び第2流路32は、何れも、その下流側端部を第1カバー部21と第2カバー部22の間に開口させている。この下流側端部の開口部の開口面積は、それぞれ、第1流路31及び第2流路32の流路面積に対応する。
本実施形態において、ボンネット5の左側に位置する第1流路31の流路面積が、第2流路32の流路面積よりも大きい。同様に、ボンネット5の右側に位置する第1流路31の流路面積が、第2流路32の流路面積よりも大きい。従って、左右の第1流路31の流路面積の合計も、第2流路32の流路面積よりも大きくなる。
このような構成で、冷却ファン12が回転した場合、ボンネット5の外部から内部に吸気部15を通じて矢印A1のように空気が取り込まれ、取り込まれた空気が矢印A2のようにエンジン6側に送られる。その後、空気はエンジン6の前部に当たる。この空気の大部分は、前述の隙間25(第1流路31及び第2流路32)に流れ、矢印A3,A4に示すように、この隙間25を通じてボンネット5の外部へ排出される。このように、隙間25が、排気部16として機能する。
隙間25からの空気の排出は、エンジン6が第2カバー部22により左右両側方及び上方のそれぞれから覆われた状態で実現される。言い換えれば、エンジン6で発生した騒音が排気部16から漏れるには、いったん前方に伝播してから、回り込んで隙間25を後方に抜けるように伝播する必要がある。よって、第2カバー部22による高い遮音効果を得ることが可能になる。従って、エンジン6が発生させる騒音を第2カバー部22により遮ってボンネット5の外側へ伝わりにくくすることができる。遮音効果を考慮すると、第2カバー部22等には開口部が形成されないことが好ましい。
ところで、ボンネット5から排出された高温の空気が座席8のオペレータの付近に流れると、オペレータが熱風を感じ、快適性を低下させるおそれがある。この点、本実施形態では、上述のように、左右の第1流路31の流路面積の合計は、第2流路32の流路面積よりも大きい。従って、ボンネット5からの空気の排出経路は、第2流路32よりも第1流路31の方が支配的となる。
第2流路32から排出される空気は、オペレータの頭部及び胸部付近に向かって流れ易い。一方、第1流路31から排出される空気は、オペレータの左右脇に逸れて流れることが多い。従って、第2流路32からの空気の排出量を相対的に減らすことにより、運転部7の居住性を良好に維持することができる。
ボンネット5を構成する第1カバー部21及び第2カバー部22は、開閉可能に構成されている。ボンネット5の開閉を実現する構成は様々に考えられる。例えば、第2カバー部22の後部上端にヒンジを設け、第1カバー部21と第2カバー部22とが一体的な状態を保って、ヒンジ部を中心として回転する構成とすることができる。また、第1カバー部21の後部上端を第2カバー部22に対してヒンジ部を介して連結して、第2カバー部22に対して第1カバー部21が回転する構成とすることもできる。第2カバー部22の後部上端と、第1カバー部21の前部下端とに、それぞれヒンジを設けても良い。
次に、上記実施形態の複数の変形例を説明する。なお、これらの変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図5に示す第1変形例では、ボンネット5の一部の内面に、吸音材41が取り付けられている。吸音材41は、第1カバー部21の内面の略全体にわたって配置されるとともに、第2カバー部22の内面のうち上側部分に配置される。ただし、吸音材41の配置は任意であり、例えばボンネット5の内面全てに吸音材41が取り付けられても良い。吸音材41は、例えば、有機多孔質材料、無機繊維等から構成される。これにより、騒音低減効果を向上させることができる。
図6に示す第2変形例では、ボンネット5の上部に位置する部分に閉鎖部材51が設けられる。閉鎖部材51は、第1カバー部21の第1部分21bの上部と第2カバー部22の第2部分22bの上部との間に隙間なく設けられて、この部分を空気が流れることを阻止する。閉鎖部材51は、例えばスポンジ状の部材から構成されるが、これに限定されない。
この第2変形例では、第1カバー部21と第2カバー部22との間に形成される隙間25において、ボンネット5の左右の側部に位置する部分では空気の前後方向の流通が可能である一方、ボンネット5の上部に位置する部分では空気の前後方向の流通が阻止されている。従って、隙間25のうちボンネット5の上部に位置する部分は、排気部16に含まれない。
本変形例では、排気部16がボンネット5の左右の側部のみに配置される。よって、冷却ファン12の回転によりボンネット5の内部から排出される空気を、矢印A3に示すように、ボンネット5の側部のみから排出することができる。従って、ボンネット5から排出された空気が運転部7にいるオペレータに直接当たるのを回避することができる。
図7に示す第3変形例では、ボンネット5の上部において、第1カバー部21(第1部分21b)と、第2カバー部22(第2部分22b)と、の間に上下方向の隙間が形成されていない。従って、ボンネット5の上部では、第1カバー部21と第2カバー部22の間から空気が外部に排出されない。図7の構成では、第1カバー部21の上面と、第2カバー部22の上面と、が面一に配置されており、ボンネット5のスマートな外観が実現されている。
以上に説明したように、本実施形態のトラクタ1は、エンジン6により駆動される。本実施形態のトラクタ1は、車体2と、冷却ファン12と、ボンネット5と、吸気部15と、排気部16と、を備える。車体2は、エンジン6を搭載する。冷却ファン12は、エンジン6の前方に配置され、エンジン6に向かって空気を送る。ボンネット5は、車体2の上方に配置され、エンジン6及び冷却ファン12を覆う。吸気部15は、冷却ファン12よりも前方に配置され、ボンネット5の内部に空気を導くように構成される。排気部16は、冷却ファン12よりも後方に配置され、ボンネット5の内部の空気を排出するように構成される。ボンネット5は、第1カバー部21と、第2カバー部22と、を備える。第1カバー部21は、冷却ファン12よりも後方でかつエンジン6の前端部22aよりも後方に位置する後端部21aを含む第1部分21bを有する。第2カバー部22は、冷却ファン12よりも後方でかつ第1カバー部21の後端部21aよりも前方に位置する前端部22aを含む第2部分22bを有する。第1カバー部21の第1部分21bは、第2カバー部22の第2部分22bに、外側から被さる。第1カバー部21の第1部分21bと第2カバー部22の第2部分22bとの間に、排気部16を構成する隙間25が形成されている。
これにより、第1カバー部21と第2カバー部22との間に位置する隙間25から、排気部16を構成することができる。従って、冷却ファン12により吸気部15からボンネット5の内部に導かれた空気を、冷却風としてエンジン6に当て、その後に排気部16からボンネット5の外部へ排出することができる。しかも、排気部16からのボンネット5の内部の空気の排出を妨げることなく、エンジン6を第2カバー部22により覆う状態を維持することができるので、ボンネット5の外側へ伝わる騒音を抑えることができる。つまり、エンジン6についての冷却性能の低下を抑制しつつ、運転部7に位置するトラクタ1の運転者及び/又はトラクタ1の周囲に伝わる騒音を低減することができる。
また、本実施形態のトラクタ1において、排気部16を構成する隙間25は、ボンネット5の内部の空気を排出するための流路として、ボンネット5の側部に位置する第1流路31と、ボンネット5の上部に位置する第2流路32と、を構成する。第1流路31の流路面積(左右を合計したもの)は、第2流路32の流路面積よりも大きい。
これにより、ボンネット5の内部の空気が、第2流路32に比べて、第1流路31から排出され易くなる。よって、露出した運転部7がボンネット5の後方に配置されたトラクタ1では、排気部16(隙間25)から排出された高温の空気が運転者に直接当たって不快感を与えるのを抑制することができる。
また、図6及び図7に示す変形例において、排気部16は、ボンネット5のうち側部に位置する部分のみに設けられる。
これにより、ボンネット5の内部の空気が、ボンネット5の側部のみから排出されることになる。従って、高温の空気が運転部7の運転者に直接当たることを防止することができる。
また、図7の変形例において、図7に示すように、第1カバー部21の上面と、第2カバー部22の上面と、は面一に配置される。
これにより、ボンネット5、ひいてはトラクタ1の外観を向上させることができる。
また、本実施形態のトラクタ1においては、吸気部15は、車体2(エンジンフレーム11)に設けられる。
これにより、ボンネット5に、吸気部15を構成するための開口部を設ける必要がなくなる。従って、ボンネット5の遮音効果を高めることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
ボンネット5は、第1カバー部21及び第2カバー部22に加えて、他のカバー部を備えても良い。
前後方向での隙間25の位置は、第1流路31及び第2流路32の上流側端部が冷却ファン12よりも後方に位置する限り、任意に変更することができる。
第1流路31の流路面積は、ボンネット5の左右で異なっても良い。また、第1流路31は、ボンネット5において左右何れか一方の側部のみに位置するものであっても良い。
図6の構成で、閉鎖部材51が、隙間25のうちボンネット5の上部に位置する部分の全部でなく一部だけを閉鎖しても良い。
本発明は、キャビンを備えるトラクタ1に適用されても良い。ただし、上記の実施形態のように運転部7が外部に露出しているトラクタ1では、オペレータが騒音及び熱風の影響を直接受けるので、本発明の構成を適用することが一層好ましい。
本発明は、トラクタ1以外の農業用作業車両に適用することもできる。
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態及び変形形態をとり得ることは明らかである。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
1 トラクタ
2 車体
5 ボンネット
6 エンジン
12 冷却ファン
15 吸気部
16 排気部
21 第1カバー部
21a 後端部
21b 第1部分
22 第2カバー部
22a 前端部
22b 第2部分
25 隙間
31 第1流路
32 第2流路

Claims (5)

  1. 内燃機関により駆動される農業用作業車両において、
    前記内燃機関を搭載する車体と、
    前記内燃機関の前方に配置され、前記内燃機関に向かって空気を送る冷却ファンと、
    前記車体の上方に配置され、前記内燃機関及び前記冷却ファンを覆うボンネットと、
    前記冷却ファンよりも前方に配置され、前記ボンネットの内部に空気を導くように構成された吸気部と、
    前記冷却ファンよりも後方に配置され、前記ボンネットの内部の空気を排出するように構成された排気部と、
    を備え、
    前記ボンネットは、
    前記冷却ファンよりも後方でかつ前記内燃機関の前端部よりも後方に位置する後端部を含む第1部分を有する第1カバー部と、
    前記冷却ファンよりも後方でかつ前記第1カバー部の後端部よりも前方に位置する前端部を含む第2部分を有する第2カバー部と、
    を備え、
    前記第1カバー部の第1部分は、前記第2カバー部の第2部分に、外側から被さり、
    前記第1カバー部の第1部分と前記第2カバー部の第2部分との間に、前記排気部を構成する隙間が形成されていることを特徴とする農業用作業車両。
  2. 請求項1に記載の農業用作業車両であって、
    前記排気部を構成する隙間は、前記ボンネットの内部の空気を排出するための流路として、前記ボンネットの側部に位置する第1流路と、前記ボンネットの上部に位置する第2流路と、を構成し、
    前記第1流路の流路面積は、前記第2流路の流路面積よりも大きいことを特徴とする農業用作業車両。
  3. 請求項1に記載の農業用作業車両であって、
    前記排気部は、前記ボンネットのうち側部に位置する部分のみに設けられていることを特徴とする農業用作業車両。
  4. 請求項3に記載の農業用作業車両であって、
    前記第1カバー部の上面と、前記第2カバー部の上面と、は面一に配置されていることを特徴とする農業用作業車両。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の農業用作業車両であって、
    前記吸気部は、前記車体に設けられていることを特徴とする農業用作業車両。
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