特許法第30条第2項適用 掲載ウェブサイトのアドレス(https://panasonic.jp/light/p-db/HH-CD1289A.html https://panasonic.jp/light/p-db/HH-CD1289A_spec.html https://panasonic.jp/light/p-db/HH-CD1289A_manualdl.html)において、平成30年10月21日に発表
以下では、本発明の実施の形態に係る発光装置及び照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、円形又は正方形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明器具の構成について、図1~図5を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の床面側の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の主な構成部品を分解して示す分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具1の一部の構成部品を分解して示す分解斜視図である。具体的には、図3は、図2では分解されていない構成部品である基板ユニット100、絶縁性カバー20、回路カバー30及びレンズカバー40を分解して示している。
図4は、図1のIV-IV線における本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。図5は、図4の一部を拡大して示す、本実施の形態に係る照明器具1の一部拡大断面図である。具体的には、図5は、図4の破線で示される領域Vを拡大して示している。
照明器具1は、例えば室内を照明するためのシーリングライトであり、図1に示される透光カバー80が下向きになるように室内の天井(図示せず)に設置される。天井は、照明器具1が設置される設置面の一例である。なお、照明器具1は、使用態様によっては壁面又は床面などに設置されてもよい。つまり、照明器具1は、シーリングライトでなくてもよく、ウォールライト又はフロアライトであってもよい。
図2及び図3に示されるように、照明器具1は、器具本体10と、絶縁性カバー20と、回路カバー30と、レンズカバー40と、化粧カバー50と、導光板60と、取付部材70と、透光カバー80と、基板ユニット100とを備える。また、図2に示されるように、照明器具1は、アダプタ90と、ホルダ91と、保護カバー92とを備える。また、図2では、図示を省略しているが、図4及び図5に示されるように、照明器具1は、さらに、シール部材93及び94と、複数のクッション部材95とを備える。
以下、照明器具1の各構成部品について詳細に説明する。なお、以下に示す各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。Z軸の負側は、シーリングライトである照明器具1が適切に天井に設置された場合における天井側を表し、Z軸の正側は、床面側を表している。また、以下の説明において、「平面視」とはZ軸の正側から見た場合を意味する。
[器具本体]
まず、図2~図5を参照しながら、器具本体10について説明する。
器具本体10は、基板ユニット100及び導光板60などを支持するための筐体である。図2、図4及び図5に示されるように、器具本体10は、第1筐体11と、第2筐体12とを備える。
図5に示されるように、第1筐体11は、収納部13と、第1支持部14とを有する。第1筐体11は、例えば、アルミニウム板、鉄板又は鋼板などの板金をプレス加工することによって成形される。
収納部13は、扁平な円柱状の収納空間を形成する有底円筒状の部分である。収納部13は、底部13aと、円環状の開口端部13bとを有する。開口端部13bによって底部13aよりも床面側に収納部13の開口が形成されている。
第1支持部14は、収納部13の開口端部13bから径方向外側に延び、XY平面に沿って円環状に形成されている。第1支持部14の主面14aには、基板ユニット100が載置されて支持されている。基板ユニット100は、収納部13の開口の一部を覆っており、基板ユニット100の内周領域150(図7を参照)に実装された複数の回路部品161が収納部13に収納されている。
また、図5に示されるように、第2筐体12は、第2支持部15と、側壁部16と、鍔部17とを有する。第2筐体12は、第1筐体11よりも天井側に配置されている。
第2支持部15は、第2筐体12の底部に相当し、第1筐体11の収納部13の底部13aを支持する。側壁部16は、天井側から床面側に向けて広がるように、第2支持部15の外周部に接続されている。鍔部17は、側壁部16の床面側の端部から径方向外側に延び、XY平面に沿って円環状に形成されている。鍔部17は、第1筐体11の第1支持部14の外周部分に接続されている。例えば、鍔部17と第1筐体11の第1支持部14の外周部分とがネジ(図示せず)又はカシメ加工などによって固定されることにより、第1筐体11と第2筐体12とが固定されている。
図4及び図5に示されるように、第2支持部15の天井側には、複数のクッション部材95が設けられている。複数のクッション部材95は、第2支持部15の周方向に沿って間隔を開けて配置される。複数のクッション部材95は、照明器具1が天井に設置された際に、器具本体10と天井との間に挟み込まれることにより、器具本体10のぐらつきが抑制される。複数のクッション部材95は、例えば、ウレタンなどの弾力(クッション性)を有する材料を用いて形成されている。
図4及び図5に示されるように、器具本体10は、さらに、貫通孔18を有する。貫通孔18は、第1筐体11の収納部13の底部13aと、第2筐体12の第2支持部15とを貫通している。貫通孔18には、アダプタ90(図2を参照)が挿入される。貫通孔18の周縁部には、器具本体10をアダプタ90に装着するためのホルダ91及び保護カバー92が固定されている。アダプタ90は、天井などの設置面に予め固定された引掛シーリングボディ(図示せず)に器具本体10を着脱自在に取り付けるためのものである。アダプタ90がホルダ91に固定されることにより、器具本体10がアダプタ90を介して引掛シーリングボディに取り付けられる。
[絶縁性カバー]
次に、図3~図5を参照しながら、絶縁性カバー20について説明する。絶縁性カバー20は、基板110の境界領域153(図7を参照)を覆う絶縁性の第2カバーの一例である。絶縁性カバー20は、常夜灯用の発光素子170を囲む部材である。絶縁性カバー20は、例えば、難燃性の樹脂材料を用いて形成されている。
図3に示されるように、絶縁性カバー20は、基台部21と、壁部22と、鍔部23とを有する。基台部21は、平板状に形成されており、基板ユニット100の基板110に対して平行に配置されている。図5に示されるように、基台部21上には、レンズカバー40の拡散カバー部43が載置される。図3に示されるように、基台部21には、開口24が設けられている。開口24は、基板110に設けられた常夜灯用の発光素子170を露出させるための開口である。つまり、平面視において、開口24は、常夜灯用の発光素子170に重なる位置に設けられている。開口24の平面視形状は、例えば長円形状であるが、円形であってもよく、矩形であってもよい。
壁部22は、基台部21の外周の三辺に沿って立設している。壁部22は、回路カバー30に設けられた開口35に沿うように設けられており、開口35を閉塞する。これにより、基板ユニット100の発光素子120から発せられた光が回路カバー30の内側に入り込むのを抑制する。なお、壁部22は、基台部21の径方向外側の一辺には設けられていない。これにより、発光素子120から透光カバー80の中央に向かう光が遮られて透光カバー80に影が形成されるのを抑制することができる。
鍔部23は、基台部21の三辺に沿うように壁部22の外側に設けられている。鍔部23は、回路カバー30の裏面に沿って湾曲している。鍔部23上に回路カバー30が載置されることにより、鍔部23のZ軸の正側への移動を規制する。これにより、回路カバー30が絶縁性カバー20の脱離を抑制することができる。
また、図5に示されるように、絶縁性カバー20は、2つの突起部25を有する。2つの突起部25はそれぞれ、基板110に設けられた2つの貫通孔118に挿入される。これにより、絶縁性カバー20のXY平面内での移動が規制される。なお、絶縁性カバー20が有する突起部25の個数は、1つのみでもよく、3つ以上であってもよい。
[回路カバー]
次に、図3~図5を参照しながら、回路カバー30について説明する。回路カバー30は、基板ユニット100の内周領域150(図7を参照)を覆う金属製の第1カバーの一例である。回路カバー30は、例えばアルミニウムなどの金属材料を用いて形成されている。回路カバー30は、基板ユニット100の内周領域150をZ軸の正側から覆っている。内周領域150の表面及び裏面には、複数の回路部品161が設けられており、複数の発光素子120を点灯させる点灯回路160を構成している。なお、各図において、主面111側に設けられている回路部品161の図示は省略されている。
図3に示されるように、回路カバー30は、上面部31と、側壁部32と、鍔部33とを有する。上面部31は、中央に円形の貫通孔34が設けられた円環状の部分であり、内周領域150を覆っている。上面部31は、貫通孔34から径方向外側に向かうにつれて緩やかに基板110に近づくように傾斜している。上面部31の傾斜角は、基板110に対して45°よりも小さく、例えば、20°未満で緩やかに傾斜している。
側壁部32は、上面部31の外周端部に接続されている。側壁部32と上面部31との接続部分は、緩やかに湾曲している。これにより、発光素子120からの光によって回路カバー30の影が透光カバー80に形成されるのを抑制することができる。側壁部32は、基板110に対してほとんど直角になっている。
鍔部33は、側壁部32の端部から径方向外側に向かって延設された部分である。鍔部33には、ネジ孔が設けられている。ネジ孔にネジ(図示せず)が挿通されることにより、回路カバー30は、基板110及び器具本体10に固定される。
また、回路カバー30は、図3に示されるように、内周領域150の一部を露出させる切り欠き状の開口35を有する。開口35は、平面視において、絶縁性カバー20に重なっている。上面部31及び側壁部32の各々の開口35の端部が絶縁性カバー20の鍔部23上に載置される。
[レンズカバー]
次に、図3~図5を参照しながら、レンズカバー40について説明する。レンズカバー40は、基板ユニット100が備える複数の発光素子120からの光を集光するための光学部材である。レンズカバー40は、例えば透明のアクリル樹脂などの透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。
図3に示されるように、レンズカバー40は、平面視において円環状に形成されている。レンズカバー40は、複数の発光素子120を覆うように基板110に固定されている。具体的には、レンズカバー40には、ネジ孔41が設けられている。ネジ(図示せず)がネジ孔41、回路カバー30の鍔部33のネジ孔、基板110のネジ孔、及び、器具本体10のネジ孔の順で挿通されることにより、レンズカバー40が基板110及び器具本体10に固定される。
レンズカバー40は、複数のレンズ部42を有する。複数のレンズ部42の各々は、複数の発光素子120を覆っている。具体的には、複数のレンズ部42の各々は、円環状に2列で並んだ複数の発光素子120のうち、内周側の列をなす複数の発光素子120(第1発光部120a)を覆っている。発光素子120から発せられる光は、レンズ部42を透過する。レンズ部42は、透過する光を集光させながら、光の光軸(すなわち、主な出射方向)を偏向させる。具体的には、レンズ部42を通過する光の光軸は、照明器具1の中心軸Jに近づく方向に傾くようになる。なお、図4に示されるように、照明器具1の中心軸Jは、透光カバー80の中心を通る、Z軸に平行な直線である。
また、図3に示されるように、レンズカバー40は、拡散カバー部43を備える。拡散カバー部43は、常夜灯用の光を拡散させる。例えば、拡散カバー部43の表面には、透過する光を散乱させる光散乱構造が形成されている。光散乱構造は、例えば、微小凹凸であり、シボ加工などによって形成される。拡散カバー部43の内部には、光散乱粒子が分散されていてもよい。
拡散カバー部43は、レンズ部42から内周方向に向かって延設された舌片状の部分である。具体的には、拡散カバー部43は、回路カバー30の側壁部32及び上面部31の各々に沿った湾曲形状を有する。具体的には、図5に示されるように、拡散カバー部43は、絶縁性カバー20の基台部21に載置される。拡散カバー部43は、基台部21に設けられた開口24を覆う。これにより、常夜灯用の発光素子170から発せられ、開口24を通過する光は、拡散カバー部43を通過することで拡散される。
[化粧カバー]
次に、図2、図4及び図5を参照しながら、化粧カバー50について説明する。
化粧カバー50は、照明器具1の側方を覆って化粧するためのカバーである。図2に示されるように、化粧カバー50は、平面視において円環状に形成されている。化粧カバー50は、側壁部51と、反射部52とを有する。化粧カバー50は、例えば白色のポリスチレン樹脂などを用いて形成されている。
図5に示されるように、側壁部51は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井側の端部)に向けて広がるように形成されており、器具本体10を側方から覆うように設けられている。具体的には、側壁部51の形状は、円錐台筒状である。
反射部52は、側壁部51の一端部から化粧カバー50の径方向内側に向かって、かつ、器具本体10の主面14aに近づく方向に湾曲しながら延びており、導光板60の湾曲部62の径方向外側の面(凹面)を覆うように設けられている。反射部52は、導光板60の湾曲部62に導かれた光を反射する。
図2に示されるように、反射部52は、4つの切り欠き状の凹部53を有する。4つの凹部53は、周方向に等間隔で配置されている。なお、凹部53の個数は、2つ又は3つでもよく、5つ以上であってもよい。図4及び図5に示されるように、凹部53内には、ネジ96が挿通されるネジ孔が設けられている。ネジ96がネジ孔及び器具本体10のネジ孔に挿通されることにより、化粧カバー50が器具本体10に固定される。
[導光板]
次に、図2、図4及び図5を参照しながら、導光板60について説明する。導光板60は、複数の発光素子120からの光を室内に導くための光学部材である。
導光板60は、図2に示されるように、中央部に開口61を有する円環状に形成されている。導光板60は、透光性を有する材料、例えば透明のアクリル樹脂などを用いて形成されている。
図2に示されるように、導光板60は、湾曲部62と、入射部63と、出射部64と、鍔部65とを有する。湾曲部62は、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けて径方向外側に広がるように湾曲している。すなわち、湾曲部62は、Z軸の正側に向かって開口径が拡大するように形成されている。湾曲部62は、Z軸の正側に向かって凸になるように湾曲している。具体的には、湾曲部62の床面側(径方向内側)の面が凸面であり、取付部材70によって覆われている。湾曲部62の天井面側(径方向外側)の面が凹面であり、化粧カバー50によって覆われている。
湾曲部62の一端部には、入射部63が設けられている。湾曲部62の他端部には、出射部64が接続されている。湾曲部62は、入射部63に入射した光を出射部64まで導く。
入射部63は、湾曲部62の一端部の全周に亘って環状に設けられている。入射部63は、基板ユニット100の複数の発光素子120に対向し、かつ、近接する位置に設けられている。具体的には、入射部63は、円環状に2列で並んだ複数の発光素子120のうち、外周側の列をなす複数の発光素子120(第2発光部120b)を覆っている。これらの発光素子120から発せられた光は、入射部63から導光板60に入射する。
出射部64は、湾曲部62の他端部の全周から導光板60の径方向外側に延びる円環状の部分である。出射部64は、化粧カバー50よりも導光板60の径方向外側に張り出している。出射部64は、基板ユニット100の基板110と平行であり、水平な姿勢で設けられている。出射部64の床面側の面は、光が出射する面である。出射部64の天井側の面には、例えば、ドット加工によってプリズムなどの光取り出し構造が設けられている。
鍔部65は、湾曲部62の一端部から径方向内側に延設された部分である。導光板60は、3つの鍔部65を有する。3つの鍔部65は、周方向に沿って等間隔に設けられている。なお、鍔部65の個数は、2つでもよく、4つ以上であってもよい。図2に示されるように、鍔部65には、ネジ孔66が設けられている。ネジ孔66は、平面視において、鍔部65の径方向内側の端部から径方向外側に向かって凹んだ凹部である。図4に示されるように、ネジ孔66にネジ97が挿通されることにより、導光板60は、器具本体10に固定される。
なお、本実施の形態に係る照明器具1では、図4及び図5に示されるように、導光板60と化粧カバー50との間にシール部材93が設けられている。シール部材93は、導光板60と化粧カバー50との間の隙間を封止する。これにより、虫又は粉塵などが隙間から照明器具1の内部に侵入するのを抑制することができる。シール部材93は、例えばゴムパッキンである。
[取付部材]
次に、図2、図4及び図5を参照しながら、取付部材70について説明する。取付部材70は、透光カバー80を着脱自在に取り付けるための部材である。
取付部材70は、例えば、透明なアクリル樹脂などの透光性を有する材料を用いて形成されている。取付部材70の全面には、例えばシボ加工によって形成された微小凹凸などの光散乱構造が設けられている。これにより、取付部材70を透過する光を拡散させることができる。なお、取付部材70の内部に、光散乱粒子などが分散されていてもよい。
図2に示されるように、取付部材70は、円環状に形成されている。図4及び図5に示されるように、取付部材70は、一端部(床面側の端部)から取付部材70の径方向内側に向かって、かつ、器具本体10の主面14aに近づく方向に湾曲しながら延びており、導光板60の湾曲部62の径方向内側の面(凸面)を覆うように設けられている。
図2に示されるように、取付部材70は、複数の取付部71と、複数の鍔部72とを有する。具体的には、取付部材70は、4つの取付部71と、3つの鍔部72とを有する。なお、取付部71及び鍔部72の各々の個数は、2つでもよく、特に限定されない。
取付部71は、取付部材70の一端部(床面側の端部)に設けられている。取付部71は、透光カバー80の係合部(図示せず)と係合する。例えば、取付部71は、周方向に延びる溝と、当該溝に設けられた突起とを有する。透光カバー80の係合部(例えば、突起)が溝に沿って嵌め入れられて突起によって係り止まることにより、透光カバー80が取付部材70に固定される。
鍔部72は、取付部材70の他端部(天井側の端部)から径方向内側に延設された部分である。3つの鍔部72は、周方向に沿って等間隔に設けられている。図2に示されるように、鍔部72には、ネジ孔73が設けられている。ネジ孔73は、平面視において、鍔部72の径方向内側の端部から径方向外側に向かって凹んだ凹部である。図4に示されるように、ネジ孔73にネジ97が挿通されることにより、取付部材70は、器具本体10に固定される。具体的には、ネジ97は、取付部材70のネジ孔73、導光板60のネジ孔66、基板110のネジ孔、及び、器具本体10のネジ孔の順に挿通される。これにより、取付部材70と、導光板60と、基板110とをまとめて器具本体10に固定することができる。
[透光カバー]
次に、図2、図4及び図5を参照しながら、透光カバー80について説明する。透光カバー80は、複数の発光素子120からの光を拡散(透過)させるための拡散カバーである。透光カバー80は、透光性を有する材料、例えば乳白色のアクリル樹脂などを用いて形成されている。
透光カバー80は、図1及び図2に示されるように、扁平な円盤状に形成されている。透光カバー80は、取付部材70に対して着脱自在に取り付けられ、導光板60の開口61を覆うように設けられている。
例えば、透光カバー80は、取付部材70の取付部71に係合する係合部(図示せず)を裏面(天井面)側に有する。係合部は、透光カバー80の外周部分の裏面側に設けられた、透光カバー80の周方向に沿って延びる突起又は凹部である。例えば、照明器具1の中心軸Jを回動の中心軸として透光カバー80を器具本体10に向けて押し込みながら回動させることにより、係合部が取付部材70の取付部71に係合する。これにより、透光カバー80が取付部材70に取り付けられる。
なお、透光カバー80が取付部材70に取り付けられる態様は、回動による手法でなくてもよい。例えば、透光カバー80は、弾性変形可能な爪部であって、取付部材70の凹部に係止される爪部を有してもよい。透光カバー80を器具本体10に向けて押し入れることにより、爪部が凹部に係止されて透光カバー80が器具本体10に取り付けられてもよい。
なお、本実施の形態に係る照明器具1では、図4及び図5に示されるように、透光カバー80と取付部材70との間にシール部材94が設けられている。シール部材94は、透光カバー80と取付部材70との間の隙間を封止する。これにより、虫又は塵埃などが照明器具1の内部に侵入するのを抑制することができる。シール部材94は、例えば、ゴムパッキンである。
[基板ユニット(発光装置)]
続いて、図2~図8を参照しながら、基板ユニット100について説明する。
図6は、本実施の形態に係る照明器具1が備える基板ユニット100の平面図である。図7は、本実施の形態に係る基板ユニット100の基板110の主面111の領域を説明するための平面図である。図8は、図6の一部を拡大して示す、本実施の形態に係る基板ユニット100の一部拡大平面図である。具体的には、図8は、図6に二点鎖線で示される領域VIIIを拡大して示している。図6~図8のいずれも、基板ユニット100の表面側(床面側)を示している。
基板ユニット100は、発光装置の一例であり、図6に示されるように、基板110と、複数の発光素子120と、複数の導電パターン130とを備える。基板ユニット100は、さらに、複数の回路部品161を含む点灯回路160と、常夜灯用の発光素子170とを備える。以下では、基板ユニット100を構成する各構成部品の詳細について説明する。
[基板]
まず、図3~図6を参照しながら、基板110について説明する。
基板110は、複数の発光素子120及び複数の回路部品161を実装するためのプリント配線基板である。図3及び図5に示されるように、基板110の主面111には、複数の発光素子120が設けられている。また、基板110の主面112には、主な回路部品161が設けられている。主面111は、基板110の床面側の面である。主面112は、主面111とは反対側の面であって、基板110の天井側の面である。基板110は、主面112が器具本体10の第1支持部14に接触するように、器具本体10にネジ(図示せず)で固定されている。
図3に示されるように、基板110は、中央部に円形の貫通孔113を有する。貫通孔113には、保護カバー92が挿入される。貫通孔113の周囲には、貫通孔113から基板110の外周115に向かって凹んだ切り欠き状の凹部114が設けられている。凹部114には、基板110の点灯回路160とアダプタ90との電気的な接続を行う電源ケーブル(図示せず)が挿通される。
本実施の形態では、基板110の平面視形状は、角が丸く切り落とされた矩形状を有する。具体的には、図6及び図7に示されるように、基板110の主面111の外周115は、4つの直線部116と、4つの曲線部117とを有する。4つの直線部116は、矩形の主面111の4つの辺に相当する。4つの曲線部117は、矩形の主面111の4つの角に相当しており、例えば円弧状の部分である。主面111の平面視形状は、例えば4つの角が丸められた正方形状である。
なお、外周115は、直線部116及び曲線部117のいずれかを有しなくてもよい。例えば、外周115が直線部116を有しなくてもよく、主面111の平面視形状は円形であってもよい。また、例えば、外周115が曲線部117を有しなくてもよく、主面111の平面視形状は正方形又は長方形であってもよい。また、主面111の4つの角の全てが丸められていなくてもよく、1つのみが丸められていてもよい。
基板110としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板などを用いることができる。基板110は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
図3~図5に示されるように、基板110は、器具本体10の第1支持部14の主面14aに載置される。基板110には、ネジ孔が設けられている。当該ネジ孔にネジ97が挿通されることにより、基板110は、器具本体10に固定される。
また、図3及び図6に示されるように、基板110には、複数の貫通孔118が設けられている。具体的には、基板110には、2つの貫通孔118が設けられている。2つの貫通孔118には、絶縁性カバー20の突起部25が挿通される。貫通孔118の個数は、突起部25の個数と同じであり、1つでもよく、3つ以上でもよい。
本実施の形態では、図7に示されるように、基板110の主面111は、外周領域140と、内周領域150とを有する。
外周領域140は、主面111の外周115に沿った環状の領域である。外周領域140には、複数の発光素子120が実装されている。また、外周領域140には、複数の導電パターン130(図6を参照)が設けられている。外周領域140は、基板110の主面111のうち、回路カバー30及び絶縁性カバー20の少なくとも一方に覆われていない領域である。
内周領域150は、外周領域140の内側に位置する円環形の領域である。内周領域150には、点灯回路160が設けられている。具体的には、内周領域150には、点灯回路160を構成する複数の回路部品161が実装されている。内周領域150は、基板110の主面111のうち、回路カバー30及び絶縁性カバー20に覆われている領域である。
[発光素子]
次に、図3~図8を参照しながら、発光素子120について説明する。
複数の発光素子120の各々は、発光ダイオード(LED)である。例えば、複数の発光素子120の各々は、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。具体的には、複数の発光素子120の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば、青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光によって励起されて黄色の蛍光を発するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの黄色蛍光体が含有されている。封止部材には、黄色蛍光体以外に、緑色蛍光体及び赤色蛍光体などが含まれていてもよい。例えば、封止部材に含まれる蛍光体の含有率を異ならせることで、発光素子120は、色温度が異なる光を出射することができる。
本実施の形態では、図5及び図6に示されるように、複数の発光素子120は、複数の第1発光素子121と、複数の第2発光素子122とを含む。第1発光素子121が発する光の色温度と第2発光素子122が発する光の色温度とは、互いに異なっている。
複数の第1発光素子121はそれぞれ、第1色温度の光を発する。第1色温度は、例えば、6500Kである。なお、第1色温度は、6500Kより高くてもよく、低くてもよい。
複数の第2発光素子122はそれぞれ、第2色温度の光を発する。第2色温度は、第1色温度より低い色温度であり、例えば、2700Kである。なお、第2色温度は、2700Kより高くてもよく、低くてもよい。なお、図8では、第2発光素子122には、斜線の網掛けを付して図示している。
複数の発光素子120は、基板110の主面111に設けられている。具体的には、複数の発光素子120は、主面111の外周115に沿って一列又は複数列で環状に並んで設けられている。本実施の形態では、図3、図6及び図7に示されるように、複数の発光素子120は、2列で円環状に設けられている。内周側の複数の発光素子120は、第1発光部120aに含まれる。外周側の複数の発光素子120は、第2発光部120bに含まれる。
図5に示されるように、第1発光部120aに含まれる複数の発光素子120は、レンズカバー40のレンズ部42に覆われている。つまり、第1発光部120aに含まれる発光素子120から出射された光がレンズ部42を介して透光カバー80の中央近傍を主に照射する。
第2発光部120bに含まれる複数の発光素子120は、導光板60の入射部63に対向している。つまり、第2発光部120bに含まれる発光素子120から出射された光が導光板60によって導光されて、出射部64から床面に向けて出射される。
第1発光部120a及び第2発光部120bには、複数の第1発光素子121及び複数の第2発光素子122が含まれている。つまり、図6に示されるように、第1発光素子121及び第2発光素子122の各々は、円環状の内周側の列、及び、円環状の外周側の列の両方に設けられている。複数の第2発光素子122の各々は、周方向に沿って2つの第1発光素子121に挟まれている。本実施の形態では、第1発光素子121の個数は、第2発光素子122の個数の2倍である。このため、2つの第1発光素子121と1つの第2発光素子122とが、周方向に沿って交互に並んで配置されている。これにより、色温度の異なる2つの光の混色性を高めることができ、輝度むら及び色むらを抑制することができる。
また、複数の発光素子120の各々は、カソードがアノードよりも基板110の外周115側に位置している。具体的には、図6及び図8に示されるように、複数の第1発光素子121の各々は、アノード121aとカソード121kとが基板110の径方向に沿って並ぶように配置されている。つまり、複数の第1発光素子121の各々は、基板110への実装の向きが互いに少しずつ異なっており、基板110の中心から放射状に設けられている。このとき、複数の第1発光素子121の各々は、カソード121kがアノード121aよりも外周115側に位置している。
複数の第2発光素子122の各々についても同様である。具体的には、複数の第2発光素子122の各々は、アノード122aとカソード122kとが基板110の径方向に沿って並ぶように配置されている。つまり、複数の第2発光素子122の各々は、基板110への実装の向きが互いに少しずつ異なっており、基板110の中心から放射状に設けられている。このとき、複数の第2発光素子122の各々は、カソード122kがアノード122aよりも外周115側に位置している。
本実施の形態では、基板110の主面111に設けられた全ての第1発光素子121及び全ての第2発光素子122について、カソード121k及び122kがアノード121a及び122aよりも外周115側に位置している。
[導電パターン]
次に、図6及び図8を参照しながら、複数の導電パターン130について説明する。
複数の導電パターン130は、複数の発光素子120を電気的に接続する配線パターンである。複数の導電パターン130の各々は、導電性及び熱伝導性の高い材料(例えば、銅などの金属材料)を用いて形成されている。例えば、銅箔などの金属薄膜を所定形状にパターニングすることで、複数の導電パターン130は形成される。
図6及び図8に示されるように、複数の導電パターン130は、複数の第1導電パターン131と、複数の第2導電パターン132とを含む。なお、図6及び図8では、パターン形状を分かりやすくするため、第1導電パターン131にはドットの網掛けを付しており、第2導電パターン132には斜線の網掛けを付している。第1導電パターン131に付されたドットには、密度が濃いものと薄いものとが存在する。この2つは、第1発光素子121の2つの直列接続の経路を表している。
複数の第1導電パターン131は、複数の第1発光素子121を電気的に接続する。本実施の形態では、複数の第1発光素子121は、所定の個数ずつ直列接続された2つの組(2つの第1直列群)を構成し、当該2つの組が並列接続されている。各組に含まれる第1発光素子121の直列数、及び、並列される組数は、特に限定されない。例えば、全ての第1発光素子121が直列接続されていてもよい。図8に示されるように、複数の第1導電パターン131はそれぞれ、1つの第1発光素子121のアノード121aと他の第1発光素子121のカソード121kとを接続している。
複数の第2導電パターン132は、複数の第2発光素子122を電気的に接続する。本実施の形態では、複数の第2発光素子122は、直列接続されている(第2直列群)。なお、第2発光素子122の直列数は、特に限定されない。また、例えば、第2発光素子122は、第1発光素子121と同様に、所定の個数ずつ直列接続された複数の組を構成し、当該複数の組が並列接続されていてもよい。図8に示されるように、複数の第2導電パターン132はそれぞれ、1つの第2発光素子122のアノード122aと他の第2発光素子122のカソード122kとを接続している。
本実施の形態では、図6及び図7に示されるように、境界領域153には、複数の配線パターン133が設けられている。複数の配線パターン133はそれぞれ、高電圧領域151と外周領域140とを電気的に接続する導電パターンの一例である。具体的には、複数の配線パターン133は、複数の発光素子120に対して電力を供給する給電部に相当する。例えば、複数の配線パターン133には、3つの配線パターン133a~133cが含まれる。
基板ユニット100では、並列接続された2つの第1直列群(各々が、複数の第1発光素子121を含む)と、1つの第2直列群(複数の第2発光素子122を含む)とが設けられている。配線パターン133aと配線パターン133bとの間に、2つの第1直列群が並列接続されている。つまり、配線パターン133aは、2つの第1直列群の各々のアノード側の端に位置する2つの第1発光素子121の各々のアノード121aに電気的に接続されている。配線パターン133bは、2つの第1直列群の各々のカソード側の端に位置する2つの第1発光素子121の各々のカソード121kに接続されている。
また、配線パターン133aと配線パターン133cとの間に、1つの第2直列群が接続されている。第2発光素子122のアノード122aに接続される第2導電パターン132に接続されている。つまり、配線パターン133aは、第2直列群のアノード側の端に位置する第2発光素子122のアノード122aに電気的に接続されている。配線パターン133cは、第2直列群のカソード側の端に位置する第2発光素子122のカソード122kに接続されている。
複数の第1導電パターン131の面積の平均値は、複数の第2導電パターン132の面積の平均値より大きい。なお、導電パターンの面積の平均値は、複数の導電パターンの面積の合計値をその個数で割ることにより算出される。本実施の形態では、外周領域140中の区域(領域)毎に、第1導電パターン131及び第2導電パターン132の各々の面積の平均値が異なっている。
図7に示されるように、外周領域140は、第1領域141と、第2領域142とを含む。本実施の形態では、外周領域140は、4つの第1領域141と、4つの第2領域142とを含む。第1領域141及び第2領域142の個数は、4つに限定されず、1つずつ又は2つずつであってもよい。
第1領域141と第2領域142とは、各領域に含まれる発光素子120から基板110の外周115までの最短距離に基づいて区分される。具体的には、第1領域141は、複数の発光素子120のうち、主面111の外周115までの最短距離が閾値未満である発光素子120を含む領域である。第2領域142は、複数の発光素子120のうち、主面111の外周115までの最短距離が閾値以上である発光素子120を含む領域である。
本実施の形態では、第1領域141は、外周115の直線部116に沿った領域である。具体的には、第1領域141は、直線部116を一辺として含む所定形状の領域である。例えば、第1領域141は、直線部116(下底)と、直線部116の両端と主面111の中心とを結ぶ2つの直線(脚)と、内周領域150と外周領域140との境界をなす円弧(上底に相当)とで囲まれた略台形の領域である。
第1領域141では、複数の発光素子120の各々から直線部116までの距離が閾値未満である。なお、複数の発光素子120が周方向に沿って複数列に並んでいる場合は、距離が閾値未満となる複数の発光素子120は、最外周に並ぶ複数の発光素子120である。内周側に並ぶ複数の発光素子120の各々から直線部116までの距離は、閾値以上であってもよい。
第2領域142は、外周115の曲線部117に沿った領域である。具体的には、第2領域142は、曲線部117を輪郭の一部として含む所定形状の領域である。例えば、第2領域142は、曲線部117(下底に相当)と、曲線部117の両端と主面111の中心とを結ぶ2つの直線(脚)と、内周領域150と外周領域140との境界をなす円弧(上程に相当)とで囲まれた略台形の領域である。第2領域142では、複数の発光素子120の各々から曲線部117までの距離が閾値以上である。
第2領域142では、第1導電パターン131及び第2導電パターン132のいずれも、第1発光素子121のカソード121k又は第2発光素子122のカソード122kから径方向に沿って曲線部117に向かって延びている。第2導電パターン132の曲線部117側には、第1導電パターン131の一部である均一な幅の細い配線部が設けられている。配線部は、第1導電パターン131によって2つの第1発光素子121を直列接続するための部分である。
このため、第1導電パターン131の延びる距離と、第2導電パターン132の延びる距離とはほとんど同じであるが、配線部に相当する長さ分、第2導電パターン132の延びる距離が第1導電パターンの延びる距離より短くなる。つまり、第2領域142では、第2導電パターン132の面積は、配線部に相当する分、第1導電パターン131の面積より小さい。
なお、第2領域142では、第1導電パターン131は、カソード121k側の面積がアノード121a側の面積よりも大きい。同様に、第2導電パターン132は、カソード122k側の面積がアノード122a側の面積よりも大きい。なお、第1領域141においても同様である。発光素子120では、アノード側よりもカソード側の温度が高くなりやすい。このため、カソード121k及び122k側の導電パターンの面積を大きくすることで、放熱性を高めることができる。
また、第1領域141に含まれる第1導電パターン131の面積は、第1領域141に含まれる第2導電パターン132の面積より大きい。例えば、図8に示される第1導電パターン131aは、第1発光素子121のカソード121kから径方向に沿って直線部116に向かって延びており、その端部で直線部116に沿って延びている。つまり、第1導電パターン131aは、平面視においてL字形状の部分を含んでいる。第1導電パターン131bも同様に、平面視においてL字形状の部分を含んでいる。
第1導電パターン131a及び131bに挟まれた第2導電パターン132aは、第2発光素子122のカソード122kから径方向に沿って直線部116に向かって延びている。第2導電パターン132aは、直線部116の近傍までは延びていない。つまり、第2導電パターン132aの径方向に沿って延びる距離は、第1導電パターン131a及び131bの各々よりも短い。第2導電パターン132aが短くなることで空いた領域に、第1導電パターン131a及び131bの各々のL字形状の折れ曲がり部分が形成されている。つまり、第2導電パターン132aの面積は、隣に位置する第1導電パターン131aの面積及び第1導電パターン131bの面積の各々よりも小さい。このため、第1発光素子121で発生する熱は、大きな第1導電パターン131を利用して広く広がり、放熱性を高めることができる。本実施の形態に係る基板ユニット100では、第1領域141においても第2領域142と同様に導電パターンを径方向に沿って外周115まで延ばした場合の基板ユニットよりも約5℃の低温化が実現された。
[点灯回路]
次に、図3及び図7を参照しながら、点灯回路160について説明する。
点灯回路160は、複数の発光素子120の発光を制御する。具体的には、点灯回路160は、商用電源から電線(図示せず)を介して供給された交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力を複数の発光素子120に供給する。供給された直流電力によって直流電流が流れることにより、複数の発光素子120の各々が発光する。点灯回路160は、複数の発光素子120の調光及び調色を行う。
図2に示されるように、点灯回路160は、複数の回路部品161を含む。複数の回路部品161は、基板110の主面111の内周領域150に実装されている。例えば、複数の回路部品161には、主面111に実装された表面実装型のチップ部品と、主面111の反対側に実装されたリードスルー実装型のリード部品とが含まれる。チップ部品には、例えばチップセラミックコンデンサなどが含まれる。リード部品には、例えば電解コンデンサなどが含まれる。リード部品は、器具本体10の収納部13に収納されている。
複数の回路部品161は、例えば、(a)電解コンデンサ若しくはセラミックコンデンサなどの容量素子、(b)抵抗器などの抵抗素子、(c)整流回路素子、(d)コイル素子、(e)チョークコイル(チョークトランス)、(f)ノイズフィルタ、(g)ダイオード若しくは集積回路素子などの半導体素子の少なくとも1つを含んでいる。
図7に示されるように、内周領域150は、高電圧領域151と、低電圧領域152と、境界領域153とを含む。
高電圧領域151は、複数の発光素子120に供給する直流電力を生成する回路部品161が配置された領域である。例えば、高電圧領域151に含まれる回路部品161には、チョークコイル及び電解コンデンサなどが含まれる。複数の発光素子120の発光時には、高電圧領域151に含まれる回路部品161及び配線(図示せず)などに高電圧が印加される。
低電圧領域152は、点灯の制御信号を処理する回路部品161が配置された領域である。例えば、低電圧領域152に含まれる回路部品161には、マイコンなどの集積回路素子が含まれる。また、低電圧領域152には、常夜灯用の発光素子170の点灯回路が含まれる。低電圧領域152に含まれる回路部品161及び配線(図示せず)には、高電圧領域151内で印加される高電圧よりも低い低電圧が印加される。
境界領域153は、高電圧領域151と低電圧領域152との間に位置している。境界領域153には、常夜灯用の発光素子170が実装されている。境界領域153には、常夜灯用の発光素子170以外の電子部品が実装されていない。境界領域153には、高電圧領域と低電圧領域152とを電気的に接続する配線パターン133が形成されている。
境界領域153を設けることにより、高電圧領域151と低電圧領域152との間隔が確保される。本実施の形態では、図6に示されるように、境界領域153には、貫通孔118が設けられている。貫通孔118が設けられることにより、基板110の延面距離が長くなる。これにより、高電圧領域151と低電圧領域152との絶縁距離及び延焼距離を長く確保することができる。
貫通孔118は、上述した通り、絶縁性カバー20の突起部25が挿入される。つまり、貫通孔118は、絶縁性カバー20の基板110への位置決め及び取り付けに利用される。高電圧領域151又は低電圧領域152に貫通孔118が設けられた場合、高電圧領域151又は低電圧領域152に貫通孔118を設けるスペースが必要となるため、その分、高電圧領域151と低電圧領域152との間隔が狭くなる。これに対して、本実施の形態では、境界領域153に貫通孔118が設けられているので、高電圧領域151と低電圧領域152との間隔を広げることができ、絶縁距離及び延焼距離を長く確保することができる。よって、照明器具1の信頼性を高めることができる。
[常夜灯用の発光素子]
常夜灯用の発光素子170は、発光ダイオードである。例えば、常夜灯用の発光素子170は、発光素子120などと同様の構成を有するSMD型の白色LED素子である。常夜灯用の発光素子170が発する光の色温度は、例えば電球色であるが、昼光色であってもよい。また、常夜灯用の発光素子170は、砲弾型のLEDであってもよい。
[効果など]
本実施の形態に係る照明器具1は、出射される光の色温度を変更可能な調色機能を有する。具体的には、照明器具1の点灯モードには、全点灯モードと、電球色モードとが含まれる。
全点灯モードは、複数の第1発光素子121の各々に流れる電流を、複数の第2発光素子122の各々に流れる電流より大きくする発光制御モードの一例である。具体的には、全点灯モードは、色温度が6200Kの昼光色の光を100%の光出力で出射する点灯モードである。全点灯モードでは、第1発光素子121を100%の光出力で発光させ、かつ、第2発光素子122を15%の光出力で発光させる。
電球色モードは、色温度が2700Kの電球色の光を出射する点灯モードである。電球色モードでは、第2発光素子122を100%の光出力で発光させ、かつ、第1発光素子121を0.5%の光で発光させる。
なお、照明器具1は、出射される光の量を変更可能な調光機能を有してもよい。例えば、色温度が2700K以上6500K以下の範囲内において、光出力を約5%以上約90%以下の範囲で変更可能であってもよい。例えば、照明器具1は、色温度が5000Kで約70%の光出力の光を出射してもよい。また、照明器具1の点灯モードには、常夜灯モードがさらに含まれてもよい。常夜灯モードでは、常夜灯のみが発光し、複数の発光素子120は発光しない。
全点灯モードでは、第1発光素子121への投入電力が大きく、第1発光素子121を流れる電流が大きくなるため、発熱量が大きくなる。全点灯モードでの発熱量は、電球色モードでの発熱量よりも大きい。本実施の形態に係る照明器具1では、全点灯モードでの放熱性を高めることができる。なお、電球色モードでは、第2発光素子122への投入電力が小さいので、放熱性はほとんど問題にならない。
これに対して、本実施の形態に係る基板ユニット100は、基板110と、基板110の主面111に設けられた複数の発光素子120と、主面111に設けられた複数の導電パターン130とを備える。複数の発光素子120は、各々が、第1色温度の光を発する複数の第1発光素子121と、各々が、第1色温度より低い第2色温度の光を発する複数の第2発光素子122とを含む。複数の導電パターン130は、複数の第1発光素子121を電気的に接続する複数の第1導電パターン131と、複数の第2発光素子122を電気的に接続する複数の第2導電パターン132とを含む。複数の第1導電パターン131の面積の平均値は、複数の第2導電パターン132の面積の平均値より大きい。
このように、基板ユニット100は、複数の導電パターン130を利用して複数の発光素子120で発生する熱を放熱させる。導電パターン130の面積を大きくする程、放熱性を高めることができる。しかしながら、導電パターン130の面積を大きくするためには、基板110の主面111の面積を大きくする必要があるが、基板110及び照明器具1のサイズ及び重量が大きくなる。
これに対して、本実施の形態に係る基板ユニット100では、第1導電パターン131の面積の平均値が第2導電パターン132の面積の平均値よりも大きいので、第1発光素子121で発生する熱は、第2発光素子122で発生する熱よりも放熱されやすくなる。このため、第1発光素子121に流れる電流を第2発光素子122に流れる電流よりも大きくする点灯モード(例えば、全点灯モード)で基板ユニット100を点灯させる場合に、第1発光素子121で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
このように、本実施の形態によれば、高い放熱性を有する基板ユニット100を実現することができる。また、全ての導電パターン130を同等な大きさで形成する場合に比べて、基板ユニット100の小型化及び軽量化を実現しながら放熱性を高めることができる。
放熱性が高まることにより、発光素子120の光束の低下を抑制することができ、発光素子120の寿命を長くすることができる。また、基板ユニット100による放熱性が高くなることにより、器具本体10を形成する材料として、鉄などのアルミニウムよりも安価な材料を用いることができる。
また、例えば、複数の発光素子120及び複数の導電パターン130は、主面111の外周115に沿った環状の外周領域140に設けられている。外周領域140は、複数の発光素子120のうち、主面111の外周115までの最短距離が閾値未満である第1発光素子121及び第2発光素子122を含む第1領域141と、複数の発光素子120のうち、主面111の外周115までの最短距離が閾値以上である第1発光素子121及び第2発光素子122を含む第2領域142とを含む。第1領域141に含まれる第1導電パターン131の面積は、第1領域141に含まれる第2導電パターン132の面積より大きい。
このように、基板ユニット100では、発光素子120から基板110の主面111の外周115までの最短距離が短い第1領域141が含まれている。第1領域141では、導電パターンを大きく確保することが難しいので、放熱性が低くなる。これに対して、本実施の形態では、第1領域141に含まれる第1導電パターン131の面積が、第1領域141に含まれる第2導電パターン132の面積より大きいので、例えば、全点灯モードにおいて第1発光素子121で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
また、例えば、主面111の外周115は、直線部116と曲線部117とを有する。第1領域141は、直線部116に沿った領域であり、第2領域142は、曲線部117に沿った領域である。
これにより、基板110の外周115が直線部116を有するので、1枚の大きい基板からの基板110の取り数を増やすことができる。また、円形の基板を用いる場合に比べて基板面積を小さくすることができるので、照明器具1の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、例えば、複数の第2導電パターン132の各々において、第2導電パターン132の面積は、当該第2導電パターン132が接続された第2発光素子122の隣に位置する第1発光素子121に接続された第1導電パターン131の面積より小さい。
これにより、隣に位置する第2導電パターン132の面積を小さくし、小さくした分を第1導電パターン131の大面積化に利用することができるので、基板110の大型化を抑制しながら放熱性を高めることができる。
また、例えば、複数の発光素子120の各々は、発光ダイオードであり、カソードがアノードよりも基板110の外周115側に位置している。
これにより、複数の発光素子120の各々の向きが揃っているので、発光素子120の実装ミスの発生を抑制することができる。また、実装ミスが起きた場合に、その確認を容易に行うことができる。また、発光素子120ではアノード側よりもカソード側の温度が高くなりやすい。これに対して、発光素子120から基板110の主面111の外周115までの間の領域を有効に利用して、カソードに接続された導電パターンを大きな面積で形成することができる。これにより、基板ユニット100の放熱性を更に高めることができる。
また、例えば、複数の発光素子120は、主面111の外周115に沿って一列又は複数列で環状に並んで設けられている。複数の第2発光素子122の各々は、複数の第1発光素子121のうちの2つの第1発光素子121に挟まれている。
これにより、色温度の異なる2つの光の混色性が向上し、輝度むら及び色むらの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る照明器具1は、基板ユニット100と、基板ユニット100が載置された器具本体10と、基板ユニット100の発光を制御する点灯回路160とを備える。
これにより、高い放熱性を有する基板ユニット100を備える照明器具1を実現することができる。
また、例えば、点灯回路160は、複数の第1発光素子121の各々に流れる電流を、複数の第2発光素子122の各々に流れる電流より大きくする発光制御モードを有する。
これにより、例えば、昼白色又は昼光色の光で照明を行うことができる。
(その他)
以上、本発明に係る発光装置及び照明器具について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、基板110に設けられた全ての第1導電パターン131の各々の面積が、全ての第2導電パターン132の各々の面積よりも大きくてもよい。つまり、全ての第1導電パターン131のうちの最小の面積が、全ての第2導電パターン132のうちの最大の面積より大きくてもよい。あるいは、全ての第1導電パターン131のうちの最小の面積は、全ての第2導電パターン132のうちの最小の面積より大きくてもよい。
また、例えば、基板110には、第2導電パターン132の面積より小さい面積の第1導電パターン131が設けられていてもよい。例えば、一の第1導電パターン131の面積は、当該一の第1導電パターン131に隣り合う第2導電パターン132の面積より小さくてもよい。
また、例えば、第1領域141及び第2領域142の形状は、図7に示される例に限らない。例えば、発光素子120から外周115までの距離の比較に用いる閾値を小さくした場合には、第1領域141はより狭い範囲になり、第2領域142はより広い範囲になる。
また、例えば、基板110に設けられた全ての発光素子120のうちの少なくとも1つは、アノードがカソードよりも外周115側に位置するように設けられていてもよい。あるいは、少なくとも1つの発光素子120が基板110の周方向に沿って設けられていてもよい。
また、例えば、照明器具1は、絶縁性カバー20を備えていなくてもよい。例えば、貫通孔118は、回路カバー30の取り付けに用いられてもよい。また、例えば、照明器具1は、常夜灯用の発光素子170を備えていなくてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、発光素子120がSMD型のLED素子である例について説明したが、これに限らない。例えば、発光素子120は、LEDチップを基板110に直接実装したCOB(Chip On Board)構造を有してもよい。この場合、封止部材によって、基板110に実装された複数のLEDチップを一括して封止してもよく、あるいは、1つ又は複数個を個別に封止してもよい。また、封止部材には、黄色蛍光体などの波長変換材が含有されていてもよい。
また、発光素子120は、LEDでなくてもよい。例えば、発光素子120は、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)素子又は無機EL素子などの他の固体発光素子であってもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。