JP7260787B2 - 円形材の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、円形材の製造方法に関する。
鉄道用車輪、ギア、リング等といった円形材は、例えば、次のように製造される。初めに、円柱素材を加熱する。次に、加熱された円柱素材に対して鍛造を実施する。その後、必要に応じて圧延、熱処理、機械加工等を実施し、所定の外形及び寸法の円形材を製造する。
例えば、特許文献1は、円形材の一種であるアイドルギアの製造方法を開示する。この製造方法では、初めに円柱素材を上型及び下型で圧下する。上型及び下型の加工面は、平坦面と、平坦面の外周領域に配置される湾曲面と、を含む。上型の湾曲面及び下型の湾曲面は、半径方向外側に向かうにつれて互いに離反する。円柱素材は、上型及び下型の加工面に沿って変形し、外周領域が厚肉の一次成形品となる。この一次成形品を別の金型で更に圧下し、切削加工等を施すことにより、アイドルギアが製造される。
特開2018-24012号公報
ところで、円形材の製造では、円柱素材を加熱した後、鍛造を開始するまでに円柱素材の温度がある程度低下する。円柱素材の縁部は、他の部分と比較して冷却されやすく、その変形抵抗が高くなりやすい。そのため、例えば特許文献1の製造方法のように、円柱素材の全体を上型及び下型の加工面で圧下すると、円柱素材の縁部が加工面に接触し、加工面によって拘束されるおそれがある。
一方、円柱素材の縁部以外の部分は、比較的高温であり、その変形抵抗が小さいため、半径方向外側に向かって流動する。流動した材料は、加工面に拘束された縁部にも回り込むが、縁部の近傍には材料が充填されない部分が生じ得る。この部分は、最終的に製造される円形材の端面に凹みとして残存する。また、流動した材料が縁部に回り込んで、凹みを生じない形で縁部の近傍に充填されたとしても、最終的に製造される円形材の端面には、加工面に拘束されていた縁部に沿い、線状の疵が生じ得る。このような凹み及び線状の疵を折れ込み疵という。
本開示は、折れ込み疵の発生を抑制することができる円形材の製造方法を提供することを課題とする。
本開示に係る円形材の製造方法は、第1鍛造工程と、第2鍛造工程と、を備える。第1鍛造工程では、加熱された円柱素材の一端面を第1下型に対向させて円柱素材を第1下型上に載置する。そして、第1上型を下降させ、円柱素材を第1上型の加工面及び第1下型の加工面で圧下することによって、円柱素材の上下の縁部を第1上型及び第1下型の加工面の外側に移動させ、縁部が上端及び下端に位置する中間体を成形する。第2鍛造工程では、縁部を含む中間体の外周部を、第2上型及び第2下型で圧下する。
本開示に係る円形材の製造方法によれば、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係る円形材の製造方法で用いるプレス装置の片側縦断面図である。 図2は、第1鍛造工程において円柱素材を第1下型に載置した状態を示す図である。 図3は、第1鍛造工程において第1上型及び第1下型による円柱素材の圧下開始時を示す図である。 図4は、第1鍛造工程において中間体が成形された状態を示す図である。 図5は、第2鍛造工程において第2上型及び第2下型による中間体の外周部の圧下開始時を示す図である。 図6は、第2鍛造工程の終了時を示す図である。 図7は、一般的な上型及び下型による円柱素材の圧下開始直後を示す図である。 図8は、一般的な上型及び下型で製造された円形材に発生する折れ込み疵を示す図である。 図9は、第2実施形態に係る円形材の製造方法において、中間体が成形された状態を示す図である。 図10は、図9に示す中間体の外周部がある程度圧下された状態を示す図である。 図11は、第1鍛造工程の別例を示す図である。 図12は、第2鍛造工程の別例を示す図である。
実施形態に係る円形材の製造方法は、第1鍛造工程と、第2鍛造工程と、を備える。第1鍛造工程では、加熱された円柱素材の一端面を第1下型に対向させて円柱素材を第1下型上に載置する。そして、第1上型を下降させ、円柱素材を第1上型の加工面及び第1下型の加工面で圧下することによって、円柱素材の上下の縁部を第1上型及び第1下型の加工面の外側に移動させ、縁部が上端及び下端に位置する中間体を成形する。第2鍛造工程では、縁部を含む中間体の外周部を、第2上型及び第2下型で圧下する(第1の構成)。
第1の構成に係る円形材の製造方法において、第1鍛造工程では、円柱素材を第1上型の加工面及び第1下型の加工面で圧下することによって、中間体を成形する。円柱素材が圧下されたとき、円柱素材の縁部は、第1上型及び第1下型の加工面の外側に移動するため、加工面に拘束されない。第1鍛造工程に続く第2鍛造工程では、縁部を含む中間体の外周部を第2上型及び第2下型で圧下する。縁部は、中間体の上端及び下端に位置しているため、第2上型及び第2下型と最初に接触して押し潰される。これにより、縁部の近傍にも材料が充填されるため、円柱素材から製造される円形材に凹みが生じにくい。また、縁部自体が押し潰されるため、円形材には線状の疵も生じにくい。そのため、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
第1の構成において、円柱素材は、第1上型及び第1下型の加工面の半径以上の半径を有するのが好ましい(第2の構成)。
円柱素材の半径が第1上型及び第1下型の加工面の半径よりも大きい場合、円柱素材を第1下型に載置した時点で、円柱素材の縁部が加工面の外側に位置づけられる。そのため、円柱素材の縁部が第1上型及び第1下型の加工面に接触して拘束されることはない。円柱素材の半径が第1上型及び第1下型の加工面の半径と等しい場合、第1上型及び第1下型で円柱素材を圧下すると、円柱素材の縁部は、第1上型及び第1下型の加工面に拘束されることなく、当該加工面の外側に直ちに押し出される。よって、第2の構成によれば、より確実に、第1上型及び第1下型の加工面による円柱素材の縁部の拘束を防止することができる。
第1又は第2の構成において、第2上型は、第1上型の外周側に配置され、第1上型を取り囲み、第2下型は、第1下型の外周側に配置され、第1下型を取り囲むのが好ましい(第3の構成)。
第3の構成によれば、第2上型及び第2下型が第1上型及び第1下型を取り囲むように配置されているため、第1鍛造工程において中間体を成形した後、第1上型及び第1下型で中間体を挟み、保持した状態で第2鍛造工程を実施することができる。すなわち、中間体の外周部を安定して圧下することができる。
第3の構成において、第2鍛造工程は、第1上型が下死点に到達した後に開始されてもよい(第4の構成)。
第1上型が下死点に近づくにつれて、第1上型が第1下型とともに中間体を保持する力は大きくなる。第4の構成によれば、第1上型が下死点に到達し、第1上型及び第1下型によって中間体をしっかりと保持した状態で第2鍛造工程が開始されるため、中間体の外周部をより安定して圧下することができる。
第3の構成において、第1鍛造工程では、第1上型を下死点に到達する前に停止させて中間体を成形し、第2鍛造工程では、第1上型の下降を再開し、第1上型及び第2上型を同時に下死点に到達させてもよい(第5の構成)。
第1上型が下死点に近づくにつれて、第1上型及び第1下型の加工面の外側に押し出される材料の体積が大きくなる。この材料の体積が大きくなるほど、中間体の外周部を所望の形状に成形することが困難になる。これに対し、第5の構成では、第1上型を下死点に到達する前に停止させて中間体を成形するため、第1上型及び第1下型の加工面の外側に押し出される材料の体積を低減することができる。よって、中間体の外周部を所望の形状、すなわち、縁部が上端及び下端に位置する形状に容易に成形することができる。よって、第2鍛造工程において、第2上型及び第2下型による縁部の先行圧下をより確実に行うことができる。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分に
は同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1実施形態>
[プレス装置100の構成]
第1実施形態の円形材の製造方法では、図1に示すプレス装置100を用いて円形材を製造する。図1は、プレス装置100の片側縦断面図である。図1を参照して、まず、プレス装置100の構成について説明する。プレス装置100は、第1上型10Aと、第1下型10Bと、第2上型20Aと、第2下型20Bと、を含む。
第1上型10Aは、ホルダ11を介してスライド30に取り付けられる。第1上型10Aは、加工面12Aを有する。加工面12Aは、第1上型10Aの下面に設けられる。
第1下型10Bは、第1上型10Aの下方に配置される。第1下型10Bは、ボルスタプレート40に固定される。第1下型10Bは、加工面12Bを有する。加工面12Bは、第1下型10Bの上面に設けられる。加工面12Bは、加工面12Aと対向する。加工面12A,12Bはそれぞれ、概略円形状であり、半径R1を有する。
第2上型20Aは、第1上型10Aの外周側に配置され、第1上型10Aを取り囲む。第2上型20Aの内周面は、第1上型10Aの外周面に接触又は近接する。第2上型20Aは、伸縮機構21Aを介してスライド30に取り付けられる。伸縮機構21Aは、例えば、油圧シリンダ、エアシリンダである。第2上型20Aは、加工面22Aを下面に有する。
第2下型20Bは、第2上型20Aの下方に配置される。第2下型20Bは、第1下型10Bの外周側に配置され、第1下型10Bを取り囲む。第2下型20Bの内周面は、第1下型10Bの外周面に接触又は近接する。第2下型20Bは、伸縮機構21Aとは別の伸縮機構21Bを介してボルスタプレート40に取り付けられる。伸縮機構21Bは、例えば、油圧シリンダ、エアシリンダである。第2下型20Bは、加工面22Bを上面に有する。加工面22Bは、加工面22Aと対向する。加工面22A,22Bはそれぞれ、概略円環形状である。
[円形材の製造方法]
次に、図2~図6を参照して、プレス装置100を用いた円形材の製造方法について説明する。円形材の製造方法は、第1鍛造工程と、第2鍛造工程と、を備える。
(第1鍛造工程)
図2を参照して、初めに、円柱素材110を準備し、公知の加熱炉で加熱する。円柱素材110は、例えば1000~1200℃に加熱される。第1鍛造工程では、加熱された円柱素材110の一端面を第1下型10Bに対向させて円柱素材110を第1下型10B上に載置する。円柱素材110は、その中心軸が第1下型10Bの加工面12Bの中心と一致するように、加工面12B上に配置される。
円柱素材110は、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの半径R1以上の半径Rを有する。第1実施形態では、円柱素材110は、加工面12A,12Bの半径R1よりも大きい半径Rを有する。したがって、円柱素材110を第1下型10B上に載置した状態で、円柱素材110の縁部111A,111Bは加工面12A,12Bの外側に位置している。円柱素材110の一端面、すなわち下面の外周縁部が、縁部111Bである。円柱素材110の他端面、すなわち上面の外周縁部が、縁部111Aである。
円柱素材110を第1下型10B上に載置した後、スライド30を下降させることで、第1上型10Aを下降させる。スライド30の下降に伴い、第2上型20Aも下降する。ただし、伸縮機構21Aが収縮状態にあるため、第2上型20Aの加工面22Aは、第1上型10Aの加工面12Aよりも上方に位置する。そのため、図3に示すように、第1上型10Aの加工面12Aのみが円柱素材110の上面に接触する。第1上型10Aを更に下降させると、第1上型10Aの加工面12A及び第1下型10Bの加工面12Bによって円柱素材110が圧下される。
円柱素材110は、加工面12A,12Bによって上下から押圧される。円柱素材110のうち押圧された部分の材料は、半径方向外側、すなわち加工面12A,12Bの外側に向かって流動する。加工面12A,12Bの外側では、加工面12A,12Bによる拘束がないため、円柱素材110の材料は、半径方向外側だけでなく、上下方向にも流動する。この材料の流動は、縁部111A,111Bを、加工面12A,12Bの更に外側に移動させるとともに、上下方向にも移動させる。
第1上型10Aが下死点に到達したら、スライド30を停止させる。これにより、図4に示す中間体120が成形され、第1鍛造工程が終了する。
中間体120において、縁部111A,111Bは上端及び下端に位置している。縁部111A,111Bは、中間体120の外周部121に含まれる。外周部121は、中間体120のうち、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの外側に位置する部分である。外周部121は、縦断面視で、実質的に横向きの扇形状をなす。縁部111Aは、縦断面視で扇形状の外周部121において、円弧の上端部を構成する。縁部111Bは、縦断面視で扇形状の外周部121において、円弧の下端部を構成する。中間体120の肉厚は、縁部111A,111Bの位置で最大となる。すなわち、中間体120において、縁部111A,111Bは、それぞれ、他の部分よりも上方及び下方に突出している。第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで圧下された部分において、中間体120は肉厚t1を有する。
(第2鍛造工程)
第1鍛造工程の終了後、第2鍛造工程が実施される。第2鍛造工程では、縁部111A,111Bを含む中間体120の外周部121を、第2上型20A及び第2下型20Bで圧下する。具体的には、スライド30を停止したまま、すなわち第1上型10Aを下死点に位置させたまま、伸縮機構21Aを伸長させ、第2上型20Aを下降させる。また、伸縮機構21Bを伸長させ、第2下型20Bを上昇させる。これにより、図5に示すように、第2上型20Aの加工面22Aが縁部111Aに接触し、第2下型20Bの加工面22Bが縁部111Bに接触する。加工面22A,22Bは、同時に縁部111A,111Bに接触するのが好ましい。
第2上型20Aを更に下降、第2下型20Bを更に上昇させると、縁部111A,111Bが加工面22A,22Bによって圧下される。加工面22A,22Bは、縁部111A,111Bを押し潰した後に、縁部111A,111B以外の外周部121を圧下する。
図6を参照して、第2上型20Aが下死点に到達し、第2下型20Bが上死点に到達すると、円形材130が完成する。このとき、第2上型20Aの加工面22Aと第2下型20Bの加工面22Bとの間隔は、第1上型10Aの加工面12Aと第1下型10Bの加工面12Bとの間隔と一致している。すなわち、円形材130は、全体的に肉厚t1を有する。円形材130は、最終製品であってもよいが、円形材130に更なる鍛造、圧延、熱処理、機械加工等を施して最終製品としてもよい。
[効果]
一般的な方法で円形材を製造する場合、例えば図7に示すように、上型50A及び下型50Bの加工面51A,51Bで円柱素材110の全体を圧下する。この場合、円柱素材110の縁部111A,111Bは、圧下開始から終了まで加工面51A,51Bに接触し、拘束される。また、縁部111A,111Bは、円柱素材110の他の部分と比較して低温であり、変形抵抗が高い。そのため、加工面51A,51Bで圧下しても、縁部111A,111B及びその近傍では、材料が半径方向外側にほとんど流動しない。一方、円柱素材110のうち、縁部111A,111B以外の部分では、半径方向外側に向かって材料が流動する。この材料は、加工面51A,51Bに拘束された縁部111A,111Bに回り込む(図7中の矢印参照)。しかしながら、縁部111A,111B及びその近傍では材料が流動しにくいため、充填されない部分が生じる。この部分は、図8に示すように、円形材140の表面に折れ込み疵(符号X部分)として残存する。また、縁部111A,111Bの近傍に材料が充填されたとしても、円形材140の表面には、加工面51A,51Bに拘束された縁部111A,111Bに沿い、線状の折れ込み疵(図示せず)が生じる場合がある。このような折れ込み疵は、円形材140に大きな割れを生じさせる可能性がある。そのため、機械加工により、円形材140から折れ込み疵を除去する必要がある。
これに対し、第1実施形態の円形材130の製造方法では、第1鍛造工程において円柱素材110を中間体120に成形し、第2鍛造工程において当該中間体120から円形材130を製造する。第1鍛造工程において、円柱素材110を第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで圧下すると、円柱素材110の縁部111A,111Bは、加工面12A,12Bの外側に移動する。そのため、縁部111A,111Bは、加工面12A,12Bに接触せず、拘束されない。続く第2鍛造工程では、中間体120の外周部121を第2上型20A及び第2下型20Bの加工面22A,22Bで圧下する。縁部111A,111Bは、外周部121の上下端に位置しているため、他の部分に先行して加工面22A,22Bによって圧下され、押し潰される。これにより、縁部111A,111Bの近傍にも図7及び図8において示したようなかたちで材料が回り込むことがなく充填される。よって、折れ込み疵の発生を抑制することができる。この結果、折れ込み疵を除去するための機械加工が不要になり、円形材130の製造工程を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
第1実施形態の円形材130の製造方法において、円柱素材110は、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの半径R1よりも大きい半径Rを有する。そのため、円柱素材110を第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで圧下し始める時点において、縁部111A,111Bは既に加工面12A,12Bの外側に位置している。したがって、縁部111A,111Bを加工面12A,12Bと確実に非接触にすることができ、第1鍛造工程中の縁部111A,111Bの拘束を防止することができる。よって、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
円柱素材110の半径Rは、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの半径R1と同じであってもよい。この場合、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで円柱素材110を圧下すると、円柱素材110の縁部111A,111Bは、加工面12A,12Bの外側に直ちに押し出される。したがって、縁部111A,111Bが第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bに拘束されることなく、円柱素材110を圧下することができる。よって、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
ただし、円柱素材110の半径Rは、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの半径R1よりもわずかに小さくてもよい。この場合、加工面12A,12Bによる圧下開始時点では、縁部111A,111Bが加工面12A,12Bと接触する。しかしながら、圧下により円柱素材110の材料が半径方向外側に流動することで、縁部111A,111Bは、加工面12A,12Bの外側に直ちに押し出される。よって、この場合であっても、加工面12A,12Bによる縁部111A,111Bの拘束が発生せず、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
円柱素材110の半径Rと、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの半径R1との比R/R1は、0.8以上、1.5以下であるのが好ましい。より好ましくは、比R/R1の下限は0.9であり、上限は1.2である。
第1実施形態の円形材130の製造方法では、第1上型10Aが、第2上型20A及び第2下型20Bとは独立して昇降するプレス装置100を用いて円形材130を製造する。すなわち、いわゆる複合加工によって円形材130を製造し、第1鍛造工程と第2鍛造工程とを一のプレス装置100を用いて連続して実施する。第2鍛造工程では、第1上型10A及び第1下型10Bで中間体120を保持した状態で、第2上型20A及び第2下型20Bによって外周部121を圧下することができる。これにより、中間体120の外周部121を安定して圧下することができ、所望の形状の円形材130を容易に成形することができる。
第1上型10A及び第1下型10Bによる保持力は、第1上型10A及び第1下型10Bによる圧下が進行するにつれ高くなる。第1実施形態の円形材130の製造方法では、第1上型10Aが下死点に到達した後、第2鍛造工程が実施される。すなわち、第1上型10A及び第1下型10Bによる保持力が十分に高い状態で、第2鍛造工程が開始されるため、中間体120の外周部121を安定して圧下することができる。
<第2実施形態>
続いて、図9及び図10を参照して、第2実施形態の円形材130の製造方法について説明する。第2実施形態の円形材130の製造方法では、第1実施形態と同じプレス装置100を用いて円形材130を製造する。
第1鍛造工程では、図9に示すように、スライド30の下降を制御し、第1上型10Aを下死点に到達する前に停止させて中間体150を成形する。具体的には、加熱された円柱素材110を第1下型10B上に載置した後、スライド30を下降させ、円柱素材110を第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで圧下する。ただし、第1上型10Aが下死点に到達する前に、スライド30の下降を停止し、第1上型10Aの下降を停止させる。これにより、材料がある程度半径方向外側に流動し、中間体150が成形され、第1鍛造工程が終了する。
中間体150は、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bで圧下された部分において、肉厚t2を有する。肉厚t2は、第1実施形態における中間体120の肉厚t1よりも厚い(図4)。中間体150において、加工面12A,12Bの外側に位置する部分は、外周部151である。外周部151は、縁部111A,111Bを含む。縁部111A,111Bは、中間体150において、上端及び下端に位置している。
第1鍛造工程に続く第2鍛造工程では、まず、第2上型20A及び第2下型20Bの加工面22A,22Bによって、中間体150の縁部111A,111Bを圧下する。具体的には、スライド30を停止したまま、伸縮機構21Aを伸長させ、図10に示すように、第2上型20Aを、その加工面22Aが第1上型10Aの加工面12Aと同じ高さになる位置まで下降させる。また、伸縮機構21Bを伸長させ、第2下型20Bを、その加工面22Bが第1下型10Bの加工面12Bと同じ高さになる位置まで上昇させる。第2上型20A及び第2下型20Bは、同時に、同速度で下降及び上昇するのが好ましい。
これにより、第2上型20Aの加工面22Aと第2下型20Bの加工面22Bとの間隔が、第1上型10Aの加工面12Aと第1下型10Bの加工面12Bとの間隔と一致する。両上下型10A,10B,20A,20Bの間隔が一致した後、伸縮機構21A,21Bの伸長を停止し、第2上型20A及び第2下型20Bの下降及び上昇を停止する。これにより、中間体150の外周部151がある程度圧下される。
次に、第1上型10Aの下降を再開し、第1上型10A及び第2上型20Aを同時に下死点に到達させる。具体的には、第2下型20Bを停止させたままで、スライド30の下降を再開させ、第1上型10A及び第2上型20Aを再び下降させる。これにより、第2上型20A及び第2下型20Bの加工面22A,22Bによって外周部151が更に圧下され、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bによって外周部151以外の部分が更に圧下される。第1上型10A及び第2上型20Aが下死点に到達すると、円形材130が完成する。
第2実施形態の円形材130の製造方法によれば、第1鍛造工程において、第1上型10Aを下死点に到達する前に停止させるため、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの外側に押し出される材料の体積が低減される。これにより、中間体150の外周部151の体積を小さくすることができ、縁部111A,111Bが上端及び下端に位置する形状に成形しやすい。したがって、第2鍛造工程において、縁部111A,111Bを第2上型20A及び第2下型20Bの加工面22A,22Bで確実に先行圧下することができる。よって、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
以上、本実施形態の円形材の製造方法について説明した。その他、本開示は上記の実施形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
上記の各実施形態では、第2上型20A及び第2下型20Bが、第1上型10A及び第1下型10Bの外周側に配置されたプレス装置100で円形材130を製造する。しかしながら、本開示の円形材130の製造方法は、これに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、第1鍛造工程において、第1上型10A及び第1下型10Bのみが取り付けられたプレス装置200で円柱素材110を圧下し、中間体120を成形してもよい。この場合、第2鍛造工程では、図12に示すように、円形材130全体の形状が型取られた第2上型60A及び第2下型60Bが取り付けられたプレス装置300で中間体120を圧下し、円形材130を製造する。
このような円形材130の製造方法であっても、第1鍛造工程において、円柱素材110の縁部111A,111Bを第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bの外側に移動させ、中間体120の上端及び下端に位置させることができる。第2鍛造工程において、第2上型60A及び第2下型60Bの加工面61A,61Bで中間体120の縁部111A,111Bを他の部分に先行して圧下することができる。よって、折れ込み疵の発生を抑制することができる。
図11に示すプレス装置200において、第1上型10A及び第1下型10Bは、概略円柱形状となっている。しかしながら、第1上型10A及び第1下型10Bは、概略円錐台形状であってもよい。例えば、第1上型10A及び第1下型10Bはそれぞれ、加工面12A,12Bの外周側に配置されるテーパ面(図示せず)を含んでいてもよい。このテーパ面は、加工面12A,12Bの圧下により、加工面12A,12Bの外側に移動した縁部111A,111Bと接触しないように設けられる。
上記の各実施形態では、第1上型10A及び第1下型10Bの加工面12A,12Bは、概ね平坦となっている。しかしながら、加工面12A,12Bは平坦でなくてもよい。例えば、加工面12A,12Bはそれぞれ、円形材130に応じた形状を有していてもよい。ただし、加工面12A,12Bの外周縁は、概略円形状である。この場合、加工面12A,12Bの半径R1は、第1上型10A及び第1下型10Bの中心軸から加工面12A,12Bの外周縁までの水平方向の距離である。
10A :第1上型
12A :加工面
10B :第1下型
12B :加工面
R1 :半径
20A :第2上型
20B :第2下型
110 :円柱素材
111A,111B:縁部
R :半径
120,150:中間体
121,151:外周部
130 :円形材

Claims (5)

  1. 円形材の製造方法であって、
    加熱された円柱素材の一端面を第1下型に対向させて前記円柱素材を前記第1下型上に載置し、第1上型を下降させ、前記円柱素材を前記第1上型の加工面及び前記第1下型の加工面で圧下することによって、前記円柱素材の上下の縁部を前記第1上型及び前記第1下型の前記加工面の外側に移動させ、前記縁部が上端及び下端に位置する中間体を成形する第1鍛造工程と、
    前記縁部を含む前記中間体の外周部を、第2上型及び第2下型で圧下する第2鍛造工程と、を備える、円形材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の円形材の製造方法であって、
    前記円柱素材は、前記第1上型及び前記第1下型の前記加工面の半径以上の半径を有する、円形材の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の円形材の製造方法であって、
    前記第2上型は、前記第1上型の外周側に配置され、前記第1上型を取り囲み、
    前記第2下型は、前記第1下型の外周側に配置され、前記第1下型を取り囲む、円形材の製造方法。
  4. 請求項3に記載の円形材の製造方法であって、
    前記第2鍛造工程は、前記第1上型が下死点に到達した後に開始される、円形材の製造方法。
  5. 請求項3に記載の円形材の製造方法であって、
    前記第1鍛造工程では、前記第1上型を下死点に到達する前に停止させて前記中間体を成形し、
    前記第2鍛造工程では、前記第1上型の下降を再開し、前記第1上型及び前記第2上型を同時に下死点に到達させる、円形材の製造方法。
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