JP7259511B2 - 合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、合わせガラスに関する。
近年、車両のフロントガラスに画像を反射させて運転者の視界に所定の情報を表示するヘッドアップディスプレイ(以下、HUDとも言う。)の導入が進んでいるが、運転者が車外の風景やHUDにより表示された情報を視認するに際し、透視二重像と反射二重像といった二重像が問題となる場合がある。そこで、HUDにおいて、二重像の問題を解消するために、断面楔形状の部分を有する合わせガラスがフロントガラスに採用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、車両に、外界の状態を認識するためにカメラ等のセンサが、例えばフロントガラスの内側に設置される場合がある。このような場合、カメラ等のセンサが情報を取得するための情報取得領域がフロントガラスの一部に設けられるが、情報取得領域の透視歪が大きいと、カメラ等のセンサの情報取得性能を悪化させる。特に情報取得領域の周囲に着色セラミック層からなる遮蔽層が形成される場合、着色セラミックとガラスとの熱吸収のしやすさの差によりフロントガラス成形時に透視歪が発生しやすい。
断面楔形状の部分を有する合わせガラスに遮蔽層で囲まれた情報取得領域を設ける場合においても、センサの情報取得性能を悪化させないようにする技術が要求されている。尚、車外の風景やHUDにより表示された情報は正確に視認できることも併せて必要とされている。
特開平07-175007号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、断面楔形状の部分を有する合わせガラスに設けられた情報取得領域において、センサの情報取得性能を向上すること、また同時に、車外の風景やHUDにより表示された情報は正確に視認できること、を目的とする。
本合わせガラスは、車外側ガラス板と車内側ガラス板との間に中間膜を有する合わせガラスであって、センサによる情報取得領域及びJIS規格R3212(2015)で規定される試験領域Aを有し、前記情報取得領域は、前記合わせガラスを車両に取り付けたときに、前記試験領域Aよりも上側に位置し、前記情報取得領域の周縁部の少なくとも一部は、平面視で着色セラミック層からなる遮蔽層で囲まれており、前記車外側ガラス板及び前記車内側ガラス板の何れか一方は、前記合わせガラスを車両に取り付けたときに、上端部の方が下端部よりも板厚が厚く、前記情報取得領域の異厚度合いをα、前記試験領域Aの異厚度合いをβとしたとき、異厚度合いの比α/βが1.01以上であり、前記異厚度合いβが1.25未満であることを要件とする。
但し、αは前記情報取得領域の重心における車外側ガラス板と車内側ガラス板の板厚の比(板厚の小さい方を分母とする)であり、βは前記試験領域Aの重心における車外側ガラス板と車内側ガラス板の板厚の比(板厚の小さい方を分母とする)である。
開示の一実施態様によれば、断面楔形状の部分を有する合わせガラスに設けられた情報取得領域において、センサの情報取得性能を向上し、同時に、車外の風景やHUDにより表示された情報は正確に視認できる。
第1の実施の形態に係る車両用のフロントガラスを例示する図である。 図1に示すフロントガラス20をXZ方向に切ってY方向から視た部分断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係る情報取得領域近傍の部分拡大図である。 実施例及び比較例について説明する図(その1)である。 実施例及び比較例について説明する図(その2)である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。なお、ここでは、車両用のフロントガラスを例にして説明するが、これには限定されず、本実施の形態に係る合わせガラスは、車両用のフロントガラス以外、例えばサイドガラス、リアガラス等にも適用可能である。又、図では本発明の内容を理解しやすいように、大きさや形状を一部誇張している。
なお、平面視とはフロントガラスの所定領域を所定領域の法線方向から視ることを指し、平面形状とはフロントガラスの所定領域を所定領域の法線方向から視た形状を指すものとする。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る車両用のフロントガラスを例示する図であり、図1(a)はフロントガラスを車室内から車室外に視認した様子を模式的に示した図である(フロントガラス20はZ方向を上方として車両に取り付けられた状態である)。図1(b)は図1(a)の情報取得領域25近傍の部分拡大断面図である。なお、図1(b)において、便宜上、フロントガラス20と共にカメラ300を図示している。
図1に示すように、フロントガラス20は、JIS規格R3212(2015)で規定される試験領域A及び情報取得領域25を有している。又、フロントガラス20の周縁部には遮蔽層27が設けられている。試験領域Aは平面視で遮蔽層27に囲まれた領域の内側に位置し、情報取得領域25は遮蔽層27に設けられた開口部内に位置している。なお、情報取得領域25は、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、運転者の視界を阻害しないと同時に、情報の取得に有利なため、試験領域Aよりも上側に位置する。
情報取得領域25の平面形状は、例えば、矩形、等脚台形、扇型である。情報取得領域25の遮蔽層27に囲まれている部分の面積は、例えば、1つの開口部当たり1500mm以上である。情報取得領域25の遮蔽層27に囲まれている部分の面積を1500mm以上とすることにより、カメラ300等のセンサの情報取得に必要な画角を確保できる。情報取得領域25が位置する遮蔽層27の開口部の面積を、3000mm以上、4500mm以上、6000mm以上、9000mm以上としてもよい。
又、情報取得領域25は複数有ってもよい。例えば、可視光カメラ対応の情報取得領域、赤外線センサ対応の情報取得領域等が別個に有る場合である。その場合、上述の面積は各情報取得領域別の面積である。又、情報取得領域25の周囲が遮蔽層27で囲まれていない場合は、カメラ等の画角に対応したフロントガラス20の領域を上記情報取得領域25とする。
情報取得領域25は、フロントガラス20の上辺周縁部に可視光、若しくは赤外線を取得するセンサとしてのカメラ300が配置される場合の透視領域として機能する。但し、カメラ300が配置されるのは一例であり、カメラ300に代えて可視光を取得するセンサが配置される場合も同様に可視光を取得可能な情報取得領域25が設けられる。可視光を取得するセンサとしては、例えば、照度センサが挙げられる。赤外線を取得するカメラとしては、例えば、ナイトビジョン、LiDAR(Light Detection and Ranging)が挙げられる。
カメラ300の光軸Oと、フロントガラス20の内面21とのなす角θは、例えば、60deg以下である。θは50deg以下、40deg以下、30deg以下、25deg以下であってもよいが、θの値が小さいほど透視歪が発生し易くなり、本発明の効果が一層発揮される。
遮蔽層27は、不透明な(例えば、黒色の)着色セラミック層であり、例えば、所定の色の印刷用インクをガラス面に塗布し、これを焼き付けることにより形成できる。フロントガラス20の周縁部に不透明な遮蔽層27が存在することにより、フロントガラス20の周縁部を車体に保持するウレタン等の樹脂、またカメラ300等のセンサを係止するブラケットをフロントガラスに貼り付ける接着部材が紫外線により劣化することを抑制できる。更に、太陽光等の外光によりセンサが誤作動することを抑制できる。
図2は、図1に示すフロントガラス20をXZ方向に切ってY方向から視た部分断面図である。図2(a)に示すように、フロントガラス20は、車内側ガラス板であるガラス板210と、車外側ガラス板であるガラス板220と、中間膜230とを備えた車両用の合わせガラスである。フロントガラス20において、ガラス板210とガラス板220とは、中間膜230を挟持した状態で固着されている。中間膜230は、複数層の中間膜から形成されてもよい。
なお、図2(a)では遮蔽層27は図示されていないが、遮蔽層27はガラス板210の車内側の面(フロントガラス20の内面21)に設けてもよいし、ガラス板220の車内側の面に設けてもよいし、これらの両方の面に設けてもよい。すなわち、遮蔽層27は、ガラス板210の車内側の面及びガラス板220の車内側の面の一方又は両方に設けることができる。
フロントガラス20は、試験領域A内又は試験領域A外であって平面視で遮蔽層27に囲まれた領域の内側に、HUDで使用するHUD表示領域を有してもよい。HUD表示領域は、車内からの投影像を反射して情報を表示する表示領域である。HUD表示領域は、車内に配置されたHUDを構成する鏡を回転させ、JIS R3212のV1点から見た際に、HUDを構成する鏡からの光がフロントガラス20に照射される範囲とする。
フロントガラス20において、車両の内側となるガラス板210の一方の面であるフロントガラス20の内面21と、車両の外側となるガラス板220の一方の面であるフロントガラス20の外面22とは、平面であっても湾曲面であっても構わない。
フロントガラス20は、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、フロントガラス20の下端側から上端側に至るに従って厚さが増加する断面楔形状に形成されており、楔角がδである。このような構成にすることで、HUDの二重像を抑制できる。なお、楔角δは、フロントガラス20に沿った垂直方向の下端の厚さと上端の厚さとの差を、フロントガラス20に沿った垂直方向の距離で割ったもの(すなわち、平均楔角)である。以降、ガラス板及び中間膜の楔角も上記のように定められる。なお、フロントガラス20の下端側から上端側に至る厚さの増加は、増加の割合が一定である単調増加であってもよく、増加の割合が部分的に変化してもよい。
楔角δは、0.1mrad以上1.0mrad以下であることが好ましい。楔角δを0.1mrad以上とすることで、本発明の異厚度合いを十分大きな値にすることが容易となり、又HUD二重像を抑制した上で透視二重像を十分に低減できる。又、楔角δを1.0mrad以下とすることで、フロントガラス20の質量の増加を問題ない範囲内に抑制できる。楔角δは、0.1mrad以上0.9mrad以下であることがより好ましく、0.1mrad以上0.8mrad以下であることが更に好ましく、0.1mrad以上0.6mrad以下であることが更に好ましい。
フロントガラス20において、ガラス板220は、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、上端部の方が下端部よりも厚く、下端部と上端部との板厚の差が0.1mm以上であることが好ましい。すなわち、ガラス板220は、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、フロントガラス20の下端側から上端側に至るに従って板厚が増加する断面楔形状に形成されている。ガラス板220の下端部と上端部との板厚の差は、1.0mm以下であることが好ましい。ガラス板220の下端部と上端部との板厚の差を1.0mm以下とすることにより、合わせガラスの過度な質量増加を抑えることができる。
ガラス板220の楔角、すなわちフロントガラス20の外面22となる面と、中間膜230と接する面とのなす角はδgである。図2(a)では、ガラス板210及び中間膜230の厚さが均一であるため、ガラス板220の楔角δgは、フロントガラス20の内面21と外面22とのなす合わせガラス全体の楔角δと等しい。
図2(a)では、車外側のガラス板220を断面楔形状にする例を示したが、図2(b)に示すように、車内側のガラス板210を断面楔形状にしてもよい。すなわち、ガラス板220及び中間膜230の厚さを均一とし、ガラス板210を、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、上端部の方が下端部よりも厚く、下端部と上端部との板厚の差が0.1mm以上としてもよい。ガラス板210の下端部と上端部との板厚の差は、1.0mm以下であることが好ましい。ガラス板210の下端部と上端部との板厚の差を1.0mm以下とすることにより、合わせガラスの過度な質量増加を抑えることができる。ガラス板210とガラス板220が両方とも上記の断面楔形状であってもよい。
ガラス板210、220が断面楔形状である場合の楔角δgは、0.1mrad以上1.0mrad以下であることが好ましく、0.1mrad以上0.9mrad以下であることがより好ましく、0.1mrad以上0.8mrad以下であることが更に好ましく、0.1mrad以上0.6mrad以下であることが更に好ましい。ガラス板210もしくは220のいずれか一方が断面楔形状であれば中間膜230が上記の断面楔形状であってもよい。
ガラス板210及び220は、例えば、フロート法によって製造できる。ガラス板210又はガラス板220をフロート法で製造する場合には、製造条件を工夫することで断面楔形状に形成できる。すなわち溶融金属上を進行するガラスリボンの幅方向の両端部に配置された複数のロールの周速度を調整することで、幅方向のガラス断面を凹形状や凸形状、或いはテーパー形状とし、任意の厚み変化を持つ箇所を切り出せばよい。又、平板ガラスを所定の方法で製造した後、表面を研磨加工して断面楔形状にしてもよい。
ガラス板210及び220としては、例えば、無機ガラスであるソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラスや有機ガラス等を用いることができる。ガラス板210又は220が無機ガラスの場合、強化されていても強化されていなくてもよい。強化される場合は風冷強化又は化学強化により強化される。
フロントガラス20の外側に位置するガラス板220の板厚は、最薄部が1.8mm以上3mm以下であることが好ましい。ガラス板220の板厚が1.8mm以上であると、耐飛び石性能等の強度が十分であり、3mm以下であると、合わせガラスの質量が大きくなり過ぎず、車両の燃費の点で好ましい。ガラス板220の板厚は、最薄部が1.8mm以上2.8mm以下がより好ましく、1.8mm以上2.6mm以下が更に好ましい。
フロントガラス20の内側に位置するガラス板210の板厚は、0.3mm以上2.3mm以下であることが好ましい。ガラス板210の板厚が0.3mm以上であることによりハンドリング性がよく、2.3mm以下であることによりフロントガラス20の質量が大きくなり過ぎない。
ガラス板210の板厚を0.3mm以上2.3mm以下とすることで、ガラス品質(例えば、残留応力)を維持できる。ガラス板210の板厚を0.3mm以上2.3mm以下とすることは、曲がりの深いガラスにおけるガラス品質(例えば、残留応力)の維持に特に有効である。質量と強度のバランスの点から、ガラス板210の板厚は、0.5mm以上2.1mm以下がより好ましく、0.7mm以上1.9mm以下が更に好ましい。
フロントガラス20が湾曲形状である場合、ガラス板210及び220は、フロート法等による成形の後、中間膜230による接着前に、曲げ成形される。曲げ成形は、ガラスを加熱により軟化させて行われる。曲げ成形時のガラスの加熱温度は、大凡550℃~700℃である。
ガラス板210とガラス板220とを接着する中間膜230としては熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられる。又、特許第6065221号に記載されている変性ブロック共重合体水素化物を含有する樹脂組成物も好適に使用できる。
これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に使用できる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」と言うこともある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール系樹脂、PVAとn-ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」と言うこともある)等が挙げられ、特に、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。但し、中間膜230を形成する材料は、熱可塑性樹脂には限定されない。 中間膜230の膜厚は、最薄部で0.5mm以上であることが好ましい。中間膜230の膜厚が0.5mm以上であるとフロントガラスとして必要な耐貫通性が十分となる。又、中間膜230の膜厚は、最厚部で3mm以下であることが好ましい。中間膜230の膜厚の最大値が3mm以下であると、合わせガラスの質量が大きくなり過ぎない。中間膜230の最大値は2.8mm以下がより好ましく、2.6mm以下が更に好ましく、2mm以下が更に好ましく、1mm以下が更に好ましい。
なお、中間膜230は、3層以上の層を有していてもよい。例えば、中間膜を3層から構成し、真ん中の層の硬度を可塑剤の調整等により両外側の層の硬度よりも低くすることにより、合わせガラスの遮音性を向上できる。この場合、両外側の層の硬度は同じでもよいし、異なってもよい。
中間膜230を作製するには、例えば、中間膜となる上記の樹脂材料を適宜選択し、押出機を用い、加熱溶融状態で押し出し成形する。押出機の押出速度等の押出条件は均一となるように設定する。その後、押し出し成形された樹脂膜を、フロントガラス20のデザインに合わせて、上辺及び下辺に曲率を持たせるために、例えば必要に応じ伸展することで、中間膜230が完成する。
合わせガラスを製造するには、ガラス板210とガラス板220との間に中間膜230を挟んで積層体とし、例えば、この積層体をゴム袋の中に入れ、-65~-100kPaの真空中で温度約70~110℃で接着する。
更に、例えば100~150℃、圧力0.6~1.3MPaの条件で加熱加圧する圧着処理を行うことで、より耐久性の優れた合わせガラスを得ることができる。但し、場合によっては工程の簡略化、並びに合わせガラス中に封入する材料の特性を考慮して、この加熱加圧工程を使用しない場合もある。
ガラス板210とガラス板220との間に、本願の効果を損なわない範囲で、中間膜230の他に、赤外線反射、発光、発電、調光、可視光反射、散乱、加飾、吸収等の機能を持つフィルムやデバイスを有していてもよい。又、内面21上に防曇、遮熱等の機能性膜を有してもよく、ガラス板220の車内側面もしくはガラス板210の車外側面上に遮熱の機能を有する膜を有してもよい。
なお、HUDのFOV(Field Of View:視野角)は、例えば、4deg×1deg以上である。HUDのFOVは、5deg×1.5deg以上、6deg×2deg以上、7deg×3deg以上としてもよい。
このように、フロントガラス20では、ガラス板210及び220の何れか一方を、フロントガラス20を車両に取り付けたときに、フロントガラス20の下端側から上端側に至るに従って厚さが増加する断面楔形状に形成している。言い換えれば、ガラス板210及び220の何れか一方は、下端部と上端部との板厚の差が0.1mm以上である。
本発明では、フロントガラス20を車両に取り付けたときに下側となる試験領域Aと上側となる情報取得領域25とは、異厚度合いが異なる。ここで、本願明細書における異厚度合いとは、対象となる領域、例えば、情報取得領域25や試験領域Aの重心におけるガラス板210とガラス板220の板厚の比である。但し、重心位置の板厚の小さい方を分母とする。ここで、本願明細書における対象となる領域の重心とは、フロントガラス20の外面22の対象となる領域の表面積を基準とした重心を意味する。
フロントガラス20では、情報取得領域25の異厚度合いをα、試験領域Aの異厚度合いをβとしたとき、異厚度合いαを異厚度合いβよりも大きな値としている。
一般に、車両用のガラスは曲面を有するため、ガラス板210とガラス板220との板厚の差が大きくなると、フロントガラス20を作製する際の曲げ成形時にガラス板210とガラス板220の曲がり方の違いにより、合わせガラスとした時に透視歪が生じやすい。言い換えれば、ガラス板210とガラス板220との板厚の差(異厚度合い)を小さくすることで、フロントガラス20を作製する際の曲げ成形時のガラス板210とガラス板220の曲がり方の違いが小さくなり、透視歪の発生を抑制できる。特に、情報取得領域25の重心位置の縦方向の曲率半径が20000mm以下、又試験領域Aの重心の縦方向の曲率半径が20000mm以下である場合に本発明の効果が一層高い。
ところが、異厚度合いが小さい方が透視歪の発生を抑制できるという傾向は、試験領域Aには当てはまるが、情報取得領域25には当てはまらないことを発明者らが見出した。すなわち、試験領域Aとは異なり、情報取得領域25では異厚度合いが大きい方が透視歪の発生を抑制できるという傾向があることを発明者らが見出した。情報取得領域25では、試験領域Aとは異なり周囲に着色セラミック層からなる遮蔽層27が存在する点が影響しているものと考えられる。
フロントガラス20では、異厚度合いの比α/βが1.01以上となるように、α及びβを設定している。異厚度合いの比α/βが1.01以上となる範囲において、情報取得領域25の異厚度合いαは、1.1以上であることが好ましく、1.15以上であることがより好ましく、1.2以上であることが更に好ましい。情報取得領域25の異厚度合いαが上述の範囲であれば情報取得領域25の透視歪を十分抑制できる。情報取得領域25の異厚度合いαは、2枚のガラス板を合わせガラスにする際の成形性の点から2以下が好ましい。
又、試験領域Aの異厚度合いβは、1.25未満であることが好ましく、1.2未満であることがより好ましい。試験領域Aの異厚度合いβが上述の範囲であれば、2枚のガラス板を合わせガラスにする際の成形性がよい。又、ガラス板の楔角を過剰に大きくすること無く情報取得領域25の異厚度合いαを所定の範囲内にできるため、試験領域Aの異厚度合いβは1.01以上が好ましい。
異厚度合いの比α/βを1.01以上とすることで、試験領域Aにおける透視歪の抑制と、情報取得領域25における透視歪の抑制とを両立できる。異厚度合いの比α/βの1.01という値は、発明者らが検討を積み重ねた結果得られた実測値に基づくものである(後述の実施例参照)。
異厚度合いの比α/βは1.02以上とすることが好ましく、1.03以上とすることがより好ましく、1.035以上とすることが更に好ましく、1.04以上とすることが特に好ましい。異厚度合いの比α/βの値が大きくなる程、試験領域Aにおける透視歪を一層抑制できると共に、情報取得領域25における透視歪を一層抑制できるからである。異厚度合いの比α/βが2以下であると、ガラス板210もしくは220の一方の楔角を過剰に大きくする必要が無く、楔角を有するガラス板を歪等の不具合が起きずに製造できるため、好ましい。
なお、カメラ300の光軸Oと、フロントガラス20の内面21とのなす角θの値が小さいほどカメラ300から見た場合の透視歪が強調されるため、異厚度合いの比α/βを1.01以上とする意義が一層高くなる。θが30deg以下で異厚度合いの比α/βが1.02以上であることが好ましく、θが25deg以下で異厚度合いの比α/βが1.03以上であることが更に好ましい。
〈第1の実施の形態の変形例〉
第1の実施の形態の変形例では、情報取得領域の形状が第1の実施の形態と異なる例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図3は、第1の実施の形態の変形例に係る情報取得領域近傍の部分拡大図である。第1の実施の形態では平面視で情報取得領域25の周縁部全体が遮蔽層27に囲まれている形態としたが、これには限定されず、情報取得領域25の周縁部の少なくとも一部が平面視で遮蔽層27で囲まれた形態としてもよい。
例えば、図3(a)に示す情報取得領域25Aや図3(b)に示す情報取得領域25Bのように、周縁部の一部が遮蔽層27に囲まれており、周縁部の他部が遮蔽層27に囲まれていない形態としてもよい。例えば、情報取得領域25の周縁部全体を囲む遮蔽層27にスリット状の開口のような遮蔽層27が不連続な領域を設けてもよい。この場合の情報取得領域25の重心は、開口部の端部を直線で結んで囲まれた領域の重心を求めればよい。又、情報取得領域25が複数有る場合は、情報取得領域ごとに本発明の関係を満たせばよい。
又、第1の実施の形態では情報取得領域25の平面形状を矩形としたが、これには限定されない。例えば、図3(a)に示す情報取得領域25Aのように、平面形状を等脚台形としてもよいし、その他の平面形状としてもよい。
[実施例1~4、比較例]
合わせガラスとした際に外板(車外側ガラス板)と内板(車内側ガラス板)となるガラス板を2枚準備した(AGC社製 通称FL)。ガラス板の寸法は、2枚とも、上辺1200mm、下辺1400mm、高さ1000mmの平面視で等脚台形とした。内板の車内側面には図1(a)のような着色セラミック層を形成した。情報取得領域25は平面視で上辺20mm、下辺80mm、高さ80mmの等脚台形形状の開口とした。2枚のガラス板には所定の曲率を有するように予め曲げ成形を施した。中間膜(積水化学工業社製 PVB、厚み0.76mm)を2枚のガラス板の間に挟み、真空下で加熱し仮圧着した後オートクレーブ処理により圧着してフロントガラスを作製した。
以上により情報取得領域25及び試験領域Aを有するフロントガラス(図1及び図2参照)を作製し、情報取得領域25及び試験領域Aの透視歪を評価した(比較例、実施例1~実施例4)。なお、外板を楔角の異なる断面楔形状とすることで、比較例、実施例1~実施例4において、情報取得領域25の異厚度合いα、試験領域Aの異厚度合いβ、及び異厚度合いの比α/βを異なる値にした。情報取得領域の重心位置の縦方向の曲率半径は2000mm、又試験領域Aの重心の縦方向の曲率半径が9000mmであった。
比較例、実施例1~実施例4における情報取得領域25の異厚度合いα、試験領域Aの異厚度合いβ、及び異厚度合いの比α/βの値と、情報取得領域25及び試験領域Aの透視歪の絶対値の最大値の評価結果とを図4及び図5にまとめた。なお,透視歪は合わせガラスのレンズ作用の屈折力で表現されており、正は凸レンズ,負は凹レンズの作用を表しており、値が0に近いほど透視歪が小さいことを表す。透視歪は、ISRA VISION社製歪検査装置により測定した。
図4及び図5に示すように、異厚度合いの比α/βが1.006である比較例では、試験領域Aの透視歪は良好であるが情報取得領域25の透視歪は許容値を超えた。なお、発明者らが検討を積み重ねた結果、透視歪の許容値は情報取得領域25及び試験領域Aとも絶対値で140[mdpt]以下である。
これに対して、異厚度合いの比α/βが1.047である実施例1、異厚度合いの比α/βが1.035である実施例2、異厚度合いの比α/βが1.014である実施例3、異厚度合いの比α/βが1.025である実施例4では、試験領域Aの透視歪は比較例よりも大きくなったものの許容値の範囲内である。又、情報取得領域25の透視歪は比較例よりも小さくなり、許容値の範囲内となった。
このように、試験領域Aでは異厚度合いの比α/βが大きい方が透視歪が大きくなる傾向があり(図5の矢印M)、情報取得領域25では異厚度合いの比α/βが大きい方が透視歪が小さくなる傾向がある(図5の矢印N)。そして、図5より、異厚度合いの比α/βを1.01以上とすることにより、試験領域Aの透視歪と情報取得領域25の透視歪を何れも許容値の範囲内にできることがわかる。
すなわち、合わせガラスにおいて、内板又は外板を断面楔形状にして異厚度合いの比α/βを1.01以上とすることにより、試験領域Aの透視歪と情報取得領域25の透視歪を何れも許容値の範囲内にできる。又、合わせガラスは断面楔形状を有するため、HUDの二重像も抑制できる。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
20 フロントガラス
21 内面
22 外面
25、25A、25B 情報取得領域
27 遮蔽層
210、220 ガラス板
230 中間膜
300 カメラ

Claims (8)

  1. 車外側ガラス板と車内側ガラス板との間に中間膜を有する合わせガラスであって、
    センサによる情報取得領域及びJIS規格R3212(2015)で規定される試験領域Aを有し、
    前記情報取得領域は、前記合わせガラスを車両に取り付けたときに、前記試験領域Aよりも上側に位置し、
    前記情報取得領域の周縁部の少なくとも一部は、平面視で着色セラミック層からなる遮蔽層で囲まれており、
    前記車外側ガラス板及び前記車内側ガラス板の何れか一方は、前記合わせガラスを車両に取り付けたときに、上端部の方が下端部よりも板厚が厚く、
    前記情報取得領域の異厚度合いをα、前記試験領域Aの異厚度合いをβとしたとき、異厚度合いの比α/βが1.01以上であり、前記異厚度合いβが1.25未満である合わせガラス。
    但し、αは前記情報取得領域の重心における車外側ガラス板と車内側ガラス板の板厚の比(板厚の小さい方を分母とする)であり、βは前記試験領域Aの重心における車外側ガラス板と車内側ガラス板の板厚の比(板厚の小さい方を分母とする)である。
  2. 前記異厚度合いの比α/βが1.03以上である請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記異厚度合いαが1.1以上である請求項1又は2に記載の合わせガラス。
  4. 前記車外側ガラス板及び前記車内側ガラス板のうち、下端部と上端部との板厚の差が0.1mm以上であるガラス板において、下端部と上端部との板厚の差が1.0mm以下である請求項1乃至の何れか一項に記載の合わせガラス。
  5. 前記遮蔽層は、前記車内側ガラス板の車内側の面及び前記車外側ガラス板の車内側の面の一方又は両方に設けられている請求項1乃至の何れか一項に記載の合わせガラス。
  6. 平面視で前記情報取得領域の周縁部全体が前記遮蔽層に囲まれている請求項1乃至の何れか一項に記載の合わせガラス。
  7. 平面視で前記情報取得領域の周縁部の一部は前記遮蔽層に囲まれており、前記周縁部の他部は前記遮蔽層に囲まれていない請求項1乃至の何れか一項に記載の合わせガラス。
  8. 前記情報取得領域の前記遮蔽層に囲まれている部分の面積は1500mm以上である請求項1乃至の何れか一項に記載の合わせガラス。
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