JP7256836B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品は、装着状態において着用者の肌と当接する表面シートを具備している。斯かる表面シートとして、線状のエンボス部が形成されたものが知られている。例えば、本出願人は、先に、肌当接面側に、複数の線状のエンボス凹部と、複数の該エンボス凹部で区画化された複数の区画領域とを有する表面シートであって、該区画領域が、肌当接面側に向けて起立した凸部を有しており、前記区画領域を囲む複数の該エンボス凹部が線分からなり、かつ隣り合う該エンボス凹部どうしが交差していない、表面シートを開示した(特許文献1)。
また、本出願人は、先に、互いに交差する第1凹部及び第2凹部を複数有しており、隣接する第1凹部によって挟まれた第1領域と、第1領域と異なる間隔で隣接する第1凹部によって挟まれた第2領域とが形成されており、第1領域及び第2領域は、中央領域及び圧搾部に跨がって配置される、表面シートを開示した。(特許文献3)。
特開2012-239531号公報 特開2016-077581号公報
着用感を向上させる観点から、吸収性物品には、体液を吸収体側に移行させる移行性が高いことが求められている。一方、体液を繰り返し吸収した吸収性物品では、表面シートの肌対向面上に体液が濡れ広がる拡散の傾向がある。このような吸収性物品は、着用者に漏れ易い印象を与える虞があり、体液の拡散が着用者に漏れへの不安を与える原因となり得る。特許文献1及び2は、表面シートの肌対向面における体液の拡散を抑制するとともに、体液の吸収体側への移行性を向上する点について特段の検討はなされていなかった。
したがって、本発明の課題は、表面シートの肌対向面における体液の拡散を抑制するとともに、体液の吸収体側への移行性に優れた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸収体と、該吸収体よりも肌対向面側に配された表面シートと、該吸収体及び該表面シート間に配された中間シートとを備えた、吸収性物品に関する。
前記表面シートにおいて、複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第1エンボス列と、複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第2エンボス列とが形成されていることが好ましい。
第1エンボス列と第2エンボス列とが互いに交差していることが好ましい。
第1エンボス列及び第2エンボス列によって画成された凸部領域が形成されていることが好ましい。
第1エンボス列と第2エンボス列との交点に、前記凸部領域よりも密度が高い第1高密度領域が位置していることが好ましい。
前記中間シートにおいて、複数の融着部が形成されていることが好ましい。
平面視において、第1高密度領域と前記融着部とが少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。
本発明によれば、表面シートの肌対向面における体液の拡散を抑制するとともに、体液の吸収体側への移行性に優れた吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(表面シート側)を示す平面図である。 図2は、図1のII-II線断面図である。 図3は、図1の表面シートの平面図である。 図4(a)は、図3のIII-III線断面図であり、図4(b)は、図3のV-V線断面図である。 図5は、図2に示す中間シートの平面図である。 図6は、図5に示す第2高密度領域と、表面シートのエンボス列及び第1高密度領域との配置関係を示す平面図である。 図7は、表面シートの別の実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1(以下、単に「ナプキン1」ともいう。)が示されている。ナプキン1は、体液を吸収保持する吸収体4と、該吸収体4よりも肌対向面側に配され、着用者の肌と接触し得る表面シート2と、該吸収体4よりも非肌対向面側に配された裏面シート3とを備えている。また、ナプキン1は、吸収体4及び表面シート2との間に配された中間シート7を備えている。表面シート2及び中間シート7はともに繊維シートである。
ナプキン1は、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有している。ナプキン1は、縦方向Xにおいて、着用時に着用者の外陰部などの***部と対向配置される領域を含む***部対向領域Bと、該***部対向領域Bよりも縦方向X前側(着用者の腹側)に配される前方領域Aと、該***部対向領域Bよりも縦方向X後側(着用者の背側)に配される後方領域Cとを有し、その3つに区分される。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」及び「着用状態」は、通常の適正な着用位置、すなわち吸収性物品の適正な着用位置が維持されて着用された状態を意味する。
ナプキン1は、図1に示すように、縦方向Xに長い形状の吸収性本体5と、吸収性本体5における***部対向領域Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部5W,5Wとを有している。吸収性本体5は、ナプキン1の主体をなす部分であり、前記の表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備している。
本実施形態のように吸収性物品がウイング部5Wを有する場合、***部対向領域Bは、縦方向Xにおいてウイング部5Wを有する領域である。具体的には、一対のウイング部5W,5Wそれぞれにおける縦方向Xの前方側の付け根を通って横方向Yに延びる仮想直線と、一対のウイング部5W,5Wそれぞれの後方側の付け根を通って横方向Yに延びる仮想直線とに挟まれた領域が、***部対向領域Bである。
本実施形態のナプキン1において、一対のウイング部5W,5Wは、ナプキン1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる縦中心線CLを基準として左右対称に形成されており、一方のウイング部5Wにおける前記前方側の付け根と他方のウイング部5Wのそれとは、縦方向Xにおいて同位置に存する。
吸収性物品がウイング部を有しない場合(例えば使い捨ておむつ)、***部対向領域Bは、***部と対向する領域であればよく、典型的には、該吸収性物品を縦方向Xに三等分したときの中央に位置する領域である。
表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆している。裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、後述するサイドシート6とともにウイング部5Wを形成している。ウイング部5Wを構成するシート部材は、吸収体4の両側縁それぞれから横方向Y外方に延出した延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。本実施形態のウイング部5Wは、吸収体4の両側縁から横方向Yの外方に延出する裏面シート3とサイドシート6とからなる。
本実施形態の***部対向領域Bでは、図1に示すように、サイドシート6及び裏面シート3が横方向Yの外方に向かって張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部5W,5Wが延設されている。ウイング部5Wは、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が吸収性本体5の側部側に位置する略台形形状を有している。ウイング部5Wの非肌対向面には、該ウイング部5Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されている。ウイング部5Wは、ショーツ等といった着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられる。なお、ウイング部5Wは、着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられるため、前記ウイング部粘着部の形成面であるウイング部5Wの非肌対向面は、その使用時に着用者の肌側に向けられ、肌対向面となる。前記ウイング部粘着部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
吸収性本体5の肌対向面すなわち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、サイドシート6,6が配されている。サイドシート6は、接着剤や熱エンボス等の公知の接合手段によって表面シート2や裏面シート3等の他の部材に接合されている。サイドシート6は、図2に示すように、表面シート2に接合されていない自由端6aと、表面シート2に接合された接合部(図示せず)の内側端部である固定端(図示せず)とを有しており、使用時には、固定端と自由端6aとの間が表面シート2から離間し、側方への横漏れを防止する防漏ポケットを形成する。
本実施形態のナプキン1は、図2に示すように、表面シート2と吸収体4との間に配された中間シート7を備えている。中間シート7は、その幅(横方向Yの長さ)が、吸収体4の幅(横方向Yの長さ)よりも短いことが好ましく、縦方向Xの長さは、吸収体4の縦方向Xの長さよりも長く、ナプキンの縦方向Xの全長に連続して配されていることが好ましい。中間シート7は、表面シート2及び吸収体4とは別体の、当該技術分野においてサブレイヤーシートとも呼ばれるシートである。
本実施形態の中間シート7は、表面シート2及び吸収体4の双方と、接着剤、及び後述する圧搾溝8によって部分的に接合されている。
本実施形態のナプキン1は、表面シート2から吸収体4に至る圧搾溝8が形成されている(図1参照)。圧搾溝8は、表面シート2、中間シート7及び吸収体4が、裏面シート3側に一体的に凹陥してなる溝であり、該溝の底部が吸収体4まで至っている(図2において図示せず)。圧搾溝8では、表面シート2と中間シート7とが一体的に圧密化されている。
本実施形態の圧搾溝8は、前方領域Aから***部対向領域Bを介して後方領域Cまで縦方向Xに延在する環状の線状溝となっている。圧搾溝8は、縦中心線CLに対して線対称の形状を有している。圧搾溝8では、表面シート2、中間シート7及び吸収体4に関して、構成部材である各々の繊維の密度が、該圧搾溝8の周囲部の密度よりも高くなっている。このような圧搾溝8は、吸収体4の平面方向への体液の拡散を抑制して、ナプキン1の周囲から液漏れを効果的に防止することができる。
吸収体4は、図1に示すように、ナプキン1(吸収性本体5)の縦方向Xに延在している。換言すると、吸収体4は、前方領域Aから***部対向領域Bを介して後方領域Cに延在している。
本実施形態の吸収体4は、繊維材料及び吸水性ポリマー41を含む吸収性シート40を構成部材として含んでいる。具体的には、第1吸収性シート40a及び第2吸収性シート40bの2枚の吸収性シート40を含み、これら吸収性シート40a,40bが複数層積層された積層構造を有している(図2参照)。吸収体4は、中央吸収部4aと、該中央吸収部4aの肌対向面を被覆する表面吸収部4bと、該中央吸収部4aの非肌対向面を被覆する裏面吸収部4cとを有し、これら各吸収部4a,4b,4cは、第1吸収性シート40a及び第2吸収性シート40bが折り畳まれることによって形成されている。第1吸収性シート40aは、その縦方向Xに沿う両側部が、非肌対向面側に折り返した状態で折り畳まれることによって、二層構造を有する中央吸収部4aを形成している。また、第2吸収性シート40bは、その縦方向Xに沿う両側部が、非肌対向面側に折り返した状態で且つ中央吸収部4aの外面を被覆するように折り畳まれることによって、表面吸収部4b及び裏面吸収部4cそれぞれを形成している。第2吸収性シート40bにおいて、中央吸収部4aの肌対向面を被覆する部分(層)が表面吸収部4bを構成し、該中央吸収部4aの非肌対向面を被覆する部分(層)が裏面吸収部4cを構成している。
吸収性シート40a,40bとは、シート状に成型されている吸収体のことであり、一般的に吸水性材料を堆積させた構造の吸収体とは区別される。吸収性シートの代表的なものとしては、特許2963647号記載のものや、特許2955223号記載のものなどが挙げられる。吸収性シートとしては、湿潤状態の高吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維どうしの間や高吸水性ポリマーと構成繊維との間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。また、吸収性シートとしては、特開平8-246395号公報記載の方法にて製造されたパルプを含む吸収性シート、気流に乗せて供給した粉砕パルプ及び高吸水性ポリマーを堆積させた後、接着剤(例えば酢酸ビニル系の接着剤、PVA等)で固めた乾式シート、パルプを含む紙や不織布の間にホットメルト接着剤等を塗布した後に高吸水性ポリマーを散布して得られた吸収性シート、スパンボンド又はメルトブロー不織布製造工程中に高吸水性ポリマーを配合して得られた吸収性シート等を用いることができる。これらの吸収性シートは、一枚を所定形状に裁断してシート状吸収体として用いることができる。
表面シート2の肌対向面には、図3に示すように、複数の第1エンボス列11と複数の第2エンボス列12とが形成されている。
第1エンボス列11は、複数の線状エンボス部15が、各線状エンボス部15の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置されて構成されている。すなわち、第1エンボス列11は、該エンボス列11において隣り合う線状エンボス部15どうし間が離間した不連続線となっている。
第1エンボス列11と同様に、第2エンボス列12も、複数の線状エンボス部16が、各線状エンボス部16の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置されて構成されている。第2エンボス列12は、該エンボス列12において隣り合う線状エンボス部16どうし間が離間した不連続線となっている。
第1エンボス列11は、互いに平行に多数本形成されている。本実施形態の表面シート2では、平行して隣り合う第1エンボス列11,11間の間隔が一定である。
第2エンボス列12は、互いに平行に多数本形成されている。本実施形態の表面シート2では、平行して隣り合う第2エンボス列12,12間の間隔が一定である。
本実施形態の表面シート2において、平行して隣り合う第1エンボス列11,11間の間隔と、平行して隣り合う第2エンボス列12,12間の間隔とは同じ長さである。
第1エンボス列11又は第2エンボス列12を構成する各線状エンボス部15,16は、表面シート2を構成する繊維が、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工によって圧密化された部位である。すなわち、線状エンボス部15,16は、表面シート2におけるエンボス部以外の部位よりも厚みが小さくなっている〔図4(b)参照〕。
第1エンボス列11及び第2エンボス列12は縦方向Xに対して非平行であり、該縦方向Xと交差する方向に延びている。また、第1エンボス列11と第2エンボス列12とは互いに交差している。換言すると、表面シート2には、縦方向X及び横方向Yに対して交差する第1方向に延びる第1エンボス列11と、第1方向に交差する第2方向に延びる第2エンボス列12とが形成されている。
図3に示す第1エンボス列11は、右上から左下へ向かって直線状に延びており、第2エンボス列12は、左上から右下へ向かって直線状に延びている。すなわち、第1方向は右上から左下へ向かう斜め方向であり、第2方向は左上から右下へ向かう斜め方向である。
本実施形態の表面シート2は、複数の第1エンボス列11及び複数の第2エンボス列12によって画成された複数の凸部領域14が形成されている。前述したように、第1エンボス列11及び第2エンボス列12は互いに交差するように延びているので、表面シート2は、複数の第1エンボス列11及び複数の第2エンボス列12が交差して形成された複数の多角形(具体的にはひし形)の凸部領域14を有する。斯かる凸部領域14は、縦方向Xに沿って直列配置された凸部領域列をなしており、該凸部領域列は、横方向Yに間隔を置かず複数列配置されている。縦方向X又は横方向Yに隣り合う凸部領域14は、該隣り合う凸部領域14,14の線状エンボス部15,16を共有している。
表面シート2は、肌対向面に凸部を有している。より詳細には、各線状エンボス部15,16は、表面シート2におけるこれら線状エンボス部15,16以外の部位よりも厚みが小さくなっているので、前記の凸部領域14が、各線状エンボス部15,16に対して相対的に凸部になっている〔図4(b)参照〕。斯かる凸部は、表面シート2の肌対向面に形成されている。
また、表面シート2の肌対向面において各線状エンボス部15,16は、各凸部領域14に対して相対的に凹部になっている〔図4(b)参照〕。
第1エンボス列11と第2エンボス列12との交点には、第1高密度領域13が位置している。第1高密度領域13は、線状エンボス部15,16が存在しない領域、すなわちエンボス加工が施されていない非エンボス部である。第1高密度領域13は、その最大厚みが、各凸部領域14の最大厚みよりも小さく、且つ線状エンボス部15,16の最大厚みよりも大きい領域である〔図4(a)参照〕。第1高密度領域13は、凸部領域14の最大厚みよりも小さいので、該凸部領域14よりも密度が高くなっている。
後述する体液の移行性をより向上させる観点から、第1高密度領域13における密度は、凸部領域14における密度に対して好ましくは1.5倍以上4.0倍以下、より好ましくは2.0倍以上3.0倍以下である。
表面シート2における、第1高密度領域13、及び凸部領域14それぞれの密度(g/cm)は、所定位置における厚みTx(mm)と、表面シート2の坪量B1(g/m)を除することによって求めることができる。下記式(1)中xは、第1高密度領域13及び凸部領域14それぞれで厚み及び密度が区別されていることを示す。
密度Dx(g/cm)=(B1×0.0001)/(Tx×0.1)・・・(1)
また、厚みTxの求め方について説明する。まずは、表面シート2の第1高密度領域13及び凸部領域14それぞれの断面を、光学顕微鏡(例えば、株式会社キーエンス製VHX-6000)を用いて100倍率で拡大観察し、その領域における最大厚みを測定する。斯かる測定を、測定箇所が異なる5箇所で実施し、測定した合計5箇所の最大厚みの算術平均値を、厚みTxとする。
後述する第2高密度領域71の密度も、上記と同様の方法により測定する。
第1高密度領域13は、第1エンボス列11を構成する線状エンボス部15どうし間、及び第2エンボス列12を構成する線状エンボス部16どうし間に形成される。これら線状エンボス部どうし間の間隔は同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態においては、第1エンボス列11を構成する線状エンボス部15どうし間の間隔と、第2エンボス列12を構成する線状エンボス部16どうし間の間隔とは同じ長さである。
線状エンボス部15,16の形成をより容易にする観点から、表面シート2は、熱融着性繊維を含むことが好ましい。熱融着性繊維は、熱の作用によって互いに融着する繊維であり、熱可塑性樹脂を原料とする。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の表面シート2は、非肌対向面が平坦である。説明の便宜上、図4(a)では、表面シート2の非肌対向面において、第1高密度領域13の位置が凹部をなし、凸部領域14が凸部をなすように図示しているが、表面シート2の非肌対向面は平坦である。
図3、並びに後述する図6及び図7において、符号13で示す第1高密度領域の部分に円が描かれているところ、この円は第1高密度領域が存在する領域を視覚化する目的で描いたものであり、実際の表面シート2に円が付されている訳ではない。
中間シート7には、図5に示すように、複数の融着部70が形成されている。融着部70は、中間シート7の構成繊維が熱融着してフィルム化した部分である。すなわち、融着部70において、中間シート7の構成繊維は繊維形態を維持していない。斯かる融着部70は、エンボス加工を施すことによって形成される。
本実施形態の融着部70は、平面視においてひし形の形状を有している。融着部70の形状は特に制限されず、三角形、四角形、六角形等の多角形状や、円形、楕円形、星形等の任意の形状とすることができる。
本実施形態の融着部70は、縦方向X及び横方向Yそれぞれに間隔を空けて配置されている(図5参照)。より具体的には、融着部70は、縦方向Xに沿って複数個が間隔を置いて直列配置された融着部列をなしており、該融着部列は、横方向Yに間隔を置いて複数列配置されている。各融着部列においては、融着部70の配置のピッチは一定になっており、隣り合う融着部70においては、該融着部70の配置の位相が半ピッチ分ずれている。すなわち、融着部70は、千鳥状に配置されている。
融着部70の形成をより容易にする観点から、中間シート7は、前述した熱融着性繊維を含有することが好ましい。
図6に、第1高密度領域13と融着部70との配置関係を示す。平面視において、第1高密度領域13と融着部70とは少なくとも部分的に重なっている。この場合、融着部70の全体が、第1高密度領域13と重なっていてもよく、融着部70の一部が、第1高密度領域13と重なっていてもよい。
また、ナプキン1において、第1高密度領域13と少なくとも部分的に重なった融着部70と、第1高密度領域13と重なっていない融着部70とが併存していてもよい。図6では、第1高密度領域13と融着部70とが少なくとも部分的に重なった位置を、符号10で示す。
本実施形態のナプキン1に経血等の体液が***されると、表面シート2、中間シート7、及び吸収体4の順で、該体液が移行する。表面シート2では、線状エンボス部15,16に沿って体液が移行していき、密度の高い第1高密度領域13で該体液が非肌対向面側に引き込まれるので、表面シート2の肌対向面において体液が過度に拡散することを効果的に抑制できる。しかも、融着部70と少なくとも部分的に重なった第1高密度領域13を有しているので、該第1高密度領域13から中間シート7を介して吸収体4へ、体液を円滑に移行できる。この理由としては、融着部70では構成繊維が融着しており、体液が吸収され難いので、融着部70に到達した体液が速やかに融着部70以外の部分に移行することによるものと考えられる。この融着部70を介することによって中間シート7から吸収体4への体液の移行が促進されて、吸収体4側へ体液を効率的に移行できる。このように、体液の拡散を抑制する拡散抑制効果、及び体液の移行を促進させる移行促進効果が奏されるので、ナプキン1に繰り返し体液が***されても、表面シート2の肌対向面上に体液が過度に拡散することが抑制される。これにより、漏れへの不安が軽減される。また、表面シート2の肌対向面上に体液が残り難くなるので、良好な着用感が得られる。
以下、第1高密度領域13と融着部70とが重なった部分の面積率を、単に「融着部重なり面積率」ともいう。上記の効果をより確実に奏させる観点から、融着部重なり面積率は、好ましくは15%以上45%以下、より好ましくは20%以上35%以下である。
融着部重なり面積率は、以下の方法により測定される。
<融着部重なり面積率>
ナプキン1から表面シート2及び中間シート7を、両者が重なった状態で取り出す。取り出した表面シート2について、任意の第1高密度領域13を1個選択し、該高密度領域13の中心、及び中間シート7における該高密度領域13の中心と平面視で重なっている箇所を、各々ボールペン等を用いて目印を付ける。次に、表面シート2について、目印が視野角の中心付近に位置するように光学顕微鏡(例えば、キーエンス株式会社製VHX-6000)を用いて観察し、観察画像Aを撮影する。倍率は40倍とする。観察画像において、目印がついた第1高密度領域を画成する、第1エンボス列11の2つの線状エンボス部15と、第2エンボス列12の2つの線状エンボス部16との端部に接する第1高密度領域を表す真円を描写して、観察画像Aを保存する。また、真円の描写は、ソフト名「VHX-6000 Software」にデフォルトで実装されている円形描写ツールを用いた画像処理により行う。次に、中間シート7についても、前記目印を付けた箇所が視野角の中心付近に位置するように、表面シート2と同様の方法で観察し、観察画像Bを撮影する(倍率40倍)。次に、ソフト名「Adobe Photoshop Elements ver 9」を用いて、各々の目印が重なるように、観察画像Bの上に、不透明度を調整した観察画像Aを重ねて、合成画像を作成して保存する。なお、観察画像A中の真円が見え、且つ観察画像B中の融着部70が、観察画像Aを重ねた後でも目視で認識可能となるように、適宜、前記不透明度の値を調整する。また、観察画像B中の融着部70の視認性を高めるために、デフォルトで実装されている色調補正ツールを用いてもよい。作成した合成画像において、第1高密度領域13と融着部70とが重なる面積を測定し、さらに該重なる面積を、該合成画像における第1高密度領域13の面積で除した値の百分率を算出する。同様の操作を異なる箇所で計10回行い、その算術平均値を「融着部重なり面積率」とする。
吸収性物品から測定対象の表面シート2又は中間シート7を取り出すとき、これら構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、繊維の接触角に影響を与えない範囲で、コールドスプレーの冷風を吹き付ける等の方法で接着力を除去してから取り出す。この手順は、本明細書中の全ての測定において共通である。
上記と同様の観点から、中間シート10における融着部70の面積率は、好ましくは12%以上40%以下、より好ましくは16%以上35%以下である。
融着部70の面積率は、以下の測定方法により求められる。中間シート7から、20mm×20mmの大きさのサンプル片を切り出す。光学顕微鏡(株式会社キーエンス製、VHX-6000)を用いて、サンプル片の平面視における画像を撮影する。観察倍率は、40倍率とする。撮影した画像において、2.0mmの対角線長さを有する正方形の領域(2.0mm)において、融着部70が占める割合を百分率にて算出する。以上の測定を、サンプル片の異なる箇所で計5回行い、それらの平均値を融着部70の面積率(%)とする。
拡散抑制効果をより向上させる観点から、エンボス列11,12及び線状エンボス部15,16の寸法は以下の範囲内であることが好ましい。
第1エンボス列11における線状エンボス部15の長さは、好ましくは3.0mm以上30mm以下、より好ましくは5.0mm以上20mm以下である。
第2エンボス列12における線状エンボス部16の長さは、好ましくは3.0mm以上30mm以下、より好ましくは5.0mm以上20mm以下である。
線状エンボス部15,16の幅は、好ましくは0.2mm以上3.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上2.0mm以下である。
第1高密度領域13で吸収する体液の量を低減して、拡散抑制効果をより向上させる観点から、凸部領域14の面積が融着部70の面積よりも大きいことが好ましい。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、第1高密度領域13及び融着部70の各面積は以下の範囲内であることが好ましい。斯かる面積は、1個当たりの第1高密度領域13の面積、及び1個当たりの融着部70の面積である。
凸部領域14の面積は、融着部70の面積に対して好ましくは100倍以上400倍以下、より好ましくは150倍以上350倍以下である。
融着部70の面積は、好ましくは0.10mm以上4.00mm以下、より好ましくは0.20mm以上2.00mm以下である。
凸部領域14の面積は、好ましくは20mm以上150mm以下、より好ましくは50mm以上100mm以下である。
中間シート7は、第1高密度領域13と少なくとも部分的に重なる融着部70の他に、線状エンボス部15,16と部分的に重なる融着部70や、凸部領域14と一部又は全体が重なる融着部70を有していてもよい。
第1高密度領域13で吸収する体液の量を低減して、拡散抑制効果をより向上させる観点から、平面視において、凸部領域14と複数の融着部70とが重なっていることが好ましい。
第1高密度領域13と融着部70とを重なり易くして、拡散抑制効果及び移行促進効果をより向上させる観点から、隣り合う融着部70どうしの間隔が、第1高密度領域13の最大長さL3(図3参照)よりも小さいことが好ましい。斯かる構成は、第1高密度領域13と後述する第2高密度領域71とを重なり易くする点でも有効であり、特に融着部70がひし形の形状を有する場合により効果的である。
第1高密度領域13の最大長さL3は、第1エンボス列11を構成する線状エンボス部15どうし間の間隔、又は第2エンボス列12を構成する線状エンボス部16どうし間の間隔であり、両者の間隔が異なる場合は長い方の間隔である(図3参照)。
隣り合う融着部70どうしの間隔は、縦方向Xに隣り合う融着部70間の間隔L5(図5参照)、及び横方向Yに隣り合う融着部70間の間隔L6(図5参照)のうち、長い方の間隔である。融着部70が後述する第2高密度領域71に画成されている場合、当該間隔は、第2高密度領域71の幅を含まない長さである。
上記と同様の観点から、隣り合う融着部70どうしの間隔及び第1高密度領域13の最大長さL3は以下の範囲内であることが好ましい。
隣り合う融着部70どうしの間隔は、第1高密度領域13の最大長さL3(図3参照)に対して、好ましくは0.5倍以上5.0倍以下、より好ましくは1.0倍以上3.0倍以下である。
隣り合う融着部70どうしの間隔は、好ましくは0.50mm以上3.00mm以下、より好ましくは1.00mm以上2.50mm以下である。
第1高密度領域13の最大長さL3(図3参照)は、好ましくは1.0mm以上6.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上4.0mm以下である。
移行促進効果をより向上させる観点から、体液を吸収した後でも、融着部70は収縮せず、融着部70の形状が維持されていることが好ましい。上記と同様の観点から、液吸収前における融着部70の横方向Yの最大長さをW1、液吸収後における融着部の横方向Yの最大長さをW2としたとき、W1に対するW2の百分率(W2/W1)が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。前記W2/W1が100%に近いほど、体液の吸収前と後において融着部70の形状が維持されていることを示す。すなわち、前記W2/W1は100%に近いことが好ましい。
前記のW1及びW2は、以下の方法により測定される。
ナプキン1から取り出した中間シート7を、縦方向X92mm及び横方向Y62mmの大きさに切り出し、これを測定片とする。この測定片の肌対向面を、顕微鏡(Anmo Electronics社製、Dino-Lite R&Dセット)を用いて観察し、その観察画像を撮影する。倍率は50.0±1倍とする。観察画像において、融着部70を任意で10箇所選択し、それぞれの横方向Yの最大長さを測定し、該最大長さの平均値を求め、これをW1とする。測定は、ソフト名「DinoCapture ver.2.0」にデフォルトで実装された二点間測定ツールを用いた画像処理により行う。
次いで、2枚のキムワイプ(登録商標)(日本製紙クレシア株式会社製、S-200)を二つ折りにし、その上に、測定片を、肌対向面側が上になるように載せ、さらに該測定片上に楕円状の円筒プレート(長軸50mm、短軸23mm)を、その長軸が縦方向Xと平行になるように載せる。次いで、1000gの水に10gの食用赤色2号(保土谷化学工業株式会社製、食用赤色2号)を混合して着色液を調製し、円筒プレートに該着色液を6g注入して、該着色液を測定片に吸収させる。斯かる吸収後、すなわち円筒プレート内で測定片の全表面が視認されてから3秒間後、旭化成株式会社製のサランラップ(登録商標)上に測定片を載せ、顕微鏡を用いて、測定片における着色液を注入した面を観察し、その観察画像を撮影する。倍率は50.0±1倍とする。観察画像において、着色液を吸収した部分は赤く染色される一方、着色液を吸収しない部分(融着部70)は白く残る。この白く残った部分(融着部70)を任意で10箇所選択し、それぞれの横方向Yの最大長さを測定して、該最大長さの平均値を求め、これをW2とする。測定は、W1と同様に前記の画像処理により行う。観察画像において、1個の融着部70における白く残った部分内に赤い染色部分があった場合、該染色部分を含めて横方向Yの最大長さを測定する。
本実施形態の中間シート7では、融着部70以外の部分よりも密度が高い第2高密度領域71が形成されている(図5及び図6参照)。融着部70は、第2高密度領域71によって画成されている。すなわち、融着部70は、その周囲が第2高密度領域71で囲まれている。
第2高密度領域71は、中間シート7の構成繊維が繊維形態を維持するものの、該構成繊維の一部が溶融固化した部分となっている。これにより、第2高密度領域71は、融着部70以外の部分よりも密度が高い。
移行促進効果をより向上させる観点から、第2高密度領域71における密度は、融着部70以外の部分における密度に対して好ましくは1.5倍以上5.0倍以下、より好ましくは2.0倍以上3.0倍以下である。
移行促進効果をより向上させる観点から、平面視において、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。斯かる構成により、第1高密度領域13で吸収した体液を第2高密度領域71が吸収するので、中間シート7に体液をより移行できる。特に、ナプキン1が体液を繰り返し吸収した場合、第1高密度領域13における体液の液残りが低減されるので、拡散抑制効果もより向上できる。
前記構成において、第1高密度領域13は、第2高密度領域71のみと部分的に重なっていてもよく、融着部70及び第2高密度領域71の双方と部分的に重なっていてもよい。
以下、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが重なった部分の面積率を、単に「高密度領域重なり面積率」ともいう。上記の効果をより確実に奏させる観点から、高密度領域重なり面積率は、好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは9%以上30%以下である。
高密度領域重なり面積率は、以下の方法により測定される。
<高密度領域重なり面積率>
前述した<融着部重なり面積率>と同様の方法により、各々の目印が重なるように、観察画像Bの上に、不透明度を調整した観察画像Aを重ねた合成画像を作成する。その際、観察画像A中の真円が見え、かつ観察画像B中の第2高密度領域71が、観察画像Aを重ねた後でも目視で認識可能となるように、適宜、不透明度の値を調整する。また、観察画像B中の第2高密度領域71の視認性を高めるために、デフォルトで実装されている色調補正ツールを用いてもよい。作成した合成画像において、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが重なる面積を測定し、該重なる面積を、該合成画像における第1高密度領域13の面積で除した値の百分率を算出する。同様の操作を異なる箇所で計10回行い、その算術平均値を「高密度領域重なり面積率」とする。
体液を吸収体4側に引き込み、拡散抑制効果をより向上させる観点から、圧搾溝8近傍に、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なった領域が複数存在していることが好ましい。「圧搾溝8近傍」は、圧搾溝8から縦方向X及び横方向Yそれぞれに3.0mm以内の範囲である。
本実施形態の圧搾溝8は、縦方向Xに延びる環状の溝である。斯かる圧搾溝8では、その環状形状の内外に、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なった領域が複数存在していることがより好ましい。
上記と同様の観点から、圧搾溝8近傍において、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なった領域の面積率は、好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは9%以上30%以下である。当該面積率は、圧搾溝8近傍における高密度領域重なり面積率ともいえる。
第1高密度領域13と第2高密度領域71とを重なり易くする観点から、第2高密度領域71の幅W5(図5参照)は、以下の範囲内であることが好ましい。
第2高密度領域71の幅W5(図5参照)は、第1高密度領域13の最大長さL3(図3参照)に対して好ましくは0.02倍以上0.25倍以下、より好ましくは0.05倍以上0.15倍以下である。
第2高密度領域71の幅W5(図5参照)は、好ましくは0.05mm以上0.30mm以下、より好ましくは0.10mm以上0.20mm以下である。
第2高密度領域71の幅W5は、以下の方法で測定される。
中間シート7を、顕微鏡を用いて拡大観察し(倍率200倍)、第2高密度領域71の幅W5を測定する。測定は、任意で選択した10箇所の第2高密度領域71について行い、その平均値を第2高密度領域71の幅W5とする。観察視野内において、第2高密度領域71は、融着部70を画成する領域であって、該第2高密度領域71以外の部分よりも構成繊維間の空隙が少ない領域として確認できる。具体的には、第2高密度領域71は、構成繊維が他の部分よりも高密度化しているので、該他の部分よりも白い領域として確認できる。また、融着部70は、構成繊維が溶融してフィルム化した領域であるので、観察視野内において第2高密度領域71よりも暗い領域(灰色の領域)として確認できる。このように、観察視野内の構成繊維間の空隙(黒い領域)や、明暗(白又は灰色)によって、融着部70、第2高密度領域71、及びその他の部分を区別できる。
第1高密度領域13から第2高密度領域71への体液の移行性をより向上させて、拡散抑制効果をより向上させる観点から、平面視において、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なる位置において、表面シート2と中間シート7とが接合されていることが好ましい。斯かる構成により、表面シート2と中間シート7との密着性が向上されて、第1高密度領域13から第2高密度領域71へ体液をより移行性し易くできる。
上記の効果をより向上させる観点から、表面シートは、非肌対向面が平坦であることが好ましい。
表面シート2と中間シート7との前記接合は、接着剤等の公知の接合手段を用いることができる。前記接合に接着剤を用いる場合、ストライプ状又はスパイラル状等といった、接着剤の非塗工部が生じるパターンで該接着剤を塗工することが好ましい。
移行促進効果をより向上させる観点から、第1高密度領域13は、第2高密度領域71よりも密度が低いことが好ましい。斯かる構成により、第1高密度領域13から第2高密度領域71への繊維毛管力勾配が生じ、表面シート2から中間シート7への体液の移行をより促進できる。
上記と同様の観点から、第2高密度領域71における密度は、第1高密度領域13における密度に対して好ましくは120%以上500%以下、より好ましくは200%以上300%以下である。
拡散抑制効果及び移行促進効果をより向上させる観点から、表面シート2及び中間シート7の坪量は以下の範囲内であることが好ましい。
表面シート2の坪量は、好ましくは15g/m以上40g/m以下、より好ましくは20g/m以上30g/m以下である。
中間シート7の坪量は、好ましくは18g/m以上45g/m以下、より好ましくは25g/m以上35g/m以下である。
次にナプキン1の各構成部材の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては液透過性シートが好ましく、例えば、公知の各種製法により製造された単層又は多層構造の不織布等が挙げられる。裏面シート3としては液不透過性シートが好ましく、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等が挙げられ、該樹脂フィルムは透湿性でもよい。なお、裏面シート3に関し、液不透過性とは、液を全く通さない性質と、少量ではあるが液を通す性質(液難透過性)との両方を含む概念である。裏面シート3は撥水性を有していてもよい。
サイドシート6としては液不透過性シートが好ましく、例えば、裏面シート3として使用可能なものを用いることができる。
中間シート7としては液透過性シートが好ましく、表面シート2として使用可能なものを用いることができる。
吸収体4に含まれる吸水性材料としては、この種の吸収性物品の吸収体において使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、親水性の繊維材料及び吸水性ポリマーが挙げられる。親水性の繊維材料としては、本来的に親水性の繊維でもよく、あるいは疎水性繊維を親水化処理した繊維でもよいが、前者の繊維が特に好ましい。本来的に親水性の繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられ、好ましいものとして、パルプ、レーヨンを例示できる。パルプには、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプなどの木材パルプの他に、木綿パルプ、藁パルプなどの非木材パルプなどがあるが、特に制限されない。また、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維、木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いてもよい。吸水性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマーの形状は特に限定されず、例えば、球状、塊状、俵状、不定形状であり得る。吸水性ポリマーは、典型的には、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を主体とする。
表面シート2及び中間シート7それぞれは、不織布にエンボス加工を施すことで得られる。上述した融着部70と第2高密度領域71とを有する中間シート7は、例えば以下の方法により製造できる。
中間シート7は、エアスルー不織布からなる連続シートを、一対のロールを備えたヒートエンボス装置に導入してヒートエンボス加工を行うことにより製造する。前記一対のロールは、一方は、ひし形のエンボス用凸部が周面に形成されたエンボスロールであり、他方は、平滑な周面を有し、該エンボスロールに対向配置されたフラットロールである。ヒートエンボス加工は、エアスルー不織布からなる連続シートを、エンボスロールのエンボス用凸部とフラットロールの平滑な周面との間で加圧し圧縮することにより行う。融着部70は、連続シートにおいてエンボス用凸部の加圧面と接触した部分が融着することにより形成され、第2高密度領域71は、エンボス用凸部の周縁に沿って形成される。
融着部70及び第2高密度領域71を形成し易くする観点から、前記ヒートエンボス加工は、以下の条件であることが好ましい。
前記エンボス用凸部の加熱温度は、好ましくは125℃以上160℃以下、より好ましくは125℃以上145℃以下、さらに好ましくは130℃以上140℃以下である。
一対のロール間において連続シートに加える加圧力は、好ましくは2.9MPa以上8.8MPa以下、より好ましくは4.9MPa以上7.8MPa以下である。
ナプキン1は、第1高密度領域13と融着部70とが少なくとも部分的に重なるように、表面シート2と中間シート7とを位置合わせをして積層し、該表面シート2と該中間シート7とを接合して、製造することが好ましい。表面シート2と中間シート7との位置合わせは、第1高密度領域13と融着部70とが重なる他、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なるようにすることがより好ましい。
表面シート2と該中間シート7とを、接着剤を用いて接合する場合、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なる位置において、接着剤を塗工することが好ましい。
上述した実施形態の表面シート2は、同一形状及び同一面積の凸部領域14を複数有していたが、斯かる形態に限定されない。図7に、表面シート2の別の実施形態を示す。上述した実施形態と同様の構成には、上述した実施形態と同じ符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図7に示す表面シート2の肌対向面には、複数の第1エンボス列11と複数の第2エンボス列12とが形成されている。
第1エンボス列11は、直線状の第1線状エンボス部15aと、第1線状エンボス部15aよりも短い直線状の第2線状エンボス部15bとが交互に且つ直列に配置されている。第1エンボス列11は、該エンボス列11において隣り合う第1線状エンボス部15aと第2線状エンボス部15bとの間が離間した不連続線となっている。
第2エンボス列12は、直線状の第3線状エンボス部16aと、第3線状エンボス部16aよりも短い直線状の第4線状エンボス部16bとが交互に且つ直列に配置されている。第2エンボス列12は、該エンボス列12において隣り合う第3線状エンボス部16aと第4線状エンボス部16bとの間が離間した不連続線となっている。
本実施形態の表面シート2では、平行して隣り合う第1エンボス列11,11間の間隔が狭い箇所と広い箇所が交互に配されている。すなわち、複数本の第1エンボス列11において、平行して隣り合う線状エンボス部15a,15b間の間隔が広い箇所と該間隔が狭い箇所とが存在している。
また、本実施形態の表面シート2では、平行して隣り合う第2エンボス列12,12間の間隔が狭い箇所と広い箇所が交互に配されている。すなわち、複数本の第2エンボス列12において、平行して隣り合う線状エンボス部16a,16b間の間隔が広い箇所と該間隔が狭い箇所とが存在している。
本実施形態の表面シート2は、複数の第1エンボス列11及び複数の第2エンボス列12によって画成された複数の凸部領域14a,14b,14c,14dが形成されている。前述したように、第1エンボス列11及び第2エンボス列12は互いに交差するように延びているので、表面シート2は、複数の第1エンボス列11及び複数の第2エンボス列が交差して形成された複数の多角形の凸部領域14a,14b,14c,14dを有する。具体的には、表面シート2は、面積が相違する3種類の凸部領域14a,14b,14c,14dを有している。これら凸部領域のうち、面積が最も大きい凸部領域を「大凸部領域14a」、次に面積が大きい凸部領域を「中凸部領域14b,14c」、最も面積が小さい凸部領域を「小凸部領域14d」ともいう。
本実施形態の表面シート2では、平面視において、大凸部領域14a及び小凸部領域14dそれぞれが、ひし形となっており、中凸部領域14b,14cが、平行四辺形となっている。
大凸部領域14a、中凸部領域14b,14c、及び小凸部領域14dの3種類の領域は、第1高密度領域13を介して縦方向X又は横方向Yに隣り合っている。
本実施形態の表面シート2は、縦方向Xに大凸部領域14aと小凸部領域14dとが交互に並んだ混合凸部領域列R1を、横方向Yに複数列有している。また、表面シート2は、混合凸部領域列R1どうし間に、縦方向Xに中凸部領域14b,14cが並んだ中凸部領域列R2を、横方向Yに複数列有している。中凸部領域列R2は、第1線状エンボス部15aと第4線状エンボス部16bとで画成された中凸部領域14bと、第3線状エンボス部16aと第2線状エンボス部15bとで画成された中凸部領域14cとが、縦方向Xに交互に並んで構成されている。中凸部領域列R2において縦方向Xに隣り合う中凸部領域14b,14cどうしは、これら領域14b,14c間を通り且つ横方向Yに延びる仮想線に対して線対称の形状を有している。これに起因して、中凸部領域列R2は、横方向Yに振幅を有するように周期的に蛇行している。
図7に示す表面シート2は、第1高密度領域13が非エンボス部となるので、該第1高密度領域13において柔軟性が高い。これにより、着用者の歩行時等の動作時に、各凸部領域14a,14b,14c,14dにおいて形成される凸部の肌へのフィット性が高く維持される。これに加え、混合凸部領域列R1及び中凸部領域列R2に沿って流れた体液が第1高密度領域13で吸収されるので、表面シート2の肌対向面における液残りがより低減され、肌触りが一層良好なものとなる。
中間シート7における融着部70の面積は、前述したように表面シート2の凸部領域よりも小さいことが好ましい。この場合、面積の異なる凸部領域14a,14b,14c,14dを有する表面シート2については、融着部70の面積は、これら凸部領域の中で最も面積が小さい凸部領域(小凸部領域14d)の面積よりも小さければよい。
以上、本発明をその好ましい一実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜、変更可能である。
例えば、表面シートは上層と下層とからなる二層構造を有していてもよく、単層構造を有していてもよい。
また、表面シート2おける線状エンボス部のパターンは図3に示すものに限られず、例えば三角形や六角形の凸部領域が形成されるパターンで線状エンボス部を形成してもよい。
また、上述した実施形態における吸収体4は、吸収性シート40a,40bからなるものであったが、これに代えて、繊維材料及び吸水性ポリマーを含む吸収性コアと、該吸収性コアの表面を被覆するコアラップシートとを含んで構成されたものであってもよい。斯かる吸収性コアは、繊維材料及び吸水性ポリマーの積繊体からなる。
上述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
吸収体と、該吸収体よりも肌対向面側に配された表面シートと、該吸収体及び該表面シート間に配された中間シートとを備えた、吸収性物品であって、
前記表面シートにおいて、
複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第1エンボス列と、複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第2エンボス列とが形成されており、
第1エンボス列と第2エンボス列とが互いに交差しており、
第1エンボス列及び第2エンボス列によって画成された凸部領域が形成されており、
第1エンボス列と第2エンボス列との交点に、前記凸部領域よりも密度が高い第1高密度領域が位置しており、
前記中間シートにおいて、複数の融着部が形成されており、
平面視において、第1高密度領域と前記融着部とが少なくとも部分的に重なっている、吸収性物品。
<2>
前記中間シートにおいて、前記融着部以外の部分よりも密度が高い第2高密度領域が形成されており、前記融着部は、第2高密度領域によって画成されており、
平面視において、第1高密度領域と第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なっている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記表面シートは、非肌対向面が平坦であり、
平面視において、第1高密度領域と第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なる位置において、前記表面シートと前記中間シートとが接合されている、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記第1高密度領域は、前記第2高密度領域よりも密度が低い、前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品。
<5>
前記第2高密度領域における密度は、前記第1高密度領域における密度に対して120%以上500%以下である、前記<4>に記載の吸収性物品。
<6>
前記表面シートと前記中間シートとが一体的に圧密化された圧搾溝を有しており、
前記圧搾溝近傍に、第1高密度領域と第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なった領域が複数存在している、前記<2>~<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記凸部領域の面積が前記融着部の面積よりも大きく、
平面視において、前記凸部領域と複数の前記融着部とが重なっている、前記<1>~<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記凸部領域の面積は、前記融着部の面積に対して100倍以上400倍以下である、前記<7>に記載の吸収性物品。
<9>
着用者の前後方向に対応する縦方向と、これに直交する横方向とを有しており、
液吸収前における前記融着部の前記横方向の最大長さをW1、液吸収後における前記融着部の前記横方向の最大長さをW2としたとき、W1に対するW2の百分率(W2/W1)が80%以上である、前記<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記融着部がひし形の形状を有しており、
隣り合う前記融着部どうしの間隔が、第1高密度領域の最大長さよりも小さい、前記<1>~<9>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<11>
着用者の前後方向に対応する縦方向と、これに直交する横方向とを有しており、
前記表面シートは、前記凸部領域として、面積が相違する3種類の領域を有し、
最も面積が大きい領域を大凸部領域、次に面積が大きい領域を中凸部領域、最も面積が小さい領域を小凸部領域としたとき、該大凸部領域及び該小凸部領域それぞれはひし形となっており、該中凸部領域は平行四辺形となっており、
これら3種類の領域は、第1高密度領域を介して前記縦方向又は前記横方向に隣り合っている、前記<1>~<10>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<12>
第1高密度領域における密度は、前記凸部領域における密度に対して1.5倍以上4.0倍以下である、前記<1>~<11>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<13>
第1高密度領域と前記融着部とが重なった部分の面積率は15%以上45%以下である、前記<1>~<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記中間シートにおける前記融着部の面積率は12%以上40%以下である、前記<1>~<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
実施例1では、下記の繊維S1~S3を用いて、図7に示す表面シート2を製造した。斯かる表面シート2は、上層及び下層からなる二層構造を有するものであった。繊維S1及び繊維S2を1:1の質量比で混合して上層を作製し、繊維S3を用いて下層を作製した。これら上層及び下層を重ねた積層体に対し、上層側からエンボス加工を施した。このようにして、エンボス列11,12、大凸部領域14a、中凸部領域14b,14c、小凸部領域14d、及び第1高密度領域13が形成された表面シート2を製造した。得られた表面シート2の諸元を表1に示す。
繊維S1:熱伸長性の芯鞘型複合繊維(繊度2.4dtex、芯部ポリプロピレン/鞘部ポリエチレン)
繊維S2:熱融着性繊維〔繊度2.4dtex、芯部ポリエチレンテレフタレート/鞘部ポリエチレン〕
繊維S3:熱融着性繊維〔繊度1.8dtex、芯部ポリエチレンテレフタレート/鞘部ポリエチレン〕
実施例1では、下記の繊維S4からなるエアスルー不織布を用いて、融着部70を複数有する中間シート7を製造した。具体的には、前記不織布を、一対のロールを備えたヒートエンボス装置に導入して中間シートを製造した。ヒートエンボス加工は、エンボス用凸部の加熱温度を125℃とし、不織布に加える加圧力を4.9MPaとした。このようにして、第2高密度領域71で画成された融着部70を複数有する中間シート7を製造した。得られた中間シート7の諸元を表1に示す。実施例1における融着部70は、縦方向Xに延びる縦長のひし形形状を有するものであった。
繊維S4:熱融着性繊維〔繊度2.2dtex、芯部ポリエチレンテレフタレート/鞘部ポリエチレン〕
〔実施例2〕
中間シートの製造条件として、一対のロールを備えたヒートエンボス装置におけるエンボス用凸部の加熱温度を130℃、不織布に加える加圧力を4.9MPaとした点以外は、実施例1と同様の方法で、表面シート2と中間シート7とを製造した。実施例2の表面シート2及び中間シート7の諸元を表1に示す。
〔実施例3〕
横方向Yに延びる横長のひし形形状を有する融着部70を形成した点、さらには中間シートの製造条件として、一対のロールを備えたヒートエンボス装置におけるエンボス用凸部の加熱温度を136℃、不織布に加える加圧力を7.6MPaとした点以外は、実施例1と同様の方法で、表面シート2と中間シート7とを製造した。実施例3の表面シート2及び中間シート7の諸元を表1に示す。
〔実施例4〕
隣り合う融着部70どうしの間隔と融着部70の1個の大きさとが実施例2と異なり、且つ横方向Yに延びる横長のひし形形状を有する融着部70を形成した点、さらには中間シートの製造条件として、一対のロールを備えたヒートエンボス装置におけるエンボス用凸部の加熱温度を158℃、不織布に加える加圧力を3.2MPaとした点以外は、実施例2と同様の方法で、表面シート2と中間シート7とを製造した。実施例4の表面シート2及び中間シート7の諸元を表1に示す。
〔比較例1〕
第1高密度領域13を形成せず、2本の交差するエンボス列を格子状に多数本形成した点以外は、実施例1と同様の方法で表面シート2を製造した。また、中間シートの製造条件として、一対のロールを備えたヒートエンボス装置におけるエンボス用凸部の加熱温度を120℃、不織布に加える加圧力を4.9MPaとした点、及び融着部70の面積率を変更した点以外は、実施例1と同様の方法で中間シートを製造した。比較例1の表面シート2及び中間シート7の諸元を表1に示す。
各実施例及び比較例において得られた表面シート2と中間シート7とを重ね合わせ、接着剤を用いて接合した。実施例1~3の表面シート2及び中間シート7については、第1高密度領域13と第2高密度領域71とが少なくとも部分的に重なる位置に、接着剤を塗工した。この接合した表面シート2及び中間シート7を用いて、図1に示すナプキンを製造した。表面シート2及び中間シート7以外の構成部材は、花王株式会社製の生理用ナプキン(商品名「ロリエスリムガード特に多い昼用25cm」)が具備する構成部材と同じとした。ナプキン1には、図1に示す圧搾溝8を形成した。得られたナプキン1は、後述する表面シートにおける液拡散面積の測定サンプルとした。また、当該ナプキン1について融着部重なり面積率、高密度領域重なり面積率、及び圧搾溝近傍における高密度領域重なり面積率を測定した。これら各面積率は、上述した方法により測定した。測定結果を表1に示す。
〔表面シートにおける液拡散面積の測定〕
各実施例及び比較例のナプキンを生理用ショーツに固定し、これを人体の動的モデルに装着した。人体の動的モデルとしては、両脚を歩行運動させることが可能な可動式女性腰部モデルを用いた。動的モデルの歩行動作を開始させ、歩行動作開始より1分後に、液***点より3gの脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)を15秒間かけて注入した(1回目)。脱繊維馬血は、日本バイオテスト(株)製脱繊維馬血で且つ液温25℃における粘度が24cpに調整されたものであり、また、その粘度は、東機産業株式会社製TVB‐10M形粘度計において、ロータ名称L/Adp(ロータコード19)のロータで回転速度12rpmにて測定した場合の粘度であった。更に1回目の繊維馬血注入終了時点から3分後に、3gの脱繊維馬血を15秒間かけて更に注入した(2回目)。2回目の注入が終了した直後、動的モデルの歩行動作を停止させて、生理用ショーツからナプキンを剥がし、該ナプキンを平らな面に静置させた。そして、ナプキンにおける表面シート2上の染色部分の面積(脱繊維馬血の拡散面積)を測定し、これを表面シートにおける液拡散面積とした。斯かる面積が小さいほど、拡散抑制効果及び移行促進効果が高いことが判る。測定結果を表1に示す。
Figure 0007256836000001
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例1~4のナプキンでは、比較例1のナプキンに比して、表面シートにおける液拡散面積が小さい結果となった。この結果から、実施例1~4の表面シート2及び中間シート7を具備する本発明の吸収性物品は、表面シートの肌対向面における体液の拡散を抑制するとともに、体液の吸収体側への移行性に優れることが示された。
また、実施例1~4の対比から、融着部重なり面積率、高密度領域重なり面積率、又は圧搾溝近傍における高密度領域重なり面積率を高めることが、拡散抑制効果及び移行促進効果の向上に有効であることが示された。
1 ナプキン
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
6 サイドシート
7 中間シート
11,12 エンボス列
13 第1高密度領域
14 凸部領域
15,16 線状エンボス部
40 吸収性シート
70 融着部
71 第2高密度領域
X 縦方向
Y 横方向
Z 厚み方向

Claims (5)

  1. 吸収体と、該吸収体よりも肌対向面側に配された表面シートと、該吸収体及び該表面シート間に配された中間シートとを備えた、吸収性物品であって、
    前記表面シートにおいて、
    複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第1エンボス列と、複数の線状エンボス部が、各線状エンボス部の長手方向が同一方向を向くように間欠的に直列に配置された複数の第2エンボス列とが形成されており、
    第1エンボス列と第2エンボス列とが互いに交差しており、
    第1エンボス列及び第2エンボス列によって画成された、構成繊維をその厚み方向全体に含む凸部領域が形成されており、
    第1エンボス列と第2エンボス列との交点に、前記凸部領域よりも密度が高い第1高密度領域が位置しており、
    前記複数の線状エンボス部は、前記表面シートのみに形成されており、
    前記中間シートにおいて、複数の融着部が形成されており、
    平面視において、前記第1高密度領域と前記融着部とが少なくとも部分的に重なっており、
    前記中間シートにおいて、前記融着部以外の部分よりも密度が高い第2高密度領域が形成されており、
    前記融着部は、前記第2高密度領域によって画成されており、
    平面視において、前記第1高密度領域と前記第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なっており、
    前記表面シートは、非肌対向面が平坦であり、
    平面視において、前記第1高密度領域と前記第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なる位置において、接着剤により前記表面シートと前記中間シートとが接合されており、 前記第1高密度領域は、第1エンボス列において前記交点を挟んで隣り合う2つの線状エンボス部の端部、及び第2エンボス列において該交点を挟んで隣り合う2つの前記線状エンボス部の端部に接する真円の領域であり、
    前記第1高密度領域と前記融着部とが重なった部分の面積率は15%以上45%以下である、吸収性物品。
  2. 前記表面シートと前記中間シートとが一体的に圧密化された圧搾溝を有しており、
    前記圧搾溝近傍に、前記第1高密度領域と前記第2高密度領域とが少なくとも部分的に重なった領域が複数存在している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記凸部領域の面積が前記融着部の面積よりも大きく、
    平面視において、前記凸部領域と複数の前記融着部とが重なっている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 着用者の前後方向に対応する縦方向と、これに直交する横方向とを有しており、
    液吸収前における前記融着部の前記横方向の最大長さをW1、液吸収後における前記融着部の前記横方向の最大長さをW2としたとき、W1に対するW2の百分率(W2/W1)が80%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 着用者の前後方向に対応する縦方向と、これに直交する横方向とを有しており、
    前記表面シートは、前記凸部領域として、面積が相違する3種類の領域を有し、
    最も面積が大きい領域を大凸部領域、次に面積が大きい領域を中凸部領域、最も面積が小さい領域を小凸部領域としたとき、該大凸部領域及び該小凸部領域それぞれはひし形となっており、該中凸部領域は平行四辺形となっており、
    これら3種類の領域は、前記第1高密度領域を介して前記縦方向又は前記横方向に隣り合っている、請求項1~のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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