JP7256630B2 - セラミックス造形用粉体およびそれを用いたセラミックスの造形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザーにより構造物を得るためのセラミックス造形用粉体、およびそれを用いたセラミックスの造形方法に関する。
近年、レーザー光を用いた付加製造技術(Additive Manufacturing、または3次元造形技術とも言う)が発展し、技術性能が高まっている。特に金属分野では、レーザー描画により原料の金属粉体を思い通りの形状で焼結あるいは熔融させて結着させる、粉末床熔融結合法(粉末積層法)の一種である選択的レーザー焼結法(Selective Laser Sintering:SLS)、あるいは選択的レーザー熔融法(Selective Laser Melting:SLM)により、緻密で多様性のある造形物の製造が実現している。これらの製造方法においては一般的に、YAGレーザーやファイバーレーザーなど、小型高出力かつ低価格な近赤外領域のレーザーがもっぱら用いられている。
SLSあるいはSLMは、原理的にはセラミックスへも適用可能である。ただし、一般的な絶縁性セラミックスは可視から赤外領域の光に対して透過性の高いものが多い。そのため、SLSまたはSLM装置を用いてセラミックスの付加製造を行う場合には、レーザー光は原料となるセラミックス粒子ではほとんど吸収されないため、加工部分の材料の融解に必要な熱エネルギーと比較してかなり大きいパワーのレーザー光を照射する必要がある。また、僅かな吸収による発熱を利用して、セラミックスの融解あるいは焼結による造形を試みても、レーザー光はセラミックス粒子を透過拡散するために、レーザー光のビーム径よりも大きな領域が融解されてしまい、精細な造形を行うことが困難であった。
このような問題点を有する状況において、非特許文献1では、共晶系酸化物セラミックスのレーザー光照射による付加製造が提案されている。具体的には、Al-ZrO共晶系を用いることで融点を下げ、比較的小さいパワーのレーザー光でも熔融させることができるものである。さらに、凝固の際に共晶系特有の微細構造が形成されることにより、高い機械強度を有するセラミックス構造物を造形することができる、というものである。この方法により、ある程度の精細さの向上は見られたが、依然として表面突起物が多数発生するなど、十分に高精細な造形ができなかった。
Physics Procedia 5 (2010) 587-594
SLSまたはSLM装置でよく用いられているレーザー光源は、YAGレーザーやファイバーレーザーなどの連続発振固体レーザーであり、その波長は1000nm近傍の近赤外領域である。一部でパルス発振固体レーザーを用いる試みもなされているが、レーザーの波長は連続発振固体レーザーと同様である。今後、小型半導体レーザーが高出力化され、SLSまたはSLM装置に適用された場合、その波長は可視光領域と想定される。
SLSまたはSLMによるセラミックスの付加製造を行う場合、安価かつ高強度で、人体や環境に影響の少ない上、焼結性あるいは熔融結着性のよいAlやZrOなどが適しているが、これらの材料は可視から近赤外領域の波長の光に対して明瞭な吸収を示さない。そのため、表面構造、不純物および空格子に由来する欠陥準位による僅かな吸収による発熱で、これらの材料を融解あるいは焼結せざるを得ず、大きなパワーでレーザー光を照射しなければならない。その際、レーザー光の大部分はこれらの材料に吸収されずに散乱されるため、レーザー光の照射ビーム径よりも広がった、レーザー加工部と未加工部の境界がいびつな形状の造形物が得られることとなり、所望の精細さを有する造形物が得られないという課題があった。
粉末床熔融結合法(粉末積層法)では1層の造形が完了した後に、その上に新たな未加工の原料粉体を1層敷き、その原料粉体に対してレーザー描画を行い、一層ごとの造形物を積み重ねることで立体的な構造物を造形していく。しかしながら、未加工の原料粉体層に対して照射した大パワーのレーザー光は、原料粉体を透過し散乱され、既に加工済みの造形物の内部にまで侵入して再熔融を起こしてしまい、さらに造形物の精細さを低下させてしまうという課題があった。
したがって、SLSまたはSLMによるセラミックス造形物の精細さを向上させる為には、原料粉体での照射レーザー光の吸収効率を高めることで、該レーザー光の透過を抑制する必要があった。さらに高精細な造形物を得るためには、レーザー照射により造形が完了した部分に再度レーザー光が照射されても内部で再融解しないことが必要であった。
本発明はこれらのような課題を解決するためになされたものであり、SLSまたはSLM装置によるセラミックスの付加製造において、高精細なセラミックス造形物を得るための原料粉体を提供する。また、そのような粉体を用いて造形を行うことで、高精細なセラミックス構造物を製造するための方法を提供する。
上記課題を解決するための本発明の粉体は、レーザー光の照射により粉体の逐次熔融および凝固を繰り返して構造物を得るためのセラミックス造形用粉体であって、無機化合物粒子および有機化合物を含み、前記有機化合物は前記無機化合物粒子の表面に設けられており、前記有機化合物は前記レーザー光の波長に重なる吸収帯を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明の製造方法は、上記粉体を用い、その構成物である有機化合物の吸収帯と波長が重なるレーザー光を照射して、上記粉体を逐次熔融および凝固させる工程を繰り返すことでセラミックス構造物を造形することを特徴とする。
本発明の粉体を用いることにより、高精細なセラミックス構造物を3次元造形によって得ることができる。
本発明の粉体が適用できる造形手法の一例を模式的に示す断面概略図である。 本発明の粉体が適用できる造形手法の別の例を模式的に示す断面概略図である。 物質の光吸収スペクトルの一例を示す図である。 本発明の粉体の望ましい形態の一例を模式的に示す断面概略図である。 本発明の有機化合物を表面に付置した粉体と有機化合物のない粉体、および、それぞれの隣接部位のレーザー照射時間による温度上昇の振る舞いを示す模式図である。 レーザー照射領域と未照射領域との境界の振れ幅を観測した図である。
以下、図面等を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
本発明における、レーザー光の照射部の粉体を逐次熔融、凝固させることを繰り返すことで構造物を得るセラミックス造形手法について、図1および図2を用いて説明する。上述のSLSやSLMがこれに該当する。使用するレーザー光の波長に制限はないが、一般的にSLSまたはSLMに用いられるレーザーは小型高出力で比較的安価なものが用いられる。
具体的には、上述のとおりファイバーレーザーやYAGレーザーなどの固体レーザーがよく用いられ、たとえば一般的なYb添加ファイバーレーザーやNd添加YAGレーザーの代表的な発振波長は1060nmから1080nmである。それ以外の固体レーザーでは800nmから1200nmの発振波長を用いるものが多い。また、近年では加工用途にも用いられる高出力の半導体レーザーが開発されており、それらは700nmから1000nm程度の範囲内の発振波長を有するものが多い。これらレーザーのいずれも用いることができる。
また、レーザー発振の種別が連続発振であってもパルス発振であっても、いずれも用いることができる。高精細な造形物を得るためには、照射されるレーザービームの径は、10μm以上200μm以下であることが望ましい。また、短時間で大きな造形物を得るためには、200μm以上2000μm以下であることが望ましい。そのために、レンズ等を用いて集光することで、照射位置でのレーザービーム径を微細にすることができる。
本発明で用いることが望ましい造形方式である、粉末床熔融結合法(粉末積層法)の一種である選択的レーザー焼結法(SLS)について、図1を一つの例として用いて説明する。SLSは粉末ベッド直接造形方式とも呼ばれる。この方式の造形装置は、粉末升11と造形ステージ部12、リコーター部13、スキャナ部14、レーザー15等から構成される。
まず、粉末升11と造形ステージ部12が適宜上下しながらリコーター部13で粉体を操作し、想定している構造物よりも広い領域に所定の厚さで粉体を敷き詰める。続いて、目的の構造物の一断面に対応する部分を、レーザー15とスキャナ部14により粉体層にレーザー光で描画を施す。それにより、原料粉体の焼結、ないし熔融・凝固が生じる。このプロセスを繰り返すことにより、各断面に対応する平面の造形物が積層され、立体的な最終構造物が形成される。
本発明では、指向エネルギー堆積法(または、クラッディング方式とも呼ばれる)も同様に造形に用いることができる。この造形方式について図2を一つの例として用いて説明する。クラッディングノズル21にある複数の粉体供給孔22から粉体を噴出させ、噴出した粉体のビームが焦点を結ぶ領域にレーザー23を照射して、当該所望の場所に付加的に構造物を設けていく手法であり、曲面等への造形も可能な点が特徴となる。
次に本発明の粉体について説明する。
本発明において粉体とは、孤立した粒の集合体を指す。それぞれの孤立した粒の一部または全部は、無機化合物からなる粒子と、その表面に設けられた有機化合物から構成される。
本発明における無機化合物とは、水素を除く周期表1族から14族までの元素に、アンチモンおよびビスマスを加えた元素群のうち、1種類以上の元素を含有する酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、あるいはホウ化物を指す。また、無機化合物からなる粒子は1種類の無機化合物により構成されていてもよく、また、2種類以上の無機化合物が複合化したものでもよい。
この無機化合物を含む粒子は、金属酸化物を主成分とするものからなることが望ましい。金属酸化物が主成分であることで、高強度の造形物がレーザー照射で容易に製造できる。ここで金属酸化物とは上記元素群からホウ素、炭素、ケイ素、ゲルマニウムを除いた元素群のうち、1種類以上の元素を含有する酸化物を指す。その中でも、酸化アルミニウムを含有する物が機械強度や耐熱性や電気絶縁性、および入手容易性や環境適合性などの点で望ましく、また酸化ジルコニウムを含有する物も同様に望ましい。これらは単体で用いるだけでなく、他の物質と複合的に用いることで新たな機能を発現し、さらに望ましくなる場合がある。
例えば、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウム、および酸化アルミニウムと酸化ガドリニウムや酸化イットリウムなどの希土類金属酸化物の組み合わせでは、共晶を形成するために融解温度が低下し、レーザー照射による熔融が比較的容易になる。同様の理由で、酸化ガドリニウムと、酸化ジルコニウムや酸化イットリウムなどの希土類金属酸化物との組み合わせや、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムと希土類金属酸化物との組み合わせも好ましい。これらの組み合わせを用いると、再凝固した際には共晶組織が発現し、単一の金属酸化物を用いる場合よりも機械強度が増強されることがある。また、上記酸化物と窒化アルミニウムや窒化ホウ素などの窒化物とを組み合わせて用いることで、酸化物のみを用いる場合よりも軽量化かつ高強度化が実現されることがある。
無機化合物粒子の形態は結晶であるか、非晶質であるかを問わない。また単相の化合物であるか、複相の混合物であるかの別を問わない。また、金属相や、上述の窒化物、アンチモン化合物およびビスマス化合物を除く15族元素の化合物(ニクタイドまたはプニクタイドとも言う)、上述の酸化物を除く16族元素の化合物(カルコゲナイドとも言う)、および17族元素の化合物(ハライドとも言う)を一部含有してもよい。また、微小粒を結着させるためのバインダーなどの有機化合物を一部含んでもよい。
本発明における有機化合物とは、炭素と水素を主成分としてなる化合物のことである。本発明の粉体に用いられている、無機化合物粒子の表面に設けられる有機化合物は、造形の際に照射するレーザー光の波長に吸収帯を有するものである。図3に物質の光吸収スペクトル、すなわち物質の吸光度の波長依存性のイメージ図を示す。物質はそれぞれ特有の波長範囲の光を吸収する。図3の吸収スペクトルでは最大吸光度Mの10分の1(すなわちM/10)以下をバックグラウンドとし、それ以上の吸収のある波長範囲、すなわち波長Aから波長Bの範囲、および波長Z以下を吸収帯とする。なお、本発明における有機化合物には炭素単体は含まれない。
本発明において、無機化合物粒子の表面に設ける有機化合物としては、使用するレーザー光の波長が、その有機化合物の吸収帯の波長範囲内にあるものを選択して用いる。
有機化合物の吸収帯は、分光光度計により有機化合物の吸収スペクトル、すなわち吸光度の波長依存性を測定することで明らかにすることができる。有機化合物の吸収スペクトル測定は、有機化合物を溶媒に溶解し、その溶液の吸光度の波長依存性を測定すればよい。一般的な分光光度計であれば400nmから2000nmほどの波長範囲での測定が可能であるが、目的の波長、すなわち造形に使用するレーザーの波長を基準にして、前後300nmから500nm程度の波長範囲で測定してもよい。
有機化合物を溶解する有機溶媒は、例えば、クロロホルム、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、有機酸などであり、測定波長範囲で吸収がない溶媒を選択する。
有機化合物が無機化合物粒子の表面に設けられた状態である場合、有機化合物の吸収スペクトルを測定するには、有機化合物を溶解する有機溶媒は測定波長範囲で吸収がないものを選択することはもとより、無機化合物粒子を溶解しないものを選択する必要がある。そうでないと、無機化合物の吸収帯も含めて測定することになり、有機化合物の吸収帯を特定するのに支障があるからである。
上述のように、現在一般的に造形に用いられるレーザー波長の範囲は700nmから1200nmの範囲内であり、特に1000nmから1100nmの近赤外領域の波長が用いられる。よって、この波長領域に吸収帯を有する有機化合物を用いることが望ましい。そのような有機化合物としては、ジイモニウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、スクアリウム系化合物、ジチオレン金属錯体系化合物、アミニウム系化合物、などが挙げられる。その中でも、吸収能、化学的安定性、入手容易性、価格などの観点から、ジイモニウム系化合物またはシアニン色素が含有されるものであることが望ましい。
ジイモニウム系化合物の例としては、例えば、下記一般式[1]で表わされる塩化合物が挙げられる。
Figure 0007256630000001
式[1]中、Xは陰イオンを示し、例えば、Cl、Br、I、F、ClO 、BF 、SbF 、CFSO 、CHSO などが挙げられる。RからRは水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、またはアルキニル基を示し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、RからR12は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、またはアルコキシ基を示し、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。XやRからR12の選択により、様々な波長域に吸収帯を持つ化合物となるので、使用するレーザー光波長などの条件により化合物を選択することが可能である。
シアニン色素とは、例えば、岩波理化学辞典第5版の552ページで説明されているように、2個の含窒素複素環を奇数個のメチン基-CH=で結合し、1個の窒素は第3級アミン、他の1個は第4級アンモニウム構造をもつ色素(有機化合物)である。これも、分子構造、特にメチン基の数により様々な波長域に吸収帯を持つ化合物となるので、レーザー光波長などの条件により化合物を選択することが可能である。
これらの有機化合物を無機化合物粒子の表面に設ける際、無機化合物粒子の多くに高い被覆率で有機化合物を付着させることが望ましい。さらに、図4にあるように、造形原料の粉体に含まれる粒子のうち、30%以上の粒子の表面に有機化合物が付着しているのが好ましく、有機化合物が付着した粒子の割合は、50%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。ここで、造形原料の粉体に有機化合物が付着した粒子の割合は、次の方法で求めることができる。面内に粉体を分散させ、視野に複数(50個以上)の粒子が含まれる倍率にて光学顕微鏡で観察し、視野内に存在する粒子の数に対する、有機化合物が付着した粒子の数の割合を算出する。有機化合物が付着した粒子の表面積の50%以上を有機化合物が被覆しているのが好ましく、90%以上を有機化合物が被覆しているのがより好ましい。このように有機化合物を付着させるためには、接着性の観点から、高分子化合物中にこれらの有機化合物を分散させ、それを無機化合物表面に付置してもよい。その場合、これら有機化合物は効率よく無機化合物粒子に付着し、条件を最適化することで無機化合物粒子表面の大部分あるいは全面を覆うように設けることが可能となる。
用いる高分子化合物としては、無機化合物、特に金属酸化物への付着性のよい、ポリビニルブチラールやポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチルやポリスチレンなどを用いることが望ましい。有機化合物と高分子化合物を同時に有機溶媒に溶解し、その溶液と無機化合物粒子を混合した上で溶液中の溶媒を揮発させることで、無機化合物粒子表面に被覆性よく有機化合物を付置することができる。
有機化合物を無機化合物粒子の表面に設ける際の処理として、無機化合物粒子の表面を改質することで有機化合物の濡れ性および接着性を改善し、被覆性よく付置させることもできる。表面改質の方法としては、例えば、無機化合物粒子表面への紫外線照射による疎水性化処理が挙げられる。またはシランカップリング剤やホスホン酸誘導体などの表面改質剤の塗布、または浸漬処理による無機化合物粒子表面の疎水性化処理が挙げられる。これらの処理により、無機化合物表面での有機化合物の濡れ性および接着性が改善され、被覆性よく有機化合物を付置させることができる。
無機化合物粒子表面に付置する有機化合物の量は、照射されたレーザー光を、無機化合物粒子を融解させる契機となるほどの熱に変換し、その熱を無機化合物に移動させるのに適した量でなければならない。ゆえに、粉体として平均的に見たとき、無機化合物の質量に対する有機化合物の質量が、0.1%以上10%以下であることが望ましく、1%以上10%以下であることがより望ましく、1%以上5%以下であることがさらに望ましい。
次に、レーザー光を用いた付加製造技術によるセラミックス構造物の造形プロセスにおいて、本発明の粉体が効果を示す機構を説明する。ここではSLSまたはSLMによる造形プロセスを例に取り説明する。
使用するレーザー光の波長に対して吸収帯を有さない無機化合物粒子を単独で造形材料として用いる場合、無機化合物粒子のレーザー光の吸収が小さいため、粒子を融解する熱量を発生させるためには大きなパワーのレーザー光を照射しなければならない。融解させたい粒子に大きなパワーのレーザー光を照射した時の、レーザー照射時間に対する融解目的粒子の温度上昇の振る舞いは、図5の実線のように、レーザー照射時間に対してほぼ線形に温度上昇し、粒子の融解温度に達したとき粒子が融解する。この時、レーザー光の大半は目的の粒子を透過し、散乱されるため、例えばすでに造形済みであるセラミックスなどの隣接する部位(粒子あるいは造形物)に、レーザー光が若干の減衰を伴って到達する。レーザー光パワーの減衰はわずかであるので、図5の一点鎖線で示すように、散乱光が到達した部位も照射時間と共に温度上昇し、遂には融点以上になり融解してしまう。そのため、融解を目的としない粒子まで融解してしまう、または一度融解し造形した部位を再融解してしまう、という現象が生じる。結果、造形物の境界部、すなわちレーザー加工部と未加工部の境界が、いびつな形状となり、精細さを欠く造形となってしまう。
一方、上記の無機化合物粒子の表面に、レーザー光の波長に吸収帯を有する有機化合物を設けた粒子を原料粉体として用いた場合、粒子表面の有機化合物が効率よくレーザー光を吸収するため、比較的低いパワーのレーザー光であっても、粒子の温度は急激に上昇する。図5にその時の粒子温度の時間経過の例を示すが、図中の破線で示すように、レーザー照射からわずかな時間で急激に温度が上昇する。有機化合物は無機化合物粒子の融点以下の温度で分解消失してしまうが、それまでに吸収したレーザー光のエネルギーにより、無機化合物粒子を融解する契機となる熱量を発生し、無機化合物粒子にその熱量を与えることで、無機化合物は融解に至る。そして有機化合物が分解消失した後にレーザー光のさらなる照射があったとしても、照射レーザー光のパワーは低いため、むき出しの無機化合物粒子の発熱は小さく、放熱と釣り合う程度であれば、さらなる温度上昇はほとんどない。この時、有機化合物が無機化合物粒子の表面を十分な被覆率で付置されているとすると、表面の有機化合物が分解消失されるまではレーザー光は融解する目的の粒子をほとんど透過しないので、隣接する粒子へのレーザー光の影響は少ない。
図5の二点鎖線で示すように、有機化合物が分解消失した後ではレーザー光が目的粒子を透過し、隣接部位に散乱光が到達するようになるが、照射レーザー光のパワーが低く抑えられているため、隣接部位の散乱光による温度上昇は小さく融解に至ることはない。このような機構で、本発明の原料粉体を用いた場合には目的の粒子のみの融解を誘起し、融解目的でない隣接部位が散乱光によって融解することがないため、高精細なレーザー造形が可能となる。
レーザー光の波長に吸収帯を有する有機化合物は金属元素を含まないものが望ましい。なぜなら、有機化合物はレーザー光を吸収、発熱した上ですべて分解し、その分解生成物は(必要に応じて酸化などの化学プロセスを経て)すべて気化消失し、その発熱により融解し、再凝固した無機化合物に有機化合物の残差が残らないことが好ましいからである。あるいは、金属元素を含有していても、分解生成物の一部として気化消失するものであってもよい。このような特徴を有する有機化合物を用いることで、所望する組成の無機化合物粒子を原料紛体に用いることで、所望する組成の無機化合物によるセラミックス造形物が得られる。
このように、レーザー光照射による融解の際の有機化合物と無機化合物の相互作用は、理想的には熱のやり取りのみであり、化学的な反応、すなわち原子のやり取りはない。そのため、無機化合物の組成は付置する有機化合物の種類によらず選択することができる。
レーザー光を用いた付加製造技術において、レーザー光のビーム径は100μm程度あるいはそれ以下で用いることが多い。その時に用いる原料粉体はレーザービーム径より大きいと粉体の一部のみの融解が起こり、融解残渣が生じることでムラのある造形物となるおそれがある。そのため、粉体の粒子径はレーザービーム径より小さいことが望ましい。
また、図1に示すようなSLSにおいても、図2に示すクラッディング方式にしても、原料粉体には十分な流動性(例えば40秒/50g以下)が求められる。この流動性を満たし、取り扱いの容易性を考慮すると、原料粉体の平均粒子径は5μm以上であることが望まれる。すなわち、原料粉体の平均粒子径は5μm以上100μm以下であることが望ましい。本発明における平均粒子径は、個数基準分布から求めた値をいい、光散乱法を用いて測定することができる。
原料粉体の流動性を考慮すると、粉体は真球に近い球形であることが望ましいが、必要とされる流動性さえ満たせば、球形でなくてもよい。
本発明の原料粉体およびその比較対象となる原料粉体を用い、SLSによる造形試作を実施した。本発明で用いたSLS装置に備えられたレーザーは、最大出力100WのYb添加ファイバーレーザーであり、その波長は1065nmであった。レンズの焦点を調節することで、粉体へのレーザー照射位置でのレーザービーム径は100μmになるように調節した。原料粉体はアルミナセラミックス基板上に約100μmの厚さで敷設した。レーザー光はガルバノミラーによりスキャンすることで、原料粉体上をレーザー描画し、造形物を製造した。その際にレーザーパワーとスキャン速度を調節することで粉体に照射されるパワー密度を所望の大きさになるよう調節した。
[実施例1および実施例2]
無機化合物粒子として、平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を用意した。Al粒子は肉眼観察では白色であったが、100倍以上の光学顕微鏡観察では各粒子が透明であった。
有機化合物として、近赤外領域に吸収帯を有する市販のジイモニウム系化合物である、日本化薬(株)製KAYASORB IRG-069を用意した。このジイモニウム化合物をクロロホルムに溶解し、分光光度計によりこの溶液の吸収スペクトルを測定したところ、波長1190nmに吸光度の極大値を示し、波長1065nmの吸光度は1190nmでの極大値の10分の9程度の値であった。このことから、このジイモニウム化合物は使用するレーザー波長である1065nmに吸収帯を有する化合物であることが確認できた。
このジイモニウム化合物を100mg秤量し、30gのクロロホルムに溶解させた。この溶液を底面積の大きな容器に入れ、そこに前記Al粒子10gを投入して溶液に浸漬し、よく攪拌した上でクロロホルムを揮発させ、乾燥させた。
得られた粒子のうち200個を光学顕微鏡で観察したところ、半数以上の粒子には褐色のジイモニウム系化合物が粒子の表面積の二分の一以上の面積に付置されていた。
次に得られた粉体をクロロホルムに浸漬し、粉体中の粒子の表面付置物をクロロホルムに再度溶解し、その溶液の吸収スペクトルを測定したところ、波長1190nmに吸光度の極大値を示し、波長1065nmの吸光度は極大値の10分の9程度の値であった。このことから、この紛体中の粒子表面の付置物は、使用するレーザー波長である1065nmに吸収帯を有する化合物であることが確認できた。
この紛体を波長1065nmのレーザーによるレーザー造形用原料粉体として用いて、100μmの厚さの粉末層を1層形成し、表1に示す条件で、ビーム径100μmのレーザービームにより長さ2mmの直線を50μmピッチで40本描画することで、2mm×2mmの範囲にレーザーを照射したものを、それぞれ実施例1および2の(平面状)造形物とした。
[実施例3]
無機化合物粒子として、平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子の他に、平均粒子径30μmの酸化ジルコニウム(ZrO)を用意した。ZrO粒子は肉眼観察では白色であったが、100倍以上の光学顕微鏡観察では各粒子が透明であった。これらのAl粒子とZrO粒子を質量比で6対4の比率で混合した。
有機化合物としては、実施例1と同様に日本化薬(株)製KAYASORB IRG-069を用いた。このジイモニウム化合物を100mg秤量し、30gのクロロホルムに溶解させた。この溶液を底面積の大きな容器に入れ、そこに前記のAl-ZrO混合粒子10gを投入して溶液に浸漬し、よく攪拌した上でクロロホルムを揮発させ、乾燥させた。
得られた粒子のうち約200個を光学顕微鏡で観察したところ、半数以上の粒子には褐色のジイモニウム系化合物が粒子の表面積の二分の一以上の面積に付置されていた。得られた粉体をレーザー造形用原料粉体として用い、表1に示す条件でレーザーを照射することにより、実施例1と同様にして、実施例3の造形物を形成した。
[実施例4および実施例5]
無機化合物粒子として、実施例1および2で用いたものと同様の平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を用意した。有機化合物としては、シアニン色素のひとつである、2-[(1E)-3-[(1E)-5,5-ジメチル-3-[(1E)-3-[(2E)-1,3,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イリデン]プロパ-1-エン-1-イル]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン]プロパ-1-エン-1-イル]-1,3,3-トリメチル-3H-インドール-1-イウム(2-[(1E)-3-[(1E)-5,5-dimethyl-3-[(1E)-3-[(2E)-1,3,3-trimethyl-2,3-dihydro-1H-indol-2-ylidene]prop-1-en-1-yl]cyclohex-2-en-1-ylidene]prop-1-en-1-yl]-1,3,3-trimethyl-3H-indol-1-ium); トリフルオロ[(トリフルオロメタンスルホニルアザニジル)スルホニル]メタン(trifluoro[(trifluoromethanesulfonylazanidyl)sulfonyl]methane)(組成式 C3843、Spectro Info社製S09441)を用意した。
この化合物をクロロホルムに溶解し、分光光度計によりこの溶液の吸収スペクトルを測定したところ、波長870nmに吸光度の極大値を示し、波長1065nmの吸光度は870nmでの極大値の5分の1程度の値であった。このことから、このシアニン色素は使用するレーザー波長である1065nmに吸収帯を有する化合物であることが確認できた。
このシアニン色素を100mg秤量し、30gのクロロホルムに溶解させた。この溶液を底面積の大きな容器に入れ、そこに前記Al粒子10gを投入して溶液に浸漬し、よく攪拌した上でクロロホルムを揮発させ、乾燥させた。得られた粒子のうち約200個を光学顕微鏡で観察したところ、半数以上の粒子には緑色のシアニン色素が粒子の表面積の二分の一以上の面積に付置されていた。得られた粉体をレーザー造形用原料粉体として用い、レーザーパワーおよびレーザースキャン速度を変化させ、表1に示す条件でレーザーを照射することにより、実施例1および2と同様にして、実施例4および5の造形物を形成した。
[実施例6]
無機化合物粒子として、実施例1および2で用いたものと同様の平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を用意した。有機化合物としては、実施例4および5で用いたものと同じシアニン色素(Spectro Info社製S09441)を用意した。このシアニン色素を100mg秤量し、30gのクロロホルムに溶解させた。さらに300mgのポリビニルブチラール(PVB)を溶液に投入し溶解させた。この溶液を底面積の大きな容器に入れ、そこに前記Al粒子10gを投入して溶液に浸漬し、よく攪拌した上でクロロホルムを揮発させ、乾燥させた。得られた粒子のうち200個を光学顕微鏡で観察したところ、半数以上の粒子には緑色のシアニン色素がその表面積のほぼ全面を覆うように付置されていた。得られた粉体をレーザー造形用原料粉体として用い、表1に示す条件でレーザーを照射することにより、実施例1および2と同様にして、実施例6の造形物を形成した。
[比較例1および比較例2]
無機化合物粒子として、実施例1および2で用いたものと同様の平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を用意した。このAl粒子を、有機化合物を付置させることなく、レーザー造形用原料粉体として用い、表1に示す条件でレーザーを照射することにより、実施例1および2と同様にして、比較例1および2の造形物を形成した。
[比較例3]
無機化合物粒子として、実施例3で用いたものと同様の平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子と平均粒子径30μmの酸化ジルコニウム(ZrO)を用意した。これらのAl粒子とZrO粒子を質量比で6対4の比率で混合した。このAl-ZrO混合粒子に有機化合物を付置させることなく、レーザー造形用原料粉体として用い、表1に記載の条件でレーザーを照射することにより、実施例3と同様にして、比較例3の造形物を形成した。
実施例1から6、比較例1から3それぞれの作製に用いた粉体と造形条件とその結果を表1に示す。
[境界部の輪郭振れ幅の評価]
造形物の精細さの指標として、図6で示すようにレーザー照射部42と未照射部41の境界の顕微鏡写真から縦幅(レーザー照射方向に垂直な方向の幅)100μmの画像を切り出し、境界部の輪郭振れ幅の最大値を評価した。この輪郭振れ幅の値が小さいほうが、高精細な描画となる。図6に示すとおり、本発明の原料粉体を用いた実施例2では、比較例2および3と比べて輪郭振れ幅の小さい、高精細な造形物が得られた。
この輪郭振れ幅の他に、造形物の凹凸や加工ムラなどを総合的に見て、造形の良し悪しを、良いほうから順番に、A、B、C、Dの4段階で評価し、表1に示した。具体的には、光学顕微鏡観察による評価により、輪郭振れ幅20μm以下、造形部分の表面の凹凸が未加工の原料粉体粒子の平均粒子径の半分以下、およびレーザー照射した部分に造形に影響を与える程度の原料粉体粒子形状を残した部分がない、という3条件を評価対象とした。そのうち、すべてを満たすものをA、2条件を満たすものをB、1条件のみ満たすものをC、1条件も満たさないものをDとした。
これらの条件を満たさないものは、精細さの低下により見た目が損なわれるばかりでなく、機械強度の低下の原因にもなりうるので、2条件以上満たすことが望ましく、3条件とも満たしたものが最も望ましい。
Figure 0007256630000002
実施例1の造形物は少し黒く着色したものとなったが、有機化合物に起因した着色ではなく、レーザー加熱による酸素欠損によるものと思われる。輪郭振れ幅は11μm程度であり、わずかに粒子形状残留物があったものの造形に影響を与えるものではなく、表面凹凸は小さかった。これにより、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
実施例2では実施例1と比較してレーザーパワーを低下させた一方で、スキャン速度を低下させた条件での造形物の製造例である。造形物は着色なく透明であった。振れ幅は10μm以下で、表面凹凸はほとんど見られず、粒子形状残留物は見当たらなかった。これにより、さらに境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
実施例3ではAlとZrOの混合粒子を用いて、実施例1と同様の条件により製造した造形物の例である。実施例1の造形物と同様に、造形物は少し黒く着色したものとなったが、有機化合物に起因した着色ではなく、レーザー加熱による酸素欠損によるものと思われる。振れ幅は10μm以下で、表面凹凸はほとんど見られず、粒子形状残留物は見当たらなかった。これはAlとZrOの混合により、AlとZrOの共晶温度で融解が始まるため、実施例1のAlよりも低い温度で融解したためと考えられる。これにより、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
実施例4および実施例5はそれぞれ実施例1と実施例2に対して有機化合物をジイモニウム化合物(IRG-069)からシアニン色素(S09441)に変更した造形の例である。有機化合物の違い以外は実施例1および2と同じである。出来上がった実施例4および5の造形物はそれぞれ実施例1および2と同様の、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物となった。
実施例6の造形物は実施例5と同じ条件であるが、有機化合物を高分子化合物中に分散させたものを無機化合物粒子に付置させたものを用いており、有機化合物の無機化合物粒子表面への被覆率は実施例5よりも高い。この表面被覆率の高さに起因して、実施例5の輪郭振れ幅よりもさらに狭い振れ幅の造形物が製造できた。また、実施例5と同様に、粒子状残留物はなく、表面凹凸はほとんど見られなかった。これにより、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
比較例1および2は、有機化合物を付置させていないAl粒子に対する造形の試行である。まず、その予備検討として、実施例1と同様の造形条件(レーザーパワーおよびレーザースキャン速度によるエネルギー密度の調整)で造形を試行したところ、Al粒子はほとんど融解せず、部分的に一部のみ融解物が現れるものであった。これは使用したレーザー光をAlはほとんど吸収しないため、融解に十分な熱量が発生せず、所々に存在した欠陥や不純物に対してレーザー光の吸収に起因する発熱があったためと考えられる。
この結果より、まずレーザー光照射に対して有機化合物を付置させていないAl粒子の大半が融解する造形条件の探索を行ったところ、実施例1の2倍のエネルギー密度となる造形条件で融解することを確認した。
比較例1ではこの条件で実施例1と同様のレーザー造形を実施したところ、実施例1の造形物と同様に、酸素欠損に起因すると思われる黒く着色した造形物が得られた。ただし、輪郭振れ幅は約50μmと大きな値となった。これは原料粉体である有機化合物を付置させていないAl粒子はレーザー光をほとんど吸収せずに、減衰の少ないままのレーザー散乱光が周囲の未加工の粒子を融解したためと考えられる。一方で、レーザー光のエネルギー密度は高い状態でありながら、不均一に融解が起こっており、所々融け残りが発生していた。それに起因して表面凹凸は大きく、粒子形状残留物もところどころに見受けられた。よって、造形物としては望ましいものではなく、精細さに欠け、加工ムラの大きなものとなった。
比較例2では、比較例1と同様の有機化合物を付置させていないAl粒子を造形用原料粉体とし、融け残りの無いようにレーザー光のエネルギー密度をさらに2倍にする条件で造形を試行したものである。比較例1と同様に黒く着色した造形物が得られた。しかし、輪郭振れ幅は若干改善したものの、約40μmと大きな値のままであった。レーザー光のエネルギー密度が高いため、融解が十分に行われ、融け残りの少ないなめらかな表面の造形物が得られたが、やはり融解の不均一性があり、わずかに融け残りおよび粒子形状残留物が認められ、それに起因した表面凹凸が認められた。よって、造形物としては同様に望ましいものではなく、精細さに欠け、加工ムラの大きなものとなった。
比較例3においては、比較例1と同様の造形条件により、Al粒子よりも融解温度が低下するAl-ZrO混合粒子を、有機化合物を付置させることなく造形用原料粉体として用い、レーザー造形の試行を実施したものである。融解温度の低下に起因して、比較例1よりもなめらかな表面を有する、凹凸の小さい造形物が得られた。輪郭振れ幅も改善したが、依然、約30μmの幅があり、比較的大きい値のままであった。また、わずかに粒子形状残留物が認められた。よって、改善したとはいえ、造形物としては望ましいものではなく、精細さに欠け、加工ムラの大きなものとなった。
[実施例7]
これまでは粉体1層のみの造形物について説明してきたが、以降、積層造形物について説明する。
図1に示すSLS装置を用いて、レーザー光を照射し、セラミックス造形用粉体を熔解、凝固させることを繰り返すことによるセラミックスの構造物の製造を実施した。原料粉体は実施例1および2で用いた平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子および市販のジイモニウム系化合物である、日本化薬(株)製KAYASORB IRG-069を用いて、実施例1と同様の製法で作製したものを用いた。レーザーパワーおよびレーザースキャン速度などの造形条件は実施例2と同様の条件を用いた。
まず、図1に示す粉末升11に上記原料粉体を充填し、リコーター部13により造形ステージ12に配置したアルミナ基板上に20μmの厚さで粉末を敷き詰めた。レーザー15から発せられるレーザー光の波長は1065nmであり、焦点の調整などにより粉体表面でのレーザービーム径は100μmになるように調節した。このレーザーをスキャナ部14によりスキャンし、長さ20mmの直線を50μmピッチで400本描画することで、20mm×20mmの平面1層造形物を得た。その上にさらにリコーター部13により粉末升11に充填された原料粉体を造形ステージ部12の高さを調整することで、前記平面1層造形物の上に20μmの厚さで敷き詰めた。その粉体をレーザー描画することで、積層造形物を得た。この積層造形工程を400回繰り返すことにより、400層の造形物が結着した積層造形物を得た。
[境界部の輪郭振れ幅の評価]
得られた造形物の精細さの指標として、図6で示したのと同様に、最上層のレーザー照射部42と未照射部41の境界の顕微鏡写真から幅100μmの画像を切り出し、境界部の輪郭振れ幅を評価した。この輪郭振れ幅の値が小さいほうが、高精細な造形となる。この輪郭振れ幅の他に、造形物の凹凸や加工ムラなどを総合的に見て、造形の良し悪しを、良いほうから順番に、A、B、C、Dの4段階で評価した。具体的には光学顕微鏡観察による評価により、輪郭振れ幅20μm以下、造形部分の凹凸が未加工の原料粉体粒子の平均粒子径の半分以下、およびレーザー照射した部分に造形に影響を与える程度の原料粉体粒子形状を残した部分がない、という3条件を評価対象とした。そのうち、すべてを満たすものをA、2条件を満たすものをB、1条件のみ満たすものをC、1条件も満たさないものをDとした。
これらの条件を満たさないものは、精細さの低下により見た目が損なわれるばかりでなく、機械強度の低下の原因になりうるので、2条件以上満たすことが望ましく、3条件とも満たしたものが最も望ましい。
得られた積層造形物の厚さは約4mmであり、造形させた各層の平面造形物は融解により、敷き詰めた粉体の厚さの約半分の厚さになることが分かった。本実施例の原料粉体、造形条件、および造形結果を表2に示す。造形物最上層の輪郭振れ幅は実施例2の平面1層造形の結果より若干の広がりがあるものの、同様に高精細な造形物が得られたことが見て取れた。最上層の表面凹凸は実施例2の平面1層造形物と比較してわずかに大きくなっているが、十分なめらかな表面であり、粒子形状残留物も認められなかった。これにより、境界部が明瞭な、表面平坦性がよく、加工均一性のよい、高精細な造形物が得られた。
[比較例4]
実施例7と同じSLS装置および積層造形プロセスを用い、比較例1および2で用いた有機化合物の付置のない平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を造形用原料粉体として用いたセラミックスの構造物の製造を実施した。レーザーパワーおよびレーザースキャン速度などの造形条件は比較例2と同様の条件を用いた。また積層工程および積層条件は上記実施例7と同様にして実施した。
得られた積層造形物の厚さは4mm強であり、造形させた各層の平面造形物は融解により約半分の厚さになるものの、有機化合物を付置した原料粉体を用いて造形を行った実施例7よりは若干厚くなることが分かった。本比較例の原料粉体、造形条件、および造形結果を表2に示す。
造形物最上層の輪郭振れ幅は比較例2の平面1層造形の結果と同様に大きく、精細さを欠く造形物が得られたことが見て取れた。最上層の表面凹凸は比較例2の平面1層造形物と比較して大きくなっており、いびつな表面であった。また、不均一なレーザー融解が見られ、所々に粒子形状残留物が認められた。よって、造形物としては望ましいものではなく、精細さに欠け、加工ムラの大きなものとなった。
Figure 0007256630000003
[実施例8-10]
無機化合物粒子として、実施例1と同様の平均粒子径20μmの酸化アルミニウム(Al)粒子を用意した。有機化合物としては、実施例1と同様に日本化薬(株)製KAYASORB IRG-069を用いた。このジイモニウム化合物を10mg、500mg、および1000mg秤量し、それぞれを30gのクロロホルムに溶解させた。これらの溶液を底面積の大きな容器に入れ、そこに前記Al粒子10gをそれぞれ投入して溶液に浸漬し、よく攪拌した上でクロロホルムを揮発させ、乾燥させた。これにより、実施例1の原料粉体の無機化合物に対する有機化合物の質量比(以下、有機/無機質量比と記載)が1質量%であるのに対して、有機/無機質量比が0.1質量%、5質量%、および10質量%である実施例8から10の原料粉体を作製した。
得られた粒子のうち約200個を光学顕微鏡で観察したところ、半数以上の粒子には褐色のジイモニウム系化合物が粒子の表面積の二分の一以上の面積に付置されていた。これらの原料粉体をレーザー造形用原料粉体として用い、レーザー照射条件も含め実施例1と同様にして、実施例8から10を形成した。
実施例8から10の作製に用いた粉体と造形条件とその結果を表3に示す。
[境界部の輪郭振れ幅の評価]
得られた造形物の精細さの指標として、実施例1と同様の評価を行った。具体的には、図6で示したのと同様に、最上層のレーザー照射部42と未照射部41の境界の顕微鏡写真から幅100μmの画像を切り出し、境界部の輪郭振れ幅を評価した。この輪郭振れ幅の値が小さいほうが、高精細な造形となる。この輪郭振れ幅の他に、造形物の凹凸や加工ムラなどを総合的に見て、造形の良し悪しを、良いほうから順番に、A、B、C、D、の4段階で評価した。具体的には光学顕微鏡観察による評価により、輪郭振れ幅20μm以下、造形部分の凹凸が未加工の原料粉体粒子の平均粒子径の半分以下、およびレーザー照射した部分に造形に影響を与える程度の原料粉体粒子形状を残した部分がない、という3条件を評価対象とした。そのうち、すべてを満たすものをA、2条件を満たすものをB、1条件のみ満たすものをC、1条件も満たさないものをDとした。
これらの条件を満たさないものは、精細さの低下により見た目を損なうばかりでなく、機械強度の低下の原因になりうるので、2条件以上満たすことが望ましく、3条件とも満たしたものが最も望ましい。
Figure 0007256630000004
実施例8の造形物は少し黒く着色したものとなったが、有機化合物に起因した着色ではなく、レーザー加熱による酸素欠損によるものと思われる。輪郭振れ幅は17μm程度であり、多少の粒子形状残留物があり、造形物をすると外観あるいは強度に影響する可能性があったものの表面凹凸は未加工の原料粉体粒子の平均粒子径の半分より小さいものであった。これにより、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
実施例9および10では実施例1および8の造形物と同様に、造形物は少し黒く着色したものとなったが、有機化合物に起因した着色ではなく、レーザー加熱による酸素欠損によるものと思われる。振れ幅は9から10μm程度で、表面凹凸はほとんど見られず、粒子形状残留物は見当たらなかった。これは有機/無機質量比が大きいため、有機化合物がむらなくレーザー光を吸収したことにより、無機化合物粒子がむらなく融解したためと考えられる。これにより、境界部が明瞭な平坦性のよい造形物が得られた。
実施例1および8~10の比較から、有機化合物が、無機化合物の0.1質量%以上10質量%以下含まれているのが好ましく、1質量%以上10質量%以下含まれているのがより好ましいことがわかる。ただし、無機化合物粒子に設けるのに適した有機化合物のジイモニウム系化合物やシアニン色素は非常に高価であるため、材料コストを考慮すると、有機化合物が、無機化合物の1質量%以上5質量%以下含まれているのが特に好ましい。
本発明のセラミック造形用粉体を用いれば、精細なセラミック造形物を3次元造形によって得ることができ、複雑形状を必要とするセラミックス部品分野において利用可能である。
11 粉末升
12 造形ステージ部
13 リコーター部
14 スキャナ部
15 レーザー
21 クラッディングノズル
22 粉体供給孔
23 レーザー
41 未照射部
42 レーザー照射部

Claims (17)

  1. 700nmから1200nmの波長の光の照射により粒子を熔融させた後に凝固させて構造物を得るためのセラミックス造形用材料であって、
    前記セラミックス造形用材料に含まれる無機化合物粒子の表面に、シアニン色素またはジイモニウム系化合物を含有する有機化合物が付着しており、
    前記有機化合物が、前記無機化合物粒子の0.1質量%以上10質量%以下含まれていることを特徴とするセラミックス造形用材料
  2. 700nmから1200nmの波長の光の照射により粒子を熔融させた後に凝固させて構造物を得るためのセラミックス造形用材料であって、
    前記セラミックス造形用材料に含まれる無機化合物粒子の表面に、シアニン色素またはジイモニウム系化合物を含有する有機化合物が付着しており、
    平均粒子径が5μmから100μmであることを特徴とするセラミックス造形用材料
  3. 前記無機化合物粒子が、金属酸化物を主成分とすることを特徴とする、請求項1または2に記載のセラミックス造形用材料
  4. 前記セラミックス造形用材料が、熔融して固化する際に共晶を生成し得る複数種類の無機化合物粒子を含んでいることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料
  5. 前記セラミックス造形用材料が、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとを含有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料
  6. 前記セラミックス造形用材料が、さらに希土類金属酸化物を含有することを特徴とする、請求項5に記載のセラミックス造形用材料
  7. 前記セラミックス造形用材料が、酸化アルミニウムと希土類金属酸化物とを含有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料
  8. 前記セラミックス造形用材料が、酸化ガドリニウムと酸化イットリウムとを含有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料
  9. 前記希土類金属酸化物が、酸化ガドリニウムまたは酸化イットリウムであることを特徴とする、請求項6または7に記載のセラミックス造形用材料
  10. 700nmから1200nmの波長の光の照射により粒子を熔融させた後に凝固させて構造物を得るためのセラミックス造形用材料であって、
    前記セラミックス造形用材料に含まれる無機化合物粒子の表面に、シアニン色素またはジイモニウム系化合物を含有する有機化合物が付着しており、
    前記セラミックス造形用材料が、酸化ガドリニウムを含有することを特徴とするセラミックス造形用材料
  11. 前記有機化合物が、高分子化合物中に分散した状態で、前記無機化合物粒子の表面に付着していることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料
  12. 前記高分子化合物が、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンからなる群より選択されるいずれか1種を含むことを特徴とする、請求項11に記載のセラミックス造形用材料
  13. セラミックス造形用材料からなる層を形成する工程と、
    前記層の第1の領域の外の第2の領域に700nmから1200nmの波長の光を含むレーザー光を照射せずに前記第1の領域に700nmから1200nmの波長の光を含むレーザー光を照射することにより前記第1の領域に含まれる無機化合物粒子を熔融させた後に凝固させる工程と、
    を繰り返すことにより、前記第1の領域に対応する部分を含む造形物を積層し、
    前記第1の領域および前記第2の領域において、前記セラミックス造形用材料に含まれる前記無機化合物粒子の表面に、シアニン色素またはジイモニウム系化合物を含有する有機化合物が付着していることを特徴とするセラミックス構造物の製造方法
  14. セラミックス造形用材料からなる粉体層を形成する工程と、
    前記粉体層の所定の領域に700nmから1200nmの波長の光を含むレーザー光を照射する工程と、
    を繰り返すことにより、前記所定の領域に対応する部分を含む造形物を積層し、
    前記所定の領域において、前記セラミックス造形用材料に含まれる無機化合物粒子の表面に、シアニン色素またはジイモニウム系化合物を含有する有機化合物が付着していることを特徴とするセラミックス構造物の製造方法。
  15. 請求項1から12のいずれか一項に記載のセラミックス造形用材料に、前記有機化合物の吸収帯と波長が重なるレーザー光を照射して、前記セラミックス造形用材料を熔融させた後に凝固させて共晶を生成させることを特徴とするセラミックス構造物の製造方法。
  16. 前記レーザー光の波長が、700nmから1200nmの範囲にあることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載のセラミックス構造物の製造方法。
  17. 前記レーザー光のビーム径が10μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載のセラミックス構造物の製造方法。
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