JP7255979B2 - ケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、ケーキ、菓子類及びその製造方法 - Google Patents

ケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、ケーキ、菓子類及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、外観や食感に優れ、本来の自然な風味が感じられるケーキを安定的に生産できるケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、ケーキ、菓子類及びその製造方法に関する。
スポンジケーキ、蒸しケーキ、バウムクーヘン等、鶏卵の起泡力によって含気させるケーキ生地は、共立て法、別立て法等、いわゆる後粉法と呼ばれる、鶏卵を泡立てた後に小麦粉や油脂を添加する方法を用いることで、鶏卵の泡を保ち、比重を軽くすることができる。
しかし、これらの方法は手間がかかること、小麦粉や油脂を添加する際に気泡を壊さずに混合するための技術的難易度が高いことから、大量生産には向かない。このため近年は、効率が高く大量生産が可能である、すべての原料を混合して泡立てるオールインミックス法が主流となっている。ただし、小麦粉や油脂を鶏卵とともに泡立てると、鶏卵による起泡力が阻害されるため、比重が軽くならず、外観や食感の劣ったケーキとなってしまう。そこでオールインミックス法では乳化剤を大量に含有する起泡剤が使用される。
例えば、特許文献1には、グリセリン脂肪酸エステルを0.5~20質量%、プロピレングリコール脂肪酸エステルを1~20質量%、ソルビタン脂肪酸エステルを0.5~10質量%、及びHLBが5~15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5~10質量%含有するケーキ用起泡性乳化剤組成物であって、上記ソルビタン脂肪酸エステル及びHLBが5~15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルの主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸であることを特徴とする、オールインミックス法に適したケーキ用起泡性乳化剤組成物が記載されている。
特開2009-95247号公報
しかしながら、乳化剤を多く用いると、ケーキ本来の自然な風味が損なわれるという問題があった。また、最近の消費者による乳化剤無添加志向から、乳化剤を含有する菓子が敬遠される傾向にあった。
よって、本発明の目的は、実質的に乳化剤を含有させなくても、外観や食感に優れ、本来の自然な風味が感じられるケーキを安定して製造することができるケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、ケーキ、菓子類及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、ケーキ生地にペクチンを含有させることで、オールインミックス法などにより製造されるケーキ生地においても、安定した気泡を作ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つは、ゲル化性テストで200cP以上の粘度を示すペクチンを含有し、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とするケーキ生地用気泡安定剤を提供するものである。
本発明のケーキ生地用気泡安定剤によれば、実質的に乳化剤を含有させなくても、安定した気泡を作ることができるので、外観や食感に優れたケーキを得ることができる。また、実質的に乳化剤を含有しないので、本来の自然な風味が感じられるケーキを得ることができる。更に、大量生産に適したオールインミックス法でも、安定したケーキを作ることができる。
本発明のケーキ生地用気泡安定剤においては、前記ペクチンがゲル化性テストで2000cP以下の粘度を示すものであることが好ましい。
また、本発明のもう1つは、上記ケーキ生地用気泡安定剤を含有し、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とするケーキ生地を提供するものである。
本発明のケーキ生地においては、ケーキ生地中に、前記ペクチンを0.01~0.3質量%含有することが好ましい。
また、本発明のもう1つは、上記ケーキ生地を用いることを特徴とするケーキを提供するものである。
また、本発明のもう1つは、上記ケーキを有し、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする菓子類を提供するものである。
また、本発明のもう1つは、実質的に乳化剤を含有しないケーキ原料と、上記に記載のケーキ生地用気泡安定剤とを、オールインミックス法によって混合して生地を作成する混合工程と、得られた生地を強制発泡機を用いて起泡させる起泡工程を含むことを特徴とするケーキ生地の製造方法を提供するものである。
本発明のケーキ生地の製造方法によれば、実質的に乳化剤を含有させなくても、安定した気泡を作ることができるので、外観や食感に優れたケーキを製造することができる。また、実質的に乳化剤を含有しないので、本来の自然な風味が感じられるケーキを製造することができる。更に、ケーキはオールインミックス法で製造されるので、安定的に大量生産することができる。
本発明のケーキ生地の製造方法においては、前記混合工程において、前記生地中の前記ペクチンの含量が0.01~0.3質量%となるように、前記ケーキ生地用気泡安定剤を添加することが好ましい。
また、本発明のもう1つは、上記製造方法により得られるケーキ生地を加熱処理することを特徴とするケーキの製造方法を提供するものである。
また、本発明のもう1つは、上記製造方法により得られるケーキを用いて菓子類を製造する、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする菓子類の製造方法を提供するものである。
本発明のケーキ生地用気泡安定剤によれば、ケーキ生地に実質的に乳化剤を含有させなくても、ペクチンによって安定した気泡を作ることができるので、外観や食感に優れたケーキを得ることができる。また、実質的に乳化剤を含有しないので、本来の自然な風味が感じられるケーキを得ることができる。更に、実質的に乳化剤を含有させなくても、オールインミックス法でも安定してケーキを製造できるので、大量生産が可能である。
また、本発明のケーキ生地の製造方法によれば、実質的に乳化剤を含有させなくても、安定した気泡を作ることができるので、外観や食感に優れたケーキを製造することができる。また、実質的に乳化剤を含有しないので、本来の自然な風味が感じられるケーキを製造することができる。更に、オールインミックス法で製造するので、安定的に大量生産することができる。
実施例で製造したケーキ(比較例5~9)の断面と、その断面を拡大した写真である。 実施例で製造したケーキ(実施例5~11)の断面と、その断面を拡大した写真である。
本発明に用いるペクチンは、ゲル化性テストで、200cP以上の粘度を示すものを用いる。また、好ましくは200cP以上2000cP以下、より好ましくは300cP以上1000cP以下、更に好ましくは300cP以上700cP以下の粘度を示すものを用いる。ペクチンがゲル化性テストで200cP未満であると、生地は離水を生じさせる傾向にあり、焼成により得られるケーキの内相が粗くなったりメが詰まったり、ソフトさに欠ける食感となったりする傾向にある。2000cPを超えると、焼成により得られるケーキがくちゃついた食感となる傾向にある。
また、本発明に用いるペクチンは、ゲル化性テストで上記範囲にあるものであれば、1種類または2種以上の前記ペクチンを組み合わせて用いることができる。
本発明において、「実質的に乳化剤を含有しない」とは、ケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、及び菓子類を製造する際に乳化剤を意図的に添加しないという意味であり、ケーキ生地用気泡安定剤、ケーキ生地、及び菓子類を製造中又は保管中に不可避的に混入する微量の乳化剤を含んでいても構わない。
ここで、乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグルセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。
本発明において、「実質的に乳化剤を含有しない」の具体的な基準としては、乳化剤の含有量が、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であることを意味している。
本発明のケーキ生地用気泡安定剤は、ペクチン以外に、本発明の奏する効果を阻害しない範囲で、一般的にケーキ用気泡安定剤に使用される、その他の食品や食品添加物を含むことができる。このような成分としては、例えば、油脂、卵類、穀粉類、糖類、澱粉類、食物繊維、無機塩及び有機酸塩、乳製品、乳や卵、大豆由来のタンパク素材、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、グアーガムやキサンタンガム、タマリンドガムなどの増粘多糖類、加工澱粉、メチルセルロースやカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類、酸化防止剤、着色料、保存料、pH調整剤等を挙げることができる。また、ケーキ生地用気泡安定剤は、その形態は問わないが、例えば、粉末のペクチンを用いることができ、溶媒に溶解して水溶液とすることができ、さらに油脂を含有した乳化物とすることができ、また乾燥させて粉末とすることができる。
本発明のケーキ生地用気泡安定剤は、オールインミックス法で製造されるケーキに用いる。オールインミックス法とは、原料を全てミキサー等に入れて混合する混合方法のことをいう。この場合、原料をミキサー等に入れる順序は問わない。また、全ての原料を混合する前に、一部の原料のみで軽く撹拌し原料をなじませる場合もあるが、それが卵類による十分な起泡を伴わないのであれば、本発明におけるオールインミックス法とする。
ケーキ生地の主原料としては、全卵、卵黄、卵白等の卵類、小麦粉、薄力粉、中力粉、米粉等の穀紛類、上白糖、グラニュー糖、紛糖等の糖類、コーン油、大豆油、菜種油、パーム油、乳脂肪、バター等の油脂、生乳、牛乳、脱脂乳等の乳製品、コーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉等の澱粉類、チョコレート、ココアパウダー、アーモンドプードル、ベーキングパウダー等の膨張剤、キサンタンガム、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。本発明においては、卵類、穀粉類が必須の原料である。
また、ケーキ生地の副原料としては、イースト、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、香料、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等のチーズ類、アルコール、フルーツ、野菜、ハーブ、スパイス、食塩、保存料、ビタミン、カルシウム、蛋白質、アミノ酸等が挙げられる。
本発明におけるケーキ生地の製造方法としては、実質的に乳化剤を含有しないケーキ原料と、上記ケーキ生地用気泡安定剤とを、オールインミックス法によって混合して生地を作成する混合工程と、得られた生地を強制発泡機を用いて起泡させる起泡工程を含む工程により作ることができる。
混合工程では、材料を均一に混合することができるミキサー等を用いて、上記ケーキ原料とケーキ生地用気泡安定剤とを混合する。用いるミキサーとしては、特に限定されないが、縦型ミキサー、横型ミキサー、スラリーミキサー、加圧式ミキサー等を用いることができる。
起泡工程では、液体に気体を均一に混合分散することができる強制発泡機を用いて、混合工程で得られた生地を起泡させる。このように、液体に気体を均一に混合分散し、生地を起泡させ、生地に気泡を含有させることで、柔軟性のあるスポンジ状の組織や、多孔質の組織を形成させることができる。用いる強制発泡機としては、特に限定されないが、モンドミキサー、オークスミキサー、ターボミックス等に代表される、配管中で気体を混合し、機械的に撹拌する連続ミキサーや、加圧下で高速混合することにより空気を多量に含ませる加圧式ミキサー等を用いることができる。大気圧下で雰囲気中の空気を混合しながら起泡させる縦型ミキサー、横型ミキサー、スラリーミキサー等は、本発明における強制発泡機に含まれない。
上記混合工程と起泡工程は同時に行うことができるが、より均一な生地を作成するためには、混合工程を行った後、強制発泡機を用いて混合、及び起泡する起泡工程を行うことが好ましい。
オールインミックス法を用いる本発明のケーキ生地の製造方法において、上記強制発泡機を用いた起泡工程を含まない場合には、ケーキ生地の気泡が安定せず、生地の脱泡や分離が起こり、得られたケーキ生地より得られるケーキの内相が不均一となりメが粗くなったり、ソフトさに欠ける食感となる。
上記ケーキ生地の製造方法においては、混合工程において、前記生地中の前記ペクチンの含量が好ましくは0.01~0.3質量%、より好ましくは0.02~0.3質量%、更に好ましくは0.03~0.3質量%、最も好ましくは0.04~0.25質量%となるように、ケーキ生地用気泡安定剤を添加する。つまり、本発明のケーキ生地においては、前記ペクチンを好ましくは0.01質量%~0.3質量%、より好ましくは0.02質量%~0.3質量%、更に好ましくは0.03~0.3質量%、最も好ましくは0.04~0.25質量%含有する。ペクチンの添加量や含有量が0.01質量%未満であると、生地中の気泡が安定せずに脱泡したり、生地が離水や分離したりすることにより、加熱処理により得られたケーキの内相が不均一となりメが粗くなったり、ソフトさに欠ける食感となる傾向にあり、添加量や含有量が0.3質量%を超えると、加熱処理により得られたケーキがくちゃついた食感となる傾向にある。
本発明のケーキは、ケーキ生地を目的にあったケーキ型に流し入れたり、鉄板上に一定の厚さとなるように流し入れたりして、オーブンや蒸し器で加熱処理等することによって得ることができる。こうして得られるケーキとしては、スポンジケーキ(シフォンケーキ、バタースポンジ、カステラ、エンゼルケーキ等)、バウムクーヘン、生地をホイップするタイプの蒸しケーキ等が挙げられる。
本発明の菓子類は、上記ケーキに、例えばクリーム類(生クリーム、ホイップクリーム、バタークリーム、カスタードクリーム等)、バター、ジャム、及び果物等を挟んだり載せたりして、得ることができる。この場合、ケーキ以外の原料も実質的に乳化剤を含まないことが好ましく、また、本発明の菓子類の10質量%以上が上記ケーキであることが好ましい。
本発明の菓子類は、上記ケーキ以外のケーキを併せて用いても構わないが、上記ケーキ以外のケーキも実質的に乳化剤を含まないことが好ましい。また、使用するケーキの50質量%以上が上記ケーキであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
1.ゲル化性テスト及び離水テスト
(1)ゲル化性テスト
100mL容量の蓋付きのプラスチック容器に、表1に示した4質量%のペクチン溶液8g及び蒸留水32mLを入れて攪拌した。これに上白糖40g加え、攪拌して溶解した。更に、これに0.014mol/L塩化カルシウム溶液20mLを加えて、ボルテックスミキサーを用いて最高速で30秒間攪拌した。この混合物を25℃の温水槽で10分間保持した後、再度ボルテックスミキサーの最高速で30秒間攪拌した。内容物について、ブルックフィールド粘度計(No.2スピンドル)を用いて、60rpmで粘度を測定した。
ただし、ペクチン(OF445C)は粘度が高いため、No.2スピンドルの代わりに、S3スピンドルを用いて測定した。
なお、同様に、一般的にケーキ用気泡安定剤として用いられているキサンタンガム、グアーガムについても4質量%水溶液の調製を試みたが、粉末が十分に水に分散せず、ペクチンと同条件でのゲル化性テストを行うことはできなかった。
(2)離水テスト
5コートのミキサーボウルに、4質量%のペクチン溶液20g、蒸留水20g、上白糖240g、及び殺菌卵280g(20℃)を投入し、ホバートミキサーで3速で2分間、2速で5分間攪拌し、起泡させた。このうち200gを500mLの分液漏斗に入れ、25℃の雰囲気化に放置し、30分後、60分後に離水しているか確認した。
又、蒸留水40gに0.8gのキサンタンガム、又はグアーガムを混合、分散(十分でない)させ、上白糖240g、及び殺菌卵280g(20℃)を投入し、同様の手順で離水テストを行った。
(3)結果
結果を表1に示した。離水テストで、離水を目視で確認できたものを×、離水を目視で確認できなかったものを○とした。
Figure 0007255979000001
表1にあるように、キサンタンガム(比較例1)やグアーガム(比較例2)、ゲル化性が200cP未満であるペクチン(比較例3、4)を使用した場合、実施例1~5と比較しても、離水しやすいことがわかった。
ゲル化性が200cP以上であるペクチン(実施例3~4)を使用した場合、離水は30分後にもおこらず、300cP以上(実施例2~4)の場合、離水は60分後にもおこらないことがわかった。
2.ケーキ生地及びケーキの製造
(1)ケーキ生地及びケーキの製造
殺菌卵180g、上白糖110g、薄力粉100g、ベーキングパウダー1g、コーン油10g、及び脱脂粉乳1.5gに、表2に示した量のキサンタンガム(比較例6)、グアーガム(比較例7)、又はペクチン(比較例8,9、実施例5~11)をオールインミックス法で混合した。ただし、キサンタンガム、グアーガムはダマになるのを避ける目的でコーン油に分散させて添加し、さらに14.4gの水を添加した。ペクチンについては4質量%水溶液を、表2の添加量となるように添加した。得られた生地をモンドミキサーを用いて起泡させ、スポンジケーキ生地を得た。
更に、このケーキ生地を6号デコ型に350g流し入れてオーブンで170℃で40分前後焼成し、スポンジケーキを得た。
(2)評価
上記で得たケーキの焼成前の生地について、脱泡の有無、分離の状態について評価した。脱泡の有無については、生地表面の脱泡による穴の有無を観察し、「脱泡がみられない」ものについて〇、「わずかに脱泡がみられる」ものについて△、「明らかな脱泡がみられる」ものについて×とした。分離の状態については、生地表面に現れる縞模様を指標とし、「縞模様のみられない」ものについて○、「縞模様がわずかにみられる」ものについて△、「明らかな縞模様がみられる」ものについて×とした。
また、上記得たケーキ(焼成後)について、ボリュームを体積測定器(商品名「Volscan profiler 600」、Stable Micro Systems製)により、食感(ソフトさ、くちゃつき)については官能試験により評価した。官能試験は、訓練されたパネル10名がケーキを食べ、以下の基準で評価して点数をつけ、10名の平均点を求めた。
(ソフトさ)
-2点:比較例1よりもかなり劣る
-1点:比較例1より劣る
0点:比較例1と同等
1点:比較例1よりもソフト
2点:比較例1よりもかなりソフト
(くちゃつき)
-2点:比較例1よりもかなりくちゃつく
-1点:比較例1よりくちゃつく
0点:比較例1と同等
1点:比較例1よりもくちゃつかない
2点:比較例1よりもかなりくちゃつかない
(3)結果
結果を図1~3、及び表2に示した。
Figure 0007255979000002
表2にあるように、気泡安定剤を使用しない生地(比較例5、図1)では、明らかな脱泡や縞模様がみられるものであった。キサンタンガムを使用した生地(比較例6、図1)では、縞模様はみられないものの明らかな脱泡がみられ、また、その生地を焼成したケーキの内相は、メが不均一で粗いものであった。グアーガムを使用した生地(比較例7、図1)、ゲル化性が200cP未満であるペクチンを使用した生地(比較例8,9、及び図1)では、わずかな脱泡と明らかな縞模様がみられ、またその生地を焼成したケーキの内相は、メが不均一で粗いものであったり、メが詰まっているものであった。また、キサンタンガムを使用した生地(比較例6、図1)、グアーガムを使用した生地(比較例7、図1)では、くちゃつきが感じられた。ゲル化性が200cP未満であるペクチンを使用した生地(比較例8,9、及び図1)では、ややくちゃつく傾向がみられた。
ゲル化性が200cP以上であるペクチン(実施例5~11、図2)を使用した生地では、脱泡や分離の状態はわずかにみられるものか、みられないものであり、また、その生地を焼成したケーキはソフトな食感であった。

Claims (6)

  1. クチンを含有し、実質的に乳化剤を含有しないケーキ生地であって、
    前記ペクチンを0.01~0.3質量%含有し、
    前記ペクチンは、0.8質量%の前記ペクチン溶液40gと、上白糖40gと、0.014mol/L塩化カルシウム溶液20mLとを25℃にて攪拌して混合し、該混合物の粘度を測定した場合に200cP以上2000cP以下の粘度を示すことを特徴とする、スポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキ生地。
  2. 請求項に記載のケーキ生地を用いることを特徴とする、スポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキ。
  3. 請求項に記載のスポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキを有し、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする菓子類。
  4. ペクチンを含有し、実質的に乳化剤を含有しないケーキ原料を、オールインミックス法によって混合して生地を作成する混合工程と、得られた生地を強制発泡機を用いて起泡させる起泡工程を含み、前記ペクチンは、0.8質量%の前記ペクチン溶液40gと、上白糖40gと、0.014mol/L塩化カルシウム溶液20mLとを25℃にて攪拌して混合し、該混合物の粘度を測定した場合に200cP以上2000cP以下の粘度を示し、前記ケーキ生地中に0.01~0.3質量%含有されることを特徴とする、スポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキ生地の製造方法。
  5. 請求項の製造方法により得られるケーキ生地を加熱処理することを特徴とする、スポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキの製造方法。
  6. 請求項の製造方法により得られる、スポンジケーキ、バウムクーヘン及び蒸しケーキから選ばれたケーキを用いて菓子類を製造する、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とする菓子類の製造方法。
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