JP7255761B1 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

コイルの全幅及び全長にわたって、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得るための製造方法を提供する。C、Si、Mn、Ti、Al、Nを含有し、さらにS及びSeのうちいずれか1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1300℃以上にスラブ加熱し、熱間圧延を施して熱延板とし、熱延板に熱延板焼鈍を施しもしくは施すことなく、任意で中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施して冷延板とし、冷延板に、脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板とし、脱炭焼鈍板の表面に焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得る、方向性電磁鋼板の製造方法において、熱間圧延における仕上圧延の総圧下率を83%以上とし、かつ1回目の冷間圧延の総圧下率を50%以上とし、脱炭焼鈍前の冷延板の表面にSiを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.1mg/m2以上7.0mg/m2以下付着させる、方向性電磁鋼板の製造方法。

Description

本開示は、方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
電磁鋼板は変圧器やモータ等の鉄心として広く用いられている材料である。電磁鋼板は方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板に大別され、方向性電磁鋼板については鉄の磁化容易軸である<001>方位が、鋼板の圧延方向に高度に揃った集合組織を有していることが特徴的である。かかる集合組織は、仕上焼鈍において二次再結晶を起こさせることで形成される。ここで、上記二次再結晶とは、粒界エネルギーを利用して、いわゆるGoss方位と称される{110}<001>方位の結晶粒を優先的に巨大粒成長させる現象をいう。上記の二次再結晶を生じさせる代表的な技術として、インヒビタと呼ばれる析出物を利用する技術がある。例えば、特許文献1に記載のAlN、MnSを使用する方法、特許文献2に記載のMnS、MnSeを使用する方法等が知られており、工業的に実用化されている。これらのインヒビタを用いる方法は安定して二次再結晶粒を発達させるのに有用である。これらの方法においては、インヒビタを鋼中に微細分散させるために、1300℃以上の高温でのスラブ加熱を行い、インヒビタ成分を一度固溶させることが必要である。
一方、インヒビタ成分を含有しない素材において、Goss方位結晶粒を二次再結晶により発達させる技術が特許文献3等で開示されている。これは、インヒビタ成分のような不純物を極力排除する事で、一次再結晶時の結晶粒界が持つ粒界エネルギーの粒界方位差角依存性を顕在化させ、インヒビタを用いずともGoss方位を有する粒を二次再結晶させる技術であり、その効果をテクスチャーインヒビション効果と呼んでいる。この方法では、インヒビタの鋼中微細分散が必要ではないため、必須であった高温スラブ加熱も必要としないことなど、製造面でインヒビタを利用する方法に対するメリットを有する。
特公昭40-15644号公報 特公昭51-13469号公報 特開2000-129356号公報
本発明者らは、インヒビタを利用する成分系を用いて方向性電磁鋼板を製造するにあたり、製品板の被膜外観において、数mmピッチの縞模様が発生することがあり、縞模様が発生した場所では被膜密着性が劣化することを独自に知見した。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、コイルの全幅及び全長にわたって、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得るための製造方法について提案するものである。
本発明者らは、鋭意検討によって、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率を高くし、かつ、脱炭焼鈍前に冷延板表面にSi化合物を付着させることで、被膜密着性が良好となることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1] 質量%で、
C:0.01%以上0.10%以下、
Si:2.0%以上4.0%以下、
Mn:0.01%以上0.30%以下、
Ti:0.010%以下、
Al:0.010%以下及び
N:0.0050%以下を含有し、さらに
S及びSeのうちいずれか1種または2種を合計で0.005%以上0.10%以下含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1300℃以上にスラブ加熱し、熱間圧延を施して熱延板とし、
次いで、前記熱延板に熱延板焼鈍を施しもしくは施すことなく、任意で中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施して冷延板とし、
次いで、前記冷延板に、脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板とし、
次いで、前記脱炭焼鈍板の表面に焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得る、方向性電磁鋼板の製造方法において、
前記熱間圧延における仕上圧延の総圧下率を83%以上とし、かつ1回目の前記冷間圧延の総圧下率を50%以上とし、
前記脱炭焼鈍前の前記冷延板の表面にSiを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.1mg/m以上7.0mg/m以下付着させる、方向性電磁鋼板の製造方法。
[2] 前記脱炭焼鈍を前段焼鈍と後段焼鈍とに分け、
前記前段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.3以上0.7以下、
前記後段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.005以上0.2以下の焼鈍雰囲気にて行う、前記[1]に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
[3] 前記熱間圧延では、前記スラブ加熱後、前記鋼スラブに1100℃以上1300℃以下で1パス以上の粗圧延を施し、続いて800℃以上1100℃以下で2パス以上の仕上圧延を施し、巻取り温度を400℃以上750℃以下とし、
前記熱延板焼鈍では、熱延板を、800℃以上1250℃以下で5秒以上保持した後、800℃から350℃までの平均冷却速度を5℃/s以上100℃/s以下として冷却し、
前記冷間圧延の総圧下率を50%以上92%以下とし、かつ各回の前記冷間圧延の総圧下率を50%以上92%以下とし、
前記中間焼鈍では、800℃以上1250℃以下の温度域で5秒以上保持した後、800℃から350℃までの平均冷却速度を5℃/s以上100℃/s以下として冷却し、
前記脱炭焼鈍では、HとNとを含む雰囲気にて、前記冷延板を750℃以上950℃以下にて10秒以上保持し、
前記仕上焼鈍前に、MgOを含む前記焼鈍分離剤を前記脱炭焼鈍板の表面に片面当たり2.5g/m以上塗布し、
前記仕上焼鈍では、800℃以上の温度範囲内の少なくとも一部における雰囲気がHを含む条件にて、前記脱炭焼鈍板を1050℃以上1300℃以下で3時間以上保持する、前記[1]又は[2]に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
[4] 前記成分組成は、さらに質量%又は質量ppmで、
Ni:0%以上1.50%以下、
Cr:0%以上0.50%以下、
Cu:0%以上0.50%以下、
P :0%以上0.50%以下、
Sb:0%以上0.50%以下、
Sn:0%以上0.50%以下、
Bi:0%以上0.50%以下、
Mo:0%以上0.50%以下、
B :0ppm以上25ppm以下、
Nb:0%以上0.020%以下、
V :0%以上0.010%以下及び
Zr:0%以上0.10%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、前記[1]から[3]のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
[5] 前記成分組成は、さらに質量%で、
Co:0%以上0.050%以下及び
Pb:0%以上0.0100%以下からなる群から選ばれる1種または2種を含有する、前記[1]から[4]のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
[6] 前記成分組成は、さらに質量%で、
As:0%以上0.0200%以下、
Zn:0%以上0.020%以下、
W:0%以上0.0100%以下
Ge:0%以上0.0050%以下及び
Ga:0%以上0.0050%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、前記[1]から[5]のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、コイルの全幅及び全長にわたって、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得ることができる。
熱間圧延仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率と、被膜密着性との関係を示す図である。 脱炭焼鈍前のSi化合物の付着量と被膜密着性との関係を示す図である。 図2の点線で囲った部分を拡大して示した図である。
本発明は、前記課題を解決するために、熱間圧延や冷間圧延の総圧下率を規定し、かつ脱炭焼鈍前の鋼板表面にSiを含有する化合物を付着させることで、鋼板の被膜ハクリ特性を良好にすることに成功した。
以下、本発明を成功に至らしめた実験について説明する。
<実験1>
質量%で、C:0.051%、Si:3.08%、Mn:0.09%、Se:0.020%、Ti:0.002%、Al:0.002%、N:0.0007%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1400℃の温度にスラブ加熱し、粗圧延及び仕上圧延からなる熱間圧延を施して熱延板を得た。粗圧延後の板厚は15~40mm厚の間で種々変更し、さらに仕上圧延により2.0~3.3mmに仕上げた。仕上圧延の総圧下率は、78.0%から95.0%の範囲であった。次いで、熱延板表面のスケールを酸洗で除去した後、1回目の冷間圧延にて0.60から1.8mmの種々の板厚を作製した。1回目の冷間圧延の総圧下率は10.0%から81.8%であった。次いで、1020℃で100秒間の中間焼鈍を施し、その後2回目の冷間圧延を行い、板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。引き続いて、電解脱脂を兼ねて、5%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で該冷延板に電解処理を行って、鋼板表面にSi化合物を片面当たり2.0mg/m付着させた。次いで、850℃×120秒、50%H+50%N、露点60℃にて脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板とした。次いで、脱炭焼鈍板の表面に固形分換算で85質量%以上のMgOを含む焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃で5時間、H雰囲気下で保持する仕上焼鈍を施して、方向性電磁鋼板を得た。得られた方向性電磁鋼板からサンプルを切り出して、被膜密着性を評価した。被膜密着性は、サンプルを種々の直径を有した円筒に巻き付けて、被膜が剥がれない最小径で評価した。この最小径が小さいほど被膜密着性が優れることを表す。巻き付ける方向はサンプルの圧延方向とした。すなわち、サンプルの圧延方向が円弧を描くように巻き付けた。熱間圧延仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率と、被膜密着性との関係を図1に示す。図1から明らかなように、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率が83%以上で、かつ1回目の冷間圧延の総圧下率が50%以上であれば、優れた被膜密着性を得ることができることがわかった。
<実験2>
質量%で、C:0.070%、Si:3.41%、Mn:0.15%、Se:0.015%、Ti:0.001%、Al:0.001%、N:0.0008%、Sb:0.042%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1400℃の温度にスラブ加熱し、粗圧延及び仕上圧延からなる熱間圧延を施して熱延板を得た。粗圧延後の板厚を35mm厚とし、さらに仕上圧延により2.5mmに仕上げた。仕上圧延の総圧下率は92.9%であった。次いで、熱延板表面のスケールを酸洗で除去した後、1回目の冷間圧延にて0.72mmの板厚とした。1回目の冷間圧延の総圧下率は71.2%であった。次いで、925℃で100秒の中間焼鈍を施し、その後2回目の冷間圧延を行い、板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。引き続いて、電解脱脂を兼ねて、3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って、冷延板表面にSi化合物を付着させた。この際、Si化合物の付着量は、0mg/mの付着無しを含む、種々の条件とした。その後、Si化合物を付着させた後の冷延板に、850℃×120秒、50%H+50%N、露点64℃にて脱炭焼鈍を施し、脱炭焼鈍板とした。次いで、脱炭焼鈍板表面に、固形分換算で85質量%以上のMgOを含む焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃で10時間、H雰囲気下で保持する仕上焼鈍を施して、方向性電磁鋼板を得た。得られた方向性電磁鋼板からサンプルを切り出して、被膜密着性を評価した。被膜密着性は、サンプルを種々の直径を有した円筒に巻き付けて、被膜が剥がれない最小径で評価した。また、脱炭焼鈍前の冷延板のSi付着量を、蛍光X線分析装置を用いて測定した。蛍光X線分析装置を用い、予め検量線を作製し、該検量線に基づいてSi付着量を算出した。検量線の作製においては、Si付着処理を行わなかった方向性電磁鋼板における蛍光X線分析結果をSi付着量ゼロとした。脱炭焼鈍前のSi化合物の付着量と被膜密着性との関係を図2に示す。また、図2の点線で囲った部分を拡大して図3に示す。図2,3から明らかなように、脱炭焼鈍前の冷延板の表面にSiを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.1mg/m以上7.0mg/m以下付着させることで、優れた被膜密着性を得ることができることがわかった。
上記実験1及び2の結果をまとめると、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率を高くし、かつ、脱炭焼鈍前に冷延板表面にSi化合物を付着させることで、被膜密着性が良好となることが明らかとなった。これらの理由については明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。
本実験で被膜密着性が良好であったサンプル(良好サンプル)と不良であったサンプル(不良サンプル)とで製品板外観を比較すると、明らかな差異が認められた。すなわち、良好サンプルは外観が均一で色ムラがほとんど認められないのに対し、不良サンプルは板幅方向数mmピッチで圧延方向に伸びた縞模様が認められた。縞模様が発生した原因を調査するために、中間焼鈍後の冷延板を観察した。その結果、不良サンプルの中間焼鈍後の冷延板においては、ほぼ同ピッチでリジングが発生していたことを突き止めた。リジングは鋼板表面の凹凸であり、鋼板の結晶方位と関連性が高いことが知られている。このリジングは、良好サンプルの条件でも発生が認められていたが、不良サンプル条件と比較して良好サンプルの条件の鋼板では明らかに凹凸が小さかった。凹凸が被膜密着性に及ぼす影響を推測すると、中間焼鈍の次工程は2回目の冷間圧延であることから、この凹凸が冷間圧延後の表面の粗度に影響を及ぼすことが考えられる。すなわち、2回目の冷間圧延において、凸部が選択的に圧延ロールに接触するため、表面がフラットになり粗度が比較的小さくなると考えられる一方、凹部は凸部からの素材の倒れこみなどで比較的粗度が高くなる可能性が考えられる。つまり、2回目の冷間圧延でリジングの様な凹凸が解消されてフラットな形状が確保されていても、粗度の低い個所と高い個所とが交互に配列されて縞模様を形成している可能性がある。この粗度の差は、脱炭焼鈍での鋼板表面のサブスケール形成に影響を及ぼすと推測される。すなわち、サブスケールの構造が縞模様状に変化しており、これが仕上焼鈍時の被膜形成に影響を及ぼすことで、製品板に縞模様が発生したと考えられる。サブスケール構造は、被膜外観のみならず、アンカーと呼ばれる、被膜が地鉄に食い込む形状の形成にも影響を及ぼす。このアンカー形状が発達していれば被膜密着性は良好となる一方、アンカー形成が乏しければ被膜密着性が劣化することが知られている。本実験では、脱炭焼鈍後は、縞模様状にサブスケール構造が異なっていると考えられているが、製品板でのアンカー形状も同様に縞模様状に違いがあると推測され、これが原因で被膜密着性が劣化したと推測される。
上述の通り、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率を高くすることで被膜密着性の劣化を防止できることが、本発明者らの独自の検討により明らかとなった。これは、圧下率を高めて鋼板に導入される歪量を増加させることで、動的及び静的な再結晶を促進させて、様々な結晶方位を有する粒を発生させ、鋼板の凹凸、いわゆるリジングの発生を大幅に抑制できたためと考えられる。
ただし、被膜密着性が良好であったサンプルにおいても中間焼鈍後に若干の凹凸が認められた。そのため、上記圧下率の規定だけでは不十分であり、脱炭焼鈍前にSi化合物を付着させることも必要である。脱炭焼鈍前にSi化合物を付着させることで、サブスケール構造の違いが被膜形成に及ぼす影響を緩和させることができ、被膜密着性の劣化を効果的に防止したと考えられる。つまり、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率及び1回目の冷間圧延の総圧下率を高めて中間焼鈍後の鋼板表面の凹凸をある程度抑制し、さらにサブスケールの主成分であるシリカと同類のSi化合物を付与させることで、その凹凸に起因する粗度変化が与えるサブスケール構造変化を効果的に抑制し、被膜密着性の劣化を防止できたと考えられる。なお、この発明において使用するSi化合物には、実質的にSi、O、HあるいはSi、Oからなり、すなわち、SiOで表されるシリカ又はこれにHOが結合した化合物等が該当する。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。まず、鋼板の成分組成の適正範囲及びその限定理由について説明する。なお、以下の説明において、鋼板の成分元素の含有量を表す「%」は、特に明記しない限り「質量%」を意味する。「ppm」は、特に明記しない限り、「質量ppm」を意味する。また本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
C:0.01%以上0.10%以下
C量が0.10%を超えると、脱炭焼鈍後に磁気時効が生じるおそれがある。一方、C量が0.01%に満たないと二次再結晶粒が粗大になり鉄損の増大や曲げ加工性の劣化を引き起こす。従って、Cは0.01%以上0.10%以下に限定する。C量は、好ましくは0.03%以上とする。また、C量は、好ましくは0.06%以下である。
Si:2.0%以上4.0%以下
Siは鋼の比抵抗を高め、鉄損を改善させるために必要な元素であるが、2.0%未満であると効果がなく、4.0%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化することから、Si量は2.0%以上4.0%以下に限定する。Si量は、好ましくは3.0%以上とする。Si量は、好ましくは3.6%以下である。
Mn:0.01%以上0.30%以下
MnはMnSやMnSeをインヒビタとして利用するために必要な元素であるが、0.01%未満であるとインヒビタ量が少なくなり磁気特性が劣化し、0.30%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化する。よって、Mn量は0.01%以上0.30%以下とする。Mn量は、好ましくは0.03%以上とする。Mn量は、好ましくは0.20%以下、より好ましくは0.15%以下である。
Ti:0.010%以下
Al:0.010%以下
N:0.0050%以下
また、TiやAlは窒化物を形成し、MnS及びMnSeのインヒビタとしての効果を損ね、磁気特性を劣化させることから、Ti:0.010%以下、Al:0.010%以下、N:0.0050%以下とする。好ましくは、Ti、Al、Nは、各々0.0020%以下である。ただし、これらの元素を低減することはコスト増大の可能性があるため、上記範囲内で残存しても問題ない。これらの元素は少ないほど好ましく、0%であってもよいが、コスト低減の観点から、好ましくはTi及びAlはそれぞれ0.001%以上、Nは0.0005%以上とする。
S及びSeのうちいずれか1種または2種を合計で0.005%以上0.10%以下
S及びSeは、Mnと結合してインヒビタとなるMnS及びMnSeを形成する。しかしながら、単独もしくは合計で0.005%に満たないと、その効果が十分に得られない。一方、0.10%を超えると、スラブ加熱で十分に固溶させることができなくなり、鋼中への微細分散が達成されず、磁気特性を大きく劣化させる。よって、S及びSeの含有量は、合計で0.005%以上0.10%以下の範囲とする。好ましくは0.010%以上であり、また0.040%以下である。
以上、本発明の基本成分について説明してきたが、本発明ではその他にも以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
磁気特性を向上させる目的で、Ni:0%以上1.50%以下、Cr:0%以上0.50%以下、Cu:0%以上0.50%以下、P:0%以上0.50%以下、Sb:0%以上0.50%以下、Sn:0%以上0.50%以下、Bi:0%以上0.50%以下、,Mo:0%以上0.50%以下、B:0ppm以上25ppm以下、Nb:0%以上0.020%以下、V:0%以上0.010%以下、Zr:0%以上0.10%以下からなる群から選ばれる少なくとも1種を単独または複合して添加することができる。これら元素の添加量を上記上限量以下とすることで、二次再結晶粒の発達が抑制されることを防ぎ、特に良好な磁気特性を得ることができる。なお、磁気特性をより向上する観点からは、Ni:0.01%以上、Sb:0.005%以上、Sn:0.005%以上、Cu:0.01%以上、Cr:0.01%以上、P:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Nb:0.001%以上、V:0.001%以上、B:0.0002%以上、Bi:0.005%以上及びZr:0.001%以上にて添加するのが好ましい。
被膜密着性を向上する目的で、Co:0%以上0.050%以下及びPb:0%以上0.0100%以下からなる群から選ばれる1種または2種を添加することができる。Co及びPbの添加量が上記上限以下であれば、磁気特性がより好適である。被膜密着性をより向上する観点からは、Co:0.002%以上、Pb:0.0001%以上にて添加するのが好ましい。
磁気特性を向上するため、また被膜密着性をより向上する目的で、As:0%以上0.0200%以下、Zn:0%以上0.020%以下、W:0%以上0.0100%以下、Ge:0%以上0.0050%以下及びGa:0%以上0.0050%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を添加することができる。各々、上記上限以下であれば、磁気特性がより好適である。被膜密着性をより向上する観点からは、As:0.0010%以上、Zn:0.001%以上、W:0.0010%以上、Ge:0.0001%以上及びGa:0.0001%以上にて添加するのが好ましい。
次に、本開示の方向性電磁鋼板の製造条件について説明する。
まず、上述した成分組成を有する溶鋼を用いて鋼スラブを製造する。鋼スラブの製造方法は特に限定されず、通常の造塊法及び連続鋳造法で鋼スラブを製造してもよいし、100mm以下の厚さの鋼スラブを直接鋳造法で製造してもよい。これら鋼スラブを、通常の方法でスラブ加熱した後熱間圧延を施す。鋳造後加熱せずに直ちに熱間圧延を施してもよい。
熱間圧延前に、鋼スラブを1300℃以上にスラブ加熱する。鋼スラブを1300℃以上にスラブ加熱することで、インヒビタ成分を十分に固溶させることができる。なお、スラブ加熱温度は、スラブ表面温度を基準とする。
次いで、加熱後の鋼スラブに熱間圧延を施して熱延板とする。上述した理由から、熱間圧延の仕上圧延の総圧下率は83%以上とする必要がある。熱間圧延の仕上圧延の総圧下率を83%以上とすることで、被膜密着性を高め、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得ることができる。熱間圧延の仕上圧延の総圧下率は、好ましくは87%以上、より好ましくは90%以上とする。熱間圧延の仕上圧延の総圧下率の上限は特に限定されないがコストの観点から96%以下とすることが好ましい。なお、熱間圧延のパス数及び各パスにおける圧下率は特に限定されない。
熱延板の組織制御の観点から、好ましくは、1100℃以上、また好ましくは1300℃以下で1パス以上の粗圧延を施す。続いて、800℃以上、また1100℃以下で2パス以上の仕上圧延を施すことが、熱延板の組織制御の観点で好ましい。また、巻取り温度を400℃以上とし、また750℃以下とすることが炭化物の組織制御と割れ等の欠陥防止の両方の観点で好ましい。巻取り温度は、より好ましくは500℃以上であり、また700℃以下である。なお、熱間圧延における温度、及び巻取り温度は、巻取り直前の鋼板表面を基準とする。
次いで、熱延板に対して、任意で熱延板焼鈍を施すことができる。熱延板焼鈍を施すことで組織の均一化がはかれ、磁気特性のばらつきを小さくすることが可能となる。組織を均一化する観点から、熱延板焼鈍の焼鈍条件は800℃以上、また1250℃以下で5秒以上の保持とすることが好ましい。熱延板焼鈍の焼鈍条件は、より好ましくは900℃以上、また1150℃以下で、10秒以上、また180秒以下の保持とする。上記温度域における保持後の冷却においては、800℃から350℃までの温度域で5℃/s以上、また100℃/s以下の平均冷却速度とすることが、第二相や析出物の形態制御の観点で好ましい。上記温度域における保持後の冷却においては、より好ましくは、800℃から350℃までの温度域での平均冷却速度を15℃/s以上とし、また45℃/s以下とする。
次いで、冷間圧延に先立って、任意で熱間圧延時に生成した表面のスケールを除去する。スケールを除去する手法は特に限定されず、加熱された酸を使用する方法(酸洗)や、機械的にスケールを除去する方法など、公知の方法でよい。
任意でスケールを除去した後、任意で中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施して、最終板厚を有する冷延板とする。1回目の冷間圧延では、その総圧下率を50%以上とすることが上述の理由により必須である。1回目の冷間圧延の総圧下率を50%以上とすることで、被膜密着性を高め、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性電磁鋼板を得ることができる。1回目の冷間圧延の総圧下率は、好ましくは53%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上とする。1回目の冷間圧延の総圧下率の上限は特に限定されないが、圧延負荷を低減する観点で92%以下とすることが好ましい。なお、冷間圧延では、圧延荷重を低減し、圧延形状をより良好にするため、圧延油等の潤滑剤を使用することが好ましい。
1回目の冷延圧延後、任意で中間焼鈍を行なう。中間焼鈍では、800℃以上1250℃以下の温度域で5秒以上保持することが好ましい。中間焼鈍の焼鈍温度を800℃以上とすることで再結晶粒が過度に細かくなることを防ぎ、一次再結晶組織においてGoss方位結晶粒の核を良好に成長させ、磁気特性をより向上することができる。中間焼鈍の温度を1250℃以下とすることで、インヒビタの急激な成長や分解を防ぎ、磁気特性をより向上することができる。
上記温度域における保持後の冷却では、800℃から350℃までの平均冷却速度を5℃/s以上とし、また100℃/s以下とすることが、第二相及び析出物の形態制御の観点で好ましい。より好ましくは、800℃から350℃までの平均冷却速度は、15℃/s以上であり、また45℃/s以下である。なお、中間焼鈍における温度は、鋼板表面を基準とする。
1回目の冷間圧延後、中間焼鈍前には、1回目の冷間圧延時に用いた潤滑剤を除去するために、1回目の冷間圧延後の冷延板表面を脱脂することが好ましい。また、中間焼鈍後は、冷延板表面のスケールを除去することが好ましい。スケールを除去する手法は特に限定されず、加熱された酸を使用する方法(酸洗)や、機械的にスケールを除去するなど、公知の方法でよい。
次いで、任意で中間焼鈍を施した冷延板に対して、さらに1回以上の冷間圧延を施してもよい。複数回の冷間圧延を行う場合は、複数回の冷間圧延の総圧下率を50%以上とし、また92%以下とすることが、組織制御の観点で好ましい。また、複数回の冷間圧延を行う場合、各々の冷間圧延で、総圧下率を50%以上とすることが好ましく、また92%以下とすることが好ましい。
次いで、Siを含有する化合物を表面に付着させるのに先立って、脱脂や酸洗を行い、冷延板表面を清浄化することが好ましい。脱脂や酸洗の条件は常法によることができる。
本発明では、脱炭焼鈍前の冷延板表面に、Siを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.1~7.0mg/mの範囲で付着させることが、上述の理由により必須である。Siを含有する化合物(以下、Si化合物ともいう)は、実質的にSi、O、HあるいはSi、Oからなる。すなわち、SiOで表されるシリカ又はこれにHOが結合した化合物等がSi化合物に該当する。好ましくは、脱炭焼鈍前の冷延板表面に、Siを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.2~6.1mg/m、より好ましくは1~5mg/mの範囲で付着させる。このSi化合物を冷延板表面に付着させる手法としては、例えば、オルト珪酸(HSiO)、メタ珪酸(HSiO)、コロイダルシリカのような水溶状超微粒SiO、及び珪酸アルカリ水溶液中で鋼板を電解処理することなどが挙げられる。
次いで、冷延板に脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板とする。脱炭焼鈍の条件は特に限定されず、常法によることができる。脱炭焼鈍は、750℃以上、また950℃以下の温度域で行うことが脱炭が促進される温度域のため好ましい。また、上記温度域における保持時間は、鋼中のCを十分脱炭させるために10秒以上とすることが好ましい。脱炭焼鈍の上記温度域における雰囲気は、酸化性に影響するHと不活性ガスのNとを含むことが酸化性制御が容易となるため好ましい。さらに、脱炭焼鈍の少なくとも一部にて、露点が20℃以上80℃以下の湿潤雰囲気とすることが好ましい。さらに好ましくは、脱炭焼鈍において、800℃以上900℃以下の温度域にて、露点を40℃以上70℃以下とする。なお、脱炭焼鈍における温度は、鋼板表面を基準とする。
好ましくは、脱炭焼鈍を前段焼鈍と後段焼鈍とに分け、前段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.3以上0.7以下、後段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.005以上0.2以下の焼鈍雰囲気にて行う。このような条件にて脱炭焼鈍を施せば、高酸化性で形成された表面付近のファイアライトの一部がシリカに変化し、被膜密着性がさらに向上する。
次いで、脱炭焼鈍板の表裏両面に焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得る。焼鈍分離剤としては公知の焼鈍分離剤を用いることができる。特にMgOを主体とする焼鈍分離剤を、脱炭焼鈍板の表面に片面当たり2.5g/m以上塗布することが仕上焼鈍時の鋼板同士の融着を完全に防止できるため好ましい。ここで、MgOを主体とするとは、焼鈍分離剤中におけるMgOの含有量が、固形分換算で60%以上であることを意味する。焼鈍分離剤中におけるMgOの含有量は、好ましくは固形分換算で80%以上である。焼鈍分離剤を脱炭焼鈍板の表面に塗布する方法は、特に限定されず、公知の方法によればよい。例えば、焼鈍分離剤はスラリー状で脱炭焼鈍板の表面に塗布されるほか、静電塗装により乾式塗布され得る。スラリー状の焼鈍分離剤を塗布する際は、粘度上昇を抑制するために、スラリー状の焼鈍分離剤は5℃以上30℃以下の一定温度で保持されることが粘度等の液特性の変動を抑え、一定の目付量で塗布できるため好ましい。また、スラリー濃度を均一化するために、スラリー状の焼鈍分離剤について、調合用のタンクと、塗布に供するタンクとを分けることが好ましい。
次いで、焼鈍分離剤を塗布した後に脱炭焼鈍板に仕上焼鈍を施す。これにより、二次再結晶粒を発達させると共にフォルステライト被膜を形成させて、磁気特性に優れる方向性電磁鋼板を得ることが可能である。仕上焼鈍は常法によることができる。一例においては、脱炭焼鈍板をコイル状に巻き取って鋼板コイルとした状態で仕上焼鈍を施す。一般的に仕上焼鈍には長時間費やすために、鋼板コイルはアップエンド(鋼板コイルの中心軸が、地面に対して垂直)の状態で焼鈍されることが好ましい。仕上焼鈍前に鋼板コイルの周囲にバンド等を巻き付けることが好ましい。アップエンドの鋼板コイルの外巻が仕上焼鈍中に巻きほぐれることを防止することができるためである。
仕上焼鈍は二次再結晶を完了させるために800℃以上に昇温させることが好ましく、フォルステライト被膜を形成させる場合は1050℃以上に昇温させることが好ましい。また、インヒビタ成分等を鋼中から純化させて良好な鉄損特性を得るために、仕上焼鈍においては、1100℃以上、また1300℃以下で3時間以上保持することが好ましい。また、仕上焼鈍においては、800℃以上の温度範囲内の少なくとも一部の雰囲気がHを含むことが純化促進及び被膜形成促進の観点で好ましい。
仕上焼鈍後には、付着した焼鈍分離剤を除去するため、水洗やブラッシング、酸洗を行なってもよい。酸洗後の方向性電磁鋼板に、さらに平坦化焼鈍を行い形状を矯正することが、鉄損低減のために有効である。方向性電磁鋼板は鋼板を積層して使用することが多いため、絶縁性を確保するために方向性電磁鋼板の表面に絶縁コーティングを施してもよい。該絶縁コーティングは、鉄損低減のために方向性電磁鋼板に張力を付与できるコーティングが好ましい。平坦化焼鈍前に該絶縁コーティングの液を塗布し、平坦化焼鈍で焼き付けを行ってもよい。他にも、バインダーを介した張力コーティング塗布方法、物理蒸着法、化学蒸着法により無機物を鋼板表層に蒸着させてコーティングする方法を採用してもよい。これらの方法によりコーティングを行えば、コーティング密着性に優れ、かつ著しい鉄損低減効果があるため好ましい。
なお、上記した条件以外の製造条件は、常法によることができる。
(実施例1)
質量%で、C:0.051%、Si:3.08%、Mn:0.09%、Se:0.020%、Ti:0.002%、Al:0.002%、N:0.0010%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1400℃の温度にスラブ加熱し、4パスの粗圧延と6パスの仕上圧延とを施して熱延板とした。その際、粗圧延の最終パスにおける圧延温度を1200℃とし、仕上圧延の最終パスにおける圧延温度を950℃とした。さらに、仕上圧延の総圧下率を表1記載のごとく変更した。次いで、熱延板表面のスケールを酸洗で除去した後、1回目の冷間圧延の総圧下率を表1記載のごとく変更し、次いで1000℃で200秒の中間焼鈍を施した。この中間焼鈍の800℃から350℃までの冷却速度は30℃/sとした。その後、2回目の冷間圧延を行い、板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。2回目の冷間圧延の総圧下率は、67.1~87.2%であった。引き続いて、電解脱脂を兼ねて5%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で種々の条件にて電解処理を行って、脱炭焼鈍前の冷延板表面にSi化合物を付着させた。Si化合物の片面当たりの付着量は、表1に記載のごとく変化させた。なお、Si化合物の付着量は、上述した方法にて決定した。次いで、850℃×120秒、50%H+50%N、露点60℃(雰囲気酸化性P(HO)/P(H)=0.494)にて脱炭焼鈍を施して、脱炭焼鈍板とした。次いで、脱炭焼鈍板の表面に固形分換算で85質量%以上のMgOを含む焼鈍分離剤を片面当たり10.0g/m塗布した後、1200℃で5時間保持する仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得た。仕上焼鈍の雰囲気は、昇温中800℃まではN雰囲気とし、800℃から1050℃までは25%N+75%H雰囲気とし、1050℃以上から1200℃での保持終了までをH雰囲気とし、保持後の冷却時はAr雰囲気とした。
得られた方向性電磁鋼板からサンプルを切り出して、被膜密着性及び磁気特性を評価した。被膜密着性はサンプルを種々の直径を有した円筒に巻き付けて、被膜が剥がれない最小径で評価した。被膜が剥がれない最小径が25mm以下であれば、被膜密着性に優れると判断した。磁気特性は、鉄損W17/50(磁束密度1.7T、50Hz励磁時の鉄損)をJIS C2550-1(2011)記載の方法で測定した。鉄損W17/50が0.900W/kg以下であれば、鉄損特性に優れると判断した。これら被膜密着性及び磁気特性の評価結果を表1に併記する。
Figure 0007255761000001
同表から明らかなように、本発明範囲内の条件では、磁気特性が良好でかつ被膜密着性も良好となることがわかる。
(実施例2)
表2に記載の成分組成を有する鋼スラブを、1425℃の温度にスラブ加熱し、1270℃から粗圧延を4パスで行い、1050℃から仕上圧延を5パスで行う熱間圧延により3.0mmの板厚を有する熱延板に仕上げた。この際、仕上圧延の総圧下率は92.5%であった。次いで、熱延板表面のスケールを酸洗で除去した後、985℃で30秒間の熱延板焼鈍を施した。985℃での保持後、800℃から350℃までの平均冷却速度を70℃/sとして冷却した。次いで、1回目の冷間圧延により、板厚を0.74mmに仕上げた。1回目の冷間圧延の総圧下率は75.3%であった。次いで、1100℃で40秒間の中間焼鈍を施した。1100℃での保持後は、800℃から350℃までの平均冷却速度を20℃/sとして冷却した。その後、2回目の冷間圧延を行い板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。2回目の冷間圧延の総圧下率は68.9%であった。引き続いて電解脱脂を兼ねて2%メタ珪酸ナトリウム水溶液中での電解処理を行って、冷延板表面にSi化合物をSi重量換算で片面当たり1.2mg/m付着させた。次いで、前段を840℃×100秒、54%H+46%N、露点64℃(雰囲気酸化性P(HO)/P(H)=0.578)とし、後段を840℃×20秒、54%H+46%N、露点30℃(雰囲気酸化性P(HO)/P(H)=0.082)とする脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板を得た。次いで、脱炭焼鈍板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を片面当たり6.5g/m塗布した後、1200℃で5時間保持する仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍の雰囲気は昇温中1000℃まではN雰囲気とし、1100℃以上から1200℃の保定終了を経て、冷却時の温度が1000℃までをH雰囲気とし、その後の冷却ではAr雰囲気とした。得られたサンプルの被膜密着性及び磁気特性を実施例1と同様に評価した。被膜密着性及び磁気特性の評価結果を表2に併記する。
Figure 0007255761000002
同表から明らかなように、本発明範囲内の条件では、磁気特性が良好でかつ被膜密着性も良好となることがわかる。
(実施例3)
質量%で、C:0.040%、Si:3.00%、Mn:0.07%、S:0.007%、Se:0.020%、Ti:0.001%、Al:0.002%、N:0.0015%、Mo:0.022%、及びSb:0.035%を含む鋼スラブを、1420℃の温度にスラブ加熱し、1300℃から粗圧延を4パスで行い、1100℃から仕上圧延を5パスで行う熱間圧延により、2.4mmの板厚の熱延板に仕上げた。この際、仕上圧延の総圧下率は93.1%であった。次いで、熱延板表面のスケールを酸洗で除去した後、1回目の冷間圧延により板厚を0.65mmに仕上げた。1回目の冷間圧延の総圧下率は72.9%であった。次いで、1060℃で80秒間の中間焼鈍を施した。1060℃での保持後、800℃から350℃までの冷却速度は40℃/sとして冷却した。その後、2回目の冷間圧延を行い、板厚0.27mmの冷延板に仕上げた。2回目の冷間圧延の総圧下率は58.5%であった。引き続いて、3%オルト系酸ナトリウム水溶液中でブラッシングによる脱脂を行い、次いで5%HCl中で60℃、3秒間の酸洗を行い、さらに3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中での電解処理を行って、冷延板表面にSi化合物をSi重量換算で片面当たり3.5mg/m付着させた。次いで、表3に記載の条件で種々の脱炭焼鈍を施した。次いで脱炭焼鈍板の表面に固形分換算で85質量%以上のMgOを含む焼鈍分離剤を片面当たり4.0g/m塗布した後、1200℃で5時間保持する仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得た。仕上焼鈍の雰囲気は、昇温中900℃まではN雰囲気とし、900℃以上から1200℃の保定終了を経て、冷却時の温度が1000℃までをH雰囲気とし、その後の冷却ではAr雰囲気とした。得られたサンプルの被膜密着性及び磁気特性を実施例1と同様に評価した。本実施例は最終板厚が実施例1と異なるため、板厚依存性が顕著な鉄損W17/50は1.000W/kg以下であれば、鉄損特性に優れると判断した。得られたサンプルの被膜密着性及び磁気特性の評価結果を表3に併記する。
Figure 0007255761000003
同表から明らかなように、本発明範囲内の条件で磁気特性が良好でかつ被膜密着性も良好となることがわかる。また、脱炭焼鈍の前段焼鈍が雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.3以上0.7以下、かつ後段焼鈍が雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.005以上0.2以下の焼鈍雰囲気であれば、特に被膜密着性に優れることがわかった。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.021%以上0.10%以下、
    Si:2.71%以上4.0%以下、
    Mn:0.03%以上0.30%以下、
    Ti:0.010%以下、
    Al:0.010%以下及び
    N:0.0037%以下を含有し、さらに
    S及びSeのうちいずれか1種または2種を合計で0.010%以上0.049%以下含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを、1300℃以上にスラブ加熱し、熱間圧延を施して熱延板とし、
    次いで、前記熱延板に熱延板焼鈍を施しもしくは施すことなく、任意で中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施して冷延板とし、
    次いで、前記冷延板に、脱炭焼鈍を施して脱炭焼鈍板とし、
    次いで、前記脱炭焼鈍板の表面に焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍を施して方向性電磁鋼板を得る、方向性電磁鋼板の製造方法において、
    前記熱間圧延における仕上圧延の総圧下率を83%以上とし、かつ1回目の前記冷間圧延の総圧下率を50%以上とし、
    前記脱炭焼鈍前の前記冷延板の表面にSiを含有する化合物をSi重量換算で片面当たり0.1mg/m以上7.0mg/m以下付着させる、方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記脱炭焼鈍を前段焼鈍と後段焼鈍とに分け、
    前記前段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.3以上0.7以下、
    前記後段焼鈍は雰囲気酸化性P(HO)/P(H)が0.005以上0.2以下の焼鈍雰囲気にて行う、請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記熱間圧延では、前記スラブ加熱後、前記鋼スラブに1100℃以上1300℃以下で1パス以上の粗圧延を施し、続いて800℃以上1100℃以下で2パス以上の仕上圧延を施し、巻取り温度を400℃以上750℃以下とし、
    前記熱延板焼鈍では、熱延板を、800℃以上1250℃以下で5秒以上保持した後、800℃から350℃までの平均冷却速度を5℃/s以上100℃/s以下として冷却し、
    前記冷間圧延の総圧下率を50%以上92%以下とし、かつ各回の前記冷間圧延の総圧下率を50%以上92%以下とし、
    前記中間焼鈍では、800℃以上1250℃以下の温度域で5秒以上保持した後、800℃から350℃までの平均冷却速度を5℃/s以上100℃/s以下として冷却し、
    前記脱炭焼鈍では、HとNとを含む雰囲気にて、前記冷延板を750℃以上950℃以下にて10秒以上保持し、
    前記仕上焼鈍前に、MgOを含む前記焼鈍分離剤を前記脱炭焼鈍板の表面に片面当たり2.5g/m以上塗布し、
    前記仕上焼鈍では、800℃以上の温度範囲内の少なくとも一部における雰囲気がHを含む条件にて、前記脱炭焼鈍板を1050℃以上1300℃以下で3時間以上保持する、請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記成分組成は、さらに、下記A~C群のうちの少なくとも1群の成分を含有する、請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
    A群:質量%又は質量ppmで、
    Ni:0%以上1.50%以下、
    Cr:0%以上0.50%以下、
    Cu:0%以上0.50%以下、
    P :0%以上0.50%以下、
    Sb:0%以上0.50%以下、
    Sn:0%以上0.50%以下、
    Bi:0%以上0.50%以下、
    Mo:0%以上0.50%以下、
    B :0ppm以上25ppm以下、
    Nb:0%以上0.020%以下、
    V :0%以上0.010%以下及び
    Zr:0%以上0.10%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上。
    B群:質量%で、
    Co:0%以上0.050%以下及び
    Pb:0%以上0.0100%以下からなる群から選ばれる1種または2種。
    C群:質量%で、
    As:0%以上0.0200%以下、
    Zn:0%以上0.020%以下、
    W :0%以上0.0100%以下
    Ge:0%以上0.0050%以下及び
    Ga:0%以上0.0050%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上。
  5. 前記成分組成は、さらに、下記A~C群のうちの少なくとも1群の成分を含有する、請求項3に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
    A群:質量%又は質量ppmで、
    Ni:0%以上1.50%以下、
    Cr:0%以上0.50%以下、
    Cu:0%以上0.50%以下、
    P :0%以上0.50%以下、
    Sb:0%以上0.50%以下、
    Sn:0%以上0.50%以下、
    Bi:0%以上0.50%以下、
    Mo:0%以上0.50%以下、
    B :0ppm以上25ppm以下、
    Nb:0%以上0.020%以下、
    V :0%以上0.010%以下及び
    Zr:0%以上0.10%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上。
    B群:質量%で、
    Co:0%以上0.050%以下及び
    Pb:0%以上0.0100%以下からなる群から選ばれる1種または2種。
    C群:質量%で、
    As:0%以上0.0200%以下、
    Zn:0%以上0.020%以下、
    W :0%以上0.0100%以下
    Ge:0%以上0.0050%以下及び
    Ga:0%以上0.0050%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上。
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