以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る店舗システム1の全体構成図である。店舗システム1は、販売対象とする商品の情報を登録するための商品スキャニングから決済処理までを客の操作により実行することが可能なセルフ方式のシステムである。商品スキャニングでは、商品に付された商品コードの読み取りが実行される。
本実施形態における店舗システム1は、店舗サーバ10、複数の会計機20(20-1,…,20-K)、チェックイン端末30、アクセスポイント(AP)50、カメラ60(60-1,…,60-M)を含む。会計機20は、例えば一店舗に複数台(例えば、K台)設置されている。なお、少なくとも1台の会計機20が設置されていれば良い。図1では、チェックイン端末30とアクセスポイント50をそれぞれ1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。カメラ60は、店舗内を移動する客を撮影することが可能な位置に設置される。
カメラ60は、少なくとも1台が設置される。基本的に、カメラ60は、客が移動可能な店舗内を網羅するように配置される。カメラ60は、撮影範囲内に店舗内を移動する客が移動してきた場合に、客が映り込んだ映像を撮影することができる。また、カメラ60は、客が商品を購入するための所定の動作をしたことを確認できる映像が撮影可能とする位置に配置される。従って、カメラ60は、例えば客と商品棚に陳列された商品とが同時に撮影できることが望ましい。さらに、1人の客について、同時に複数のカメラ60により撮影できるように、各カメラ60を設置するようにしても良い。すなわち、異なる方向から複数台のカメラ60により客を撮影することで、客の動作を確認することが困難となる死角を少なくすることができる。
店舗サーバ10、会計機20、チェックイン端末30、アクセスポイント50は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク70に接続されている。
店舗システム1は、客が所有する電子機器40(40-1,…,40-N)をシステムに組み込むことができる。電子機器40は、例えばスマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯型ゲーム端末などである。電子機器40は、店舗システム1に組み込まれた場合、アクセスポイント50と無線通信を行う。また、電子機器40は、店舗内に備えられた商品情報の登録に使用される専用端末としても良い。例えば、電子機器40は、店舗内で使用されるカートに取り付けられ、店舗内専用の端末である。
本実施形態における店舗システム1では、商品情報の登録を、電子機器40を利用して実行しても良いし、会計機20において実行しても良い。また、店舗システム1では、登録された商品情報に対する決済処理を、電子機器40により外部の決済システムにより実行しても良いし、会計機20において実行しても良い。
チェックイン端末30は、店舗の入り口等に設置される。チェックイン端末30は、来店した客を認証して、店舗サーバ10に通知するチェックイン機能を有する。チェックイン端末30による客の認証は、複数の方法の何れか、あるいは複数の方法を組み合わせて実施することができる。例えば、第1の認証方法としては、チェックイン端末30の表示装置(タッチパネル)に店舗固有のコード(例えば2次元コード)を表示させて、電子機器40により読み取らせる方法がある。また、第2の認証方法としては、電子機器40において端末固有の端末コード(例えば、客に固有の識別データである会員IDを含む)を表示させて、チェックイン端末30により読み取らせる方法がある。さらに、第3の認証方法は、電子機器40を使用せずに、客の生体情報を入力して、予め会員登録時に記録された生体認証データと照合して認証する方法などがある。客(会員)を認証するための生体情報としては、例えば顔画像、指紋、音声、虹彩、静脈パターンなどの特徴を示すデータを用いることができる。
電子機器40は、客が購入する商品の情報入力等の操作を客自身で行う機能が実装される。複数の電子機器40は、それぞれ固有の識別情報(端末ID)が設定され、店舗サーバ10において管理される。
店舗サーバ10は、店舗システム1の全体を制御する。本実施形態における店舗サーバ10は、商品の販売管理のためのPOSシステムの機能と、カメラ60から受信される映像について解析をする映像解析システムの機能とを有する。店舗サーバ10は、POSシステムと映像解析システムにより生成されるデータを照合(突合処理)することで、客による商品購入のための操作を煩雑にすることなく、客による操作が正しく実行されているか容易に確認できるようにする。例えば、本実施形態における店舗サーバ10は、客が購入対象として登録した商品情報の数(商品の数)と、客が商品を購入するための所定の動作をした回数とを照合する。客が購入対象として登録した商品情報の数は、POSシステムにより管理される。また、客が商品を購入するための所定の動作をした回数は、映像解析システムにより、客による1取引分の商品購入行動の間に撮影された映像を解析することにより検出される。店舗サーバ10は、照合(突合処理)により客が正しい操作をしていない可能性があると判別される場合に、照合の結果(結果データ(照合情報))を記憶させることができる。客が正しい操作をしていない可能性があると判定される条件には、例えば商品を購入するための所定の動作をした回数が、実際に購入対象として登録された商品の数より多い場合などがある。
店舗サーバ10(POSシステム)は、電子機器40あるいは会計機20において入力された商品コードから客が購入する商品の商品情報を含む取引明細データを作成する。商品の取引明細データには、登録された商品数(商品コードの入力数)のデータを含む。店舗サーバ10は、会計機20において会計がされる場合には、会計する客を特定し、その客が購入した商品の取引明細データを客が会計に使用する会計機20に送信する。なお、取引明細データは、商品コードを入力する電子機器40あるいは会計機20において生成されるようにしても良い。この場合、店舗サーバ10は、電子機器40あるいは会計機20から取引明細データを受信して記憶する。
また、店舗サーバ10(映像解析システム)は、カメラ60により撮影された映像を受信し、この映像をもとに各種の解析処理を実行する。解析処理には、例えば、客の識別、店舗内を移動する客の追跡(トラッキング)、客の動作の検出、客が購入しようとする商品の識別などがある。
客の識別では、例えば、客を撮影した顔画像から特徴データを検出し、事前に客により登録された顔画像の特徴を示す顔認証データ(生体情報)と照合することで客を特定する。客の追跡(トラッキング)では、例えば客の顔画像、客が身につけている洋服やバッグなどの所持品等の色や形状をもとに映像中の客を特定する。店舗サーバ10は、複数のカメラ60から受信された複数の映像のそれぞれについて、客を特定する解析を実行する。店舗サーバ10は、各映像から検出される1人の客を対応づけて管理する。客の動作の検出では、例えば商品棚などに陳列された商品を手に取る、商品棚から取り出した商品を商品棚に戻す、商品を買い物カゴなどに入れる、電子機器40を利用して商品情報を登録するための動作をする、などの各種の動作を検出する。商品の識別では、映像から商品に付された商品コードを読み取る、商品のパッケージのデザインや形状などをもとに商品を特定するなどの解析処理を実行する。
映像解析システムでは、例えば1人の客が1取引分の買い物のために店舗内を移動する間に、客が商品を購入するための所定の動作をした回数を計数する。
なお、本実施形態では、店舗サーバ10において映像解析システムを実現しているが、映像解析システムを店舗サーバ10とは別の装置(映像解析装置)により実現することも可能である。映像解析装置は、例えば、ネットワーク70と接続されたコンピュータにより実現される。映像解析装置は、カメラ60から映像データを受信して、前述したような各種解析処理を実行する。映像解析装置は、解析結果を示すデータを店舗サーバ10に送信する。
図2は、店舗サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信ユニット14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ10では、システム伝送路15に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信ユニット14を接続する。店舗サーバ10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路15とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ11は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。
メインメモリ12は、コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス13は、コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
補助記憶デバイス13には、例えば商品データベース61、会員データベース62が記憶されている。また、補助記憶デバイス13には、複数の取引に対応する取引明細データ63を記憶するための領域、映像解析により生成される映像解析データ64を記憶するための領域、カメラ60から受信された映像データ65、POSシステムと映像解析システムにより生成されるデータを照合した結果を示す結果データ66などを記憶するための領域が設けられる。
商品データベース61には、店舗で販売される商品毎に作成された商品データレコードが記述されている。商品データレコードは、商品ID、商品名、価格等の項目を含む。商品IDは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。商品名及び価格は、その商品IDで特定される商品の名称及び1点当たりの販売価格である。
通信ユニット14は、ネットワーク70を介して接続される会計機20、チェックイン端末30、カメラ60、または電子機器40との間で通信プロトコルに従って行うデータ通信を制御する。
図3は、会計機20の要部回路構成を示すブロック図である。会計機20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信ユニット24、タッチパネル25、プリンタ26、リーダライタ27、人感センサ29、釣銭機210、カメラ211、及びシステム伝送路212を備える。システム伝送路212は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。会計機20では、システム伝送路212に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信ユニット24、タッチパネル25、プリンタ26、リーダライタ27、人感センサ29、カメラ211を接続する。会計機20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路212とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ21は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
メインメモリ22は、コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス23は、コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信ユニット24は、ネットワーク70を介して接続される店舗サーバ10との間で通信プロトコルに従って行うデータ通信を制御する。
タッチパネル25は、会計機20の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル25は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ21に出力する。
プリンタ26は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ26としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
リーダライタ27は、記録媒体に記録されたデータを読み取る機能と、上記記録媒体へデータを書き込む機能とを有する。リーダライタ27は、接触式のリーダライタであってもよいし、非接触式のリーダライタであってもよい。記録媒体は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカード等の決済用カードである。決済用カードと同等の機能を有するスマートフォン等の無線通信機器を記録媒体としてもよい。
人感センサ29は、例えば赤外線、超音波等を利用して、会計機20の前に立つ人の所在を検出する。人の所在を検出すると、人感センサ29はオンする。
釣銭機210は、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また釣銭機210は、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
カメラ211は、例えば、客の識別、客が購入しようとする商品の識別のための映像(画像)を撮影する。客の識別では、例えば、客を撮影した顔画像から特徴データを検出し、事前に客により登録された顔画像の特徴を示す顔認証データ(生体情報)と照合することで客を特定する。商品の識別では、画像から商品に付された商品コードを読み取る、商品のパッケージのデザインや形状などをもとに商品を特定するなどの解析処理を実行する。
会計機20には、個々を識別するための固有の会計機IDが設定されている。会計機IDは、例えば補助記憶デバイス23に記憶されている。
図4は、チェックイン端末30の要部回路構成を示すブロック図である。チェックイン端末30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信ユニット34、タッチパネル35、カメラ36、スピーカ37、及びシステム伝送路39を備える。システム伝送路39は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。チェックイン端末30では、システム伝送路39に、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信ユニット34、タッチパネル35、カメラ36、スピーカ37を接続する。チェックイン端末30では、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶デバイス33と、これらを接続するシステム伝送路39とによってコンピュータが構成される。
プロセッサ31は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、チェックイン端末30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ32は、コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス33は、コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信ユニット34は、ネットワーク70を介して接続される店舗サーバ10との間で通信プロトコルに従って行うデータ通信を制御する。なお、チェックイン端末30は、無線通信ユニットを設けて、アクセスポイント50との間で無線通信プロトコルに従って行う無線通信をする構成としても良い。
タッチパネル35は、チェックイン端末30の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル35は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ31に出力する。
カメラ36は、来店した客を認証するために映像(画像)を撮影する。カメラ36は、例えば来店した客が所持する電子機器40において表示された端末固有の端末コード(例えば会員IDのデータを含む2次元コード)の画像を撮影する(第2の認証方法)。また、カメラ36は、客の生体情報として顔画像の特徴をもとに客を認証する場合には、客の顔画像を撮影する(第3の認証方法)。
スピーカ37は、来店した客に対するメッセージ音声などを出力する。
図5は、電子機器40の要部構成を示すブロック図である。電子機器40は、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、タッチパネル44、カメラユニット45及び無線ユニット46等を備える。プロセッサ41と、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、タッチパネル44、カメラユニット45及び無線ユニット46とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路47によって接続される。
電子機器40は、プロセッサ41、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43と、これらを接続するシステム伝送路47とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ41は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子機器40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ42は、コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス43は、コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス43は、例えばHDD、SSDなどが補助記憶デバイス43として使用されてもよい。補助記憶デバイス43は、プロセッサ41が各種の処理で使用するデータや、プロセッサ41での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス43は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
タッチパネル44は、電子機器40の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。タッチパネル44には、アプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示される。
カメラユニット45は、商品に付された商品の情報を示すバーコードを撮影可能な解像度を有する。無線ユニット46は、アクセスポイント60との間で無線通信を利用してデータの送受信を行う。電子機器40は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の携帯型の情報処理装置のうち、カメラユニット45及び無線ユニット46を内蔵している場合に、店舗システム1において使用できるものとする。
電子機器40は、商品登録プログラムP1をインストールし、商品登録プログラムP1により実現される機能によって、店舗システム1に対応した情報端末として動作する。
商品登録プログラムP1は、客の操作により商品情報を登録する端末となるように、プロセッサ41を制御する。商品登録プログラムP1は、補助記憶デバイス43に保存される。また、商品登録プログラムP1とともに、商品の情報などを記憶する領域が補助記憶デバイス43に設けられる。また、商品登録プログラムP1は、店舗サーバ10において会員登録(会員情報の登録)することにより発行された客に固有の会員IDを店舗サーバ10から受信し、管理(記憶)する。
次に、店舗システム1の補助記憶デバイス13に記憶されるデータについて説明する。
図6は、店舗サーバ10の会員データベース62に登録される会員データレコード62Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図6は、1人の会員に対応するデータを示している。図6に示すように、会員データレコード62Rは、会員登録した客に固有の会員IDと対応づけて、会員から提供される会員情報が登録される。会員情報には、会員(客)を特定あるいは認証するための情報として、生体情報及び個人情報が含まれる。生体情報は、例えば顔画像、指紋、音声、虹彩、静脈パターンなどの特徴を示すデータを用いることができる。個人情報は、例えば氏名、住所、電話番号、決済方法(例えば、現金、電子マネー、クレジット)などを示すデータが含まれる。
図7は、店舗サーバ10の取引明細データ63におけるデータ構造を示す図である。取引明細データ63は、客による商品スキャニング(商品コードの入力)により登録される商品情報である。取引明細データ63には、会員ID63A、取引ID63B、買上点数63C、買上商品情報63Dが含まれる。会員ID63Aは、来店時に認証された客の会員IDが設定される。取引ID63Bは、認証された客による1つの取引を識別するために生成され、会員ID63Aと対応づけて設定される。買上商品情報63Dは、会員IDで識別される客が購入する商品の情報である。買上商品情報63Dは、検出された商品コードに対応する商品ID、商品名、価格等が商品データベース61から読み出されて登録される。買上点数63Cは、買上商品情報63Dが登録された商品の数を示す情報である。取引明細データは、電子機器40において商品情報が登録される場合には、電子機器40から受信され、会計機20において商品情報が登録される場合には、会計機20から受信される。
図8は、店舗サーバ10の映像解析データ64におけるデータ構造を示す図である。映像解析データ64は、カメラ60から受信された映像の解析結果を示すデータである。映像解析データ64には、会員ID64A、チェックイン日時64B、動作回数64C、チェックアウト日時64Dのデータなどが含まれる。チェックイン日時64Bは、客がチェックイン(来店)した日時(年月日時刻を示す)を示す。動作回数64Cは、認証された客がトラッキングされている間(1取引分の商品購入行動の間)に、客が商品を購入するための所定の動作をした回数を示す。チェックアウト日時64Dは、客がチェックアウト(決済処理の終了)した日時(年月日時刻を示す)を示す。
さらに、図示していないが、映像解析データ64には、客が商品を購入するための所定の動作が検出された映像を撮影したカメラ60を識別するデータを記憶させても良い。例えば、カメラ60を特定の商品の売り場と対応づけて設置しておく。これにより、映像を解析することで客による所定の動作が検出された場合に、解析対象とした映像が撮影されたカメラ60を識別し、カメラ60が設置された商品の売り場を特定することができる。従って、客が何れの商品の売り場で所定の動作をしたか判別できる。さらに、客が所定の動作をした売り場で販売されている商品の商品情報が登録されているかを判別することで、商品情報の登録と客が所定の動作をした売り場との対応を照合することができる。この照合により、例えば、所定の動作をした売り場で販売されている商品の商品情報が登録されていない、あるいは所定の動作をした売り場における動作回数と該当する売り場で販売されている商品の登録数が不一致であることを判別できる。
図9は、店舗サーバ10の映像データ65のデータ構造を示す図である。映像データ65は、店内を移動している1人の客をトラッキングするために用いたトラッキング映像データ65Bが含まれる。トラッキング映像データ65Bは、取引ID65Aと対応づけて記憶され、1人の客による1取引分の商品購入行動が撮影されている映像データを含む。通常、トラッキング映像データ65Bには、複数のカメラ60により撮影された映像データを含む。
図10は、店舗サーバ10の結果データ66のデータ構造を示す図である。結果データ66は、POSシステムと映像解析システムにより生成されるデータを照合した結果(照合情報)を示す。結果データ66には、会員ID66A及び取引ID66Bと対応づけて、照合した結果(照合情報)として、商品の数より所定の動作をした回数の方が多いことを示す照合結果データ66Cが記憶される。なお、照合結果データ66Cは、商品の数より所定の動作をした回数の方が多いことを示すだけでなく、商品の数の方が動作をした回数より多いことを示すデータが含まれていても良い。また、照合結果データ66Cには、動作をした回数と登録された商品の数との差(不一致数)を示すデータが含まれていても良い。さらに、照合結果データ66Cには、所定の動作が検出された映像を撮影したカメラ60の設置場所(例えば、特定の商品の売り場と対応する)と、登録された商品情報とが不一致と判別されたことを示すデータなどが含まれていても良い。
次に、本実施形態における店舗システム1の動作について説明する。まず、電子機器40を使用して、購入する商品の商品情報が客自身の操作により登録される場合の動作について説明する。
図11は、本実施形態における店舗サーバ10(プロセッサ11)の動作を説明するためのフローチャートである。図12は、本実施形態における電子機器40(プロセッサ41)の動作を示すフローチャートである。なお、図11~図12に示す動作は一例であり、同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
始めに、客は、来店すると、電子機器40を操作して商品登録プログラムP1を起動し、商品登録処理を開始させる。商品登録処理を開始すると、プロセッサ41は、商品登録プログラムP1に基づいて、チェックイン処理を実行する(図12、Act21)。
図13は、本実施形態における電子機器40により実行される第1のチェックイン処理を示すフローチャート、図14は、第2のチェックイン処理を示すフローチャートである。第1のチェックイン処理は、電子機器40を使用して客を特定し、第2のチェックイン処理では、客の生体情報を使用して客を特定する。
店舗システム1では、第1のチェックイン処理と第2のチェックイン処理の何れを用いるか予め決められているものとする。また、第1のチェックイン処理と第2のチェックイン処理を併用する構成としても良い。
まず、第1のチェックイン処理について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。プロセッサ41は、客のタッチパネル44に対する操作により店内購入が指示されると(図13、Act41のYES)、カメラユニット45を起動して、店舗コードの読み取り状態に移行する。
チェックイン端末30では、店舗固有の店舗コード、例えば2次元コードパターンを、タッチパネル35に表示させる。客は、電子機器40のカメラユニット45により、チェックイン端末30に表示された店舗コードを読み取るように電子機器40を操作する。
プロセッサ41は、店舗コードを読み取ると(Act42)、電子機器40に予め記憶されている会員IDと店舗コードを読み取った日時(年月日時刻)と共に、店舗サーバ10に対してチェックイン要求を送信する(Act43)。
店舗サーバ10は、アクセスポイント50を通じて、電子機器40からのチェックイン要求を受信する。店舗サーバ10のプロセッサ11は、チェックイン要求と共に会員IDを受信すると(Act1のYES)、会員IDをメインメモリ12のワークエリアに記述する。そしてプロセッサ11は、会員IDを検索用のキーとして会員データベース62を検索し、会員IDが記述された会員データレコード62Rの有無を判定する(Act2)。
プロセッサ11は、該当する会員データレコード62Rが無いことを確認すると(Act3のNO)、電子機器40に対してチェックイン不許可の通知を送信する(図11、Act4)。電子機器40のプロセッサ41は、店舗サーバ10からチェックイン不許可の通知が受信されると(図13、Act44のNO)、チェックインが不許可となったことを通知するための不許可通知を出力する(Act45)。例えば、プロセッサ41は、タッチパネル44に不許可となったことを示すメッセージを表示させる。この場合、電子機器40は、第1のチェックイン処理を終了すると共に商品登録処理を終了する。
一方、プロセッサ11は、該当する会員データレコード62Rが有ることを確認すると、さらに結果データ66に該当する会員IDと対応づけて予め設定された照合結果を示すデータ(照合情報)が設定されているかを確認する。すなわち、会員IDに対応する客が、前回以前に来店して買い物をした際に、後述する照合(突合処理)において、正しい操作をしていない可能性があると判定されているかを判別する。例えば、以前の買い物時における商品を購入するための所定の動作をした回数が、実際に購入対象として登録された商品の数より多いと判定された場合に、商品の数より所定の動作をした回数の方が多いことを示す照合結果データ66Cが記憶されている。
ここで、照合結果データ66Cが記憶されている場合、プロセッサ11は、照合結果データ66Cが示す照合結果に応じて、電子機器40に対してチェックイン不許可の通知を送信する(図11、Act4)。例えば、プロセッサ11は、照合結果データ66Cが示す照合結果に応じて、店舗の利用不可、会員登録の停止、店員による確認が必要などを示すチェックイン不許可の通知を送信する。電子機器40のプロセッサ41は、店舗サーバ10からチェックイン不許可の通知が受信されると(図13、Act44のNO)、チェックインが不許可となったことを通知するための不許可通知を出力し、第1のチェックイン処理を終了すると共に商品登録処理を終了する(Act45)。
なお、照合結果データ66Cが記憶されている場合に、常に、チェックインを不許可とするのではなく、照合結果データ66Cの内容に応じてチェックインの許可/不許可を決定するようにしても良い。例えば、照合結果データ66Cに、商品を購入するための所定の動作をした回数と登録された商品の数との差(不一致数)を示すデータが含まれている場合、不一致数が予め設定された数以上(例えば、3以上)の場合にチェックイン不許可とすることができる。また、結果データ66に同じ会員IDが予め設定された数(例えば2)より多く登録されている場合にチェックイン不許可とすることができる。その他のチェックイン許可の条件を予め設定しておくことが可能である。
なお、会員IDが結果データ66に登録されている場合、店舗サーバ10あるいは店員が使用する情報処理装置に対して該当する会員の情報を通知するようにしても良い。また、会員の情報を通知した場合には、チェックインを許可して、店員が来店した客について対応できるようにしても良い。この場合、店員による客への対応が必要となるが、常時、アテンダントと称される店員を配置しておく必要がないため、店員削減のための障害とならない。
プロセッサ11は、チェックイン要求により受信した会員IDが会員データレコード62Rにあり、また該当する会員IDが結果データ66に登録されていないと確認された場合には(Act3のYES)、電子機器40に対してチェックイン許可の通知を送信する(Act5)。プロセッサ11は、チェックインを許可した客の会員IDと、この客による1取引を識別するための取引IDを生成して、補助記憶デバイス13に記憶させる(Act6)。
電子機器40のプロセッサ41は、店舗サーバ10からチェックイン許可通知を受信すると(図13、Act44のYES)、客の操作によって商品情報の登録が可能な状態となる。商品情報の登録については後述する。
次に、第2のチェックイン処理について、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。第2のチェックイン処理では、客の生体情報を使用して客を特定する。ここでは、例えば生体情報として、客の顔画像の特徴データを使用する場合について説明する。
客は、チェックイン端末30のカメラ36によって顔画像を撮影させて、認証処理を要求する。チェックイン端末30のプロセッサ31は、カメラ36により撮影された顔画像から特徴データを検出し、店舗サーバ10の会員データベース62に登録されている各会員の生体情報(顔画像の特徴データ)と照合する。
プロセッサ31は、生体情報の照合により会員を認証できた場合、第1のチェックイン処理と同様にして、該当する会員の会員IDが結果データ66に登録されているかを店舗サーバ10に問い合わせる。ここで、照合結果データ66Cが記憶されている場合、プロセッサ31は、第1のチェックイン処理と同様にして、電子機器40に対してチェックイン不許可の通知を送信する。認証結果の通知方法としては、例えばタッチパネル35において認証結果を示す認証コード(例えば、2次元コードパターン)を表示させる。この場合、客は、電子機器40を操作して、第1のチェックイン処理と同様にして、電子機器40のカメラユニット45により認証コードを読み取らせる。
電子機器40のプロセッサ41は、チェックイン端末30から認証結果を受信する(図14、Act51)。プロセッサ41は、チェックイン不許可の通知である場合(図14、Act52のNO)、前述と同様にして、チェックインが不許可となったことを通知するための不許可通知を出力し、第2のチェックイン処理を終了すると共に商品登録処理を終了する(Act55)。
なお、チェックイン端末30においてチェックイン不許可と判定された場合には、単に、チェックイン端末30のタッチパネル35にチェックイン不許可の通知を表示させる(さらにはスピーカ37からメッセージを出力)ようにしても良い。
一方、プロセッサ31は、生体情報の照合により会員を認証でき、また該当する会員の会員IDが結果データ66に登録されていない場合、前述と同様にして、チェックイン許可を示す認証結果を通知する。
電子機器40のプロセッサ41は、チェックイン許可の通知を受信した場合(Act52のYES)、電子機器40に予め記憶されている会員IDと認証コードを読み取った日時(年月日時刻)と共に、店舗サーバ10に対してチェックイン要求を送信する(Act53)。
プロセッサ41は、客のタッチパネル44に対する操作により店内購入が指示されると(Act54のYES)、客の操作によって商品情報の登録が可能な状態となる。すなわち、プロセッサ41は、カメラユニット45を起動して、商品コードの読み取り状態に移行する。
以下、客によるチェックインが完了した場合について説明する。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、カメラ60によって撮影された映像からチェックインした客を特定する。映像中から客を特定するための特徴としては、例えば客の顔画像、客が身につけている洋服やバッグなどの所持品等の色や形状を利用することができる。なお、客の特定は、チェックイン端末30に設けられたカメラ36によって撮影された映像を用いて実行しても良い。
以下、プロセッサ11は、各所に配置された複数のカメラ60によって撮影された映像から、客の特徴をもとに客が撮影されているかを解析し、店舗内を移動する客をトラッキングする(Act7)。プロセッサ11は、トラッキングの対象とする客が識別された映像データを、図9に示すように、映像データ65として取引認証65Aと対応づけて記憶させる。
一方、電子機器40のプロセッサ41は、チェックイン許可通知を受信した場合、商品リスト画面をタッチパネル44に表示させて、客による入力操作の待機状態となる(Act22)。また、プロセッサ41は、商品登録が可能な動作状態に移行したことを通知するためのメッセージをタッチパネル35に表示させる。例えば、プロセッサ41は、「チェックインに成功しました。お買い物を始めてください」というようなメッセージをタッチパネル35に表示させる。なお、電子機器40は、音声によってメッセージを出力しても良い。
電子機器40のプロセッサ41は、例えば図15に示す商品リスト画面SC1をタッチパネル44に表示させる。なお、図15に示す商品リスト画面SC1は、既にいくつかの商品が登録された状態の一例を示すもので、初期状態では商品情報は表示されない。
図15に示す商品リスト画面SC1には、登録商品リスト領域70、登録対象商品領域71、合計表示領域72、会計ボタン73、商品登録ボタン74などが設けられている。登録商品リスト領域70は、登録済みの商品に関する商品名、個数、単価及び金額のリストを表示するための領域である。登録対象商品領域71は、最後に登録された商品の商品名、個数、及び合計金額とを表示するための領域である。合計表示領域72は、登録済みの商品の個数と合計金額を表示するための領域である。
会計ボタン73は、商品登録を終了して、会計処理に移行することを店舗サーバ10に通知するためのボタンである。商品登録ボタン74は、商品登録モードへの移行を指示するためのボタンである。
なお、商品リスト画面SC1は、登録された商品に関する各種の情報を表示するための基本フォームのみを表しており、図15に示す以外の商品登録に関係する各種の情報を表示することが可能である。
プロセッサ41は、商品登録ボタン74に対する操作がタッチパネル44において検出された場合(Act23のYES)、カメラユニット45を起動させると共に、商品情報を読み取るための商品コード読み取り画面を、商品リスト画面SC1に代えてタッチパネル44に表示させる(Act24)。
図16は、商品コード読み取り画面SC2の一例を示す図である。商品コード読み取り画面SC2には、画像表示領域81と商品リストボタン83が設けられる。画像表示領域81は、カメラユニット45によって撮影される画像を表示する領域であり、バーコードの読み取り位置を示すライン82が表示されている。商品リストボタン83は、商品情報の読み取りを中止して、商品リスト画面SC1の表示を指示するためのボタンである。商品コード読み取り画面SC2では、例えば「ラインにバーコードを合わせて下さい」のメッセージを表示させる。これにより、客は、商品コード読み取り画面SC2を利用した商品情報の登録操作を容易に把握することができる。
客は、売場にて購入する商品を見つけると、その商品に付されたバーコード等の商品コードシンボルを電子機器40のカメラユニット45によって撮影する。カメラユニット45によって撮影された画像は、画像表示領域81において表示される。客は、商品コードシンボル(バーコード)がライン82の位置で表示されるように表示範囲を調整する。
電子機器40のプロセッサ41は、カメラユニット45によって撮影された画像からコードシンボルを抽出し、コードシンボルが示す例えば商品に固有の商品ID(商品コード)を読み取る。プロセッサ41は、カメラユニット45によって撮影された画像から商品IDが読み取られると(Act25のYES)、商品IDとチェックイン要求で使用した会員IDを含む商品登録データを、店舗サーバ10に送信する(Act27)。
なお、一定時間、画像からコードシンボルを抽出できない場合(Act26、YES)、プロセッサ41は、商品コード読み取り画面SC2から商品リスト画面SC1に表示を変更する(Act22)。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、電子機器40から商品登録データを受信すると、商品IDを検索用のキーとして商品データベース61を検索する。プロセッサ11は、商品IDに該当する商品データレコードを商品データベース61から取得する。商品データレコードには、商品ID、商品名、価格等が含まれる。プロセッサ11は、商品データレコードを電子機器40に送信する。
電子機器40のプロセッサ41は、店舗サーバ10から商品データレコードを受信すると(Act28)、取引明細データを生成して、補助記憶デバイス43に記憶させる。また、プロセッサ41は、タッチパネル44の表示を、商品コード読み取り画面SC2から商品リスト画面SC1に切り替えて、取引明細データの買上商品情報に含まれる商品名、価格等に基づいて、登録商品リスト領域70、登録対象商品領域71、合計表示領域72の表示を更新する。
商品情報(商品ID)を読み取った商品の商品名、価格等がタッチパネル44に表示されたことを確認した客は、買物を続ける。そして購入する商品を見つけると、その商品の商品IDを電子機器40に入力する。電子機器40のプロセッサ41は、商品IDが入力されたことを検知すると、前述と同様にして、その商品IDを含む商品登録データを店舗サーバ10に送信する。プロセッサ41は、店舗サーバ10から受信する商品データレコードをもとに取引明細データを更新し、商品リスト画面SC1の表示を変更する。取引明細データには、購入対象として登録された商品の数を示すデータが含まれる。
客は、店舗内を移動しながら購入する商品を見つけて、商品棚から取り出し、その商品の商品IDを電子機器40に入力するという作業を繰り返す。客は、商品IDを電子機器40から入力した後、商品をカートに載置する、あるいはバッグに入れるなどの動作を行う。また、客は、商品を商品棚から取り出して確認し、購入することをやめて商品を商品棚に戻すといった動作をする場合がある。さらに、客による不正な動作として、商品IDを電子機器40から入力せずに、商品をバッグに入れるなどの動作をする可能性がある。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、店舗内を移動する客をトラッキングする間、カメラ60により撮影された映像をもとに、客が商品を購入するための所定の動作をしたかを解析する(図11、Act8)。プロセッサ11は、映像に対する解析により、例えば客が商品を商品棚から取り出した動作をしたと判別した場合(Act9のYES)、客が商品を購入するための所定の動作をした回数をカウントアップ(+1)する(Act10)。また、プロセッサ11は、映像に対する解析により、例えば、商品棚から取り出した商品を商品棚に戻す動作をしたと判別した場合(Act11のYES)、客が商品を購入するための所定の動作をした回数をカウントダウン(-1)する(Act12)。すなわち、店舗サーバ10のプロセッサ11は、トラッキングの対象とする客の動作について解析し、チェックアウトするまでの客が商品を購入するための所定の動作をした回数を計数する(Act7~13)。
売場での買物を終えた客は、タッチパネル44に表示されている会計ボタン73にタッチして、会計の実行を宣言する。電子機器40のプロセッサ41は、会計ボタン73がタッチされたことを検知すると(Act29のYES)、会計方法の指定を受け付ける。ここで、キャッシュレスによる会計が指定された場合(Act30のYES)、プロセッサ11は、決済方法の指定を客により指定させる(Act31)。ここでは、例えば客が利用可能なクレジット会社が指定される。
プロセッサ11は、取引明細データに登録された商品についての決済を、客により指定された決済方法(例えば、クレジット会社による決済システム)により実行する(Act32)。
一方、プロセッサ11は、キャッシュレスによる会計が指定されない場合(Act30のNO)、プロセッサ11は、取引明細データの内容を含む取引バーコードを生成し、タッチパネル44に表示させる(Act33)。客は、電子機器40を所持したまま会計処理をする会計機20の設置場所へと移動する。会計機20は、客が近づくことで人感センサ29をオンさせる。人感センサ29がオンすると、会計機20のプロセッサ21は、取引バーコードの入力を要求するためのメッセージをタッチパネル25に表示させる。客は、タッチパネル44に表示された取引バーコードを、会計機20のカメラ211によって読み取らせる。
会計機20のプロセッサ21は、取引バーコードが示す会計内容(商品名、価格、合計、商品数など)をタッチパネル25に表示させる。また、プロセッサ21は、決済方法の指定を入力するための画面をタッチパネル25に表示させ、客に決済方法を指定させる。ここでは、例えば現金あるいは電子マネーの何れかが指定される。プロセッサ21は、タッチパネル25に対する操作によって支払い方法が指定されると、指定された支払い方法による決済処理を実行する。
例えば、現金による支払いの場合には、釣銭機210を介して合計金額相当の代金が支払われる。また、電子マネーによる支払いの場合には、リーダライタ27により読み取られた電子マネーカードから代金が支払われる。プロセッサ21は、決済処理が完了すると、電子機器40に決済完了を通知する。
電子機器40のプロセッサ41は、決済完了通知を受信すると(図12、Act34のYES)、決済処理が完了した1取引の取引明細データを店舗サーバ10に対して送信する(Act35)。店舗サーバ10は、電子機器40から受信した取引明細データ63を、補助記憶デバイス13に記憶させる。また、プロセッサ41は、店舗サーバ10に対して、会員ID、決済処理が完了した日時、取引IDの各データを含むチェックアウト要求を店舗サーバ10に送信する(Act36)。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、電子機器40からチェックアウト要求を受信すると(図11、Act13のYES)、チェックアウト要求に含まれる会員IDに対応する客についてのトラッキングを終了する(Act14)。また、プロセッサ11は、決済が完了した1取引についての映像解析データ64を補助記憶デバイス13に記憶させる。映像解析データ64には、図8に示すように、会員ID64A、チェックイン日時64B、動作回数64C、チェックアウト日時64Dのデータなどが含まれる。
プロセッサ11は、決済処理が完了した取引の取引IDをキーにして、取引明細データ63の買上点数63Cと映像解析データ64に登録された動作回数64Cとを特定する。プロセッサ11は、買上点数63Cと動作回数64Cとを照合して、数に不一致があるかを判別する突合処理を実行する(Act16)。すなわち、プロセッサ11は、客が購入対象として登録した商品情報の数(商品の数)と、客が商品を購入するための所定の動作(商品を商品棚から取り出すなど)をした回数の数を比較する。
プロセッサ11は、突合処理の結果、例えば、商品を購入するための所定の動作をした回数が、実際に購入対象として登録された商品の数より多いと判定される場合に、会員ID66A及び取引ID66Bと対応づけて照合結果データ66Cを、補助記憶デバイス13(結果データ66)に記憶させる。この場合、照合結果データ66Cは、商品の数より所定の動作をした回数の方が多いことを示す。
こうして、結果データ66が記憶されることで、店舗サーバ10は、照合結果データ66Cに対応づけられた取引ID66Bをもとに、映像データ65から取引ID66Bに対応する該当するトラッキング映像データ65Bを呼び出すことができる。すなわち、客がトラッキングされている間に撮影された映像を店舗サーバ10に設けられた表示装置(図示せず)、会計機20のタッチパネル25、あるいはネットワーク70に接続された他の情報処理装置(パーソナルコンピュータ)の表示装置などにおいて表示させることができる。これにより、客の商品購入行動を映像によって確認することができる。この確認によって、結果データ66に記憶されたデータの内容を、例えば店舗サーバ10の管理者の操作によって変更することができる。例えば、客が正しい操作をしていることが確認された場合に、照合結果データ66Cを削除(あるいは内容を変更)することで、次回の来店時にチェックイン処理においてチェックイン不許可とならないようにできる。
このようにして、本実施形態における店舗システム1では、客による商品の購入のための動作をチェックし、商品を購入するための所定の動作をした回数と、実際に購入対象として登録された商品の数について突合処理することで、客による操作が正しく実行されているか容易に確認することができる。客は、電子機器40を用いた通常の商品の購入のための動作をするだけで良いため、客による商品購入のための操作を煩雑にすることもない。
次に、会計機20を使用して、購入する商品の商品情報が客自身の操作により登録される場合の動作について説明する。例えば、会計機20では、複数の商品の商品情報を一括して登録できるようにする。
図17は、本実施形態における店舗サーバ10(プロセッサ11)の動作を説明するためのフローチャートである。図18は、本実施形態におけるチェックイン端末30(プロセッサ31)の動作を示すフローチャートである。図19は、本実施形態における会計機20(プロセッサ21)の動作を示すフローチャートである。なお、図17~図19に示す動作は一例であり、同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
チェックイン端末30は、客の生体情報を使用して、客のチェックインを管理する。ここでは、例えば生体情報として、客の顔画像の特徴データを使用する場合について説明する。
客は、チェックイン端末30のカメラ36によって顔画像を撮影させて、認証処理を要求する。チェックイン端末30のプロセッサ31は、カメラ36により撮影された顔画像から特徴データを検出し、店舗サーバ10の会員データベース62に登録されている各会員の生体情報(顔画像の特徴データ)と照合する(図18、Act81)。
プロセッサ31は、生体情報の照合により会員を認証できなかった場合(Act82のNO)、チェックイン端末30のタッチパネル35にチェックイン不許可の通知を表示させる(さらにはスピーカ37からメッセージを出力)ようにしても良い(Act85)。
また、プロセッサ31は、生体情報の照合により会員を認証できた場合、第1のチェックイン処理と同様にして、該当する会員の会員IDが結果データ66に登録されているかを店舗サーバ10に問い合わせる。ここで、照合結果データ66Cが記憶されている場合、プロセッサ31は、チェックイン端末30のタッチパネル35にチェックイン不許可の通知を表示させる(Act85)。
一方、プロセッサ31は、生体情報の照合により会員を認証でき、また該当する会員の会員IDが結果データ66に登録されていない場合、チェックイン端末30のタッチパネル35にチェックイン許可の通知を表示させる(さらにはスピーカ37からメッセージを出力)ようにしても良い(Act83)。プロセッサ31は、チェックインを許可した客の会員IDと、この客による1取引を識別するための取引IDを生成する。プロセッサ31は、会員IDと取引IDを含むチェックイン通知を店舗サーバ10に送信する(Act84)。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、チェックイン端末30からチェックイン要求を受信すると(図17、Act61のYES)、チェックイン通知に含まれる会員IDと取引IDを補助記憶デバイス13に記憶させる(Act62)。
以下、客によるチェックインが完了した場合には、店舗サーバ10は、チェックインした客に対するトラッキングを開始する(Act63)。なお、図17に示すAct63~68の処理については、図11に示すAct7~10の処理と同様に実行されるものとして説明を省略する。
客は、店内を移動しながら、購入対象とする商品を商品棚から取り出して、例えばカートなどに載置するといった動作を行う。客は、購入対象とする商品の選択が終了すると、会計機20の設置場所へと移動する。会計機20は、客が近づくことで人感センサ29をオンさせる。人感センサ29がオンすると、会計機20のプロセッサ21は、商品登録の動作状態に移行する(図19、Act91)。プロセッサ21は、カメラ211を起動して、カート内に載置された商品、あるいは読み取り台などに載置された商品の画像を撮影する。ここでは、例えば全ての商品を一括して撮影するものとする。
プロセッサ21は、カメラ211により撮影された画像から、商品に付された商品コードを読み取る、あるいは商品のパッケージのデザインや形状などをもとに商品を特定するなどの解析処理を実行して、購入対象とする商品を特定する。
プロセッサ21は、特定した商品を示す商品登録データを店舗サーバ10に送信し、該当商品の商品データベース61に記憶された商品データレコードを受信する。プロセッサ21は、店舗サーバ10から受信した商品データレコードをもとに取引明細データを生成する。また、プロセッサ21は、取引明細データの内容に応じて、例えば図15に示す商品リスト画面をタッチパネル25に表示させる。
プロセッサ21は、商品リスト画面の会計ボタンがタッチされたことを検知すると(Act92のYES)、決済方法の指定を受け付ける。プロセッサ21は、客による決済方法を指定する操作に応じて決済方法を決定する(Act93)。
ここで、プロセッサ21は、客について認証処理を実行する(Act94)。例えば、プロセッサ21は、前述したチェックイン端末30と同様にして、客の生体情報(例えば顔画像)を使用して認証を実行するものとする。
プロセッサ21は、生体情報の照合により会員を認証できなかった場合(Act95のNO)、会計機20のタッチパネル25に不許可の通知を表示させる(Act97)。一方、プロセッサ21は、生体情報の照合により会員を認証できた場合(Act95のYES)、会計機20のタッチパネル25に許可の通知を表示させる(Act96)。プロセッサ21は、指定された決済方法により決済処理を実行する(Act98)。
プロセッサ21は、決済処理が完了すると、決済処理が完了した1取引の取引明細データと、会員ID、決済処理が完了した日時、取引IDの各データを含むチェックアウト通知を店舗サーバ10に送信する(Act99)。取引明細データには、図7に示すように、買上対象として商品情報が登録された商品の数(買上点数)のデータを含む。
店舗サーバ10のプロセッサ11は、チェックアウト通知を受信すると(図17、Act69のYES)、会計機20から受信した取引明細データ(買上点数のデータを含む)を補助記憶デバイス13に記憶させる。また、プロセッサ11は、会計機20から受信した会員IDに対応する客についてのトラッキングを終了する(Act70)。店舗サーバ10は、図17に示すAct71~73の処理を、図11に示すAct15~17の処理と同様に実行する。なお、Act72では、会計機20から受信された取引明細データが示す買上点数(商品の数)を用いて突合処理を実行する。以下、図17に示すAct71~73の説明については省略する。
このようにして、本実施形態における店舗システム1では、電子機器40を用いないで商品情報の登録を会計機20により実行する場合においても、商品を購入するための所定の動作をした回数と、実際に購入対象として登録された商品の数について突合処理することで、客による操作が正しく実行されているか容易に確認することができる。
本実施形態における店舗システム1では、商品情報の登録(商品スキャニング)、会計チェックのための専用の店員を配置させる必要がなく、人員削減を図ることができる。また、客に対して何ら負担を与えることなく客の動作をチェックして、客による不正な行動を抑制することができる。また、本実施形態における店舗システム1では、客の動作の解析、商品の登録をカメラにより撮影した画像を用いて行う。すなわち、多くのセンサ類を必要としないで客の動作を簡易に解析できるようにしている。このため、システムの導入コストを抑制することが可能となる。
なお、店舗サーバ10の譲渡は一般に、プログラムがROM、HDD等の記録媒体に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムが記録媒体に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、店舗サーバ10が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この店舗サーバ10とは個別に譲渡されたプログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれる。プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]カメラにより撮影された映像を受信する映像受信手段と、客に固有の識別データを受信する受信手段と、前記客が撮影された前記映像をもとに、前記客が商品を購入するための所定の動作をした回数を計数する計数手段と、前記客による購入対象として商品情報が登録された商品の数と前記回数とを照合する照合手段と、前記照合の結果を示す照合情報を記憶させる記憶手段と、を有する情報処理装置。
[2]前記記憶手段は、前記識別データと対応づけて、前記照合情報を記憶させる付記[1]記載の情報処理装置。
[3]前記識別データの受信時に、予め設定された照合結果を示す前記照合情報が前記識別データと対応づけて記憶されている場合に、前記照合結果に応じた通知を出力する出力手段をさらに有する付記[1]記載の情報処理装置。
[4]前記客が撮影された前記映像を前記識別データと対応づけて記憶する映像記憶手段とをさらに有する付記[1]~[3]の何れかに記載の情報処理装置。
[5]客を撮影するカメラと、購入対象とする商品の商品情報を登録する電子機器と、
前記客が撮影された映像をもとに、前記客が商品を購入するための所定の動作をした回数を計数する計数手段と、前記電子機器により前記商品情報が登録された商品の数と前記回数とを照合する照合手段と、前記照合の結果を示す照合情報を記憶させる記憶手段と、を有する店舗システム。