JP7246933B2 - ガスセンサ素子、ヒータ、及びガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子、ヒータ、及びガスセンサ Download PDF

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Description

本発明はガスセンサ素子、ヒータ、及びガスセンサに関する。
近年、種々のガスセンサが開発されている。例えば、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスに含まれるアンモニアの濃度を測定するセンサ素子を備えたガスセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このガスセンサに用いるセンサ素子では、電極とリードとが接続された構造を有している。センサ素子を製造の際に、電極を形成するペーストと、リードを形成するペーストとを重ねた状態で焼成することにより、両者の接続部が形成される。
特開2013-221931号公報
ところが、電極の金属元素が、リードに移動してしまい、電極に部分的に空洞ができて断線するおそれがあった。
また、センサ素子の種類によっては、発熱部を備えており、発熱部とリードとが接続された構造を有している。このセンサ素子では、センサ素子を製造の際に、発熱部を形成するペーストと、リードを形成するペーストとを重ねた状態で焼成することにより、両者の接続部が形成される。このセンサ素子においても、上述の場合と同様に、焼成後に、発熱部の金属元素が、リードに移動してしまい、接続部において断線するおそれがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、断線を抑制することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)第1金属を主成分とする電極と、
前記電極に接続され、第2金属を主成分とするリードと、を備え、
前記電極と前記リードとが、直接的に又は継ぎ手部を介して間接的に接続されているガスセンサ素子であって、
前記電極と前記リードとが直接的に接続されている場合は、前記電極と前記リードとの接合部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記接合部を除いた前記電極における含有割合と、前記接合部を除いた前記リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在し、
前記電極と前記リードとが前記継ぎ手部を介して間接的に接続されている場合は、前記継ぎ手部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記電極における含有割合と、前記リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在することを特徴とするガスセンサ素子。
電極を形成するペーストと、リードを形成するペーストとが、直接接した状態で、熱処理が実施されると、局所的には密度差の異なる液体の接触となり、金属の濃度(密度)差を緩和するように金属元素の移動が行われ、比重の重い金属元素側に、比重の軽い金属元素が流れる傾向にある。よって、第1金属を主成分とする電極と、第2金属を主成分とするリードとが直接接触した構成では、異種金属の接合部に金属元素の急激な濃度勾配に起因した空洞が生じて断線しやすくなる。
本構成では、電極とリードとが直接的に接続されている場合は、電極とリードとの接合部には、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属について、接合部を除いた電極における含有割合と、接合部を除いたリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在している。また、電極とリードとが継ぎ手部を介して間接的に接続されている場合は、継ぎ手部には、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属について、電極における含有割合と、リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在している。そのため、電極とリードとの間において、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属の濃度勾配が緩やかとなり、急激な金属元素の移動による空洞が発生しにくく、断線が抑制される。
(2)前記電極と前記リードとが前記継ぎ手部を介して間接的に接続されており、
前記成分領域は、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が大きい方の金属について、前記電極における含有割合と、前記リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合であることを特徴とする(1)に記載のガスセンサ素子。
電極と、リードの接合部の間に、両者の中間濃度の継ぎ手部を設けられているから、濃度勾配が緩やかとなり、急激な金属元素の移動による空洞が発生しにくく、断線が抑制される。
(3)前記電極とは異なる第2電極と、
前記電極と前記第2電極との間に配される固体電解質体と、を備え、
前記第2電極は、前記第2金属を主成分とし、混成電位式であることを特徴とする(2)に記載のガスセンサ素子。
電極と第2電極で主成分となる金属種が異なり、被測定ガスに対する反応性が異なる混成電位式のガスセンサ素子が知られている。このものでは、少なくともどちらか一方の電極をリードと異種の金属で形成する必要がある。そのため、異種金属の接合部が形成され、金属元素の急激な濃度勾配に起因した空洞が生じて断線しやすくなる。
このガスセンサ素子において、電極をリードと異種の金属で形成されたものとして本発明を適用することで、断線が抑制されるという効果が有効に発揮される。
(4)前記継ぎ手部における金属元素は、実質的に、前記第1金属、及び前記第2金属からなることを特徴とする(2)又は(3)に記載のガスセンサ素子。
継ぎ手部に、第1金属及び第2金属以外の他の金属元素が含有されていても、他の金属元素は、金属の濃度勾配の緩和に寄与しない。本構成によれば、継ぎ手部における金属元素は、実質的に、金属の濃度勾配を緩和する金属元素のみであるから、濃度勾配の緩和効果が高い。
(5)前記継ぎ手部の前記第1金属の濃度は、前記継ぎ手部における前記第1金属及び前記第2金属の全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であり、
前記継ぎ手部の前記第2金属の濃度は、前記継ぎ手部における前記第1金属及び前記第2金属の全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であることを特徴とする(2)~(4)のいずれかに記載のガスセンサ素子。
この構成のガスセンサ素子では、特定の金属濃度の継ぎ手部を用いることで、金属元素の急激な濃度勾配を緩和して、金属元素の移動を効果的に抑制できる。
(6)前記電極の上に前記リードが被さることで、前記電極と前記リードとが直接的に接続されており
前記電極と前記リードとが重ならない電極単独部と、前記電極と前記リードとが重なる接続部と、前記電極と前記リードとが重ならないリード単独部と、を有し、
前記接続部の厚みは、前記電極単独部と前記リード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされているとともに、
前記接続部の断面を観察した際に、
前記接続部の表面側を前記リード単独部の厚み分だけ除外し、かつ、
前記接続部の裏面側を前記電極単独部の厚み分だけ除外して、残った部分が前記接合部であることを特徴とする(1)に記載のガスセンサ素子。
本形態のガスセンサ素子では、接続部の厚みは、電極単独部とリード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされている。そして、接続部の断面を観察した際に、接続部の表面側をリード単独部の厚み分だけ除外し、かつ接続部の裏面側を電極単独部の厚み分だけ除外して、残る部分(「残存部」ともいう)が接合部である。
従来は、残存部がないため、接続部において電極として機能する部分から、第1金属がリードに移動してしまい、断線するおそれがあった。
本形態の接続部では、電極として機能する部分(電極単独部の厚み分)と、リードとして機能する部分(リード単独部の厚み分)との間に残存部を配し、第1金属の移動の起きる部位を残存部に留めることができるから、電極として機能する部分からの第1金属の流出を抑制できる。その結果、接続部での断線が抑制される。
(7)前記リードの上に前記電極が被さることで、前記電極と前記リードとが直接的に接続されており、
前記電極と前記リードとが重ならない電極単独部と、前記電極と前記リードとが重なる接続部と、前記電極と前記リードとが重ならないリード単独部と、を有し、
前記接続部の厚みは、前記電極単独部と前記リード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされているとともに、
前記接続部の断面を観察した際に、
前記接続部の表面側を前記電極単独部の厚み分だけ除外し、かつ、前記接続部の裏面側を前記リード単独部の厚み分だけ除外して、残った部分が前記接合部であることを特徴とする(1)に記載のガスセンサ素子。
本形態のガスセンサ素子では、接続部の厚みは、電極単独部とリード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされている。そして、接続部の断面を観察した際に、接続部の表面側を電極単独部の厚み分だけ除外し、かつ接続部の裏面側をリード単独部の厚み分だけ除外して、残る部分(「残存部」ともいう)が接合部である。
従来は、残存部がないため、接続部において電極として機能する部分から、第1金属がリードに移動してしまい、断線するおそれがあった。
本形態の接続部では、電極として機能する部分(電極単独部の厚み分)と、リードとして機能する部分(リード単独部の厚み分)との間に残存部を配し、第1金属の移動の起きる部位を残存部に留めることができるから、電極として機能する部分からの第1金属のリードへの移動を抑制できる。その結果、接続部での断線が抑制される。
(8)前記第1金属の比重が前記第2金属の比重より低いことを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載のガスセンサ素子。
第1金属の比重が第2金属の比重より低い場合には、焼成による第1金属の移動を抑制することができ、電極とリードとの間における断線が抑制される。
(9)前記第1金属が金であり、かつ前記第2金属が白金であることを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載のガスセンサ素子。
第1金属が金であり、第2金属が白金である場合には、焼成により金属元素の移動が起こりやすい組合せである。この場合に、上記成分領域が存在することで、断線を抑制するという効果が顕著に表れる。
(10)被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度を測定することを特徴とする(1)~(9)のいずれかに記載のガスセンサ素子。
特定ガスとしてのアンモニアの濃度を測定するガスセンサ素子の場合に、上記成分領域が存在することで、濃度勾配が緩和し、熱処理時の金属元素の移動が抑制されて、断線の原因となる空洞が生成しにくくなる。
(11)第1金属を主成分とする発熱部と、
前記発熱部に接続され、第2金属を主成分とするヒータリードと、を備え、
前記発熱部と前記ヒータリードとが、直接的に又はヒータ継ぎ手部を介して間接的に接続されているヒータであって、
前記発熱部と前記ヒータリードとが直接接続されている場合は、前記発熱部と前記ヒータリードとのヒータ接合部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記ヒータ接合部を除いた前記発熱部における含有割合と、前記ヒータ接合部を除いた前記ヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在し、
前記発熱部と前記ヒータリードとが前記ヒータ継ぎ手部を介して間接的に接続されている場合は、前記ヒータ継ぎ手部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記発熱部における含有割合と、前記ヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在することを特徴とするヒータ。
発熱部を形成するペーストと、ヒータリードを形成するペーストとが、直接接した状態で、熱処理が実施されると、局所的には密度差の異なる液体の接触となり、金属の濃度(密度)差を緩和するように金属元素の移動が行われ、比重の重い金属元素側に、比重の軽い金属元素が流れる傾向にある。よって、第1金属を主成分とする発熱部と、第2金属を主成分とするヒータリードとが直接接触した構成では、異種金属の接合部に金属元素の急激な濃度勾配に起因した空洞が生じて断線しやすくなる。
本構成では、発熱部とヒータリードとが直接接続されている場合は、発熱部とヒータリードとのヒータ接合部には、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属について、ヒータ接合部を除いた発熱部における含有割合と、ヒータ接合部を除いたヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在している。また、発熱部とヒータリードとがヒータ継ぎ手部を介して間接的に接続されている場合は、ヒータ継ぎ手部には、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属について、発熱部における含有割合と、ヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在している。そのため、発熱部とヒータリードとの間において、第1金属及び第2金属のうち比重が小さい方の金属の濃度勾配が緩やかとなり、急激な金属元素の移動による空洞が発生しにくく、断線が抑制される。
(12)(1)~(10)のいずれかに記載のガスセンサ素子又は(11)に記載のヒータを備えたことを特徴とするガスセンサ。
この構成のガスセンサは、電極とリードとの間や、発熱部とヒータリードとの間で、金属元素の急激な濃度勾配が緩和され、熱処理時の金属元素の移動が抑制されて、断線の原因となる空洞が生成しにくくなる。
第1実施形態に係るマルチガスセンサの構成を説明する長手方向に沿う断面図である。 第1実施形態に係るマルチガスセンサ装置の構成を説明するブロック図である。 アンモニアセンサ部の構成を説明する展開図である。 アンモニア電極の構成を説明する断面図である。 第2実施形態に係るガスセンサの構成を説明する長手方向に沿う断面図である。 セラミックヒータの構成を説明する斜視図である。 セラミックヒータの内部構成を説明する分解斜視図である。 発熱抵抗体の構成を説明する断面図である。 第3実施形態に係るアンモニアセンサ部の構成を説明する展開図である。 第3実施形態における、アンモニア電極とアンモニア電極リードの接続構造を説明する断面図である。 第4実施形態における、アンモニア電極とアンモニア電極リードの接続構造を説明する断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るガスセンサ素子(アンモニアセンサ部21)を備えたマルチガスセンサ装置1について、図1~4を参照しながら説明する。本実施形態のマルチガスセンサ装置1は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス(被測定ガス)に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する尿素SCRシステムに用いられるものである。より具体的には、排気ガスに含まれるNOxと、アンモニア(尿素)とを反応させた後の排気ガスに含まれる一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)およびアンモニアの濃度を測定するものである。
なお、本実施形態のマルチガスセンサ装置1が適用されるエンジンは、上述のディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンにも適用することができ、特にエンジンの形式を限定するものではない。
マルチガスセンサ装置1には、図1および図2に示すように、センサ本体であるマルチガスセンサ2(本発明のガスセンサに相当)と、マルチガスセンサ2を制御すると共にセンサ出力を演算処理することにより、NO、NOおよびアンモニアの濃度を算出する制御部3と、が主に設けられている。
マルチガスセンサ2には、図1に示すように、センサ素子部10と、主体金具110と、セパレータ134と、接続端子138と、が主に設けられている。なお、以下の説明では、マルチガスセンサ2のセンサ素子部10が配置されている側(図1の下側)を先端側、接続端子138が配置されている側(図1の上側)を後端側と表記する。
センサ素子部10は、軸線O方向に延びる板形状を有する。センサ素子部10の後端には電極端子部10A、10Bが配置されている。図1においては、図示を容易にするために、センサ素子部10に形成された電極端子部を、電極端子部10Aおよび電極端子部10Bのみとしているが、実際には、後述するNOxセンサ部11やアンモニアセンサ部21が有する電極等の数に応じて、複数の電極端子部が形成されている。なお、センサ素子部10のより詳細な説明は後述する。
主体金具110は、マルチガスセンサ2をディーゼルエンジンの排気管に固定するネジ部111が外表面に形成された筒状の部材である。主体金具110には、軸線方向に貫通する貫通孔112と、貫通孔112の径方向内側に突出する棚部113と、が主に設けられている。棚部113は、貫通孔112の径方向外側から中心に向かって先端側へ近づく傾きを有する内向きのテ―パ面として形成されている。
また、主体金具110は、センサ素子部10の先端側を、貫通孔112から先端側に突出させ、センサ素子部10の後端側を貫通孔112の後端側に突出させた状態で保持するものである。
主体金具110の貫通孔112の内部には、先端側から後端側に向かって順に、センサ素子部10の径方向周囲を取り囲む筒状の部材であるセラミックホルダ114、粉末充填層である滑石リング115,116、セラミックスリーブ117が積層されている。
セラミックスリーブ117と主体金具110の後端側の端部との間には、加締めパッキン118が配置されている。セラミックホルダ114と主体金具110の棚部113との間には、金属ホルダ119が配置されている。金属ホルダ119は、滑石リング115やセラミックホルダ114を保持するものである。主体金具110の後端側の端部は、加締めパッキン118を介してセラミックスリーブ117を先端側に向かって押し付けるように加締められる部分である。
主体金具110の先端側の端部には、外部プロテクタ121および内部プロテクタ122が設けられている。外部プロテクタ121および内部プロテクタ122は、先端側の端部が閉塞されたステンレス鋼などの金属材料から形成された筒状の部材である。内部プロテクタ122は、センサ素子部10の先端側の端部を覆った状態で主体金具110に溶接され、外部プロテクタ121は、内部プロテクタ122を覆った状態で主体金具110に溶接されている。
主体金具110の後端側の端部には、筒状に形成された外筒131の先端側の端部が固定されている。さらに、外筒131の後端側の端部である開口には、当該開口を閉塞するグロメット132が配置されている。
グロメット132には、リード線141が挿通されるリード線挿通孔133が形成されている。リード線141は、センサ素子部10の電極端子部10Aや、電極端子部10Bに電気的に接続されるものである。
セパレータ134は、センサ素子部10の後端側に配置された筒状に形成された部材である。セパレータ134の内部に形成された空間は、軸線方向に貫通する挿通孔135である。セパレータ134の外表面には、径方向外側に突出する鍔部136が形成されている。
セパレータ134の挿通孔135には、センサ素子部10の後端部が挿入され、電極端子部10A、10Bがセパレータ134の内部に配置される。
セパレータ134と外筒131との間には、筒状に形成された保持部材137が配置されている。保持部材137は、セパレータ134の鍔部136と当接すると共に、外筒131の内面とも当接することにより、セパレータ134を外筒131に対して固定保持するものである。
接続端子138は、セパレータ134の挿通孔135内に配置される部材であり、センサ素子部10の電極端子部10Aや電極端子部10Bと、リード線141と、をそれぞれ独立に電気的に接続する導電部材である。なお、図1では、図示を容易にするために、2つの接続端子138のみが図示されている。
マルチガスセンサ装置1の制御部3は、図2に示すように、マルチガスセンサ装置1が搭載された車両の車両側制御装置であるECU200と電気的に接続されている。ECU200は、制御部3で算出された排気ガス中のNO濃度、NO濃度およびアンモニア濃度を示すデータを受信し、受信データに基づいてディーゼルエンジンの運転状態の制御処理を実行したり、触媒に蓄積されたNOxの浄化処理を実行したりするものである。
ここで、センサ素子部10の構成の詳細について、図2を参照しながら説明する。なお、図2では説明の便宜のために、センサ素子部10の長手方向に沿う断面図のみを表示している。
センサ素子部10には、NOxセンサ部(NOx検出素子)11と、アンモニアセンサ部(本発明のガスセンサ素子に相当)21と、が主に設けられている。本実施形態におけるNOxセンサ部11は、公知のNOxセンサと同様な構成を有している。
NOxセンサ部11は、主に、絶縁層10e、第1固体電解質体12a、絶縁層10d、第3固体電解質体16a、絶縁層10c、第2固体電解質体18a、及び絶縁層10b、10aが、この順に積層された構造となっている。上述の各絶縁層10a、10b、10c、10d、10eはアルミナを主体として形成されている。
さらにNOxセンサ部11には、第1測定室S1が第1固体電解質体12aと第3固体電解質体16aとの層間に設けられ、NOx測定室に相当する第2測定室S2が、第1固体電解質体12aと第2固体電解質体18aとの層間に、第3固体電解質体16aを貫通して設けられている。
被測定ガスが導入される第1測定室S1の入口端(図2の左側の端)には、第1拡散抵抗体14が配置されている。第1測定室S1における入口端と反対側の端(図2の右側の端)には、第1測定室S1と第2測定室S2とを区画する第2拡散抵抗体15が配置されている。上述の第1拡散抵抗体14および第2拡散抵抗体15はアルミナ等の多孔質物質から形成され、被測定ガスの透過性を有している。
NOxセンサ部11には、さらに、NOxセンサ部11や、アンモニアセンサ部21を活性温度にまで昇温し、それぞれのセンサを構成する固体電解質体における酸素イオンの導電性を高めるヒータ19が設けられている。ヒータ19は、白金または白金を含む合金を、センサ素子部10の長手方向に沿って延びる長尺板状に形成したものであり、絶縁層10bおよび絶縁層10aの間に埋設されるものである。
その他にNOxセンサ部11には、第1ポンピングセル12と、酸素濃度検出セル16と、第2ポンピングセル18と、が設けられている。
第1ポンピングセル12は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体とする第1固体電解質体12aと、白金を主体とする内側第1ポンピング電極12bおよび外側第1ポンピング電極12cと、から主に構成されている。
内側第1ポンピング電極12bは、第1固体電解質体12aにおける第1測定室S1に露出する面に設けられている。さらに内側第1ポンピング電極12bは、多孔質体からなる保護層12dによって第1測定室S1側の表面が覆われている。
外側第1ポンピング電極12cは、内側第1ポンピング電極12bの対極となる電極であり、内側第1ポンピング電極12bとの間に第1固体電解質体12aを挟んで配置されるものである。絶縁層10eにおける外側第1ポンピング電極12cが配置された領域に相当する部分は、くり抜かれて多孔質体12eが充填されている。多孔質体12eは、外側第1ポンピング電極12cと外部との間でガス(酸素)の出入りを可能とするものである。
酸素濃度検出セル16は、ジルコニアを主体とする第3固体電解質体16aと、白金を主体とし、第3固体電解質体16aを間に挟んで配置された検知電極16bおよび基準電極16cと、から主に構成されている。
検知電極16bは、第3固体電解質体16aにおける第1測定室S1に露出する面であって、内側第1ポンピング電極12bよりも下流側、言い換えると、第2拡散抵抗体15側の領域に設けられている。
検知電極16bの対極である基準電極16cは、絶縁層10cを切り抜いて形成した基準酸素室17の内部に配置されている。この基準酸素室17の内部には、多孔質体が充填されている。基準酸素室17には、第1測定室S1から送りこまれた酸素が存在し、基準酸素室17内の酸素が酸素基準とされている。
第2ポンピングセル18は、ジルコニアを主体とする第2固体電解質体18aと、白金を主体とする内側第2ポンピング電極(電極)18bおよび第2ポンピング対電極(電極)18cと、から主に構成されている。
内側第2ポンピング電極18bは、第2固体電解質体18aにおける第2測定室S2に露出する領域に設けられている。第2ポンピング対電極18cは、第2固体電解質体18aにおける基準酸素室17に露出する領域であって、基準電極16cと対向する部分に設けられている。
さらに、上述の内側第1ポンピング電極12b、検知電極16b、および、内側第2ポンピング電極18bは、それぞれ基準電位に接続されている。
その一方で、アンモニアセンサ部21は、NOxセンサ部11の外表面、より具体的には、絶縁層10eの上に形成されている。アンモニアセンサ部21は、NOxセンサ部11における基準電極16cと軸線O方向に略同位置(例えば図2の上側)に配置されている。
本実施形態では、NOxセンサ部11の第2固体電解質体18aの制御温度を600℃としたときに、NOxセンサ部11の外表面の温度が650℃となる位置に、アンモニアセンサ部21が配置されている。
アンモニアセンサ部21は、図2および図3に示すように、白金を主体とする基準電極21a(本発明の第2電極に相当)と、ジルコニアを主体とするアンモニア用固体電解質体23(本発明の固体電解質体に相当)と、酸化コバルトおよびジルコニアを主体とする中間層(電極)21bと、金を主体とするアンモニア電極(本発明の電極に相当)21cと、から主に構成されている。さらに、アンモニアセンサ部21は、多孔質からなる保護層24によって一体に覆われている。
基準電極21aは、その電極表面で可燃性ガスが燃焼する電極であり、例えばPt単体であるか、またはPtを主成分とする材料で構成されている。さらに、基準電極21aは、絶縁層10eの外側面(図3の上側の面)に配置された矩形状の電極であり、絶縁層10eの長手方向(図3の左右方向)に延びる、白金を主体とする基準電極リード25が設けられている。基準電極リード25の後端側(図3の右側)の端部は、電極端子部を形成している。
アンモニア用固体電解質体23は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の酸素イオン伝導性材料で構成されたものであり、絶縁層10eとの間に基準電極21aを挟んで配置されるものである。
中間層21bは、アンモニア用固体電解質体23の外側面であって、基準電極21aと対向する位置に配置されたものである。
なお、本実施形態では、中間層21bは、酸化コバルトとジルコニアとを主体としていたが、酸素イオン導電性の固体電解質成分(つまりはジルコニア)を50質量%以上含有するとともに、Mn,Cu,NiおよびCeの群から選ばれる1種以上の金属の酸化物である第1の金属酸化物を含む層であっても良い。また、例えば、第1の金属酸化物が、酸化コバルト(Co)である場合には、被検出ガスに含まれるHOによって、アンモニアセンサ部21におけるアンモニア濃度の感度の変動が抑制される。上述の第1の金属酸化物は、金属酸化物または複合酸化物の形態をとるものである。なお、中間層21bに含まれる固体電解質成分は、本発明のガスセンサを構成する固体電解質体と同一の組成であってもよいし、異なる成分であってもよい。
中間層21bに含有される第1の金属酸化物の割合は、1質量%から50質量%までであることが好ましい。第1の金属酸化物の含有割合が1質量%未満であると、中間層21bのアンモニアガスに対する選択性が十分に確保できないおそれがある。また、第1の金属酸化物の含有割合が50質量%を超えると、中間層21bの固体電解質成分の割合が少なくなり、中間層21bの酸素イオン伝導性が低下するおそれがある。
さらに、中間層21bが多孔質であることが好ましい。中間層21bを多孔質体から形成することにより、中間層21bのアンモニアガスに対する選択性が向上し、アンモニアセンサ部21におけるアンモニアガスの検出感度が向上する。
なお、中間層21bに第1の金属酸化物が含まれるか否かは、アンモニアセンサ部21の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザ)で分析することにより確認できる。一般的には、切断面の3ヶ所をEPMAで分析し、分析結果の平均値によって確認できる。
アンモニア電極21cは、中間層21bの外側面に配置されたものである。言い換えると、アンモニア電極21cは、基準電極21aとの間にアンモニア用固体電解質体23および中間層21bを挟んで配置されたものである。
アンモニア電極21cには、アンモニア電極リード(本発明のリードに相当)21dがアンモニア電極21cから後端側に向かって延びて形成されている。詳細には、図4に示すように、アンモニア電極21cには、アンモニア電極リード21dが、継ぎ手部(本発明の成分領域に相当)70を介して電気的に接続されている。継ぎ手部70の詳細については、後述する。アンモニア電極リード21dは、白金を主成分とする材料で形成されている。すなわち、アンモニア電極リード21dは、白金を50質量%以上含有している。白金は、本発明の第2金属に相当する。また、アンモニア電極リード21dの後端側の端部は、電極端子部を形成している。
また、アンモニア電極21cは、Au(金)を主成分としている。すなわち、アンモニア電極21cは、Auを70質量%以上含有する材料から形成された電極であり、検知電極として働くものである。金は、本発明の第1金属に相当する。なお、アンモニア電極21cには、上述の第1の金属酸化物が含まれていても、含まれていなくても良いが、含まれない形態とすれば、アンモニア電極21cにおけるアンモニアガスの燃焼が抑制され、アンモニア電極21cと中間層21bとの界面に到達するアンモニアガスが減少しにくい。言い換えると、アンモニアセンサ部21の検知精度が向上し、特に、10ppm付近の低濃度のアンモニアを高い精度で検出することが可能となる。
また、Auを70質量%以上含有する材料からアンモニア電極21cを形成することにより、アンモニア電極21cにおける集電体としての能力が確保される。なお、Auの含有量が70質量%未満の材料を用いてアンモニア電極21cを形成すると、アンモニア電極21cにおける集電体としての能力確保が難しくなる。つまり、アンモニアセンサ部21によるアンモニアガスの検知が困難になる。
アンモニア電極21cを、Zr(ジルコニウム),Y(イットリウム),Al(アルミニウム)およびSi(ケイ素)の群から選ばれる1種以上の金属の酸化物である第2の金属酸化物を含む多孔質電極として形成することで、アンモニア電極21cにガス透過性を付与することができる。そのため、アンモニアガスがアンモニア電極21cを透過することができ、アンモニア電極21cと中間層21bとの界面まで容易に到達することができる。なお、アンモニア電極21cは、第2の金属酸化物を5質量%から30質量%までの割合で含有していることが好ましい。
アンモニア電極21cと中間層21bとの界面まで到達したアンモニアガスは、当該界面において酸素イオンと反応(電極反応)する。そのため、アンモニア電極21cと中間層21bとがアンモニアガスの検知部として機能することができる。ここで、第1の金属酸化物を、アンモニア電極21cと中間層21bとの界面に存在させることにより、アンモニア電極21cおよび中間層21bにおける例えばHCガス等のアンモニアガス以外のガスに対する感度を低下させ、アンモニアガスの選択性を向上させることができる。
アンモニアガスの選択性が向上する理由は明らかではないが、上述の界面に介在する第1の金属酸化物が、電極反応場を修飾するためと考えられている。さらに、第1の金属酸化物は、酸性の性質を有するため、塩基性分子であるNHと強く相互作用し、他のガスよりもNHに対する電極反応が有利に進むと考えられている。これらのことから、アンモニア電極21cおよび中間層21bにおけるアンモニアガスの選択性が向上していると考えられている。
なお、本実施形態では、アンモニア電極21cと中間層21bとを分けて設けているが、アンモニア電極21cに、中間層21bに含まれる酸化コバルトを含有させて、中間層21bを省略してもよい。
保護層24は、アンモニア電極21cへの被毒物質の付着を防止すると共に、外部からアンモニアセンサ部21に流入する被測定ガスの拡散速度を調整するものである。保護層24を形成する材料としては、アルミナ(酸化アルミニウム)、スピネル(MgAl)、シリカアルミナ、および、ムライトの群から選ばれる少なくとも1種の材料を例示できる。保護層24による被測定ガスの拡散速度は、保護層24の厚さや、粒径や、粒度分布や、気孔率や、配合比率などを調整することにより調整される。
なお、上述の実施形態のように保護層24を設けてもよいし、保護層24を設けることなくアンモニア電極21cなどを露出させてもよく、特に限定するものではない。
制御部3には、図2に示すように、回路基板上に配置されたアナログ回路である制御回路50と、マイクロコンピュータ60と、が設けられている。
マイクロコンピュータ60は、制御部3の全体を制御するものである。マイクロコンピュータ60には、中央演算処理装置であるCPU61と、記憶手段であるRAM62およびROM63と、信号入出力部64と、A/Dコンバータ65と、クロック(図示せず。)と、が主に設けられている。マイクロコンピュータ60は、ROM63などに予め格納されたプログラムをCPU61が実行することにより、各種の処理を行うものである。
制御回路50は、基準電圧比較回路51と、Ip1ドライブ回路52と、Vs検出回路53と、Icp供給回路54と、Ip2検出回路55と、Vp2印加回路56と、ヒータ駆動回路57と、起電力検出回路58と、から主に構成されている。
Ip1ドライブ回路52は、NOxセンサ部11の外側第1ポンピング電極12cに電気的に接続され、Vs検出回路53およびIcp供給回路54は、基準電極16cに並列に電気的に接続されている。Ip2検出回路55およびVp2印加回路56は、第2ポンピング対電極18cに並列に電気的に接続され、ヒータ駆動回路57は、ヒータ19に電気的に接続されている。
起電力検出回路58は、アンモニアセンサ部21における基準電極21aおよびアンモニア電極21cに電気的に接続されている。さらに、起電力検出回路58は、基準電極21aおよびアンモニア電極21cの間の起電力である、アンモニア起電力EMFを検出してマイクロコンピュータ60に出力している。
Ip1ドライブ回路52は、内側第1ポンピング電極12bと外側第1ポンピング電極12cとの間に第1ポンピング電流Ip1を供給するとともに、供給した第1ポンピング電流Ip1を検出するものである。
Vs検出回路53は、検知電極16bと基準電極16cとの間の電圧Vsを検出し、検出した結果を基準電圧比較回路51に出力するものである。基準電圧比較回路51は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路53の出力(電圧Vs)とを比較し、比較した結果をIp1ドライブ回路52に出力するものである。
Ip1ドライブ回路52は、電圧Vsが上述の基準電圧と等しくなるようにIp1電流の流れる向きと、大きさとを制御するとともに、第1測定室S1内の酸素濃度をNOxが分解しない程度の所定値に調整するものである。
Icp供給回路54は、検知電極16bと基準電極16cとの間に微弱な電流Icpを流すものであり、電流Icpを供給することで、酸素を第1測定室S1から基準酸素室17内に送り込み、基準電極16cを基準となる所定の酸素濃度に晒させるものである。
Vp2印加回路56は、内側第2ポンピング電極18bと第2ポンピング対電極18cとの間に、一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加し、NOxを窒素と酸素に分解させるものである。一定電圧Vp2は、被測定ガス中のNOxガスが酸素とNガスに分解する程度の電圧である。
Ip2検出回路55は、第2ポンピングセル18に流れる第2ポンピング電流Ip2を検出するものである。第2ポンピング電流Ip2は、NOxの分解により生じた酸素が第2測定室S2から第2固体電解質体18aを介して第2ポンピング対電極18c側に汲み出される際に流れる電流である。
Ip1ドライブ回路52は、検出した第1ポンピング電流Ip1の値をA/Dコンバータ65に出力するものであり、Ip2検出回路55は、検出した第2ポンピング電流Ip2の値をA/Dコンバータ65に出力するものである。A/Dコンバータ65は、第1ポンピング電流Ip1および第2ポンピング電流Ip2の値をデジタル変換し、信号入出力部64を介してCPU61に出力するものである。
次に、NOxセンサ部11およびアンモニアセンサ部21が形成されたセンサ素子部10の製造方法について説明する。ここでは、アンモニアセンサ部21の製造方法について説明する。なお、NOxセンサ部11の製造方法は公知の製造方法であるため、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
アンモニアセンサ部21の製造方法について、図3,4を参照して以下に説明する。
最初に、絶縁層10eの上に基準電極21aを形成するPt、アルミナ(共素地として用いる無機酸化物)、バインダおよび有機溶剤を含む電極ペースト(以下、「Pt系ペースト」と表記する。)をスクリーン印刷により配置し、所定温度(約1400℃以上)で焼成する。
焼成された基準電極21aの上に、アンモニア用固体電解質体23を形成する固体電解質体の成分となる酸化物粉末、バインダおよび有機溶剤を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1500℃)で焼成する。以上により、基準電極21a、および、アンモニア用固体電解質体23が形成される。
次いで、アンモニア用固体電解質体23の上に、中間層21bを形成する上記第1の金属酸化物および固体電解質成分を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、中間層21bが形成される。
さらに、中間層21bの上に、アンモニア電極リード21dを形成するPt系ペーストをスクリーン印刷により配置する。そして、このPt系ペーストの端部に重ねるようにして、継ぎ手部70を形成するペーストをスクリーン印刷により配置する。次に、この継ぎ手部70を形成するペーストに重ねるようにして、アンモニア電極21cを形成するAu系ペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、アンモニア電極21cが形成される。最後に、基準電極21a、アンモニア用固体電解質体23、中間層21bおよびアンモニア電極21cを覆うように、アルミナ等を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、保護層24が形成される。以上によりアンモニアセンサ部21が形成される。
次に、本実施形態の特徴であるアンモニア電極21cと、アンモニア電極リード21dとの間の継ぎ手部70について説明する。
継ぎ手部70には、Au(第1金属)及びPt(第2金属)が合計50質量%以上含有されている。継ぎ手部70は、アンモニア電極21cにおけるAuの含有割合と、アンモニア電極リード21dにおけるAuの含有割合と、の間の大きさのAuの含有割合となっている。すなわち、継ぎ手部70のAuの濃度は、アンモニア電極21cよりも低く、かつアンモニア電極リード21dよりも高い。また、継ぎ手部70のPtの含有割合は、アンモニア電極21cにおけるPtの含有割合と、アンモニア電極リード21dにおけるPtの含有割合と、の間の大きさである。すなわち、継ぎ手部70のPtの濃度は、アンモニア電極リード21dよりも低く、かつアンモニア電極21cよりも高い。すなわち、Au濃度について、継ぎ手部70は、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dの間の濃度とされている。また、Pt濃度についても、継ぎ手部70は、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dの間の濃度とされている。
継ぎ手部70のAuの濃度は、継ぎ手部70におけるAu及びPtの全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましく、45~55質量%であることが更に好ましい。
継ぎ手部70のPtの濃度は、継ぎ手部70におけるAu及びPtの全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましく、45~55質量%であることが更に好ましい。
継ぎ手部70における金属成分は、実質的に、Au及びPtからなることが好ましい。ここで、「実質的に、Au及びPtからなる」とは、Au及びPt以外の他の金属成分が実質的に0%(具体的には、5.0質量%未満)であることを意味する。
本実施形態のガスセンサ素子(アンモニアセンサ部21)では、継ぎ手部70の存在により、金属元素の急激な濃度勾配が緩やかとなり、焼成時(熱処理時)でもアンモニア電極21cのAuがアンモニア電極リード21dへ移動しにくい。よって、Auの移動に起因する空洞が発生しにくく、断線が抑制される。
第1金属がAuであり、第2金属がPtの場合は、焼成時に金属元素の移動が起こりやすい組合せであるが、継ぎ手部70を介在させることによって、金属元素の移動を効果的に抑制できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るガスセンサ310について、図5~8を参照しながら説明する。
図5は、ガスセンサ310の構成を示した説明図である。ガスセンサ310は、酸素検出素子320(本発明のガスセンサ素子に相当)と、主体金具311と、内側端子部材330と、外側端子部材340と、セラミックヒータ300(本発明のヒータに相当)と、を備える。
酸素検出素子320は、先端320s(図5下側)が閉じ、後端320k(図5上側)が開口し、軸線AXに沿った軸線方向(図5上下方向)に延びる断面略U字状の有底筒状である。酸素検出素子320は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体321と、固体電解質体321の外周面の一部に、メッキ等によって形成された図示しない外側電極層と、固体電解質体321の内周面の一部に、メッキ等によって形成された図示しない内側電極層を備える。また、酸素検出素子320の外周面において、軸線AX方向の中間部には、径方向外側に突出する係合フランジ部320fが設けられ、後述する主体金具311に係合される。
主体金具311は、酸素検出素子320の外周の一部を包囲する筒状に形成され、内部に金属製パッキン381、382、383と、インシュレータ313、313bおよびセラミック粉末314を介在させて、係合フランジ部320fと係合し、酸素検出素子320を保持している。これにより、酸素検出素子320は、主体金具311の内側において気密に保持されている。また、主体金具311は、主体金具311の先端側開口部から突出する酸素検出素子320の先端部を覆うように、プロテクタ315が取り付けられている。このプロテクタ315は、外側プロテクタ315aと内側プロテクタ315bの二重構造を備え、外側プロテクタ315aおよび内側プロテクタ315bには、排気ガスを透過させる複数のガス透過口が形成されている。酸素検出素子320の図示しない外側電極層は、プロテクタ315のガス透過口を通して、排気ガスと接触することができる。
主体金具311は、外周面に形成された六角部311cの後端側に接続部311dを備える。接続部311dは、筒状の金属外筒316の先端側が外側から全周レーザ溶接により固着されている。金属外筒316の後端側開口部は、フッ素ゴムで構成されたグロメット317を嵌入させて加締封止されている。グロメット317の先端側には、絶縁性のアルミナセラミックからなるセパレータ318が配置されている。そして、グロメット317およびセパレータ318を貫通してセンサ出力リード線319、319bおよびヒータリード線312b、312cが配置されている。なお、グロメット317の中央には、軸線AXに沿って貫通口が形成されており、この貫通口に撥水性および通気性を兼ね備えるシート状のフィルタ385を被せた状態の金属パイプ386が嵌め込まれている。これにより、ガスセンサ310の外部の大気はフィルタ385を介して金属外筒316内に導入され、ひいては酸素検出素子320の内部空間G内に導入される。
外側端子部材340は、ステンレス鋼板からなり、軸線AXの直交方向断面が略C字状の外嵌部341と、外嵌部341の後端側中央付近から後端側に延びるセパレータ挿入部342と、さらにこの後端側に位置し、センサ出力リード線319bの芯線を加締により把持し、外側端子部材340とセンサ出力リード線319bとを電気的に接続するコネクタ部343とを備える。セパレータ挿入部342は、セパレータ318内に挿入されると共に、このセパレータ挿入部342から分岐して突出するセパレータ当接部342dが、保持孔318dに弾性的に当接することにより外側端子部材340自身をセパレータ318内に保持している。また、外嵌部341は、径方向断面の内接円の径が、酸素検出素子320の後端側における外周面の径より小さく形成されている。このため、外側端子部材340が酸素検出素子320に組み付けられた状態では、外嵌部341は、自身の弾性力により、酸素検出素子320の外周面に形成された外側電極層に押圧力を伴い接触するため、外側電極層との電気的導通を保持している。従って、外側電極層に発生した起電力は、外嵌部341およびセンサ出力リード線319bを介して外部に取り出される。
内側端子部材330は、ステンレス鋼板からなり、軸線AXの直交方向断面が馬蹄形状の挿入部333と、挿入部333の後端側中央付近から後端側に延びるセパレータ挿入部332と、さらにこの後端側に位置し、センサ出力リード線319の芯線を加締により把持し、内側端子部材330とセンサ出力リード線319とを電気的に接続するコネクタ部331とを備える。セパレータ挿入部332は、セパレータ318内に挿入されると共に、このセパレータ挿入部332から分岐して突出するセパレータ当接部332dが、保持孔318dに弾性的に当接して、内側端子部材330自身をセパレータ318内に保持している。また、挿入部333は、先端側に突出するヒータ押圧部336を備える。ヒータ押圧部336は、軸線AX方向から見たとき、概ね1/4円弧状に形成されており、挿入部333が酸素検出素子320内に組み付けられたとき、セラミックヒータ300の側面が酸素検出素子320の内周面に当接するようにセラミックヒータ300を押圧する。
挿入部333は、径方向断面の外接円の径が、酸素検出素子320の後端側における内周面の径よりも大きく形成されている。このため、内側端子部材330が酸素検出素子320に組み付けられた状態では、挿入部333は、自身の弾性力により、酸素検出素子320の内周面に形成された内側電極層に押圧力を伴い接触するため、内側電極層との電気的導通を保持している。従って内側電極層に発生した起電力は、挿入部333およびセンサ出力リード線319を介して外部に取り出される。
セラミックヒータ300は、内部空間G内に配置され、内側端子部材330によって保持されることにより姿勢を維持している。セラミックヒータ300は、後述する端子部材430がヒータリード線312b、312cと接続され、ヒータリード線312b、312cからの電力の供給により、固体電解質体321の内周面を加熱する。セラミックヒータ300の構成については後に詳述する。
図6はセラミックヒータの構成を示した説明図である。図7はセラミックヒータの内部構成を示した分解斜視図である。図6に示すように、セラミックヒータ300は、丸棒状(略円柱形状)に形成されている。そして、図5に示すように、酸素検出素子320に内挿されて酸素検出素子320を加熱する。なお、セラミックヒータ300の長手方向の両端部の内、発熱部分を備える側(図6左側)を「先端側」とし、これと反対側の端部を「後端側」として説明する。
セラミックヒータ300は、セラミック基体402と、電極パッド421と、端子部材430とを備える。図7に示すように、セラミック基体402は、丸棒状のアルミナセラミック製の碍管401の外周に絶縁性の高いアルミナセラミック製のグリーンシート440,446が巻き付けられ、これらを焼成することにより製造される。
グリーンシート440上には、ヒータパターンとしてのPt系の材料を主体とする発熱抵抗体441が形成されている。発熱抵抗体441は、さらに発熱部442と、発熱部442の両端にそれぞれ継ぎ手部(本発明のヒータ継ぎ手部、成分領域に相当)450を介して接続される一対のリード部443(本発明のヒータリードに相当)とを備える。グリーンシート440の後端側には、2個のスルーホール444を介して、セラミックヒータ300の外表面上に形成される電極パッド421と電気的に接続される。
グリーンシート440上には、リード部443を形成するPd系ペーストをスクリーン印刷により配置する。そして、このPt系ペーストの端部に重ねるようにして、継ぎ手部450を形成するペーストをスクリーン印刷により配置する。次に、この継ぎ手部450を形成するペーストに重ねるようにして、発熱部442を形成するPt系ペーストをスクリーン印刷により配置する。
グリーンシート446は、グリーンシート440のうち発熱抵抗体441が形成される側の面に圧着されている。グリーンシート446のうち、この圧着面と反対側の面にはアルミナペーストが塗布され、この塗布面を内側にしてグリーンシート440,446が碍管401に巻き付けられて外周から内向きに押圧されることにより、セラミックヒータ成形体が形成される。その後、セラミックヒータ成形体が焼成されることにより、セラミック基体402が形成される。
次に、本実施形態の特徴である発熱部442と、リード部443との間の継ぎ手部450について説明する。
継ぎ手部450には、Pt(第1金属)及びPd(第2金属)が合計50質量%以上含有されている。継ぎ手部450は、発熱部442におけるPtの含有割合と、リード部443におけるPtの含有割合と、の間の大きさのPtの含有割合となっている。すなわち、継ぎ手部450のPtの濃度は、発熱部442よりも低く、かつリード部443よりも高い。また、継ぎ手部450のPdの含有割合は、発熱部442におけるPdの含有割合と、リード部443におけるPdの含有割合と、の間の大きさである。すなわち、継ぎ手部450のPdの濃度は、リード部443よりも低く、かつ発熱部442よりも高い。すなわち、Pt濃度について、継ぎ手部450は、発熱部442とリード部443の間の濃度とされている。また、Pd濃度についても、継ぎ手部450は、発熱部442とリード部443の間の濃度とされている。
継ぎ手部450のPtの濃度は、継ぎ手部450におけるPt及びPdの全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましく、45~55質量%であることが更に好ましい。
継ぎ手部450のPdの濃度は、継ぎ手部450におけるPt及びPdの全体を100質量%とした場合に、30~70質量%であることが好ましく、40~60質量%であることがより好ましく、45~55質量%であることが更に好ましい。
継ぎ手部450における金属成分は、実質的に、Pt及びPdからなることが好ましい。ここで、「実質的に、Pt及びPdからなる」とは、Pt及びPd以外の他の金属成分が実質的に0%(具体的には、5.0質量%未満)であることを意味する。
本実施形態の場合では、継ぎ手部450の存在により、金属元素の急激な濃度勾配が緩やかとなり、焼成時(熱処理時)でも、リード部443のPdが発熱部442へ移動しにくい。よって、Pdの移動に起因する空洞が発生しにくく、断線が抑制される。
第1金属がPtであり、第2金属がPdの場合は、焼成後に金属元素の移動が起こりやすい組合せであるが、継ぎ手部450を介在させることによって、金属元素の移動を効果的に抑制できる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るガスセンサ素子(アンモニアセンサ部21)を備えたマルチガスセンサ装置(本発明のガスセンサに相当)1について、図1,2,9~10を参照しながら説明する。なお、第3実施形態のマルチガスセンサ装置1は、一部を除き第1実施形態のマルチガスセンサ装置1と同様の構成であるため、図1,2を用いて説明をする。また、以下の説明では、第1実施形態のマルチガスセンサ装置1と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を用いて、詳しい説明を省略する。
第3実施形態のマルチガスセンサ装置1には、第1実施形態のマルチガスセンサ装置1(図1,2参照)と同様に、マルチガスセンサ2と、制御部3と、が主に設けられている。制御部3は、第1実施形態のマルチガスセンサ装置1の制御部3と同様の構成であるため、説明を省略する。マルチガスセンサ2は、図1に示すように、センサ素子部10と、主体金具110と、セパレータ134と、接続端子138と、が主に設けられている。センサ素子部10には、NOセンサ部(NO検出素子)11と、アンモニアセンサ部(本発明のガスセンサ素子に相当)21と、が主に設けられている。NOセンサ部(NO検出素子)11は、第1実施形態のNOセンサ部(NO検出素子)11と同様の構成であり、説明を省略する。
アンモニアセンサ部21は、図2,9に示すように、白金を主体とする基準電極21aと、ジルコニアを主体とするアンモニア用固体電解質体23と、酸化コバルトおよびジルコニアを主体とする中間層(電極)21bと、金を主体とするアンモニア電極(本発明の電極に相当)21cと、から主に構成されている。さらに、アンモニアセンサ部21は、多孔質からなる保護層24によって一体に覆われている。アンモニア電極21cには、アンモニア電極リード(本発明のリードに相当)21dがアンモニア電極21cから後端側に向かって延びて形成されている。アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが、直接的に接続されている。アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dの接続構造については、後で詳細に説明する。
次に、NOセンサ部11およびアンモニアセンサ部21が形成されたセンサ素子部10の製造方法について説明する。ここでは、アンモニアセンサ部21の製造方法について説明する。なお、NOセンサ部11の製造方法は公知の製造方法であるため、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
アンモニアセンサ部21の製造方法について、図10,11を参照して以下に説明する。
最初に、絶縁層10eの上に基準電極21aを形成するPt、アルミナ(共素地として用いる無機酸化物)バインダおよび有機溶剤を含む電極ペースト(以下、「Pt系ペースト」と表記する。)をスクリーン印刷により配置し、所定温度(約1400℃以上)で焼成する。
焼成された基準電極21aの上に、アンモニア用固体電解質体23を形成する固体電解質体の成分となる酸化物粉末、バインダおよび有機溶剤を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1500℃)で焼成する。以上により、基準電極21a、および、アンモニア用固体電解質体23が形成される。
次いで、アンモニア用固体電解質体23の上に、中間層21bを形成する上記第1の金属酸化物および固体電解質成分を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、中間層21bが形成される。
さらに、中間層21bの上に、アンモニア電極21cを形成するAu系ペーストをスクリーン印刷により配置する。そして、このAu系ペーストの端部に重ねるようにして、アンモニア電極リード21dを形成するPt系ペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、アンモニア電極21cが形成される。
最後に、基準電極21a、アンモニア用固体電解質体23、中間層21bおよびアンモニア電極21cを覆うように、アルミナ等を含むペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(例えば、1000℃)で焼成することにより、保護層24が形成される。以上によりアンモニアセンサ部21が形成される。
ここで、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとの詳細な接続構造について説明する。
図10に示すように、この接続構造では、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重ならない電極単独部73と、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重なる接続部71と、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重ならないリード単独部75と、が存在している。接続部71は、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが、厚み方向で重なる領域である。
そして、接続部71は、アンモニア電極21cの上に、アンモニア電極リード21dが被さるようにして形成されている。
電極単独部73の主たる金属成分(貴金属成分)である第1金属の比重は、リード単独部75の主たる金属成分(貴金属成分)である第2金属の比重より低くされている。本実施形態では、第1金属はAuとされ、第2金属はPtとされている。
図10に示されるように、接続部71の厚み(T3)は、電極単独部73の厚み(T1)とリード単独部75との厚み(T2)を足した厚み(T1+T2)に比べて、厚くされている。
また、図10に示すように、接続部71の断面を観察した際、接続部71の表面側をリード単独部75の厚み(T2)分だけ除外し、かつ接続部71の裏面側を電極単独部73の厚み(T1)分だけ除外して、残った部分である残存部77(本発明の接合部、成分領域に相当し、図10におけるクロスハッチング部分)が存在している。
この残存部77におけるAuの含有割合は、電極単独部73におけるAuの含有割合と、リード単独部75におけるAuの含有割合と、の間の大きさになっている。すなわち、この残存部77に含まれる金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合が、電極単独部73における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも低く、リード単独部75における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも多い構成とされている。
なお、「接続部71の断面を観察した際」とは、「アンモニアセンサ部21を軸線方向に沿って、アンモニア電極21cで切断して、厚み方向から観察した際」と同義である。
電極単独部73の厚み(T1)は、特に限定されないが、アンモニアガスの検知精度を担保するという観点から、5μm~40μmが好ましく、10μm~30μmがより好ましく、15μm~25μmが更に好ましい。
リード単独部75の厚み(T2)は、特に限定されないが、高い導電性を確保するという観点と高価な貴金属の使用量を抑えるという観点から、5μm~40μmが好ましく、10μm~30μmがより好ましく、15μm~25μmが更に好ましい。
残存部77の厚みは、特に限定されないが、断線を効果的に抑制するという観点と高価な貴金属の使用量を抑えるという観点から、1μm~40μmが好ましく、5μm~30μmがより好ましく、10μm~20μmが更に好ましい。
なお、図10に示すように、リード単独部75の厚み(T2)は、接続部71近傍の部分的に厚くなる箇所(図10におけるリード単独部75の左端部分)を除いた厚さとする。また、各厚みは、接続部近傍断面を例えば300倍でSEM観察した場合のそれぞれ3箇所の平均値とする。
この接続構造を形成する方法について説明する。前述のアンモニア電極21cを形成するAu系ペーストをスクリーン印刷により配置する際に、接続部71となる部位については、電極単独部73となる部位よりも、Au系ペーストを厚く塗布する。厚く塗布されたAu系ペーストが、上述の残存部77を形成することになる。但し、残存部77では、電極単独部73よりも、Auの含有割合が少なくなっている。これは、焼成の際に、残存部77を形成するAu系ペーストから、Auがアンモニア電極リード21dを形成するPt系ペーストに移動するからである。
電極単独部73、リード単独部75、残存部77における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による元素分析をすることによって測定される。各部位におけるAuの含有割合としては、各部位断面の複数箇所を測定した測定値の平均値を採用する。
電極単独部73における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、80重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、86重量%以上が更に好ましい。電極単独部73における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合の上限値は、100重量%であってもよい。
このように、電極単独部73は、Auを主たる金属成分(貴金属成分)としている。よって、電極単独部73における集電体としての能力が確保される。
なお、電極単独部73には、上述の第1の金属酸化物が含まれていても、含まれていなくても良いが、含まれない形態とすれば、電極単独部73におけるアンモニアガスの燃焼が抑制され、電極単独部73と中間層21bとの界面に到達するアンモニアガスが減少しにくい。言い換えると、アンモニアセンサ部21の検知精度が向上し、特に、10ppm付近の低濃度のアンモニアを高い精度で検出することが可能となる。
電極単独部73を、Zr(ジルコニウム),Y(イットリウム),Al(アルミニウム)およびSi(ケイ素)の群から選ばれる1種以上の金属の酸化物である第2の金属酸化物を含む多孔質電極として形成することで、電極単独部73にガス透過性を付与することができる。そのため、アンモニアガスが電極単独部73を透過することができ、電極単独部73と中間層21bとの界面まで容易に到達することができる。なお、電極単独部73は、電極単独部73全体を100重量%とした場合に、第2の金属酸化物を5重量%から30重量%までの割合で含有していることが好ましい。
リード単独部75における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、電極単独部73のAuの含有割合よりも低い。リード単独部75における金属成分(貴金属成分)に対するPtの含有割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましい。
また、残存部77における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、リード単独部75における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも多い。
なお、上述のように残存部77における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、通常、電極単独部73のAuの含有割合よりも低い。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のアンモニアセンサ部21では、接続部71において、電極として機能する部分(電極単独部73の厚み分)と、リードとして機能する部分(リード単独部75の厚み分)との間に残存部77を設けている。よって、Auの移動の起きる部位を残存部77に留めることができるから、電極として機能する部分からのAuの流出を抑制できる。その結果、接続部71での断線が抑制される。
<第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態と、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとの接続構造が異なる。この点について、図11を参照しつつ説明する。なお、その他の構成は、第3実施形態と同様であるので説明を省略する。
図11に示すように、この接続構造では、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重ならない電極単独部83と、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重なる接続部81と、アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが重ならないリード単独部85と、が存在している。アンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとが、直接的に接続されている。
そして、接続部81は、アンモニア電極リード21dの上に、アンモニア電極21cが被さるようにして形成されている。
電極単独部83の主たる金属成分(貴金属成分)である第1金属の比重は、リード単独部85の主たる金属成分(貴金属成分)である第2金属の比重より低くされている。本実施形態では、第1金属はAuとされ、第2金属はPtとされている。
図11に示されるように、接続部81の厚み(T6)は、電極単独部83の厚み(T4)とリード単独部85との厚み(T5)を足した厚み(T4+T5)に比べて、厚くされている。
また、図11に示すように、接続部81の断面を観察した際、接続部81の表面側を電極単独部83の厚み(T4)分だけ除外し、かつ接続部81の裏面側をリード単独部85の厚み(T5)分だけ除外して、残った部分である残存部87(本発明の接合部、成分領域に相当し、図11におけるクロスハッチング部分)が存在している。
この残存部87に含まれる金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合が、リード単独部85における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも多い構成とされている。
なお、「接続部81の断面を観察した際」とは、「アンモニアセンサ部21を軸線方向に沿って、アンモニア電極21cで切断して、厚み方向から観察した際」と同義である。
電極単独部83の厚み(T4)は、特に限定されないが、アンモニアガスの検知精度を担保するという観点から、5μm~40μmが好ましく、10μm~30μmがより好ましく、15μm~25μmが更に好ましい。
リード単独部85の厚み(T5)は、特に限定されないが、高い導電性を確保するという観点と高価な貴金属の使用量を抑えるという観点から、5μm~40μmが好ましく、10μm~30μmがより好ましく、15μm~25μmが更に好ましい。
残存部87の厚みは、特に限定されないが、断線を効果的に抑制するという観点と高価な貴金属の使用量を抑えるという観点から、1μm~40μmが好ましく、5μm~30μmがより好ましく、10μm~20μmが更に好ましい。
この接続構造を形成する方法について説明する。アンモニア電極21cを形成するAu系ペーストをスクリーン印刷により配置する際に、接続部81となる部位については、電極単独部83となる部位よりも、Au系ペーストを厚く塗布する。厚く塗布されたAu系ペーストが、上述の残存部87を形成することになる。但し、残存部87では、電極単独部83よりも、Auの含有割合が少なくなっている。これは、焼成の際に、残存部87を形成するAu系ペーストから、Auがアンモニア電極リード21dを形成するPt系ペーストに移動するからである。
電極単独部83、リード単独部85、残存部87における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による元素分析をすることによって測定される。各部位におけるAuの含有割合としては、各部位断面の複数箇所を測定した測定値の平均値を採用する。
電極単独部83における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましい。電極単独部83における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合の上限値は、100重量%であってもよい。
このように、電極単独部83は、Auを主たる金属成分(貴金属成分)としている。よって、電極単独部83における集電体としての能力が確保される。
なお、電極単独部83には、上述の第1の金属酸化物が含まれていても、含まれていなくても良いが、含まれない形態とすれば、電極単独部83におけるアンモニアガスの燃焼が抑制され、電極単独部83と中間層21bとの界面に到達するアンモニアガスが減少しにくい。言い換えると、アンモニアセンサ部21の検知精度が向上し、特に、10ppm付近の低濃度のアンモニアを高い精度で検出することが可能となる。
電極単独部83を、Zr(ジルコニウム),Y(イットリウム),Al(アルミニウム)およびSi(ケイ素)の群から選ばれる1種以上の金属の酸化物である第2の金属酸化物を含む多孔質電極として形成することで、電極単独部83にガス透過性を付与することができる。そのため、アンモニアガスが電極単独部83を透過することができ、電極単独部83と中間層21bとの界面まで容易に到達することができる。なお、電極単独部83は、電極単独部83全体を100重量%とした場合に、第2の金属酸化物を5重量%から30重量%までの割合で含有していることが好ましい。
リード単独部85における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、電極単独部83のAuの含有割合よりも低い。リード単独部85における金属成分(貴金属成分)に対するPtの含有割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましい。
また、残存部87における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、リード単独部85における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも多い。
なお、上述のように残存部87における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合は、電極単独部83のAuの含有割合よりも低い。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のアンモニアセンサ部21では、接続部81において、電極として機能する部分(電極単独部83の厚み分)と、リードとして機能する部分(リード単独部85の厚み分)との間に残存部87を設けている。よって、Auの移動の起きる部位を残存部87に留めることができるから、電極として機能する部分からのAuの流出を抑制できる。その結果、接続部81での断線が抑制される。
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
1.試料の作製
第1実施形態の図4に示される構成と同様の電極を作製した。
Pt系電極用のペーストは、Pt、Au、エチルセルロース、ブチルカルビトール、ジルコニアを含有している。Pt系電極用のペーストの組成は、焼成後にPt/Au比が下記の値となるように調製した。
Pt/Au比=14/86(mass%)
Pd系電極用のペーストは、Pd、Au、エチルセルロース、ブチルカルビトール、ジルコニアを含有している。Pd系電極用のペーストの組成は、焼成後にPd/Au比が下記の値となるように調製した。
Pd/Au比=7/93(mass%)
リード用のペーストは、Pt、エチルセルロース、ブチルカルビトール、ジルコニアを含有している。リード用のペーストの組成は、焼成後にPtが下記の値となるように調製した。
リード:Pt100mass%
継ぎ手部用のペーストは、Pt、Au、エチルセルロース、ブチルカルビトール、ジルコニアを含有している。継ぎ手部用のペーストは、焼成後にPt/Au比が下記の値となるように調製した。
(1)Pt/Au比=70/30(mass%)
(2)Pt/Au比=43/57(mass%)
(3)Pt/Au比=30/70(mass%)
アルミナ基板の上に、リード用のペーストをスクリーン印刷により配置した。そして、このリード用のペーストの端部に重ねるようにして、継ぎ手部用のペーストをスクリーン印刷により配置した。次に、継ぎ手部用のペーストに重ねるようにして、電極用のペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(1100℃)で焼成した。
このようにして、電極が2種、継ぎ手部が3種の組み合わせの合計6種の試料を実施例として用意した。
また、比較のために、継ぎ手部を用いずに、電極とリードが直接接触した試料を比較例として用意した。比較例では、上述のPt系電極用のペーストを用いて電極を形成し、上述のリード用のペーストを用いてリードを形成した。アルミナ基板の上に、リード用のペーストをスクリーン印刷により配置した。そして、このリード用のペーストの端部に重ねるようにして、Pt系電極用のペーストをスクリーン印刷により配置し、所定温度(1100℃)で焼成した。
2.評価
比較例において、電極のうちリードが直接接触している部分の色を観察した。この色を基準色とした。比較例では、電極のAuがリードへ移動したため、電極のうちリードが直接接触している部分では、ジルコニアの白色が目立つようになっており、基準色は白系の色であった。
実施例において、電極のうち継ぎ手部が接触している部分の色を観察した。この色を上記基準色と比較した。実施例において、電極のAuのリードへ移動が比較例よりも少なくなれば、ジルコニアの白色が目立たなくなり、基準色よりも暗い色が観察される。よって、基準色よりも暗い色が観察された場合を良好(○)とした。一方、実施例において、電極のAuのリードへ移動が比較例と同等又は比較例よりも多くなれば、ジルコニアの白色がより目立つようになり、基準色と同等、又は基準色よりも明るい色が観察される。よって、基準色と同等、又は基準色よりも明るい色が観察された場合を不良(×)とした。
<評価>
○:基準色よりも暗い色である。
×:基準色と同等、又は基準色よりも明るい色である。
3.結果
結果を表1に示す。
継ぎ手部を用いた実施例では、いずれの場合も、継ぎ手部の存在により、金属元素の急激な濃度勾配が緩やかとなり、電極のAuが、リードに流れ込むことが抑制されたため、電極のジルコニアが目立ちにくくなっていた。そのため、基準色よりも暗い色が観察された。
Figure 0007246933000001
<他の実施形態(変形例)>
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
(1)上記実施形態では、特定ガスがアンモニアである場合を例として説明したが、特定ガスはアンモニアに限定されない。
(2)上記実施形態では第1金属がAu、第2金属がPtである場合、第1金属がPt、第2金属がPdである場合を例として説明したが、第1金属及び第2金属はそれぞれ比重が異なる組み合わせであれば良く、上記実施例に限定されない。
電極、発熱部、リードに採用される金属種としては、例えば、電極としてはAu,Pt等が用いられ、発熱部としてはPt,Pd,W等が用いられ、リードとしてはPd,Pt等が用いられる。この場合において、第1金属がAu、第2金属がPdである組み合わせ、第1金属がRh、第2金属がPtである組み合わせが好適に例示される。
(3)上記実施形態では、図5に記載のような、有底筒状の酸素検出素子を加熱するセラミックヒータをヒータの例として説明したが、ヒータの形態としてはこれに限らず、例えば、第1実施形態にて開示されているヒータ19に対しても適用可能である。
(4)上記第2実施形態では、発熱部442とリード部443とが継ぎ手部450を介して間接的に接続されている構成を例示したが、第4実施形態のアンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとの接続構造(図11参照)のように、発熱部442とリード部443とが直接接続されている構成であってもよい。具体的には、リード部443の上に発熱部442が被さる構成であってもよい。この接続構造では、発熱部442とリード部443とが重ならない発熱部単独部(図示略)と、発熱部442とリード部443とが重なる接続部(図示略)と、発熱部442とリード部443とが重ならないリード単独部(図示略)と、が存在している。接続部は、発熱部442とリード部443とが、厚み方向で重なる領域である。接続部の断面を観察した際、接続部の表面側を発熱部単独部の厚み分だけ除外し、かつ接続部の裏面側をリード単独部の厚み分だけ除外して、残った部分である残存部(本発明のヒータ接合部、成分領域に相当)が存在している。
この残存部におけるAuの含有割合は、発熱部単独部におけるAuの含有割合と、リード単独部におけるAuの含有割合と、の間の大きさになっている。すなわち、この残存部に含まれる金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合が、発熱部単独部における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも低く、リード単独部における金属成分(貴金属成分)に対するAuの含有割合よりも多い構成とされている。
また、第3実施形態のアンモニア電極21cとアンモニア電極リード21dとの接続構造(図10参照)のように、発熱部442の上にリード部443が被さる構成であってもよい。この接続構造でも、接続部の表面側をリード単独部の厚み分だけ除外し、かつ接続部の裏面側を発熱部単独部の厚み分だけ除外して、残った部分である残存部(本発明のヒータ接合部、成分領域に相当)が存在する。
1 …マルチガスセンサ装置
2 …マルチガスセンサ(ガスセンサ)
21 …アンモニアセンサ部(ガスセンサ素子)
21a …基準電極(第2電極)
21c …アンモニア電極(電極)
21d …アンモニア電極リード(リード)
23 …アンモニア用固体電解質体(固体電解質体)
70 …継ぎ手部(成分領域)
71 …接続部
73 …電極単独部
75 …リード単独部
77 …残存部(残った部分、接合部、成分領域)
81 …接続部
83 …電極単独部
85 …リード単独部
87 …残存部(残った部分、接合部、成分領域)
300 …セラミックヒータ(ヒータ)
402 …セラミック基体
442 …発熱部
443 …リード部(ヒータリード)
450 …ヒータ継ぎ手部(成分領域)

Claims (7)

  1. 第1金属を主成分とする電極と、
    前記電極に接続され、第2金属を主成分とするリードと、を備え、
    前記電極と前記リードとが、直接的に接続されているガスセンサ素子であって、
    前記電極と前記リードとの接合部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記接合部を除いた前記電極における含有割合と、前記接合部を除いた前記リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在し、
    前記電極の上に前記リードが被さることで、前記電極と前記リードとが直接的に接続されており、
    前記電極と前記リードとが重ならない電極単独部と、前記電極と前記リードとが重なる接続部と、前記電極と前記リードとが重ならないリード単独部と、を有し、
    前記接続部の厚みは、前記電極単独部と前記リード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされているとともに、
    前記接続部の断面を観察した際に、
    前記接続部の表面側を前記リード単独部の厚み分だけ除外し、かつ、
    前記接続部の裏面側を前記電極単独部の厚み分だけ除外して、残った部分が前記接合部であるガスセンサ素子。
  2. 第1金属を主成分とする電極と、
    前記電極に接続され、第2金属を主成分とするリードと、を備え、
    前記電極と前記リードとが、直接的に接続されているガスセンサ素子であって、
    前記電極と前記リードとの接合部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記接合部を除いた前記電極における含有割合と、前記接合部を除いた前記リードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在し、
    前記リードの上に前記電極が被さることで、前記電極と前記リードとが直接的に接続されており、
    前記電極と前記リードとが重ならない電極単独部と、前記電極と前記リードとが重なる接続部と、前記電極と前記リードとが重ならないリード単独部と、を有し、
    前記接続部の厚みは、前記電極単独部と前記リード単独部との厚みを足した厚みに比べて、厚くされているとともに、
    前記接続部の断面を観察した際に、
    前記接続部の表面側を前記電極単独部の厚み分だけ除外し、かつ、前記接続部の裏面側を前記リード単独部の厚み分だけ除外して、残った部分が前記接合部であるガスセンサ素子。
  3. 前記第1金属の比重が前記第2金属の比重より低いことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記第1金属が金であり、かつ前記第2金属が白金であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  5. 被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度を測定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  6. 第1金属を主成分とする発熱部と、
    前記発熱部に接続され、第2金属を主成分とするヒータリードと、を備え、
    前記発熱部と前記ヒータリードとが、直接的に又はヒータ継ぎ手部を介して間接的に接続されているヒータであって、
    前記発熱部と前記ヒータリードとが直接接続されている場合は、前記発熱部と前記ヒータリードとのヒータ接合部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記ヒータ接合部を除いた前記発熱部における含有割合と、前記ヒータ接合部を除いた前記ヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在し、
    前記発熱部と前記ヒータリードとが前記ヒータ継ぎ手部を介して間接的に接続されている場合は、前記ヒータ継ぎ手部には、前記第1金属及び前記第2金属のうち比重が小さい方の金属について、前記発熱部における含有割合と、前記ヒータリードにおける含有割合と、の間の大きさの含有割合である成分領域が存在することを特徴とするヒータ。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子又は請求項6に記載のヒータを備えたことを特徴とするガスセンサ。
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