JP7243473B2 - 推定装置、推定方法及び、推定プログラム - Google Patents

推定装置、推定方法及び、推定プログラム Download PDF

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Description

本開示は、推定装置、推定方法及び、推定プログラムに関し、特に、同期装置の吸収エネルギの推定に関する技術である。
一般に、有段式の変速機は、各変速段に対応する遊転ギヤを同期装置によってシャフトと選択的に同期結合させることにより、所望の変速段を確立するように構成されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
特開2011-144853号公報 特開2012-013106号公報
上記同期装置は、変速の都度、入力側と出力側との回転差を吸収することになる。このため、同期装置の構成部品(例えば、シンクロナイザリング等)に、回転同期に伴う吸収エネルギが蓄積され続けると、当該構成部品の破損を招くことで、車両の路上故障等を引き起こす可能性がある。このような路上故障を未然に防ぐには、同期装置の構成部品における吸収エネルギを効果的に推定し、当該構成部品の適切な交換時期を予め把握することが望まれる。
本開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、同期装置の吸収エネルギを効果的に推定することを目的とする。
本開示の装置は、変速機のシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期装置の吸収エネルギの推定装置であって、前記同期装置が前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否を判定する開始判定部と、前記開始判定部が同期動作を開始したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して開始時入力回転数として記憶する開始時回転数取得記憶部と、前記同期装置が前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否を判定する完了判定部と、前記完了判定部が同期動作を完了したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して完了時入力回転数として記憶する完了時回転数取得記憶部と、記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差に基づいて、前記同期装置の構成部品の吸収エネルギを演算する吸収エネルギ演算部と、を備えることを特徴とする。
また、前記同期装置の同期動作中に前記構成部品に作用するイナーシャを推定するイナーシャ推定部をさらに備え、前記吸収エネルギ演算部は、前記回転数差と、推定される前記イナーシャとの積に基づいて、前記構成部品の吸収エネルギを演算することが好ましい。
また、演算される前記吸収エネルギを累積することにより、前記構成部品の累積被害度を演算すると共に、当該累積被害度が所定の上限閾値に達すると、前記構成部品を寿命と判定する寿命判定部をさらに備えることが好ましい。
また、前記完了判定部は、前記同期装置による同期動作の開始後、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される入力回転数が増加から減少に転じた場合、又は、減少から増加に転じた場合に、前記同期装置の同期動作が完了したと判定することが好ましい。
また、前記同期装置の同期動作中に前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される入力回転数の変化に基づいて、前記同期装置の同期動作による変速がシフトアップ又はシフトダウンの何れであるかを判定するシフト判定部をさらに備え、前記吸収エネルギ演算部は、前記シフト判定部がシフトアップと判定すると、前記開始時入力回転数から前記完了時入力回転数を減算することにより前記回転数差を演算し、前記シフト判定部がシフトダウンと判定すると、前記完了時入力回転数から前記開始時入力回転数を減算することにより前記回転数差を演算することが好ましい。
本開示の方法は、変速機のシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期装置の吸収エネルギの推定方法であって、前記同期装置が前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否を判定し、同期動作を開始したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して開始時入力回転数として記憶し、前記同期装置が前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否を判定し、同期動作を完了したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して完了時入力回転数として記憶し、記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差に基づいて、前記同期装置の構成部品の吸収エネルギを演算することを特徴とする。
本開示のプログラムは、コンピュータを、変速機のシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期装置が、前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否を判定する開始判定部、前記開始判定部が同期動作を開始したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して開始時入力回転数として記憶する開始時回転数取得記憶部、前記同期装置が前記変速ギヤを前記シャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否を判定する完了判定部、前記完了判定部が同期動作を完了したと判定した際に、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される回転数を取得して完了時入力回転数として記憶する完了時回転数取得記憶部、記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差に基づいて、前記同期装置の構成部品の吸収エネルギを演算する吸収エネルギ演算部、として機能させることを特徴とする。
本開示の技術によれば、同期装置の吸収エネルギを効果的に推定することができる。
本実施形態に係る車両の動力伝達系を示す模式的な全体構成図である。 本実施形態に係る制御装置及び、関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。 本実施形態に係る同期装置の構成部品における吸収エネルギ及び寿命の推定処理を説明するフローチャートである。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る推定装置、推定方法及び、推定プログラムを説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両1の動力伝達系を示す模式的な全体構成図である。
車両1には、駆動力源の一例としてエンジン10が搭載されている。エンジン10のクランクシャフト11には、クラッチ装置20を介して変速機40のインプットシャフト41が接続されている。変速機40のアウトプットシャフト42(本開示のシャフトの一例)には、プロペラシャフト12が接続されている。プロペラシャフト12には、何れも図示しないデファレンシャルギヤ装置及び、左右の駆動軸を介して左右の駆動輪がそれぞれ接続されている。
なお、車両1の駆動力源はエンジン10に限定されず、走行用モータ、或いは、これらを併用するものであってもよい。また、車両1は、後輪駆動、前輪駆動、四輪駆動の何れであってもよい。
クラッチ装置20は、クランクシャフト11からインプットシャフト41への動力の伝達を断接する。具体的には、クラッチ装置20は、運転者がクラッチペダル22を踏み込むと、動力を伝達する「接状態」から動力の伝達を遮断する「断状態」に切り替えられ、運転者がクラッチペダル22の踏み込みを解放すると、「断状態」から「接状態」に切り替えられるようになっている。
なお、クラッチ装置20は、図示例の乾式単板クラッチに限定されず、湿式多板クラッチ、デュアルクラッチ等であってもよい。また、変速機40が自動変速機であれば、クラッチ装置20は自動式クラッチであってもよい。
変速機40は、運転室内に設けられた変速操作装置70の運転者による操作に応じて変速作動する手動式変速機であって、主として、インプットシャフト41、アウトプットシャフト42、カウンタシャフト43、入力ギヤ列44、複数の出力ギヤ列47及び、複数の同期装置50等を備えている。
なお、変速機40は、手動式変速機に限定されず、同期装置50を備える有段式の変速機であれば、自動変速機(例えば、AMT:Automated Manual Transmission)であってもよい。また、変速機40は、図示例のインプットリダクションタイプに限定されず、アウトプットリダクションタイプであってもよい。
入力ギヤ列44は、インプットシャフト41に一体回転可能に設けられた入力メインギヤ45と、カウンタシャフト43に一体回転可能に設けられて、入力メインギヤ45と常時噛合する入力カウンタギヤ46とを有する。
なお、入力ギヤ列44は、図示例の一列に限定されず、低速/高速を切り替え可能なスプリッタとして機能する二列を備えるように構成してもよい。また、入力メインギヤ45及び、入力カウンタギヤ46の少なくとも一方を、シャフト41,43に相対回転可能な遊転ギヤとしてもよい。この場合は、後述する同期装置50を設ければよい。
複数の出力ギヤ列47は、アウトプットシャフト42に相対回転可能に設けられた出力メインギヤ48(本開示の変速ギヤの一例)と、カウンタシャフト43に一体回転可能に設けられて、出力メインギヤ48と常時噛合する出力カウンタギヤ49とを有する。出力メインギヤ48は同期装置50によって、アウトプットシャフト42と選択的に同期結合される。
なお、図示例では、出力メインギヤ48を遊転ギヤとしているが、出力カウンタギヤ49を遊転ギヤとしてもよい。この場合は、カウンタシャフト43側に同期装置50を設ければよい。また、図示は省略するが、インプットシャフト41とアウトプットシャフト42とを結合させる直結段に対応する同期装置50をさらに備えてもよい。
同期装置50は、アウトプットシャフト42に一体回転可能に設けられたハブ51と、ハブ51の外周歯と常時噛合する内周歯を有するスリーブ52と、出力メインギヤ48に一体回転可能に設けられたドグギヤ53と、ドグギヤ53に設けられたテーパコーン部54と、ハブ51とドグギヤ53との間に設けられたシンクロナイザリング55とを備えている。スリーブ52には、シフトロッド57に固定されたシフトフォーク56が一体移動可能に係合している。シフトロッド57は、シフトブロック58、シフトレバー59及び、不図示のリンク機構等を介して変速操作装置70に連結されている。
同期装置50は、変速操作装置70の操作レバー71が運転者によってニュートラル位置からセレクト操作されると、リンク機構やシフトブロック58、シフトロッド57、シフトフォーク56を介して伝達されるシフト推力により、スリーブ52がシフト方向へシフト移動する。スリーブ52のシフト移動に伴いシンクロナイザリング55が押圧されると、シンクロナイザリング55とテーパコーン部54との間に同期荷重が生じる。同期荷重によりスリーブ52とドグギヤ53とが回転同期すると、スリーブ52がさらにシフト移動してドグギヤ53と完全噛合することにより、出力メインギヤ48をアウトプットシャフト42と選択的に同期結合させるように構成されている。
なお、以下の説明では、スリーブ52がシフト移動を開始する時、又は、シンクロナイザリング55とテーパコーン部54との間に同期荷重が生じ始める時を、同期装置50の「同期開始」、スリーブ52がドグギヤ53と完全噛合(ディテント)する状態を同期装置50の「同期完了」、スリーブ52がハブ51のみと噛合する状態を同期装置50又は変速機40の「ニュートラル状態」という。
車両1には、各種センサ類及び、スイッチ類が設けられている。エンジン回転数センサ90は、クランクシャフト11からエンジン回転数Neを検出する。変速機入力回転数センサ91は、入力ギヤ列44又は、インプットシャフト41から変速機入力回転数NTInを検出する。変速機出力回転数センサ92は、プロペラシャフト12又はアウトプットシャフト42から変速機出力回転数NTOut(又は、車速V)を検出する。ニュートラルスイッチ93は、変速操作装置70の操作レバー71の操作位置からニュートラル状態を検出する。具体的には、ニュートラルスイッチ93は、操作レバー71がニュートラル位置に操作されるとONとなり、操作レバー71がニュートラル位置からセレクト操作されるとOFFとなる。これらセンサ90~92及び、スイッチ93の検出信号は、電気的に接続された制御装置100に送信される。
なお、車両1は、これらセンサ90~92及び、スイッチ93の他に、シフトロッド57のシフト移動量を検出するシフトストロークセンサ、スリーブ52とドグギヤ53との完全噛合(ディテント)を検出するディテントスイッチ等をさらに備えてもよい。
[制御装置]
図2は、本実施形態に係る制御装置100及び、関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。
制御装置100は、例えば、コンピュータ等の演算を行う装置であり、互いにバス等で接続されたCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備え、推定プログラムを実行する。
また、制御装置100は、推定プログラムの実行により、同期開始判定部110(開始判定部)、同期開始時入力回転数記憶部120(開始時回転数取得記憶部)、シフト判定部130、同期完了判定部140(完了判定部)、同期完了時入力回転数記憶部150(完了時回転数取得記憶部)、吸収差回転数演算部160、イナーシャ推定部170、吸収エネルギ演算部180、寿命判定部190及び、警報処理部195を備える装置として機能する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアである制御装置100に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
同期開始判定部110は、ニュートラルスイッチ93から送信されるON/OFF信号に基づいて、同期装置50が同期動作を開始したか否かを判定する。具体的には、同期開始判定部110は、運転者による変速操作装置70の操作により、操作レバー71がニュートラル位置からセレクト操作され、これに伴いニュートラルスイッチ93がONからOFFに切り替わると、「同期開始」と判定する。同期開始判定部110による「同期開始」の判定結果は、同期開始時入力回転数記憶部120に送信される。
なお、同期装置50が同期動作を開始したか否かは、不図示のシフトストロークセンサのセンサ値に基づいて判定してもよい。
同期開始時入力回転数記憶部120は、例えば不揮発性メモリであって、同期開始判定部110により「同期開始」と判定されると、その時に変速機入力回転数センサ91により取得される変速機入力回転数NTInを同期開始時入力回転数NTIn_Aとして記憶する。
シフト判定部130は、同期装置50の同期動作中(変速機40の変速中)に変速機入力回転数センサ91から送信される変速機入力回転数NTInの変化に基づいて、変速機40の変速動作がシフトアップ又はシフトダウンの何れであるかを判定する。具体的には、シフト判定部130は、同期装置50の同期動作中に取得される変速機入力回転数NTInが減少していれば、変速機40の変速動作をシフトアップと判定する。一方、シフトアップ・ダウン判定部130は、同期装置50の同期動作中に取得される変速機入力回転数NTInが増加していれば、変速機40の変速動作をシフトダウンと判定する。シフト判定部130による判定結果は、吸収差回転数演算部160に送信される。
なお、変速動作がシフトアップ又はシフトダウンの何れであるかは、車両1が不図示のシフトポジションセンサを備えていれば、当該センサに基づいて判定してもよい。或は、変速前後の変速機入力回転数NTInと変速機出力回転数NTOutとの比(ギヤ比)の変化に基づいて、シフトアップ又はシフトダウンを判定してもよい。
同期完了判定部140は、同期装置50が同期動作を完了したか否かを判定する。より詳しくは、同期完了判定部140は、同期装置50が同期動作を開始した後、変速機入力回転数センサ91から送信される変速機入力回転数NTInの増減が反転した場合に、同期動作を完了したと判定する。
具体的には、同期完了判定部140は、シフトダウンであれば変速機入力回転数NTInが増加から減少に転じた場合に、シフトアップであれば変速機入力回転数NTInが減少から増加に転じた場合に、「同期完了」と判定する。また、同期完了判定部140は、同期装置50の同期動作開始から制御装置100内蔵の不図示のタイマにより計時した経過時間Tが所定の上限閾値時間TMaxに達した場合には、変速機入力回転数NTInの増減が反転したか否かにかかわらず、「同期完了」と判定する。同期完了判定部140による「同期完了」の判定結果は、同期完了時入力回転数記憶部150に送信される。
なお、車両1が不図示のシフトストロークセンサやディテントスイッチを備えていれば、同期完了はこれらセンサやスイッチの検出信号に基づいて判定してもよい。
同期完了時入力回転数記憶部150は、例えば不揮発性メモリであって、同期完了判定部140により「同期完了」と判定されると、その時に変速機入力回転数センサ91により取得される変速機入力回転数NTInを同期完了時入力回転数NTIn_Bとして記憶する。
吸収差回転数演算部160は、変速に伴い同期装置50の構成部品(例えば、シンクロナイザリング55やテーパコーン部54等)が吸収した差回転数ΔNTInを演算する。具体的には、吸収差回転数演算部160は、シフト判定部130により「シフトアップ」と判定された場合には、各記憶部120,150にそれぞれ格納されている同期開始時入力回転数NTIn_Aから同期完了時入力回転数NTIn_Bを減算することにより、差回転数ΔNTIn(=NTIn_A-NTIn_B)を演算する。一方、吸収差回転数演算部160は、シフト判定部130により「シフトダウン」と判定された場合には、各記憶部120,150にそれぞれ格納されている同期完了時入力回転数NTIn_Bから同期開始時入力回転数NTIn_Aを減算することにより、差回転数ΔNTIn(=NTIn_B-NTIn_A)を演算する。吸収差回転数演算部160により演算される差回転数ΔNTInは、吸収エネルギ演算部180に送信される。
イナーシャ推定部170は、同期装置50の同期動作中に同期装置50の構成部品に作用するイナーシャ(慣性モーメント)Iを推定する。具体的には、制御装置100のメモリには、予め作成した変速機40のギヤ段とイナーシャIとの関係を規定する不図示のマップ(又は、数値データ)が格納されている。イナーシャ推定部170は、当該マップを変速後のギヤ段に基づいて参照することにより、イナーシャIを推定する。ここで、変速後のギヤ段は、変速機入力回転数NTIn(又は、エンジン回転数Ne)と、変速機出力回転数NTOutとの比(変速後のギヤ比)に基づいて判定してもよく、或は、車両1が不図示のシフトポジションセンサを備えていれば、当該センサにより取得してもよい。イナーシャ推定部170により推定されるイナーシャIは、吸収エネルギ演算部180に送信される。
吸収エネルギ演算部180は、吸収差回転数演算部160から送信される差回転数ΔNTInと、イナーシャ推定部170から送信されるイナーシャIとの積に基づいて、同期装置50の構成部品における吸収エネルギQを演算する。なお、吸収エネルギQは、予め作成した差回転数ΔNTInとイナーシャIとに基づいて参照されるマップから演算してもよい。吸収エネルギ演算部180により演算される吸収エネルギQは、寿命判定部190に送信される。
寿命判定部190は、吸収エネルギ演算部180から送信される吸収エネルギQを逐次累積することにより、同期装置50の構成部品の累積被害度Dを演算すると共に、当該累積被害度Dに基づいて構成部品の寿命を判定する。具体的には、寿命判定部190は、演算される構成部品の累積被害度Dが、疲労破壊を引き起こす可能性のある所定の上限閾値に達すると、当該構成部品を寿命(交換時期が差し迫っている)と判定する。寿命判定部190による判定結果は、警報処理部195に送信される。
警報処理部195は、寿命判定部190により構成部品が寿命と判定されると、当該構成部品の交換が必要な旨を、運転室内の表示装置200に表示させる指示信号を送信する。なお、警報の手法は、表示装置200による表示に限定されず、スピーカ等による音声で行ってもよい。また、構成部品の交換が必要な情報は、無線通信等により車両1の管理基地局や整備工場等に送信してもよい。
次に、図3に基づいて、本実施形態に係る同期装置50の構成部品における吸収エネルギQ及び、寿命の推定処理のフローを説明する。
ステップS100では、車両1が走行中か否かを判定する。車両1が走行中か否かは、例えば、変速機出力回転数センサ92により取得される車速V(又は、変速機出力回転数NTOut)に基づいて判定すればよい。車速Vが0(ゼロ)よりも大きければ(Yes)、車両1を走行中と判定し、本制御はステップS110の処理に進む。一方、車速Vが0(ゼロ)であれば(No)、車両1を停車中と判定し、本制御はステップS100の判定処理を繰り返す。
ステップS110では、同期装置50が同期動作を開始したか否かを判定する。ニュートラルスイッチ93がONからOFFに切り替わった場合、本制御は「同期開始」と判定し(Yes)、ステップS120の処理に進む。一方、ニュートラルスイッチ93がONからOFFに切り替わっていない場合(No)、本制御はステップS100の処理に戻される。
ステップS120では、ステップS110にて「同期開始」と判定された際に、変速機入力回転数センサ91により取得した変速機入力回転数NTInを同期開始時入力回転数NTIn_Aとして記憶する。
次いで、ステップS130では、同期装置50が同期動作を完了したか否かを判定する。変速機入力回転数センサ91から送信される変速機入力回転数NTInの増減が反転した場合、本制御は「同期完了」と判定し(Yes)、ステップS150の処理に進む。一方、変速機入力回転数NTInの増減が反転しない場合(No)、本制御はステップS140の処理に進む。
ステップS140では、ステップS110にて「同期開始」と判定された時からの経過時間Tが所定の上限閾値時間TMaxに達したか否かを判定する。経過時間Tが上限閾値時間TMaxに達した場合、本制御はステップS130の判定結果にかかわらず、「同期完了」と判定し(Yes)、ステップS150の処理に進む。一方、経過時間Tが上限閾値時間TMaxに達していない場合(No)、本制御はステップS130の処理に戻される。
ステップS150では、ステップS130又は、ステップS140にて「同期完了」と判定された際に、変速機入力回転数センサ91により取得した変速機入力回転数NTInを同期完了時入力回転数NTIn_Bとして記憶する。
次いで、ステップS160では、「同期開始」から「同期完了」までの同期動作中に、変速機入力回転数センサ91により取得される変速機入力回転数NTInが減少したか否かを判定する。変速機入力回転数NTInが減少している場合(Yes)、本制御はステップS170に進み、今回の変速動作をシフトアップと判定する。一方、変速機入力回転数NTInが減少していない場合(No)、すなわち、変速機入力回転数NTInが増加している場合には、本制御はステップS180に進み、今回の変速動作をシフトダウンと判定する。
ステップS170にて、シフトアップと判定した場合、本制御はステップS175に進み、ステップS120で記憶した同期開始時入力回転数NTIn_AからステップS150で記憶した同期完了時入力回転数NTIn_Bを減算することにより、差回転数ΔNTIn(=NTIn_A-NTIn_B)を演算する。
一方、ステップS180にて、シフトダウンと判定した場合、本制御はステップS185に進み、ステップS150で記憶した同期完了時入力回転数NTIn_BからステップS120で記憶した同期開始時入力回転数NTIn_Aを減算することにより、差回転数ΔNTIn(=NTIn_B-NTIn_A)を演算する。
ステップS190では、同期装置50の構成部品に作用するイナーシャIを変速後のギヤ段に基づいて演算する。
次いで、ステップS195では、ステップS175又はステップS185で演算された差回転数ΔNTInと、ステップS190で演算されたイナーシャIとの積に基づいて、同期装置50の構成部品における吸収エネルギQを演算する。次いで、ステップS200では、吸収エネルギQを累積することにより、同期装置50の構成部品の累積被害度Dを演算する。
ステップS210では、累積被害度Dが所定の上限閾値に達したか否かを判定する。累積被害度Dが上限閾値に達している場合(Yes)、本制御はステップS220に進み、同期装置50の構成部品の交換が必要な旨を通知する警報を行い、その後終了する。一方、ステップS210にて、累積被害度Dが上限閾値に達していない場合(No)、本制御はステップS100の処理に戻される。
以上詳述した本実施形態によれば、同期装置50が同期動作を開始した際に、変速機入力回転数センサ91により取得される同期開始時入力回転数NTIn_Aと、同期装置50が同期動作を完了した際に、変速機入力回転数センサ91により取得される同期完了時入力回転数NTIn_Bとの差回転数ΔNTInに基づいて、同期装置50の吸収エネルギQを演算すると共に、当該吸収エネルギQを累積した累積被害度Dに基づいて、同期装置50の構成部品の寿命を判定するように構成されている。これにより、簡素な構成で、同期装置50の構成部品における吸収エネルギQを確実に推定できるようになり、当該構成部品の寿命を効果的に把握することが可能になる。
また、同期装置50の同期開始をニュートラルスイッチ93のON/OFFに基づいて判定し、同期装置50の同期完了及び、変速機40のシフトアップ・ダウンを変速機入力回転数センサ91により取得される変速機入力回転数NTInの変化に基づいて判定することで、これらをシフトストロークセンサやディテントスイッチ、シフトポジションセンサ等を用いることなく判定できるようになり、センサ類の増加によるコスト上昇も効果的に抑えることが可能になる。
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、吸収エネルギQは、差回転数ΔNTInとイナーシャIとの積に基づいて演算されるものとして説明したが、吸収エネルギQを、これら差回転数ΔNTIn及びイナーシャIに加え、同期装置50に供給される潤滑油の温度等を含めて演算するように構成してもよい。
1 車両
10 エンジン
11 クランクシャフト
12 プロペラシャフト
20 クラッチ装置
40 変速機
41 インプットシャフト
42 アウトプットシャフト
43 カウンタシャフト
44 入力ギヤ列
47 出力ギヤ列
50 同期装置
51 ハブ
52 スリーブ
53 ドグギヤ
54 テーパコーン部
55 シンクロナイザリング
90 エンジン回転数センサ
91 変速機入力回転数センサ
92 変速機出力回転数センサ
93 ニュートラルスイッチ
100 制御装置
110 同期開始判定部(開始判定部)
120 同期開始時入力回転数記憶部(開始時回転数取得記憶部)
130 シフト判定部
140 同期完了判定部(完了判定部)
150 同期完了時入力回転数記憶部(完了時回転数取得記憶部)
160 吸収差回転数演算部
170 イナーシャ推定部
180 吸収エネルギ演算部
190 寿命判定部

Claims (6)

  1. 変速機のアウトプットシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期装置の吸収エネルギの推定装置であって、
    前記変速ギヤに常時噛合するカウンタギヤが一体回転可能に設けられている、前記変速機のカウンタシャフトの回転数を検出する変速機入力回転数センサと、
    前記同期装置が前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否かを判定する開始判定部と、
    前記開始判定部が同期動作を開始したと判定した際に前記変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して開始時入力回転数として記憶する開始時回転数取得記憶部と、
    前記同期装置が前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否かを判定する完了判定部と、
    前記完了判定部が同期動作を完了したと判定した際に前記変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して完了時入力回転数として記憶する完了時回転数取得記憶部と、
    前記同期装置の同期動作中に前記同期装置の構成部品に作用するイナーシャを推定するイナーシャ推定部と、
    記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差と、推定された前記イナーシャとの積に基づいて、前記構成部品の吸収エネルギを演算する吸収エネルギ演算部と、を備える
    ことを特徴とする推定装置。
  2. 演算される前記吸収エネルギを累積することにより、前記構成部品の累積被害度を演算すると共に、当該累積被害度が所定の上限閾値に達すると、前記構成部品を寿命と判定する寿命判定部をさらに備える
    請求項に記載の推定装置。
  3. 前記完了判定部は、前記同期装置による同期動作の開始後、前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される入力回転数が増加から減少に転じた場合、又は、減少から増加に転じた場合に、前記同期装置の同期動作が完了したと判定する
    請求項1又は2に記載の推定装置。
  4. 前記同期装置の同期動作中に前記変速機の入力側から前記変速ギヤに入力される入力回転数の変化に基づいて、前記同期装置の同期動作による変速がシフトアップ又はシフトダウンの何れであるかを判定するシフト判定部をさらに備え、
    前記吸収エネルギ演算部は、前記シフト判定部がシフトアップと判定すると、前記開始時入力回転数から前記完了時入力回転数を減算することにより前記回転数差を演算し、前記シフト判定部がシフトダウンと判定すると、前記完了時入力回転数から前記開始時入力回転数を減算することにより前記回転数差を演算する
    請求項1からの何れか一項に記載の推定装置。
  5. 変速機のアウトプットシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期装置の吸収エネルギの推定方法であって、
    前記同期装置が前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否を判定するステップと
    同期動作を開始したと判定した際に、前記変速ギヤに常時噛合するカウンタギヤが一体回転可能に設けられている、前記変速機のカウンタシャフトの回転数を検出する変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して開始時入力回転数として記憶するステップと
    前記同期装置が前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否を判定するステップと
    同期動作を完了したと判定した際に前記変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して完了時入力回転数として記憶するステップと
    前記同期装置の同期動作中に前記同期装置の構成部品に作用するイナーシャを推定するステップと、
    記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差と、推定された前記イナーシャとの積に基づいて、前記構成部品の吸収エネルギを演算する
    ことを特徴とする推定方法。
  6. コンピュータを、
    変速機のアウトプットシャフトに相対回転可能に設けられた変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期装置が、前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を開始したか否を判定する開始判定部、
    前記開始判定部が同期動作を開始したと判定した際に、前記変速ギヤに常時噛合するカウンタギヤが一体回転可能に設けられている、前記変速機のカウンタシャフトの回転数を検出する変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して開始時入力回転数として記憶する開始時回転数取得記憶部、
    前記同期装置が前記変速ギヤを前記アウトプットシャフトと同期結合させる同期動作を完了したか否を判定する完了判定部、
    前記完了判定部が同期動作を完了したと判定した際に前記変速機入力回転数センサが検出した回転数を取得して完了時入力回転数として記憶する完了時回転数取得記憶部、
    前記同期装置の同期動作中に前記同期装置の構成部品に作用するイナーシャを推定するイナーシャ推定部、及び
    記憶した前記開始時入力回転数と前記完了時入力回転数との回転数差と、推定された前記イナーシャとの積に基づいて、前記構成部品の吸収エネルギを演算する吸収エネルギ演算部、として機能させる
    ことを特徴とする推定プログラム。
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