JP7243272B2 - スタッダブルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、スタッダブルタイヤに関する。
氷上で優れた走行性能を発揮するタイヤとして、スタッダブルタイヤが開発されている。下記特許文献1には、スタッダブルタイヤとして利用される冬用タイヤが記載されている。前記トレッド部には、複数個のブロックが設けられており、前記ブロックの少なくとも一つには、スタッドピンを固着するための孔が設けられている。
特許第6336409号公報
スタッドピンは、通常、ブロックに形成された孔へ圧入される。すなわち、スタッドピンは、前記孔に向けて大きな力で押し込まれ、これにより、前記孔を押し広げながら装着される。一方、ゴムは非圧縮性であるため、スタッドピンによって押し退けられたゴム容積(締め代)は、その周囲の溝を狭めるように膨出して溝容積を減少させる。溝容積の減少は、雪柱せん断力の低下を招き、ひいては雪上性能が低下するという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、氷上性能のみならず、優れた雪上性能を発揮することができるスタッダブルタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部にスタッドが装着されたスタッダブルタイヤであって、前記トレッド部は、回転方向が指定されており、前記トレッド部は、複数のブロックを含み、前記複数のブロックは、前記回転方向の先着側に凸となるコーナ部を含み、前記複数のブロックの少なくとも1つには、前記スタッドが装着されており、前記スタッドは、ブロック内に埋設されたボディと、前記ボディからタイヤ半径方向に突出するピン部とを含み、前記ボディは、そのタイヤ半径方向の外側部にトップフランジが形成されており、前記トップフランジは、平面視において、テーパー部を含み、前記テーパー部が、前記コーナ部に向きを揃えて、前記ブロックに装着されている、スタッダブルタイヤである。
本発明の他の態様では、前記トップフランジは、平面視において、直線状に延びる第1辺を有し、前記テーパー部は、前記第1辺に沿った長さが前記第1辺と直交する方向に小さくなるように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記コーナ部は、鈍角であるように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記ブロックは、タイヤ赤道を中心としたトレッド幅の40%の領域に配されたクラウンブロックであるように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記ブロックは、トレッド端からトレッド幅の30%の領域に配されたショルダーブロックであるように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端を含み、前記トレッド部には、複数の傾斜溝が形成されており、前記複数の傾斜溝は、前記第1トレッド端に連通する開放端からタイヤ赤道を越えかつ前記第2トレッド端の手前に途切れ端を有する第1傾斜溝と、前記第2トレッド端に連通する開放端からタイヤ赤道を越えかつ前記第1トレッド端の手前に途切れ端を有する第2傾斜溝とを含み、前記第1傾斜溝と前記第2傾斜溝とは、それぞれ、タイヤ軸方向に対する傾斜に関して、前記開放端側の第1急傾斜部と、前記途切れ端側の第2急傾斜部と、それらの間の前記緩傾斜部とを含むように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記第2急傾斜部は、前記途切れ端側に向かってタイヤ周方向に対する角度が漸減する部分を含むように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記トレッド部には、複数の前記第1傾斜溝と複数の前記第2傾斜溝とが設けられ、前記複数の第1傾斜溝のそれぞれは、タイヤ赤道と前記第2トレッド端との間で2本以上の前記傾斜溝と交差するように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記複数の第2傾斜溝のそれぞれは、タイヤ赤道と前記第1トレッド端との間で2本以上の前記傾斜溝と交差するように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記第1傾斜溝の前記緩傾斜部は、タイヤ軸方向に対する角度が前記第2トレッド端側に向かって漸減しており、前記第2傾斜溝の前記緩傾斜部は、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1トレッド端側に向かって漸減するように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記第1急傾斜部は、タイヤ周方向の一方側に向かって凸に湾曲しており、前記緩傾斜部は、タイヤ周方向の他方側に向かって凸に湾曲するように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記トレッド部の平面視において、前記スタッドの前記トップフランジの面積重心は、前記コーナ部の先端部からタイヤ周方向に15mm以内に位置するように構成されても良い。
本発明の他の態様では、前記トレッド部の平面視において、前記スタッドの前記トップフランジの面積重心は、前記コーナ部の先端部からタイヤ軸方向に5mm以内に位置するように構成されても良い。
本発明のスタッダブルタイヤは、トレッド部にスタッドが装着されているため、優れた氷上性能を発揮することができる。
また、前記トレッド部は、複数のブロックを含み、これらは回転方向の先着側に凸となるコーナ部を含む。このようなコーナ部は、雪路走行時に、雪をその左右に分断して、それぞれの側で雪柱せん断力を生成することができる。したがって、本発明のスタッダブルタイヤは優れた雪上性能を発揮することができる。
さらに、前記スタッドのトップフランジは、平面視において、テーパー部を含み、前記テーパー部が、前記ブロックのコーナ部に向きを揃えて、前記ブロックに装着されている。このように、前記ブロックのコーナ部と、前記トップフランジのテーパー部の向きとを揃えると、ブロックへのスタッド装着時、ブロックのゴムが周囲の溝に局部的に大きく膨出することが抑制され、ひいては、雪柱せん断力の低下をも抑制できる。したがって、本発明のスタッダブルタイヤは、氷上性能のみならず、優れた雪上性能を発揮することができる。
本発明の一実施形態を示すトレッド部の部分平面図である。 スタッドの一実施形態を示す斜視図である。 図2の平面図である。 図2の側面図である。 トレッド部に形成された孔の断面図である。 ブロックのコーナ部の部分拡大図である。 本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。 図1の第1傾斜溝の輪郭の拡大図である。 図1の要部拡大図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態のスタッダブルタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある。)101のトレッド部102の要部拡大図である。タイヤ101は、トレッド部102に、複数のスタッド103が装着されている。スタッド103は、ゴムからなるトレッド部102に比べて硬質材料で構成されており、その一部が走行時に地面に接地することができる。したがって、タイヤ101は、スタッド103が路面に対して突き刺さること等により、路面に対して高い摩擦状況を提供し、優れた氷上性能を発揮する。
トレッド部102は、回転方向Rが指定されている。この回転方向Rは、例えば、トレッド部102及び/又はスタッド103に関して、タイヤ101の走行性能がより良く発揮されるように決定されている。換言すると、トレッド部102のパターン及び/又はスタッド103は、回転方向Rで路面に接地することにより、最適な性能を発揮することができるように構成されていることが望ましい。回転方向Rは、例えば、タイヤ101のサイドウォール部(図示せず)に表示されるであろう。
トレッド部102には、複数のブロック105が形成されている。ブロック105は、回転方向Rの先着側に凸となるコーナ部106を含んでいる。本実施形態のコーナ部106は、タイヤ101が回転方向Rで回転したときに、ブロック105の中で最も先に接地する部分として形成されている。好ましい態様では、コーナ部106は、回転方向Rの先着側に向かって、タイヤ軸方向幅が小さくなるように構成される。したがって、タイヤ走行時、ブロック105において、コーナ部106には、大きな接地圧が作用する。なお、当然ながら、コーナ部106のタイヤ軸方向の両側には、溝108が形成されている。
雪路走行時、コーナ部106は、雪をその左右に分断し、両側の溝108へ案内することができる。また、コーナ部106のタイヤ軸方向のそれぞれ側の溝108に案内された雪は、タイヤ101のさらなる回転によって踏み固められる。その後のさらなるタイヤ101の回転により、溝108内の雪柱がブロック105でせん断され、その時の反力である雪柱せん断力により、タイヤ101には、トラクションやブレーキング力が発生する。したがって、本実施形態のタイヤ101は、コーナ部106の両側において、雪柱せん断力を生成し、優れた雪上性能を発揮する。
好ましい態様では、コーナ部106は、鈍角、すなわち、90度よりも大きく、かつ、180度よりも小さい角度αで形成されても良い。これにより、タイヤ周方向に関して、より大きな雪柱せん断力が発生し、直進走行時のトラクションやブレーキング力がさらに向上する。特に好ましい態様では、コーナ部106は、100~140度の角度αで形成されても良い。
複数のブロック105の少なくとも1つにはスタッド103が装着されている。図2、図3及び図4は、トレッド部102に装着する前の状態のスタッド103の斜視図、平面図及び側面図をそれぞれ示す。図2~4に示されるように、スタッド103は、ボディ110とピン部120とを含む。
ボディ110は、ブロック105内に埋設される部分である。ボディ110は、全体として軸状形状であり、例えば、トップフランジ111を含む。本実施形態において、トップフランジ111は、ボディ110のタイヤ半径方向の外側部を構成する。したがって、スタッド103がタイヤ101に装着されたときに、トップフランジ111は、例えば、トレッド表面に露出する(図1参照)。
本実施形態において、トップフランジ111は、平面視において、多角形状である。ここで、多角形状とは、直線の辺が直接的に交差するコーナを有する態様のみならず、コーナが円弧によって丸められた態様を含む(ただし、全体が完全な円形ではない。)。上記多角形状としては、例えば、三角形状、五角形状又は六角形状などが挙げられる。トップフランジ111は、例えば、略直線状に延びる第1辺S1を有する。第1辺S1は、例えば、トップフランジ111において、最も大きい長さL1を有しても良い。長さL1は、例えば10mm以下とされる。
また、トップフランジ111は、図3に示されるように、平面視において、テーパー部111Aを含む。テーパー部111Aは、例えば、第1辺S1に沿った長さが第1辺S1と直交する方向(以下、「第1方向D」という。)に徐々に小さくなっている。本実施形態のテーパー部111Aは、第1辺S1と対向する位置に、長さL2の第2辺S2を形成して終端している。第2辺S2の両側には、斜辺S3、S3が形成される。これらの斜辺S3、S3がなすテーパー角は、例えば、鈍角であり、好ましくは、100~140度の角度とされる。
また、トップフランジ111は、テーパー部111Aと第1辺S1との間に、長さL1が第1方向Dに連続する部分を含んでも良い。
図2及び図4に示されるように、好ましい態様として、ボディ110は、さらに、ボディ110のタイヤ半径方向の内側端部分を構成するボトムフランジ112と、ボトムフランジ112とトップフランジ111との間に配されたネック部113とを含むことができる。ネック部113は、トップフランジ111及びボトムフランジ112よりも小さい外径を有する。
ピン部120は、ボディ110から(より詳細には、トップフランジ111から)タイヤ半径方向に突出する比較的小さな凸部である。ピン部120は、主として、路面に接地することで、路面に対して高い摩擦状況を提供する。ピン部120には、様々な形状を採用することができる。
本実施形態のピン部120は、図3に示されるように、平面視において、ピン内部側に凹む凹部122を含んでも良い。凹部122は、例えば、ピン部120にタイヤ半径方向に延びる溝を形成し、ピン部120の路面への食い込み性を向上させ、ひいては、路面に対して、より高い摩擦状態を作り出すのに役立つ。
ピン部120は、図3に示される平面視において、その第1方向Dと直交する長さが第1方向Dで小さくなる突部123を含んでも良い。この突部123は、好ましくは、凹部122とは第1方向Dにおいて反対側に形成されている。このような突部123も、ピン部120の路面への食い込み性を向上させ、ひいては、より高い摩擦接触状態を作り出すのに役立つ。
スタッド103は、ゴムよりも硬質の材料で構成されておれば、特に限定されないが、好ましくは、金属材料で構成される。他の態様では、スタッド103は、トレッド部102を構成するゴムよりも硬い樹脂やゴム材料で作られても良い。さらに、スタッド103は、例えばボディ110とピン部120とが異なる材料で構成されても良い。
図5は、トレッド部102のスタッド103を装着する前の断面図を示す。図5に示されるように、トレッド部102には、スタッド103を装着するための孔130が形成されている。孔130は、例えば、平面視において、円形の開口とされる。孔130は、例えば、タイヤ半径方向の外側及び内側に大きい内径を有し、それらの間は、小さい内径を有する。この形状は、仮想線で示されるスタッド103のボディ110の形状に対応している。また、孔130は、ほぼ全体的に、スタッド103の外径に比べて小さい内径とされている。
スタッド103を孔130に装着する場合、スタッド103は、孔130に向けて大きな力で押し込まれる。これにより、スタッド103は、孔130を押し広げながらその内部へと進入し、トップフランジ111を含むボディ110が孔130の内部に、ピン部120が孔130の外部にそれぞれ位置するように装着される。また、孔130は、スタッド103のボディ110にほぼ密着するように弾性変形し、スタッド103をしっかりと保持する。スタッド103によって退けられたゴムは、ブロック105の周囲の溝108側へと膨出する。
図1に戻ると、本実施形態では、スタッダブルタイヤ101の雪上性能を向上させるために、トップフランジ111のテーパー部111Aが、ブロック105のコーナ部106に向きを揃えて、ブロック105に装着されている。これらの向きが揃っていないと、ブロック105へのスタッド103を装着したときに、ブロック105のゴムが周囲の溝108に局部的に大きく膨出し、その溝容積が低下することによって雪柱せん断力が低下する。
一方、本実施形態のように、ブロック105のコーナ部106と、トップフランジ111のテーパー部111Aの向きを揃えると、ブロック105へスタッド103を装着したときでも、ブロック105のコーナ部106のゴムが周囲の溝108に局部的に大きく膨出するのが抑制される。
図6には、スタッド103を装着したことにより、孔130の周囲に生じる応力が模式的に矢印で示されている。図6から明らかなように、本実施形態によれば、トップフランジ111の第1辺S1側では大きな応力が生じるのに対して、孔130とコーナ部106の先端部106Aとの間には、比較的小さな応力しか生じない。この結果、コーナ部106のゴムが周囲の溝108に局部的に大きく膨出するのが抑制され、ひいては、雪柱せん断力の低下が抑制できる。したがって、本実施形態のタイヤ101は、スタッド103を装着したときでも、雪柱せん断力の低下を抑制して、優れた雪上性能が維持される。
図1に示されるように、トップフランジ111のテーパー部111Aは、ブロック105のコーナ部106と同様に、回転方向Rの先着側に凸となるように配置されるのが望ましい。
図6は、ブロック105のコーナ部106の拡大平面図を示す。図6に示されるように、好ましい態様では、ブロック105の平面視において、スタッド103のトップフランジ111は、ブロック105のコーナ部106の先端部106Aを通るタイヤ周方向線Yと交わる位置に設けられる。これにより、スタッド103装着時のゴムの膨出は、コーナ部106の両側へバランス良く分散され、溝108内への膨出をさらに低減することができる。
好ましい態様では、トレッド部102の平面視(図6)において、スタッド103のトップフランジ111の面積重心SGは、コーナ部106の先端部106Aからタイヤ周方向に15mm以内に位置するように構成されても良い。同様に、好ましい態様では、トレッド部102の平面視(図6)において、スタッド103のトップフランジ111の面積重心SGは、コーナ部106の先端部106Aからタイヤ軸方向に5mm以内に位置するように構成されても良い。これらにより、スタッド103装着時のゴムの膨出は、コーナ部106の両側へ、よりバランス良く分散され、溝108内への膨出をさらに低減することができる。この場合、スタッド103は、ブロック105からはみ出すことなく、その周囲がゴムで覆われるように配置されることは言うまでもない。
好ましい態様では、トレッド部102の平面視(図6)において、スタッド103のテーパー部111Aの斜辺S3と、コーナ部106のブロックエッジ106Eとのなす角度は、例えば、20度以下、好ましくは15度以下、より好ましくは10度以下、さらに好ましくは0度(すなわち、両者が平行)であるのが望ましい。これにより、スタッド103装着時のゴムの膨出は、コーナ部106の両側へ、よりバランス良く分散され、溝108内への膨出をさらに低減することができる。
図1に示したように、スタッド103が装着されたブロック105は、クラウンブロックとされても良い。クラウンブロックは、タイヤ赤道Cを中心としたトレッド幅(後記する。)の40%のクラウン領域に配されたブロックである。クラウンブロックは、その踏面の重心位置がクラウン領域に位置していればよく、一部がクラウン領域からはみ出しても良い。クラウンブロックには、直進走行時、相対的に大きな接地圧が作用するので、クラウンブロックに、上記スタッド103との関係性を適用すると、直進走行時の雪柱せん断力がより効果的に発現し、雪上での直進走行及びブレーキ性能がさらに向上する。
ブロック105は、ショルダーブロックとされても良い。ショルダーブロック105は、トレッド端(後記する。)からトレッド幅の30%の領域であるショルダー領域に配されたブロックである。ショルダーブロックは、その踏面の重心位置がショルダー領域に位置していればよく、一部がショルダー領域からはみ出しても良い。ショルダーブロックには、旋回時に大きな接地圧が作用するので、ショルダーブロックに、上記スタッド103との関係性を適用すると、旋回時に雪柱せん断力がより効果的に発現し、雪上での旋回性能がさらに向上する。
[トレッド部の実施形態]
タイヤ101の好ましい実施形態が、タイヤ1として、図7に示されている。図7は、タイヤ1のトレッド部2の展開図である。タイヤ1は、第1トレッド端Te1及び第2トレッド端Te2で規定されるトレッド部2を含む。
トレッド部2は、例えば、タイヤ赤道Cと第1トレッド端Te1との間の第1トレッド部2Aと、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間の第2トレッド部2Bとを含んでいる。第1トレッド部2Aと第2トレッド部2Bとは、タイヤ周方向に位置ずれしている点を除き、実質的に線対称に構成されている。このため、第1トレッド部2Aの各構成は、第2トレッド部2Bに適用することができる。
第1トレッド端Te1及び第2トレッド端Te2は、空気入りタイヤの場合、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。
前記「正規状態」とは、タイヤ1が正規内圧で正規リムにリム組みされ、かつ、無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ1の各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
前記「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
前記「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
前記「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
トレッド部2には、タイヤ軸方向に対して斜めに延びる複数の傾斜溝10が設けられている。傾斜溝10は、複数の第1傾斜溝11と複数の第2傾斜溝12とを含む。
第1傾斜溝11は、第1トレッド端Te1に連通する開放端11aからタイヤ赤道Cを越えかつ第2トレッド端Te2の手前に途切れ端11bを有する。
第2傾斜溝12は、第2トレッド端Te2に連通する開放端12aからタイヤ赤道Cを越えかつ第1トレッド端Te1の手前に途切れ端12bを有する。第2傾斜溝12は、第1傾斜溝11と実質的に同様の構成を有している。このため、特に断りの無い限り、第1傾斜溝11の構成は、第2傾斜溝12に適用することができる。
第1傾斜溝11及び第2傾斜溝12は、タイヤ赤道Cを横切って延びており、ウェット走行時に高い排水性を発揮するのみならず、雪路走行時、タイヤ軸方向に長い雪柱を形成し、大きな雪柱せん断力を提供することができる。
傾斜溝10は、例えば、第1傾斜溝11及び第2傾斜溝12よりもタイヤ軸方向の長さが小さい傾斜副溝を含んでも良い。
傾斜副溝は、例えば、複数の第1傾斜副溝14及び/又は複数の第2傾斜副溝15を含む。
第1傾斜副溝14は、例えば、第1トレッド端Te1に連通する開放端14aからタイヤ赤道Cを越えかつ第1傾斜溝11の途切れ端11bよりもタイヤ赤道C側に途切れ端14bを有する。本実施形態では、第1トレッド部2Aにおいて、第1傾斜溝11と第1傾斜副溝14とがタイヤ周方向に交互に設けられている。
第2傾斜副溝15は、例えば、第2トレッド端Te2に連通する開放端15aからタイヤ赤道Cを越えかつ第2傾斜溝12の途切れ端12bよりもタイヤ赤道C側に途切れ端15bを有する。本実施形態では、第2トレッド部2Bにおいて、第2傾斜溝12と第2傾斜副溝15とがタイヤ周方向に交互に設けられている。
望ましい態様では、各傾斜溝10は、トレッド端Te1、Te2から、タイヤ赤道C側に向かって、回転方向Rの先着側に傾斜している。
傾斜溝10の溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの2.0%~6.0%であるのが望ましい。溝幅W1は、例えば、開放端側から途切れ端側に向かって漸減しているのが望ましい。トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端Te1から第2トレッド端Te2までのタイヤ軸方向の距離である。
傾斜溝10の深さは、乗用車用タイヤの場合、例えば、6.0~12.0mmであり、好ましくは8.0~10.0mmである。
第1傾斜溝11と第2傾斜溝12とは、それぞれ、タイヤ軸方向に対する傾斜に関して、開放端側の第1急傾斜部16と、途切れ端側の第2急傾斜部17と、それらの間の緩傾斜部18とを含む。
緩傾斜部18は、相対的にタイヤ軸方向に近い角度で延びている。緩傾斜部18には、直進走行時、大きな接地圧が作用するので、緩傾斜部18は、雪路での直進走行時、タイヤ周方向に、大きな雪柱せん断力を提供する。
一方、第1急傾斜部16及び第2急傾斜部17は、相対的にタイヤ周方向に近い角度で延びている。これらに作用する接地圧は旋回時に大きい。このため、第1急傾斜部16及び第2急傾斜部17は、雪路での旋回走行時、タイヤ軸方向に、大きな雪柱せん断力を提供し、ひいては雪路での旋回性能を高めるのに役立つ。
また、第1傾斜溝11及び第2傾斜溝12において、緩傾斜部18が、排水性に優れた第1急傾斜部16と第2急傾斜部17との間に配されている。これは、緩傾斜部18による排水性の低下を最小限に抑制しながら、雪上性能を高めるのに役立つ。
第2急傾斜部17は、途切れ端に向かってタイヤ周方向に対する角度が漸減する部分を含んでも良い。このような第2急傾斜部17は、タイヤの回転を利用して傾斜溝10の内部の水を積極的に途切れ端側又は開放端側に案内できる。したがって、傾斜溝10は、優れた排水性をも発揮することができる。
第1傾斜溝11のそれぞれは、例えば、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間で2本以上の傾斜溝10と交差しているのが望ましい。第1傾斜溝11は、例えば、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間でより望ましくは3本以上、さらに望ましくは4本以上の傾斜溝10と交差している。これにより、第1傾斜溝11と他の傾斜溝10との交差部分によって、雪路走行時に複数の雪柱を形成でき、より大きな雪柱せん断力が得られる。
同様の観点から、第2傾斜溝12のそれぞれは、例えば、タイヤ赤道Cと第1トレッド端Te1との間で2本以上の傾斜溝10と交差しているのが望ましい。第2傾斜溝12は、例えば、タイヤ赤道Cと第1トレッド端Te1との間でより望ましくは3本以上、さらに望ましくは4本以上の傾斜溝10と交差している。
本実施形態では、傾斜溝10同士の交差部分が全て十字路で構成されているが、このような態様に限定されず、上記交差部分のいずれかが三叉路で構成されても良い。
第1傾斜溝11の第1急傾斜部16は、例えば、開放端11aからタイヤ赤道Cの手前まで延びている。本実施形態の第1急傾斜部16は、例えば、第1トレッド部2Aのタイヤ軸方向の中心位置を横切っている。
第1急傾斜部16のタイヤ軸方向に対する角度θ1は、例えば、15~70°である。第1急傾斜部16は、例えば、開放端11a側からタイヤ赤道C側に向かってタイヤ軸方向に対する角度が漸増している。
第1急傾斜部16は、例えば、タイヤ周方向の一方側に向かって凸に湾曲しているのが望ましい。第1急傾斜部16は、例えば、回転方向Rの後着側に向かって凸に湾曲しても良い。このような第1急傾斜部16は、雪路走行時、弓形状に湾曲した雪柱を形成する。このような雪柱は、回転方向Rの先着側に向かって大きな雪柱せん断力を発揮し、雪路でのブレーキ性能を高めるのに役立つ。
緩傾斜部18は、例えば、タイヤ赤道Cを横切っている。緩傾斜部18の第1トレッド端Te1側の端部は、例えば、第1トレッド部2Aのタイヤ軸方向の中心位置よりもタイヤ赤道C側に配されても良い。同様に、緩傾斜部18の第2トレッド端Te2側の端部は、例えば、第2トレッド部2Bのタイヤ軸方向の中心位置よりもタイヤ赤道C側に配されても良い。
緩傾斜部18のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、第1急傾斜部16のタイヤ軸方向に対する最大の角度よりも小さい。緩傾斜部18の角度θ2は、例えば、5~30°である。
第1傾斜溝11の緩傾斜部18は、例えば、タイヤ軸方向に対する角度θ2が第2トレッド端Te2側に向かって漸減している。同様に、第2傾斜溝12の緩傾斜部18は、タイヤ軸方向に対する角度θ3が第1トレッド端Te1側に向かって漸減している。このような緩傾斜部18は、ウェット走行時、内部に入った水をタイヤ軸方向のいずれか一方に移動し易くする。
緩傾斜部18は、例えば、第1急傾斜部16とは反対側に凸となるように湾曲するのが望ましい。具体的には、緩傾斜部18は、回転方向Rの先着側に向かって凸に湾曲しても良い。このような緩傾斜部18は、雪路走行時、第1急傾斜部16が形成する雪柱とは反対側に向かって弓形状に湾曲した雪柱を形成し、ひいては雪路でのトラクション性能を効果的に高めることができる。
第2急傾斜部17は、タイヤ赤道Cと第2トレッド端Te2との間に配されている。本実施形態の第2急傾斜部17は、例えば、第2トレッド部2Bのタイヤ軸方向の中心位置を横切っている。本実施形態の第2急傾斜部17は、例えば、緩傾斜部18から途切れ端11bに向かって、タイヤ周方向に対する角度が漸減する本体部17aと、本体部17aに連なる先端部19とを含んでいる。本体部17aは、例えば、第2急傾斜部17の全体の長さの好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上の長さを有している。また、本体部17aには、少なくとも2本の傾斜溝10が交差している。
第2急傾斜部17は、例えば、タイヤ軸方向に対して緩傾斜部18よりも大きい角度θ4で傾斜している。第2急傾斜部17のタイヤ軸方向に対する角度θ4は、例えば、40~70°である。
第2急傾斜部17の本体部17aは、例えば、第1急傾斜部16と同じ向きに向かって凸に湾曲しているのが望ましい。このような第2急傾斜部17は、第1急傾斜部16と同じ向きに大きな雪柱せん断力を提供できる。
第2急傾斜部17の先端部19は、例えば、タイヤ周方向に対する角度が途切れ端11b側に向かって漸増しているのが望ましい。
第1傾斜溝11及び第2傾斜溝12のさらに詳細な構成を説明するための図として、図8には、第1傾斜溝11の輪郭の拡大図が示されている。
図8に示されるように、第1傾斜溝11は、他の傾斜溝10との交差部分を複数含むことができる。各交差部分は、第1傾斜溝11の溝中心線と他の傾斜溝10の溝中心線との交点を有する。本実施形態の第1傾斜溝11は、例えば、第1トレッド端Te1とタイヤ赤道Cとの間の領域において、第1交点21、第2交点22及び第3交点23を含む。
第1交点21は、最も第1トレッド端Te1側の交差部分の交点である。第2交点22は、第1交点21の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点である。第3交点23は、第2交点22の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点である。
第1傾斜溝11は、例えば、第2トレッド端Te2とタイヤ赤道Cとの間の領域において、第4交点24、第5交点25、第6交点26及び第7交点27を含む。
第4交点24は、第3交点23の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点である。第5交点25は、第4交点24の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点である。第6交点26は、第5交点25の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点である。第7交点27は、第6交点26の第2トレッド端Te2側に隣り合う交差部分の交点であり、最も第2トレッド端Te2側に形成されている。
本実施形態では、開放端11aと第3交点23との間で第1急傾斜部16が構成されている。第1トレッド端Te1と第1傾斜溝11の溝中心線との交点から第1交点21までの延びる第1直線20aのタイヤ軸方向に対する角度θ5は、例えば、10~20°であるのが望ましい。第1交点21から第2交点22までの延びる第2直線20bのタイヤ軸方向に対する角度θ6は、例えば、20~45°であるのが望ましい。第2交点22から第3交点23までの延びる第3直線20cのタイヤ軸方向に対する角度θ7は、例えば、40~55°であるのが望ましい。
タイヤ赤道Cから第3交点23までのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの0.05~0.15倍であるのが望ましい。
以上のような第1傾斜溝11は、雪路性能とドライ路面での操縦安定性とをバランス良く高めるのに役立つ。
本実施形態では、第3交点23と第4交点24との間で緩傾斜部18が構成されている。第3交点23から第4交点24までのびる第4直線20dのタイヤ軸方向に対する角度θ8は、例えば、15~25°であるのが望ましい。
タイヤ赤道Cから第4交点24までのタイヤ軸方向の距離L2は、例えば、トレッド幅TWの0.05~0.15倍であるのが望ましい。
本実施形態では、第4交点24と第7交点27との間で第2急傾斜部17が構成されている。第4交点24から第5交点25まで延びる第5直線20eのタイヤ周方向に対する角度θ9は、例えば、50~60°であるのが望ましい。
第5交点25から第6交点26までの延びる第6直線20fのタイヤ周方向に対する角度θ10は、例えば、35~50°であるのが望ましい。
第6交点26から第7交点27までの延びる第7直線20gのタイヤ周方向に対する角度θ11は、例えば、20~30°であるのが望ましい。
第2トレッド端Te2から途切れ端11bまでのタイヤ軸方向の距離L3は、例えば、トレッド幅TWの0.05~0.15倍であるのが望ましい。
以上のような第1傾斜溝11は、第2トレッド端Te2付近の剛性を維持しつつ、雪路性能及びウェット性能を高めることができる。
図7に示されるように、第1傾斜副溝14は、第1傾斜溝11と同様、第1急傾斜部16及び緩傾斜部18を有している。第1傾斜副溝14の第1急傾斜部16及び緩傾斜部18には、上述した第1傾斜溝11の第1急傾斜部16及び緩傾斜部18の構成を適用することができる。
タイヤ赤道Cから第1傾斜副溝14の途切れ端14bまでのタイヤ軸方向の距離L4は、例えば、トレッド幅TWの0.30~0.40倍であるのが望ましい。
第2傾斜副溝15は、第2傾斜溝12と同様、第1急傾斜部16及び緩傾斜部18を有している。第2傾斜副溝15の第1急傾斜部16及び緩傾斜部18には、上述した第2傾斜溝12の第1急傾斜部16及び緩傾斜部18の構成を適用することができる。また、第1傾斜副溝14と第2傾斜副溝15とは、タイヤ周方向に位置ずれしている点を除き、実質的に線対称に構成されている。このため、第2傾斜副溝15には、上述した第1傾斜副溝14の構成も適用することができる。
トレッド部2に上述の傾斜溝10が設けられることにより、トレッド部2は、複数のブロック105が形成される。
図9は、第1トレッド部2Aの要部拡大図を示す。図9に示されるように、第1トレッド部2Aは、5種類のブロック1050、1051、1052、1053及び1054が区画されている。各ブロックには、例えば、ジグザグ状にのびるサイプが設けられている。本明細書において、サイプとは、幅が1.5mm未満の切れ込みを意味する。
ブロック1050には、第1サイプ41が設けられている。第1サイプ41は、例えば、第1傾斜溝11とは逆向きに傾斜しているのが望ましい。
ブロック1051には、第2サイプ42が設けられている。第2サイプ42は、例えば、第1サイプ41と同じ向きに傾斜しているが、タイヤ軸方向に対する角度が第1サイプ41よりも小さく形成されている。このような第1サイプ41及び第2サイプ42は、そのエッジによって第1傾斜溝11とは異なる向きの摩擦力を高めることができる。
ブロック1052には、第3サイプ43が設けられている。第3サイプ43は、例えば、第1サイプ41と同じ向きに傾斜しているが、タイヤ軸方向に対して第1サイプ41よりも小さい角度で延びている。
ブロック1053には、第4サイプ44が設けられている。ブロック1054には、第5サイプ45が設けられている。第4サイプ44及び第5サイプ45は、例えば、第2サイプ42と同じ向きに傾斜している。本実施形態の第4サイプ44及び第5サイプ45は、例えば、第2サイプ42に沿って延びている。
ブロック1050、1053及び1054には、スタッド103を装着するための孔130が設けられている。当業者であれば、ブロック1050は、図1で説明した左側のブロック105とほぼ同様の形態を有することが理解されるであろう。好ましい態様では、孔130の中心から周囲8mm以内の領域には、溝及びサイプが配されていないのが望ましい。これにより、孔130周辺のクラックが抑制される。
本実施形態のタイヤ1において、トレッド部2のランド比Lrは、例えば、55%~70%であるのが望ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性と雪路性能とがバランス良く高められる。本明細書において、「ランド比」とは、各溝及びサイプを全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の合計接地面積Sbの比Sb/Saである。
同様の観点から、トレッド部2を形成するトレッドゴムのゴム硬度Htは、例えば、45~65°であるのが望ましい。本明細書において、前記「ゴム硬度」は、JIS-K6253に準拠し、23℃の環境下におけるデュロメータータイプAによる硬さである。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図7の基本パターンを有するタイヤに、以下のスタッド1及び2を配置した2種類のスタッダブルタイヤについて、氷上及び雪上での走行性能がプロのドライバーにより評価された。
<スタッド1(実施例品)の仕様>
トップフランジの第1辺S1の長さL1:6mm
トップフランジの第2辺S2の長さL2:2mm
第1辺と第2辺の間の距離:4mm
テーパー部の角度:120度
テーパー部を図1の向きで配置
<スタッド2(比較例品)の仕様>
トップフランジが、スタッド1のそれと同じ表面積を有する正方形の輪郭形状(テーパー部なし)とされ、各辺がタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に揃えて配置された。
両タイヤにおいて、氷上性能については、スタッドの効果により、いずれも良好な結果が得られた。一方、雪上性能については、実施例品は、比較例品に比べると、ハンドル応答性やトラクション性能について優位性が見られた。具体的には、プロのドライバーによる10点満点の雪上走行官能評価において、実施例品は、比較例品との比較において、約10%以上の性能向上が見られた。
101 スタッダブルタイヤ
102 トレッド部
103 スタッド
105 ブロック
106 コーナ部
110 ボディ
111 トップフランジ
111A テーパー部
R 回転方向

Claims (11)

  1. トレッド部にスタッドが装着されたスタッダブルタイヤであって、
    前記トレッド部は、回転方向が指定されており、
    前記トレッド部は、複数のブロックを含み、
    前記複数のブロックは、前記回転方向の先着側に凸となるコーナ部を含み、
    前記複数のブロックの少なくとも1つには、前記スタッドが装着されており、
    前記スタッドは、ブロック内に埋設されたボディと、前記ボディからタイヤ半径方向に突出するピン部とを含み、
    前記ボディは、そのタイヤ半径方向の外側部にトップフランジが形成されており、
    前記トップフランジは、平面視において、テーパー部を含み、
    前記テーパー部は、前記回転方向の先着側に凸となる向きに装着されており、
    前記トレッド部の平面視において、前記スタッドの前記トップフランジの面積重心は、前記コーナ部の先端部からタイヤ周方向に15mm以内、かつ、タイヤ軸方向に5mm以内に位置する、
    スタッダブルタイヤ。
  2. 前記トップフランジは、平面視において、直線状に延びる第1辺を有し、前記テーパー部は、前記第1辺に沿った長さが前記第1辺と直交する方向に小さくなる、請求項1に記載のスタッダブルタイヤ。
  3. 前記コーナ部は、鈍角である、請求項1又は2に記載のスタッダブルタイヤ。
  4. 前記ブロックは、タイヤ赤道を中心としたトレッド幅の40%の領域に配されたクラウンブロックである、請求項1ないし3のいずれかに記載のスタッダブルタイヤ。
  5. 前記ブロックは、トレッド端からトレッド幅の30%の領域に配されたショルダーブロックである、請求項1ないし3のいずれかに記載のスタッダブルタイヤ。
  6. 前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端を含み、
    前記トレッド部には、複数の傾斜溝が形成されており、
    前記複数の傾斜溝は、前記第1トレッド端に連通する開放端からタイヤ赤道を越えかつ前記第2トレッド端の手前に途切れ端を有する第1傾斜溝と、前記第2トレッド端に連通する開放端からタイヤ赤道を越えかつ前記第1トレッド端の手前に途切れ端を有する第2傾斜溝とを含み、
    前記第1傾斜溝と前記第2傾斜溝とは、それぞれ、タイヤ軸方向に対する傾斜に関して、前記開放端側の第1急傾斜部と、前記途切れ端側の第2急傾斜部と、それらの間の緩傾斜部とを含み、
    前記第1急傾斜部のタイヤ軸方向に対する角度は、15~70°であり、
    前記第2急傾斜部のタイヤ軸方向に対する角度は、40~70°であり、
    前記緩傾斜部のタイヤ軸方向に対する角度は、5~30°であり、
    前記緩傾斜部のタイヤ軸方向に対する角度は、前記第1急傾斜部のタイヤ軸方向に対する最大の角度よりも小さく、
    前記第2急傾斜部は、タイヤ軸方向に対して前記緩傾斜部よりも大きい角度で傾斜している、請求項1ないし5のいずれかに記載のスタッダブルタイヤ。
  7. 前記第2急傾斜部は、前記途切れ端側に向かってタイヤ周方向に対する角度が漸減する部分を含む、請求項6に記載のスタッダブルタイヤ。
  8. 前記トレッド部には、複数の前記第1傾斜溝と複数の前記第2傾斜溝とが設けられ、前記複数の第1傾斜溝のそれぞれは、タイヤ赤道と前記第2トレッド端との間で2本以上の前記傾斜溝と交差している、請求項6又は7に記載のスタッダブルタイヤ。
  9. 前記トレッド部には、複数の前記第1傾斜溝と複数の前記第2傾斜溝とが設けられ、前記複数の第2傾斜溝のそれぞれは、タイヤ赤道と前記第1トレッド端との間で2本以上の前記傾斜溝と交差している、請求項6又は7に記載のスタッダブルタイヤ。
  10. 前記第1傾斜溝の前記緩傾斜部は、タイヤ軸方向に対する角度が前記第2トレッド端側に向かって漸減しており、
    前記第2傾斜溝の前記緩傾斜部は、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1トレッド端側に向かって漸減している、請求項6ないし9のいずれかに記載のスタッダブルタイヤ。
  11. 前記第1急傾斜部は、タイヤ周方向の一方側に向かって凸に湾曲しており、前記緩傾斜部は、タイヤ周方向の他方側に向かって凸に湾曲している、請求項6ないし10のいずれかに記載のスタッダブルタイヤ。
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