以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、図中で共通する部分には同一の符号を付す。
図1(a)~(c)は、本実施形態に係る清掃装置の一例としての清掃装置100を示している。本実施形態では、デジタルカメラに備えられたCMOSセンサー等で構成された撮像素子の撮像面を清掃するための清掃装置として例示する。
図1(a)は清掃装置100の外観図である。清掃装置100は金属シャーシからなる本体1、清掃対象である検出装置(本実施形態ではカメラ)を固定する固定部2、種々の情報を表示する表示部7を有する。表示部7は清掃装置と通信可能な別体として構成されていても構わない。
図1(b)は清掃装置100の内部の構成を示す図である。可動台座6には確認部3と第1の清掃部4、第2の清掃部5が一体に備わっており、可動台座6が三次元方向に並進および回転を行って各部の位置を適宜変更可能としている。特に、各部が固定部2の位置、即ちカメラ200装着後の撮像素子表面(検出面)に対して接近、清掃装置側に退避が可能なように、可動台座6は上下方向に並進可能な並進機構を有する。
固定部2は本体1の外装面に配置されるリング状の金属部材から成り、本実施形態では清掃対象となるカメラが通常使用時に交換レンズを着脱するカメラマウントが装着・固定可能な構造になっている。固定部2はさらに電気接続端子を備えて装着されるカメラとの通信も可能である。また固定部2は、清掃装置100による清掃の様子をモニタリングする際の光量の確保のためにリング状の照明を備えており、第1の清掃部4、第2の清掃部5による検出素子の清掃時には清掃対象である検出素子(カメラの撮像素子)に光を照射する。また、固定部2は装着される外部機器の種類に応じて特に接続部分の適切な形状(機構)が異なるため、本体1に対して着脱可能に構成され、接続が想定される外部機器に合わせて交換されてもよいし、接続が想定される外部機器の種類の分だけ設けられてもよい。さらに、機種に依らずカメラを固定可能な汎用的な固定機構として設けられていてもよい。
本実施形態では、装着対象であるカメラのいわゆるカメラマウントにおける接続端子を利用してカメラの装着を検知する。すなわち、固定部2の接続端子がカメラマウントの接続端子と電気的に接続したことに応じて清掃装置100にカメラが装着されたことを検知する。
第1の清掃部4は検出素子表面に対して非接触式の清掃を行う清掃機具であり、本実施形態においてはエアーを噴射し、風圧でゴミを吹き飛ばす。
第2の清掃部5は検出素子表面に対して接触式の清掃を行う清掃機具であり、本実施形態においては拭き具を用いた拭き清掃でゴミをからめとる。
図1(c)は清掃装置100の背面内部の構成を示す図である。通常は内部の筐体に取り付けられた各部を覆うように、外部筐体にカバーが取り付けられているものとする。制御部10はCPUを含むコンピュータからなり、清掃装置100全体の動作制御を司るものであり、各部からの情報の処理や各部に対する指示を行う。
エアーフィルタ11は第1の清掃部4に用いるエアーが吸入口12を介して外部のポンプ等から注入されたとき、エアーに存在するゴミや油分を低減するフィルターであり、フィルターを通ったエアーは第1の清掃部4に供給される。エアーフィルタ11がなければ、エアーに含まれるゴミを検出素子の検出面に吹き付けてしまう可能性もある。圧力計13は注入されるエアーの圧力を計測、表示する。使用者は圧力計13の示す圧力を見て随時適切な圧力に調整できる。
電源14は清掃装置100全体に電源を供給している。また、インターフェース(本実施形態では固定部2の電気接続端子、通信部17など)を介して外部機器に給電を行う機能を備えていてもよい。
図2は、清掃対象となる検出素子である撮像素子を有する装置の一例としてのカメラ200である。本実施形態では、カメラ200はレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラである。カメラ通信部24は、カバー内部に通信の規格に対応した接続端子を有し、清掃装置100の通信部とUSB等のケーブルで接続されることで清掃装置100と電気的に接続された状態で通信を行う。外部機器がレンズである場合、不図示のカメラ制御部によってレンズ制御を行うとともに、レンズおよびカメラ200の各種情報のやり取りを行う。撮像素子22は撮像素子表面30で被写体光を受光し電気信号に変換することで、デジタル画像データを生成する。本実施形態ではCMOSセンサーが用いられるが、その他にもCCD型、CID型等様々な形態が考えられる。さらに、受光素子に限らず、X線などの電磁波を検出する検出素子など、素子表面で検出を行う機能を有する検出素子であれば、いずれの形態の検出素子も本清掃装置の清掃対象となりうる。また、撮像素子22はフォトダイオードの上にカバーガラス、IRカットフィルター、LPF等を厚み方向に重ねた構造であり、本清掃装置はその最表面を清掃対象としている。
次に図1(b)、図2を参照して、本実施形態に係る清掃装置100と本実施形態に係る検出装置であるカメラ200との接続構成について説明する。
カメラ200は、カメラ固定部23を清掃装置の固定部2に接続することにより固定される。制御部10は、後述する通信部17とカメラ通信部24を介してカメラ制御部21と通信を行うことでカメラ200の制御を行うことができる。例えば清掃装置100はカメラ機種判定やカメラ200側のミラー、シャッターを動かす撮像動作などの制御を行うことができる。
図1(b)では、第2の清掃部5が固定部2の方向に向けられている。可動台座6が上下に並進する並進機構を有することで、第2の清掃部5は固定部2のリング中央を通り、カメラ200が物理的に接続された状態で撮像素子22に近接することができる。
また、可動台座6は取り付けられた部材を回転させる回転機構を有し、その回転軸の周りの異なる位相の位置で確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5が配されている。この回転機構により、第2の清掃部5と同様に確認部3、第1の清掃部4においても、各部の正面を固定部2に(すなわち撮像素子22の撮像素子表面30に)対向する位置に回転駆動させることができる。従って、一方が回転駆動により撮像素子22と対向する位置にある場合、並進機構により他方に比べて検出面である撮像素子表面30に接近させ、清掃後また清掃装置側に退避させることが出来る。
また、可動台座6の回転機構は、後述する各部の清掃シーケンスにおいて、各部の清掃部を検出面に対する傾きを制御する(角度制御する)ためにも用いられる。すなわち、可動台座6の回転機構は、制御部10の制御に従って、第1の清掃部4が撮像素子22の検出面にエアーを噴出する際の、噴出口の傾きを制御したり、第2の清掃部5が検出面を拭き清掃する際の、拭き具(及び芯材)の傾きを制御したりする。以上のように、可動台座6の並進機構と回転機構によって、制御部10は各部を固定部2、すなわち検出素子の検出面に対向させたり、接近、退避させたりするなど、検出面に対する距離を制御することが可能となっている。
確認部3は照明を備え、制御部10の指示に従って対象に照明光を照射する。本実施形態では確認部3の先端にLEDが搭載されており、近接させた状態で撮像素子22を照射して、このとき撮像素子22の素子表面(センサー面)を撮像することで、面の汚れの状態を確認する画像を取得することに用いられる。以下に示す実施形態では撮像素子22の撮像機能を利用してセンサー面の画像を取得しているが、本発明はこれに限らず、確認部3自身が撮像素子など何らかのセンサーを有して検出素子表面の状態を確認できる情報が取得できてもよい。また、本実施形態では、確認部3は第1の清掃部4、第2の清掃部5とともに可動台座6に装着されているが、例えば固定部2の近傍などに固定されて設置されていてもよい。このように設置すると、各清掃部の清掃の実行時にも照射、撮像可能になる。また、第1の清掃部4、第2の清掃部5の清掃部材(噴射口、芯材の先端の拭き具)近傍に確認部3として照明およびまたは撮像素子をそれぞれ設けてもよい。
第1の清掃部4は検出素子表面に対して非接触式の清掃を行う清掃機具であり、本実施形態においては筒状の部材の先端(噴射口)からエアーを噴射することで、近接した撮像素子22の表面についたゴミを風圧により吹き飛ばす。さらに、本実施形態では、撮像素子22の表面に付いているゴミを除電して剥離しやすくするために、第1の清掃部4はエアーを帯電させ除電機能をもたせるイオナイザーを有している。しかし、こうした除電機能がなくエアーの吹きかけのみでも一定の効果はあるので、イオナイザーが必ずしも必要なわけではない。
第2の清掃部5は検出素子表面に対して接触式の清掃を行う清掃機具であり、本実施形態においては芯材の主に先端に取り付けられた拭き具を用いた拭き清掃で、近接した撮像素子22の表面を直接なぞることでゴミをからめとる。拭き具は,例えば超極細繊維の布、ペーパー、テープなどが用いられ、かつ巻き取り式で第2の清掃部5が接触、移動し拭き清掃を行うと共に、新しい拭き具が清掃面に接触するように構成されている。さらに本実施形態では必要に応じて、油汚れを落とすための溶剤を拭き具に浸けて清掃を行うことも出来る構成になっている。第1の清掃部4および第2の清掃部5のいずれに関しても、それぞれ非接触式の清掃機具、接触式の清掃機具であれば、その具体的な構成は特に限定されない。
ここで、本実施形態では上記の通り可動台座6がX軸、Y軸(水平面上)、Z軸(水平面に垂直)方向の並進機構および各清掃部の固定部2に対する角度を制御するための回転機構を有するが、可動台座6および各清掃部の駆動機構についてはこれに限らない。例えば第1の清掃部4のエアーの噴出が広範囲、高噴出量であれば水平面上を一軸方向に移動させるだけで清掃可能に構成することもできる。このときさらに第2の清掃部5が拭き清掃を行う拭き具の幅(走査方向と垂直な方向の幅)を清掃面である検出素子面の一辺相当に広く構成することで、第1の清掃部4と同じく一軸方向に移動させるだけで清掃可能に構成することもできる。従って、可動台座6の並進における可動方向はX軸あるいはY軸方向のいずれか1方向とそれらと垂直なZ軸方向の2軸の駆動が少なくとも可能な構成であってもよい。
また、本実施形態では、可動台座6は取り付けられた部材を回転させる回転機構を有し、その回転軸の周りの異なる位相の位置で確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5が配されているが、可動台座6に対する各部の取り付け方法はこれに限らない。例えばXY平面上(水平面上)の異なる位置に確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部が配されて固定部2に向けたZ軸上方向への動作(照射、撮影、清掃)が可能なように構成されていてもよい。このとき、制御部10は可動台座6を制御して各部のXY平面上の位置を制御することで固定部2に対向する部材を変更し、Z軸方向(上下方向)を制御することで清掃対象である検出素子面に接近(接触)、退避を制御すればよい。本構成では上記実施形態に比べてZ軸方向のスペースが削減され、かつ可動台座6に回転機構を設けなくてもよいのでコスト削減になる。ただし、清掃時の各部の検出素子面に対する角度制御も行えなくなるため、別途各部の一部に回転機構を設けてもよい。
図3は本実施形態にかかる清掃装置100及びカメラ200の主要な電気的構成を示すブロック図である。
清掃装置100は電源14から供給される電力で動作し、電源SW15で電源のオンオフを切替える。表示部7は清掃装置100およびカメラ200の各種情報、動作の状態やユーザー操作による設定やユーザー操作の誘導など、制御部10からの指示に応じて各種の情報を表示する。
入力部8は、装着されるカメラに応じて適切な動作を行うために、メモリ16に記憶された、あるいは通信部17や他の通信経路を介して取得した、外部機器の情報が入力される。また、ユーザー操作による各種の指示情報も入力部8に入力される。本実施形態では、外部機器の情報として接続されるカメラ200の機種情報やスペックに関する情報を、入力部8を介して取得するものとする。
測定部9は例えばレーザ距離計等から成り、接続されているカメラ200の撮像素子22の位置(座標、撮像素子までの距離など)やサイズを測定する。装着されるカメラの機種情報が定まり、対応する清掃プログラムがメモリに記憶されている状況であれば、必ずしも測定部9を設けて位置やサイズを測定する必要はない。清掃装置100の本体1に内蔵されたCPUを含むコンピュータからなる制御部10は、清掃装置100の動作制御を司るものであり、各部からの情報の処理や各部に対する指示を行う。
固定部2に設けられた接続端子は、固定部2にカメラ固定部23が装着されることで、カメラ固定部23の接続端子(図2では下部8つの接続端子)と電気的に接続したことを検知し、制御部10はカメラ200の接続を検知する。
通信部17は検出素子を有する検出装置との通信を行う。本実施形態では、USBの規格に対応する接続端子であり、接続ケーブルを介してカメラ200側のカメラ通信部24と電気的に接続される。清掃装置100、カメラ200が共に電源ONの状態で接続ケーブルが通信部17、カメラ通信部24の各端子に接続されると、通電し通信が確立される。清掃装置100とカメラ200の通信方法としてはこれに限らず、有線LAN、HDMI(登録商標)、無線LAN(Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy))など公知の通信方法が適用可能である。
次に清掃装置100に着脱可能に接続されるカメラ200の構成例を説明する。カメラ制御部21はマイクロコンピュータであり、撮像素子22の動作制御および撮影画像の記憶やデータ通信など、カメラ200全体の制御を司るものである。
撮像素子22は、カメラマウントの設けられた開口部から接近可能な位置に配され、通常は撮影レンズが装着された状態で被写体からの光束を受光するフォトダイオードでなる検出面を有する。撮像素子22で受光された光束は電気信号に変換されて画像データを出力する。
ミラー25はカメラ200にとって撮像素子22よりも被写体側、光軸上に位置し、撮像素子22への光を、撮像素子22以外の不図示のセンサーや光学式ビューファインダーなどに反射または分光する。ミラー25は撮像素子22の清掃時には撮像素子22の光軸上から少なからず退避させる必要がある。本実施形態では、カメラ200が撮像素子22の露光時にミラー25を光軸から退避させる機構を利用して、清掃時に清掃装置100からの部材が撮像素子22に近接できる程度に、ミラー25を光軸から退避させておくものとする。本実施形態では、検出装置であるカメラ200はミラー25を有するデジタル一眼レフカメラであるが、光学ファインダーを持たずミラーを持たない、いわゆるミラーレス一眼カメラであっても本発明は適用できる。
遮光部材としてのシャッター(SH)26は撮像素子22よりもカメラ200にとって被写体側に位置し、撮像時に撮像素子22への光を遮光するシャッターの役割を有する。
次に図4を用いて、清掃装置100の各種動作シーケンスを説明する。
図4(a)は確認部3を用いて清掃対象の検出素子表面の状態(汚れの状態、清掃状態)を確認するための確認シーケンスを説明するフローチャート図である。制御部10は清掃装置100が行う清掃シーケンス全体の中で、適宜本フローの動作あるいは動作の指示を各部に行う。清掃装置100は本確認シーケンスが始まる段階では、既にカメラ200がカメラ固定部23及び固定部2によって清掃装置100に固定され、通信部17がカメラ通信部24とUSBの接続ケーブルを介してカメラ200と通信が確立された状態となっている。
まず制御部10は可動台座6を制御することで確認部3を固定部2の方向へ向け、さらに固定部2およびカメラ固定部23を通過するように移動させ、確認部3の先端を撮像素子22に近づける(S100)。撮像素子22近傍において、確認部3は先端に設けられたLED等の点光源の発光により撮像素子22を照射する(S101)。照明の形態としては点光源に限らず適用可能だが、点光源であれば均一な光が各素子に入射されやすいので検出面の状態をほぼ同じ条件で計測でき好ましい。
上記照明が照射された状態で、制御部10は通信部17およびカメラ通信部24を介してカメラ制御部21に信号を送り、撮像素子22に撮像動作を行わせ(S102)、撮影画像を取得する(S103)。取得した画像は通信部17を介してメモリ16に記録されるとともに、表示用画像に変換されて表示部7に表示される(S104)。このとき制御部10は、撮像され記録された画像から、例えば特異点検出などの公知の画像解析により撮像素子表面の状態とゴミや汚れの情報を検出し、画像と合わせて表示部7に表示する。本実施形態ではさらにこれらの情報をもとに撮像面の初期状態の確認、清掃後の清掃完了判定、清掃前後の比較提示などを行う。本実施形態では何かしらの清掃後の確認シーケンスにおいては、清掃前後の比較提示を確認結果として表示部7に行い、ユーザーに清掃の効果や残存するゴミについて知らしめることができる。画像記録後、確認部3は撮像素子22の近傍から清掃装置側に退避して(S105)、確認シーケンスは終了する。
図4(b)は第1の清掃部4を用いて検出素子表面を非接触式の清掃方法で清掃する第1の清掃シーケンスを説明するフローチャート図である。制御部10は清掃装置100が行う清掃シーケンス全体の中で、適宜本フローの動作あるいは動作の指示を各部に行う。清掃装置100は本第1の清掃シーケンスが始まる段階では、既にカメラ200がカメラ固定部23及び固定部2で固定され、通信部17がカメラ通信部24とUSBの接続ケーブルを介してカメラ200と通信が確立された状態となっている。
まず制御部10は可動台座6を制御することで第1の清掃部4を固定部2の方向へ向け、さらに固定部2およびカメラ固定部23を通過するように移動させ、第1の清掃部4の清掃に用いる部分(先端)を撮像素子22に近づける(S110)。その後、第1の清掃部4は撮像素子22の近傍において、先端の噴射口からエアーを噴出する(S111)。
このように、第1の清掃部4は、噴出したエアーによって撮像素子22の撮像素子表面30についた比較的大きな固形ゴミ、埃などのゴミを表面から除去することができる。ここで、例えば撮像素子表面30に大きな固形ゴミがついた状態で、第2の清掃部5が行うように撮像素子表面30をなぞるように清掃を行うと、ゴミを引きずることで表面を傷つける可能性がある。これに対して第1の清掃部4のように非接触にゴミを除去する方法では、ゴミを撮像素子表面30に引きずらず、キズを付けにくいという効果がある。
また本実施形態では、第1の清掃シーケンスを通して、第1の清掃部4が撮像素子22の撮像素子表面30に接触しないように制御部10が可動台座6を制御している。これにより撮像素子22の撮像素子表面30を傷つける可能性をさらに減らすことができる。エアー噴出を行った後、第1の清掃部4は撮像素子22の近傍から退避して(S112)、第1の清掃シーケンスは終了する。
図4(c)は第2の清掃部5を用いて検出素子の表面に対して接触式の清掃を行う第2の清掃シーケンスを説明するフローチャート図である。制御部10は清掃装置100が行う清掃シーケンス全体の中で、適宜本フローの動作あるいは動作の指示を各部に行う。清掃装置100は、本第2の清掃シーケンスが始まる段階では、既にカメラ200がカメラ固定部23及び固定部2で固定され、通信部17がカメラ通信部24とUSBの接続ケーブルを介してカメラ200と通信が確立された状態となっている。
まず制御部10は可動台座6を制御することで第2の清掃部5を固定部2の方向へ向け、さらに固定部2およびカメラ固定部23を通過するように移動させ、第2の清掃部5の清掃に用いる部分(先端)を撮像素子22に近づける(S120)。ここで、拭き掃除の際に油汚れ等を取り除くための溶剤を用いる場合には、可動台座6を制御して他の回動位置に設けられた溶剤の入った容器に第2の清掃部5の先端を浸けてから、固定部2の方向へ向ける。その後、第2の清掃部5は撮像素子22の近傍において、先端を撮像素子22に接触させ、先端に取り付けられた拭き具(布、ペーパー等)で撮像素子22の表面を拭取る(S121)。以上の手順で行うことにより、第2の清掃部5は、撮像素子22の表面についたゴミや粘着性の高い油などの汚れを表面から除去することができる。第2の清掃部5は清掃後、撮像素子22の近傍から退避して(S122)、第2の清掃シーケンスを終了する。
次に図5のフローチャート図を参照して、本実施形態に係る清掃シーケンス全体の流れについて説明する。本フローは、例えば電源SW15が操作されることにより電源をONされたことや、入力部8から清掃工程の開始指示を受信したことなどに応じて開始する。制御部10は本フローにおいて各動作を行う、あるいは各動作の指示を各部に行う。
制御部10は、固定部2に設けられた接続端子により、固定部2にカメラ200のカメラ固定部23が装着、固定されたことを検知する(S200)。次に、制御部10は、通信部17とカメラ通信部24とが電気的に接続されたことを検知し、これをトリガとして清掃装置100とカメラ200との間で通信を確立する(S201)。
次に、制御部10は、清掃対象である検出素子の検出素子情報を取得する(S202)。検出素子情報としては例えば、撮像素子22の位置やサイズ、材質や撮像素子22を清掃する妨げになる部材の位置等の情報を取得する。これらの情報は、カメラ200より通信にて取得しても良いし、カメラ200から取得されるカメラの機種情報に基づいて、予めメモリ16に記憶されたデータベースから上記検出素子情報を読み出してもよい。また、入力部8を介してユーザー入力により検出素子情報あるいはカメラ200の機種情報を取得してもよい。また、確認部3に撮像素子22の状態を検出するセンサーが設けられた実施形態である場合には、本ステップにおいて、確認部3により検出される例えば画像などの情報に基づいて上記検出素子情報を取得する。
ステップS203では、制御部10はステップS202で得られた撮像素子22の検出素子情報に基づいて制御情報を決定する。具体的には撮像素子22の位置、サイズ情報に基づいて、可動台座6を用いて確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5を検出面に愛してそれぞれ進退させる際の駆動幅を決定し、検出面との距離を制御する。また、第1の清掃部4のエアー噴射位置や噴射の強さ、第2の清掃部5の拭き清掃の範囲や、拭き具へ付ける溶剤の有無なども決定する。ここで本実施形態では、第1の清掃部4、第2の清掃部5の少なくともいずれかを用いた複数の清掃コースを用意しており、ユーザーは検出面の汚れの状態や作業時間等を考慮して、例えば表示部7に表示される複数の候補の中から清掃コースを選択することが出来る。コースとしては例えば以下のようなものを用意する。以下、本実施例ではコース1が選択されたものとして後続のフローを説明するが、他のコースを選択した場合には、選択されたコースに不要なステップは適宜省略(何も動作を行わずに通過)すればよい。また、設定可能なコースとしてはもちろんこの限りではなく、ユーザーにより各種シーケンスを自由に設定して作成されるコースを設けてもよい。すなわち、制御部10は予め組合せが複数パターン用意されているか、あるいは手動で、第1の清掃部4及び第2の清掃部5による清掃の組合せの設定を受付ける。そして受け付けた設定に基づいて、第1の清掃部4及び第2の清掃部5の清掃順序、回数を制御して検出面の清掃を行う。
コース1.第1の確認シーケンス→第1の清掃シーケンス→第2の清掃シーケンス→第1の清掃シーケンス→第2の確認シーケンス
コース2.第1の確認シーケンス→第1の清掃シーケンス→第2の清掃シーケンス→第2の確認シーケンス
コース3.第1の確認シーケンス→第2の清掃シーケンス→第1の清掃シーケンス→第2の確認シーケンス
コース4.第1の確認シーケンス→第1の清掃シーケンス→第2の確認シーケンス
コース5.第1の確認シーケンス→第2の清掃シーケンス→第2の確認シーケンス
コース6.第1の確認シーケンス
ステップS204では、制御部10は各種シーケンスを撮像素子22に実行するために、カメラ制御部21にミラー25のアップとシャッター(SH)26の開放を指示する信号を送信する。ミラーアップとシャッター開放の指示信号を受信したカメラ制御部21は、ミラー25をアップさせシャッター26を開放した後、動作が完了した旨を伝える信号を制御部10に送信し、これを受信した制御部10は次のステップに進む。ただし、上述したミラーレス一眼カメラなど、カメラの機種によっては本ステップを行わずとも撮像素子22が遮蔽されず清掃可能な状態の機種もあり、その場合本ステップ及び後述するステップS211は不要である。
ステップS205では、制御部10が図4(a)に示した確認シーケンスを、清掃を行う前の第1の確認シーケンスとして行う。ステップS206では、制御部10は図4(b)に示した、第1の清掃部4を用いた第1の清掃シーケンスを行う。第1の清掃シーケンスが終了した後、ステップS207では、制御部10は図4(c)に示した第2の清掃部5を用いた第2の清掃シーケンスを行う。ここで、第1の清掃シーケンスを第2の清掃シーケンスの前に行うのは、第2の清掃部5による拭き掃除の際に撮像素子表面30に付着した大きなゴミが引きずられて表面が傷つくことを防ぐために事前に第1の清掃シーケンスで大きなゴミを除去するためである。
第2の清掃シーケンスが終了した後、ステップS208では、制御部10は第1の清掃部4による第1の清掃シーケンスを再び行う。シーケンス内の動作はステップS206と同じでもよいし、異ならせてもよい。ここで、第1の清掃シーケンスを第2の清掃シーケンスの後に行っているのは、第2の清掃部5による拭き掃除の際に拭き具の繊維が撮像素子表面30に残ったり、撮像素子表面30外へ押し出したゴミが周辺に残ったりするからである。第1の清掃シーケンスを第2の清掃シーケンスの後に行えば、それらのゴミを吹き飛ばしてきれいにすることができる。
ステップS208の第1の清掃シーケンスが終わると、ステップS209では図4(a)に示した清掃後の第2の確認シーケンスを行う。清掃前の第1の確認シーケンスとの違いは、ステップS104にて表示部7に清掃前後の画像およびゴミ個数などの状態を比較可能に表示できることである。ステップS210では、ステップS209で取得した清掃後の画像情報に基づいてゴミ個数が規定値をクリア(規定値を下回る)しているかを判定する(S210)。ここで規定値をクリアしていなければ、ステップS206に戻り、再度清掃を行う。このとき、一度各清掃シーケンスを経たにもかかわらず取れていないゴミを除去するため、清掃における各種パラメータを変更して再度各清掃シーケンスを行うとよい。例えば、第1の清掃部4ではエアーの強度を前回より強くする、イオナイザーによる帯電の程度を前回より強くする、噴射時間を前回より長くする、移動範囲を前回より広げる等が考えられる。また、第2の清掃部5では、前回の清掃で溶剤を浸けていなければ溶剤を拭き具に浸ける、撮像素子表面30への接圧を前回より強くする、などが考えられる。
ステップS210にて規定値をクリアしていれば、ステップS211に進み、制御部10はカメラ制御部21にミラー25のダウンとシャッター26の閉鎖を指示する信号を送信する。ミラーダウンとシャッター閉鎖の指示信号を受信したカメラ制御部21は、ミラー25をダウンさせシャッター26を閉じた後、動作が完了した旨を伝える信号を制御部10に送信し、受信した制御部10は清掃シーケンスを終了する(S211)。
ここで、本実施形態ではステップS210で清掃の状態を確認するために撮像素子22に残存するゴミの個数を検出しているが、これに限らず、画像から解析可能な撮像素子22の状態を示すものであれば、他の解析結果を基準に用いてもよい。また、本実施形態では、ゴミの個数が規定値をクリアするまで繰り返し各清掃シーケンスを行う例を示したが、ゴミの個数などの清掃の結果を表示部7に表示するだけで、特に繰り返しフローを設けなくてもよい。
次に図6、図7、図8、図9を参照して、本実施形態に係る清掃装置100の構成について詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る清掃装置100を示した正面概略図である。
本体1は、少なくとも2つの筐体を有する。2つの筐体のうちの1つである第1の筐体51は、固定部2、確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5、可動台座6という、各清掃機具または清掃機具の清掃動作に機械的に直接関わる部材を内側に有している。本実施形態では図1(c)に示したように、制御部10やエアーフィルタ11は背面にて第1の筐体51に取り付けられている。
もう1つの筐体である第2の筐体52は、表示部7、入出金部60、移動補助部70など清掃機具の清掃動作には直接関わらない構成を有し、さらに第1の筐体51とは支持部材53を介して接続され、支持する。入出金部60は本実施形態の清掃装置100を店舗等に設置した際に、ユーザーが本装置を用いた清掃等のサービスに使用料金を支払ったりお釣りを受け取ったりするためのものである。移動補助部70は、キャスターなどに代表される、清掃装置100全体の移動用の車輪であって、清掃装置100全体の移動を容易にするものである。
ここで、第1の筐体51は第2の筐体52に囲われており、重力方向および水平方向で硬質塩化ビニルからなる支持部材53を介して、第2の筐体52によって弾性的に支持されている。さらに、第1の筐体51は第2の筐体52に比べて剛性の高い部材あるいは形状で形成される。このような構成とすることで、清掃装置100の外部からの外力を第2の筐体52が受けたとしても第2の筐体52の剛性や支持部材の弾性力によって力が分散し、第1の筐体51が変形しにくくなるため、清掃動作に与える影響が少なく済むという効果がある。
また、図6に示す固定部2は、第1の筐体51に直接支持され、第2の筐体52から突出するように構成されている。このようにすることで、カメラ200に突出したグリップ部、すなわち把持部27が備わっていても支障なくカメラ200を清掃装置100に接続することが可能である。また、カメラ200が固定部2を介して直接第1の筐体51に支持されていることで、清掃装置100の特に第2の筐体52に外力が加わっても、清掃に直接関わる構成に力が加わりにくく、清掃構成および清掃動作への外力の影響を低減することができる。
なお、固定部2は第2の筐体52に対して必ずしも突出していなくてもよく、固定部2の周囲が相対的に低くなっていて把持部27が固定部2へのカメラ200の取り付けを妨げないように構成されていればよい。
図7は本体1が外力によって変形してしまった際の挙動を模式的に示す概念図である。本実施形態に係る清掃装置100は、カメラ200の清掃を受け付けるサービスセンター、カメラ等を販売する小売店等への設置が想定されるものであるから、移動時の振動や衝撃にさらされる。加えて、店舗等への設置後は、本清掃装置に熟知しない顧客らが操作を行うことも想定され、清掃装置に不用意に寄りかかったり、荷物を置いたりと、静的な荷重にもさらされる。図7に示す変形後の第1の筐体510は、上記衝撃や荷重等の外力を受けた際に起こる変形の一例を模式的に示したものである。L1は変形前の固定部2の中心軸、L2は変形後の固定部2の中心軸、ΔDは変形前後の固定部2の中心軸のずれ量、Δdは変形前後のカメラ200の取り付け面のずれ量を示す。ΔDは、撮像素子表面30の面内において、清掃範囲をそれだけずらすことを示すため、拭き残りを発生させる大きな原因となる。Δdは、撮像素子表面30に対する第2の清掃部5の接圧力が強くなったり弱くなったりする要因となるため、撮像素子表面30を傷つけたり、清掃不足を引き起こしたりする恐れがある。
そこで本実施形態においては、第1の筐体51は、支持部材53を介して第2の筐体52によって弾性的に支持される構造としているため、移動時の振動、衝撃、荷重等が第1の筐体51に直接伝わらない。本実施例において支持部材53はで硬質塩化ビニルで形成しているが、第1の筐体51を弾性的に支持出来れば材質に制限はなく、硬質ゴムやバネ性を持たせた金属などであってもよい。また、支持部材53は第1の清掃部4の下部(重心方向)と側面(水平方向)に配置されることで、いずれの方向にも外力を逃がせる構成となっている。弾性部材52の配置については特に個数や場所に限定はされないが、底面には第1の筐体51の四隅近傍と中心の少なくとも5つ設けると安定する。また各側面には、第2の筐体の金属シャーシ(柱)に取り付けた板と第1の筐体51との間に4つ、高さが第1の筐体51は中央より高い側に設けると、中央より高い位置からの外力によるモーメントにも抗することができ、より安定する。
また装置の大型化、高コスト化には繋がるが、ずれ量ΔD、ずれ量Δdを検知し、是正する調整機構を設けてもよい。
また、本実施形態では、清掃対象である撮像素子22を重力加速度の方向(重力方向下向き)に向けて、下から各清掃や確認が行われている。このことにより、第1の効果として確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5は重力方向に進退駆動するスペースがあればよく、重力方向(上下方向)に主に駆動制御を行えばよい。すなわち、水平方向の装置の幅の大型化を防ぐことができ、サービスセンターや店舗に設置した際の設置面積を小さくすることが出来る。さらに第2の効果として、撮像素子22が重力方向下向きに向いていることでゴミが重力ではがれやすくなる上に、一度除去したゴミの再付着の可能性も減るという効果もある。さらに第3の効果として、第二の清掃部5で清掃を行う際に、先端部の位置精度が出しやすい。仮に、第2の清掃部5で清掃を行う際の挿入方向および移動方向を図6の矢印Aに直交方向とした場合には、第2の清掃手段5自身の重さによって先端部が若干下方に傾く恐れがある為、第2の清掃部5の材質には高剛性部材を用いるか、位置補正手段等が必要となる。
図8は本実施形態に係る固定部2、確認部3、第1の清掃部4、第2の清掃部5の構成例を示す図である。図8(a)は固定部2の外観斜視図を示しており、テーパー状、円錐台状に設けられた土台の上に接続されるカメラに合わせたマウント部が設けられている。マウント部には、通常カメラと接続する交換レンズなどと同様に、カメラ200との接続を検出したり、カメラ200と通信したりすることが可能な接続端子が設けられている。また本実施形態では、土台の裏にも環状の照明部材が配されており、この照明部材で清掃時にセンサー面を照射することで、清掃の様子を撮像素子22からの出力でモニタリングするのに用いられる。前述したように、固定部2は第1の筐体51に着脱可能に設けられ、清掃対象となるカメラのメーカー、機種が変わる場合に対応するマウントを備えた固定部2に取り替えられるよう構成されてもよい。
図8(b)は確認部3の構成例を示している。確認部3は可動台座6に固定された、配線を含む棒状の支持部材に、LEDなどの点光源を支持部材の延長上に光が照射されるように備えている。
図8(c)は第1の清掃部4の構成例を示している。第1の清掃部4は筒状の噴射口を有し、先端からエアーを噴出する。エアーは前述したように、吸入口12を介して外部のポンプ等からエアーフィルタ11に注入され、ゴミや油分が低減された状態で清掃装置100内に配された管を通って第1の清掃部4に供給される。
図8(d)は第2の清掃部5の構成例を示している。地板80にゴミを拭き取るためのμファイバーを織り込んだ繊維テープ81、繊維テープ81を巻き取るための巻き取り部82、繊維テープ81を繰り出すための繰出部83、巻取量をコントロールするための歯車部84が取り付けられている。芯材85の先端には、金属で形成された先端芯部86が取り付けられ、弾性部材87は芯材85を駆動方向に付勢する。振動子88は先端芯部86に振動を付与する。ローラ89は金属製の部品であり、芯材85に当接して芯材85の駆動方向を律する。ガイド部材90は、繊維テープ81の動きを規制する部材であり、樹脂で成型されている。振動子88は圧電素子やアクチュエータにより振動を発生させることで、清掃動作時にZ方向の微小振動を先端芯部86に与えることで繊維テープ81と撮像素子表面30との摩擦力を低減し、滑らかな清掃動作を可能とする。また振動子88の振動によって繊維テープ81、ガイド部材90、先端芯部86との摩擦力も低減されるため、繊維テープ81の巻取りの際にも滑らかな巻取りを行うことが可能となる。
ここで第2の清掃部5の清掃時の動作の詳細を説明する。まず、歯車部84が繊維テープ81を噛み込みながら巻き取り、繰出部83から未使用の繊維テープ81を引き出して先端芯部86にて清掃に用いられる。使用済みの繊維テープ81は巻取部82に巻き取られる。繊維テープ81はガイド部材90によって動きが規制され、先端芯部86に繊維テープ81が掛かる状態を維持しながら巻き取られる。清掃が開始されると、先端芯部86に張られた繊維テープ81を、撮像素子22に押し当ててゴミの拭き取り動作を行う。この時、芯材85は押し当て方向(図中Z方向)にスライド動作することが可能となっており、弾性部材87を押しつぶしながら適切な押圧により清掃を行う。弾性部材87によって適切な押圧力が撮像素子表面30にかかるため、撮像素子22を傷つけてしまうことなく、ゴミの除去が可能となる。また、芯材85には清掃動作中も金属ローラ89が当接されており、金属ローラ89を介して固定部2と芯材85との導通が確保されている。拭き取り動作中は芯材85上に取り付けられた振動子88が芯材85を加振することで、押し当てられた繊維テープ81と撮像素子表面30との摩擦を軽減させ、繊維テープ81が撮像素子表面30に引っかかることなく、滑らかに清掃することが可能となる。
図9は確認部3、第1の清掃部4と第2の清掃部5の位置関係を説明する図である。図9(a)は、可動台座6を図6中の矢印Bに沿って反時計回りに90度回転させた状態を示しており、この状態では第1の清掃部4が固定部2、すなわち清掃対象の方向を向いている状態である。図9(b)は、図9(a)の状態での第1の清掃部4と第2の清掃部5、撮像素子22の位置関係を示した図である。本実施例では、第2の清掃部5によって撮像素子22の清掃を行う際、常に清潔なテープで清掃を行えるように巻き取り方式を採用しており、清掃時は矢印Cの方向に巻き取られる。したがって、図9(b)の状態では上部が使用済テープ901、下部が未使用テープ902となる。第1の清掃部4と第2の清掃部5をこのような構成、配置にすることで、第1の清掃部4が清掃時に飛ばしたゴミ600が下に落ちてきたとしても未使用テープ902ではなく使用済テープ901に付着しやすく、未使用テープ902が汚れにくい。よって第2の清掃部5の未使用テープが常に清潔な状態で清掃に移行することができる。
以上の通り、本実施形態では、物理量を検出する検出素子の検出面に対して風圧(噴射)で清掃を行う第1の清掃部による清掃を行った後に、接触して拭き清掃を行う第2の清掃部による清掃を行う。これにより、検出面につく複数種類のゴミを適切に除去することができる。さらに拭き清掃の後に再度非接触の清掃を行うことで拭き清掃時の拭き具の繊維や清掃し損ねたゴミ、検出面周辺のゴミを除去することができる。また、清掃の前あるいは後あるいは前後で検出面を撮像し検出面の画像を得ることで、清掃前あるいは後あるいは前後の検出面の状態を確認することができる。このとき検出面を照射する光源は点光源とすることで、被写界深度のより深い、ゴミをより認識しやすい画像を取得することが出来るので、検出面に残存するゴミを視認あるいは検出しやすい。また、検出面を撮像した画像を解析することでゴミの状態を分析することができ、ゴミの個数を示したり、ゴミの視認性をあげる表示を行ったりすることが可能となる。
さらに複数の清掃シーケンスが可能な複数の清掃部を備えた清掃装置であることで、検出素子を備えた検出装置の検出面に付く複数種類のゴミの除去に対応することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(他の実施形態)
本発明の目的は以下のようにしても達成できる。すなわち、前述した各実施形態の機能を実現するための手順が記述されたソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給する。そしてそのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU、MPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するのである。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラムは本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどが挙げられる。また、CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、DVD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等も用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行可能とすることにより、前述した各実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、以下の場合も含まれる。まず記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。