JP7242418B2 - 表面検査方法とその装置 - Google Patents
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Description
明度の異なる明部と暗部とが、任意の角度範囲の方向に向かって配列された第1の照明パターンを、検査対象の表面に照射しながら、当該検査対象の表面を撮像し、得られたヘアライン検出用画像に基づいて当該検査対象の表面に形成されたヘアラインの方向を検出するヘアライン検出工程と、
明度の異なる明るい帯状部と暗い帯状部とが交互に配列された第2の照明パターンを利用し、それら各帯状部がそれぞれヘアラインと直交する方向へ延びるように調整するとともに、当該各帯状部を配列方向へ周期的に移動させながら、当該照明パターンを検査対象の表面に照射して、当該検査対象の表面を撮像し、得られた欠陥検出用画像に基づいて当該検査対象の表面に付いたヘアラインとは異なる欠陥を検出する表面欠陥検出工程と、を含むことを特徴とする。
このような照明パターンを用いることで、二次元の全方向(360゜)に各帯状部が配列される。その結果、第1の照明パターンを形成する各帯状部の一部が必ずヘアラインを直交して横切るので、一回の照明パターンの照射と撮像をもって、その画像からヘアラインの方向を検出することができ、いっそうに迅速に表面検査を実施することが可能となる。
第1の照明パターンと第2の照明パターンとを選択して、検査対象の表面に照射するパターン照明部と、
検査対象を撮像して、ヘアライン検出用画像および欠陥検出用画像を得る撮像部と、
パターン照明部および撮像部を制御して、ヘアライン検出工程を実行するとともに、表面欠陥検出工程を実行する制御部と、
ヘアライン検出用画像に基づいて検査対象の表面に形成されたヘアラインの方向を検出するとともに、欠陥検出用画像に基づいて検査対象の表面に付いたヘアラインとは異なる欠陥を検出する検査処理部と、を備えたことを特徴とする。
この表面検査装置によれば、本発明に係る表面検査方法のヘアライン検出工程と表面欠陥検出工程とを、一台で効率的に実施することができる。
まず、本実施形態に係る表面検査装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る表面検査装置の概要を示す模式図である。
表面検査装置は、パターン照明部1、撮像部2及びコンピュータ3を含む構成となっている。
さらに、コンピュータ3は、撮像部2によって取得したヘアライン検出用画像に基づいて、検査対象の表面に形成されたヘアラインの方向を検出するとともに、撮像部2によって取得した欠陥検出用画像に基づいて検査対象の表面に付いたヘアラインとは異なる欠陥を検出する検査処理部としての機能を備えている。
FPGA12は、演算プログラムをハードウエアにより構築できる半導体集積回路であって、演算プログラム回路をユーザが自由に設定できるとともに、その後も自由に設定変更できることを特徴としている。さらに、FPGA12は、ハードウエアで構築された演算プログラムをもって演算処理を実行するために、ソフトウエアによる演算プログラムを読み出して演算処理を実行するマイコンに比べて、きわめて高速な演算処理を実現できる特徴を有している。
本実施形態に係るパターン照明部1は、このFPGA12により液晶描画部10への照明パターンの描画処理を実行することで、照明パターンの高速な描画処理を実現している。
制御部として機能するコンピュータ3は、パターン照明部1と撮像部2とを同期制御し、まずヘアライン検出工程を実行する(ステップS1)。同工程により検査対象4の表面に形成されているヘアラインの方向を把握することができる。次に、ヘアライン検出工程により把握したヘアラインの方向に対して照明パターンの配列方向を調整し、表面欠陥検出工程を実行する(ステップS2)。
図3~図5は、本実施形態に係る表面検査方法におけるヘアライン検出工程を説明するための図である。
本実施形態に係る表面検査方法の検査対象4の表面には、ヘアラインと称する多数の細い線条傷が単一方向に形成されている。例えば、図3(a)には、上下方向(縦方向)にヘアラインが形成された検査対象4を示しているが、ヘアラインの方向aは検査対象4によって区々であることは勿論である。
本実施形態に係る表面検査方法は、まずヘアライン検出工程を実施して、このヘアラインの方向aを検出する。
このヘアライン検出用画像21には、検査対象4の表面に照射された第1の照明パターン20に対し、ヘアラインが延びる方向aと直交する各帯状部20a,20bの一部分が、ヘアラインによる異方反射の影響をさほど受けずに、縞模様となって明瞭に写し出される。そして、ヘアライン検出用画像21に写し出された各帯状部20a,20bがそれぞれ延びる方向は、ヘアラインの方向aに直交する方向となっている。したがって、ヘアライン検出用画像21に写し出された各帯状部20a,20bから、ヘアラインの方向aを検出することができる。
本実施形態では、例えば、図5(a)に示すように、ヘアライン検出用画像21に写し出された任意の帯状部20a,20b対して、平行な2本の走査軌道S1,S2に沿って画像の輝度を検出する(輝度走査工程)。
図5(b)は、左側の走査軌道S1に対する画像の輝度検出データであり、図5(c)は、右側の走査軌道S2に対する画像の輝度検出データである。
次に、各走査軌道に対して得られた輝度検出データに基づき、同じ帯状部20aまたは20bの内部で、輝度の値がほぼ同じ箇所を検出する。例えば、図5(b)(c)に示す各輝度検出データにおいて、最初に現れたピーク値P1,P2の位置を検出する。これらピーク値P1,P2の位置は、図5(a)のヘアライン検出用画像21の最初(上から一番目)に写し出された暗い帯状部20b内に存在し、これらP1,P2を結んだ線分Lは当該暗い帯状部20bのほぼ中心線と推定することができる。そして、検査対象4のヘアラインの方向aは、この線分Lに直交する方向であろうと判断できる。
図6および図7は、本実施形態に係る表面検査方法における表面欠陥検出工程を説明するための図である。
表面欠陥検出工程では、例えば、図6(a)に示すような明度の異なる明るい帯状部30aと暗い帯状部30bとが交互に配列された第2の照明パターン30を用いる。各帯状部30a,30bは短冊状に形成され、それぞれ同じ方向(図では左右の横方向)bに延びている。
なお、欠陥検出用画像31に基づいて、検査対象4の表面に付いた欠陥32を検出できる原理については、既に周知となっているので、その詳細な説明は省略する(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2を参照)。
例えば、ヘアライン検出工程に用いる第1の照明パターンは、図3(b)に示したような円環状のパターンに限定されず、必要に応じて他の形状(例えば、放射状)に形成してもよい。
ヘアライン検出工程において得られたヘアライン検出用画像に基づいて、検査対象の表面に形成されたヘアラインの方向を検出する手法についても、上述した実施形態の方法に限定されるものではなく、他の手法をもって、ヘアライン検出用画像に写し出された帯状部の延びる方向を検出することが可能である。
10:液晶描画部、11:バックライト、12:FPGA、
20:第1の照明パターン、20a:明るい帯状部、20b:暗い帯状部、21:ヘアライン検出用画像、
30:第2の照明パターン、30a:明るい帯状部、30b:暗い帯状部、31:欠陥検出用画像、32:欠陥
Claims (3)
- 表面がヘアライン加工された物品を検査対象として、当該検査対象の表面に付いたヘアラインとは異なる欠陥を検出する表面検査方法であって、
明度の異なる明部と暗部とが、任意の角度範囲の方向に向かって配列された第1の照明パターンを、前記検査対象の表面に照射しながら、当該検査対象の表面を撮像し、得られたヘアライン検出用画像に基づいて当該検査対象の表面に形成された前記ヘアラインの方向を検出するヘアライン検出工程と、
明度の異なる明るい帯状部と暗い帯状部とが交互に配列された第2の照明パターンを利用し、それら各帯状部がそれぞれ前記ヘアラインと直交する方向へ延びるように調整するとともに、当該各帯状部を配列方向へ周期的に移動させながら、当該照明パターンを前記検査対象の表面に照射して、当該検査対象の表面を撮像し、得られた欠陥検出用画像に基づいて当該検査対象の表面に付いたヘアラインとは異なる欠陥を検出する表面欠陥検出工程と、を含み、
且つ、前記ヘアライン検出工程は、前記ヘアライン検出用画像に対して、一定の間隔を設けて複数本の平行な走査線に沿って輝度を検出する輝度走査工程を含み、前記各走査線上の輝度に基づき前記ヘアラインの方向を検出することを特徴とする表面検査方法。 - 前記第1の照明パターンは、前記明部を明るい帯状部で形成するとともに前記暗部を暗い帯状部で形成し、且つこれら明るい帯状部と暗い帯状部とをそれぞれ円環状に形成し、それら各帯状部を同心円上に交互に配列した照明パターンであることを特徴とする請求項1に記載の表面検査方法。
- 請求項1又は2に記載の表面検査方法を実施するための表面検査装置であって、
前記第1の照明パターンと前記第2の照明パターンとを選択して、前記検査対象の表面に照射するパターン照明部と、
前記検査対象を撮像して、前記ヘアライン検出用画像および前記欠陥検出用画像を得る撮像部と、
前記パターン照明部および前記撮像部を制御して、前記ヘアライン検出工程を実行するとともに、前記表面欠陥検出工程を実行するコンピュータと、を備えたことを特徴とする表面検査装置。
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2019
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