JP7238818B2 - 排気浄化装置の制御装置、排気浄化装置、及び車両 - Google Patents

排気浄化装置の制御装置、排気浄化装置、及び車両 Download PDF

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Description

本開示は、排気浄化装置の制御装置、排気浄化装置、及び車両に関する。
従来、内燃機関(以下、「エンジン」と称する)における排気浄化装置として、排気管内に、上流側から下流側に向かって順に、酸化触媒及びPM(Particulate Matter)フィルタを設けたものが知られている。
この種のPMフィルタは、捕集できるPM量に上限があるため、当該PMフィルタ中のPM堆積量がある程度まで増加した場合、PMフィルタ中のPMを燃焼除去するフィルタ再生(以下、単に「フィルタ再生」とも称する)が行われている(例えば、特許文献1を参照)。
PMフィルタを再生する際には、一般に、エンジン内の燃料噴射装置においてポスト噴射を実行させるか、排気管内に設けられた燃料噴射装置において燃料噴射を実行させることで、酸化触媒に未燃焼燃料の炭化水素(以下、HC)を供給し、酸化触媒でHCの酸化反応を生じさせ、排ガスを昇温する制御が行われている。そして、かかる制御においては、通常、酸化触媒の出口温度(酸化触媒から排出される排ガスの温度を表す。以下同じ)を温度センサで検出し、酸化触媒の出口温度を目標値へ近づけるように、燃料噴射装置からの燃料供給量を調節している。
特開2010-169052号公報
ところで、この種の排気浄化装置に用いられる酸化触媒は、使用期間の経過に伴って劣化し、HCを酸化反応させる機能(即ち、浄化率)が低下することが知られている。酸化触媒の浄化率が低下した場合には、酸化触媒から下流側へスリップするHCが増大することになる。このようにスリップしたHCは、PMフィルタに付着し、PMフィルタにおいて燃焼(又は、PMフィルタに担持された酸化触媒で酸化反応)し、PMフィルタを昇温する。
このような状況が発生した場合、従来技術のように酸化触媒の出口温度を基準として燃料噴射量を制御する手法では、PMフィルタが過熱状態となっているにも関わらず、過剰に燃料を噴射し続けることになる。その結果、燃費の悪化を招くばかりか、PMフィルタの下流側に高温の排ガスを通流させ、PMフィルタの下流側に配設されたSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒等に熱害を生じさせることにつながる。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、酸化触媒が劣化した場合であっても、PMフィルタの再生のために酸化触媒に供給する未燃焼燃料の供給量を適正化することを可能とする排気浄化装置の制御装置、排気浄化装置、及び車両を提供することである。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
内燃機関の排気管内に上流側から下流側に向かって順番に配設された酸化触媒及びPMフィルタを有する排気浄化装置の制御装置であって、
前記酸化触媒に供給された未燃焼燃料のうち、前記酸化触媒からスリップして前記PMフィルタに到来するHCスリップ量を推定するHCスリップ量推定部と、
前記PMフィルタを排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割し、前記PMフィルタに流入する排ガスの温度及び流量と、前記HCスリップ量と、に基づいて、前記複数のセルそれぞれの温度を推定する温度分布推定部と、
前記複数のセルそれぞれの推定温度の目標温度に対する偏差に基づいて、前記PMフィルタの再生のために前記酸化触媒に供給する未燃焼燃料の目標供給量を算出する目標燃料供給量算出部と、
を備える制御装置である。
又、他の局面では、
上記制御装置を備える排気浄化装置である。
又、他の局面では、
上記排気浄化装置を備える車両である。
本開示に係る排気浄化装置の制御装置によれば、酸化触媒が劣化した場合であっても、PMフィルタの再生のために酸化触媒に供給する未燃焼燃料の供給量を適正化することが可能である。
第1の実施形態に係る排気浄化装置の構成の一例を示す図 第1の実施形態に係るPMフィルタの構成の一例を示す図 第1の実施形態に係るHCスリップ量推定部がHCスリップ量を推定する際に参照する演算マップの一例を示す図 第1の実施形態に係る温度分布推定部が、PMフィルタを、排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割した態様の一例を示す図 第1の実施形態に係る温度分布推定部における演算処理を模式的に示す図 フィルタ再生時のPMフィルタの温度分布の一例を示す図 フィルタ再生時のPMフィルタの温度分布の一例を示す図 第1の実施形態に係る温度分布推定部が各セルに付着するHC量を算出する際に参照するHC付着量分布モデルの一例を示す図 第1の実施形態に係る温度分布推定部が各セルに堆積するPM堆積量を算出する際に参照するPM堆積量分布モデルの一例を示す図 第1の実施形態に係る目標燃料供給量算出部の構成の一例を示す図 第1の実施形態に係るECUの動作を示すフローチャート 第2の実施形態に係る排気浄化装置の構成の一例を示す図 第2の実施形態に係る第2目標燃料供給量算出部の構成の一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
[排気浄化装置の構成]
以下、図1、図2を参照して、第1の実施形態に係る排気浄化装置の構成について説明する。本実施形態では、一例として、本発明の排気浄化装置をディーゼルエンジンに適用した態様ついて説明する。
図1は、本実施形態に係る排気浄化装置Uの構成の一例を示す図である。図2は、本実施形態に係るPMフィルタ42の構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る排気浄化装置Uは、例えば、ディーゼルエンジン車両に搭載されており、当該車両のエンジン10の排ガスを浄化する。
エンジン10は、例えば、燃焼室、及び、燃焼室内で燃料を噴射する燃料噴射装置等(図示せず)を含んで構成される。エンジン10は、燃焼室内で、燃料と空気の混合気を燃焼及び膨張させて、動力を発生する。エンジン10には、燃焼室内に空気を導入する吸気管20と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを、車両の外部に排出する排気管30と、が接続されている。
エンジン10は、排気浄化装置UのECU100から、PMフィルタ42を再生するために必要な燃料供給量に係る制御指令信号を受けた場合、例えば、燃料噴射装置にポスト噴射を実行させ、当該燃料供給量に相当する未燃焼燃料を排気管30に排出させる。
排気浄化装置Uは、酸化触媒41、PMフィルタ42、SCR触媒43、尿素水噴射装置43a、各種センサ51~53、及び、ECU(Electronic Control Unit)100を備えている。
酸化触媒41は、排ガス中に含まれる未燃焼燃料の炭化水素や一酸化窒炭素を酸化して除去する。酸化触媒41は、例えば、コージェライトや炭化ケイ素等の担持体に、白金や酸化セリウム等の酸化触媒が担持されて構成されている。
酸化触媒41は、排気管30中のPMフィルタ42の上流側に隣接して配設されている。そして、酸化触媒41は、PMフィルタ42の再生時には、エンジン10側から排出される未燃焼燃料の炭化水素(HC)を酸化して、当該酸化熱により、排ガスを高温化するようにも機能する。尚、酸化触媒41は、PMフィルタ42の上流側に、PMフィルタ42から離間して配設されてもよい。
PMフィルタ42は、排気管30中に配設され、排ガス中に含まれるPMを捕捉する。PMフィルタ42は、例えば、コージェライトや炭化ケイ素の多孔質セラミックで構成され、当該多孔質セラミックで形成した捕集壁中を排ガスが通過するように入口と出口を交互に目封じしたハニカム構造を呈している。エンジン10から排出された排ガスは、PMフィルタ42の多孔性の捕集壁中を通過しながら下流へ流れ、その間にPMが捕集壁に捕集される。
尚、PMフィルタ42には、酸化触媒41を通過したHCを酸化除去し得るように、酸化触媒が担持されていてもよい。
SCR触媒43は、自身の上流側に配された尿素水噴射装置43aから噴射される尿素水が加水分解したアンモニアを吸着すると共に、当該吸着したアンモニアによって排ガス中からNOxを選択的に還元浄化する。
各種センサ51~53は、排気管30中を通流する排ガスの状態、及び、PMフィルタ42の状態等を検出するために設けられている。各種センサ51~53は、例えば、差圧センサ51、温度センサ52、及び流速センサ53を含む。
差圧センサ51は、例えば、一端がPMフィルタ42の上流側の排気管30中に配設され、他端がPMフィルタ42の下流側の排気管30中に配設され、PMフィルタ42の上流側の排気圧と下流側の排気圧との差圧(以下、「PMフィルタ42の前後差圧」と称する)を検出する。尚、本実施形態では、排ガスが酸化触媒41を通過する際の流動抵抗は、極めて小さいため、差圧センサ51が検出する前後差圧は、実質的にPMフィルタ42の前後差圧と同一である。
温度センサ52は、例えば、排気管30中の酸化触媒41とPMフィルタ42の間に配設され、PMフィルタ42に流入する排ガスの温度を検出する。
流速センサ53は、例えば、吸気管20中のエアクリーナ(図示せず)の下流側に配設され、エンジン10に流入する空気の流速(以下、単に、流速と称する)を検出する。尚、流速センサ53によって、PMフィルタ42に流入する排ガスの流量が間接的に検出されることになる。排ガス流量は、一般に、流速センサ53が示す吸入空気量とエンジン10における燃料噴射量との合計によって求められる。
これらの各種センサ51~53は、検出により得られたセンサ情報を、逐次、ECU100に送信する(図1中の点線矢印)。尚、これらの各種センサ51~53は、公知のセンサで実現され得る。
ECU100(本発明の「制御装置」に相当)は、PMフィルタ42中のPM堆積量を推定する。ECU100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、及び出力ポートを含んで構成されている。ECU100が有する機能は、例えば、CPUがROMやRAMに格納された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。
ECU100は、エンジン10と通信接続され、エンジン10を制御可能に構成されている。又、ECU100は、各種センサ51~53からセンサ情報を取得して、これらのセンサ情報に基づいて、排気管30を通流する排ガスの状態、及び、PMフィルタ42の状態等を検出している。
尚、本実施形態では、PMフィルタ42を再生する際、酸化触媒41に燃料供給を行う手段として、エンジン10内に設けられた燃料噴射装置を用いる構成としているが、酸化触媒41に燃料供給を行う手段としては、排気管30内に設けられた燃料噴射装置(図示せず)が用いられてもよい。
[ECUの構成]
以下、図3~図9を参照して、本実施形態に係るECU100の構成について説明する。
ECU100は、PM堆積量推定部101、HCスリップ量推定部102、温度分布推定部103、及び、目標燃料供給量算出部104を備えている。
<PM堆積量推定部101について>
PM堆積量推定部101は、PMフィルタ42に堆積するPM堆積量を推定する。PM堆積量推定部101は、例えば、PMフィルタ42の前後差圧を検出する差圧センサ51のセンサ値に基づいてPMフィルタ42中のPM堆積量を推定する。尚、この際、PM堆積量推定部101は、例えば、予めECU100のROM等に記憶されたPMフィルタ42の前後差圧と、PMフィルタ42中のPM堆積量との関係を示す演算マップを用いてPMフィルタ42中のPM堆積量を推定する。
PM堆積量推定部101は、例えば、エンジン10が稼働している際に、定期的に(例えば、100msec間隔)、PMフィルタ42中のPM堆積量を推定する。そして、PM堆積量推定部101は、PMフィルタ42中のPM堆積量が閾値以上まで増加した場合には、再生要求フラグをセットし、HCスリップ量推定部102、温度分布推定部103、及び、目標燃料供給量算出部104を起動させて、PMフィルタ42のフィルタ再生を実行させる。
尚、PM堆積量推定部101がPMフィルタ42中のPM堆積量を推定する手法は、任意である。PM堆積量推定部101は、例えば、エンジン10の運転状態(例えば、燃料噴射量、エンジン回転速度、エンジン負荷、及び、EGR率等)に基づいて、単位時間当たりにエンジン10から排出されるPM量を算出し、当該PM量を積算することで、PMフィルタ42中のPM堆積量を推定してもよい。
<HCスリップ量推定部102について>
HCスリップ量推定部102は、PMフィルタ42を再生している際に、燃料噴射装置(ここでは、エンジン10の燃料噴射装置)から酸化触媒41に供給されたHC量のうち、酸化触媒41からスリップしてPMフィルタ42に到来するHCの量(以下、「HCスリップ量」とも称する)を推定する。
図3は、HCスリップ量推定部102がHCスリップ量を推定する際に参照する演算マップの一例を示す図である。
HCスリップ量推定部102は、例えば、図3に示すような、予めECU100のROM等に記憶された車両の総走行距離と、酸化触媒41の浄化率との関係を示す演算マップを用いて、現時点の酸化触媒41の浄化率を特定する。そして、HCスリップ量推定部102は、現時点の酸化触媒41の浄化率と酸化触媒41に到来するHC量(例えば、エンジン10のポスト噴射により排出される未燃焼燃料の量)からHCスリップ量を算出する。
但し、HCスリップ量推定部102がHCスリップ量を推定する手法は、任意である。HCスリップ量推定部102は、例えば、フィルタ再生時における酸化触媒41の出口温度の時間的変化(即ち、酸化触媒41の出口温度の律速値)に基づいて酸化触媒41の浄化率を推定してもよい。
<温度分布推定部103について>
温度分布推定部103は、PMフィルタ42を排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割し、PMフィルタ42に流入する排ガスの温度及び流量と、HCスリップ量推定部102に推定されたHCスリップ量と、PM堆積量推定部101に推定されたPMフィルタ42中のPM堆積量と、に基づいて、複数のセルそれぞれの温度を推定する。つまり、温度分布推定部103は、PMフィルタ42を目標温度付近で再生させるために酸化触媒41に供給するべき燃料供給量(ここでは、燃料噴射装置におけるポスト噴射量)を正確に算出するべく、PMフィルタ42内の温度分布を推定する。
図4は、温度分布推定部103が、PMフィルタ42を、排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割した態様の一例を示す図である。
図5は、温度分布推定部103における演算処理を模式的に示す図である。
図6A、図6Bは、フィルタ再生時のPMフィルタ42の温度分布の一例を示す図である。図6Aは、フィルタ再生を開始して、PMフィルタ42を昇温している際におけるPMフィルタ42の温度分布の一例を示す図である。図6Bは、酸化触媒41からの多量のHCスリップ量に起因して、PMフィルタ42が過熱状態となっている際におけるPMフィルタ42の温度分布の一例を示す図である。尚、図6A、図6Bには、PMフィルタ42の実温度(実線)と、フィルタ再生時のPMフィルタ42の目標温度(点線)との両方を示している。
一般に、フィルタ再生時、PMフィルタ42内の温度は、一様ではなく、排ガス通流方向に沿って高低差を有するものとなる。これは、主に、PMフィルタ42とPMフィルタ42に流入する排ガスとの熱交換、PMフィルタ42内でのHC(即ち、酸化触媒41でスリップしたHC)の燃焼(又は酸化反応)に伴う発熱、及び、PMフィルタ42内に堆積するPMの燃焼に伴う発熱に依拠する。
フィルタ再生時には、酸化触媒41に対してHCが供給され、酸化触媒41におけるHCの酸化反応により、PMフィルタ42に到来する排ガスは、高温化したものとなる(例えば、600℃程度まで高温化する)。フィルタ再生を開始した直後には、この高温化した排ガスによって、まず、PMフィルタ42の上流端が昇温する。この際、PMフィルタ42の下流端には、PMフィルタ42の上流端で熱交換された後の排ガスが通流するため、PMフィルタ42の下流端は、PMフィルタ42の上流端に遅れて昇温する(図6Aを参照)。
その後、フィルタ再生の実行時間の経過と共に、PMフィルタ42の上流端とPMフィルタ42の下流端との温度差は、小さくなる。但し、酸化触媒41からのHCスリップ量が多く、PMフィルタ42内でのHCの燃焼(又は酸化反応)に伴う発熱量(以下、「HC発熱量」と称する)が大きい場合、PMフィルタ42の下流端に通流する排ガスは、その発熱量分だけ、PMフィルタ42の上流端よりも昇温することになる。そのため、HC発熱量が大きい場合には、PMフィルタ42の下流端は、PMフィルタ42の上流端よりも相当に高温化した状態となる(図6Bを参照)。
尚、HC発熱量に比較してその影響は小さいが、PMフィルタ42内に堆積するPMの燃焼に伴う発熱量(以下、「PM発熱量」と称する)が大きい場合にも、同様の昇温挙動が見受けられる。
かかる観点から、温度分布推定部103は、PMフィルタ42を排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割し、複数のセルそれぞれの温度を推定する。これにより、後述する目標燃料供給量算出部104により、複数のセルそれぞれの推定温度と目標温度との偏差から、PMフィルタ42を目標温度付近で再生させるために必要となる燃料供給量を正確に算出することが可能となる。
尚、過熱状態でPMフィルタ42を再生することは、PMフィルタ42の破損や、PMフィルタ42の下流側に配設されたSCR触媒43等の熱害(例えば、熱による触媒機能の低下)を引き起こすことになる。加えて、PMフィルタ42の過熱状態は、PMフィルタ42内に堆積するPMの燃焼を促進し、PM発熱量の増大に伴う更なる過熱を引き起こすことにもなる。
本実施形態では、温度分布推定部103は、PMフィルタ42を排ガス通流方向に沿って仮想的に4個のセル42a~42dに分割し、セル毎に、当該セルに流入する排ガスと当該セルとの間における熱交換を熱伝達方程式で表した熱収支モデル103Mを用いて、当該セルの温度を推定する。この際、温度分布推定部103は、当該セルに付着して燃焼するHC発熱量、及び、当該セルに堆積するPMの燃焼により生ずるPM発熱量を考慮した上で、当該セルの温度を推定する。尚、図5では、温度分布推定部103が一個のセルの温度を推定するための演算処理を模式的に示している。
熱収支モデル103Mは、例えば、排ガスとセルとの間の熱伝達率、セルの熱容量、及び、排ガスの熱容量等に基づいて、予め導出されている。熱収支モデル103Mには、例えば、一時刻前の演算対象のセルの温度、当該セルに流入する排ガスの温度、当該セルに流入する排ガスの流量、当該セルにおけるHC発熱量、及び、当該セルにおけるPM発熱量の値が入力される。尚、ここで、一時刻前に推定されたセルの温度とは、例えば、各セル42a~42dの温度を推定する推定周期における一時刻前を意味する。
ここで、温度分布推定部103は、セル毎に、当該セルに流入する排ガスの温度が異なることから、セル毎に、熱収支モデル103Mを用いた演算処理を行う。そして、温度分布推定部103は、例えば、セル毎に、当該セルの温度、及び、当該セルから流れ出る際の排ガスの温度を算出する。
熱収支モデル103Mに入力する各セル42a~42dに流入する排ガスの温度は、例えば、自身の上流側に隣接するセルの下流端から流れ出る排ガスの温度(即ち、自身の上流側に隣接するセルと熱交換した後の排ガスの温度)が用いられる。つまり、図4のモデルでは、PMフィルタ42の上流端に位置するセル42aに流入する排ガスの温度としては、温度センサ52が示す排ガス温度が用いられ、セル42bに流入する排ガスの温度としては、セル42aの下流端から流れ出る排ガスの温度が用いられ、セル42cに流入する排ガスの温度としては、セル42bの下流端から流れ出る排ガスの温度が用いられ、セル42dに流入する排ガスの温度としては、セル42cの下流端から流れ出る排ガスの温度が用いられる。
又、熱収支モデル103Mに入力する各セル42a~42dに流入する排ガスの流量は、例えば、流速センサ53のセンサ値に基づいて設定される。当該流量は、各セル42a~42dの演算で共通の値が用いられる。
各セル42a~42dにおけるHC発熱量及びPM発熱量は、例えば、当該セルに付着するHC量、及び、当該セルに堆積するPM堆積量を基準として算出される。
図7は、温度分布推定部103が各セルに付着するHC量を算出する際に参照するHC付着量分布モデルの一例を示す図である。図8は、温度分布推定部103が各セルに堆積するPM堆積量を算出する際に参照するPM堆積量分布モデルの一例を示す図である。
酸化触媒41からスリップしてPMフィルタ42に到来するHCは、典型的には、PMフィルタ42の上流端側に多く付着する。かかる観点から、本実施形態では、PMフィルタ42の上流側のセルほど多くのHCが付着するHC付着量分布モデルを用いている。温度分布推定部103は、例えば、当該HC付着量分布モデルに従って、HCスリップ量推定部102に推定されたHCスリップ量を、上流端側のセル42aから下流端側のセル42dに向かって、40%、30%、20%、10%の順に振り分けることで、各セル42a~42dに付着するHC量及び当該セルにおけるHC発熱量を算出している(図7を参照)。尚、かかる分布モデルは、予め実験によって定められたものが用いられるのが好ましい。
又、PMフィルタ42中に堆積するPMは、典型的には、排ガス通流方向に沿って略均一に堆積する。これは、一部の流路においてPM堆積量が増加すると、その部分の流動抵抗のみが大きくなるためである。かかる観点から、本実施形態では、PMフィルタ42の各セル42a~42dに堆積するPM堆積量を同一とするPM堆積量分布モデルを用いている。温度分布推定部103は、例えば、PM堆積量分布モデルに従って、PM堆積量推定部101に推定されたPM堆積量を、各セルに均一に振り分けることで(ここでは、25%ずつ)、各セルに堆積するPM堆積量及び当該セルにおけるPM発熱量を算出している(図8を参照)。
尚、HC付着量分布モデルのデータは、HC付着量とHC発熱量の関係を示すデータと共に、ECU100のROM等に予め記憶されている。又、同様に、PM堆積量分布モデルのデータは、PM堆積量とPM発熱量の関係を示すデータと共に、ECU100のROM等に予め記憶されている。
温度分布推定部103は、このような演算処理により、セル毎に、当該セルの温度、及び、当該セルから流れ出る際の排ガスの温度を算出する。
<目標燃料供給量算出部104>
目標燃料供給量算出部104は、温度分布推定部103からPMフィルタ42の複数のセル42a~42dそれぞれの推定温度に係る情報を取得して、PMフィルタ42の複数のセル42a~42dそれぞれの推定温度の目標温度に対する偏差に基づいて、PMフィルタ42の再生のために酸化触媒41に供給する未燃焼燃料の目標供給量(以下、単に、「酸化触媒41への目標燃料供給量」と称する)を算出する。具体的には、目標燃料供給量算出部104は、PMフィルタ42の複数のセル42a~42dそれぞれの推定温度の目標温度に対する偏差に対して、PMフィルタ42の複数のセル42a~42dそれぞれに対して設定されたゲイン値を積算し、これらを加算することで、酸化触媒41への目標燃料供給量を算出する。
そして、目標燃料供給量算出部104は、算出した目標燃料供給量が酸化触媒41に供給されるように、エンジン10の燃料噴射装置を制御する。尚、エンジン10は、目標燃料供給量算出部104から、目標燃料供給量に係る制御指令を受け付けた場合、例えば、当該目標燃料供給量をポスト噴射で噴射する。
図9は、目標燃料供給量算出部104の構成の一例を示す図である。
目標燃料供給量算出部104は、例えば、第1演算部104a、第2演算部104b、第3演算部104c、及び第4演算部104dを有している。ここで、第1演算部104aは、セル42aの目標温度に対する推定温度の偏差(図6A、図6BのΔT1)とゲイン値γ1との積算により、セル42aを目標温度まで昇温するために必要な燃料供給量を算出する。又、第2演算部104bは、セル42bの目標温度に対する推定温度の偏差(図6A、図6BのΔT2)とゲイン値γ2との積算により、セル42bを目標温度まで昇温するために必要な燃料供給量を算出する。又、第3演算部104cは、セル42cの目標温度に対する推定温度の偏差(図6A、図6BのΔT3)とゲイン値γ3との積算により、セル42cを目標温度まで昇温するために必要な燃料供給量を算出する。又、第4演算部104dは、セル42dの目標温度に対する推定温度の偏差(図6A、図6BのΔT4)とゲイン値γ4との積算により、セル42dを目標温度まで昇温するために必要な燃料供給量を算出する。
そして、目標燃料供給量算出部104は、第1演算部104aにて算出された燃料供給量、第2演算部104bにて算出された燃料供給量、第3演算部104cにて算出された燃料供給量、及び、第4演算部104dにて算出された燃料供給量を加算することで、酸化触媒41への目標燃料供給量を算出する。つまり、ここでは、目標燃料供給量A=ΔT1×γ1+ΔT2×γ2+ΔT3×γ3+ΔT4×γ4となる。
尚、第1演算部104aは、セル42aの推定温度が目標温度よりも低い場合には、燃料供給量をプラスの値として算出するが、セル42aの推定温度が目標温度よりも高い場合には、燃料供給量をマイナスの値として算出する構成となっている。この点は、第2演算部104b、第3演算部104c、及び第4演算部104dについても、同様である。そのため、例えば、下流端のセル42dの温度が目標値よりも大きくなっている場合には、ΔT4×γ4の値は、マイナスの値となり、その値が大きい場合には、目標燃料供給量Aは、ゼロに近づくことになる。
又、第1演算部104aにて算出された燃料供給量、第2演算部104bにて算出された燃料供給量、第3演算部104cにて算出された燃料供給量、及び、第4演算部104dにて算出された燃料供給量を加算した値が、ゼロよりも小さい場合には、目標燃料供給量算出部104は、酸化触媒41への目標燃料供給量をゼロとして算出する。
目標燃料供給量算出部104は、かかる演算処理により、PMフィルタ42の一部の温度(典型的には、下流端のセル42dの温度)が異常に上昇した場合には、酸化触媒41への目標燃料供給量をゼロとして、PMフィルタ42の過熱状態の発生を抑制する。
尚、PMフィルタ42の複数のセルそれぞれに対して設定されたゲイン値γ1~γ4のうち、下流側のセルに対して設定されたゲイン値は、上流側のセルに対して設定されたゲイン値よりも大きくするのが好ましい。これによって、下流側のセルの温度の方が、上流側のセルの温度よりも、目標燃料供給量算出部104が目標燃料供給量を決定する際の影響度合いを大きくすることができる。これにより、PMフィルタ42の下流端のセル42dの温度の異常を抑制する機能を、より高めることができる。
各セルの目標温度は、例えば、500℃以上で且つ650℃以下の温度に設定される。本実施形態では、各セルの目標温度を同一温度に設定している(図6A、図6Bを参照)。但し、目標温度は、セル毎に異ならせてもよい。例えば、PMフィルタ42内におけるHC発熱量及びPM発熱量に起因して、下流側のセルの方が上流側のセルよりも高温になることを考慮して、下流側のセルに対して設定する目標温度の方が、上流側のセルに対して設定する目標温度よりも大きくしてもよい。又、目標温度は、時間的に変化させてもよい。PM発熱量は、PMフィルタ42中のPM堆積量に依拠して変化する。この点、PMフィルタ42の再生が進むにつれて、PM発熱量が小さくなることを考慮して、PMフィルタ42の再生が進むにつれて、目標温度を小さくしてもよい。
[ECUの動作]
次に、ECU100の動作の一例について、説明する。
図10は、本実施形態に係るECU100の動作を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、例えば、再生要求フラグがセットされているときに、ECU100が、コンピュータプログラムに従って、所定間隔(例えば、100msec毎)で繰り返し実行するものである。
ECU100は、まず、各種センサ(ここでは、差圧センサ51、温度センサ52、及び流速センサ53)からセンサ信号を取得する(ステップS1)。次に、ECU100(PM堆積量推定部101)は、PMフィルタ42中のPM堆積量を推定する(ステップS2)。次に、ECU100(HCスリップ量推定部102)は、酸化触媒41からのHCスリップ量を推定する(ステップS3)。次に、ECU100(温度分布推定部103)は、PMフィルタ42に流入する排ガスの温度及び流量と、ステップS2で算出されたPMフィルタ42中のPM堆積量と、ステップS3で算出された酸化触媒41からのHCスリップと、に基づいて、PMフィルタ42の各セル42a~42dの温度を推定する(ステップS4)。次に、ECU100(目標燃料供給量算出部104)は、PMフィルタ42の各セル42a~42dの目標温度に対する推定温度の偏差に基づいて、酸化触媒41に対して供給する目標燃料供給量を算出する(ステップS5)。次に、ECU100は、エンジン10に対して、ステップS5で算出された目標燃料供給量をポスト噴射にて噴射するように、燃料噴射指令を送信する(ステップS6)。
フィルタ再生時、ECU100は、このような処理を繰り返し実行することで、逐次変化するPMフィルタ42の内部温度に対応するように、酸化触媒41に対して必要なHC量を供給する。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る排気浄化装置Uは、PMフィルタ42を排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセル42a~42dに分割し、酸化触媒41からPMフィルタ42へのHCスリップ量を考慮して、各セル42a~42dの温度を推定する。そして、本実施形態に係る排気浄化装置Uは、各セル42a~42dの推定温度の目標温度に対する偏差に基づいて、PMフィルタ42の再生のために酸化触媒41に供給する未燃焼燃料の目標供給量を算出する。
従って、本実施形態に係る排気浄化装置Uによれば、酸化触媒41の劣化に伴って酸化触媒41からPMフィルタ42へのHCスリップが発生している状況下においても、PMフィルタ42における過熱状態の発生を抑制するように、酸化触媒41への燃料供給量(例えば、燃料噴射装置におけるポスト噴射量)を適正化することが可能である。
これによって、燃料噴射装置(本実施形態では、エンジン10の燃料噴射装置)から噴射させる燃料が不必要に増大することを抑制し、燃費の悪化を抑制することができる。又、これによって、PMフィルタ42下流側に過度に昇温された排ガスを通流させ、PMフィルタ42の下流側のSCR触媒43等へ熱害を引き起こすことを抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、図11、図12を参照して、第2の実施形態に係る排気浄化装置Uの構成について説明する。
本実施形態に係る排気浄化装置Uは、ECU100が、第2目標燃料供給量算出部105を更に備える点で、第1の実施形態に係る排気浄化装置Uと相違する。尚、以下では、説明の便宜として、第1の実施形態で説明した目標燃料供給量算出部104を「第1目標燃料供給量算出部104」と称する。
図11は、第2の実施形態に係る排気浄化装置Uの構成の一例を示す図である。図12は、第2目標燃料供給量算出部105の構成の一例を示す図である。
第2目標燃料供給量算出部105は、例えば、PMフィルタ42の再生の際、酸化触媒41の出口温度のセンサ値が目標値に近づくように、酸化触媒41に供給する未燃焼燃料の供給量をフィードバック制御する。
第2目標燃料供給量算出部105は、目標温度設定部105a、及び、第5演算部105bを有している。ここで、目標温度設定部105aは、ECU100で燃料噴射量等に基づき算出されるエンジン10の出力トルクと、回転速度センサ54が検出するエンジン10の回転速度とに基づいて、酸化触媒41の出口温度の目標値を設定する。尚、酸化触媒41の出口温度の目標値は、例えば、500℃以上で且つ650℃以下の温度に設定される。
第5演算部105bは、温度センサ52が検出する酸化触媒41の出口温度のセンサ値と、目標温度設定部105aに設定された酸化触媒41の出口温度の目標値との偏差に基づいて、酸化触媒41に対する燃料供給量を決定する。そして、第2目標燃料供給量算出部105は、第5演算部105bにて決定された目標燃料供給量が酸化触媒41に供給されるように、エンジン10を制御する。第5演算部105bによる燃料供給量の制御は、典型的には、PID制御による。
尚、ここでは、ECU100は、酸化触媒41とPMフィルタ42との間に配設された温度センサ52を用いて、酸化触媒41の出口温度を検出している。但し、酸化触媒41とPMフィルタ42との間の距離が離れている場合には、PMフィルタ42の入口温度を検出する温度センサと、酸化触媒41の出口温度を検出する温度センサと、は別個に設けられてもよい。
通常、PMフィルタ42の再生を開始した直後にPMフィルタ42を昇温している際には、酸化触媒41の出口温度を基準にして、酸化触媒41に対する燃料供給量を制御した方が、燃料供給量制御の安定性の観点から好ましい。これは、PMフィルタ42の再生を開始した直後には、PMフィルタ42の内部温度の時間的変化が大きいためである。
かかる観点から、本実施形態に係るECU100は、酸化触媒41に対する燃料供給量を制御する際、PMフィルタ42の内部温度が閾値温度(例えば、500度)以上の場合には、第1目標燃料供給量算出部104を適用し、PMフィルタ42の内部温度が閾値温度未満の場合には、第2目標燃料供給量算出部105を適用する。
尚、本実施形態に係るECU100は、例えば、温度分布推定部103で推定されるPMフィルタ42の下流端側のセル42dの温度を基準として、かかる切り替え制御を行う。但し、ECU100がPMフィルタ42の内部温度が閾値温度以上まで上昇しているか否かを判定する手法は、他の手法であってもよく、例えば、ECU100は、PMフィルタ42の再生を実行している時間に基づいて、PMフィルタ42の内部温度が閾値温度以上か否かを判定してもよい。
以上のように、本実施形態に係る排気浄化装置Uによれば、PMフィルタ42の再生を開始した直後における、酸化触媒41に対する燃料供給量を安定的に制御することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
例えば、上記実施形態では、ECU100の構成の一例として、エンジン10のポスト噴射における噴射量の制御により、酸化触媒41への燃料供給量を制御する態様を示した。但し、ECU100は、排気浄化装置Uが排気管30内に設けられた燃料噴射装置(図示せず)を有する場合には、目標燃料供給量の一部又は全部を、排気管30内に設けられた燃料噴射装置に供給させてもよい。
又、上記実施形態では、ECU100が参照する各種センサの一例として、差圧センサ51、温度センサ52、及び流速センサ53を示した。但し、ECU100が排気管30を通流する排ガスの状態やPMフィルタ42の状態を検出する手法は、種々に変更可能であり、これらは、上記実施形態とは異なるセンサ構成にて検出されてもよいし、エンジン10の運転状態等から演算処理により求められてもよい。
又、上記実施形態では、排気浄化装置Uの適用対象の一例として、ディーゼルエンジン車両を示したが、本発明の排気浄化装置Uの適用対象は、これに限定されない。例えば、本発明の排気浄化装置Uは、ガソリンエンジン車両にも適用し得る。又、その他、本発明の排気浄化装置Uは、発電機、建設機械、船舶等に適用されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る排気浄化装置の制御装置によれば、酸化触媒が劣化した場合であっても、PMフィルタの再生のために酸化触媒に供給する未燃焼燃料の供給量を適正化することが可能である。
U 排気浄化装置
10 エンジン
20 吸気管
30 排気管
41 酸化触媒
42 PMフィルタ
43 SCR触媒
43a 尿素水噴射装置
51 差圧センサ
52 温度センサ
53 流速センサ
54 回転速度センサ
100 ECU(制御装置)
101 PM堆積量推定部
102 HCスリップ量推定部
103 温度分布推定部
104 目標燃料供給量算出部(第1目標燃料供給量算出部)
105 第2目標燃料供給量算出部

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気管内に上流側から下流側に向かって順番に配設された酸化触媒及びPMフィルタを有する排気浄化装置の制御装置であって、
    前記酸化触媒に供給された未燃焼燃料のうち、前記酸化触媒からスリップして前記PMフィルタに到来するHCスリップ量を推定するHCスリップ量推定部と、
    前記PMフィルタを排ガス通流方向に沿って仮想的に複数のセルに分割し、前記PMフィルタに流入する排ガスの温度及び流量と、前記HCスリップ量と、に基づいて、前記複数のセルそれぞれの温度を推定する温度分布推定部と、
    前記複数のセルそれぞれの推定温度の目標温度に対する偏差に基づいて、前記PMフィルタの再生のために前記酸化触媒に供給する未燃焼燃料の目標供給量を算出する目標燃料供給量算出部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記温度分布推定部は、前記PMフィルタに流入する排ガスの温度及び流量と、前記HCスリップ量と、前記PMフィルタ中のPM堆積量と、に基づいて、前記複数のセルそれぞれの温度を推定する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記目標燃料供給量算出部は、前記複数のセルそれぞれの推定温度の目標温度に対する偏差に対して、前記複数のセルそれぞれに対して設定されたゲイン値を積算し、これらを加算することで、前記目標供給量を算出し、
    前記複数のセルそれぞれに対して設定された前記ゲイン値のうち、下流側のセルに対して設定された前記ゲイン値は、上流側のセルに対して設定された前記ゲイン値よりも大きい、
    請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記目標燃料供給量算出部に相当する第1目標燃料供給量算出部と、
    温度センサで検出された前記酸化触媒の出口温度の第2目標温度に対する偏差に基づいて、前記PMフィルタの再生のために前記酸化触媒に供給する未燃焼燃料の第2目標供給量を算出する第2目標燃料供給量算出部と、を備え、
    前記内燃機関内又は前記排気管内に設けられた燃料噴射装置の噴射量を制御する際には、前記PMフィルタの再生状態に基づいて、前記第1目標燃料供給量算出部と前記第2目標燃料供給量算出部とを選択的に適用する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記PMフィルタの温度が閾値温度以上の場合、前記第1目標燃料供給量算出部を適用し、前記PMフィルタの温度が前記閾値温度未満の場合、前記第2目標燃料供給量算出部を適用する、
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置を備える排気浄化装置。
  7. 請求項6に記載の排気浄化装置を備える車両。
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