JP7233827B2 - 熱間圧延機および熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延機および熱間圧延方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延機および熱間圧延方法に関する。
特許文献1には、上ワークロール、上バックアップロール、下ワークロール、下バックアップロール、及び各々のロールに付設したクロス角調整機構とからなり、クロス角調整機構は、ピストンを相対的に移動してロールチョックを移動する圧延機が記載されている。
特開平9-220608号公報
上下のロールをクロスすることで、板クラウンと板形状を制御するロールクロス式4段圧延機は、大別して、ワークロールをバックアップロールとともにクロス角を変更するペアクロスミルと、ワークロールだけのクロス角をつけるワークロールミルと、の2つのタイプが開発されており、広い制御範囲を持つことで知られている。
このうち、ペアクロスミルでは、バックアップロールを含めてクロス角の変更を行うため、応答良く形状制御を行うことができない、という課題がある。
これに対し、ワークロールクロスは、ペアクロスよりも傾ける対象物が圧倒的に軽量のため、素早く(応答性よく)傾けることができる。応答性の観点だけからは、ワークロールクロスのみでクロス角を大きくしてクラウン制御ができることが好ましい。
しかしながら、ワークロールクロスは、クロス角が大きい程、バックアップロールとワークロールとの間のスラスト力(軸方向に作用する力)が大きくなるため、小径のワークロールには採用し難い、との課題がある。
一方、従来よりも圧延し難い硬質な鋼板(例.超高張力鋼)等を圧延できるようにし、また、圧延機の大型化(製造コスト増)を避けるために、ワークロール径を小さくして圧延荷重を下げることが求められている。
ここで、上述の特許文献1には、ワークロールクロス法とペアロールクロス法を複合することにより複雑な板幅方向形状制御ができる、と記載されている。この特許文献1では、更に、高次成分をペアクロス法で発生させ、これに2次成分が主である単純クロス法を組合わせて複雑な形状制御を達成し得ることが記載されている。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、制御範囲を広くしつつ、応答性も確保し、小径ワークロールを採用し易くして硬質な鋼板を圧延できるという課題を具体的に解決できないことが明らかとなった。
より具体的には、特許文献1の記載では、ワークロールクロスにおける過大なスラスト力が発生するという課題を解決しておらず、小径のワークロールの採用は難しい。また、特許文献1の記載にもかかわらず、ワークロールクロスミルのみならずペアクロスミルによる制御も、二次成分の形状制御に近いことが明らかとなり、幅1/4位置で生じるいわゆるクォータ伸びに対する制御性が十分ではない、との課題が存在することが明らかとなった。
すなわち、過大なスラスト力によって小径ワークロールを採用することが困難であるとともに,四次成分の形状制御能力が低いことが本発明者らの検討で明らかとなった。
本発明は、従来に比べて広い制御範囲と応答性を確保することが可能な熱間圧延機および熱間圧延方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、熱間圧延機において、上ワークロールおよび上バックアップロールの上側ペアを平行な状態で、かつ下ワークロールおよび下バックアップロールの下側ペアを平行な状態で、前記上側ペアと前記下側ペアの角度調整をし、その後、前記上バックアップロールおよび前記下バックアップロールの角度を維持した状態で前記上ワークロールおよび前記下ワークロールの角度調整をするよう前記ワークロール水平方向アクチュエータおよび前記バックアップロール水平方向アクチュエータを制御することを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて広い制御範囲と応答性を確保することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1の圧延機の装置構成を示す側面図である。 図1に示す圧延機のうち、上ワークロール周辺の設備の構成の概要を示す上面図である。 実施例1の圧延機での、圧延中のワークロールクロス角の変更の模式図である。 実施例1の圧延機における、ペアクロス状態からワークロールを微小クロスさせた際の板クラウン変化量を示す図である。 本発明の実施例2の圧延機における、ワークロール微小クロス前のスラスト力の様子を示す模式図である。 実施例2の圧延機における、ワークロール微小クロスによるワークロールスラスト力のキャンセリングの様子を示す模式図である。 本発明の実施例3の圧延機の装置構成を示す側面図である。 本発明の実施例4の圧延機の装置構成を示す側面図である。 本発明の実施例5の圧延機における、ベンディングによる制御次数に対するワークロール径の影響の様子を示す図である。 /L=0.32の圧延機において、ベンディングを行った場合の板クラウン変化量の板幅方向の分布を示す図である。 /L=0.21の圧延機において、ベンディングを行った場合の板クラウン変化量の板幅方向の分布を示す図である。 実施例5の圧延機における、ワークロールクロスの制御次数に対するワークロール径の影響の様子を示す図である。 ワークロールクロスによる板クラウン変化量に対するワークロール径の影響の様子を示す図である。 /L=0.32の圧延機における、クラウン制御範囲を示す図である。 /L=0.32の圧延機における、形状制御範囲を示す図である。 /L=0.24の圧延機における、クラウン制御範囲を示す図である。 /L=0.24の圧延機における、形状制御範囲を示す図である。 実施例5の圧延機における、クラウン制御、形状制御範囲に対するD/Lの影響を示す図である。
以下に本発明の熱間圧延機および熱間圧延方法の実施例を、図面を用いて説明する。
なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
また、以下の実施例や図面では、駆動側(「DS(Drive Side)」とも記載)とは圧延機を正面から見てワークロールを駆動する電動機が設置されている側を、作業側(「WS(Work Side)」とはその反対側を意味するものとする。
<実施例1>
本発明の熱間圧延機および熱間圧延方法の実施例1について図1乃至図4を用いて説明する。
最初に、熱間圧延機の全体構成について図1および図2を用いて説明する。図1は本実施例の圧延機の側面図であり、図2は図1に示す圧延機のうち、上ワークロール周辺の設備の構成の概要を示す上面図である。
図1において、熱間圧延機1は、圧延材Sを圧延する4段のクロスロール圧延機であって、ハウジング100と、制御装置20と、油圧装置30とを有している。なお、圧延機は図1に示すような1スタンドの圧延機に限られず、2スタンド以上からなる圧延機であってもよい。
ハウジング100は、上下一対の上ワークロール110A及び下ワークロール110B、これらワークロール110A,110Bを支持する上下一対の上バックアップロール120Aおよび下バックアップロール120Bを備えている。
圧下シリンダ装置170は、上バックアップロール120Aを押圧することで、上バックアップロール120Aや上ワークロール110A,下ワークロール110B,下バックアップロール120Bに対して圧下力を付与するシリンダである。圧下シリンダ装置170は、ハウジング100の作業側と駆動側にそれぞれ設けられている。
ロードセル180は、ワークロール110A,110Bによる圧延材Sの圧延力を計測する圧延力計測手段としてハウジング100の下部に設けられており、計測結果を制御装置20に出力している。
上ワークロールベンディングシリンダ190Aは、操作側および駆動側のいずれにおいても、ハウジング100の入側および出側に設けられている。上ワークロールベンディングシリンダ190Aは、適宜これらのシリンダ190Aを駆動することで上ワークロール110Aの軸受に対して鉛直方向にベンディング力を付与する。
同様に、下ワークロールベンディングシリンダ190Bは、操作側および駆動側のいずれにおいても、ハウジング100の入側および出側に設けられており、適宜これらのシリンダ190Bを駆動することで下ワークロール110Bの軸受に対して鉛直方向にベンディング力を付与する。
バックアップロール摺動装置200Aは上バックアップロール120Aの鉛直方向の上部分に、バックアップロール摺動装置200Bは下バックアップロール120Bの鉛直方向の下部分に、それぞれ設けられている。
油圧装置30は、ワークロール押圧装置130A,130Bやワークロール定位置制御装置140A,140Bの油圧シリンダ、バックアップロール押圧装置150A,150Bやバックアップロール定位置制御装置160A,160Bの油圧シリンダ、更にはワークロールベンディングシリンダ190A,190Bにも接続されている。なお、図1では、図示の都合上、通信線や圧油の供給ラインの一部は省略している。以下の図面でも同様である。
制御装置20は、ロードセル180やワークロール定位置制御装置140A,140B、バックアップロール定位置制御装置160A,160Bの位置計測器からの計測信号の入力を受けている。
制御装置20は油圧装置30を作動制御し、ワークロール押圧装置130A,130Bやワークロール定位置制御装置140A,140Bの油圧シリンダに圧油を給排することでワークロール押圧装置130A,130Bやワークロール定位置制御装置140A,140Bの作動を制御している。
同様に、制御装置20は油圧装置30を作動制御し、バックアップロール押圧装置150A,150Bやバックアップロール定位置制御装置160A,160Bの油圧シリンダに圧油を給排することでバックアップロール押圧装置150A,150Bやバックアップロール定位置制御装置160A,160Bの作動を制御している。
これらの作動制御により、制御装置20は、ワークロール押圧装置130A,130B,ワークロール定位置制御装置140A,140Bによる角度調整、およびバックアップロール押圧装置150A,150B,バックアップロール定位置制御装置160A,160Bによる角度調整を制御する。本実施例の制御装置20による角度調整の詳細は後述する。
更に、制御装置20は、ワークロールベンディングシリンダ190A,190Bに圧油を給排することでワークロールベンディングシリンダ190A,190Bの作動を制御している。
次に、図2を用いて上ワークロール110Aに関係する構成について説明する。なお、上バックアップロール120Aや下ワークロール110B,下バックアップロール120Bについても、上ワークロール110Aと同等の構成を有しており、その詳細な説明も上ワークロール110Aのものと略同じであるため、省略する。
図2に示すように、熱間圧延機1の上ワークロール110Aの両端側にハウジング100があり、上ワークロール110Aのロール軸に対して垂直に立てられている。
上ワークロール110Aは、ハウジング100にそれぞれ作業側ロールチョック112A及び駆動側ロールチョック112Bを介して回転自在に支持されている。
ワークロール押圧装置130Aは、作業側および駆動側のそれぞれにおいて、ハウジング100の入側と作業側ロールチョック112A,駆動側ロールチョック112Bとの間に配置され、上ワークロール110Aの作業側ロールチョック112Aと駆動側ロールチョック112Bを圧延方向に所定の圧力で押し付ける。
ワークロール定位置制御装置140Aは、作業側および駆動側のそれぞれにおいて、ハウジング100の出側と作業側ロールチョック112A,駆動側ロールチョック112Bの間に配置されており、上ワークロール110Aの作業側ロールチョック112Aと駆動側ロールチョック112Bを反圧延方向に押圧する油圧シリンダ(押圧装置)を有している。ワークロール定位置制御装置140Aは、油圧シリンダの動作量を計測する位置計測器(図示省略)を備えており、油圧シリンダの位置制御を行う。
ここで、定位置制御装置とは、装置内に内蔵されている位置計測器を用いて押圧装置としての油圧シリンダの油柱位置を測定し、所定の油柱位置となるまで油柱位置を制御する装置のことを意味する。
これらワークロール押圧装置130A,130Bや、バックアップロール押圧装置150A,150B、定位置制御装置140A,140B,160A,160Bは、ロールのクロス角を調整する角度調整器の役割をなす。
なお、図1および図2では、クロス装置のアクチュエータであるワークロール定位置制御装置140A,140Bや、バックアップロール定位置制御装置160A,160Bとして油圧装置を用いる例を示したが、これは油圧装置に限ったものでなく、電動式等の構成の装置を用いることができる。
また、圧延材Sの入側に押圧装置、出側に定位置制御装置を配備した形態としているが、反対に配備されることもあり、配置は図1等に示すパターンに限られるものではない。
更に、図1および図2では、定位置制御装置の反対側に押圧装置を具備した例としているが、これは必須ではなく、定位置制御装置のみで構成することができる。ただし、押圧装置を設置することによってロールチョック112A,112Bと定位置制御装置とのガタ取りが可能となり、ロールチョック112A,112Bの圧延方向位置を安定させることができる。
次に、本実施例に係る圧延機の圧延時のクロス角度の調整方法について、図3および図4を参照して説明する。図3は圧延中のワークロールクロス角の変更の模式図、図4はペアクロス状態からのワークロールを微小クロスさせた際の板クラウン変化量を示す図である。
本実施例の制御装置20は、上ワークロール110Aおよび上バックアップロール120Aの上側ペアを平行な状態で、かつ下ワークロール110Bおよび下バックアップロール120Bの下側ペアを平行な状態で、上側ペアと下側ペアの角度調整をする。
更に、制御装置20は、その後に、上バックアップロール120Aおよび下バックアップロール120Bの角度を維持した状態で上ワークロール110Aおよび下ワークロール110Bの角度調整をする。
その際の調整角度としては、例えば、上側のペアと下側のペアとでのクロス角度を0.2度以上とすることができる。
これは、以下のような知見に基づき見出されたものである。
スラスト力は、圧延材Sとワークロール110A,110Bとの相対速度差や、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120Bとの相対速度差によって生じる。
このため、ワークロール110A,110Bのクロス角が大きくなるほど圧延材Sとワークロール110A,110B間のスラスト力は増大し、同様に、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120Bとの間の相対角度が大きくなるほど、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120B間のスラスト力も増大する。
また、ワークロールクロスの場合は、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120B間に作用するスラスト力は、圧延材Sとワークロール110A,110B間に作用するスラスト力に比べて大きいことが知られている。
そこで、本発明者らは、図3に示すように、ペアクロスをさせた状態から、更にワークロール110A,110Bを好適には微小(例えば0.1°以下)にクロスさせることを発想した。
図4は、図1に示した熱間圧延機1のうち、20kgf/mmの硬さの圧延材を20%圧延し、2mmの板とする圧延条件で、ワークロール径450mm、最大板幅1880mmにて、所定のペアクロス角から、±0.05°のワークロール微小クロスを行った場合の板クラウンCh25の変化量ΔCh25をシミュレーションした結果である。
この図4に示すように、同じ±0.05°のワークロール微小クロス角の変更であっても、先のペアクロス角が大きいほどワークロール微小クロス角による制御範囲は広くなることが明らかとなった。
例えば、図4において、ペアクロス角度が0°の状態から、バックアップロールに対してワークロールを±0.05°の範囲で微小クロスさせた場合、△Ch25は1.5μmと微小であるのに対し、ペアクロス角度が0.2°の状態から,バックアップロールに対してワークロールを±0.05°の範囲で微小クロスさせた場合は△Ch25が20μmと、10倍以上になることが明らかとなった。
そこで、ペアクロス角の大きい範囲、例えば、0.2°以上の範囲で利用する方が小さなワークロールのクロス角度変化であっても大きなクラウン変化を得られて、クラウン及び板形状の制御範囲が広がることから、ペアクロス角度は0.2°以上とすることが望ましいことも明らかとなった。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1の熱間圧延機1では、ペアクロスをさせた状態から、バックアップロール120A,120Bに対して更にワークロール110A,110Bをクロスさせることによって、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120Bの相対クロス角は微小、例えば、同じ0.05°のクロス角度変化でも大きな制御能が得られると同時に、応答性も確保することができる。
また、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120Bのスラスト力を低減することができるため、小径のワークロール110A,110Bの適用が可能となり、硬質な鋼板の圧延も可能となる、との効果も奏する。
更には、従来は、ワークロールクロスを適用するにあたり、制御範囲の確保の観点から大きなワークロールクロス角の変更が必要であった。そこで、ロール間への油潤滑を採用することで、スラスト力を低減するという策が取られた。
しかしながら、本実施例の熱間圧延機1や熱間圧延方法の場合、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120B間のクロス角を微小とすることができる。
ロール間に作用するスラスト力は、圧延荷重やロールの表面状態に大きく影響する。例えば、水潤滑で、ロール軸間のクロス角θが0.2°でスラスト係数μは概ね0.2とのデータがあり、0.2°以下の範囲ではクロス角θとスラスト係数μは、概ね比例関係にある。この関係を用いた場合、例えば、0.05°の微小クロス角であれば、上記したスラスト係数は、0.2×(0.05/0.2)=0.05[-]と試算される。
従って、圧延材Sとワークロール110A,110B間に作用するスラスト係数(0.1以下)と同等以下までスラスト係数を低減できるため、本実施例では、ワークロールクロスであるにもかかわらず油潤滑が不要となる、との効果も得られる。
また、制御装置20は、上側ペアと下側ペアとでクロスさせるペアクロスの角度を0.2度以上に調整するため、ペアクロスの角度を0.2°以上をキープすることで、上述の効果を特に大きく得ることができる。
<実施例2>
本発明の実施例2の熱間圧延機および熱間圧延方法について図5および図6を用いて説明する。図5は、本実施例2の圧延機における、ワークロール微小クロス前のスラスト力の様子を示す模式図である。図6は、本実施例2の圧延機における、ワークロール微小クロスによるワークロールスラスト力のキャンセリングの様子を示す模式図である。
最初に、スラスト力の作用方向に関する考え方を説明する。
圧延材Sからワークロールに作用するスラスト係数は、クロス角と圧下率と相関があり、以下の式(1)のような見積もり式が提案されている。
μT,1=F(θ,r)=μ{1-exp(-3(θ 0.9/r1.1))} ・・・(1)
式(1)中、μT,1:圧延材Sとワークロール110A,110B間のスラスト係数、μ:摩擦係数、θ:圧延材Sとワークロール110A,110B間のクロス角、r:圧下率である。
また、ワークロール110A,110Bとバックアップロール120A,120B間のスラスト係数を、作用方向を考慮し、以下式(2)の定義とする。
μT2=-Kθ ・・・(2)
ここで、μT2:バックアップロール120A,120Bとワークロール110A,110B間のスラスト係数、θ:バックアップロール120A,120Bとワークロール110A,110B間のクロス角、K:影響係数(≒1.0°-1)、である。
従って、ペアクロス角θPCと微小クロス角θWRS、圧延荷重を用いると、ワークロール110A,110Bに作用するスラスト力は以下のような式(3)の関係で表される。
=P(μT,1+μT2)=P(F(θ,r)-Kθ)=P(F(θPC+θWRS,r)-KθWRS) ・・・(3)
式(3)中、θWRSはθPCに対して微小であるため、F(θPC+θWRS,r)は正の値を示す。
そこで、本実施例の熱間圧延機1や熱間圧延方法では、図5に示すようなスラスト力が作用している状態からワークロールクロスを行う場合に、θWRSを正の値となる方向、すなわち、ワークロール110A,110Bの角度をバックアップロール120A,120Bの角度より大きくなる方向に調整する。
これにより、図6に示すように、圧延材Sから作用するスラスト力とバックアップロールから作用するスラスト力を相殺させて、ワークロールに作用するスラスト力を低減させることを図る。
また、ワークロールシフトを行う場合には、ワークロール110A,110Bに作用するスラスト力を利用することが望ましい。
すなわち、ワークロールをシフトする方向にスラスト力が作用するようにワークロール110A,110Bの微小クロス角を設定すれば、ワークロールシフトをサポートするようにスラスト力が働くことになるため、シフト装置の容量を低減することができる。
その他の構成・動作は前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2の熱間圧延機および熱間圧延方法においても、前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、制御装置20は、ワークロール110A,110Bの角度調整をする際、ワークロール110A,110Bの角度をバックアップロール120A,120Bの角度より大きくなる方向に調整することにより、ワークロール110A,110Bに作用する圧延材Sからのスラスト力と反対方向にバックアップロール120A,120Bからのスラスト力を作用させることができ、ワークロール110A,110Bに作用するスラスト力の総計をより小さくできる。そのため、ワークロール110A,110Bの軸方向への負荷をより小さくでき、小径のワークロール110A,110Bを採用し易くなり、ワークロール110A,110Bのベアリングも破損し難くなる、との効果が得られる。
<実施例3>
本発明の実施例3の熱間圧延機および熱間圧延方法について図7を用いて説明する。図7は本実施例3の圧延機の装置構成を示す側面図である。
図7に示す本実施例の熱間圧延機1Aは、実施例1の熱間圧延機1からバックアップロール摺動装置200A,200Bを除いたものである。
また、本実施例の熱間圧延機1Aの制御装置20Aは、上側ペアと下側ペアとでクロスさせるペアクロスでの角度調整を、圧延材Sの圧延を開始する前に実行する。更に、ワークロール110A,110Bの角度調整を、圧延材Sの圧延中に実行する。
その他の構成・動作は前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例3の熱間圧延機および熱間圧延方法においても、前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法とほぼ同様な効果が得られる。
上述のように、バックアップロール120A,120Bのロールチョックは、押圧装置150A,150Bや定位置制御装置160A,160B、ロードセル180を通してハウジング100から支持されている。
このような状態において、圧延中にバックアップロール120A,120Bのクロス角を変更するには、圧延荷重によって固定部材との間に大きな摺動抵抗が生じるため、クロス角を変更するアクチュエータは大容量になるとともに、摺動部には可動するためのベアリング等の部材が必要になる。
この可動部材の剛性は低く、圧延機自体の剛性を低下させる要因となる。その場合、圧延材Sの形状が乱れる要因となるとともに、圧延材Sの蛇行を招き、通板の安定性が低下することになる。
これに対し、ペアクロスでの角度調整を、圧延材Sの圧延を開始する前に実行することによって、低負荷時の変更とすることができる。したがって、バックアップロール120A,120Bのクロス角を変更するアクチュエータの容量を低減することができるとともに、バックアップロール120A,120Bを支持部材との摺動面に滑らかに可動するようなベアリング等の機構を設ける必要がなくなる。そのため、設備を低容量・簡便にすることで設備コストを低減することができるとともに、圧延機の剛性低下を避け、圧延をより安定化することが可能となる、との効果が得られる。
更に、制御装置20Aは、ワークロール110A,110Bの角度調整を、圧延材Sの圧延中に実行することで、広い制御範囲を確実に得たうえで、応答性を確保することができる。
<実施例4>
本発明の実施例4の熱間圧延機および熱間圧延方法について図8を用いて説明する。図8は本実施例4の圧延機の装置構成を示す側面図である。
図8に示す本実施例の熱間圧延機1Bは、実施例1の熱間圧延機1からバックアップロール摺動装置200A,200Bを除き、ワークロール110A,110Bの軸に作用するスラスト力を測定するスラスト力測定装置300A,300Bを更に設けた装置である。
また、本実施例の熱間圧延機1Bの制御装置20Bは、スラスト力測定装置300A,300Bで測定されたスラスト力が所定の上限値を上回った際は、バックアップロール120A,120Bに対するワークロール110A,110Bの角度を変更するようワークロール押圧装置130A,130B、ワークロール定位置制御装置140A,140Bを制御する。例えば、圧延材Sとワークロール110A,110Bの間で作用するスラスト力の方向を正とした場合、スラスト力が上限値を上回った場合は、ワークロール110A,110Bのクロス角度を大きくなるように制御する。
更に、スラスト力測定装置300A,300Bで測定されたスラスト力が所定の下限値を下回った際は、バックアップロール120A,120Bに対するワークロール110A,110Bの角度を変更するようワークロール押圧装置130A,130B,ワークロール定位置制御装置140A,140Bを制御する。例えば、スラスト力が下限値を下回った場合は、ワークロール110A,110Bのクロス角度を小さくするように制御する。
その他の構成・動作は前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例4の熱間圧延機および熱間圧延方法においても、前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、圧延対象となる鋼板の硬度が高いほど、ワークロールに対するスラスト力は大きくなる。そこで、制御装置20Bは、スラスト力測定装置300A,300Bで測定されたスラスト力が所定の上限値を上回った際は、バックアップロール120A,120Bに対するワークロール110A,110Bの角度を変更するようワークロール押圧装置130A,130B,ワークロール定位置制御装置140A,140Bを制御することにより、ワークロール110A,110Bの耐え得るスラスト力を超えないように制御することができ、部材の破損を防止できる。
更に、制御装置20Bは、スラスト力測定装置300A,300Bで測定されたスラスト力が所定の下限値を下回った際は、バックアップロール120A,120Bに対するワークロール110A,110Bの角度を変更するようワークロール押圧装置130A,130B,ワークロール定位置制御装置140A,140Bを制御することで、ワークロール110A,110Bとそれを支持する部材との間のがた取りが可能となり、ワークロールの板幅方向位置を安定させることができる。
<実施例5>
本発明の実施例5の熱間圧延機および熱間圧延方法について図9乃至図18を用いて説明する。
図9はベンディングによる制御次数に対するワークロール径の影響の様子を示す図、図10はD/L=0.32の圧延機において、ベンディングを行った場合の板クラウン変化量の板幅方向の分布を示す図、図11はD/L=0.21の圧延機において、ベンディングを行った場合の板クラウン変化量の板幅方向の分布を示す図、図12はワークロールクロスの制御次数に対するワークロール径の影響の様子を示す図、図13はワークロールクロスによる板クラウン変化量に対するワークロール径の影響の様子を示す図、図14はD/L=0.32の圧延機における、クラウン制御範囲を示す図、図15はD/L=0.32の圧延機における、形状制御範囲を示す図、図16はD/L=0.24の圧延機における、クラウン制御範囲を示す図、図17はD/L=0.24の圧延機における、形状制御範囲を示す図、図18はクラウン制御、形状制御範囲に対するD/Lの影響を示す図である。
本実施例の熱間圧延機は、基本的な装置構成は実施例1の熱間圧延機1と同じである。
本実施例の熱間圧延機は、更なる限定として、ワークロール110A,110Bの直径をD、圧延材Sの最大圧延板幅をLとしたときに、ワークロール110A,110Bは、D/Lが0.15以上0.3以下の条件を満たすものとなっている。
一般的なペアクロスミルでは、ワークロール径Dと最大圧延板幅Lとの比D/Lは0.32~0.40の範囲にあり、この範囲では、ワークロールのベンディングにて二次の形状制御を行うことは可能であるが、より高次の形状制御を行うことは困難であった。また、ワークロールクロスミルも原理はペアクロスミルに類似しており、傾向は概ね同じであった。
図9以降に示す図は、20kgf/mmの硬さの圧延材を20%圧延し、2mmの板にする、という条件での板クラウン,板形状の変化量のシミュレーション結果を示す図である。ここで、板形状ではなく、板クラウンの制御次数を示したのは、板クラウンと板形状が概ね対応するためである。この図9に示すように、ベンディングによる板クラウンの制御次数は、D/Lが減少するほど増大する傾向があることがわかる。
図10にD/Lが0.32の場合(D:600m、L:1880mm)の場合のインクリーズベンディングを加えた際の板クラウン変化量の分布を、図11にD/Lが0.21の場合(D:400m、L:1880mm)において、インクリーズベンディングを加えた際の板クラウン変化量の分布を示す。
これら図10および図11に示すように、高次の制御次数であるD/Lが0.21の場合(制御次数2.6)、板中央近傍のクラウン変化量は小さく、板端部の影響が大きいことがわかる。
また、図12に示すように、ワークロールクロスの制御指数は約1.65であるためため、少なくともD/Lを0.3以下とすることで、ワークロールクロスとベンディングとの制御次数の差を大きくとることができ、複合伸びのような複雑な形状を制御できることが予期されることがわかる。
また、クラウン制御次数は約1.65であり、D/Lの影響は極めて小さい。この次数は、ロール扁平や軸曲がり等のため、圧延条件の影響を若干受けるものと考えられるが、ワークロール径に関わらず、制御次数は概ね2.0である。
図13は、板端から25mm位置と板中央の板厚差をクラウンCh25とし、ペアクロス角度0.5°の状態から,バックアップロールに対してワークロールを-0.05°から0.05°にでクロスさせた際のクラウン変化量におけるクラウン変化量ΔCh25についてロール径を変更してシミュレートした結果である。この図13に示すように、小径化に伴い幾何学的に発生するギャップが大きくなるため、制御できる範囲も当然ながら広くなることがわかる。
図14乃至図17に、板クラウンの制御範囲と2次と4次の板形状の制御範囲をシミュレーションによって見積もった結果を示す。
図14および図15では、ペアクロス(0.50°)、D=602mm、D/L=0.32の条件とし、図16および図17では、ペアクロス(0.50°)、D=450mm、D/L=0.24の条件とした。
そして、図14、および図16では、端から25mm位置の板クラウン変化量ΔCh25に対する幅1/4位置(クォータ位置)の板クラウン変化量ΔCh1/4の関係を、図15、および図17では、圧延方向の伸び歪み偏差の2次成分の変化量ΔC2に対する4次成分の変化量ΔC4の関係を示す。
図14および図15に示すDW/Lb=0.32という従来範囲の条件では、ワークロールクロスのクロス角を変更する場合も、或いは、ワークロールベンディングを増減させる場合のいずれも、ΔCh25に対するΔCh1/4の値や、ΔC2に対するΔC4の値は概ね等しい勾配で変化し、ΔCh25とΔCh1/4、或いは、ΔC2とΔC4をそれぞれ個別で制御できる範囲が非常に狭いことがわかる。
それに対して、図16および図17に示すように、D/Lを0.24と、本発明の条件とした場合には、ワークロールクロスのクロス角を変更する場合とワークロールベンディングを増減させる場合とでは、ΔCh25に対するΔCh1/4の値や、ΔC2に対するΔC4の値は異なる勾配で変化する。そのため、ワークロールベンディングの増加、0.45°→0.55°へのワークロールクロス角の変更、ワークロールベンディングの減少、0.55°→0.45°へのワークロールクロス角の変更、を順に追った軌跡は平行四辺形の形となり、ΔCh25とΔCh1/4、或いは、ΔC2とΔC4をそれぞれ個別で制御できる範囲が格段に広がることがわかる。
ここで、ΔCh25とΔCh1/4、ΔC2とΔC4をそれぞれ個別に制御できる範囲の指標として、ΔCh25とΔCh1/4のグラフの平行四辺形の中の面積をS、ΔC2とΔC4のグラフの平行四辺形の中の面積をSと定義する。そのうえで、D/Lが0.35での面積SC0.35、SS0.35に対する比率をプロットD/Lに対してプロットした結果を図18に示す。
図18に示すように、現状においてもワークロール径が小径の部類に入るD/L=0.32に比べて、D/L=0.28以下とすることで、約2倍以上の複合伸びの制御範囲を持つことができ、格段に形状制御性は向上することが明らかとなった。
ここで、熱間圧延プロセスでは、一般的にはワークロールにモータをつなぎ、回転駆動させている。その場合、ワークロールが小径化するとスピンドル径が細くなるため、伝達可能なトルクも小さくなる。
ワークロールの小径化によって圧延トルクも減少することにはなるが、ワークロール小径化の影響は、スピンドルの伝達限界の方が大きい。すなわち、あまりに小径のワークロールでは機械的に成立させることに困難が生じてきて、デメリットがメリットを上回ると考えられる。
圧延トルクは、圧延条件に依存するが、一般的な熱延プラントでは、D/Lは少なくとも0.15以上とすることでデメリットをメリットが上回る形態で成立させることが可能と判断されることから、D/Lbの下限は0.15以上とすることが望ましい。
以上まとめると、D/Lの好適な範囲は、0.15以上0.30以下、より好適には0.15以上0.28以下とすることが望ましい。
その他の構成・動作は前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例5の熱間圧延機および熱間圧延方法においても、前述した実施例1の熱間圧延機および熱間圧延方法とほぼ同様な効果が得られる。
また、ワークロール110A,110Bに対してベンディング力を付与するワークロールベンディングシリンダ190A,190Bを更に備え、ワークロール110A,110Bの直径をD、圧延材Sの最大圧延板幅をLとしたときに、ワークロール110A,110Bは、D/Lが0.15以上0.3以下の条件を満たすことにより、ベンディング力制御とクロス角制御の両方の制御を行い、従来のワークロール径以下で従来よりも硬質な鋼板の圧延ができるとともに、より複雑な形状制御が可能となる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
S…圧延材
1,1A,1B…熱間圧延機
20,20A,20B…制御装置
30…油圧装置
100…ハウジング
110A…上ワークロール
110B…下ワークロール
112A…作業側ロールチョック
112B…駆動側ロールチョック
120A…上バックアップロール
120B…下バックアップロール
130A,130B…ワークロール押圧装置
140A,140B…ワークロール定位置制御装置
150A,150B…バックアップロール押圧装置
160A,160B…バックアップロール定位置制御装置
170…圧下シリンダ装置
180…ロードセル
190A…上ワークロールベンディングシリンダ
190B…下ワークロールベンディングシリンダ
200A,200B…バックアップロール摺動装置
300A,300B…スラスト力測定装置

Claims (9)

  1. 上下一対のワークロールと、
    前記ワークロールをそれぞれ支持する上下一対のバックアップロールと、
    前記ワークロールを水平方向に移動させるワークロール水平方向アクチュエータと、
    前記バックアップロールを水平方向に移動させるバックアップロール水平方向アクチュエータと、
    前記ワークロール水平方向アクチュエータによる角度調整、および前記バックアップロール水平方向アクチュエータによる角度調整を制御する制御装置と、を備えた熱間圧延機において、
    前記制御装置は、
    上ワークロールおよび上バックアップロールの上側ペアを平行な状態で、かつ下ワークロールおよび下バックアップロールの下側ペアを平行な状態で、前記上側ペアと前記下側ペアの角度調整をし、その後、前記上バックアップロールおよび前記下バックアップロールの角度を維持した状態で前記上ワークロールおよび前記下ワークロールの角度調整をするよう前記ワークロール水平方向アクチュエータおよび前記バックアップロール水平方向アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  2. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記制御装置は、前記上側ペアと前記下側ペアとでクロスさせるペアクロスの角度を0.2度以上に調整する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  3. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記制御装置は、前記ワークロールの角度調整をする際、前記ワークロールの角度を前記バックアップロールの角度より大きくなる方向に調整する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  4. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記制御装置は、前記上側ペアと前記下側ペアとでクロスさせるペアクロスでの角度調整を、圧延材の圧延を開始する前に実行する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  5. 請求項4に記載の熱間圧延機において、
    前記制御装置は、前記ワークロールの角度調整を、前記圧延材の圧延中に実行する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  6. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記ワークロールの軸に作用するスラスト力を測定するスラスト力測定装置を更に備え、
    前記制御装置は、前記スラスト力測定装置で測定されたスラスト力が所定の上限値を上回った際は、前記バックアップロールに対する前記ワークロールの角度を変更するよう前記ワークロール水平方向アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  7. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記ワークロールの軸に作用するスラスト力を測定するスラスト力測定装置を更に備え、
    前記制御装置は、前記スラスト力測定装置で測定されたスラスト力が所定の下限値を下回った際は、前記バックアップロールに対する前記ワークロールの角度を変更するよう前記ワークロール水平方向アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  8. 請求項1に記載の熱間圧延機において、
    前記ワークロールに対してベンディング力を付与するベンディングアクチュエータを更に備え、
    前記ワークロールの直径をD、圧延材の最大圧延板幅をLとしたときに、前記ワークロールは、D/Lが0.15以上0.3以下の条件を満たす
    ことを特徴とする熱間圧延機。
  9. 上下一対のワークロールと、
    前記ワークロールをそれぞれ支持する上下一対のバックアップロールと、
    前記ワークロールを水平方向に移動させるワークロール水平方向アクチュエータと、
    前記バックアップロールを水平方向に移動させるバックアップロール水平方向アクチュエータと、
    前記ワークロール水平方向アクチュエータによる角度調整、および前記バックアップロール水平方向アクチュエータによる角度調整を制御する制御装置と、を備えた熱間圧延機による熱間圧延方法であって、
    上ワークロールおよび上バックアップロールの上側ペアを平行な状態で、かつ下ワークロールおよび下バックアップロールの下側ペアを平行な状態で、前記上側ペアと前記下側ペア角度調整をするステップと、
    前記上バックアップロールおよび前記下バックアップロールの角度を維持した状態で前記上ワークロールおよび前記下ワークロールの角度調整をするステップと、を有する
    ことを特徴とする熱間圧延方法。
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