JP7232102B2 - 不透明な弾球遊技用樹脂基盤とその製造方法、及び、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤 - Google Patents

不透明な弾球遊技用樹脂基盤とその製造方法、及び、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤 Download PDF

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Description

本発明は、不透明な弾球遊技用樹脂基盤とその製造方法、及び、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤に関する。
従来、パチンコ台及びスロットマシーン等の弾球遊技機の基盤(以下、単に「弾球遊技用基盤」と言う。)の素材として、ベニヤ合板が広く用いられている。ベニヤ合板を用いた弾球遊技盤では、ベニヤ合板の遊技者側の表面に、透明フィルムの一方の面に印刷加工が施されたフィルム(以下、「印刷フィルム」とも言う。)が貼り合わされ、さらに、印刷フィルムを貫通する形でベニヤ合板に対して釘打ち用の孔開け及び釘打ちがなされる。
弾球遊技用基盤の素材として、従来主流であったベニヤ合板に代わり、資源保護等の観点から、透明樹脂シート(透明樹脂板)の使用が検討されている(特許文献1の請求項1等)。本明細書において、特に明記しない限り、「シート」は可撓性を有しない板状物である。透明樹脂シートを用いた弾球遊技用基盤では、透明樹脂シートの裏面(遊技者側とは反対の面)に、印刷フィルムが貼り合わされ、遊技者側から透明樹脂シートに対して釘打ち用の孔開け及び釘打ちがなされる場合と、透明樹脂シートの表面(遊技者側の面)に印刷フィルムが貼り合わされ、さらに、印刷フィルムを貫通する形で透明樹脂シートに対して釘打ち用の孔開け及び釘打ちがなされる場合がある。
透明樹脂シートの構成樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂及びメタクリル系樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂シートは、表面硬度が比較的低いため、遊技球との摩擦又は遊技球の衝突で傷が付きやすい傾向がある。メタクリル系樹脂シートは表面硬度が比較的高いため、遊技球との摩擦又は遊技球の衝突でも傷が付きにくい。しかしながら、一般的なメタクリル系樹脂は耐衝撃性が不充分であり、釘打ち時に打ち釘の周辺に白化又は割れ(ミクロクラック)が発生する恐れがある。打ち釘の周辺に樹脂割れが生じると、釘の保持力が低下し、外観上も好ましくない。特許文献2には、釘打ち時の樹脂割れを抑制するために、メタクリル系樹脂にアクリル系ゴム粒子を添加して、耐衝撃性を改善した弾球遊技用基盤が開示されている(請求項1)。
特開2000-61047号公報 特開2008-49137号公報
ベニヤ合板を用いた弾球遊技盤では、以下の課題がある。ベニヤ合板では、一対の板を接着剤を用いて貼り合わせる際に空洞が形成されることがある。このように空洞が形成された場合、釘を打ち込んだ後の釘の保持力が不均一となり、釘の保持力の弱い部分では釘の緩みが生じる恐れがある。また、ベニヤ合板の表面に印刷フィルムを直接積層すると、印刷フィルムの演色性が低下する傾向があるため、通常はベニヤ合板の遊技者側の表面に白フィルム又は白紙を貼った後、印刷フィルムを貼る必要がある。この場合、工程数が増えるためコスト増に繋がり、好ましくない。さらに、ベニヤ合板は輸入に頼っていることから、供給国の自然災害、木材伐採による環境破壊、及び輸入に伴う諸問題等により、安定供給が難しい。
一方、透明樹脂シートを用いた弾球遊技盤では、以下の課題がある。透明樹脂シートの表面に印刷フィルムを直接積層すると、印刷フィルムの演色性が低下する傾向があるため、透明樹脂シートの表面に白フィルム又は白紙を貼った後、印刷フィルムを貼ることが好ましい。この場合、工程数が増えるためコスト増に繋がり、好ましくない。また、一般的に、メタクリル系樹脂組成物中のゴム粒子の濃度を高くすれば、釘打ち時の樹脂割れを効果的に抑制できるが、孔開け加工又は切削加工の際には、樹脂融着により適切な加工が困難となる恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]~[12]の不透明な弾球遊技用樹脂基盤とその製造方法、及び印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤を提供する。
[1] 屈折率の異なる第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂組成物層を含む弾球遊技用樹脂基盤であって、
厚みが8~22mmであり、
第1の透明熱可塑性樹脂(A)の屈折率(n)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の屈折率(n)との差の絶対値が0.01以上であり、
前記熱可塑性樹脂組成物層は、全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上である、弾球遊技用樹脂基盤。
[2] JIS K7111に準拠して測定されるシャルピー衝撃強度が3.5kJ/m以上である、[1]の弾球遊技用樹脂基盤。
[3] JIS K7171に準拠して測定される曲げ弾性率が1800~2500MPaである、[1]又は[2]の弾球遊技用樹脂基盤。
[4] 前記熱可塑性樹脂組成物層中の第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との質量比が98:2~2:98である、[1]~[3]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤。
[5] 前記熱可塑性樹脂組成物層はさらに、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、0.1~30質量部の相溶化剤(C)を含有する、[1]~[4]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤。
[6] 第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂を含む、[1]~[5]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤。
[7] 前記熱可塑性樹脂組成物層と1つ以上の他の樹脂層とからなる積層シートである、[1]~[6]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤。
[8] 前記熱可塑性樹脂組成物層の全原料のうち5~100質量%が、前記弾球遊技用樹脂基盤に使用される前に1回以上成形加工に使用されたことのあるリワーク材である、[1]~[7]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤。
[9] 前記熱可塑性樹脂組成物層の全原料のうち5~100質量%に、前記弾球遊技用樹脂基盤に使用される前に1回以上成形加工に使用されたことのあるリワーク材を用いて、前記熱可塑性樹脂組成物層を含む樹脂シートを押出成形する工程を有する、[1]~[7]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤の製造方法。
[10] [1]~[8]のいずれかの弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、接着剤層を介して、透明フィルムの一方の面に印刷加工が施された印刷フィルムが積層された、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
[11] 前記印刷フィルム側から当該印刷フィルムを貫通して前記弾球遊技用樹脂基盤の内部又は裏面に到達する釘打ち用の孔が形成された、[10]の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
[12] 前記釘打ち用の孔の内部に釘が打ち込まれた、[11]の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
本発明によれば、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤の模式断面図である。
[不透明な弾球遊技用樹脂基盤]
本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、屈折率の異なる第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有する樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層を含む樹脂シートからなる。本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層からなる単層シートであってもよいし、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層と1つ以上の他の樹脂層とからなる積層シートであってもよい。
本発明の弾球遊技用樹脂基盤の厚みは8~22mmであり、好ましくは8~19mm、より好ましくは8~16mmである。厚みが8mm以上であれば、釘を良好に保持することができ、厚みが22mm以下であれば、切削加工性が良好となる。
樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は、全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上である。本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、不透明な熱可塑性樹脂組成物層を含むため、表面に印刷フィルムを直接貼り合わせても、印刷フィルムの演色性が優れ、好ましい。
樹脂組成物(M)は、屈折率の異なる第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有する。第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)のうち一方単独では透明であるが、これら2種の樹脂を含む樹脂組成物(M)は不透明である。
第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の組合せは、第1の透明熱可塑性樹脂(A)の屈折率(n)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の屈折率(n)との差の絶対値(以下、「屈折率差|n-n|」又は単に「屈折率差」とも言う。)が0.01以上となる条件で、公知の透明熱可塑性樹脂の中から選択することができる。
屈折率差|n-n|は0.01以上であり、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、特に好ましくは0.07以上、最も好ましくは0.09以上である。屈折率差|nA-nB|が0.01以上であれば、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は、全光線透過率が効果的に低下し、ヘイズが効果的に増加し、本発明の弾球遊技用樹脂基盤の表面に印刷フィルムを直接貼り合わせても、印刷フィルムの演色性が優れ、好ましい。
樹脂組成物(M)を構成する第1の透明熱可塑性樹脂(A)及び/又は第2の透明熱可塑性樹脂(B)は、樹脂組成物(M)の製造に供するまでの段階で着色剤を含んでいてもよい。その場合、樹脂の屈折率は着色剤を含まない透明な樹脂単体でのデータを採用するものとする。
相分離構造による不透明化が可能であることから、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との組合せは非相溶系であることが好ましい。
第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との組合せが相溶系である場合、屈折率差|n-n|が0.01以上であっても、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は相分離構造を有さず、透明な層となる恐れがある。
屈折率差|n-n|が0.01以上であり、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層が好ましくは100nm以上のサイズのドメインを含む相分離構造を有することで、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は白っぽい不透明な層となり、好ましい。
樹脂組成物(M)中の第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との質量比は、これらの種類及び屈折率差に応じて、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層の全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上となるように、設計することができる。第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との質量比は、好ましくは98:2~2:98、より好ましくは95:5~10:90、さらに好ましくは90:10~20:80、さらに好ましくは85:15~30:70、特に好ましくは80:20~40:60、最も好ましくは80:20~55:45である。質量比が上記の範囲内であれば、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は、全光線透過率が効果的に低下し、ヘイズが効果的に増加し、本発明の弾球遊技用樹脂基盤の表面に印刷フィルムを直接貼り合わせても、印刷フィルムの演色性が優れ、好ましい。
本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、全光線透過率が80%以下であり、好ましくは70%以下であり、より好ましくは60%以下、特に好ましくは50%以下である。全光線透過率が80%以下であれば、本発明の弾球遊技用樹脂基盤は充分に不透明となり、表面に印刷フィルムを直接貼り合わせても、印刷フィルムの演色性が優れ、好ましい。
本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、ヘイズが10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上である。ヘイズが10%以上であれば、本発明の弾球遊技用樹脂基盤は充分に不透明となり、表面に印刷フィルムを直接貼り合わせても、印刷フィルムの演色性が優れ、好ましい。
一態様において、第2の透明熱可塑性樹脂(B)はメタクリル系樹脂(PM)を含むことができる。この場合、メタクリル系重合体(PM)との屈折率差が0.01以上である第1の透明熱可塑性樹脂(A)としては、変性メタクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合体)、及びABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹;ポリ塩化ビニル;ポリエステル;ポリアミド;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール等が挙げられる。
屈折率差|n-n|が0.01以上であり、互いに非相溶な第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の組合せとしては、第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含む組合せが挙げられる。
一般的にポリカーボネート系樹脂(PC)は耐衝撃性等に優れる樹脂である。樹脂組成物(M)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含む場合、本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、釘打ち時の樹脂割れが抑制され、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好なものとなり、好ましい。
一般的にメタクリル系樹脂(PM)は光沢、透明性、及び表面硬度等に優れる樹脂である。樹脂組成物(M)がメタクリル系樹脂(PM)を含む場合、本発明の弾球遊技用樹脂基盤は、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好で、表面硬度が優れるものとなり、好ましい。
以下、第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含む態様について、説明する。
(第1の透明熱可塑性樹脂(A))
<ポリカーボネート系樹脂(PC)>
第1の透明熱可塑性樹脂(A)は、好ましくはポリカーボネート系樹脂(PC)を含む。
本明細書において、ポリカーボネート系樹脂(PC)は、特に明記しない限り、ビスフェノールA型ポリカーボネート系樹脂等の一般的な非変性ポリカーボネート樹脂である。
ポリカーボネート系樹脂(PC)は、好適には1種以上の二価フェノールと1種以上のカーボネート前駆体とを共重合して得られる。二価フェノールとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)サルファイド、及びビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、中でもビスフェノールAが好ましい。カーボネート前駆体としては、ホスゲン等のカルボニルハライド;ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル;二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂(PC)の製造方法としては、二価フェノールの水溶液とカーボネート前駆体の有機溶媒溶液とを界面で反応させる界面重合法、及び、二価フェノールとカーボネート前駆体とを高温、減圧、無溶媒条件下で反応させるエステル交換法等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂(PC)の重量平均分子量(MW)は、好ましくは10,000~100,000、より好ましくは20,000~70,000である。Mwが10,000以上であることで、本発明の弾球遊技用樹脂基盤は耐衝撃性及び耐熱性に優れるものとなる。Mwが100,000以下であることで、ポリカーボネート系樹脂(PC)は成形性に優れ、本発明の弾球遊技用樹脂基盤の生産性を高められる。
加熱溶融成形の安定性の観点から、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含む第1の透明熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは1~30g/10分、より好ましくは3~20g/10分、特に好ましくは5~10g/10分である。本明細書において、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含む第1の透明熱可塑性樹脂(A)のMFRは、特に明記しない限り、メルトインデクサーを用いて、温度300℃、1.2kg荷重下の条件で測定される値である。
ポリカーボネート系樹脂(PC)は市販品を用いてもよい。住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「カリバー(登録商標)」及び「SDポリカ(登録商標)」、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロン/ノバレックス(登録商標)」、出光興産株式会社製「タフロン(登録商標)」、及び帝人化成株式会社製「パンライト(登録商標)」等が挙げられる。
(第2の透明熱可塑性樹脂(B))
第2の透明熱可塑性樹脂(B)は、好ましくはメタクリル系樹脂(PM)を含む。耐衝撃性向上の観点から、第2の透明熱可塑性樹脂(B)は、メタクリル系樹脂(PM)と多層構造ゴム粒子(RP)とを含有するメタクリル系樹脂組成物(多層構造ゴム粒子含有メタクリル系樹脂とも言う。)であってもよい。
メタクリル系樹脂(PM)は光沢、透明性、及び表面硬度等に優れる樹脂であるが、一般的にメタクリル系樹脂単独では耐衝撃性が不充分である。メタクリル系樹脂(PM)に多層構造ゴム粒子(RP)を添加することで、耐衝撃性が改善され、釘打ち時の樹脂割れが抑制される。釘打ち時の樹脂割れが抑制される結果、樹脂割れによる打ち釘の保持力の低下が抑制される。
なお、第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含む態様では、ポリカーボネート系樹脂(PC)によって耐衝撃性が改善されるため、多層構造ゴム粒子(RP)の使用は必須ではない。
第2の透明熱可塑性樹脂(B)が多層構造ゴム粒子(RP)を含む場合、第2の透明熱可塑性樹脂(B)中の多層構造ゴム粒子(RP)の濃度が高くなる程、耐衝撃性が高くなるが、NC(numerical control machining)加工機(多軸孔開け機)等を用いた孔開け加工又はルータ(トリミング)等を用いた切削加工の際には、樹脂融着により適切な加工が困難となる恐れがある。
第2の透明熱可塑性樹脂(B)中のメタクリル系樹脂(PM)の含有量は85~50質量%であり、好ましくは80~55質量%、より好ましくは78~60質量%、特に好ましくは76~64質量%である。第2の透明熱可塑性樹脂(B)中の多層構造ゴム粒子(RP)の含有量は15~50質量%であり、好ましくは20~45質量%、より好ましくは22~40質量%、特に好ましくは24~36質量%である。第2の透明熱可塑性樹脂(B)の組成をこのように設計することで、釘打ち時の樹脂割れが抑制され、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好な弾球遊技用樹脂基盤が安定的に得られる。
加熱溶融成形の安定性の観点から、メタクリル系樹脂(PM)を含む第2の透明熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは1~10g/10分、より好ましくは1.5~7g/10分、特に好ましくは2~4g/10分である。本明細書において、メタクリル系樹脂(PM)を含む第2の透明熱可塑性樹脂(B)のMFRは、特に明記しない限り、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定される値である。
<メタクリル系樹脂(PM)>
メタクリル系樹脂(PM)は、好ましくはメタクリル酸メチル(MMA)を含む1種以上のメタクリル酸炭化水素エステル(以下、単に「メタクリル酸エステル」とも言う。)に由来する構造単位を含む単独重合体又は共重合体である。メタクリル酸エステル中の炭化水素基は、メチル基、エチル基、及びプロピル基等の非環状脂肪族炭化水素基であっても、脂環式炭化水素基であっても、フェニル基等の芳香族炭化水素基であってもよい。メタクリル系樹脂(PM)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
メタクリル系樹脂(PM)は、メタクリル酸エステル以外の1種以上の他の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-メトキシエチル、アクリル酸3-メトキシブチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、及びアクリル酸3-ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル等が挙げられる。中でも、入手性の観点から、MA、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、及びアクリル酸tert-ブチル等が好ましく、MA及びアクリル酸エチル等がより好ましく、MAが特に好ましい。メタクリル系樹脂(PM)における他の単量体に由来する構造単位の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
メタクリル系樹脂(PM)は、好ましくはMMAを含む1種以上のメタクリル酸エステル、及び必要に応じて他の単量体を重合することで得られる。複数種の単量体を用いる場合は、通常、複数種の単量体を混合して単量体混合物を調製した後、重合を行う。重合方法としては特に制限されず、生産性の観点から、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、及び乳化重合法等のラジカル重合法が好ましい。
メタクリル系樹脂(PM)の重量平均分子量(Mw)は特に制限されず、好ましくは40,000~500,000である。Mwが40,000以上であることでメタクリル系樹脂(PM)は耐擦傷性及び耐熱性に優れるものとなり、Mwが500,000以下であることでメタクリル系樹脂(PM)は成形性に優れるものとなる。本明細書において、特に明記しない限り、「Mw」はゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値である。
<多層構造ゴム粒子(RP)>
多層構造ゴム粒子(RP)は、好ましくはアクリル系多層構造ゴム粒子である。多層構造ゴム粒子(RP)としては、1種以上のアクリル酸アルキルエステル共重合体を含む1層以上のグラフト共重合体層を含むアクリル系多層構造ゴム粒子が挙げられる。かかるアクリル系多層構造ゴム粒子としては、特開2004-352837号公報等に開示のものを使用できる。アクリル系多層構造ゴム粒子は好ましくは、炭素数6~12のアクリル酸アルキルエステル単位を含む架橋重合体層を含むことができる。
多層構造ゴム粒子(RP)の層数は特に制限されず、2層でも3層以上でもよい。好ましくは、多層構造ゴム粒子(RP)は、最内層(RP-a)と1層以上の中間層(RP-b)と最外層(RP-c)とを含む3層以上のコアシェル多層構造粒子である。
最内層(RP-a)の構成重合体は、MMA単位とグラフト性又は架橋性単量体単位とを含み、さらに必要に応じて1種以上の他の単量体単位を含むことができる。最内層(RP-a)の構成重合体中のMMA単位の含有量は、好ましくは80~99.99質量%、より好ましくは85~99質量%、特に好ましくは90~98質量%である。3層以上の多層構造粒子(RP)中の最内層(RP-a)の割合は、好ましくは0~15質量%、より好ましくは7~13質量%である。最内層(RP-a)の割合がかかる範囲内にあることで、第2の透明熱可塑性樹脂(B)の耐熱性を高めることができる。
中間層(RP-b)の構成重合体は、炭素数6~12のアクリル酸アルキルエステル単位とグラフト性又は架橋性単量体単位とを含み、さらに必要に応じて1種以上の他の単量体単位を含むことができる。中間層(RP-b)の構成重合体中のアクリル酸アルキルエステル単位の含有量は、好ましくは70~99.8質量%、より好ましくは75~90質量%、特に好ましくは78~86質量%である。3層以上の多層構造ゴム粒子(RP)中の中間層(RP-b)の割合は、好ましくは40~60質量%、より好ましくは45~55質量%である。中間層(RP-b)の割合がかかる範囲内であることで、熱可塑性樹脂組成物層の表面硬度を高め、熱可塑性樹脂組成物層を割れ難くすることができる。
最外層(RP-c)の構成重合体は、MMA単位を含み、さらに必要に応じて1種以上の他の単量体単位を含むことができる。最外層(RP-c)の構成重合体中のMMA単位の含有量は、好ましくは80~100質量%、より好ましくは85~100質量%、特に好ましくは90~100質量%である。3層以上の多層構造ゴム粒子(RP)中の最外層(RP-c)の割合は、好ましくは35~50質量%、より好ましくは37~45質量%である。最外層(RP-c)の割合がかかる範囲内であることで、熱可塑性樹脂組成物層の表面硬度を高め、熱可塑性樹脂組成物層を割れ難くすることができる。
多層構造ゴム粒子(RP)の粒子径は、好ましくは0.05~0.3μmである。粒子径は、電子顕微鏡観察及び動的光散乱測定等の公知方法により測定することができる。電子顕微鏡観察による測定は例えば、電子染色法により多層構造ゴム粒子(RP)の特定の層を選択的に染色し、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて複数の粒子の粒子径を実測し、それらの平均値を求めることによって行うことができる。動的光散乱法は、粒子径が大きくなる程、粒子のブラウン運動が大きくなるという原理を利用する測定法である。
多層構造ゴム粒子(RP)は、多層構造ゴム粒子(RP)同士の膠着による取り扱い性の低下、及び、溶融混練時の分散不良による耐衝撃性の低下を抑制するため、多層構造ゴム粒子(RP)と分散用粒子(D)とを含むラテックス又は粉体の形態で用いることができる。分散用粒子(D)は例えば、MMAを主とする1種以上の単量体の(共)重合体からなり、多層構造ゴム粒子(RP)よりも相対的に粒子径の小さい粒子を用いることができる。
分散用粒子(D)の粒子径は、分散性向上の観点から、できるだけ小さいことが好ましく、乳化重合法による製造再現性の観点から、好ましくは40~120nm、より好ましくは50~100nmである。分散用粒子(D)の添加量は、分散性向上効果の観点から、多層構造ゴム粒子(RP)と分散用粒子(D)との合計量に対して、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。
<相溶化剤(C)>
樹脂組成物(M)は好ましくは、互いに非相溶な第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含む。この場合、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は、一方の透明熱可塑性樹脂からなる相(海部)内に、他方の透明熱可塑性樹脂からなる粒子状の相(島部)が複数分散した、いわゆる海島構造の相分離構造を有することが多い。
例えば、第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含み、ポリカーボネート系樹脂(PC)の量が過半である場合、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層は、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含む相(海相)内に、メタクリル系樹脂(PM)を含む粒子状の相(島相)が複数分散した、いわゆる海島構造の相分離構造を有することが多い。
海島構造の相分離構造を有する熱可塑性樹脂組成物層では、低い確率ながら、粗大な粒子状の相(島部)が形成される場合がある。この場合、粗大な粒子状の相(島部)の存在によって、釘打ち時に割れが生じる恐れがある。このような恐れがある場合、樹脂組成物(M)には、互いに非相溶な第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の相溶性を向上させる相溶化剤(C)を添加することが好ましい。相溶化剤(C)を添加することで、粒子状の相(島部)の分散粒子径を全体的に小さくしかつ全体的に均一化し、粗大な粒子状の相(島部)の生成とそれによる釘打ち時の割れを効果的に抑制することができる。なお、相溶化剤(C)は、第1の透明熱可塑性樹脂(A)からなる相と第2の透明熱可塑性樹脂(B)からなる相との界面に存在する。
相溶化剤(C)としては、互いに非相溶な第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の相溶性を向上できるもののであればよく、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の種類に応じて、公知のものを選択することができる。相溶化剤(C)は、1種又は2種以上用いることができる。
公知の相溶化剤としては例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、及びこれらの水素添加物等のスチレン系熱可塑性エラストマーに代表される共役ジエン系重合体;アクリル系熱可塑性エラストマー;エチレン-エチルアクリレート-無水マレイン酸共重合体が挙げられる。その他、特開平8-48869号公報及び特開平9-124926号公報に記載の相溶化剤が挙げられる。
市販の相溶化剤としては、日油社製の「モディパーシリーズ」、住友化学社製の「ボンドファーストシリーズ」、東京材料社製の「ボンダインシリーズ」、日本ポリエチレン社製の「レクスパールシリーズ」、東亞合成社製の「サイマック・レゼタシリーズ」、三井化学社製の「アドマーシリーズ」、旭化成社製の「タフテックシリーズ」、及びダウケミカル社製の「パラロイドEXLシリーズ」等が挙げられる。
第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含む態様において、相溶化剤(C)としては、主鎖がポリオレフィンであり、側鎖がメタクリル系樹脂であるグラフト共重合体(例えば、日油社製の「モディパー Aシリーズ」等)、及び、主鎖がポリカーボネート系樹脂であり、側鎖がスチレン系樹脂であるグラフト共重合体(例えば、日油社製の「モディパー Cシリーズ」等)等が好ましい。
相溶化剤(C)としては、第1の透明熱可塑性樹脂(A)及び第2の透明熱可塑性樹脂(B)の双方に対して相溶性を有する樹脂を用いてもよい。
例えば、ポリカーボネート系樹脂(PC)とメタクリル系樹脂(PM)との組合せは非相溶系である一方、メタクリル系樹脂(PM)とAS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合体)との組合せは相溶系、ポリカーボネート系樹脂(PC)とAS樹脂との組合せは相溶系である。そのため、ポリカーボネート系樹脂(PC)とメタクリル系樹脂(PM)との組合せに対して、AS樹脂は相溶化剤(C)として作用することができる。
相溶化剤(C)の添加量は特に制限されず、互いに非相溶な第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の相溶性を向上できる量であればよく、これら樹脂の種類及び配合量に応じて、適宜設計することができる。樹脂組成物(M)中の相溶化剤(C)の添加量は、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。
<添加剤>
樹脂組成物(M)は必要に応じて、上記以外の各種添加剤を含むことができる。添加剤としては特に制限されず、着色剤、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、光拡散剤、艶消し剤、ブロック共重合体等の耐衝撃性改質剤、及び蛍光体等が挙げられる。樹脂組成物(M)中のこれら添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。例えば、酸化防止剤の含有量は0.01~1質量部、紫外線吸収剤の含有量は0.01~3質量部、光安定剤の含有量は0.01~3質量部、滑剤の含有量は0.01~3質量部が好ましい。
樹脂組成物(M)に各種添加剤を添加させる場合、添加タイミングは特に制限されず、第1の透明熱可塑性樹脂(A)の製造時、第2の透明熱可塑性樹脂(B)の製造時、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の混合時のいずれのタイミングでもよい。
<シャルピー衝撃強度と曲げ弾性率>
本発明の弾球遊技用樹脂基盤のJIS K7111に準拠して測定されるシャルピー衝撃強度(測定条件:ノッチあり)は特に制限されず、釘打ち時の樹脂割れを効果的に抑制する観点から、好ましくは3.5kJ/m以上、より好ましくは3.7kJ/m以上、さらに好ましくは3.9kJ/m以上、特に好ましくは4.0kJ/m以上、最も好ましくは4.5kJ/m以上である。
本発明の弾球遊技用樹脂基盤のJIS K7171に準拠して測定される曲げ弾性率は特に制限されず、打ち釘の保持力を良好とする観点から、好ましくは1800~2500MPa、より好ましくは1900~2400MPa、特に好ましくは2000~2300MPaである。
シャルピー衝撃強度及び曲げ弾性率は、熱可塑性樹脂組成物層中のポリカーボネート系樹脂(PC)及び/又は多層構造ゴム粒子(RP)の含有量等によって調整することができる。
(他の樹脂層)
本発明の弾球遊技用樹脂基盤を構成する樹脂シートは、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層と1つ以上の他の樹脂層とからなる積層シートであってもよい。他の樹脂層は、樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層とは組成及び/又は物性が異なればよい。他の樹脂層の構成樹脂としては特に制限されず、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
(樹脂シートの成形方法)
樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層を含む単層構造又は積層構造の樹脂シートは、押出成形法、キャスト成形法、及び射出成形法等の公知の成形方法を用いて成形することができる。樹脂組成物(M)中の第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の均一分散性等の観点から、押出成形法が好ましい。積層シートの場合は、共押出成形法が好ましい。
第1の透明熱可塑性樹脂(A)、第2の透明熱可塑性樹脂(B)、必要に応じて相溶化剤(C)、及び必要に応じて他の添加剤を押出機に投入し、溶融混練し、得られた溶融状態の樹脂組成物(M)をTダイからシート状の形態で押出し、複数の冷却ロールを用いて加圧及び冷却し、引取りロールによって引き取ることで、単層構造の樹脂シートを成形することができる。
積層構造の場合は、溶融状態の各層の樹脂原料をTダイ流入前に積層するフィードブロック方式又はTダイ内部で積層するマルチマニホールド方式にて積層した後、Tダイから積層シート状の形態で押出し、複数の冷却ロールを用いて加圧及び冷却し、引取りロールによって引き取ることで、成形することができる。
すべての原料についてバージン材を用いてもよいが、本発明では、弾球遊技用樹脂基盤の不透明化の観点から、少なくとも一部の原料はリワーク材を用いることが好ましい。すべての原料について、リワーク材を用いてもよい。
「バージン材」とは、過去に成形加工に供されたことが一度もない成形材料である。
「リワーク材」とは、過去に、シート、フィルム、又は他の任意の形状の成形品として1回以上成形加工されたことのある成形材料である。リワーク材として利用される成形品としては、押出成形においてシート幅方向の両端部のトリミング処理によって生成された端材、押出成形において生産条件の調整時等に発生する板厚等の物性が規格外である規格外品、弾球遊技用樹脂基盤の切削加工によって生じる端材、押出成形以外の方法で成形された規格外成形品(射出成形品等)等が挙げられる。製品として出荷されない端材及び規格外品等を用いて得られたリワーク材を用いることで、資源を有効利用でき、好ましい。
リワーク材の形態としては、端材及び規格外品等のリワーク材用成形品を公知方法にて粉砕して得られた粉砕物、又は、この粉砕物を押出機等を用いて溶融混練し、ペレット等の形態に加工した加工物等が挙げられる。粉砕物を用いる場合、粉砕の程度は、押出機による溶融混練が安定して行える範囲であれば特に限定されない。粉砕物は例えば、最長長さが1~15mm程度のフレーク状不定形物であることが好ましい。
一般的に、リワーク材の使用量が増加するにつれて、弾球遊技用樹脂基盤の内部に樹脂劣化によるヤケ異物及びゴム粒子の凝集物等の異物がより多く発生する傾向がある。
透明樹脂シートの場合、上記異物は欠点として視認されるため、外観品質上好ましくなく、製品として不適切である。押出機の先端にスクリーンメッシュ等のフィルターを設置することで、上記異物をろ過により取り除くことができる。しかしながら、長時間生産後にフィルターが目詰まりすれば、押出機を停止して、フィルターを新品に交換する必要があり、生産性が低下する。
本発明の不透明な弾球遊技用樹脂基盤は全体的に白っぽく見えるため、内部に異物が存在していても、遊技者からは異物が欠点として視認されにくく、外観品質上不良品とならない。本発明では、弾球遊技用樹脂基盤の内部に異物が存在していても外観品質上問題とならないため、原料の少なくとも一部に、異物を生成しやすいリワーク材を用いることができ、フィルターを用いて異物を除去する必要もない。リワーク材の使用は、シートの不透明化、原料コスト低減、及び地球環境保護の観点から、好ましい。また、異物を除去するフィルターの不使用は、生産性の観点から、好ましい。
上記のように、本発明の不透明な弾球遊技用樹脂基盤では異物を許容することができ、原料の少なくとも一部に異物を生成しやすいリワーク材を用いる場合にも、異物を除去するフィルターを使用しなくてもよい。ただし、本発明で使用する不透明な弾球遊技用樹脂基盤の製造工程においても、押出機の先端にスクリーンメッシュ等のフィルターを設置して、異物を取り除いてもよい。この場合でも、不透明な樹脂シートでは内部の異物が視認されにくいため、フィルターの目開きを比較的大きく設定することができ、生産開始からフィルターが目詰まりを起こすまでの時間をより長くし、フィルターの交換頻度を少なくすることができる。
リワーク材の使用量は、必要な光学特性、表面硬度、外観、及び耐熱性等の物性を損なわない範囲内で、調整することができる。樹脂組成物(M)からなる熱可塑性樹脂組成物層の全原料のうち5~100質量%、好ましくは10~90質量%、さらに好ましくは20~80、特に好ましくは30~75質量%、最も好ましくは40~70質量%が、弾球遊技用樹脂基盤に使用される前に1回以上成形加工に使用されたことのあるリワーク材であることが好ましい。
バージン材とリワーク材とを併用する場合、リワーク材は、第1の透明熱可塑性樹脂(A)単独材料又は第2の透明熱可塑性樹脂(B)単独材料でもよいし、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)を含む混合材料でもよいし、第1の透明熱可塑性樹脂(A)及び第2の透明熱可塑性樹脂(B)以外の1種以上の任意の材料(例えば、相溶化剤(C))でもよい。
[印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤]
本発明の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤は、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂組成物層を含む上記の本発明の不透明な弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、接着剤層を介して、印刷加工を施された透明フィルムが積層されたものである。
図面を参照して、本発明に係る一実施形態の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤の構成について、説明する。図1は要部模式断面図である。
本実施形態の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤1は、屈折率差が0.01以上である第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有し、全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上である熱可塑性樹脂組成物層を含み、厚みが8~22mmである本発明の弾球遊技用樹脂基盤10と、その一方の面に積層された印刷フィルム20とを含む。印刷フィルム20は、弾球遊技用樹脂基盤10の一方の面(遊技者側の面)に接着剤層30を介して積層されている。
印刷フィルム20は、基材フィルムである透明フィルム21の一方の面に、文字、数字、記号、模様、パターン、図形、及び写真等の印刷加工が施されて、印刷層22が形成されたものである。印刷フィルム20の弾球遊技用樹脂基盤10との貼合せ面には、弾球遊技用樹脂基盤10の表面に貼り合わされる前にあらかじめ接着剤層30が形成されていてもよい。接着剤層30は、弾球遊技用樹脂基盤10の印刷フィルム20との貼合せ面にあらかじめ形成されていてもよい。弾球遊技用樹脂基盤10の表面に印刷フィルム20を貼り合わせることで、意匠性が向上し、娯楽性が向上する。また、印刷フィルム20は、弾球遊技用樹脂基盤10の表面に隠蔽性を有する白色等の紙又はフィルムを介して、接着されていてもよい。
印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤1には、印刷フィルム20側から印刷フィルム20を貫通して弾球遊技用樹脂基盤10の内部又は裏面に到達する1つ以上の釘打ち用の孔(図示略)が形成され、各釘打ち用の孔の内部に釘(図示略)が打ち込まれる。
遊技者は、図示上方から矢印Aの方向に印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤1を視認する。本実施形態では、弾球遊技用樹脂基盤10が全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上の不透明な基盤であるので、弾球遊技用樹脂基盤10の表面に印刷フィルム20を直接貼り合わせても、印刷フィルム20の演色性が優れ、好ましい。
印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤1は、上記以外の構成要素を有していてもよい。例えば、演出効果向上のために、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤1の裏面側(図示下側)に、液晶表示パネル等の表示パネル及びLED(発光ダイオード)等の照明装置等を取り付けてもよい。
(印刷フィルム)
印刷フィルムの基材フィルムである透明フィルムとしては特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム;メタクリル系樹脂フィルム;メタクリル系樹脂とアクリル系ゴム粒子とを含む耐衝撃メタクリル系樹脂フィルム;ポリ塩化ビニル樹脂フィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム;セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)フィルム;セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)フィルム等が挙げられる。中でも、印刷性、弾球遊技用樹脂基盤との貼り合わせやすさ、孔開け加工性、切削加工性、環境試験における弾球遊技用樹脂基盤の反り抑制、及び環境試験における印刷フィルムの剥離の抑制等の観点から、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、アクリル系ゴム粒子を含む耐衝撃メタクリル系樹脂フィルム、及びポリ塩化ビニル系樹脂フィルム等が好ましい。
印刷加工は、公知方法にて行うことができる。
印刷フィルムの厚みを厚くすると、印刷性及び取り扱い性を向上でき、また、接着剤層の厚みを厚くできるため、環境試験において印刷フィルムの弾球遊技用樹脂基盤からの浮き又は剥離を効果的に抑制できる傾向がある。透明フィルムの厚みを薄くすると、印刷加工時の作業性を向上でき、また、切削加工時のバリ(切削屑)及び剥離を効果的に抑制できる傾向がある。かかる観点から、印刷フィルムの厚みは、好ましくは30~100μm、より好ましくは50~80μmである。
接着剤層に用いて好適な接着剤は、弾球遊技用樹脂基盤と印刷フィルムとを良好に貼り付けることができればよく、特に制限されないが、アクリル酸エステル共重合体を含む公知のアクリル系接着剤が好ましい。アクリル酸エステル共重合体を含む接着剤は、常温(20~25℃)でも接着剤としての機能を良好に発現することができ、接着時に熱をかけても、印刷フィルムの剥がれが起こらないため好ましい。アクリル酸エステル共重合体中のアルキル基としては特に制限されず、メチル基、エチル基、ブチル基、及び2-エチルヘキシル基等が挙げられる。中でも、エチル基が好ましい。すなわち、アクリル酸エステル共重合体としては、アクリル酸エチル共重合体が好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤を提供することができる。
本発明の弾球遊技用樹脂基盤において、第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂(PM)を含むことが好ましい。かかる態様によれば、釘打ち時の樹脂割れが抑制され、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好で、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤を提供することができる。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
[評価項目及び評価方法]
評価項目及び評価方法は、以下の通りである。
(重量平均分子量(Mw))
樹脂のMwは、下記の手順でGPC法により求めた。GPC装置として、示差屈折率検出器(RI検出器)を備えた東ソー株式会社製のHLC-8320(品番)を使用した。溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた。カラムとして東ソー株式会社製の「TSKgel SuperMultipore HZM-M」の2本と「SuperHZ4000」とを直列に繋いだものを用いた。樹脂4mgをテトラヒドロフラン(THF)5mlに溶解させて試料溶液を調製した。カラムオーブンの温度を40℃に設定し、溶離液流量0.35ml/分の条件で、試料溶液20μlを注入して、クロマトグラムを測定した。分子量が400~5,000,000の範囲内にある標準ポリスチレン10点についてGPC測定を行い、保持時間と分子量との関係を示す検量線を作成した。この検量線に基づいてMwを決定した。
(多層構造ゴム粒子の含有量)
多層構造ゴム粒子を含む弾球遊技用樹脂基盤を約80℃で一昼夜(12時間以上)乾燥した後、約0.7gの小片を切り出し、精秤した(W1)。その後、80mLのアセトンで小片を溶解させ、室温で約1日間静置した。得られた懸濁液を遠沈管内に入れ、久保田製作所製の遠心分離機(テーブルトップ、多本架遠心機、7780II)を用い、15000rpmで5分間の遠心分離を行った。上澄み液をデカンテーションにより除いた後、新たにアセトン80mLを加え、室温で1時間静置した。さらに、上記と同一方法と条件で遠心分離とデカンテーションを3回繰り返した。以上の操作後に得られた沈殿物をビーカーに移し、80℃のホットプレートを用いて加熱することで、アセトンを除去した。得られた樹脂の質量を精秤した(W2)。次式により、多層構造ゴム粒子の含有量(質量%)を算出した。
多層構造ゴム粒子の含有量(質量%)={W2/W1}×100
(屈折率)
各例で作製した弾球遊技用樹脂基盤と同じ組成の試験片(3cm×3cm、厚さ3mm)をプレス成形にて作製した。得られた試験片について、カルニュー光学工業株式会社「KPR-200」を用い、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、測定波長587.6nm(D線)の条件で、屈折率(n23D)を測定した。
(全光線透過率とヘイズ)
弾球遊技用樹脂基盤から50×50mmの試験片を切り出し、村上色彩技術研究所製「HM-150」を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。
(シャルピー衝撃強度)
ダイヤモンドソーを用いて弾球遊技用樹脂基盤を切削し、80mm×10mm×4mm(片側Vノッチ付き)の試験片を作製し、JIS-K7111に準拠して、温度23℃相対湿度47%の条件で衝撃強度を測定した。測定を10回行い、平均値をシャルピー衝撃強度とした。
(曲げ弾性率)
ダイヤモンドソーを用いて弾球遊技用樹脂基盤を切削し、80mm×10mm×4mmの試験片を作製した。JIS-K7171に準拠し、島津製作所製「オートグラフAG-10TBR」を用いて、温度23℃、相対湿度47%の条件で曲げ弾性率を測定した。測定を5回行い、平均値を曲げ弾性率とした。
(釘打ち時の樹脂割れの有無)
弾球遊技用樹脂基盤に対して、ボール盤を用い、1.73mmφ径のドリルで、1個の貫通孔を形成した。次に、(株)島津製作所社製「オートグラフAG-2000B」を用い、上記貫通孔の内部に、500mm/minのスピードで、真鍮製ネジリ釘丸先(1.85mmφ径、釘頭を除いた部分の長さ26.5mm、ネジ部の長さ5.5mm)を基盤厚の深さ分だけ打ち込んだ。同操作を20回繰り返し、目視にて、打ち釘の周辺の樹脂割れの有無を下記基準にて評価した。
<判定基準>
A(良):すべての釘打ち部の周辺に、樹脂割れが発生しなかった。
B(可):1~2箇所の釘打ち部の周辺に、樹脂割れが発生した。
C(不可):3箇所以上の釘打ち部の周辺に、樹脂割れが発生した。
(釘の保持力)
弾球遊技用樹脂基盤に対して、ボール盤を用い、1.73mmφ径のドリルで、間隔を空けて10個の貫通孔を形成した。次に、(株)島津製作所社製「オートグラフAG-2000B」を用い、各貫通孔の内部に、500mm/minのスピードで、真鍮製ネジリ釘丸先(1.85mmφ径、釘頭を除いた部分の長さ26.5mm、ネジ部の長さ5.5mm)を基盤厚の深さ分だけ打ち込んだ。次に、熱風オーブンを用い、上記基盤を吊り下げ状態で1時間45℃で加熱した後、熱風オーブンから基盤を取り出し、室温下で充分に自然冷却した。
次に、(株)島津製作所社製オートグラフ「AG-2000B」を用い、基盤に打ち込まれた10本の釘についてそれぞれ、釘頭をチャックで把持し、毎分25mmの速度で引き抜いた時の最大荷重(kg)を測定した。最大荷重の平均値を釘抜き強度として求めた。なお、釘打ち部の周辺に樹脂割れの生じているものは測定対象外とした。下記基準にて評価した。
<判定基準>
A(良):釘抜き強度が50kgf以上。
B(可):釘抜き強度が20kgf以上50kgf未満。
C(不可):釘抜き強度が20kgf未満。
(切削加工性)
NCルータ(庄田鉄工株式会社製、ベーシックNCルータマシン「NC5001」)に超硬ルータビット(庄田鉄工株式会社製、直径:3mm、刃の角度:逃げ角17度、すくい角:25度、歯数:1、材質:超硬鋼材)を使用し、回転速度17000rpm、切削速度1.5m/分、切削長さ28mmの切削加工条件で、切削粉片吸引方式にて冷却しながら樹脂シートの孔開け切削加工を行い、加工面の表面粗さ(算術平均粗さRa(μm))を評価した。
算術平均粗さRa(μm)は、JIS B 0601(2001)に準拠して測定した。算術平均粗さRaは、株式会社小坂研究所製サーフコーダ「SE700」を使用し、測定倍率2000、測定速度0.5mm/秒、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mmの条件にて測定した。下記基準にて評価した。
<光沢の判定基準>
A(良):切削加工面の全面が光沢を有する。
B(可):切削加工面の一部に光沢を有さない箇所がある。
C(不可):切削加工面の全面が光沢を有さない。
<欠けの判定基準>
A(良):切削加工面の全面に欠けがない。
B(可):切削加工面の一部に欠けが存在する。
C(不可):切削加工面の全面に欠けが存在する。
<融着の判定基準>
A(良):切削加工面の全面に融着がない。
B(可):切削加工面の一部に融着が存在する。
C(不可):切削加工面の全面に融着が存在する。
(印刷フィルムの演色性)
透明フィルムとして75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レフィルム加工(株)製、「ルミラー タイプT-60」)を用意した。このPETフィルムの一方の面に、オフセット印刷にて、赤色、黄色、橙色、緑色、水色、青色、紫色、白色、及び黒色をそれぞれ任意の形状で印刷し、印刷層を形成した。この印刷層上にアクリル酸エステル共重合体を含む市販のアクリル系接着剤を35μm厚で塗布して、接着剤層を形成した。
各例において、評価用に2つの弾球遊技用樹脂基盤を用意した。
第1の弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、上記のようにして得られた接着剤層付き印刷フィルムを直接貼り付けて、第1の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(X)を得た。
第2の弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、白原着樹脂フィルム(染料を用いて全体が均一に白色に着色されたPETフィルム、75μm厚)を接着剤層(アクリル酸エステル共重合体を含む市販のアクリル系接着剤、35μm厚)を介して貼り合わせた。さらに、この白原着樹脂フィルム上に、上記のようにして得られた接着剤層付き印刷フィルムを貼り付けて、第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(Y)を得た。
得られた第1、第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(X)、(Y)についてそれぞれ、三波長型蛍光灯を用いて照度2300~2600ルックスとなっている室内で、印刷フィルム側から目視確認し、下記基準にて評価した。
<判定基準>
A(良):第1の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(X)と第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(Y)との色調の違いが目視では確認できない。印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性が良い。
B(可):第1の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(X)と第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(Y)との色調の違いが目視でやや確認できる。印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性がやや劣る。
C(不可):第1の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(X)と第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(Y)との色調の違いが目視で明確に確認できる。印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性が悪い。
[材料]
用いた材料は、以下の通りである。
<ポリカーボネート系樹脂>
(PC1)
住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「SDポリカ(登録商標)」(温度300℃、1.2kg荷重下でのMFR=6.7g/10分。
<メタクリル系樹脂(PM)>
(PM1)メタクリル酸メチル(MMA)単位とアクリル酸メチル(MA)単位とからなるメタクリル系共重合体(MMA:MA(質量比)=94:6、Mw=120,000)。
<多層構造ゴム粒子(RP)>
(RP1)
以下の組成の共重合体からなる最内層(RP-a1)、中間層(RP-b1)、及び最外層(RP-c1)を順次形成して、3層構造のアクリル系多層構造ゴム粒子(RP1)を製造した。動的光散乱測定による粒子径は0.23μmであった。
最内層(RP-a1):メタクリル酸メチル(MMA)単位/アクリル酸メチル(MA)単位/架橋性単量体であるメタクリル酸アリル単位(質量比)=32.91/2.09/0.07、
中間層(RP-b1):アクリル酸ブチル単位/スチレン単位/架橋性単量体であるメタクリル酸アリル単位(質量比)=37.00/8.00/0.90、
最外層(RP-c1):メタクリル酸メチル(MMA)単位/アクリル酸メチル(MA)単位(質量比)=18.80/1.20。
<分散用粒子(D)>
(D1)メタクリル系共重合体粒子、メタクリル酸メチル(MMA)単位/アクリル酸メチル単位(質量比)=90/10、動的光散乱測定による粒子径:0.11μm。
<多層構造ゴム粒子含有粉体(RD1)>
多層構造ゴム粒子(RP1)を含むラテックスと分散用粒子(D1)を含むラテックスとを固形分質量比67対33の割合で混合した。得られた混合ラテックスを-30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したラテックスの2倍量の90℃温水に凍結ラテックスを投入し、溶解してスラリーとした後、20分間90℃に保持して脱水し、80℃で乾燥して多層構造ゴム粒子含有粉体(RD1)を得た。
<多層構造ゴム粒子含有メタクリル系樹脂>
(HI)
メタクリル系樹脂(PM1)と多層構造ゴム粒子含有粉体(RD1)とを質量比58対42の割合でドライブレンドし、単軸押出機を用いて溶融混練し、メタクリル系樹脂(HI)を得た。
<AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合体)>
(AS1)日本エイアンドエル株式会社製「ライタックA 100PCF」。
<相溶化剤(C)>
(C1)日油株式会社製「モディパーA4300」(主鎖がエチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、側鎖がアクリル酸ブチル-メタクリル酸メチル共重合体であるグラフト共重合体)。
(C2)日油株式会社製「モディパーCL-430G」(主鎖がポリカーボネート系樹脂、側鎖がメタクリル酸グリシジル-スチレン-アクリロニトリル共重合体であるグラフト共重合体)。
[実施例1]
第1の透明熱可塑性樹脂(A)としてのポリカーボネート系樹脂(PC1)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)としてのメタクリル系樹脂(PM1)とを質量比90対10の割合でドライブレンドした。なお、すべての原料樹脂についてバージン材を用いた。押出機として150mmφ単軸押出機(東芝機械株式会社製)を用いて、上記ドライブレンド材料の溶融混練を行い、溶融状態の樹脂をTダイから押出した。押出された溶融樹脂を複数の金属製冷却ロールを用いて加圧及び冷却することにより、ポリカーボネート系樹脂(PC1)とメタクリル系樹脂(PM1)とを含む単層構造の樹脂シートからなる弾球遊技用樹脂基盤(厚み10mm)を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。以降の例において、表1に記載のない条件は共通条件とした。
[実施例2、3]
第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の種類と配合比を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
[実施例4~6]
表1に示す組成となるように、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)と相溶化剤(C)とをドライブレンドした。得られたドライブレンド材料を用いて、実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
[実施例7]
実施例7では、実施例5と同じ組成の条件で、実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。ただし、実施例7では、ポリカーボネート系樹脂(PC1)の全量及びメタクリル系樹脂(PM1)の全量については、リワーク材を用いた。ポリカーボネート系樹脂(PC1)のリワーク材としては、ポリカーボネート系樹脂(PC1)単独を押出成形して得られた樹脂シートを粉砕して得られた、長さが1~15mm程度のフレーク状不定形物を用いた。メタクリル系樹脂(PM1)のリワーク材としては、メタクリル系樹脂(PM1)単独を押出成形して得られた樹脂シートを粉砕して得られた、長さが1~15mm程度のフレーク状不定形物を用いた。相溶化剤(C1)については、全量、バージン材を用いた。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
[比較例1]
表1に示す第1の透明熱可塑性樹脂(A)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
[比較例2]
表1に示す第2の透明熱可塑性樹脂(B)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
[比較例3]
第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の種類と配合比を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を得、評価した。主な製造条件と評価結果をそれぞれ、表1、表2に示す。
Figure 0007232102000001
Figure 0007232102000002
[結果のまとめ]
実施例1~6では、第1の透明熱可塑性樹脂(A)としてのポリカーボネート系樹脂(PC1)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)としてのメタクリル系樹脂(PM1)とを含有し、第1の透明熱可塑性樹脂(A)の屈折率(n)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の屈折率(n)との差の絶対値が0.01以上である熱可塑性樹脂組成物層からなり、厚みが8~22mmの範囲内である単層構造の弾球遊技用樹脂基盤を製造した。
これら実施例ではいずれも、シャルピー衝撃強度が3.5kJ/m以上、曲げ弾性率が1800~2500MPaであり、耐衝撃性が良好で、釘打ち時の樹脂割れが抑制され、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好な弾球遊技用樹脂基盤が得られた。これら実施例ではいずれも、全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上であり、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤が得られた。
相溶化剤(C)を添加しなかった実施例1~3に対して、相溶化剤(C)を添加した実施例4~6では、「釘打ち時の樹脂割れの有無」の評価結果がBからAにランクアップした。相溶化剤(C)を添加しなかった実施例1~3では、低い確率ながら層内に粗大なメタクリル系樹脂(PM)の粒子が生成される場合がある。この場合、粗大なメタクリル系樹脂(PM)の粒子の存在によって、釘打ち時に割れが生じる恐れがある。相溶化剤(C)を添加した実施例4~6では、メタクリル系樹脂(PM)の分散粒子径が全体的に均一化されるので、粗大なメタクリル系樹脂(PM)の粒子の生成とそれによる釘打ち時の割れを効果的に抑制することができる。
なお、ポリカーボネート系樹脂(PC1)とメタクリル系樹脂(PM1)との組合せは非相溶系である一方、メタクリル系樹脂(PM1)とAS樹脂(AS1)との組合せは相溶系、ポリカーボネート系樹脂(PC1)とAS樹脂(AS1)との組合せは相溶系である。そのため、ポリカーボネート系樹脂(PC1)とメタクリル系樹脂(PM1)との組合せに対して、AS樹脂(AS1)は相溶化剤(C)として作用することができる。
実施例7では、第1の透明熱可塑性樹脂(A)及び第2の透明熱可塑性樹脂(B)の全量にリワーク材を用いた以外は実施例5と同様にして、弾球遊技用樹脂基盤を製造したところ、実施例5と同様の結果が得られた。原料の少なくとも一部にリワーク材を用いても、釘打ち時の樹脂割れが抑制され、打ち釘の保持力が良好で、切削加工性が良好で、印刷フィルムを直接積層した場合にも印刷フィルムの演色性が良好な弾球遊技用樹脂基盤が得られることが確認された。
比較例1では、ポリカーボネート系樹脂(PC1)を単独で用いたため、得られた弾球遊技用樹脂基盤は全光線透過率が高く、透明であり、印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性が不良であった。
比較例2では、メタクリル系樹脂(PM1)を単独で用いたため、得られた弾球遊技用樹脂基盤は全光線透過率が高く、透明であり、印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性が不良であった。さらに、得られた弾球遊技用樹脂基盤は、耐衝撃性が不良であり、釘打ち時に樹脂割れが発生し、切削加工時に欠けが発生した。
比較例3では、第1の透明熱可塑性樹脂(A)としてAS樹脂(AS1)を用い、第2の透明熱可塑性樹脂(B)としてのメタクリル系樹脂(PM1)を用いた。AS樹脂(AS1)とメタクリル系樹脂(PM1)との組合せは相溶系であるため、得られた弾球遊技用樹脂基盤は全光線透過率が高く、透明であり、印刷フィルムを直接積層した場合の印刷フィルムの演色性が不良であった。さらに、得られた弾球遊技用樹脂基盤は、耐衝撃性が不良であり、釘打ち時に樹脂割れが発生し、切削加工時に欠けが発生した。
なお、比較例1~3において、透明な弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、白原着樹脂フィルムを介して印刷フィルムを積層して得られた第2の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤(Y)は、印刷フィルムの演色性が良好であったが、本来不要な白色フィルムの材料費及び白色フィルムを貼り合わせる工程が増えるため、コスト増となり、好ましくない。
[従来例1]
弾球遊技用樹脂基盤用として広く使用されている板厚19mmのベニヤ合板(ラワン材)を用意し、釘の保持力を測定した。孔開け加工をせずに、ベニヤ合板に直接釘を打ち付けた以外は実施例1~7と同様の方法で評価を実施した。結果はC評価(18kgf)であり、いずれの実施例よりも劣る結果であった。
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
1 印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤
10 弾球遊技用樹脂基盤
20 印刷フィルム
21 透明フィルム
22 印刷層
30 接着剤層

Claims (11)

  1. 屈折率の異なる第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)とを含有する熱可塑性樹脂組成物層を含む弾球遊技用樹脂基盤であって、
    厚みが8~22mmであり、
    第1の透明熱可塑性樹脂(A)の屈折率(n)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)の屈折率(n)との差の絶対値が0.01以上であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物層中の第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との質量比が98:2~2:98であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物層は、全光線透過率が80%以下かつヘイズが10%以上である、弾球遊技用樹脂基盤。
  2. JIS K7111に準拠して測定されるシャルピー衝撃強度が3.5kJ/m以上である、請求項1に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  3. JIS K7171に準拠して測定される曲げ弾性率が1800~2500MPaである、請求項1又は2に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物層はさらに、第1の透明熱可塑性樹脂(A)と第2の透明熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、0.1~30質量部の相溶化剤(C)を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  5. 第1の透明熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート系樹脂を含み、第2の透明熱可塑性樹脂(B)がメタクリル系樹脂を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物層と1つ以上の他の樹脂層とからなる積層シートである、請求項1~5のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物層の全原料のうち5~100質量%が、前記弾球遊技用樹脂基盤に使用される前に1回以上成形加工に使用されたことのあるリワーク材である、請求項1~6のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤。
  8. 前記熱可塑性樹脂組成物層の全原料のうち5~100質量%に、前記弾球遊技用樹脂基盤に使用される前に1回以上成形加工に使用されたことのあるリワーク材を用いて、前記熱可塑性樹脂組成物層を含む樹脂シートを押出成形する工程を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤の製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の弾球遊技用樹脂基盤の一方の面に、接着剤層を介して、透明フィルムの一方の面に印刷加工が施された印刷フィルムが積層された、印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
  10. 前記印刷フィルム側から当該印刷フィルムを貫通して前記弾球遊技用樹脂基盤の内部又は裏面に到達する釘打ち用の孔が形成された、請求項9に記載の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
  11. 前記釘打ち用の孔の内部に釘が打ち込まれた、請求項10に記載の印刷フィルム付き弾球遊技用樹脂基盤。
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