JP7229087B2 - 防火戸用の開閉体 - Google Patents

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Description

本発明は、防火戸用の開閉体に関する。
従来、建物の開口部に設けられる木製の扉を対象として、扉の開閉体が防火性能を有する技術が提案されている。このような技術においては、芯材と、芯材の見付面を覆うように設けられた化粧合板と、芯材と化粧合板との相互間に設けられた耐火シートと、耐火シートと芯材との相互間に設けられた不燃紙とを有する開閉体を備えた扉が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、この開閉体を構成する構成要素(芯材、化粧合板、耐火シート、不燃紙)のうち隣接する構成要素同士は、接着剤によって相互に接続されている。
特開2017-44025号公報
ここで、上記従来の扉においては、当該扉の近傍位置且つ当該扉よりも見込方向側の位置で火災が発生した際には、当該火災の熱によって開閉体の見込方向への反りが生じやすく、特に、開閉体のサイズが大きくなるにつれて、上記開閉体の見込方向への反りが大きくなる傾向がある。このため、例えば、上記火災時において、当該火災の熱で耐火シート又は不燃紙に塗布された接着剤が溶け、且つ上記開閉体の見込方向への反りが比較的大きくなると、耐火シート又は不燃紙が芯材から剥離して芯材の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることにより、芯材が燃焼してしまうおそれがあった。よって、防火性能を確保する観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、防火性能を確保することが可能になる、防火戸用の開閉体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防火戸用の開閉体は、建物の開口部に設けられる防火戸を構成する開閉体であって、開閉体本体と、前記開閉体本体の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材と耐火性を有する耐火性カバー材とを見込方向に積層してなるカバー手段と、耐火性を有する剥離防止手段であって、当該開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が前記開閉体本体から剥離することを防止するための剥離防止手段と、を備え、前記剥離防止手段は、前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段と、前記変形抑制手段を前記開閉体本体に対して固定するための固定手段と、を備え、前記カバー手段は、前記開閉体本体の見付面と当接するように配置された前記耐火性カバー材と、前記耐火性カバー材よりも外側に位置する第1可燃性カバー材であって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材と、前記耐火性カバー材と前記第1可燃性カバー材との相互間に位置する第2可燃性カバー材であって、下地材として機能する第2可燃性カバー材と、を積層してなり、前記第2可燃性カバー材の厚さを、前記変形抑制手段の厚さと略同一とし、前記第2可燃性カバー材の端部及びその近傍部分を切り欠くことにより、前記変形抑制手段の一部を収容可能な空間を形成し、前記変形抑制手段の一部が前記空間に収容されることで、当該変形抑制手段の一部が前記第1可燃性カバー材と前記耐火性カバー材との相互間に位置し、且つ前記変形抑制手段の他の一部が前記開閉体本体の見込面に対して前記固定手段によって固定されることが可能となるように、前記変形抑制手段を構成した。
請求項2に記載の防火戸用の開閉体は、請求項1に記載の防火戸用の開閉体において、前記変形抑制手段を、断面形状が略コ字状である板状体に形成した。
請求項3に記載の防火戸用の開閉体は、請求項2に記載の防火戸用の開閉体において、前記カバー手段は、前記開閉体本体の見付面のいずれか一方を覆うように設けられた第1カバー手段と、前記開閉体本体の見付面のいずれか他方を覆うように設けられた第2カバー手段と、を含み、前記変形抑制手段によって、少なくとも前記開閉体本体と、前記第1カバー手段の前記耐火性カバー材と、前記第2カバー手段の前記耐火性カバー材とが挟み込まれるように、当該変形抑制手段を形成した。
請求項4に記載の防火戸用の開閉体は、請求項1から3のいずれか一項に記載の防火戸用の開閉体において、前記防火戸を、前記建物の壁部に形成された前記開口部に設け、前記剥離防止手段を、当該開閉体の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けた。
請求項1に記載の防火戸用の開閉体によれば、開閉体本体の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材と耐火性を有する耐火性カバー材とを見込方向に積層してなるカバー手段と、耐火性を有する剥離防止手段であって、全閉状態において防火戸の周辺で火災が発生した際に、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材が開閉体本体から剥離することを防止するための剥離防止手段と、を備えるので、上記火災時において、開閉体の見込方向への反りが比較的大きくなること等でカバー手段の耐火性カバー材が開閉体本体から剥離しやすい状態になったとしても、剥離防止手段によって当該剥離を防止できる。よって、開閉体本体の見付面が上記火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体が燃焼してしまうことを回避でき、従来技術(芯材の見付面を化粧合板、耐火シート、不燃紙で単に覆う技術)に比べて、防火戸の防火性能を確保することが可能となる。
また、剥離防止手段が、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段と、変形抑制手段を開閉体本体に対して固定するための固定手段と、を備えるので、変形抑制手段によってカバー手段の耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制でき、上記火災時に当該耐火性カバー材が開閉体本体から剥離することを防止しやすくなる。また、固定手段によって変形抑制手段を開閉体本体に対して固定でき、変形抑制手段を開閉体本体から脱落させることなく確実に機能させることが可能となる。
また、カバー手段が、開閉体本体の見付面と当接するように配置された耐火性カバー材と、耐火性カバー材よりも外側に位置する第1可燃性カバー材であって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材と、耐火性カバー材と第1可燃性カバー材との相互間に位置する第2可燃性カバー材であって、下地材として機能する第2可燃性カバー材と、を積層してなり、変形抑制手段の一部が第1可燃性カバー材と耐火性カバー材との相互間に位置し、且つ変形抑制手段の他の一部が開閉体本体の見込面に対して固定手段によって固定されることが可能となるように、変形抑制手段を構成したので、全閉状態において、防火戸の見込方向側から見て変形抑制手段が目立ちにくくなることから、防火戸の意匠性を維持できる。
請求項2に記載の防火戸用の開閉体によれば、変形抑制手段を、断面形状が略コ字状である板状体に形成したので、変形抑制手段が簡易な構造でありながら、変形抑制手段の一部をカバー手段の第1可燃性カバー材と耐火性カバー材との間に位置させながら、変形抑制手段の他の一部を開閉体本体の見込面に対して固定手段によって固定でき、変形抑制手段の製造性を高めることができる。
請求項3に記載の防火戸用の開閉体によれば、変形抑制手段によって、少なくとも開閉体本体と、第1カバー手段の耐火性カバー材と、第2カバー手段の耐火性カバー材とが挟み込まれるように、当該変形抑制手段を形成したので、1つの変形抑制手段を用いて第1カバー手段の耐火性カバー材の変形、及び第2カバー手段の耐火性カバー材の変形を抑制できる。よって、変形抑制手段の設置数を低減でき、開閉体の設置コストを抑制できる。
請求項4に記載の防火戸用の開閉体によれば、防火戸を、建物の壁部に形成された開口部に設け、剥離防止手段を、当該開閉体の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けたので、上記火災時にカバー手段の耐火性カバー材の上側部分が開閉体本体から剥離することを効果的に防止でき、開閉体本体の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体が燃焼してしまうことを回避しやすくなる。
本発明の実施の形態に係る防火戸を示す図であって、全閉状態を示す正面図である。 開閉体の正面図である。 図2のA-A矢視断面図である。 図2のB-B矢視断面図である。 図2の平面図である(一部図示省略)。 図2のC-C矢視断面図である。 火災時の開閉体の状況を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 火災時の開閉体の戸先側部分の状況を示す断面図であり、(a)は開閉体の反りが生じていない状態を示す図、(b)は開閉体の反りが生じている状態を示す図である。 開閉体の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 開閉体の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 開閉体の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 開閉体の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る防火戸用の開閉体の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に設けられる防火戸を構成する開閉体に関するものである。
ここで、「建物」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、床等)において出入口を設置するために形成された開口部である。また、「防火戸」とは、建物の開口部の出入り又は視界を抑制又は制限するための構造体であって、防火性能を有する扉装置を意味する。また、防火戸の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関扉」、勝手口や通用口に設置される「勝手口扉」、建物内部に設置される「室内扉」等を含む。また、防火戸の開閉構造は任意であり、例えば、片開式の開き戸、潜り戸付き片開式の開き戸(いわゆる潜り戸付き扉)、両開式の開き戸(いわゆる親子型の扉)、片開式の引き戸、両開式の引き戸、又は潜り戸付き引き戸として構成することができる。また「防火戸の開閉体の開閉状態」とは、例えば、全閉状態、全開状態、及び半開状態を含む概念である。このうち、「全閉状態」とは、開閉体によって開口部を全閉した状態であり、実施の形態では、全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、開閉体によって開口部を全開した状態であり、実施の形態では、全開状態における開閉体の位置(具体的には、全閉位置よりも部屋の室外側の位置)を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、開閉体が全閉位置と全開位置との間に位置している状態である。以下、実施の形態では、防火戸が、商業施設の如き建物の避難通路に面する位置に配置された片開式の開き戸であって、この避難通路に隣接する部屋の中で火災が発生した際に、当該火災の延焼を抑制するための開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る防火戸用の開閉体が適用される防火戸の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を防火戸の左右方向(-X方向を防火戸の左方向、+X方向を防火戸の右方向)、図3のY方向を防火戸の前後方向(+Y方向を防火戸の前方向(部屋の室外側の方向)、-Y方向を防火戸の後方向(部屋の室内側の方向))、図1のZ方向を防火戸の上下方向(+Z方向を防火戸の上方向、-Z方向を防火戸の下方向)と称する。
図1に示すように、防火戸1は、概略的に、枠体10、開閉体20、及びヒンジ部60を備えている。ただし、防火戸1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、後述する防火戸1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成-枠体)
枠体10は、躯体2の壁部2aに形成された開口部3の周縁に設置されるものであり、図1に示すように、例えば耐火性材料(一例として、スチール材、ステンレス材の如き鋼材等)にて形成された左右一対の縦枠材11、12上下一対の横枠材13、14を備えている。これら縦枠材及び横枠材は、それぞれ躯体2に対して固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、開口部3の戸尻側に位置する縦枠材11を「戸尻側縦枠材11」と称し、開口部3の戸先側に位置する縦枠材12を「戸先側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、開口部3の上方側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、開口部3の下方側に位置する横枠材14を「くつずり横枠材14」と称する。
また、この戸先側縦枠材12には、デッドボルト受け及びラッチ受けが設けられている(いずれも図示省略)。デッドボルト受けは、全閉状態において、開閉体20に設けられた後述するデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、後述するデッドボルトと対応する位置に配置されている。ラッチ受けは、開閉体20に設けられた後述するラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、ラッチと対応する位置に配置されている。なお、枠体10の構成の詳細については後述する。
(構成-開閉体)
開閉体20は、開口部3を開閉するためのものである。この開閉体20は、図1から図5に示すように、枠体10内に設けられており、開閉体本体30、室外側見付面カバー部40a、室内側見付面カバー部40b、戸尻側見込面カバー部50a、戸先側見込面カバー部50b、及び下側見込面カバー部(図示省略)を備えている。なお、以下では、開閉体20及び開閉体本体30の各々の見付面のうち、部屋の室外側の見付面を「室外側見付面」と称し、部屋の室内側の見付面を「室内側見付面」と称する。また、開閉体20及び開閉体本体30の見込面のうち、戸尻側の見込面を「戸尻側見込面」と称し、戸先側の見込面を「戸先側見込面」と称し、上側の見込面を「上側見込面」と称し、下側の見込面を「下側見込面」と称する。
(構成-開閉体-開閉体本体)
図2に戻り、開閉体本体30は、開閉体20の基本構造体であり、図2に示すように、開閉体フレーム31及び芯材32を備えている。
(構成-開閉体-開閉体本体-開閉体フレーム)
開閉体フレーム31は、開閉体20の剛性を主として担うものである。この開閉体フレーム31は、可燃性を有する複数の框材(一例として、木製の集成材からなる框材)を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、図2に示すように、左右一対の縦框材31a、31b及び上下一対の横框材31c、31dから構成されている。このうち、左右一対の縦框材31a、31bは、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横框材31c、31dは、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。なお、以下では、必要に応じて、左右一対の縦框材31a、31bのうち、戸尻側に位置する縦框材31aを「戸尻側縦框材31a」と称し、戸先側に位置する縦框材31bを「戸先側縦框材31b」と称する。また、上下一対の横框材31c、31dのうち、上側に位置する横框材31cを「上側横框材31c」と称し、下側に位置する横框材31dを「下側横框材31d」と称する。
(構成-開閉体-開閉体本体-芯材)
芯材32は、開閉体本体30の内部に充填されるものである。この芯材32は、例えば公知の芯材(一例として、ロックウール、ケイ酸カルシウム材)等を用いて構成されており、図2に示すように、開閉体フレーム31、室外側見付面カバー部40a、及び室内側見付面カバー部40bによって囲繞された空間内に充填されている。
(構成-開閉体-室外側見付面カバー部、室内側見付面カバー部)
図1に戻り、室外側見付面カバー部40aは、開閉体本体30の室外側見付面を覆うための第1カバー手段(カバー手段)であり、室内側見付面カバー部40bは、開閉体本体30の室内側見付面を覆うための第2カバー手段(カバー手段)である。図1から図3に示すように、室外側見付面カバー部40aは、開閉体本体30の室外側見付面(実施の形態では、室外側見付面の略全体)を覆うように配置されていると共に、室内側見付面カバー部40bは開閉体本体30の室内側見付面(実施の形態では、室内側見付面の略全体)を覆うように配置されている。そして、これら室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bは、開閉体本体30に対して固定されている。
また、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、可燃性カバー材41と耐火性カバー材42とを見込方向(具体的には、前後方向)に積層してなるようにそれぞれ構成されている。具体的には、図3に示すように、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの各々は、開閉体本体30の見付面と当接するように配置された耐火性カバー材42と、耐火性カバー材42よりも外側に位置する可燃性カバー材41aであって、化粧板として機能する可燃性カバー材41a(以下、「第1可燃性カバー材41a」と称する)と、耐火性カバー材42と第1可燃性カバー材41aとの相互間に位置する可燃性カバー材41bであって、下地材として機能する可燃性カバー材41b(以下、「第2可燃性カバー材41b」と称する)と、を積層してなるように構成されている。この場合において、耐火性カバー材42、第1可燃性カバー材41a、及び第2可燃性カバー材41bを接続する方法については任意であるが、実施の形態では、隣接するカバー材同士を接着剤によって相互に接続していると共に、耐火性カバー材42と開閉体本体30とを接着剤によって相互に接続している。
ここで、「耐火性カバー材42」とは、耐火性を有するカバー材であり、例えば、火山性ガラス質材料又はケイ酸カルシウムで形成された耐火板等を含む概念であるが、実施の形態では、火山性ガラス質材料で形成された耐火板として説明する。また、「可燃性カバー材41」とは、可燃性を有するカバー材であり、例えば、木製又は樹脂製の板材等を含む概念であるが、実施の形態では、「第1可燃性カバー材41a」を木製の化粧板として説明すると共に、「第2可燃性カバー材41b」は木製の下地合板として説明する。
(構成-開閉体-戸尻側見込面カバー部、戸先側見込面カバー部、下側見込面カバー部)
戸尻側見込面カバー部50aは、開閉体本体30の戸尻側見込面を覆うためのものであり、戸先側見込面カバー部50bは、開閉体本体30の戸先側見込面を覆うためのものであり、下側見込面カバー部は、開閉体本体30の下側見込面を覆うためのものである。図5に示すように、戸尻側見込面カバー部50aは、開閉体本体30の戸尻側見込面(実施の形態では、戸尻側見込面の略全体)を覆うように配置され、戸先側見込面カバー部50bは、開閉体本体30の戸先側見込面(実施の形態では、戸先側見込面の略全体)を覆うように配置され、下側見込面カバー部は、開閉体本体30の下側見込面(実施の形態では、下側見込面の略全体)を覆うように配置されている。そして、これら戸尻側見込面カバー部50a、戸先側見込面カバー部50b、及び下側見込面カバー部は、開閉体本体30、室外側見付面カバー部40a、又は室内側見付面カバー部40bに対して接着剤等によって固定されている。
また、戸尻側見込面カバー部50a、戸先側見込面カバー部50b、及び下側見込面カバー部の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、戸尻側見込面カバー部50a及び戸先側見込面カバー部50bについては、可燃性を有するカバー材(一例として、木製の化粧板等)を用いて構成されている。また、下側見込面カバー部については、気密材(一例として、気密ゴム等)と、気密材よりも部屋の室外側又は室内側に設けられた熱膨張耐火部材(一例として、フィブロック(登録商標)等)とを用いて構成されている。ただし、これに限らず、例えば、耐火性を有するカバー材(一例として、火山性ガラス質材料で形成された耐火板等)を用いて構成されてもよい。
(構成-開閉体-その他の構成)
図2に戻り、開閉体20のその他の構成については任意であるが、実施の形態では、図2に示すように、把手部21、ラッチ(図示省略)、施錠装置22、及びドアクローザ23をさらに備えている。
このうち、把手部21は、開閉体20の開閉操作を行うためのものであり、例えば公知の把手等を用いて構成され、図2に示すように、開閉体20の戸先側部分に設けられている。
また、ラッチは、全閉状態の位置に開閉体20を維持するためのものであり、例えば公知のラッチを用いて構成され、開閉体20の戸先側部分に設けられている。
また、施錠装置22は、開閉体20を施錠するためのものであり、例えば、図示しないデッドボルトを備える公知の施錠装置等を用いて構成され、図2に示すように、開閉体20の戸先側部分に設けられている。
また、ドアクローザ23は、全開状態又は半開状態になった場合に、開閉体20を安全な速度で自動的に閉じるためのものであると共に、開閉体20の回動状態が全開位置以上に回動することを規制するためのものである。このドアクローザ23は、例えば、本体部23a及びアーム部23bを備える公知のドアクローザ等を用いて構成されており、開閉体20の上方部分に設けられている。具体的には、図2、図4、図5に示すように、ドアクローザ23の本体部23aは、開閉体本体30の内部に設けられていると共に、ドアクローザ23のアーム部23bは、開閉体本体30及び室内側見付面カバー部40bの一部を切り欠くことにより形成された収容空間部24内に設けられている。なお、開閉体本体30及び室内側見付面カバー部40bの切り欠かれた切欠部分には、当該部分を覆うためのカバー部であって、耐火性を有する図示しないカバー部(例えば公知の耐火板等)が設けられてもよい。
(構成-ヒンジ部)
図1に戻り、ヒンジ部60は、開閉体20を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部60は、例えば公知のヒンジ部材(一例として、旗蝶番等)を用いて構成されており、図1に示すように、開閉体20の戸尻側の端部(図1では、右端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、開閉体20及び戸尻側縦枠材11に対して固定具等によって取り付けられている。
(構成-戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の構成の詳細)
図1に戻り、次に、枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態において、図1、図8に示すように、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々は、縦枠材本体11a、縦枠材側固定材11b、及び縦枠材側気密部11cを備えている。
縦枠材本体11aは、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の基本構造体である。この縦枠材本体11aは、X-Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の上下方向の略全長にわたって形成されている。また、図8に示すように、縦枠材本体11aには、縦枠材側凹部11d及び縦枠材側気密凹部11eが設けられている。このうち、縦枠材側凹部11dは、開閉体20を収容しながら縦枠材本体11aと開閉体20との干渉を回避するためのものであり(いわゆる相じゃくり構造である凹部)、縦枠材本体11aにおける開閉体20に対応する部分を左右方向の外側に向けて窪ませることにより形成されている。また、縦枠材側気密凹部11eは、縦枠材側気密部11cの一部を収容するためのものであり、縦枠材側凹部11dのうち部屋の室内側の部分(図8では、後側部分)を部屋の室内側に向けて窪ませることにより形成されている。
縦枠材側固定材11bは、縦枠材本体11aを躯体2に対して固定すると共に、縦枠材本体11aを補強するためのものである。この縦枠材側固定材11bは、板状体にて形成されており、具体的には、図8に示すように、当該縦枠材側固定材11bの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該縦枠材側固定材11bの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この縦枠材側固定材11bは、縦枠材本体11aのコ字状の開放端部側(図8では、縦枠材本体11aの左右方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11aに対して溶接等によって固定されている。
縦枠材側気密部11cは、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)と開閉体20との相互間の気密性を高めるための気密手段である。この縦枠材側気密部11cは、例えば公知の長尺な気密材(一例として、エアタイトゴム等)を用いて構成されており(なお、他の気密部についても同様とする)、図8に示すように、縦枠材側気密凹部11eにおいて縦枠材本体11aの上下方向の略全長にわたって埋設されている。
(構成-上側横枠材の構成の詳細)
図1に戻り、次に、枠体10の上側横枠材13の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態において、図1に示すように、上側横枠材13は、上側横枠材本体13a、上側固定材(図示省略)、及び上側気密部(図示省略)を備えている。
上側横枠材本体13aは、上側横枠材13の基本構造体である。この上側横枠材本体13aは、Y-Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側(具体的には、上側)に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、上側横枠材本体13aには、上側凹部及び上側気密凹部が設けられている(いずれも図示省略)。上側凹部は、開閉体20を収容しながら上側横枠材13と開閉体20との干渉を回避するためのものであり(いわゆる相じゃくり構造である凹部)、上側横枠材本体13aにおける開閉体20に対応する部分を上下方向の外側(具体的には、上側)に向けて窪ませることにより形成されている。また、上側気密凹部は、上側気密部の一部を収容するためのものであり、上側凹部のうち部屋の室内側の部分(具体的には、後側部分)を部屋の室内側に向けて窪ませることにより形成されている。
上側固定材は、上側横枠材本体13aを躯体2に対して固定すると共に、上側横枠材本体13aを補強するためのものである。この上側固定材は、板状体にて形成されており、具体的には、当該上側固定材の前後方向の長さが上側横枠材本体13aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該上側固定材の左右方向の長さが上側横枠材本体13aの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この上側固定材は、上側横枠材本体13aのコ字状の開放端部側(具体的には、上側横枠材本体13aの上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、上側横枠材本体13aに対して溶接等によって固定されている。
上側気密部は、上側横枠材13と開閉体20との相互間の気密性を高めるための気密手段であり、上側気密凹部において上側横枠材本体13aの左右方向の略全長にわたって埋設されている。
(構成-枠体の構成の詳細-くつずり横枠材)
次に、枠体10のくつずり横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、くつずり横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態において、図1に示すように、くつずり横枠材14は、部屋の床部2bに埋め込まれており、下側横枠材本体14a及び下側固定材(図示省略)を備えている。
下側横枠材本体14aは、くつずり横枠材14の基本構造体である。この下側横枠材本体14aは、Y-Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側(具体的には、下側)に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、この下側横枠材本体14aは、下側横枠材本体14aの上端部及びその近傍部分が床部2bよりも上方に突出するように設けられている。
下側固定材は、下側横枠材本体14aを躯体2に対して固定すると共に、下側横枠材本体14aを補強するためのものであり、上側横枠材13の上側固定材と略同様に構成されている。
(構成-防火構造)
次に、開閉体20の防火構造について説明する。この開閉体20は、防火性能を高めるための防火構造を備えており、この防火構造は、第1防火構造及び第2防火構造を備えている。以下では、これら第1防火構造及び第2防火構造について順次説明する。
(構成-防火構造-第1防火構造)
最初に、第1防火構造について説明する。第1防火構造は、全閉状態において防火戸1の周辺で火災が発生した場合に、開閉体20の開閉体本体30の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることを回避するための防火構造であり、図3から図5に示すように、剥離防止部70を備えている。
(構成-防火構造-第1防火構造-剥離防止部)
図3に戻り、剥離防止部70は、上記火災が発生した際に、各種の見付面カバー部(具体的には、室外側見付面カバー部40a、室内側見付面カバー部40b)のうち少なくとも耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離することを防止するための剥離防止手段である。この剥離防止部70は、図3から図5に示すように、開閉体本体30の上側見込面に設けられており、変形抑制部80及び固定部90を備えている。
(構成-防火構造-第1防火構造-剥離防止部-変形抑制部)
図3に戻り、変形抑制部80は、各種の見付面カバー部のうち少なくとも耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段であり、耐火性を有する材質(具体的には、鋼材等)を用いて構成されている。
また、この変形抑制部80の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、変形抑制部80の一部が第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置し、且つ変形抑制部80の他の一部が開閉体本体30の見込面に対して固定部90によって固定されることが可能となるように構成されている。
具体的には、まず、変形抑制部80は、断面形状が略コ字状である鋼製の板状体に形成されており、より具体的には、図3に示すように、見込面側に位置する見込面側側片81と、見込面側側片81における部屋の室外側の端部から下方に向けて張り出された室外側側片82と、見込面側側片81における部屋の室内側の端部から下方に向けて張り出された室内側側片83とを備えている。なお、実施の形態では、図4、図5に示すように、見込面側側片81及び室内側側片83の各々の部分のうち上記開閉体本体30(又は室内側見付面カバー部40b)の切欠部分に対応する部分は、切り欠かれているものとする。
また、この変形抑制部80は、当該変形抑制部80によって、少なくとも開閉体本体30と、室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42と、室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42とが挟み込まれるように形成されている。より具体的には、図3に示すように、見込面側側片81が開閉体本体30の上面と当接し、室外側側片82が室外側見付面カバー部40aの第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置し、且つ室内側側片83が室内側見付面カバー部40bの第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置するように、変形抑制部80が配置されている。なお、実施の形態では、図3に示すように、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの各々の第2可燃性カバー材41bの上端部及びその近傍部分を切り欠いて空間を形成することにより、室外側側片82を室外側見付面カバー部40aの第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置させると共に、室内側側片83を室内側見付面カバー部40bの第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置させている。
さらに、この変形抑制部80は、図5に示すように、開閉体20の上側見込面の略全体にわたって設けられている(ただし、実施の形態では、開閉体20の上側見込面のうち収容空間部24に対応する部分は除かれる)。この場合において、変形抑制部80の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
すなわち、見込面側側片81、室外側側片82、及び室内側側片83の形状については、略矩形状にそれぞれ設定している。また、見込面側側片81の左右方向の長さについては、開閉体本体30の左右方向の長さと略同一にそれぞれ設定し、見込面側側片81の前後方向の長さについては、開閉体本体30の前後方向の長さよりも若干長い長さにそれぞれ設定し、見込面側側片81の厚さについては、室外側側片82(又は室内側側片83)の厚さと略同一にそれぞれ設定している。また、室外側側片82及び室内側側片83の左右方向の長さについては、開閉体本体30の左右方向の長さと略同一にそれぞれ設定し、室外側側片82及び室内側側片83の上下方向の長さについては、開閉体本体30の上下方向の長さよりも短い長さ(一例として、開閉体本体30の前後方向の長さと略同一の長さ又は若干短い長さ)にそれぞれ設定している。また、室外側側片82及び室内側側片83の厚さについては、耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形することを抑制することが可能な厚さにそれぞれ設定することが望ましく、一例として、実験結果等に基づいてそれぞれ設定してもよい。このような構成により、開閉体20の上側部分を補強することができると共に、開閉体20の見込方向への反りを効果的に抑制できる。
このような変形抑制部80により、上記火災時において、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの各々の耐火性カバー材42の部分のうち、当該火災の熱によって高温になりやすい上側部分が見込方向の外側に向けて変形することを効果的に抑制できる。また、全閉状態において、防火戸1の見込方向側から見て変形抑制部80が目立ちにくくなることから、防火戸1の意匠性を維持できる。また、変形抑制部80が簡易な構造でありながら、変形抑制部80の一部を室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との間に位置させながら、変形抑制部80の他の一部を開閉体本体30の見込面に対して固定部90によって固定でき、変形抑制部80の製造性を高めることができる。また、1つの変形抑制部80を用いて室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42の変形、及び室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42の変形を抑制できる。よって、変形抑制部80の設置数を低減でき、開閉体20の設置コストを抑制できる。
(構成-防火構造-第1防火構造-剥離防止部-固定部)
図3に戻り、固定部90は、変形抑制部80を開閉体本体30に対して固定するための固定手段である。この固定部90は、例えば耐火性を有する公知の固定具(一例として、鋼製のネジ、ビス)等を用いて構成されており、図3に示すように、開閉体20の上側見込面に設けられている。
また、この固定部90の設置方法については任意であるが、実施の形態では、前後方向に沿って相互に間隔を隔てて複数配置し、且つ左右方向に沿って相互に間隔を隔てて複数配置しており、変形抑制部80の見込面側側片81及び開閉体本体30に差し込むことで固定している。ここで、固定部90の設置数については任意であるが、通常時及び上記火災時において変形抑制部80が開閉体本体30に対して固定された状態を維持できる個数に設定することが望ましく、一例として、実験結果等に基づいて設定してもよい。このような設置により、変形抑制部80を開閉体本体30に対して強固に固定でき、剥離防止部70の設置性を高めることができる。また、防火戸1の見込方向側から見て固定部90が目立ちにくくなることから、防火戸1の意匠性を維持できる。
以上のような第1の特徴により、上記火災時において、開閉体20の見込方向への反りが比較的大きくなること等で室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離しやすい状態になったとしても、剥離防止部70によって当該剥離を防止できる。よって、開閉体本体30の見付面が上記火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避でき、従来技術(芯材の見付面を化粧合板、耐火シート、不燃紙で単に覆う技術)に比べて、防火戸1の防火性能を確保することが可能となる。また、変形抑制部80によって室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形することを抑制でき、上記火災時に当該耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離することを防止しやすくなる。また、固定部90によって変形抑制部80を開閉体本体30に対して固定でき、変形抑制部80を開閉体本体30から脱落させることなく確実に機能させることが可能となる。さらに、剥離防止部70を開閉体20の上側見込面の略全体にわたって設けているので、上記火災時に室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42の上側部分が開閉体本体30から剥離することを効果的に防止でき、開閉体本体30の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避しやすくなる。
(構成-防火構造-第2防火構造)
次に、第2防火構造について説明する。第2防火構造は、上記火災が発生した場合に、開閉体20の見込面側の防火性能を高めるための防火構造であり、戸先側第2防火構造及び戸尻側第2防火構造を備えている。なお、実施の形態では、戸先側第2防火構造及び戸尻側第2防火構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、戸先側第2防火構造の構成のみについて説明することとする。この戸先側第2防火構造は、図6に示すように、見込面側耐火性カバー材100及び熱膨張耐火部材110を備えている。
(構成-防火構造-第2防火構造-見込面側耐火性カバー材)
見込面側耐火性カバー材100は、開閉体本体30の戸先側見込面を覆うためのカバー材であって、耐火性を有するカバー材である。この見込面側耐火性カバー材100は、例えば耐火性を有する公知のカバー材(一例として、火山性ガラス質材料で形成された耐火板)等を用いて構成されており、図6に示すように、開閉体本体30(具体的には、戸先側縦框材31b等)と戸先側見込面カバー部50bとの相互間において開閉体本体30の戸先側見込面(実施の形態では、戸先側見込面の略全体)を覆うように配置されており、開閉体本体30又は戸先側見込面カバー部50bに対して接着剤等によって固定されている。
(構成-防火構造-第2防火構造-熱膨張耐火部材)
熱膨張耐火部材110は、上記火災が発生した際に、当該熱膨張耐火部材110が当該火災の熱で膨張することにより、戸先側縦枠材12と開閉体20との隙間4(以下、「戸先側隙間4」と称する)を塞ぐための部材である。この熱膨張耐火部材110は、例えば所定温度(具体的には、150℃~250℃の温度)で加熱されることで発泡する公知の熱膨張耐火部材110(一例として、フィブロック等)を用いて構成されており、開閉体20に対して複数取り付けられている。具体的には、図6に示すように、戸先側見込面カバー部50bと見込面側耐火性カバー材100との相互間において、前後方向に沿って複数並設されており、戸先側見込面カバー部50b又は見込面側耐火性カバー材100に対して両面テープ、接着剤、又はビス等によって接続されている。
また、熱膨張耐火部材110の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、全閉状態において、戸先側隙間4を塞ぐことができるように設定している。具体的には、熱膨張耐火部材110の形状については、長方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば長方形状以外の多角形状(一例として、三角形状等)、円形状、楕円形状であってもよい。また、熱膨張耐火部材110の前後方向の長さについては、図6に示すように、開閉体本体30の前後方向の長さよりも短い長さに設定しており、熱膨張耐火部材110の上下方向の長さについては、開閉体本体30の上下方向の長さと略同一の長さ(又はそれよりも短い長さ)に設定している。また、熱膨張耐火部材110の厚さについては、見込面側耐火性カバー材100の厚さよりも薄い厚さに設定している。ただし、これに限らず、見込面側耐火性カバー材100の厚さよりも厚く設定してもよい。
このような第2の特徴(具体的には、戸先側第2防火構造の特徴)により、上記火災時に当該火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によって戸先側隙間4を塞ぐことができ、熱膨張耐火部材110を設けない場合に比べて、当該火災が戸先側隙間4を介して防火戸1の見込方向のいずれか一方側から他方側に向けて延焼することを抑制できる。また、全閉状態において、防火戸1よりも部屋の室外側で火災が発生した際には、開閉体20の見込方向への反りが発生することで開閉体20の戸先側見込面が戸先側縦枠材12よりも部屋の室外側に位置したとしても、見込面側耐火性カバー材100によって開閉体本体30の戸先側側面が当該火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避できる。よって、開閉体本体30の機能を維持できることから、熱膨張耐火部材110によって戸先側隙間4が塞がれた状態を維持できる(なお、戸尻側第2防火構造の効果についても略同様とする)。
(防火戸の作用)
このように構成された防火戸1の作用について説明する。防火戸1の作用は、部屋の室外側で火災が発生した際の作用と、部屋の室内側で火災が発生した際の作用とに大別されるが、これら作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、部屋の室外側で火災が発生した際の作用のみについて説明することとする。
すなわち、全閉状態において、部屋の室外側で火災が発生すると、図7に示すように、当該火災の熱によって室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42に付着している接着剤が溶けると共に、開閉体20の戸先側見込面の一部と戸尻側見込面の一部とが戸先側縦枠材12よりも部屋の室外側に位置するように、開閉体20の見込方向への反りが生じる。この場合において、室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形しようとすると、剥離防止部70(具体的には、変形抑制部80)によって当該変形が抑制されることから、当該耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離することが回避される。これにより、室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42の機能が維持されるので、開閉体本体30の見付面が上記火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避できる。
また、上記火災時において、図8(a)に示す開閉体20の見込方向への反りが生じていない場合や、図8(b)に示す当該反りが生じている場合であっても、戸尻側見込面カバー部50a及び戸先側見込面カバー部50bが当該火災の熱による接着剤の溶解に伴って開閉体本体30から外れ、且つ戸先側隙間4と戸尻側縦枠材11と開閉体20との隙間(以下、「戸尻側隙間」と称する)に設けれられた熱膨張耐火部材110が当該火災の熱によって膨張するので、これら戸先側隙間4及び戸尻側隙間が当該膨張した熱膨張耐火部材110によって塞がれるため、上記火災が戸先側隙間4又は戸尻側隙間を介して防火戸1の見込方向のいずれか一方側から他方側に向けて延焼することを抑制できる。また、図8(b)に示す上記反りが生じている場合には、開閉体20の戸先側見込面の一部と戸尻側見込面の一部とが戸先側縦枠材12よりも部屋の室外側に位置することになるが、開閉体本体30の戸先側見込面及び戸尻側見込面の各々が見込面側耐火性カバー材100によって覆われているので、これら戸先側見込面及び戸尻側見込面の各々が当該火災の火炎に直接晒されることが回避される。よって、開閉体本体30の機能が維持されるため、熱膨張耐火部材110によって戸先側隙間4及び戸尻側隙間が塞がれた状態を維持できる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、開閉体本体30の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材41と耐火性を有する耐火性カバー材42とを見込方向に積層してなるカバー手段と、耐火性を有する剥離防止部70であって、全閉状態において防火戸1の周辺で火災が発生した際に、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離することを防止するための剥離防止部70と、を備えるので、上記火災時において、開閉体20の見込方向への反りが比較的大きくなること等でカバー手段の耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離しやすい状態になったとしても、剥離防止部70によって当該剥離を防止できる。よって、開閉体本体30の見付面が上記火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避でき、従来技術(芯材の見付面を化粧合板、耐火シート、不燃紙で単に覆う技術)に比べて、防火戸1の防火性能を確保することが可能となる。
また、剥離防止部70が、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制部80と、変形抑制部80を開閉体本体30に対して固定するための固定部90と、を備えるので、変形抑制部80によってカバー手段の耐火性カバー材42が見込方向の外側に向けて変形することを抑制でき、上記火災時に当該耐火性カバー材42が開閉体本体30から剥離することを防止しやすくなる。また、固定部90によって変形抑制部80を開閉体本体30に対して固定でき、変形抑制部80を開閉体本体30から脱落させることなく確実に機能させることが可能となる。
また、カバー手段が、開閉体本体30の見付面と当接するように配置された耐火性カバー材42と、耐火性カバー材42よりも外側に位置する第1可燃性カバー材41aであって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材41aと、耐火性カバー材42と第1可燃性カバー材41aとの相互間に位置する第2可燃性カバー材41bであって、下地材として機能する第2可燃性カバー材41bと、を積層してなり、変形抑制部80の一部が第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との相互間に位置し、且つ変形抑制部80の他の一部が開閉体本体30の見込面に対して固定部90によって固定されることが可能となるように、変形抑制部80を構成したので、全閉状態において、防火戸1の見込方向側から見て変形抑制部80が目立ちにくくなることから、防火戸1の意匠性を維持できる。
また、変形抑制部80を、断面形状が略コ字状である板状体に形成したので、変形抑制部80が簡易な構造でありながら、変形抑制部80の一部をカバー手段の第1可燃性カバー材41aと耐火性カバー材42との間に位置させながら、変形抑制部80の他の一部を開閉体本体30の見込面に対して固定部90によって固定でき、変形抑制部80の製造性を高めることができる。
また、変形抑制部80によって、少なくとも開閉体本体30と、室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42と、室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42とが挟み込まれるように、当該変形抑制部80を形成したので、1つの変形抑制部80を用いて室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42の変形、及び室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42の変形を抑制できる。よって、変形抑制部80の設置数を低減でき、開閉体20の設置コストを抑制できる。
また、防火戸1を、建物の壁部2aに形成された開口部3に設け、剥離防止部70を、当該開閉体20の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けたので、上記火災時にカバー手段の耐火性カバー材42の上側部分が開閉体本体30から剥離することを効果的に防止でき、開閉体本体30の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体30が燃焼してしまうことを回避しやすくなる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(開閉体について)
上記実施の形態では、開閉体20が施錠装置22及びドアクローザ23を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、施錠装置22又はドアクローザ23を省略してもよい。ここで、ドアクローザ23を省略する場合には、収容空間部24も省略できると共に、上記室内側側片83の切り欠き部も省略できる。
また、上記実施の形態では、ドアクローザ23が、開閉体本体30の内部に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、開閉体本体30の外部において、開閉体本体30の上端部と当接するように設けられてもよい。この場合には、収容空間部24を省略できると共に、上記室内側側片83の切り欠き部も省略できる。
(開閉体本体について)
上記実施の形態では、開閉体本体30が芯材32を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、芯材32を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、開閉体本体30の開閉体フレーム31が、可燃性を有する複数の框材を用いて構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、耐火性を有する複数の框材を用いて構成されてもよい。
(室外側見付面カバー部、室内側見付面カバー部について)
上記実施の形態では、室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の可燃性カバー材41の設置数が2つであると説明したが、これに限らず、例えば、1つ又は3つ以上であってもよい。また、上記実施の形態では、室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42の設置数が1つであると説明したが、これに限らず、例えば、2つ以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの各々が、耐火性カバー材42及び可燃性カバー材41を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、室外側見付面カバー部40a又は室内側見付面カバー部40bのいずれか一方が、耐火性カバー材42及び可燃性カバー材41を備え、室外側見付面カバー部40a又は室内側見付面カバー部40bのいずれか他方が、可燃性カバー材41のみを備えてもよい。この場合には、剥離防止部70は、室外側見付面カバー部40a又は室内側見付面カバー部40bのいずれか一方が開閉体本体30から剥離することを防止するように構成される。
また、上記実施の形態では、室外側見付面カバー部40a及び室内側見付面カバー部40bの各々が、耐火性カバー材42、第1可燃性カバー材41a、及び第2可燃性カバー材41bを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、図9に示すように、開閉体本体30の見付面と当接するように配置された第1耐火性カバー材42aと、第1耐火性カバー材42aよりも外側に位置する第2耐火性カバー材42bと、第1耐火性カバー材42aと第2耐火性カバー材42bとの相互間に位置する可燃性カバー材41であって、下地材として機能する可燃性カバー材41と、を積層してなるように構成されてもよい。この場合には、変形抑制部80が、開閉体本体30と、室外側見付面カバー部40a全体と、室内側見付面カバー部40b全体とが挟み込まれるように形成されてもよい。
(防火構造について)
上記実施の形態では、防火構造が、第2防火構造を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第2防火構造を省略してもよい。
(第1防火構造について)
上記実施の形態では、剥離防止部70が、開閉体20の上側見込面に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、開閉体20の下側見込面、戸先側見込面、又は戸尻側見込面に設けられてもよく、あるいは、これら見込面のすべてに設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、剥離防止部70が、開閉体20の上側見込面の略全体にわたって設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、上側見込面の一部のみに設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、剥離防止部70が、変形抑制部80及び固定部90を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、変形抑制部80によって開閉体本体30と、室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42と、及び室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42とが強固に挟み込まれる場合には、固定部90を省略してもよい。また、図10に示すように、開閉体20の見込方向側から固定部90を室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)及び開閉体本体30に対して差し込むことで、室外側見付面カバー部40a(又は室内側見付面カバー部40b)の耐火性カバー材42の剥離を防止できる場合には、変形抑制部80を省略してもよい。この場合には、開閉体本体30の上側見込面に耐火性カバー材42が設けられてもよい。
(変形抑制部について)
上記実施の形態では、変形抑制部80が、断面形状が略コ字状である鋼製の板状体に形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図11に示すように、断面形状がL字状である板状体に形成されることにより、室外側見付面カバー部40aの耐火性カバー材42又は室内側見付面カバー部40bの耐火性カバー材42のいずれか一方の剥離を防止してもよい。
(固定部について)
上記実施の形態では、固定部90が、変形抑制部80の見込面側側片81及び開閉体本体30に差し込まれるように設けられていると説明したが、これに限らず、図12に示すように、変形抑制部80の室外側側片82(又は室内側側片83)及び開閉体本体30に差し込まれるように設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、固定部90が、前後方向に沿って相互に間隔を隔てて複数配置し、且つ左右方向に沿って相互に間隔を隔てて複数配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、前後方向に沿って1つのみ配置してもよく、又は、左右方向に沿って1つのみ配置されてもよい。
(第2防火構造について)
上記実施の形態では、第2防火構造が、戸先側第2防火構造及び戸尻側第2防火構造を備えていると説明したが、これに限らず、戸先側第2防火構造又は戸尻側第2防火構造のいずれか一方を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、戸先側第2防火構造(又は戸尻側第2防火構造)が、見込面側耐火性カバー材100及び熱膨張耐火部材110を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、見込面側耐火性カバー材100又は熱膨張耐火部材110のいずれか一方を省略してもよい。
(付記)
付記1の防火戸用の開閉体は、建物の開口部に設けられる防火戸を構成する開閉体であって、開閉体本体と、前記開閉体本体の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材と耐火性を有する耐火性カバー材とを見込方向に積層してなるカバー手段と、耐火性を有する剥離防止手段であって、当該開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が前記開閉体本体から剥離することを防止するための剥離防止手段と、を備える。
付記2の防火戸用の開閉体は、付記1に記載の防火戸用の開閉体において、前記剥離防止手段は、前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段と、前記変形抑制手段を前記開閉体本体に対して固定するための固定手段と、を備える。
付記3の防火戸用の開閉体は、付記2に記載の防火戸用の開閉体において、前記カバー手段は、前記開閉体本体の見付面と当接するように配置された前記耐火性カバー材と、前記耐火性カバー材よりも外側に位置する第1可燃性カバー材であって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材と、前記耐火性カバー材と前記第1可燃性カバー材との相互間に位置する第2可燃性カバー材であって、下地材として機能する第2可燃性カバー材と、を積層してなり、前記変形抑制手段の一部が前記第1可燃性カバー材と前記耐火性カバー材との相互間に位置し、且つ前記変形抑制手段の他の一部が前記開閉体本体の見込面に対して前記固定手段によって固定されることが可能となるように、前記変形抑制手段を構成した。
付記4の防火戸用の開閉体は、付記3に記載の防火戸用の開閉体において、前記変形抑制手段を、断面形状が略コ字状である板状体に形成した。
付記5の防火戸用の開閉体は、付記4に記載の防火戸用の開閉体において、前記カバー手段は、前記開閉体本体の見付面のいずれか一方を覆うように設けられた第1カバー手段と、前記開閉体本体の見付面のいずれか他方を覆うように設けられた第2カバー手段と、を含み、前記変形抑制手段によって、少なくとも前記開閉体本体と、前記第1カバー手段の前記耐火性カバー材と、前記第2カバー手段の前記耐火性カバー材とが挟み込まれるように、当該変形抑制手段を形成した。
付記6の防火戸用の開閉体は、付記1から5のいずれか一項に記載の防火戸用の開閉体において、前記防火戸を、前記建物の壁部に形成された前記開口部に設け、前記剥離防止手段を、当該開閉体の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けた。
(付記の効果)
付記1に記載の防火戸用の開閉体によれば、開閉体本体の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材と耐火性を有する耐火性カバー材とを見込方向に積層してなるカバー手段と、耐火性を有する剥離防止手段であって、全閉状態において防火戸の周辺で火災が発生した際に、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材が開閉体本体から剥離することを防止するための剥離防止手段と、を備えるので、上記火災時において、開閉体の見込方向への反りが比較的大きくなること等でカバー手段の耐火性カバー材が開閉体本体から剥離しやすい状態になったとしても、剥離防止手段によって当該剥離を防止できる。よって、開閉体本体の見付面が上記火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体が燃焼してしまうことを回避でき、従来技術(芯材の見付面を化粧合板、耐火シート、不燃紙で単に覆う技術)に比べて、防火戸の防火性能を確保することが可能となる。
付記2に記載の防火戸用の開閉体によれば、剥離防止手段が、カバー手段のうち少なくとも耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段と、変形抑制手段を開閉体本体に対して固定するための固定手段と、を備えるので、変形抑制手段によってカバー手段の耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制でき、上記火災時に当該耐火性カバー材が開閉体本体から剥離することを防止しやすくなる。また、固定手段によって変形抑制手段を開閉体本体に対して固定でき、変形抑制手段を開閉体本体から脱落させることなく確実に機能させることが可能となる。
付記3に記載の防火戸用の開閉体によれば、カバー手段が、開閉体本体の見付面と当接するように配置された耐火性カバー材と、耐火性カバー材よりも外側に位置する第1可燃性カバー材であって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材と、耐火性カバー材と第1可燃性カバー材との相互間に位置する第2可燃性カバー材であって、下地材として機能する第2可燃性カバー材と、を積層してなり、変形抑制手段の一部が第1可燃性カバー材と耐火性カバー材との相互間に位置し、且つ変形抑制手段の他の一部が開閉体本体の見込面に対して固定手段によって固定されることが可能となるように、変形抑制手段を構成したので、全閉状態において、防火戸の見込方向側から見て変形抑制手段が目立ちにくくなることから、防火戸の意匠性を維持できる。
付記4に記載の防火戸用の開閉体によれば、変形抑制手段を、断面形状が略コ字状である板状体に形成したので、変形抑制手段が簡易な構造でありながら、変形抑制手段の一部をカバー手段の第1可燃性カバー材と耐火性カバー材との間に位置させながら、変形抑制手段の他の一部を開閉体本体の見込面に対して固定手段によって固定でき、変形抑制手段の製造性を高めることができる。
付記5に記載の防火戸用の開閉体によれば、変形抑制手段によって、少なくとも開閉体本体と、第1カバー手段の耐火性カバー材と、第2カバー手段の耐火性カバー材とが挟み込まれるように、当該変形抑制手段を形成したので、1つの変形抑制手段を用いて第1カバー手段の耐火性カバー材の変形、及び第2カバー手段の耐火性カバー材の変形を抑制できる。よって、変形抑制手段の設置数を低減でき、開閉体の設置コストを抑制できる。
付記6に記載の防火戸用の開閉体によれば、防火戸を、建物の壁部に形成された開口部に設け、剥離防止手段を、当該開閉体の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けたので、上記火災時にカバー手段の耐火性カバー材の上側部分が開閉体本体から剥離することを効果的に防止でき、開閉体本体の見付面が当該火災の火炎に直接晒されることで開閉体本体が燃焼してしまうことを回避しやすくなる。
1 防火戸
2 躯体
2a 壁部
2b 床部
3 開口部
4 戸先側隙間
10 枠体
11 戸尻側縦枠材
11a 縦枠材本体
11b 縦枠材側固定材
11c 縦枠材側気密部
11d 縦枠材側凹部
11e 縦枠材側気密凹部
12 戸先側縦枠材
13 上側横枠材
13a 上側横枠材本体
14 くつずり横枠材
14a 下側横枠材本体
20 開閉体
21 把手部
22 施錠装置
23 ドアクローザ
23a 本体部
23b アーム部
24 収容空間部
30 開閉体本体
31 開閉体フレーム
31a 戸尻側縦框材
31b 戸先側縦框材
31c 上側横框材
31d 下側横框材
32 芯材
40a 室外側見付面カバー部
40b 室内側見付面カバー部
41 可燃性カバー材
41a 第1可燃性カバー材
41b 第2可燃性カバー材
42 耐火性カバー材
42a 第1耐火性カバー材
42b 第2耐火性カバー材
50a 戸尻側見込面カバー部
50b 戸先側見込面カバー部
60 ヒンジ部
70 剥離防止部
80 変形抑制部
81 見込面側側片
82 室外側側片
83 室内側側片
90 固定部
100 見込面側耐火性カバー材
110 熱膨張耐火部材

Claims (4)

  1. 建物の開口部に設けられる防火戸を構成する開閉体であって、
    開閉体本体と、
    前記開閉体本体の見付面を覆うように設けられたカバー手段であって、可燃性を有する可燃性カバー材と耐火性を有する耐火性カバー材とを見込方向に積層してなるカバー手段と、
    耐火性を有する剥離防止手段であって、当該開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が前記開閉体本体から剥離することを防止するための剥離防止手段と、を備え、
    前記剥離防止手段は、
    前記カバー手段のうち少なくとも前記耐火性カバー材が見込方向の外側に向けて変形することを抑制するための変形抑制手段と、
    前記変形抑制手段を前記開閉体本体に対して固定するための固定手段と、を備え、
    前記カバー手段は、
    前記開閉体本体の見付面と当接するように配置された前記耐火性カバー材と、
    前記耐火性カバー材よりも外側に位置する第1可燃性カバー材であって、化粧板として機能する第1可燃性カバー材と、
    前記耐火性カバー材と前記第1可燃性カバー材との相互間に位置する第2可燃性カバー材であって、下地材として機能する第2可燃性カバー材と、を積層してなり、
    前記第2可燃性カバー材の厚さを、前記変形抑制手段の厚さと略同一とし、
    前記第2可燃性カバー材の端部及びその近傍部分を切り欠くことにより、前記変形抑制手段の一部を収容可能な空間を形成し、
    前記変形抑制手段の一部が前記空間に収容されることで、当該変形抑制手段の一部が前記第1可燃性カバー材と前記耐火性カバー材との相互間に位置し、且つ前記変形抑制手段の他の一部が前記開閉体本体の見込面に対して前記固定手段によって固定されることが可能となるように、前記変形抑制手段を構成した、
    防火戸用の開閉体。
  2. 前記変形抑制手段を、断面形状が略コ字状である板状体に形成した、
    請求項1に記載の防火戸用の開閉体。
  3. 前記カバー手段は、
    前記開閉体本体の見付面のいずれか一方を覆うように設けられた第1カバー手段と、
    前記開閉体本体の見付面のいずれか他方を覆うように設けられた第2カバー手段と、を含み、
    前記変形抑制手段によって、少なくとも前記開閉体本体と、前記第1カバー手段の前記耐火性カバー材と、前記第2カバー手段の前記耐火性カバー材とが挟み込まれるように、当該変形抑制手段を形成した、
    請求項2に記載の防火戸用の開閉体。
  4. 前記防火戸を、前記建物の壁部に形成された前記開口部に設け、
    前記剥離防止手段を、当該開閉体の見込面のうち上側に位置する上側見込面の略全体にわたって設けた、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の防火戸用の開閉体。
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