JP7228132B2 - 金属層一体型ポリプロピレンフィルム、フィルムコンデンサ、及び、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
また、熱収縮率の小さいポリプロピレンフィルム(金属層を積層する前のポリプロピレンフィルム)を得るための製造条件(例えば、キャストシートの製造条件(例えば、原料樹脂の溶融温度、キャスト温度等)や、キャストシートを延伸してポリプロピレンフィルムを形成する際の延伸処理条件(例えば、延伸時の温度、延伸倍率、ニップ圧等))の条件出しが厳しくなる場合があり得る。
さらに、ポリプロピレンフィルムの熱収縮率を小さくするための原料樹脂の選択や製造条件の調整が、他の特性(例えば、耐電圧特性等)を犠牲にすることになる場合もあり得る。
ポリプロピレンフィルムと、
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする。
また、前記構成によれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムは、金属層を積層する前と比較して、金属層を積層した後は、比較的大きく収縮しているといえる。つまり、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、すでに大きく熱収縮している以上、さらに熱履歴を受けてもそれ以上は熱収縮し難くなっている。その結果、コンデンサとした後の長期使用による金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面での相対的な位置ずれが抑制され、メタリコン電極の剥離を抑制できる。
また、一般的に、ポリプロピレンフィルムは、熱収縮する特性を有している。そのため、金属層を積層する工程においてポリプロピレンフィルムを意図的に大きく収縮させること等により、金属層を積層する前(金属層を積層する際の熱をうける前)に比較して、金属層を積層した後の熱収縮率を小さくすること(前記熱収縮率比を0.60以下とすること)は比較的容易である。すなわち、本発明では、金属層を積層する際の条件等を調整すれば、前記熱収縮率比を0.60以下とすることができるので、材料樹脂についての選択の幅は広く保つことができる。例えば、特許文献1のように、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるような原料樹脂を必ず選択しなければならない、という制約はない。また、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるようにポリプロピレンフィルムの製造条件を調整する必要もない。
また、前記熱収縮率比が0.25以上であるため、寸法安定性に優れる。
このように、前記構成によれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保でき、かつ、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能となる。
一方、本発明において第一方向は、MD方向(長手方向、流れ方向、縦方向)を意図している。そして、本発明では、巻回された金属層一体型ポリプロピレンフィルムが熱収縮により巻締り、巻締りにより生じる、金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面でのせん断剥離を抑制しようとしている。
このように、本発明と特許文献1とでは、メタリコン電極の剥離の抑制という点で目的は共通し得るものの、解決手段としては、全く異なる。つまり、本発明では、前記熱収縮率比を0.60以下としたため、金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面でのせん断剥離を抑制しているのに対して、特許文献1では、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムの幅方向の熱収縮率を小さくすることにより、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムがメタリコン電極面から離れる方向に縮むことによる剥離を抑制しており、解決手段は全く異なる。
ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする。
ポリプロピレンフィルムと、
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下である。
また、一般的に、ポリプロピレンフィルムは、熱収縮する特性を有している。そのため、金属層を積層する工程においてポリプロピレンフィルムを意図的に大きく収縮させること等により、金属層を積層する前(金属層を積層する際の熱をうける前)に比較して、金属層を積層した後の熱収縮率を小さくすること(前記熱収縮率比を0.60以下とすること)は比較的容易である。すなわち、本実施形態では、金属層を積層する際の条件等を調整すれば、前記熱収縮率比を0.60以下とすることができるので、材料樹脂についての選択の幅は広く保つことができる。例えば、特許文献1のように、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるような原料樹脂を必ず選択しなければならない、という制約はない。また、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるようにポリプロピレンフィルムの製造条件を調整する必要もない。
また、前記熱収縮率比は、0.25以上であり、好ましくは0.28以上であり、より好ましくは0.30以上であり、さらに好ましくは0.40以上であり、特に好ましくは0.45以上である。前記熱収縮率比が0.25以上であるため、素子巻きした後の熱処理時において寸法安定性に優れる。
このように、本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムによれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保でき、かつ、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能となる。この点は実施例からも明らかである。
金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製する。このとき、第一方向(本実施形態ではMD方向)を長さ方向として切り出す。前記測定用サンプルは、3本準備する。なお、金属層一体型ポリプロピレンフィルムにおいて、ポリプロピレンフィルム上に金属層が形成されている部分と形成されていない部分とが存在する場合(金属層がポリプロピレンフィルム上にパターン形成されている場合)、測定サンプルを切り出す際には、幅20mm、長さ130mmの全体に金属層が形成されている部分かつヘビーエッジではない部分を切り出す。次に、測定用サンプルの長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付ける。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持する。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定する。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Bとする。具体的には、下記式の通りである。
(熱収縮率B)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の測定条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準ずる。
より詳細には、実施例に記載の方法による。
冷却ロールの温度は、通常、ポリプロピレンフィルムが熱負けをするのを抑えるために低く設定されることが多いが、高めに設定すれば、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
蒸発源の温度は、高めに設定すれば、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
金属層の厚さは、厚いほど、金属層の積層のために長時間、熱に晒されることになる。そのため、厚めに設定すれば、金属層積層時に長時間、熱に晒されることによりポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
本実施形態において、120℃での第一方向の寸法変化率は、蒸発源の温度、金属層の厚さ等によって制御することができる。例えば、第一方向をMD方向とした場合、蒸発源の温度が低いほど、MD寸法変化率はマイナス方向に大きくなる傾向にある。また、例えば、第一方向をMD方向とした場合、金属層の厚さが厚いほど、MD寸法変化率はマイナス方向に大きくなる傾向にある(つまり、MD寸法変化率の値としては、より低くなる傾向にある)。
前記120℃での第一方向の寸法変化率は、TMA法で測定される値であり、より詳細には実施例に記載の方法による。
この点について、以下に詳細に説明する。
ポリプロピレンフィルムは、厚さが薄いほど、単位体積当たりの静電容量を大きくできる。より具体的に説明すると、静電容量Cは、誘電率ε、電極面積S、誘電体厚さd(ポリプロピレンフィルムの厚さd)を用いて、以下のように表される。
C=εS/d
ここで、フィルムコンデンサの場合、電極の厚さは、ポリプロピレンフィルム(誘電体)の厚さと比較して3桁以上薄いため、電極の体積を無視すると、コンデンサの体積Vは、以下のように表される。
V=Sd
従って、上記2つの式より、単位体積当たりの静電容量C/Vは、以下のように表される。
C/V=ε/d2
上記式から分かるように、単位体積当たりの静電容量(C/V)は、ポリプロピレンフィルム厚さの自乗に反比例する。また、誘電率εは、使用する材料により決まる。そうすると、材料を変更しない限りは、厚さを薄くすること以外で単位体積当たりの静電容量(C/V)を向上させることはできないことが分かる。
なお、電極面積は、単位体積当たりの静電容量(C/V)に影響しない。この点について以下に説明する。
同じ材料、同じ厚さのフィルムを巻回してコンデンサを作製する場合を想定する。例えば、ターン数(巻き数)を増やして、10倍長く(電極面積を10倍大きく)巻いたとする。そうすると、静電容量は10倍になるが、体積も10倍になるので単位体積当たりの静電容量(C/V)は、電極面積が変化しても変わらない。
上記説明は、理解を容易にするために理想化している。つまり、実際には、例えば、フィルム間にわずかな空隙が存在する場合があることや、電極端でのフリンジ効果の影響があること等により、面積に応じて単位体積当たりの静電容量(C/V)の値に多少の変化が見られる場合はある。しかしながら、一般的には、単位体積当たりの静電容量(C/V)は、ポリプロピレンフィルム厚さによって決まるということが理解できる。
以上より、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、耐電圧性が担保される範囲内で、なるべく薄くすることが好ましい。そこで、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、3.0μm以下であることが好ましい。
一方、ポリプロピレンフィルムの厚さが薄くなると、前記熱収縮率Bは大きくなる傾向にある。そして、前記熱収縮率Bは大きくなると、前記収縮率比も大きくなる。そのため、厚さが薄すぎると、コンデンサにして長期使用した際にメタリコン電極が剥離するおそれが増大する。そこで、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、0.8μm以上であることが好ましい。
金属層一体型ポリプロピレンフィルム中の金属層の厚さは0.1~10nmが好ましい。金属層の厚さが0.1~10nmである場合、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さと前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、本実施例に記載の測定方法では、同程度の値を示す。
本明細書において、「面配向係数ΔP」とは、光学的複屈折測定により求めたポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する複屈折値ΔNyz及びΔNxzの値から算出される面配向係数ΔP(ただし、ΔP=(ΔNyz+ΔNxz)/2)をいう。
本明細書において、ポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する「複屈折値ΔNyz」とは、光学的複屈折測定により求められる厚さ方向に対する複屈折値ΔNyzをいう。より具体的には、フィルムの面内方向の主軸をx軸及びy軸、また、フィルムの厚さ方向(面内方向に対する法線方向)をz軸とし、面内方向のうち、屈折率のより高い方向の遅相軸をx軸とすると、y軸方向の三次元屈折率からz軸方向の三次元屈折率を差し引いた値が、複屈折値ΔNyzとなる。
前記面配向係数のより具体的な測定方法は、実施例に記載の方法による。
前記ポリプロピレン樹脂の数平均分子量Mnは、30000以上53000以下であることが好ましく、33000以上52000以下であることがより好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂のz平均分子量Mzは、500000以上2100000以下であることが好ましく、700000以上1700000以下であることがより好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂の分子量分布[(z平均分子量Mz)/(数平均分子量Mn)]は、10以上70以下であることが好ましく、15以上60以下であることがより好ましく、15以上50以下であることがさらに好ましい。
なお、「対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差(微分分布値差DM)が、-5%以上14%以下である」とは、前記ポリプロピレン樹脂の有するMwの値より、低分子量側の分子量1万から10万の成分(以下、「低分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としての対数分子量Log(M)=4.5の成分と、高分子量側の分子量100万前後の成分(以下、「高分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としてのLog(M)=6.0前後の成分とを比較したときに、差分が正の場合は低分子量成分の方が多く、差分が負の場合は高分子量成分の方が多いと理解できる。
ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
を少なくとも有し、
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.6以下である。
溶融混練の温度は、熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、ポリプロピレン樹脂の場合、加熱溶融時の押出機設定温度は、220~280℃が好ましく、230~270℃がより好ましい。また、加熱溶融時の樹脂温度は、220~280℃が好ましく、230~270℃がより好ましい。加熱溶融時の樹脂温度は、押出機に挿入された温度計にて測定される値である。
なお、加熱溶融時の押出機設定温度、樹脂温度は、使用する樹脂の物性も考慮して選択する。なお、加熱溶融時の樹脂温度を前記数値範囲内にすることにより、樹脂の劣化を抑制することもできる。
前記金属ドラムの表面温度(押し出し後、最初に接触する金属ドラムの温度)は、50~100℃であることが好ましく、より好ましくは、60~80℃である。前記金属ドラムの表面温度は、使用する樹脂の物性等に応じて決定することができる。
MD方向延伸時の温度は、100~170℃が好ましく、120~160℃がより好ましく、130~150℃がさらに好ましい。また、MD方向延伸時の延伸倍率は3~7倍が好ましく、4~6倍がより好ましく、4~5倍がさらに好ましい。また、MD方向延伸時のニップ圧は、0.35~0.45MPaが好ましく、0.36~0.44MPaがより好ましく、0.37~0.43MPaがさらに好ましい。MD方向延伸時のニップ圧は、高いほど加熱収縮率が小さくなりやすく、低いほど加熱収縮率が大きくなりやすい。
MD方向に延伸した後、当該シートをテンターに導いて、TD方向(横方向、幅方向)に、3~11倍に延伸する。TD方向における延伸の際の温度は155~170℃が好ましい。その後、2~10倍に緩和、熱固定を施す。以上により、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。
前記金属層の厚さ(膜抵抗)は、蒸着ライン速度と蒸発源の温度とにより調整することができる。
実施例及び比較例のポリプロピレンフィルムを製造するために使用したポリプロピレン樹脂を、表1に示す。
樹脂Aは、プライムポリマー社製の製品(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペロキシ)ヘキサンが20ppm添加されており、造粒機で溶融混練することにより過酸化分解処理を施して分子量分布を調整した樹脂)である。
樹脂Bは、プライムポリマー社製の製品(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm添加されている樹脂)である。
樹脂Cは、大韓油化社製のHPT-1(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm添加されている樹脂)である。
表1に、各樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)を示した。これらの値は、原料樹脂ペレットの形態での値である。測定方法は以下の通りである。樹脂A、樹脂Bおよび樹脂Cはいずれもホモポリプロピレン樹脂である。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、以下の条件で、各樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)を測定した。
具体的に、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC装置であるHLC-8121GPC-HT型を使用した。カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel GMHHR-H(20)HTを3本連結して使用した。140℃のカラム温度で、溶離液として、トリクロロベンゼンを、1.0ml/minの流速で流して測定した。検量線を、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いて作製し、測定された分子量の値をポリスチレンの値に換算して、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び、z平均分子量(Mz)を得た。このMwとMnの値を用いて分子量分布(Mw/Mn)を得た。また、このMzとMnの値を用いて分子量分布(Mz/Mn)を得た。
各樹脂について、対数分子量log(M)=4.5のときの微分分布値、対数分子量log(M)=6.0のときの微分分布値を、次のような方法で得た。まず、RI検出計を用いて検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、上記標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて標準ポリスチレンの分子量M(Log(M))に対する分布曲線に変換した。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによってLog(M)に対する微分分布曲線を得た。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読んだ。Log(M)=4.5のときの微分分布値とLog(M)=6.0のときの微分分布値との差を微分分布値差DMとした。なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、使用したGPC測定装置に内蔵されている解析ソフトウェアを用いて行った。結果を表1に示す。
各樹脂を溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT-NMR)を用いて、以下の条件で測定した。結果を表1に示す。
高温型核磁気共鳴(NMR)装置:日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT-NMR)、JNM-ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト-ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1))
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4,500回
シフト基準:CH3(mmmm)=21.7ppm
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrm等)に由来する各シグナルの強度積分値より、百分率(%)で算出した。mmmmやmrrm等に由来する各シグナルの帰属に関し、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等のスペクトルの記載を参考とした。
各樹脂について、10mm×35mm×0.3mmにプレス成形して約3gの測定用サンプルを作製した。次に、ヘプタン約150mLを加えてソックスレー抽出を8時間行った。抽出前後の試料質量よりヘプタン不溶分を算出した。結果を表1に示す。
各樹脂について原料樹脂ペレットの形態でのメルトフローレート(MFR)を、東洋精機株式会社のメルトインデックサを用いてJIS K 7210の条件Mに準じて測定した。具体的には、まず、試験温度230℃にしたシリンダ内に、4gに秤りとった試料を挿入し、2.16kgの荷重下で3.5分予熱した。その後、30秒間で底穴より押出された試料の重量を測定し、MFR(g/10min)を求めた。上記の測定を3回繰り返し、その平均値をMFRの測定値とした。結果を表1に示す。
(製造例1)
樹脂Aを押出機に供給して、255℃の温度で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を94℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約120μmのキャスト原反シートを作製した。得られたキャスト原反シートを139℃の温度で速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向)に4.8倍に延伸し、直ちに室温(23℃)まで冷却した。このとき、ニップ圧は0.40MPaとした。
次に、テンターに導いて163℃の温度でTD方向(幅方向)に10倍に延伸して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
ここで、ニップ圧とは、縦延伸のために速度差が設けられた2本のロールのうちの回転速度の速いロール(MD方向の延伸が開始される箇所に位置するロール)の上方にニップロールが設けられており、前記速度の速いロールと前記ニップロールとの間をフィルムが通過する際に当該フィルムに加わる圧力をいう。
樹脂Bと樹脂Cとをドライブレンドした。混合比率は、質量比で(樹脂B):(樹脂C)=60:40とした。その後、ドライブレンドした樹脂を押出機に供給して、255℃の温度で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を91.5℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約120μmのキャスト原反シートを作製した。得られたキャスト原反シートを139℃の温度で速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向)に4.8倍に延伸し、直ちに室温(23℃)まで冷却した。このとき、ニップ圧は0.40MPaとした。次に、テンターに導いて163℃の温度でTD方向(幅方向)に10倍に延伸して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
ニップ圧を0.40MPaに代えて0.30MPaとする以外は製造例2と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
製造例で製造したポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製した。このとき、MD方向を長さ方向として切り出した。前記測定用サンプルは、3本準備した。次に、長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付けた。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持した。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定した。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Aとした。具体的には、下記式の通りとした。
(熱収縮率A)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準じた。結果を表2に示す。
蒸着装置(アルバック社製、製品名:巻取式真空蒸着装置EWE-060)を用い、表2に示す蒸着条件にて、各製造例で得られたポリプロピレンフィルムに金属層を積層し、実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得た。具体的には、下記のようにして、実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得た。実施例および比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは全て2.5μmであった。なお、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは、シチズンセイミツ社製の紙厚測定器MEI-11を用いて100±10kPaで測定したこと以外は、JIS-C2330に準拠して測定した。
図1に示すように、実施例、比較例として作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルム1は、ポリプロピレンフィルム2と、絶縁マージン4を残すようにポリプロピレンフィルム2上に積層された金属蒸着電極3とを有する。金属蒸着電極3は、ポリプロピレンフィルム2に直接接するようにポリプロピレンフィルム2上に積層された金属蒸着層3aと、金属蒸着層3aの一部上面に形成された電極取り出し部3bとを有する。電極取り出し部3bは、いわゆるヘビーエッジと呼ばれる部分である。
図2に示すように、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造装置は、誘電体フィルム供給部101と、絶縁マージン形成部102と、パターン形成部103と、蒸着部104と、巻き取りロール105とを備える。
金属蒸気の温度は、流す電流量(通電量)に応じて高くなる。
金属蒸着層3aの厚さは、膜抵抗(単位面積当たりの抵抗値)で管理する。抵抗値は厚さに反比例するので、膜抵抗が低いほど,膜厚は厚いという関係になる。
株式会社三菱ケミカルアナリテック製、低抵抗 抵抗率計ロレスタGX MCP-T610を用い、作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムにプローブ当てて測定した。測定は、フィルム幅方向の中央付近(電極取り出し部3bではない所)のベタ部分5ヶ所で行い、平均値を、膜抵抗とした。
実施例、比較例で得られた金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製した。このとき、MD方向を長さ方向として切り出した。前記測定用サンプルは、3本準備した。次に、長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付けた。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持した。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定した。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Bとした。具体的には、下記式の通りとした。
(熱収縮率B)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の測定条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準じた。結果を表2に示す。
また、表2には、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]も合わせて示す。
<レタデーション値>
まず、実施例、比較例に係るポリプロピレンフィルムのレタデーション(位相差)値を、下記の通り、傾斜法により測定した。
測定機:大塚電子社製レタデーション測定装置 RE-100
光源:波長550nmのLED光源
測定方法:次のような傾斜法により、レタデーション値の角度依存性を測定した。フィルムの面内方向の主軸をx軸及びy軸、また、フィルムの厚さ方向(面内方向に対する法線方向)をz軸とし、面内方向のうち、屈折率のより高い方向の遅相軸をx軸としたとき、x軸を傾斜軸として、0°~50°の範囲でz軸に対して10°ずつ傾斜させたときの各レタデーション値を求めた。例えば、逐次延伸法において、MD方向(流れ方向)の延伸倍率よりも、TD方向(幅方向)の延伸倍率が高い場合、TD方向が遅相軸(x軸)、MD方向がy軸となる。
レタデーション値から、非特許文献「粟屋裕、高分子素材の偏光顕微鏡入門、105~120頁、2001年」に記載の通り、次のようにして面配向係数ΔPを算出した。
まず、各傾斜角φに対し、測定されたレタデーション値Rを、傾斜補正が施された厚さdで割ったR/dを求めた。φ=10°、20°、30°、40°、50°のそれぞれのR/dについて、φ=0°のR/dとの差を求め、それらをさらにsin2r(r:屈折角)で割ったものを、それぞれのφにおける複屈折ΔNzyとし、正負の符号を逆にして複屈折値ΔNyzとした。φ=20°、30°、40°、50°におけるΔNyzの平均値として、複屈折値ΔNyzを算出した。
次に、傾斜角φ=0°で測定されたレタデーション値Rを、厚さdで割った値より、前述で求めたΔNzyを除算し、複屈折値ΔNxzを算出した。
最後に、複屈折値のΔNyzとΔNxzを、式:ΔP=(ΔNyz+ΔNxz)/2に代入しΔPを求めた。なお、ポリプロピレンについての、各傾斜角φにおける屈折角rの値は、前記非特許文献の109頁に記載されているものを用いた。結果を表2に示す。
[コンデンサの作製]
実施例、比較例で作成した金属層一体型ポリプロピレンフィルムを60mm幅にスリットした。次に、2枚の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを相合わせた。株式会社皆藤製作所製自動巻取機3KAW-N2型を用い、相合わせた前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、巻き取り張力250g、接圧880g、巻き取り速度4m/sにて、1137ターン巻回を行った。素子巻きした素子は、荷重5.9kg/cm2でプレスしながら120℃にて15時間熱処理を施した。その後、素子端面に亜鉛金属を溶射した。溶射条件としては、フィード速度15mm/s、溶射電圧22V、溶射圧力0.3MPaとし、厚さ0.7mmになるよう溶射を行った。こうして扁平型コンデンサを得た。扁平型コンデンサの端面にリード線をはんだ付けした。その後、扁平型コンデンサをエポキシ樹脂で封止した。エポキシ樹脂の硬化は、90℃で2.5時間加熱した後、さらに、120℃で2.5時間加熱して行った。出来上がったコンデンサの静電容量は、75μFであった。
上記で作製した測定用のコンデンサを冷熱衝撃試験装置(エスペックTSA-101S-W)に入れ、下限温度-40℃と上限温度105℃の間で急昇降温のサイクルを500回繰り返した。具体的には、-40℃で50分保持と105℃で50分保持とを1セットとして500回繰り返した。なお、温度の切り替えは、設定温度の空気を送風して、強制的に入れ替えした。また、温度切り替え時間も、50分保持の時間に含めた。
作製したコンデンサ素子について、熱衝撃試験前と熱衝撃試験後のtanδ及び静電容量を、日置電機株式会社製LCRハイテスター3522-50を用いて測定した。テストフィクスチャとしては、4端子プローブ9140を用いた。具体的な測定条件は、印加電圧0.1V、周波数1kHzとした。測定は、コンデンサ素子3個について行い、平均値を測定値とした。
その後、tanδの増加率を、下記式にて求めた。
(tanδの増加率)=[[(熱衝撃試験後のtanδ)-(熱衝撃試験前のtanδ)]/(熱衝撃試験前のtanδ)]×100(%)
また、静電容量の変化率を、下記式にて求めた。
(静電容量の変化率)=[[(熱衝撃試験後の静電容量)-(熱衝撃試験前の静電容量)]/(熱衝撃試験前の静電容量)]×100(%)
結果を表2に示す。
前記tanδの増加率が100%以下である場合、メタリコン電極の剥離をより好適に抑制できているといえる。すなわち、メタリコン電極が剥離すると、電流経路が限定されることにより抵抗が増加することに起因して、tanδが増加することとなるが、前記tanδの増加率が100%以下であれば、メタリコン電極の大きな剥離は発生していないと推察できる。従って、前記tanδの増加率が100%以下である場合をA、100%より大きい場合をBとして評価した。結果を表2に示す。
比較例1-4では、静電容量の変化率が-1.0%以上1.0%以下の範囲内であり、メタリコン電極の剥離以外の不具合は生じていないことが推察される。従って、比較例1-4では、tanδの増加が、たしかにメタリコン電極の剥離に起因しており、メタリコン電極の剥離以外の不具合に起因しているのではないことが推察される。
MD方向の寸法変化率は、熱機械的分析装置(セイコーインスツルメンツ株式会社製「SS-6000」)を使用して、温度変調TMA測定により求めた。
実施例、比較例で作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムから測定方向に30mm、測定方向と直交方向に幅4mmとなるように短冊を切り出してサンプルを作製した。前記測定用サンプルは、3本準備した。このとき、サンプルの測定方向がMD方向と一致するようにサンプルを切り出した。測定条件は、チャック間距離を15mm、測定温度範囲を25℃から150℃、昇温速度を10℃/分、サンプル片にかけ続ける引張荷重を20mNとした。炉内温度が120℃に到達したときのチャック間距離(mm)から、以下の式を用いてMD方向の寸法変化率を求めた。
[120℃でのMD方向の寸法変化率(%)]=[(120℃のチャック間距離-25℃のチャック間距離)/25℃のチャック間距離]×100
3本の測定値の平均値を120℃でのMD方向の寸法変化率(%)とした。
なお、寸法変化率は、温度上昇に伴ってフィルム寸法が大きくなる(膨張する)場合は正(プラス)となり、温度上昇に伴ってフィルム寸法が小さくなる(収縮する)場合は負(マイナス)となる。結果を表2に示す。
2 ポリプロピレンフィルム
3 金属蒸着電極
3a 金属蒸着層
3b 電極取り出し部
4 絶縁マージン
Claims (9)
- ポリプロピレンフィルムと、
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする金属層一体型ポリプロピレンフィルム。 - 前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
- 120℃での前記第一方向の寸法変化率が-0.40%以上であること特徴とする請求項1又は2に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
- 前記ポリプロピレンフィルムの面配向係数ΔPが0.010~0.016であること特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
- コンデンサ用であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
- 前記ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
- 巻回された請求項1~6のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するか、又は、請求項1~6のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムが複数積層された構成を有することを特徴とするフィルムコンデンサ。
- ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。 - 前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムは、第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項8に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。
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