JP7228132B2 - 金属層一体型ポリプロピレンフィルム、フィルムコンデンサ、及び、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法 - Google Patents

金属層一体型ポリプロピレンフィルム、フィルムコンデンサ、及び、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属層一体型ポリプロピレンフィルム、フィルムコンデンサ、及び、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法に関する。
ポリプロピレンフィルムは、高い耐電圧性や低い誘電損失特性等の優れた電気特性を有し、且つ、高い耐湿性を有する。そのため、広く電子機器や電気機器に用いられている。具体的には、例えば、高電圧コンデンサ;コンバーター、インバーター等の電力変換回路のフィルター用コンデンサや平滑用コンデンサ等に使用されるフィルムとして利用されている。
特に、近年、ポリプロピレンフィルムは、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動モーターを制御するインバーター電源機器用コンデンサとして、広く用いられ始めている。自動車等に用いられるインバーター電源機器用コンデンサは、小型、軽量、高容量であり、且つ、広い温度範囲(例えば、-40℃~90℃)で、長期間にわたる高い信頼性が求められている。
ここで、誘電損失とは、誘電体に加えた電気エネルギーの一部が熱エネルギーとして失われることをいい、誘電正接(以下、「tanδ」ともいう)は、誘電損失の度合いを示す指標である。tanδは、複素インピーダンスの実数部(抵抗)と虚数部(リアクタンス)の比で定義される。tanδは、値が大きいほど、加えた電気エネルギーに対して、熱エネルギーとして失われる割合が大きいことを示す。コンデンサを長期間使用すると、種々の原因によりコンデンサのtanδが上昇することになる。tanδが上昇すると、コンデンサとして使用している間に多量の熱が発生することがあり、特性の低下等、信頼性が損なわれる原因となる。そのため、長期間使用したとしても、tanδの上昇が小さいことが求められている。
特許文献1には、長さ方向の熱収縮率が3.0%以下、幅方向の熱収縮率が0%以上1.0%以下であるコンデンサ用ポリプロピレンフィルム、との記載がある(請求項1参照)。また、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムの長さ方向の熱収縮率が3.0%を越えると蒸着加工時に蒸着金属から受ける熱によるしわが発生し易くなり、コンデンサ製造時の熱処理などの高温工程において寸法安定性に欠け、安定したコンデンサ特性を得られないことが記載されている(段落[0008])。また、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムの幅方向の熱収縮率が1.0%を越えると、コンデンサ製造時の熱処理などの高温工程において、コンデンサ素子の端面がカールしてメタリコン金属との接触抵抗が増大し、ひいてはコンデンサの誘電正接を悪化させるため、安定したコンデンサ特性を得られないことが記載されている(段落[0009])。特許文献1では、蒸着工程前のコンデンサ用ポリプロピレンフィルムの熱収縮率を所定値よりも小さくすることとしていることから、金属層が積層される前のコンデンサ用ポリプロピレンフィルムの熱収縮率を小さくすることにより、安定したコンデンサ特性を得ることを趣旨としていると考えられる。
特開平11-273991号公報
しかしながら、一般的に、ポリプロピレンフィルムは、熱収縮する特性を有しているため、特許文献1のように、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率を小さくするためには、なるべく熱収縮しないポリプロピレンフィルムを製造し得る原料樹脂を選択する必要がある。そのため、原料樹脂の選択の幅が狭くなるといった問題がある。
また、熱収縮率の小さいポリプロピレンフィルム(金属層を積層する前のポリプロピレンフィルム)を得るための製造条件(例えば、キャストシートの製造条件(例えば、原料樹脂の溶融温度、キャスト温度等)や、キャストシートを延伸してポリプロピレンフィルムを形成する際の延伸処理条件(例えば、延伸時の温度、延伸倍率、ニップ圧等))の条件出しが厳しくなる場合があり得る。
さらに、ポリプロピレンフィルムの熱収縮率を小さくするための原料樹脂の選択や製造条件の調整が、他の特性(例えば、耐電圧特性等)を犠牲にすることになる場合もあり得る。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保しつつ、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能な金属層一体型ポリプロピレンフィルムを提供することにある。また、本発明の目的は、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するフィルムコンデンサを提供することにある。また、本発明の目的は、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、金属層一体型ポリプロピレンフィルムについて鋭意検討を行った。その結果、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率と比較して、ポリプロピレンフィルムに金属層を積層した後の金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率が大きく変化していれば、コンデンサとして使用した際に、メタリコン電極の剥離が抑制されることを見出した。その理由として、本発明者らは、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率と比較して、ポリプロピレンフィルムに金属層を積層した後の金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率が大きく減少していれば、金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、さらに熱履歴を受けてもそれ以上は熱収縮し難くなっており、コンデンサとした後の長期使用による金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面での相対的な位置ずれが抑制されるためと推察している。そして、下記構成を採用することにより、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保しつつ、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能な金属層一体型ポリプロピレンフィルムを提供することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、
ポリプロピレンフィルムと、
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする。
前記構成によれば、前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層が積層されているため、ポリプロピレンフィルムを誘電体とし、金属層を電極としたフィルムコンデンサに使用することができる。
また、前記構成によれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムは、金属層を積層する前と比較して、金属層を積層した後は、比較的大きく収縮しているといえる。つまり、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、すでに大きく熱収縮している以上、さらに熱履歴を受けてもそれ以上は熱収縮し難くなっている。その結果、コンデンサとした後の長期使用による金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面での相対的な位置ずれが抑制され、メタリコン電極の剥離を抑制できる。
また、一般的に、ポリプロピレンフィルムは、熱収縮する特性を有している。そのため、金属層を積層する工程においてポリプロピレンフィルムを意図的に大きく収縮させること等により、金属層を積層する前(金属層を積層する際の熱をうける前)に比較して、金属層を積層した後の熱収縮率を小さくすること(前記熱収縮率比を0.60以下とすること)は比較的容易である。すなわち、本発明では、金属層を積層する際の条件等を調整すれば、前記熱収縮率比を0.60以下とすることができるので、材料樹脂についての選択の幅は広く保つことができる。例えば、特許文献1のように、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるような原料樹脂を必ず選択しなければならない、という制約はない。また、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるようにポリプロピレンフィルムの製造条件を調整する必要もない。
また、前記熱収縮率比が0.25以上であるため、寸法安定性に優れる。
このように、前記構成によれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保でき、かつ、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能となる。
なお、特許文献1は、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムの幅方向の熱収縮率を小さくすることにより、コンデンサ素子の端面のカールを抑制し、これにより、メタリコン電極の剥離を抑制しようとしているように思われる。つまり、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムがメタリコン電極面から離れる方向に縮むことによる剥離を抑制しようとしているように思われる。
一方、本発明において第一方向は、MD方向(長手方向、流れ方向、縦方向)を意図している。そして、本発明では、巻回された金属層一体型ポリプロピレンフィルムが熱収縮により巻締り、巻締りにより生じる、金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面でのせん断剥離を抑制しようとしている。
このように、本発明と特許文献1とでは、メタリコン電極の剥離の抑制という点で目的は共通し得るものの、解決手段としては、全く異なる。つまり、本発明では、前記熱収縮率比を0.60以下としたため、金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面でのせん断剥離を抑制しているのに対して、特許文献1では、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムの幅方向の熱収縮率を小さくすることにより、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムがメタリコン電極面から離れる方向に縮むことによる剥離を抑制しており、解決手段は全く異なる。
前記構成の金属層一体型ポリプロピレンフィルムにおいては、前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることが好ましい。
金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であれば、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地をより確保できる。
前記構成の金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用であることが好ましい。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保でき、かつ、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能であるため、コンデンサ用として好適に使用できる。
前記構成のポリプロピレンフィルムは、二軸延伸されていることが好ましい。
前記ポリプロピレンフィルムが二軸延伸されていると、前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率は、二軸延伸される前と比較して大きくなる傾向にある。そこで、前記ポリプロピレンフィルムが二軸延伸されている場合、前記熱収縮率比が0.60以下となる金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得易い。
また、本発明に係るフィルムコンデンサは、巻回された前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するか、又は、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムが複数積層された構成を有することを特徴とする。
また、本発明に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法は、
ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする。
前記構成によれば、前記熱収縮率比が0.25以上0.60以下となる原料樹脂や製造条件を採用すればよいため、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムを製造するための材料選択の余地や製造条件の調整の余地を確保できる。また、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、コンデンサとして使用した際に、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能となる。
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムは、第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることが好ましい。
金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であれば、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地をより確保できる。
本発明によれば、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保しつつ、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能な金属層一体型ポリプロピレンフィルムを提供することができる。また、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するフィルムコンデンサを提供することができる。また、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法を提供することができる。
実施例、比較例として作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムを説明するための模式的斜視図である。 実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について、説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本明細書中において、「含有」、「含む」という表現は、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」、「のみからなる」という概念を含む。
本明細書において、「素子」、「コンデンサ」、「コンデンサ素子」、「フィルムコンデンサ」は同じものを意味する。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムは、微孔性フィルムではないので、多数の空孔を有していない。本実施形態に係るポリプロピレンフィルムは、2層以上の複数層で構成されていてもよいが、単層で構成されていることが好ましい。
本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、
ポリプロピレンフィルムと、
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下である。
本明細書において、第一方向は、ポリプロピレンフィルムのMD方向(Machine Direction)を意図している。つまり、本実施形態において第一方向は、MD方向であることが好ましい。ただし、本実施形態において第一方向は、MD方向に限定されず、任意の方向を第一方向とすることができる。以下では、第一方向がMD方向である場合について説明する。なお、本明細書において、MD方向に直交する方向は、TD方向(Transverse Direction)(「幅方向、横方向ともいう)である。
本明細書において、メタリコン電極とは、金属層一体型ポリプロピレンフィルムが積層された側面に設けられ、内部電極としての金属層に電気的に接続された外部電極をいう。
本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.60以下であり、好ましくは0.58以下であり、より好ましくは0.55以下であり、さらに好ましくは0.49以下であり、特に好ましくは0.48以下である。前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムは、金属層を積層する前と比較して、金属層を積層した後は、比較的大きく収縮しているといえる。つまり、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、すでに大きく熱収縮している以上、さらに熱履歴を受けてもそれ以上は熱収縮し難くなっている。その結果、コンデンサとした後の長期使用による金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面での相対的な位置ずれが抑制され、メタリコン電極の剥離を抑制できる。
また、一般的に、ポリプロピレンフィルムは、熱収縮する特性を有している。そのため、金属層を積層する工程においてポリプロピレンフィルムを意図的に大きく収縮させること等により、金属層を積層する前(金属層を積層する際の熱をうける前)に比較して、金属層を積層した後の熱収縮率を小さくすること(前記熱収縮率比を0.60以下とすること)は比較的容易である。すなわち、本実施形態では、金属層を積層する際の条件等を調整すれば、前記熱収縮率比を0.60以下とすることができるので、材料樹脂についての選択の幅は広く保つことができる。例えば、特許文献1のように、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるような原料樹脂を必ず選択しなければならない、という制約はない。また、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率が小さくなるようにポリプロピレンフィルムの製造条件を調整する必要もない。
また、前記熱収縮率比は、0.25以上であり、好ましくは0.28以上であり、より好ましくは0.30以上であり、さらに好ましくは0.40以上であり、特に好ましくは0.45以上である。前記熱収縮率比が0.25以上であるため、素子巻きした後の熱処理時において寸法安定性に優れる。
このように、本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムによれば、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地を確保でき、かつ、前記熱収縮率比が0.60以下であるため、メタリコン電極の剥離を抑制することが可能となる。この点は実施例からも明らかである。
<金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bの測定方法>
金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製する。このとき、第一方向(本実施形態ではMD方向)を長さ方向として切り出す。前記測定用サンプルは、3本準備する。なお、金属層一体型ポリプロピレンフィルムにおいて、ポリプロピレンフィルム上に金属層が形成されている部分と形成されていない部分とが存在する場合(金属層がポリプロピレンフィルム上にパターン形成されている場合)、測定サンプルを切り出す際には、幅20mm、長さ130mmの全体に金属層が形成されている部分かつヘビーエッジではない部分を切り出す。次に、測定用サンプルの長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付ける。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持する。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定する。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Bとする。具体的には、下記式の通りである。
(熱収縮率B)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の測定条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準ずる。
より詳細には、実施例に記載の方法による。
前記熱収縮率Aの測定方法は、前記測定用サンプルとして、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの代わりに金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムを用いること以外は、前記熱収縮率Bの測定方法と同様である。
前記熱収縮率比の調整方法は、特に限定されない。例えば、種々の材料(原料樹脂等)のなかから目的に応じた材料を選択した上で、熱収縮率Bを調整すればよい。つまり、熱収縮率Bを調整すれば、前記熱収縮率比を0.25以上0.60以下とすることができるので、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地が確保できる。
前記熱収縮率Bの調整方法は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルムに金属層を積層する際の条件で調整することができる。ポリプロピレンフィルムに金属層を積層する際の具体的な条件としては、例えば、(i)冷却ロールの温度、(ii)蒸発源の温度、(iii)金属層の厚さ等が挙げられる。
冷却ロールの温度は、通常、ポリプロピレンフィルムが熱負けをするのを抑えるために低く設定されることが多いが、高めに設定すれば、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
蒸発源の温度は、高めに設定すれば、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
金属層の厚さは、厚いほど、金属層の積層のために長時間、熱に晒されることになる。そのため、厚めに設定すれば、金属層積層時に長時間、熱に晒されることによりポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
前記熱収縮率Bの調整方法の他の例としては、ポリプロピレンフィルムに金属層を積層した後、さらに、後加熱処理を行う方法が挙げられる。後加熱処理を行うことにより、製品となる前の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを熱収縮させることができ、その結果、製品としての金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。
前記熱収縮率Bは、2.4%以下が好ましく、2.3%以下がより好ましく、2.2%以下がさらに好ましく、2.1%以下が特に好ましい。前記熱収縮率Bが2.4%以下であると、コンデンサとした後の長期使用による金属層一体型ポリプロピレンフィルムとメタリコン電極との接触面での相対的な位置ずれがより抑制される。その結果、メタリコン電極の剥離をより抑制できる。この点は実施例からも明らかである。前記熱収縮率Bは、例えば、0.5%以上、0.8%以上、1.0%以上等である。前記熱収縮率Bが0.5%以上であると、素子巻きした後の熱処理時に、素子が好適に巻き締まる。その結果、フィルム間の空隙が取り除かれ、形状が安定化する。また、耐電圧性を向上させることができる。
前記熱収縮率A(金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率)は、2.0%以上が好ましく、3.1%以上がより好ましく、3.5%以上がさらに好ましく、4.0%以上が特に好ましい。前記熱収縮率Aが2.0%以上であると、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地やポリプロピレンフィルムの製造条件の調整の余地がより確保できる。つまり、金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムの熱収縮率(熱収縮率A)が小さくなるような原料樹脂を選択しなければならないという制約が少ない。前記熱収縮率Aの上限は、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルムの製造上の観点から、例えば、9.0%以下、8.0%以下、7.5%以下等である。
上述したように、本実施形態では、ポリプロピレンフィルムとして熱収縮率Aが2.0%以上のものを使用することが好ましい。すなわち、熱収縮率Aが小さいポリプロピレンフィルムを製造する必要がない。そのため、ポリプロピレンフィルムの材料選択の余地が確保されている。従って、前記熱収縮率Aが2.0%以上のポリプロピレンフィルムを得ることは比較的容易であり、種々の材料(原料樹脂等)のなかから、選択すればよい。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2.0μm以上である。また、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、好ましくは3.5μm以下より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.9μm以下、特に好ましくは2.8μm以下である。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは、シチズンセイミツ社製の紙厚測定器MEI-11を用いて100±10kPaで測定したこと以外、JIS-C2330に準拠して測定した値をいう。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムでは、120℃での第一方向の寸法変化率が好ましくは-0.40%以上、より好ましくは-0.30%以上であり、さらに好ましくはー0.26%以上である。120℃での第一方向の寸法変化率が-0.40%以上であると、高温下でコンデンサ素子として使用した際に、フィルムの寸法変化が大きくなりすぎることを抑制することができる。その結果、メタリコン電極の剥離をより好適に抑制できる。120℃での第一方向の寸法変化率は、好ましくは0.30%以下、より好ましくは0%以下、さらに好ましくは-0.01%以下、特に好ましくは-0.05%以下である。
本実施形態において、120℃での第一方向の寸法変化率は、蒸発源の温度、金属層の厚さ等によって制御することができる。例えば、第一方向をMD方向とした場合、蒸発源の温度が低いほど、MD寸法変化率はマイナス方向に大きくなる傾向にある。また、例えば、第一方向をMD方向とした場合、金属層の厚さが厚いほど、MD寸法変化率はマイナス方向に大きくなる傾向にある(つまり、MD寸法変化率の値としては、より低くなる傾向にある)。
前記120℃での第一方向の寸法変化率は、TMA法で測定される値であり、より詳細には実施例に記載の方法による。
以下では、金属層を積層した後の製品としての金属層一体型ポリプロピレンフィルムが備えるポリプロピレンフィルムについて説明する。すなわち、以下では、金属層を積層する前であるのか、それとも、金属層を積層した後であるのかについて、特段に明記せずに、「ポリプロピレンフィルム」というときは、特段の断りがない限り、金属層を積層した後のポリプロピレンフィルムを意味することとして説明する。
前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2.0μm以上である。また、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、好ましくは3.5μm以下、より好ましくは3.0μm以下、さらに好ましくは2.9μm以下、特に好ましくは2.8μm以下である。
前記ポリプロピレンフィルムの厚さが3.0μm以下であると、コンデンサ素子としたときの単位体積当たりの静電容量を大きくすることができるため、コンデンサ用として好適に使用できる。また、フィルムの製膜安定性の観点、及び、熱収縮率Bが大きくなることを抑制する観点(前記収縮率比が0.6越えとなることを抑制する観点)から、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは0.8μm以上とすることができる。
この点について、以下に詳細に説明する。
ポリプロピレンフィルムは、厚さが薄いほど、単位体積当たりの静電容量を大きくできる。より具体的に説明すると、静電容量Cは、誘電率ε、電極面積S、誘電体厚さd(ポリプロピレンフィルムの厚さd)を用いて、以下のように表される。
C=εS/d
ここで、フィルムコンデンサの場合、電極の厚さは、ポリプロピレンフィルム(誘電体)の厚さと比較して3桁以上薄いため、電極の体積を無視すると、コンデンサの体積Vは、以下のように表される。
V=Sd
従って、上記2つの式より、単位体積当たりの静電容量C/Vは、以下のように表される。
C/V=ε/d
上記式から分かるように、単位体積当たりの静電容量(C/V)は、ポリプロピレンフィルム厚さの自乗に反比例する。また、誘電率εは、使用する材料により決まる。そうすると、材料を変更しない限りは、厚さを薄くすること以外で単位体積当たりの静電容量(C/V)を向上させることはできないことが分かる。
なお、電極面積は、単位体積当たりの静電容量(C/V)に影響しない。この点について以下に説明する。
同じ材料、同じ厚さのフィルムを巻回してコンデンサを作製する場合を想定する。例えば、ターン数(巻き数)を増やして、10倍長く(電極面積を10倍大きく)巻いたとする。そうすると、静電容量は10倍になるが、体積も10倍になるので単位体積当たりの静電容量(C/V)は、電極面積が変化しても変わらない。
上記説明は、理解を容易にするために理想化している。つまり、実際には、例えば、フィルム間にわずかな空隙が存在する場合があることや、電極端でのフリンジ効果の影響があること等により、面積に応じて単位体積当たりの静電容量(C/V)の値に多少の変化が見られる場合はある。しかしながら、一般的には、単位体積当たりの静電容量(C/V)は、ポリプロピレンフィルム厚さによって決まるということが理解できる。
以上より、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、耐電圧性が担保される範囲内で、なるべく薄くすることが好ましい。そこで、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、3.0μm以下であることが好ましい。
一方、ポリプロピレンフィルムの厚さが薄くなると、前記熱収縮率Bは大きくなる傾向にある。そして、前記熱収縮率Bは大きくなると、前記収縮率比も大きくなる。そのため、厚さが薄すぎると、コンデンサにして長期使用した際にメタリコン電極が剥離するおそれが増大する。そこで、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、0.8μm以上であることが好ましい。
本発明および本明細書における前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さから、金属層の厚さ(膜抵抗から換算される金属層の厚さ)を引くことにより得られるものとして規定している。
金属層一体型ポリプロピレンフィルム中の金属層の厚さは0.1~10nmが好ましい。金属層の厚さが0.1~10nmである場合、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さと前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、本実施例に記載の測定方法では、同程度の値を示す。
前記ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸フィルムであってもよく、一軸延伸フィルムであってもよく、無延伸フィルムであってもよい。なかでも、二軸延伸フィルムであることが好ましい。前記ポリプロピレンフィルムが二軸延伸されていると、前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率は、二軸延伸される前と比較して大きくなる傾向にある。そこで、前記ポリプロピレンフィルムが二軸延伸されている場合、前記熱収縮率比が0.60以下となる金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得易い。
前記ポリプロピレンフィルムは、面配向係数ΔPが0.010~0.016であることが好ましく、0.011~0.0155であることがより好ましく、0.0115~0.015であることがさらに好ましい。
前記ポリプロピレンフィルムの面配向係数ΔPが前記範囲内にあると、前記熱収縮率比を適切に制御しつつ、高温且つ高電圧下における絶縁破壊をより低減できるため好ましい。
<面配向係数ΔP>
本明細書において、「面配向係数ΔP」とは、光学的複屈折測定により求めたポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する複屈折値ΔNyz及びΔNxzの値から算出される面配向係数ΔP(ただし、ΔP=(ΔNyz+ΔNxz)/2)をいう。
本明細書において、ポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する「複屈折値ΔNyz」とは、光学的複屈折測定により求められる厚さ方向に対する複屈折値ΔNyzをいう。より具体的には、フィルムの面内方向の主軸をx軸及びy軸、また、フィルムの厚さ方向(面内方向に対する法線方向)をz軸とし、面内方向のうち、屈折率のより高い方向の遅相軸をx軸とすると、y軸方向の三次元屈折率からz軸方向の三次元屈折率を差し引いた値が、複屈折値ΔNyzとなる。
また、本明細書において、ポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する「複屈折値ΔNxz」とは、光学的複屈折測定により求められる厚さ方向に対する複屈折値ΔNxzをいい、より具体的には、x軸(遅相軸)方向の三次元屈折率からz軸方向の三次元屈折率を差し引いた値が、複屈折値ΔNxzとなる。
本実施形態では、ポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する「複屈折値ΔNyz」を測定するために、具体的には、大塚電子株式会社製、位相差測定装置 RE-100を用いる。レタデーション(位相差)の測定は傾斜法を用いて行う。より具体的には、フィルムの面内方向の主軸をx軸及びy軸、また、フィルムの厚さ方向(面内方向に対する法線方向)をz軸とし、面内方向のうち、屈折率のより高い方向の遅相軸をx軸とする。x軸を傾斜軸として、0°~50°の範囲でz軸に対して10°ずつ傾斜させたときの各レタデーション値を求める。得られたレタデーション値から、非特許文献「粟屋裕、高分子素材の偏光顕微鏡入門,105~120頁 、2001年」に記載の方法を用いて、厚さ方向(z軸方向)に対するy軸方向の複屈折ΔNyzを計算する。まず、各傾斜角φに対し、測定されたレタデーション値Rを、傾斜補正が施された厚さdで割ったR/dを求める。φ=10°、20°、30°、40°、50°のそれぞれのR/dについて、φ=0°のR/dとの差を求め、それらをさらにsin2r(r:屈折角)で割ったものを、それぞれのφにおける複屈折ΔNzyとし、正負の符号を逆にして複屈折値ΔNyzとする。φ=20°、30°、40°、50°におけるΔNyzの平均値として、複屈折値ΔNyzを算出する。なお、例えば、逐次延伸法において、MD方向(流れ方向)の延伸倍率よりも、TD方向(幅方向)の延伸倍率が高い場合、TD方向が遅相軸(x軸)となり、MD方向がy軸となる。また、ポリプロピレンを用いる場合、ポリプロピレンについての、各傾斜角における屈折角rの値は、前記文献の109頁に記載されているものを用いる。
また、本実施形態では、ポリプロピレンフィルムの厚さ方向に対する「複屈折値ΔNxz」は、傾斜角φ=0°で測定された上記レタデーション値Rを、厚さdで割った値より、前述で求めたΔNzyを除算し、複屈折値ΔNxzを算出する。
前記面配向係数のより具体的な測定方法は、実施例に記載の方法による。
前記ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂を含んでおり、前記熱収縮率比が0.25以上0.60以下であれば、特にその構成材料は限定されない。
前記ポリプロピレン樹脂の含有量は、ポリプロピレンフィルム全体に対して(ポリプロピレンフィルム全体を100質量%としたときに)、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。前記ポリプロピレン樹脂の含有量の上限は、ポリプロピレンフィルム全体に対して、例えば、100質量%、98質量%等である。前記ポリプロピレン樹脂は、一種のポリプロピレン樹脂を単独で含むものであってもよく、二種以上のポリプロピレン樹脂を含むものであってもよい。前記ポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
ここで、前記ポリプロピレンフィルムに含まれるポリプロピレン樹脂が二種以上である場合、含有量の多い方のポリプロピレン樹脂を、本明細書では、「主成分のポリプロピレン樹脂」という。また、前記ポリプロピレンフィルムに含まれるポリプロピレン樹脂が一種である場合、当該ポリプロピレン樹脂を、本明細書では、「主成分のポリプロピレン樹脂」という。
以下、本明細書において、主成分であるか否かを特に明記せずに「ポリプロピレン樹脂」というときは、特段の断りがない限り、主成分としてのポリプロピレン樹脂と、主成分以外のポリプロピレン樹脂との両方を意味する。例えば、「前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mwは、25万以上45万以下であることが好ましい。」と記載されている場合、主成分としてのポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mwが25万以上45万以下であることが好ましいことと、主成分以外のポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mwが25万以上45万以下であることが好ましいこととの両方を意味する。
前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mwは、25万以上45万以下であることが好ましく、25万以上40万以下であることがより好ましい。前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量Mwが25万以上45万以下であると、樹脂流動性が適度となる。その結果、キャスト原反シートの厚さの制御が容易であり、厚み均一性が良好で薄い延伸フィルムを作製することが容易となる。また、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの力学特性、熱-機械特性、延伸成形性等の観点からも重量平均分子量Mwは、25万以上45万以下であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂を2種以上使用する場合、上記Mwが25万以上33万未満のポリプロピレン樹脂と上記Mwが33万以上45万以下のポリプロピレン樹脂を併用することが好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂の数平均分子量Mnは、30000以上53000以下であることが好ましく、33000以上52000以下であることがより好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂のz平均分子量Mzは、500000以上2100000以下であることが好ましく、700000以上1700000以下であることがより好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂の分子量分布[(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)]は、5以上12以下であることが好ましく、5以上11以下であることがより好ましく、5以上10以下であることがさらに好ましい。前記ポリプロピレン樹脂の分子量分布[(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)]が5以上12以下であると、二軸延伸時に適度な樹脂流動性が得られ、厚みムラのない極薄化された二軸延伸プロピレンフィルムを得ることが容易となるため好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂の分子量分布[(z平均分子量Mz)/(数平均分子量Mn)]は、10以上70以下であることが好ましく、15以上60以下であることがより好ましく、15以上50以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、及び、分子量分布(Mw/Mn、及び、Mz/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)装置を用いて測定した値である。より具体的には、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機のHLC-8121GPC-HT(商品名)を使用して測定した値である。GPCカラムとして、東ソー株式会社製の3本のTSKgel GMHHR-H(20)HTを連結して使用する。カラム温度を140℃に設定して、溶離液としてトリクロロベンゼンを1.0ml/10分の流速で流して、MwとMnの測定値を得る。東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いてその分子量Mに関する検量線を作成して、測定値をポリスチレン値に換算して、Mw、Mn及びMzを得る。ここで、標準ポリスチレンの分子量Mの底10の対数を、対数分子量(「Log(M)」)という。
前記ポリプロピレン樹脂は、分子量微分分布曲線において、対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差(以下、「微分分布値差D」ともいう)が、-5%以上14%以下であることが好ましく、-4%以上12%以下であることがより好ましく、-4%以上10%以下であることがさらに好ましい。
なお、「対数分子量Log(M)=4.5のときの微分分布値から、Log(M)=6.0のときの微分分布値を引いた差(微分分布値差D)が、-5%以上14%以下である」とは、前記ポリプロピレン樹脂の有するMwの値より、低分子量側の分子量1万から10万の成分(以下、「低分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としての対数分子量Log(M)=4.5の成分と、高分子量側の分子量100万前後の成分(以下、「高分子量成分」ともいう)の代表的な分布値としてのLog(M)=6.0前後の成分とを比較したときに、差分が正の場合は低分子量成分の方が多く、差分が負の場合は高分子量成分の方が多いと理解できる。
つまり、例えば、分子量分布Mw/Mnが5~12である場合を例にすると、分子量分布Mw/Mnが5~12であるといっても単に分子量分布幅の広さを表しているに過ぎず、その中の高分子量成分、低分子量成分の量的な関係までは分からない。そこで、樹脂流動性、延伸成形性、厚み均一性の観点から、前記ポリプロピレン樹脂は、分子量1万から10万の成分を、分子量100万の成分と比較して、微分分布値差が-5%以上14%以下となるようにポリプロピレン樹脂を使用することが好ましい。
前記微分分布値は、GPCを用いて、次のようにして得た値である。GPCの示差屈折(RI)検出計によって得られる、時間に対する強度を示す曲線(一般には、「溶出曲線」ともいう)を使用する。標準ポリスチレンを用いて得た検量線を使用して、時間軸を対数分子量(Log(M))に変換することで、溶出曲線をLog(M)に対する強度を示す曲線に変換する。RI検出強度は、成分濃度と比例関係にあるので、強度を示す曲線の全面積を100%とすると、対数分子量Log(M)に対する積分分布曲線を得ることができる。微分分布曲線は、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによって得る。したがって、「微分分布」とは、濃度分率の分子量に対する微分分布を意味する。この曲線から、特定のLog(M)のときの微分分布値を読みとる。
前記ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率([mmmm])は、98.0%未満であることが好ましく、97.5%以下であることがより好ましく、97.4%以下であることがさらに好ましく、97.0%以下であることが特に好ましい。また、前記メソペンタッド分率は、94.0%以上であることが好ましく、94.5%以上であることがより好ましく、95.0%以上がさらに好ましい。メソペンタッド分率が前記数値範囲内であると、適度に高い立体規則性によって樹脂の結晶性が適度に向上し、初期耐電圧性および長期間に渡る耐電圧性が向上する一方、キャスト原反シートを成形する際の適度な固化(結晶化)速度によって所望の延伸性を得ることができる。
メソペンタッド分率([mmmm])は、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって得ることができる立体規則性の指標である。本明細書において、メソペンタッド分率([mmmm])は、日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT-NMR)、JNM-ECP500を利用して測定した値をいう。観測核は、13C(125MHz)であり、測定温度は、135℃、ポリプロピレン樹脂を溶解する溶媒にはo-ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1)を用いる。高温NMRによる測定方法は、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、第610頁」に記載の方法を参照して行うことができる。メソペンタッド分率([mmmm])のより詳細な測定方法は、実施例に記載の方法による。
前記ポリプロピレン樹脂のヘプタン不溶分(HI)は、96.0%以上であることが好ましく、より好ましくは97.0%以上である。また、前記ポリプロピレン樹脂のヘプタン不溶分(HI)は、99.5%以下であることが好ましく、より好ましくは99.0%以下である。ここで、ヘプタン不溶分は、多いほど樹脂の立体規則性が高いことを示す。前記ヘプタン不溶分(HI)が、96.0%以上99.5%以下であると、適度に高い立体規則性により、樹脂の結晶性が適度に向上し、高温下での耐電圧性が向上する。一方、キャスト原反シート成形の際の固化(結晶化)の速度が適度となり、適度の延伸性を有する。ヘプタン不溶分(HI)の測定方法は、実施例記載の方法による。
前記ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、1.0~8.0g/10minであることが好ましく、1.5~7.0g/10minであることがより好ましく、2.0~6.0g/10minであることがさらに好ましい。前記ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートの測定方法は、実施例記載の方法による。
前記ポリプロピレンフィルムに含まれるポリプロピレン樹脂が二種類以上である場合、主成分のポリプロピレン樹脂は、少なくとも重量平均分子量Mwが25万以上34.5万未満であり、MFRが4~8g/10minであることが好ましい。また、前記ポリプロピレンフィルムに含まれるポリプロピレン樹脂が二種類以上である場合、主成分以外のポリプロピレン樹脂は、少なくとも重量平均分子量Mwが34.5万以上45万以下であり、MFRが1g/10min以上4g/10min未満(更に好ましくは1g/10min以上3.9g/10min以下)であることが好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂は、一般的に公知の重合方法を用いて製造することができる。前記重合方法としては、例えば、気相重合法、塊状重合法及びスラリー重合法を例示できる。
重合は、1つの重合反応機を用いる単段(一段)重合であってもよく、2つ以上の重合反応器を用いた多段重合であってもよい。また、重合は、反応器中に水素又はコモノマーを分子量調整剤として添加して行ってもよい。
重合の際の触媒には、一般的に公知のチーグラー・ナッタ触媒を使用することができ、前記ポリプロピレン樹脂を得ることができる限り特に限定されない。前記触媒は、助触媒成分やドナーを含んでもよい。触媒や重合条件を調整することによって、分子量、分子量分布、立体規則性等を制御することができる。
前記ポリプロピレン樹脂の分子量分布等は、樹脂混合(ブレンド)により調整することができる。例えば、互いに分子量や分子量分布の異なるもの2種類以上の樹脂を混合する方法が挙げられる。一般的には、主樹脂に、それより平均分子量が高い樹脂、又は、低い樹脂を、樹脂全体を100質量%とすると、主樹脂が55質量%以上90質量%以下である2種のポリプロピレン混合系が、低分子量成分量の調整が行い易いため、好ましい。
なお、前記の混合調整方法を採用する場合、平均分子量の目安として、メルトフローレート(MFR)を用いても構わない。この場合、主樹脂と添加樹脂のMFRの差は、1~30g/10分程度としておくのが、調整の際の利便性の観点から好ましい。
樹脂混合する方法としては、特に制限はないが、主樹脂と添加樹脂の重合粉、又は、ペレットを、ミキサー等を用いてドライブレンドする方法や、主樹脂と添加樹脂の重合粉、又は、ペレットを、混練機に供給し、溶融混練してブレンド樹脂を得る方法が挙げられる。
前記ミキサーや前記混練機は、特に制限されない。前記混練機は、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、それ以上の多軸スクリュータイプの何れでもよい。2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでも構わない。
溶融混練によるブレンドの場合は、良好な混練物が得られれば、混練温度は特に制限されない。一般的には、200℃から300℃の範囲であり、樹脂の劣化を抑制する観点から、230℃から270℃が好ましい。また、樹脂の混練混合の際の劣化を抑制するため、混練機に窒素などの不活性ガスをパージしても構わない。溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズしてもよい。これにより、混合ポリプロピレン原料樹脂ペレットを得ることができる。
ポリプロピレン原料樹脂中に含まれる重合触媒残渣等に起因する総灰分は、ポリプロピレン樹脂を基準(100重量部)として、50ppm以下であることが好ましい。
前記総灰分(ポリプロピレン原料樹脂中に含まれる総灰分)は、極性をもった低分子成分の生成を抑制しつつコンデンサとしての電気特性を向上させるために、5ppm以上35ppm以下が好ましく、5ppm以上30ppm以下がより好ましく、10ppm以上25ppm以下がさらに好ましい。
前記ポリプロピレンフィルムは、添加剤を含んでもよい。「添加剤」とは、一般的に、ポリプロピレン樹脂に使用される添加剤であって、前記熱収縮率比が0.25以上0.6以下となるポリプロピレンフィルムを得ることができる限り特に制限されない。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、塩素吸収剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。前記無機フィラーとしては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。前記ポリプロピレン樹脂は、前記添加剤を、前記ポリプロピレンフィルムに悪影響を与えない量で含めてもよい。
前記金属層は、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムをコンデンサとして使用する際に、電極として機能する。前記金属層に用いられる金属としては、例えば、亜鉛、鉛、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属単体、それらの複数種の混合物、それらの合金などを使用することができるが、環境、経済性及びコンデンサ性能などを考慮すると、亜鉛、アルミニウムが好ましい。
次に、本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法について説明する。なお、本発明に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、以下に説明する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法で製造されていることが好ましいが、以下に説明する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法で製造されていなくてもよい。
本実施形態に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法は、
ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
を少なくとも有し、
前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.6以下である。
まず、工程Aについて説明する。
前記ポリプロピレンフィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルムとする場合、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造するための延伸前のキャスト原反シートは、次のようにして作製することができる。ただし、本実施形態に係るキャスト原反シートの製方法は、以下に記載の方法に限定されない。
まず、樹脂ペレット、ドライ混合された樹脂ペレット、又は、予め溶融混練して作製した樹脂ペレットを押出機に供給して、加熱溶融する。
溶融混練の温度は、熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、ポリプロピレン樹脂の場合、加熱溶融時の押出機設定温度は、220~280℃が好ましく、230~270℃がより好ましい。また、加熱溶融時の樹脂温度は、220~280℃が好ましく、230~270℃がより好ましい。加熱溶融時の樹脂温度は、押出機に挿入された温度計にて測定される値である。
なお、加熱溶融時の押出機設定温度、樹脂温度は、使用する樹脂の物性も考慮して選択する。なお、加熱溶融時の樹脂温度を前記数値範囲内にすることにより、樹脂の劣化を抑制することもできる。
次に、Tダイを用いて溶融樹脂をシート状に押し出し、少なくとも1個以上の金属ドラムで、冷却、固化させることで、未延伸のキャスト原反シートを成形する。
前記金属ドラムの表面温度(押し出し後、最初に接触する金属ドラムの温度)は、50~100℃であることが好ましく、より好ましくは、60~80℃である。前記金属ドラムの表面温度は、使用する樹脂の物性等に応じて決定することができる。
前記キャスト原反シートの厚さは、前記ポリプロピレンフィルムを得ることができる限り、特に制限されることはないが、通常、0.05mm~2mmであることが好ましく、0.1mm~1mmであることがより好ましい。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムは、次のようにして好適に作製することができる。ただし、本実施形態に係るポリプロピレンフィルムの作製方法は、以下に記載の方法に限定されない。
前記ポリプロピレンフィルムは、前記樹脂キャスト原反シートに延伸処理を行って製造することができる。延伸は、縦及び横に二軸に配向せしめる二軸延伸が好ましく、延伸方法としては逐次二軸延伸方法が好ましい。逐次二軸延伸方法としては、例えば、まず、キャスト原反シートを100~170℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向、縦方向)に3~7倍に延伸する。ニップ圧は、0.35~0.5MPaとする。
MD方向延伸時の温度は、100~170℃が好ましく、120~160℃がより好ましく、130~150℃がさらに好ましい。また、MD方向延伸時の延伸倍率は3~7倍が好ましく、4~6倍がより好ましく、4~5倍がさらに好ましい。また、MD方向延伸時のニップ圧は、0.35~0.45MPaが好ましく、0.36~0.44MPaがより好ましく、0.37~0.43MPaがさらに好ましい。MD方向延伸時のニップ圧は、高いほど加熱収縮率が小さくなりやすく、低いほど加熱収縮率が大きくなりやすい。
MD方向に延伸した後、当該シートをテンターに導いて、TD方向(横方向、幅方向)に、3~11倍に延伸する。TD方向における延伸の際の温度は155~170℃が好ましい。その後、2~10倍に緩和、熱固定を施す。以上により、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。
前記ポリプロピレンフィルムには、金属蒸着加工工程などの後工程において、接着特性を高める目的で、延伸及び熱固定工程終了後に、オンライン又はオフラインにてコロナ放電処理を行ってもよい。コロナ放電処理は、公知の方法を用いて行うことができる。雰囲気ガスとして空気、炭酸ガス、窒素ガス、又は、これらの混合ガスを用いて行うことが好ましい。
以上のようにしてポリプロピレンフィルムを得ることができる。特に、第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であるポリプロピレンフィルムを好適に得ることができる。
以上、ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aについて説明した。
次に、前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bについて説明する。ただし、本実施形態に係る工程Bは、以下に記載の工程に限定されない。
工程Bでは、コンデンサとして加工するために、前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層し、金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る。
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層する方法としては、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法を例示することができる。生産性及び経済性などの観点から、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法として、一般的にるつぼ法式やワイヤー方式などを例示することができるが、特に限定されることはなく、適宜最適なものを選択することができる。
前記真空蒸着法における蒸着条件として、冷却ロールの温度は、-23℃以上が好ましく、-22℃以上がより好ましく、-20℃以上がさらに好ましい。冷却ロールの温度を-23℃以上とした場合、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。前記冷却ロールの温度は、ポリプロピレンフィルムの熱負けを防止する観点から、-18℃以下が好ましく、-19℃以下がより好ましい。
前記真空蒸着法において、蒸発源の温度は、通電量で制御する。前記真空蒸着法における蒸着条件として、蒸発源への通電量は、650A以上であることが好ましく、700A以上であることがより好ましく、800A以上であることがさらに好ましい。前記通電量を多くすると(蒸発源の温度を高めに設定すれば)、金属層積層時にポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。前記通電量は、ポリプロピレンフィルムの熱負けを防止する観点から、900A以下であることが好ましく、850A以下であることがより好ましい。
前記真空蒸着法において、金属層の厚さは、膜抵抗で制御する。前記真空蒸着法における蒸着条件として、膜抵抗は、アルミニウム膜の場合、20Ω/sq以下であることが好ましく、17Ω/sq以下であることがより好ましい。亜鉛膜の場合、5Ω/sq以下であることが好ましく、4Ω/sq以下であることがより好ましい。前記膜抵抗が小さいということは、金属層の厚さが厚いことを意味する。前記膜抵抗を小さくすると(金属層の厚さを厚くすれば)、金属層の積層のために長時間、熱に晒されることになる。そのため、厚めに設定すれば、金属層積層時に長時間、熱に晒されることによりポリプロピレンフィルムを大きく熱収縮させることができ、得られる金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる傾向にある。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。前記膜抵抗は、自己回復性(セルフヒーリング性)の観点から、アルミニウム膜の場合、1Ω/sq以上であることが好ましく、5Ω/sq以上であることがより好ましい。亜鉛膜の場合、1Ω/sq以上であることが好ましく、2Ω/sq以上であることがより好ましい。なお、自己回復性とは、ポリプロピレンフィルムに欠陥部分が生じた場合等に、印加エネルギーやコンデンサ自身が持っているエネルギーにより蒸着層の金属が瞬時に蒸散してコンデンサの機能が回復することをいう。
前記金属層の厚さ(膜抵抗)は、蒸着ライン速度と蒸発源の温度とにより調整することができる。
蒸着により金属層を積層する際のマージンパターンは、特に限定されるものではないが、コンデンサの保安性等の特性を向上させる点から、フィッシュネットパターンないしはTマージンパターンといった、いわゆる特殊マージンを含むパターンをフィルムの片方の面上に施すことが好ましい。保安性が高まり、コンデンサの破壊、ショートの防止、などの点からも効果的である。
マージンを形成する方法はテープ法、オイル法など、一般に公知の方法が、何ら制限無く使用することができる。
前記工程Bとしては、前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層した後に、さらに、後加熱処理を行うこととしてもよい。後加熱処理を行うことにより、製品となる前の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを熱収縮させることができ、その結果、製品としての金属層一体型ポリプロピレンフィルムの熱収縮率Bを小さくすることができる。前記熱収縮率Bを小さくすることができると、前記収縮率比を0.6以下とし易い。後加熱処理の条件としては、例えば、120~130℃に熱したシリコンオイルの塗布などが挙げられる。
以上、前記収縮率比が0.25以上0.60以下である金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法の一例について説明した。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、従来公知の方法で積層するか、巻回してフィルムコンデンサとすることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔ポリプロピレン樹脂〕
実施例及び比較例のポリプロピレンフィルムを製造するために使用したポリプロピレン樹脂を、表1に示す。
樹脂Aは、プライムポリマー社製の製品(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペロキシ)ヘキサンが20ppm添加されており、造粒機で溶融混練することにより過酸化分解処理を施して分子量分布を調整した樹脂)である。
樹脂Bは、プライムポリマー社製の製品(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm添加されている樹脂)である。
樹脂Cは、大韓油化社製のHPT-1(酸化防止剤としてイルガノックス(登録商標)1010が5000ppm添加されている樹脂)である。
表1に、各樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)を示した。これらの値は、原料樹脂ペレットの形態での値である。測定方法は以下の通りである。樹脂A、樹脂Bおよび樹脂Cはいずれもホモポリプロピレン樹脂である。
<ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)の測定>
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、以下の条件で、各樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)を測定した。
具体的に、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC装置であるHLC-8121GPC-HT型を使用した。カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel GMHHR-H(20)HTを3本連結して使用した。140℃のカラム温度で、溶離液として、トリクロロベンゼンを、1.0ml/minの流速で流して測定した。検量線を、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いて作製し、測定された分子量の値をポリスチレンの値に換算して、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び、z平均分子量(Mz)を得た。このMwとMnの値を用いて分子量分布(Mw/Mn)を得た。また、このMzとMnの値を用いて分子量分布(Mz/Mn)を得た。
<対数分子量log(M)=4.5のときの微分分布値と対数分子量log(M)=6.0のときの微分分布値との差(微分分布値差D)の測定>
各樹脂について、対数分子量log(M)=4.5のときの微分分布値、対数分子量log(M)=6.0のときの微分分布値を、次のような方法で得た。まず、RI検出計を用いて検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、上記標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて標準ポリスチレンの分子量M(Log(M))に対する分布曲線に変換した。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによってLog(M)に対する微分分布曲線を得た。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読んだ。Log(M)=4.5のときの微分分布値とLog(M)=6.0のときの微分分布値との差を微分分布値差Dとした。なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、使用したGPC測定装置に内蔵されている解析ソフトウェアを用いて行った。結果を表1に示す。
<メソペンタッド分率([mmmm])の測定>
各樹脂を溶媒に溶解し、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT-NMR)を用いて、以下の条件で測定した。結果を表1に示す。
高温型核磁気共鳴(NMR)装置:日本電子株式会社製、高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT-NMR)、JNM-ECP500
観測核:13C(125MHz)
測定温度:135℃
溶媒:オルト-ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(混合比=4/1))
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:9.1μsec(45°パルス)
パルス間隔:5.5sec
積算回数:4,500回
シフト基準:CH(mmmm)=21.7ppm
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrm等)に由来する各シグナルの強度積分値より、百分率(%)で算出した。mmmmやmrrm等に由来する各シグナルの帰属に関し、例えば、「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等のスペクトルの記載を参考とした。
<ヘプタン不溶分(HI)の測定>
各樹脂について、10mm×35mm×0.3mmにプレス成形して約3gの測定用サンプルを作製した。次に、ヘプタン約150mLを加えてソックスレー抽出を8時間行った。抽出前後の試料質量よりヘプタン不溶分を算出した。結果を表1に示す。
<メルトフローレート(MFR)の測定>
各樹脂について原料樹脂ペレットの形態でのメルトフローレート(MFR)を、東洋精機株式会社のメルトインデックサを用いてJIS K 7210の条件Mに準じて測定した。具体的には、まず、試験温度230℃にしたシリンダ内に、4gに秤りとった試料を挿入し、2.16kgの荷重下で3.5分予熱した。その後、30秒間で底穴より押出された試料の重量を測定し、MFR(g/10min)を求めた。上記の測定を3回繰り返し、その平均値をMFRの測定値とした。結果を表1に示す。
Figure 0007228132000001
上述の樹脂を用いて、ポリプロピレンフィルム、及び、金属層一体型ポリプロピレンフィルムを作製し、その物性を評価した。
<ポリプロピレンフィルムの作製>
(製造例1)
樹脂Aを押出機に供給して、255℃の温度で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を94℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約120μmのキャスト原反シートを作製した。得られたキャスト原反シートを139℃の温度で速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向)に4.8倍に延伸し、直ちに室温(23℃)まで冷却した。このとき、ニップ圧は0.40MPaとした。
次に、テンターに導いて163℃の温度でTD方向(幅方向)に10倍に延伸して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
ここで、ニップ圧とは、縦延伸のために速度差が設けられた2本のロールのうちの回転速度の速いロール(MD方向の延伸が開始される箇所に位置するロール)の上方にニップロールが設けられており、前記速度の速いロールと前記ニップロールとの間をフィルムが通過する際に当該フィルムに加わる圧力をいう。
(製造例2)
樹脂Bと樹脂Cとをドライブレンドした。混合比率は、質量比で(樹脂B):(樹脂C)=60:40とした。その後、ドライブレンドした樹脂を押出機に供給して、255℃の温度で溶融した後、Tダイを用いて押出し、表面温度を91.5℃に保持した金属ドラムに巻きつけて固化させて、厚さ約120μmのキャスト原反シートを作製した。得られたキャスト原反シートを139℃の温度で速度差を設けたロール間に通してMD方向(流れ方向)に4.8倍に延伸し、直ちに室温(23℃)まで冷却した。このとき、ニップ圧は0.40MPaとした。次に、テンターに導いて163℃の温度でTD方向(幅方向)に10倍に延伸して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
(製造例3)
ニップ圧を0.40MPaに代えて0.30MPaとする以外は製造例2と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
<金属層を積層する前のポリプロピレンフィルムのMD方向の熱収縮率Aの測定>
製造例で製造したポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製した。このとき、MD方向を長さ方向として切り出した。前記測定用サンプルは、3本準備した。次に、長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付けた。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持した。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定した。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Aとした。具体的には、下記式の通りとした。
(熱収縮率A)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準じた。結果を表2に示す。
<金属層一体型ポリプロピレンフィルムの作製>
蒸着装置(アルバック社製、製品名:巻取式真空蒸着装置EWE-060)を用い、表2に示す蒸着条件にて、各製造例で得られたポリプロピレンフィルムに金属層を積層し、実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得た。具体的には、下記のようにして、実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得た。実施例および比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは全て2.5μmであった。なお、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚さは、シチズンセイミツ社製の紙厚測定器MEI-11を用いて100±10kPaで測定したこと以外は、JIS-C2330に準拠して測定した。
図1は、実施例、比較例として作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムを説明するための模式的斜視図である。
図1に示すように、実施例、比較例として作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルム1は、ポリプロピレンフィルム2と、絶縁マージン4を残すようにポリプロピレンフィルム2上に積層された金属蒸着電極3とを有する。金属蒸着電極3は、ポリプロピレンフィルム2に直接接するようにポリプロピレンフィルム2上に積層された金属蒸着層3aと、金属蒸着層3aの一部上面に形成された電極取り出し部3bとを有する。電極取り出し部3bは、いわゆるヘビーエッジと呼ばれる部分である。
図2は、実施例、比較例に係る金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法を説明するための模式図である。実施例、比較例として作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、以下に説明する製造装置により製造した。
図2に示すように、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造装置は、誘電体フィルム供給部101と、絶縁マージン形成部102と、パターン形成部103と、蒸着部104と、巻き取りロール105とを備える。
誘電体フィルム供給部101は、ポリプロピレンフィルム2(製造例で作製したポリプロピレンフィルム)が巻回された誘電体フィルムロール2Rを支持し、誘電体フィルム2を供給する。誘電体フィルムロール2Rから供給されたポリプロピレンフィルム2は絶縁マージン形成部102に搬送される。
絶縁マージン形成部102は、ポリプロピレンフィルム2の面2aに絶縁マージン4のパターンに対応するパターンのオイルを塗布してオイルマスクを形成する。オイルマスクは、金属層一体型ポリプロピレンフィルム1において絶縁マージンとなる部分に、蒸着工程で金属粒子が付着するのを防止するためのものである。絶縁マージン形成部102は、オイルタンクに貯蔵しているオイルを気化してタンクに設けたノズル(スリット)より、直接、ポリプロピレンフィルム2の一の面2aにオイルを塗布しオイルマスクを形成する。
パターン形成部103は、ポリプロピレンフィルム2の一の面2aに、金属蒸着層3aの電極パターンに概ね対応するパターンでオイルを塗布し、オイルマスクを形成する。オイルマスクは、金属層一体型ポリプロピレンフィルム1において縦マージンや横マージンとなる部分に、蒸着工程で金属粒子が付着するのを防止するためのものである。パターン形成部103は、オイルタンク103aと、アニロックスロール103bと、転写ロール103cと、版ロール103dと、バックアップロール103eを有する。オイルタンク103aは、貯蔵しているオイルを気化してノズルから噴出する。アニロックスロール103bと転写ロール103cは、その外周面にオイルタンク103aのノズルから噴出されたオイルが付着した状態で回転する。バックアップロール103eはポリプロピレンフィルム2を介して版ロール103dと対向し、ポリプロピレンフィルム2の面2bに当接する。
絶縁マージン形成部102及びパターン形成部103を通過したポリプロピレンフィルム2は蒸着部104へと搬送される。
蒸着部104は、金属蒸気生成部104a、104bと、金属蒸気生成部104a、104bにポリプロピレンフィルム2を介して対向する冷却ロール104cとを備える。金属蒸気生成部104aは、金属蒸着層3aの材料である金属のワイヤーに電流を流すことで加熱したボート上に供給することで、金属蒸気を発生させ、その金属蒸気をポリプロピレンフィルム2の面2aに蒸着させる。金属蒸気生成部104bは、電極取り出し部3bの材料である金属を熱して蒸発させて金属蒸気を発生し、金属蒸気生成部104aによってポリプロピレンフィルム2の面2a上に先に形成された金属蒸着層3a上に重ねて蒸着される。これにより、電極取り出し部3b部分の金属蒸着層は、それ以外の部分の金属蒸着層よりも厚くなり、ヘビーエッジ構造が形成される。なお、金属蒸気生成部104a、104bで発生した金属蒸気は、ポリプロピレンフィルム2の面2a上に形成されたオイルマスク以外の部分に付着することで金属蒸着電極3を形成する。冷却ロール104bはポリプロピレンフィルム2に当接してポリプロピレンフィルム2を冷却する。
金属蒸気の温度は、流す電流量(通電量)に応じて高くなる。
金属蒸着層3aの厚さは、膜抵抗(単位面積当たりの抵抗値)で管理する。抵抗値は厚さに反比例するので、膜抵抗が低いほど,膜厚は厚いという関係になる。
ポリプロピレンフィルム2に蒸着部104で金属蒸着電極3が形成されることで形成された金属層一体型ポリプロピレンフィルム1は、巻き取りロール105に搬送され巻き取られる。
上記製造装置を用い、ポリプロピレンフィルム2の面2a上に金属蒸着電極3を形成し、金属層一体型ポリプロピレンフィルム1を得た。
金属層一体型ポリプロピレンフィルムの厚みは、シチズンセイミツ社製の紙厚測定器MEI-11を用いて100±10kPaで測定すること以外、JIS-C2330に準拠して測定した。
<膜抵抗の測定方法>
株式会社三菱ケミカルアナリテック製、低抵抗 抵抗率計ロレスタGX MCP-T610を用い、作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムにプローブ当てて測定した。測定は、フィルム幅方向の中央付近(電極取り出し部3bではない所)のベタ部分5ヶ所で行い、平均値を、膜抵抗とした。
<金属層一体型ポリプロピレンフィルムのMD方向の熱収縮率Bの測定>
実施例、比較例で得られた金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、幅20mm、長さ130mmの長方形に切り出して測定用サンプルを作製した。このとき、MD方向を長さ方向として切り出した。前記測定用サンプルは、3本準備した。次に、長さ100mmの箇所を定規で測り、当該箇所に標線を付けた。次に、3つの測定用サンプルを、120℃の熱風循環式恒温槽内に無荷重で15分間保持した。その後、室温(23℃)で冷却し、寸法を測定した。120℃加熱前の寸法100mmに対する加熱後の寸法の変化率を熱収縮率Bとした。具体的には、下記式の通りとした。
(熱収縮率B)=[[(加熱前の寸法)-(加熱後の寸法)]/(加熱前の寸法)]×100(%)
なお、ここに記載した以外の測定条件については、JIS C 2151:2006の「21.寸法変化」に準じた。結果を表2に示す。
また、表2には、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]も合わせて示す。
<面配向係数の測定>
<レタデーション値>
まず、実施例、比較例に係るポリプロピレンフィルムのレタデーション(位相差)値を、下記の通り、傾斜法により測定した。
測定機:大塚電子社製レタデーション測定装置 RE-100
光源:波長550nmのLED光源
測定方法:次のような傾斜法により、レタデーション値の角度依存性を測定した。フィルムの面内方向の主軸をx軸及びy軸、また、フィルムの厚さ方向(面内方向に対する法線方向)をz軸とし、面内方向のうち、屈折率のより高い方向の遅相軸をx軸としたとき、x軸を傾斜軸として、0°~50°の範囲でz軸に対して10°ずつ傾斜させたときの各レタデーション値を求めた。例えば、逐次延伸法において、MD方向(流れ方向)の延伸倍率よりも、TD方向(幅方向)の延伸倍率が高い場合、TD方向が遅相軸(x軸)、MD方向がy軸となる。
<複屈折値及び面配向係数ΔP>
レタデーション値から、非特許文献「粟屋裕、高分子素材の偏光顕微鏡入門、105~120頁、2001年」に記載の通り、次のようにして面配向係数ΔPを算出した。
まず、各傾斜角φに対し、測定されたレタデーション値Rを、傾斜補正が施された厚さdで割ったR/dを求めた。φ=10°、20°、30°、40°、50°のそれぞれのR/dについて、φ=0°のR/dとの差を求め、それらをさらにsin2r(r:屈折角)で割ったものを、それぞれのφにおける複屈折ΔNzyとし、正負の符号を逆にして複屈折値ΔNyzとした。φ=20°、30°、40°、50°におけるΔNyzの平均値として、複屈折値ΔNyzを算出した。
次に、傾斜角φ=0°で測定されたレタデーション値Rを、厚さdで割った値より、前述で求めたΔNzyを除算し、複屈折値ΔNxzを算出した。
最後に、複屈折値のΔNyzとΔNxzを、式:ΔP=(ΔNyz+ΔNxz)/2に代入しΔPを求めた。なお、ポリプロピレンについての、各傾斜角φにおける屈折角rの値は、前記非特許文献の109頁に記載されているものを用いた。結果を表2に示す。
<熱衝撃試験前後でのtanδの増加率、及び、静電容量の変化率>
[コンデンサの作製]
実施例、比較例で作成した金属層一体型ポリプロピレンフィルムを60mm幅にスリットした。次に、2枚の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを相合わせた。株式会社皆藤製作所製自動巻取機3KAW-N2型を用い、相合わせた前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムを、巻き取り張力250g、接圧880g、巻き取り速度4m/sにて、1137ターン巻回を行った。素子巻きした素子は、荷重5.9kg/cmでプレスしながら120℃にて15時間熱処理を施した。その後、素子端面に亜鉛金属を溶射した。溶射条件としては、フィード速度15mm/s、溶射電圧22V、溶射圧力0.3MPaとし、厚さ0.7mmになるよう溶射を行った。こうして扁平型コンデンサを得た。扁平型コンデンサの端面にリード線をはんだ付けした。その後、扁平型コンデンサをエポキシ樹脂で封止した。エポキシ樹脂の硬化は、90℃で2.5時間加熱した後、さらに、120℃で2.5時間加熱して行った。出来上がったコンデンサの静電容量は、75μFであった。
[熱衝撃試験の方法]
上記で作製した測定用のコンデンサを冷熱衝撃試験装置(エスペックTSA-101S-W)に入れ、下限温度-40℃と上限温度105℃の間で急昇降温のサイクルを500回繰り返した。具体的には、-40℃で50分保持と105℃で50分保持とを1セットとして500回繰り返した。なお、温度の切り替えは、設定温度の空気を送風して、強制的に入れ替えした。また、温度切り替え時間も、50分保持の時間に含めた。
[熱衝撃試験前と熱衝撃試験後のtanδ、及び、静電容量の測定]
作製したコンデンサ素子について、熱衝撃試験前と熱衝撃試験後のtanδ及び静電容量を、日置電機株式会社製LCRハイテスター3522-50を用いて測定した。テストフィクスチャとしては、4端子プローブ9140を用いた。具体的な測定条件は、印加電圧0.1V、周波数1kHzとした。測定は、コンデンサ素子3個について行い、平均値を測定値とした。
その後、tanδの増加率を、下記式にて求めた。
(tanδの増加率)=[[(熱衝撃試験後のtanδ)-(熱衝撃試験前のtanδ)]/(熱衝撃試験前のtanδ)]×100(%)
また、静電容量の変化率を、下記式にて求めた。
(静電容量の変化率)=[[(熱衝撃試験後の静電容量)-(熱衝撃試験前の静電容量)]/(熱衝撃試験前の静電容量)]×100(%)
結果を表2に示す。
[評価]
前記tanδの増加率が100%以下である場合、メタリコン電極の剥離をより好適に抑制できているといえる。すなわち、メタリコン電極が剥離すると、電流経路が限定されることにより抵抗が増加することに起因して、tanδが増加することとなるが、前記tanδの増加率が100%以下であれば、メタリコン電極の大きな剥離は発生していないと推察できる。従って、前記tanδの増加率が100%以下である場合をA、100%より大きい場合をBとして評価した。結果を表2に示す。
ここで、静電容量は、メタリコン電極が大きく剥離したとしても、わずかでも電気的な接続が得られていれば大きく変化しない。一方、仮に、熱衝撃試験前後において静電容量が大きく変化していたとしたら、メタリコン電極の剥離以外の不具合(例えば、金属層の不具合)が生じていることになる。
比較例1-4では、静電容量の変化率が-1.0%以上1.0%以下の範囲内であり、メタリコン電極の剥離以外の不具合は生じていないことが推察される。従って、比較例1-4では、tanδの増加が、たしかにメタリコン電極の剥離に起因しており、メタリコン電極の剥離以外の不具合に起因しているのではないことが推察される。
<120℃でのMD方向の寸法変化率>
MD方向の寸法変化率は、熱機械的分析装置(セイコーインスツルメンツ株式会社製「SS-6000」)を使用して、温度変調TMA測定により求めた。
実施例、比較例で作製した金属層一体型ポリプロピレンフィルムから測定方向に30mm、測定方向と直交方向に幅4mmとなるように短冊を切り出してサンプルを作製した。前記測定用サンプルは、3本準備した。このとき、サンプルの測定方向がMD方向と一致するようにサンプルを切り出した。測定条件は、チャック間距離を15mm、測定温度範囲を25℃から150℃、昇温速度を10℃/分、サンプル片にかけ続ける引張荷重を20mNとした。炉内温度が120℃に到達したときのチャック間距離(mm)から、以下の式を用いてMD方向の寸法変化率を求めた。
[120℃でのMD方向の寸法変化率(%)]=[(120℃のチャック間距離-25℃のチャック間距離)/25℃のチャック間距離]×100
3本の測定値の平均値を120℃でのMD方向の寸法変化率(%)とした。
なお、寸法変化率は、温度上昇に伴ってフィルム寸法が大きくなる(膨張する)場合は正(プラス)となり、温度上昇に伴ってフィルム寸法が小さくなる(収縮する)場合は負(マイナス)となる。結果を表2に示す。
Figure 0007228132000002
1 金属層一体型ポリプロピレンフィルム
2 ポリプロピレンフィルム
3 金属蒸着電極
3a 金属蒸着層
3b 電極取り出し部
4 絶縁マージン

Claims (9)

  1. ポリプロピレンフィルムと、
    前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に積層された金属層と
    を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムであって、
    前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をBとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  2. 前記金属層を積層する前の前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  3. 120℃での前記第一方向の寸法変化率が-0.40%以上であること特徴とする請求項1又は2に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  4. 前記ポリプロピレンフィルムの面配向係数ΔPが0.010~0.016であること特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  5. コンデンサ用であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  6. 前記ポリプロピレンフィルムは、二軸延伸されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルム。
  7. 巻回された請求項1~6のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するか、又は、請求項1~6のいずれか1に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムが複数積層された構成を有することを特徴とするフィルムコンデンサ。
  8. ポリプロピレンフィルムを準備する工程Aと、
    前記工程Aで準備した前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層して金属層一体型ポリプロピレンフィルムを得る工程Bと
    を有する金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
    前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率をA、前記工程Bで得られる前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムの第一方向の熱収縮率Bとしたとき、熱収縮率Aと熱収縮率Bとの熱収縮率比[(熱収縮率B)/(熱収縮率A)]が0.25以上0.60以下であることを特徴とする金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。
  9. 前記工程Aで準備する前記ポリプロピレンフィルムは、第一方向の熱収縮率Aが2.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項8に記載の金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。
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