以下に添付図面を参照して、この発明にかかる防犯カメラ装置および防犯カメラ装置制御ブログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(防犯カメラ装置の外観構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の外観構成について説明する。図1~図4は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の外観構成を示す説明図である。図1においてはこの発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の正面図を示し、図2においては背面図を示している。図3においてはこの発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の正面側からの斜視図を示し、図4においては背面側からの斜視図を示している。
図1~図4に示すように、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、平板形状をなす。具体的に、防犯カメラ装置100は、扁平な長方体形状をなす筐体101を備えており、当該筐体101によって平板形状をなす。防犯カメラ装置100は、平板形状をなす筐体101の一面(以下「背面」という)101aを、エレベーターのカゴの内壁面側に向けた状態で設置される(後述する図7を参照)。このようにして、防犯カメラ装置100は、カゴ内に後付けすることができる。
防犯カメラ装置100の筐体101において、背面101aとは反対の面(以下「正面101b」という)には、表示画面(ディスプレイ)102が設けられている。表示画面102は、具体的には、たとえば、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、7セグメントディスプレイなどによって実現することができる。
また、正面101bには、正面レンズ103(103a、103b)が設けられている。正面レンズ103aは、カゴ内に設置された状態において、筐体101における、表示画面102より鉛直方向下側に位置するように設けられている。また、正面レンズ103bは、図1、図3、図6に示すように、筐体101における、表示画面102の左右のいずれか(図1、図3、図6では、表示画面102に向かって右)の端部の外側に位置するように設けられるようにしてもよい。正面レンズ103は、103a、103bのどちらか1つだけ設けられていてもよく、また、103a、103bの両方が設けられていてもよい。また、正面レンズ103の数は、1つまたは2つに限らず、3つ以上であってもよい。正面レンズ103は、正面用撮像素子とともに、この発明にかかる撮影手段である正面カメラ(図9における符号903を参照)を構成する。
正面カメラは、正面レンズ103と撮像素子との間に1または複数のレンズや、当該複数のレンズのうちの少なくとも1つのレンズを光軸方向に沿って移動させる可動機構などを備えていてもよい。正面カメラは、具体的には、たとえば、コントラストAF(AutoFocus)や位相差AFなどのパッシブ方式により焦点を合わせるAFユニットによって実現される。
また、正面レンズ103bは、正面の平面に対して所定の角度だけ下側を向くように構成されている。これにより、平板形状の筐体101を壁面に取り付けて、表示画面102が、壁面と平行になった場合であっても、カゴ内の下側の領域を確実に撮影することができる。
なお、正面カメラの構成部品のうち、少なくとも正面レンズ103が、筐体101における、表示画面102より鉛直方向下側に位置、または、筐体101における、表示画面102の左右のいずれかの端部の外側に位置していればよく、筐体101の形状や筐体101内の部品の配置によっては、正面レンズ103以外の構成部品は、必ずしも表示画面102より鉛直方向下側に位置していなくてもよい。
また、正面101bには、スピーカー104やステータス表示LED(Light Emitting Diode)105が設けられている。スピーカー104は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。スピーカー104は、表示画面102の左右(カゴ内に設置された状態における左右)にそれぞれ設けられている。スピーカー104は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカーを接続して、音を発生させるようにしてもよい。接続する外部スピーカーは、1台であってもよく、2台以上であってもよい。スピーカー104の設置位置も、表示画面の左右には限定されない。
ステータス表示LED105は、防犯カメラ装置100の動作状態を示す。具体的に、ステータス表示LED105は、たとえば、電源のON/OFF状態、リンクアップ状態、データ送受信の有無、エラー発生の有無、注意を促す警告などを示す。ステータス表示LED105は、複数のLEDランプ105aによって構成されている。複数のLEDランプ105aは、それぞれが異なる色で発光するものであってもよく、それぞれが複数色を適宜切り替えて発光するものであってもよい。ステータス表示LED105は、各LEDランプ105aの点灯の有無や発光色によって防犯カメラ装置100の動作状態を示す。
背面101aには、電源ボタン201および操作ボタン202が設けられている。電源ボタン201は、操作されるごとに、防犯カメラ装置100の電源のON/OFFを切り替える。操作ボタン202は、複数のボタン202a~202fによって構成されている。
具体的に、ボタン202a、202bは、たとえば、スピーカー104から出力される音声の音量の調整操作を受け付ける。ボタン202c、202dは、たとえば、防犯カメラ装置100の起動時に表示画面102に表示される設定画面に表示される複数の操作メニューの中から所望の操作メニューを選択する操作を受け付ける。ボタン202eは、選択された操作メニューの決定を受け付ける。
ボタン202eは、防犯カメラ装置100の起動中に操作されることにより、表示画面102における表示内容の切り替え操作を受け付けてもよい。具体的には、防犯カメラ装置100の起動中におけるボタン202eの操作により、たとえば、広告などの表示内容を設定画面に切り替えることができる。
ボタン202fは、防犯カメラ装置100の起動中に操作されることにより、撮影開始を受け付ける。正面カメラおよび背面カメラのいずれの撮影をおこなうかは、ボタン202a~202eの操作によって選択することができる。
電源ボタン201および操作ボタン202は、少なくとも一方が背面101aに設けられていればよい。具体的には、たとえば、電源ボタン201を背面101aに設け、操作ボタン202を筐体101の側面(背面101aおよび正面101b以外の面)や正面101bに設けてもよい。また、表示画面102にタッチパネルを積層し、当該タッチパネルと表示画面102に表示する画像とによってソフトウェア的に再現されるソフトキーによって操作ボタン202を実現してもよい。
また、背面101aには、背面蓋203、背面レンズ204、ポート用電源スイッチ205、外部アンテナ取付穴206、複数のビス穴207、AC電源コネクタ208、および、AC電源ケーブル固定用部材209が設けられている。背面蓋203は、筐体101に対して取り外し可能に取り付けられている。背面蓋203は、ネジなどを用いて筐体101に固定されている。
背面蓋203を筐体101に固定するネジは、汎用的な工具では操作することができない特殊ネジを用いることが好ましい。また、背面蓋203は、少なくとも両脇の2ヵ所を含む複数箇所に設けることが好ましい。背面蓋203は、筐体101に取り付けられた状態において、背面101aに設けられたポートやスロット(いずれも図示を省略)を覆う。
ポートは、防犯カメラ装置100の外部とのデータの入出力を担い、具体的には、たとえば、USB Type-Aポートによって実現することができる。ポートは、複数設けられていてもよい。ポートを複数設ける場合、たとえば、1つをエレベーターの遠隔監視装置などの外部装置とのインタフェースとして用い、別の1つを防犯カメラ機能により撮影したカゴ内の画像を記録(録画)するUSBメモリなどの記憶装置とのインタフェースとして用いることができる。これにより、外部装置と連携して動作しつつ、カゴ内の画像を記録(録画)することができる。スロットは、拡張ボードやメモリカードなどの挿入を受け付け、具体的には、たとえば、SIMカードスロットやMicroSDカードスロットによって実現することができる。
背面蓋203には、スリット203aが設けられている。これにより、ポートおよびポートと端子との接続を保護しつつ、ポートを介して防犯カメラ装置100と外部装置などとを接続するケーブル(図5および図6における符号502を参照)をスリット203aから外部に引き出すことができる。そして、これにより、外部機器との接続の自由度を確保することができる。
背面レンズ204は、背面用撮像素子とともに、背面カメラ(図9における符号904を参照)を構成する。背面カメラは、防犯カメラ装置100の設置に際して、設置対象となるエレベーターに貼り付けてある物件コード(図示を省略する)の読み込みに用いる。物件コードは、たとえば、エレベーターのカゴの内壁面に貼り付けられた二次元コードによって実現することができる。背面カメラによる二次元コードの読み込みは、防犯カメラ装置100の設置時のみおこなってもよく、設置後も定期的あるいは所定の条件が整った場合におこなってもよい。
防犯カメラ装置100の設置後に定期的あるいは所定の条件が整った場合に、背面カメラによる二次元コードの読み込みをおこなうことにより、防犯カメラ装置100が正規の位置に取り付けられていることを確認することができ、防犯カメラ装置100の不正な持ち出しを抑制することができる。
ポート用電源スイッチ205は、操作されることにより、ポートの電源のON/OFFを切り替える。これにより、ポートを使わない場合は電源をOFFすることによって、省電力化を図ることができる。防犯カメラ装置100が複数のポートを備える場合、ポートごとにポート用電源スイッチ205を設けてもよい。これにより、ポートごとに電源のON/OFFを切り替えることができ、一層の省電力化を図ることができる。
外部アンテナ取付穴206は、防犯カメラ装置100とは別体の外部アンテナの取り付けに用いる。具体的に、外部アンテナ取付穴206は、たとえば、F型コネクタによって実現することができる。F型コネクタは、筐体101の内部において、図示を省略する受信回路に接続されている。
ビス穴207には、防犯カメラ装置100をカゴの内壁面に固定するためのビスが螺合される。防犯カメラ装置100は、ビスによって、カゴの内壁面に直接固定されるものであってもよく、カゴの内壁面に固定されるステーを介してカゴの内壁面に固定されるものであってもよい。
AC電源コネクタ208は、電源供給用プラグ(図5および図6における符号501を参照)を挿抜可能であって、電源に接続された電源供給用プラグが挿入されることによって電力の供給を受け付ける。AC電源コネクタ208は、たとえば、AC(Alternating Current)アダプターなどと称される、AC電源(商用電源)より入力される交流から所定の直流電力を取り出す機器が備える電源供給用プラグの挿入を受け付ける。AC電源コネクタ208は、この発明にかかる電源コネクタを実現する。
ACアダプターにおいて、電源供給用プラグは、AC電源に接続され、AC電源の交流から所定の直流電力を取り出す変圧回路、整流回路、安定化電源回路などによって構成される本体部に接続される。ACアダプターを介して給電を受けることにより、半導体素子を利用して動作する防犯カメラ装置100自体が、交流を直流に変換する回路を搭載していなくても動作することができる。これにより、防犯カメラ装置100の軽量化、低コスト化を図ることができる。なお、防犯カメラ装置100自体が、交流を直流に変換する回路を備えていてもよい。ACアダプターは、AC電源に常態的に接続されているものに限らず、コンセントに挿入されることによって給電を受けるコンセントプラグを備えていてもよい。
AC電源ケーブル固定用部材209は、AC電源コネクタ208に挿入(接続)された電源供給用プラグに連続するケーブルの位置の固定に用いる。具体的に、AC電源ケーブル固定用部材209は、長さ方向における両端が背面101aに接して設けられた円弧形状をなし、円弧形状の内周面と背面101aとによって孔を形成する。
AC電源ケーブル固定用部材209は、少なくとも長さ方向における一端が背面101aに固定されている。AC電源ケーブル固定用部材209の長さ方向における他端は、背面101aに固定されていなくてもよく、背面101aから離間していてもよい。AC電源ケーブル固定用部材209を利用したケーブルの固定方法については、後述する(図5および図6を参照)。
さらに、防犯カメラ装置100がカゴ内に設置された状態における、筐体101の下部には、図示を省略する別のポートが設けられている。別のポートは、防犯カメラ装置100の外部とのデータの入出力を担い、具体的には、たとえば、上記のポートと同様に、USB Type-Aポートによって実現することができる。別のポートは、たとえば、防犯カメラ装置100が撮影した画像データ(防犯カメラ録画データ)を外部装置にエクスポートする際に使用する。別のポートを筐体101の下部に設けることにより、防犯カメラ装置100をカゴの内壁面から取り外したり、背面蓋203を筐体101から取り外したりすることなく、画像データを外部装置にエクスポートすることができる。
筐体101には、別のポートを覆うカバー210が設けられていてもよい。このカバー210は、ネジなどを用いて筐体101に固定されていてもよい。カバー210を固定するネジも、上述した背面蓋203を固定するネジと同様に、特殊ネジを用いることが好ましい。これにより、良好な操作性を確保するために、筐体101の下部にポートを設ける場合にも、画像データが不正にエクスポートされることを防止できる。
(AC電源コネクタ208と電源供給用プラグとの接続状態)
つぎに、AC電源コネクタ208と電源供給用プラグとの接続状態について説明する。図5および図6は、AC電源コネクタ208と電源供給用プラグとの接続状態を示す説明図である。防犯カメラ装置100は、図5および図6に示すように、AC電源コネクタ208に、AC電源に接続された電源供給用プラグ501が挿入(接続)されることによって給電され、動作することができる。
電源供給用プラグ501に接続されたケーブル502は、たとえば、電源供給用プラグ501をAC電源コネクタ208に挿入(接続)した後、ケーブル502の断線防止や周囲の部材との干渉防止などを考慮した任意の位置に引き回す。そして、引き回したケーブル502が断線しないことや、当該ケーブル502が周囲の部材に干渉しないことなどを確認してから、当該ケーブル502を、結束バンドなどを用いてAC電源ケーブル固定用部材209に固定する。
これにより、AC電源コネクタ208と電源供給用プラグ501との位置関係がある程度固定され、AC電源コネクタ208に対して電源供給用プラグ501が自由に移動することが抑制され、エレベーターのカゴが昇降することによる振動などに起因して不用意に給電が停止することを防止できる。また、ケーブル502の位置を固定することにより、ケーブル502が垂れ下がって美観を損ねたり、ケーブル502を引っ張って給電を停止させるなどの悪戯を防止することができる。
(防犯カメラ装置100の設置例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100の設置例について説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100の設置例を示す説明図である。図7においては、エレベーターのカゴ内の様子を示している。
図7に示すように、エレベーターのカゴ701は、乗員が乗るための空間を内側に備え、当該空間と外部とを開閉し、カゴ701に対して乗員が出入りする出入り口部分の扉702を備えている。カゴ701の内壁面には、カゴ701に搭乗した乗員が操作する操作盤703が設けられている。操作盤703は、たとえば、行先階ボタン、扉開閉ボタン、非常ボタンなどを含む操作ボタン群や、カゴ701が位置する階床などを表示する表示器を備えている。操作盤703は、カゴ701の内面であって、扉702と同じ面に設けられている。
図7において、防犯カメラ装置100は、扉702および操作盤703が設けられている壁面と同じ壁面であって、操作盤703より上側の天井近くに設置されている。これは、カゴ701内の乗員が、扉702側の壁面を向いて立つことが一般的であることを想定している。
すなわち、通常、乗員は、カゴ701内に入った後、扉702側の壁面を向いて立つことが多く、このような位置に防犯カメラ装置100を設けることによって、カゴ701内の乗員が、表示画面102に表示される広告を容易に見ることができる。これにより、防犯カメラ装置100を介した高い広告効果を発揮させることができる。
防犯カメラ装置100は、たとえば、正面カメラによって乗員の表情を撮影する。防犯カメラ装置100を天井近くに設置することにより、正面カメラによって乗員の表情を容易に撮影することができる。また、正面カメラは、カゴ701から降りる際の乗員の表情を撮影することができる。
また、防犯カメラ装置100を天井付近に設置することにより、乗員は、通常の状態で手を伸ばしても防犯カメラ装置100に容易に触れることができない。したがって、乗員により、不用意に防犯カメラ装置100に触れられたり、不正に操作されたり、壊されたりすることを防止することができる。
図示を省略するが、防犯カメラ装置100は、扉702および操作盤703が設けられている壁面に対向する壁面(カゴ701の奥側の壁面)に、それぞれ設けるようにしてもよい。カゴ701の奥側の壁面に設けることによって、乗員は、カゴ701内に入ってくる際に、防犯カメラ装置100(の表示画面102)を見ることができる。
さらに、扉702および操作盤703が設けられている壁面と、その壁面に対向する壁面(カゴ701の奥側の壁面)とに、それぞれ防犯カメラ装置100を設けることにより、乗員は、カゴ701内に入る際、および、カゴ701内から出る際に、防犯カメラ装置100(の表示画面102)を見ることができる。
また、防犯カメラ装置100は、扉702および操作盤703が設けられている壁面と同一の壁面の上側に代えて、側壁面に設けるようにしてもよい。この場合、防犯カメラ装置100は、カゴ701の側壁面において、天井に近い上側の位置に設けることが好ましい。また、防犯カメラ装置100は、カゴ701の隅のコーナー位置に設置してもよい。このように、防犯カメラ装置100は、カゴ701内の扉702の上端よりも上側の位置のどの位置に設置してもよい。
防犯カメラ装置100は、エレベーターの設置後に、後付けすることができる。防犯カメラ装置100は、カゴ701の広さ(定員数)、カゴ701の天井の高さ、カゴ701の形状(床が正方形あるいは長方形など)、エレベーターの種類(シースルー型、壁面に鏡の有り無し)、外扉の種類(窓の有り無し)などを勘案した最適な位置に設置することができる。また、防犯カメラ装置100は、防犯カメラ装置100の設置後に、自由にその設置位置を変更できるようにしてもよい。
防犯カメラ装置100は、たとえば、壁面へのネジ止めにより設置することができる。防犯カメラ装置100を壁面にネジ止めすることにより、落下を確実に防止することができる。ネジ止めは、壁面に限らず、ステーなどを介してカゴ701の天井に施してもよい。防犯カメラ装置100は、ネジ止め以外の方法(たとえばマグネットなどを使用するなど)によって設置してもよい。
カゴ701には、ACアダプターが備えるコンセントプラグの挿入を受け付けるプラグソケット704が設けられている。プラグソケット704は、ACアダプターが備えるコンセントプラグが挿入されることによって当該コンセントプラグとともに配線用差込接続器を構成する。具体的には、たとえば、日本において汎用的に用いられているAタイプのプラグソケットを用いることができる。
プラグソケット704は、Aタイプに限るものではない。具体的には、たとえば、インドやインドネシアなどにおいて広く用いられているB3タイプやCタイプのプラグソケットを用いてもよく、香港などにおいて広く用いられているBFタイプのプラグソケットを用いてもよい。
あるいは、韓国などにおいて広く用いられているSEタイプのプラグソケットを用いてもよく、台湾などにおいて広く用いられているOタイプのプラグソケットを用いてもよい。中国など、複数タイプのプラグソケットが普及している国や地域においては、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、B3タイプ、BFタイプ、SEタイプ、Oタイプなど様々なタイプの中から、エレベーターを設置する地域に応じた任意のタイプのプラグソケットを用いることが好ましい。
プラグソケット704は、カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路に電気的に接続されている。これにより、プラグソケット704やACアダプターを介して防犯カメラ装置100に給電することができる。プラグソケット704は、カゴ上ボックスが収容する基板の電気回路の端子に直接結線されているものに限らず、当該端子に接続された電力線に接続されていてもよい。このような電力線にプラグソケット704を接続する場合、当該電力線に分岐用のコネクタを設け、当該コネクタにプラグソケット704を接続することができる。
従来、後付けの情報処理装置において長時間にわたって画像を表示するためには、当該情報処理装置に対する常時給電が必須であるものの、仮に、情報処理装置に対して給電用のケーブル502を接続する場合、カゴ701に給電用のケーブル502を通すための孔を空けなくてはならず、作業が煩雑であって時間がかかるという問題があった。
また、カゴ701に給電用のケーブル502を通すための孔を空けた場合、エレベーターの設置後にカゴ701内に取り付けた防犯カメラ装置100を撤去する際には、ケーブル502を通すためにカゴ701に空けた孔が露出した状態となることで美観を損ねるなどの不具合を回避するため、当該孔を塞ぐ補修作業をおこなう必要がある。このため、作業が煩雑であって時間がかかり、エレベーターを利用できない時間が長くなって、利用者の利便性に劣るという問題があった。
これに対し、図7に示すエレベーターにおいては、カゴ701にプラグソケット704が設けられているため、カゴ701に給電用のケーブル502を挿通するための孔を別途空けることなく防犯カメラ装置100に対して給電することができる。これにより、作業者に負担をかけることなく、防犯カメラ装置100を容易かつ速やかに設置することができ、電力不足によって停止させることなく、常時稼動させることができる。また、表示画面に広告などを表示する場合も、電力不足によって停止させてしまうことなく、安定して稼動させることができる。また、防犯カメラ装置100の設置にかかる作業時間の短縮を図り、エレベーターの利用者、作業者の負担軽減を図ることができる。
また、カゴ701にプラグソケット704が設けられているため、カゴ701に給電用のケーブル502を挿通するための貫通孔を埋め戻す作業が不要になり、撤去作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、防犯カメラ装置100を撤去した後のカゴ701内の美観を確保することができる。
なお、プラグソケット704がカゴ701内に露出している場合、当該プラグソケット704は、図7に示すように、カゴ701内の高い位置に配置することが好ましい。具体的には、図7に示すように、プラグソケット704は、カゴ701の側面や天井面に設けることが好ましい。このように、カゴ701内に露出したプラグソケット704をカゴ701内の高い位置に配置することにより、雨天時に傘や衣服から飛んだ水滴が付着することを防止でき、また、盗電や子供などによる悪戯をしにくくすることができる。
プラグソケット704は、1つのカゴ701に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ701に複数個設けられていてもよい。1つのカゴ701に複数のプラグソケット704を設ける場合、当該複数のプラグソケット704を並べて配置してもよく、複数箇所に分散して配置してもよい。プラグソケット704は、たとえば、当該プラグソケット704がカゴ701の内壁面(天井面)と同一面内に位置するように配置するとよい。
また、カゴ701には、プラグソケット704に代えて、図示を省略する、接栓座を設けるようにしてもよい。接栓座は、図示を省略するカゴ上ボックスが収容する電気回路から供給される電源を、当該接栓座に接続された防犯カメラ装置100に対して供給する機能を備える。具体的には、たとえば、電源供給用の配線を備えたレセクタブルを用いることによって、接栓座に接続された電気機器に対して電源を供給することができる。なお、レセクタブルは、電源供給用の配線に加えて、信号伝送用の配線を備えていてもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、当該レセクタブルに接続されている防犯カメラ装置100の動作中に抜き差しすることができるホットプラグによって実現することが好ましい。接栓座を実現するレセクタブルは、さらに、図示を省略する制御回路を介して防犯カメラ装置100への給電をおこなうようにしてもよい。
また、接栓座は、たとえば、USBコネクタによって実現してもよい。接栓座を実現するレセクタブルとしてのUSBコネクタは、たとえば、USB Type-Aコネクタ、Micro USBコネクタ、Micro USB Type-Bコネクタ、USB Type-Cコネクタなど公知の各種のUSBコネクタのレセクタブルによって実現することができる。
また、接栓座を実現するレセクタブルは、USBインタフェースのコネクタ(レセクタブル)に限るものではなく、たとえば、IEEE 1394コネクタ、PS/2コネクタ、D-Subコネクタ、DINコネクタ、同軸コネクタ、その他公知の各種の通信用のコネクタによって実現されるものであってもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、1つのカゴ701に1つ設けられていてもよく、1つのカゴ701に複数設けられていてもよい。1つのカゴ701に複数の接栓座を実現するレセクタブルを設ける場合、通信I/Fのコネクタは1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ701の内壁面と同一面内に位置するように配置することができる。また、接栓座を実現するレセクタブルは、たとえば、当該レセクタブルの端部がカゴ701の内壁面よりもカゴ701の内側に飛び出していてもよく、カゴ701の内壁面から凹んだ位置に配置してもよい。
(防犯カメラ装置100の外観)
つぎに、防犯カメラ装置100の外観について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の表示内容を含む外観の一例を示す説明図である。図8に示すように、防犯カメラ装置100の表示画面102は、横方向に長い長方形をなし、筐体101に囲まれている。
表示画面102は、防犯カメラ映像表示領域801、管理情報表示領域802、各種情報表示領域803、広告表示領域(広告エリア)804などのように複数(この実施の形態においては4つ)の領域から構成されるものであってもよい。このように、4つの領域に区切って表示することによって、各種情報を効率よく乗員に伝えることができる。
表示画面102の左下側の長方形の広告表示領域804を囲むように、上側から右側にかけて、防犯カメラ映像表示領域801、管理情報表示領域802、各種情報表示領域803が逆「L」字状に設けられている。防犯カメラ映像表示領域801は、左側に設けられ、それに続いて、管理情報表示領域802が横長に設けられる。防犯カメラ映像表示領域801には、正面カメラによって撮影された映像をリアルタイムで表示するようにしてもよい。
また、この管理情報表示領域802では、長いメッセージである場合は、右側から左側に流れるようにメッセージが表示される。管理情報表示領域802を表示画面102の上側に設けたのは、表示画面102の上側は、乗員にとっては視認しやすく、それ故に、比較的重要な管理情報を確実に乗員に伝えることができる。
また、右側の側面には、縦長に各種情報表示領域803が設けられており、図8に示すような天気予報や、交通情報、ニュースなど、エレベーターの乗員に通知したい各種情報を表示する。各種情報表示領域803では、多くの情報を表示する場合は、下側から上側へ流れるように表示するようにしてもよい。具体的には、たとえば、各地域の天気予報を表示する場合は、新しい地域の情報は、順次下から表示され、古い地域の情報は上側へ移動してから、消去するようにしてもよい。また、その逆に、上側から、下側へ流れるように表示してもよい。また、左右どちらかへ流れるように表示してもよい。このように、各種情報表示領域803では、表示する情報の内容によって、表示形態を変えることができる。
管理情報表示領域802と、各種情報表示領域803とでは、その境に明確な区切りはなくてもよい。これにより、表示する状況に応じて、管理情報表示領域802を右側に長くしたり、また、各種情報表示領域803を上側に長くしたりすることができる。また、表示する情報によっては、管理情報表示領域802と、各種情報表示領域803とを、一続きとして、使用することもできる。
このように、表示画面102をレイアウトすることで、広告情報を表示しながら、それ以外の情報も同時に、乗員に伝えることができる。表示画面102は、通常は、図8に示すようなレイアウトであるが、状況によって、このレイアウトを変更してもよい。たとえば、エレベーターの故障などの緊急事態が生じた場合は、広告エリアを消去して、必要な情報を表示するようにしてもよい。また、広告の表示演出として、表示画面102の全面を広告表示としてもよい。
(防犯カメラ装置100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100のハードウエア構成について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、防犯カメラ装置100は、CPU(Central Processing Unit)901と、メモリ902と、正面カメラ903と、背面カメラ904と、通信インタフェース(I/F)905と、表示画面(ディスプレイ)102と、スピーカー104と、マイク906と、振動センサ907と、照度センサ908と、GNSS(Global Navigation Satellite System)用受信機909と、電源制御ユニット910と、電源ボタン201と、操作ボタン202と、を備えている。各構成部102,104,201,202,901~909は、バス900によって接続されている。
このように、防犯カメラ装置100は、各構成部102,104,201,202,901~909を備える、タブレット型端末装置(タブレット端末、タブレットPC)、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ(モバイルPC)、デジタルカメラなどの情報処理装置を用いて実現するようにしてもよい。このように、多機能をひとまとめにしたオールインワンの、携帯性・可搬性のある情報処理装置を防犯カメラ装置として用いることができる。これにより、エレベーターに専用の機器を別途開発・製造することなく、汎用的な装置によって、防犯カメラ装置100を実現することができる。
CPU901は、メモリ902に記憶されたプログラムを実行することによって、防犯カメラ装置100の装置全体の制御をつかさどる。メモリ902は、CPU901が実行するプログラムを含む各種情報を記憶することができる。また、メモリ902は、表示画面102に表示する広告情報や、正面カメラ903や背面カメラ904が撮影した画像データおよび撮影した日時に関する情報などを記憶していてもよい。メモリ902は、ハードディスクメモリのほか、ICメモリ、SSD(Solid State Drive)などであってもよい。
また、メモリ902は、防犯カメラ装置100に対して、防犯カメラ装置100に設けられたカードスロットを介して着脱可能なメモリカードであってもよい。メモリカードは、たとえば、SD(Secure Digital)メモリカードなどのICカードによってその機能を実現することができる。メモリカードは、外付けハードディスク、USBメモリ、SSDなどによって、その機能を実現するようにしてもよい。
正面カメラ903は、正面用撮像素子を備え、正面用撮像素子が正面レンズ103を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を取得する。正面カメラ903は、静止画を撮影するものであってもよく、動画を撮影するものであってもよい。動画は、所定時間間隔で撮影された静止画を連続して再生するものを含む。画像情報は、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)など)によって圧縮されたものであってもよい。
背面カメラ904は、背面用撮像素子を備え、背面用撮像素子が背面レンズ204を通して受光した光を電気信号に変換することによって、画像情報(撮影データ)を取得する。背面カメラ904は、たとえば、静止画を撮影する。画像情報は、正面カメラ903と同様に、所定の動画・音声データの圧縮方式の標準規格(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)など)によって圧縮されたものであってもよい。
通信I/F905は、通信回線を通じて防犯カメラ装置100とインターネットなどのネットワークNとを接続するインタフェースであって、ネットワークNと防犯カメラ装置100の内部とのインタフェースをつかさどり、外部装置からのデータの入力および外部装置へのデータの出力を制御する。
CPU901は、通信I/F905を制御して、図示を省略する広告配信サーバあるいは広告主の情報端末装置から、ネットワークNを介して、広告情報を取得してもよい。また、CPU901は、通信I/F905を制御して、エレベーターの乗員が携行するスマートフォンなどの情報端末装置から広告情報を受信するようにしてもよい。
通信I/F905は、たとえば、Wi-Fi(登録商標)による無線インタフェースである。また、通信I/F905は、携帯電話回線(たとえばLTE(Long Term Evolution))、PHS(Personal Handy-phone System)などの無線通信のインタフェースであってもよく、また、モデムやLANアダプターなどの有線通信のインタフェースを採用することができる。また、エレベーターが遠隔監視などのために有しているネットワークに接続し、そのネットワークを介して、情報の送受信をおこなうようにしてもよい。また、通信I/F905は、たとえば、USBインタフェースによって実現してもよい。
表示画面102は、CPU901によって駆動制御されて、広告などを表示する。表示画面102は、メンテナンス予定などのエレベーターの管理情報を表示してもよい。管理情報は、たとえば、防犯カメラ装置100の管理者などによって適宜防犯カメラ装置100に送信される。広告情報や管理情報は、表示画面102に表示する期間(表示開始日時や表示終了日時など)を示す情報を含んでいてもよい。
スピーカー104は、音声信号である電気信号によって振動板を振動させて音を発生させる。また、スピーカー104は、音声信号を出力する出力端子であってもよく、当該出力端子に外部スピーカー104を接続して、音を発生させるようにしてもよい。
マイク906は、カゴ701内の音声を集音する。振動センサ907は、カゴ701の振動を検出する。振動センサ907は、たとえば、加速度センサなどによって実現することができる。照度センサ908は、カゴ701内の照度(明るさ)を検出する。照度センサ908は、たとえば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いて実現することができる。
GNSS(全球測位衛星システム)は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)などの衛星測位システムの総称である。GNSS用受信機は、3つないし5つの人工衛星からの電波を受信し、人工衛星との幾何学的位置を求めるために、人工衛星からの電波を受信してGNSS測位データを出力する。GNSS用受信機により、防犯カメラ装置100の現在位置を把握することができる。
電源制御ユニット910は、たとえば、ケーブル502を介して供給を受けたAC電源の電圧を調整する電圧調整部(電源ICなど)によって実現することができる。あるいは、電源制御ユニットは、たとえば、コンセントプラグ、当該コンセントプラグに接続されたケーブル、および、コンセントプラグを介して供給を受けたAC電源から所定の直流電力を取り出す変圧回路、整流回路、安定化電源回路などによって構成されるものであってもよい。
また、防犯カメラ装置100は、リチウム電池などのバッテリー(蓄電池)を、さらに備えている。すなわち、電源制御ユニット910には、蓄電池が含まれていてもよい。あるいは、電源制御ユニット910は、蓄電池を接続する接続端子を備えていてもよい。これにより、蓄電池を容易に交換することができる。このように、電源制御ユニット910は、AC電源コネクタ208を有し、AC電源コネクタ208に供給された電源を、防犯カメラ装置100の各構成部へ供給する。
電源ボタン201や操作ボタン202は、操作を受け付けるごとに、受け付けたボタンに応じた信号をCPU901に出力する。CPU901は、電源ボタン201や操作ボタン202から出力される信号に基づいて各部を駆動制御することにより、電源のON/OFFを切り替えたり、スピーカー104から出力する音声の音量を調整したり、表示画面102における表示内容を切り替えたりする。
その他、図示は省略するが、防犯カメラ装置100は、メモリカードI/F、入出力デバイスを備えていてもよい。メモリカードI/Fは、カードスロットを介して防犯カメラ装置100と接続されるインタフェースである。メモリカードI/Fは、メモリカードと内部のインタフェースをつかさどり、メモリカードからのデータの入力およびメモリカードへのデータの出力を制御する。
入出力デバイスは、たとえば、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーまたはボタンによって実現することができる。また、入出力デバイスは、マイク、ディスプレイ(タッチパネル)、他の情報処理装置を接続可能な接続端子などによって実現されるものであってもよい。
(防犯カメラ装置100の機能的構成)
図10は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図10において、防犯カメラ装置100は、制御部1000と、撮影部1001と、撮影情報記憶部1002と、電源供給部1003と、蓄電部1004と、電源監視部1005と、電源供給制御部1006と、広告情報受信部1007と、広告情報記憶部1008と、表示部1009と、受信部1011と、を含む構成となっている。また、図10において、矢印A~Eは、電源供給の流れを示している。
制御部1000は、防犯カメラ装置100の全体を制御する。制御部1000は、具体的には、たとえば、図9に示したCPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
撮影部1001は、カゴ701内を撮影する。撮影部1001は、具体的には、たとえば、図9に示した正面カメラ903、すなわち、正面レンズ103(103a、103b)などによって、その機能を実現することができる。
撮影情報記憶部1002は、撮影部1001によって撮影された画像情報、映像情報を記憶する。撮影情報記憶部1002は、具体的には、たとえば、図9に示したメモリ902などによってその機能を実現することができる。また、撮影情報記憶部1002は、図示を省略する外部メモリなどによってその機能を実現するようにしてもよい。また、撮影情報記憶部1002に記憶された画像情報は、図9に示した通信I/F905を用いて、ネットワークNを介して、管理センターなどの外部装置へ送信するようにしてもよい。
電源供給部1003は、撮影部1001を含む自装置(防犯カメラ装置100)の駆動に供される電源を供給する電源供給用プラグ501を介して(AC電源コネクタ208から)電源を受給し(矢印Aおよび矢印B)、受給した電源を自装置(防犯カメラ装置100)へ供給する(矢印C)。ここで、矢印Cは、制御部1000へ電源を供給しているように図示している。これは、制御部1000へ電源を供給することで、自装置(防犯カメラ装置100)の各構成部に対して電源を供給していることを示している(後述する矢印Eも同じである)。電源供給部1003は、蓄電部1004にも電源を供給する(矢印D)。電源供給部1003は、具体的には、たとえば、図9に示した電源制御ユニット910などによって、その機能を実現することができる。また、電源供給部1003は、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
蓄電部1004は、自装置(防犯カメラ装置100)に設けられて、電源供給部1003によって電源が供給される(矢印D)ことで蓄電する。蓄電部1004は、具体的には、たとえば、図9に示した電源制御ユニット910などによって、その機能を実現することができる。
電源監視部1005は、電源供給部1003に受給される電源の状況を監視する。電源の状況とは、具体的には、たとえば、電源供給部1003が受給する電源(矢印B)の電圧が急激に変化したことや、電圧が不安定になった状況などであり、電源供給部1003が、撮影部1001を含む自装置(防犯カメラ装置100)の各部へ安定した電源が供給できないなどの状況である。これにより、撮影部1001による撮影に支障を来した場合などが該当する。また、電源監視部1005は、電源供給用プラグ501を介した電源供給部1003への受給(矢印A、矢印B)が停止したことを検出する。また、電源監視部1005は、電源供給用プラグ501を挿抜可能なAC電源コネクタ208に対する当該電源供給用プラグ501の挿抜の状態を監視する。また、電源監視部1005は、蓄電部1004の蓄電量の状況を監視する。
電源監視部1005は、具体的には、たとえば、図9に示した電源制御ユニット910などによって、その機能を実現することができる。また、電源監視部1005は、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
電源供給制御部1006は、電源監視部1005による電源監視の状況、具体的には、たとえば、電源供給部1003が、撮影部1001を含む自装置(防犯カメラ装置100)の各部へ安定した電源が供給できないなどの状況に応じて、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印C)を、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替える。
また、電源供給制御部1006は、電源監視部1005が電源供給部1003への受給(矢印B)が停止したことを検出した場合に、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印C)を、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替えるようにしてもよい。電源供給部1003への受給の停止は、エレベーターの停電、ケーブル502の切断や接触不良などの原因(矢印Aの供給ができなくなるという原因)によるものを含む。また、電源供給制御部1006は、電源監視部1005による監視の結果、AC電源コネクタ208から電源供給用プラグ501が抜出されたことを検出した場合に、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印C)を、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替えるようにしてもよい。
また、電源供給制御部1006は、電源監視部1005によって、AC電源コネクタ208に電源供給用プラグ501が挿入されたことを検出した場合に、蓄電部1004からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印E)を、電源供給部1003からの供給(矢印C)へと、切り替えるようにしてもよい。その際、電源供給部1003から蓄電部1004への電源の供給(蓄電、矢印D)を再開するようにしてもよい。
また、電源供給制御部1006は、蓄電部1004の蓄電量の状況に応じて、表示部1009への電源の供給を停止するようにしてもよい。蓄電部1004の蓄電量の状況は、たとえば、電源監視部1005の監視の監視結果に基づくようにしてもよい。
電源供給制御部1006は、具体的には、たとえば、図9に示したCPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。また、電源供給制御部1006は、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
広告情報受信部1007は、エレベーターの乗員に対する広告に関する広告情報を受信する。広告情報受信部1007は、具体的には、たとえば、図9に示した通信I/F905などによってその機能を実現することができる。広告情報受信部1007は、図示を省略する、広告配信サーバあるいは広告主の情報端末装置から、ネットワークNを介して、広告情報を受信することができる。また、広告情報受信部1007は、エレベーターの乗員が備える、後述する情報端末装置から広告情報を受信するようにしてもよい。
広告情報記憶部1008は、広告情報受信部1007によって受信された広告情報を記憶する。広告情報記憶部1008は、具体的には、たとえば、図9に示したメモリ902などによってその機能を実現することができる。広告情報記憶部1008は、広告情報受信部1007によって受信された広告情報をそのまま記憶してもよく、また、一旦、広告情報受信部1007によって受信された広告情報について、制御部1000によって表示用に加工されたものを記憶するようにしてもよい。
表示部1009は、広告情報表示制御部1010と表示画面102とから構成される。表示画面102は、防犯カメラ装置100の正面に設けられて、カゴ701内で当該カゴ701の乗員に対して広告を表示する。
広告情報表示制御部1010は、広告情報受信部1007によって受信され、広告情報記憶部1008に記憶された広告情報に基づいて、広告を表示画面102に表示する。また、広告情報表示制御部1010は、広告以外の情報を表示画面102に表示するようにしてもよい。広告情報表示制御部1010は、具体的には、たとえば、図9に示したCPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。広告情報表示制御部1010は、広告情報記憶部1008に記憶された広告情報を表示画面102に表示するようにしてもよく、また、広告情報記憶部1008に記憶された広告情報について、制御部1000によって加工された後に、表示画面102に表示するようにしてもよい。
送信部1011は、電源供給部1003からの自装置への電源の供給(矢印C)が、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替わった場合に、自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報を、図9に示したネットワークNを介して所定のサーバへ送信する。送信部1011は、具体的には、たとえば、図9に示した通信I/F905などによってその機能を実現することができる。また、送信部1011は、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
送信部1011が送信する識別情報は、防犯カメラ装置100に固有のID番号などであってもよく、防犯カメラ装置100が取り付けられたエレベーターの識別番号などであってもよい。所定のサーバは、たとえば、管理センターのサーバを含む。識別情報の送信は、たとえば、ネットワークNを介して、所定のサーバへアップロードなどすることによりおこなうようにしてもよい。
このように、送信部1011が、自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信するので、電源が落ちたことを管理センターなどがより早く、より確実に把握できるとともに、どの防犯カメラ装置100の電源の供給元が切り替わった、すなわち防犯カメラ装置100に対する電源の供給が受けられなくなった(電源が落ちた)かを、管理センターなどが的確に把握することができる。したがって、復旧のための確実な対応が可能となり、防犯カメラとしての機能を継続して担保することができる。
位置情報取得部1012は、自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する位置情報を取得する。電源供給部1003からの自装置への電源の供給(矢印C)が、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替わった際に取得した位置情報を、「第1の位置情報」とする。そして、送信部1011が、識別情報とともに、位置情報取得部1012によって取得された第1の位置情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信する。位置情報取得部1012は、具体的には、たとえば、図9に示したGNSS用受信機909、通信I/F905、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。
位置情報取得部1012が取得する位置情報は、具体的には、たとえば、緯度・経度情報などである。また、ネットワークNに接続する際の無線基地局に関する情報であってもよい。このように、位置情報は、防犯カメラ装置100の所在位置がわかる情報であればよい。また、送信部1011は、第1の位置情報を取得した日時に関する情報をあわせて送信するようにしてもよい。
このように、識別情報とともに位置情報も送信されるので、より確実に、電源が落ちた防犯カメラ装置100の所在を把握することができる。
また、あらかじめ登録されている自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する情報を所定の記憶領域(たとえば、後述する位置情報記憶部1014など)に記憶しておいてもよい。このあらかじめ登録されている自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する情報を「第2の位置情報」とする。
位置情報比較部1013は、第1の位置情報と、第2の位置情報を比較する。具体的には、各位置情報(緯度・経度情報など)を比較して、その比較の結果、第1の位置情報と第2の位置情報にかかる位置どうしが異なるか否かについて判断する。位置情報取得部1012は、具体的には、たとえば、図9に示したGNSS用受信機909、通信I/F905、CPU901が、メモリ902などに記憶されたプログラムを実行することによって、その機能を実現することができる。そして、第1の位置情報と第2の位置情報にかかる位置が異なる場合には、送信部1011は、識別情報とともに、第1の位置情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信する。
第1の位置情報と第2の位置情報にかかる位置が同じ場合は、防犯カメラ装置100は移動していないことがわかるので、その場合は、第1の位置情報を送信する必要はない。受信側では、識別情報のみを受信して、位置情報を受信しなかった場合は、防犯カメラ装置100の位置が変わっていない(たとえば、取り外されて(盗まれて)、持ち去られていない)と判断することができる。また、その場合は、第2の位置情報のみを送信するようにしてもよい。さらには、常に、第1の位置情報と、第2の位置情報の両方を送信し、受信側で、位置情報の比較をおこなわせるようにしてもよい。
位置情報記憶部1014は、第1の位置情報を記憶する。また、位置情報記憶部1014は、第2の位置情報、後述する、第3の位置情報、第3+nの位置情報を記憶するようにしてもよい。位置情報記憶部1014は、具体的には、たとえば、図9に示したに示したメモリ902などによって、その機能を実現することができる。位置情報記憶部1014は、位置情報取得部1012が位置情報を取得する都度、取得日時とともに記憶するようにしてもよい。
また、位置情報取得部1012は、第1の位置情報を取得してから所定時間経過後、再度、自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する位置情報を取得する。第1の位置情報を取得してから所定時間経過後、再度、取得する自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する位置情報を「第3の位置情報」とする。そして、位置情報比較部1013が、第1の位置情報と第3の位置情報を比較する。位置情報比較部1013による比較結果に基づいて、第1の位置情報と第3の位置情報にかかる位置が異なる場合に、送信部1011が、識別情報とともに、第3の位置情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信する。また、送信部1011は、第3の位置情報を取得した日時に関する情報をあわせて送信するようにしてもよい。これにより、所定時間経過後、防犯カメラ装置100が移動したこと、さらには、どこへ移動したかがわかる。
第1の位置情報と第3の位置情報にかかる位置が同じ場合は、防犯カメラ装置100は移動していないことがわかるので、その場合は、第3の位置情報を送信する必要はない。受信側では、識別情報のみを受信して、位置情報を受信しなかった場合は、防犯カメラ装置100が移動していないと判断することができる。また、その場合は、第1の位置情報のみを送信するようにしてもよい。さらには、常に、第3の情報とともに、第1の位置情報、第2の位置情報もあわせて送信し、受信側で、位置情報の比較をおこなわせるようにしてもよい。
第1の位置情報と第3の位置情報にかかる位置が同じ場合は、第3の位置情報を取得してから所定時間経過後に再度取得する(防犯カメラ装置100)の位置に関する位置情報を「第4(3+n)の位置情報」とする(nは自然数)。すなわち、位置情報を取得してから所定時間ごとに、連続して位置情報を取得する。これらの情報は、日時情報とともに、位置情報記憶部1014に記憶するようにしてもよい。
所定時間は、具体的にはたとえば10分であってもよい。所定時間は任意に設定することができる。常に同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよい。たとえば、所定時間は、少しずつ長くなるようにしてもよい(たとえば、1回目:10分、2回目:15分、3回目:30分、・・・)し、その逆であってもよい。また、位置情報比較部1013による比較結果に基づいて、所定時間の長さを調整するようにしてもよい。具体的には、比較の結果、前回よりも、移動した距離が長い場合は、所定時間を短くして、窃盗犯の逃走経路をより綿密に取得するようにしてもよい。また、比較の結果、遠隔により、所定時間を可変に設定できるようにしてもよい。
所定時間が経過した後に、取得した位置情報(第3の位置情報)が、第1の位置情報と異なっていれば、自装置(防犯カメラ装置100)が移動していると推測できる。その場合は、盗まれたと判断できる。そして、所定時間ごとの位置情報を取得して、送信できれば、盗んだ防犯カメラの持ち逃げ先を容易に特定することができる。このようにして、防犯カメラ装置100が窃盗に遭った場合であっても、その所在(窃盗犯の逃走経路)確実に追跡できるようにするとよい。また、防犯カメラ装置100を追跡可能であることを周知させることによって、防犯カメラ装置100の盗難を抑止するようにしてもよい。
また、送信部1011は、送信先を宛先とする、識別情報、位置情報の内容を含む電子メールを作成し、所定のサーバへ送信するようにしてもよい。より具体的には、たとえば、撮影情報を電子メールの本文としてもよく、また、撮影情報のファイルを添付ファイルとして電子メールを作成し、送信するようにしてもよい。その際、電子メールの本文あるいは添付ファイルを暗号化するようにしてもよい。このように、電子メールを作成して送信する場合には、複数の宛先を指定することによって、複数箇所へ同時配信することができる。また、電子メールアドレスの変更することによって、宛先を容易に変更することができる。
また、送信部1011は、チャットを用いた通信によって、識別情報、位置情報を送信するようにしてもよい。また、送信部1011は、SNS(Social Networking Service)を用いて、識別情報、位置情報を送信するようにしてもよい。
(AC電源コネクタ208に対する電源供給用プラグ501の挿抜の状態)
図11は、AC電源コネクタに対する電源供給用プラグの挿抜の状態を示す説明図である。図11は、AC電源コネクタ208が、筐体101の背面ではなく、側面に設けられた例を示している。一般的な平板形状の表示装置(ディスプレイ装置、タブレット端末、スマートフォンなど)においては、AC電源コネクタが、筐体の側面に設けられている場合が多い。
図11(a)は、AC電源コネクタ208に対して、電源供給用プラグ501が抜出されている状態を示している。この状態では、防犯カメラ装置100への電源の供給はおこなわれていない。そして、矢印に示すよう、電源供給用プラグ501をAC電源コネクタ208に近づけることによって、電源供給用プラグ501をAC電源コネクタ208に挿入することができる。
図11(b)は、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入された状態を示している。この状態において、防犯カメラ装置100は、電源供給用プラグ501を介して電源の供給を受けることができる。このように、電源供給用プラグ501はAC電源コネクタ208に対して挿抜可能とすることができる。
そして、電源監視部1005は、図11に示すAC電源コネクタ208に対する電源供給用プラグ501の挿抜の状態を監視する。具体的には、たとえばAC電源コネクタ208に設けられるセンサなどにより、電源供給用プラグ501の挿抜の状態を監視するようにしてもよい。
(防犯カメラ装置100の処理手順)
図12は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出されたか否かを判断する(ステップS1201)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出された場合(ステップS1201:Yes)は、ステップS1203へ移行する。
一方、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出されていない場合、すなわち、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入されたままの場合(ステップS1201:No)は、つぎに、電源供給部1003への電源の供給が停止したか否かを判断する(ステップS1202)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給部1003への電源の供給が停止していない場合(ステップS1202:No)は、ステップS1201へ戻る。このループは、防犯カメラ装置100に対して、正常に電源が供給されている状態を示している。
ステップS1202において、電源供給部1003への電源の供給が停止した場合(ステップS1202:Yes)は、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出された場合(ステップS1201:Yes)と同様に、ステップS1203へ移行する。つぎに、ステップS1203においては、防犯カメラ装置100の各部への電源の供給が、電源供給部1003によっておこなわれていたところを、蓄電部1004からの供給へと切り替える(ステップS1203)。この切り替え処理は、たとえば電源供給制御部1006によっておこなわれる。
つぎに、識別情報を所定の記憶領域から抽出する(ステップS1204)。この抽出処理は、たとえば制御部1000によっておこなわれる。そして、抽出した識別情報を送信する(ステップS1205)。この送信処理は、たとえば送信部1011によっておこなわれる。これにより、一連の処理を終了する。このように、電源の供給元が切り替わった場合、すなわち、いわゆる「電源が落ちた状態」になった場合に、識別情報を送信して、管理センターにその旨を知らせることができる。
図13は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の処理手順の別の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出されたか否かを判断する(ステップS1301)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出された場合(ステップS1301:Yes)は、ステップS1303へ移行する。
一方、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出されていない場合、すなわち、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入されたままの場合(ステップS1301:No)は、つぎに、電源供給部1003への電源の供給が停止したか否かを判断する(ステップS1302)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給部1003への電源の供給が停止していない場合(ステップS1302:No)は、ステップS1301へ戻る。このループは、防犯カメラ装置100に対して、正常に電源が供給されている状態を示している。
ステップS1302において、電源供給部1003への電源の供給が停止した場合(ステップS1302:Yes)は、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208から抜出された場合(ステップS1301:Yes)と同様に、ステップS1303へ移行する。つぎに、ステップS1303においては、防犯カメラ装置100の各部への電源の供給が、電源供給部1003によっておこなわれていたところを、蓄電部1004からの供給へと切り替える(ステップS1303)。この切り替え処理は、たとえば電源供給制御部1006によっておこなわれる。ここまでの処理は、図12のフローチャートに示した各処理と同じである。
つぎに、第1の位置情報を取得する(ステップS1304)。すなわち、現時点における自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する情報を取得する。この取得処理は、たとえば位置情報取得部1012によっておこなわれる。そして、自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報と、第2の位置情報を所定の記憶領域から抽出する(ステップS1305)。すなわち、あらかじめ記憶されている自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報と、位置に関する情報を抽出する。この抽出処理は、たとえば制御部1000によっておこなわれる。
その後、ステップS1304において取得された第1の位置情報と、ステップS1305において抽出された第2の位置情報を比較し、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが異なる位置であるか否かを判断する(ステップS1306)。この判断処理は、たとえば位置情報比較処理部1013によっておこなわれる。ここで、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが異なる位置である場合(ステップS1306:Yes)は、図14のフローチャートのステップS1401へ移行する。
一方、ステップS1306において、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが同じ場合(ステップS1306:No)は、ステップS1305において抽出された識別情報を送信する(ステップS1307)。この送信処理は、たとえば送信部1011によっておこなわれる。
その後、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入されたか否かを判断する(ステップS1308)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入されていない場合(ステップS1308:No)は、ステップS1308へ戻る。一方、電源供給用プラグ501がAC電源コネクタ208に挿入された場合(ステップS1308:Yes)は、つぎに、電源供給用プラグ501、AC電源コネクタ208を介して、電源供給部1003へ電源が供給されているか否かを判断する(ステップS1309)。この判断処理は、たとえば電源監視部1005によっておこなわれる。ここで、電源供給部1003へ電源が供給されていない場合(ステップS1309:No)は、ステップS1308へ戻る。
一方、ステップS1309において、電源供給部1003へ電源が供給された場合(ステップS1309:Yes)は、防犯カメラ装置100の各部への電源の供給が、蓄電部1004によっておこなわれていたところを、電源供給部1003からの供給へと切り替える(ステップS1310)。この切り替え処理は、たとえば電源供給制御部1006によっておこなわれる。その後、ステップS1301へ戻る。その後、ステップS1301~S1310の各処理を繰り返し実行する。
図14は、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置の処理手順の別の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートのステップS1306において、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが異なる位置である場合(ステップS1306:Yes)は、図14のフローチャートにおいて、ステップS1305において抽出された識別情報と、ステップS1304において取得された第1の位置情報と、を送信する(ステップS1401)。この送信処理は、たとえば送信部1011によっておこなわれる。そして、第1の位置情報を、たとえば位置情報記憶部1014に記憶する(ステップS1402)。この処理は、たとえば制御部1000や、位置情報記憶部1014などによっておこなわれる。
その後、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1403)。この判断処理は、たとえば制御部1000によっておこなわれる。ここで、所定時間が経過するのを待って(ステップS1403:No)、所定時間が経過した場合(ステップS1403:Yes)は、第3の位置情報を取得する(ステップS1404)。そして、第1の位置情報を位置情報記憶部1014から抽出する(ステップS1405)。この抽出処理は、たとえば制御部1000や位置情報記憶部1014などによっておこなわれる。
つぎに、ステップS1404において取得された第3の位置情報と、ステップS1405において抽出された第1の位置情報を比較し、第3の位置情報にかかる位置と、第1の位置情報にかかる位置とが異なる位置であるか否かを判断する(ステップS1406)。この判断処理は、たとえば位置情報比較処理部1013によっておこなわれる。ここで、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが同じである場合(ステップS1406:No)は、ステップS1403へ戻る。
一方、第1の位置情報にかかる位置と第2の位置情報にかかる位置とが異なる場合(ステップS1406:Yes)は、図13のステップS1305において抽出された識別情報と、ステップS1404において取得された第3の位置情報と、を送信する(ステップS1407)。この送信処理は、たとえば送信部1011によっておこなわれる。そして、第3の位置情報を、たとえば位置情報記憶部1014に記憶する(ステップS1408)。この処理は、たとえば制御部1000や、位置情報記憶部1014などによっておこなわれる。その後、ステップS1403へ戻る。その後、再び、所定時間が経過した場合(ステップS1403:Yes)は、第3+n(nは自然数)の位置情報を取得し(ステップS1404)、第3+n-1の位置情報を抽出し(ステップS1405)、第3+nの位置情報と第3+n-1の位置情報を比較する(ステップS1406)。このようにして、ステップS1403~S1408の各処理を繰り返し実行する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、平板形状をなし、背面101aをエレベーターのカゴ701の内壁面側に向けて後付け設置する防犯カメラ装置100であって、正面101bに設けられてカゴ701内を撮影する正面カメラ903と、正面カメラ903を含む自装置の駆動に供される電源を供給する電源供給用プラグ501を挿抜可能なAC電源コネクタ208と、を備えることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、防犯カメラ装置100のカゴ701内への設置に際し、AC電源コネクタ208から電源供給用プラグ501を引き抜いた状態とすることにより、防犯カメラ装置100の取り扱い性を高め、容易かつ速やかに防犯カメラ装置100をカゴ701内に設置することができる。これにより、防犯カメラ装置100を設置する作業者の負担軽減および設置作業にかかる作業時間の短縮を図ることができるので、作業者の負担軽減を図ることができる。
そして、カゴ701内における防犯カメラ装置100の位置が定まってから、AC電源コネクタ208に電源供給用プラグ501を挿入した状態とすることにより、常時起動している必要がある防犯カメラ装置100に安定して給電することができる。これにより、電力不足により撮影ができないなどの事態をなくし、カゴ701内を確実に撮影し、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、作業時間の短縮を図ることにより、作業のためにエレベーターが使用できない時間を短くすることができる。これにより、エレベーターの利用者の利便性が低下することを抑制し、利用者の利便性を確保することができる。このように、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、エレベーターの利用者の利便性を低下させることなく、容易かつ速やかにカゴ701内に設置することができ、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、AC電源コネクタ208は、背面101aに設けられていることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、防犯カメラをカゴ701内に設置した状態において乗員からAC電源コネクタ208を見づらくすることができる。これにより、乗員の悪戯などによって給電が停止することを防止し、カゴ701内を確実に撮影し、乗員の安全確保に寄与することができる。また、仮に、筐体101の側面にAC電源コネクタ208を設ける場合、乗員からAC電源コネクタ208が視認しやすくなって、悪戯を助長しやすくなることが懸念されるが、乗員からAC電源コネクタ208を見づらくすることにより、乗員の悪戯などによって給電が停止することを確実に防止するとともに、カゴ701内の美観を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、背面101aに、電源ボタン201および操作ボタン202の少なくともいずれかが設けられていることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、防犯カメラをカゴ701内に設置した状態において、電源ボタン201や操作ボタン202など防犯カメラ装置100の動作にかかわる操作部を乗員から見づらくすることができる。これにより、乗員の悪戯などによって防犯カメラ装置100が正常に動作しなくなることを防止し、カゴ701内を確実に撮影し、乗員の安全確保に寄与することができる。また、仮に、筐体101の側面に電源ボタン201や操作ボタン202など防犯カメラ装置100の動作にかかわる操作部を設ける場合、操作部が乗員から視認しやすいため、悪戯を助長しやすくなることが懸念されるが、乗員から操作部を見づらくすることにより、乗員の悪戯などによって防犯カメラ装置100が正常に動作しなくなることを確実に防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、正面101bに、画像または映像を表示する表示画面102が設けられていることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、エレベーターに専用の機器を別途開発・製造することなく、汎用的なタブレット型端末装置(タブレット端末、タブレットPCなど)によって実現することができる。タブレット型端末装置は、たとえば、CPU901と、メモリ902と、カメラ903、904と、通信インタフェース905と、表示画面(ディスプレイ)102と、電源制御ユニット910と、を備える。そして、乗員の注意を惹く画像や映像を表示画面102に表示することで、乗員の顔を防犯カメラ装置100に向かせやすくすることができる。これにより、乗員を確実に撮影し、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、正面カメラ903(少なくとも正面カメラ903を構成する正面レンズ103)が、カゴ701内に設置された状態において、表示画面102より鉛直方向下側に位置するように設けられていることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100によれば、正面カメラ903(少なくとも正面カメラ903を構成する正面レンズ103)が、表示画面102より鉛直方向下側に位置しているため、正面カメラ903の画角(撮影範囲)を調整しやすくすることができる。これにより、カゴ701の形状や大きさに左右されることなく、カゴ701内を確実に撮影し、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、エレベーターのカゴ701内に後付けされ、当該カゴ701内を撮影する防犯カメラ装置であって、カゴ701内を撮影する撮影部1001と、撮影部1001を含む自装置(防犯カメラ装置100)の駆動に供される電源を供給する電源供給用プラグ501を介して電源を受給し(矢印AおよびB)、受給した電源を当該自装置(防犯カメラ装置100)へ供給する(矢印C)電源供給部1003と、自装置(防犯カメラ装置100)に設けられて、電源供給部1003によって電源が供給される(矢印D)ことで蓄電する蓄電部1004と、電源供給部1003に受給される電源の状態を監視する電源監視部1005と、電源監視部1005による電源監視の状況に応じて、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印C)を、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替える電源供給制御部1006と、を備える。これにより、撮影部1001への電源を確保し、防犯カメラとしての機能を安定して提供することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、電源供給制御部1006が、電源監視部1005が電源供給部1003への受給(矢印B)が停止したことを検出した場合に、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給(矢印C)を、蓄電部1004からの供給(矢印E)へと、切り替えるので、停電や、接続不調などが発生した場合であっても、防犯カメラ装置100の電源を確実に確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、電源監視部1005が、電源供給用プラグ501を挿抜可能なAC電源コネクタ208に対する当該電源供給用プラグ501の挿抜の状態を監視し、電源供給制御部1006は、電源監視部1005による監視の結果、AC電源コネクタ208から電源供給用プラグ501が抜出されたことを検出した場合に、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給を、蓄電部1004からの供給へと、切り替えるので、偶発的に、または、悪戯など人為的に電源供給用プラグ501が外れた場合であっても、防犯カメラ装置100の電源を確実に確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、電源供給制御部1006が、電源監視部1005によって、AC電源コネクタ208に電源供給用プラグ501が挿入されたことを検出した場合に、蓄電部1004からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給を、電源供給部1003からの供給へと、切り替えるので、蓄電部(蓄電池)1004の消耗を防止でき、次回の電源供給停止に備えることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、自装置(防犯カメラ装置100)が、略平板形状をなし、平板の一面(「背面」)をカゴ701の内壁面側に向けて設置され、撮影部1001が、背面とは反対の面(「正面」)に設けられるので、防犯カメラ装置100が、内壁面から突出せずに設置することができ、カゴ701内の空間を有効に利用することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、正面に設けられて、カゴ701内で当該カゴ701の乗員に対して広告を表示する表示画面102を有する表示部1009を備えるので、乗員に対して広告内容を効率よく伝えることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、送信部1011が、電源供給部1003からの自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給が、蓄電部1004からの供給へと、切り替わった場合に、自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信するので、どの防犯カメラ装置100の電源の供給元が切り替わった、すなわち防犯カメラ装置100に対する電源の供給が受けられなくなった(電源が落ちた)かを、的確に把握することができる。したがって、復旧のための迅速な対応が可能となり、より安定した撮影動作を確保することができる。それにより、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、位置情報取得部1012が、自装置(防犯カメラ装置100)の位置に関する位置情報(以下、「第1の位置情報」という)を取得し、送信部1011が、識別情報とともに、位置情報取得部1012によって取得された位置情報(第1の位置情報)をネットワークNを介して所定のサーバへ送信するので、より確実に、電源が落ちた防犯カメラ装置100の所在を把握することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、位置情報比較部1013が、第1の位置情報と、あらかじめ登録されている前記自装置の位置に関する情報(第2の位置情報)を比較し、送信部1011が、位置情報比較部1013による比較結果に基づいて、第1の位置情報と第2の位置情報にかかる位置が異なる場合に、識別情報とともに、第1の位置情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信するので、防犯カメラ装置100が窃盗に遭ったか否かが確実にわかり、その後の対応をより迅速におこなうことができる。このように、後付けで取り外しが容易なゆえに、盗難にあったり、悪戯されたりする可能性が高い装置の当該可能性を低減させ、安定した撮影動作を確保することができる。それにより、乗員の安全確保に寄与することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、位置情報取得部1012が、第1の位置情報を取得してから所定時間経過後、再度、前記自装置の位置に関する位置情報(第3の位置情報)を取得し、位置情報比較部1013が、第1の位置情報と第3の位置情報を比較し、送信部1011が、位置情報比較部1013による比較結果に基づいて、第1の位置情報と第3の位置情報にかかる位置が異なる場合に、識別情報とともに、第3の位置情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信するので、防犯カメラ装置100が窃盗に遭った場合であっても、その所在(窃盗犯の逃走経路)を確実に追跡することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置100は、送信部1011が、送信先を宛先とする、撮影情報の内容を含む電子メールを作成し、所定のサーバへ送信するので、メールアドレスを設定すれば、確実に撮影情報が所定の送信先へ送信される。
また、この発明にかかる実施の形態の防犯カメラ装置制御プログラムは、エレベーターのカゴ内に後付けされ、蓄電部1004を有する防犯カメラ装置100に、カゴ内を撮影し、撮影された撮影情報を記憶する撮影処理、および、蓄電部1004における蓄電処理を含む、自装置(防犯カメラ装置100)の駆動に供される電源を供給する電源供給用プラグ501を介して電源を受給し、受給した電源を、自装置(防犯カメラ装置100)へ供給し、受給される電源の状態を監視し、電源監視の状況に応じて、自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給を、蓄電部1004からの供給に切り替え、自装置(防犯カメラ装置100)への電源の供給が蓄電部1004からの供給に切り替わった場合に、自装置(防犯カメラ装置100)の識別情報をネットワークNを介して所定のサーバへ送信する処理を実行させるので、どの防犯カメラ装置100の電源供給が受けられなくなった(電源が落ちた)かを、的確に把握することができる。したがって、復旧のための迅速な対応が可能となる。