JP7227396B2

JP7227396B2 - 植物保護用無人機

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Publication number: JP7227396B2
Application number: JP2021557422A
Authority: JP
Inventors: ジャンシュ; レジョウ; ワンレンジョウ
Original assignee: SZ DJI Technology Co Ltd
Current assignee: SZ DJI Technology Co Ltd
Priority date: 2019-03-28
Filing date: 2019-03-28
Publication date: 2023-02-21
Anticipated expiration: 2039-03-28
Also published as: JP2022528645A; US20210062799A1; EP3805101A1; WO2020191732A1; CN111315989A; EP3805101A4

Description

本発明はポンプの分野に関し、特に植物保護用無人機に関する。

ダイアフラムポンプは耐腐食性に優れることから、近年では植物保護の業界において広く使用されている。ダイアフラムポンプは往復型の容積式ポンプに属し、ダイアフラムの往復運動によってキャビティの体積が変化し、これによって農薬を吐出するものである。

従来のダイアフラムポンプはモーターが動力源であり、偏心輪又はクランクスライダ機構によりモーターの回転運動を往復運動に変え、それによってダイアフラムに往復運動をさせている。しかしながら、モーターが存在するため、このようなダイアフラムポンプには一般的に構造が複雑で、大型で、重く、コストが高いといった問題が存在する。また、回転運動から往復運動にするには変換機構が必要であるため、機械の効率が低下し、エネルギーの消費が増え、連続動作能力が低下するといった問題が不可避である。さらに変換機構の磨損によってもダイアフラムポンプの寿命が制限され、また回転運動が往復運動に変えられた後、ダイアフラムはストロークが正弦波的に変化するため、容積変化率が均一でなく、これによってダイアフラムポンプの流量や圧力が変動し、脈動現象が生じる。

本発明は農業用植物保護機及びそのダイアフラムポンプを提供するものである。

具体的には、本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。

本発明の第一の態様では、フレーム、農薬を収容する液タンク、液タンクと連通する配管、及び散布アセンブリを含む植物保護用無人機であって、
前記配管を介して液タンクと散布アセンブリの間に接続され、前記フレームに固着されたダイアフラムポンプを含み、
前記フレームは機体及び前記機体の底部に接続される脚部を含み、
前記ダイアフラムポンプは、収容室が設けられたポンプ本体と、前記ポンプ本体に覆設されたポンプカバーと、を含み、
前記ポンプ本体又は前記ポンプカバーは、前記脚部に装着され、
前記ダイアフラムポンプはさらに、
前記ポンプカバーと組み合わされることにより、前記ポンプカバーとで囲むようにしてキャビティを形成する、前記収容室内に設けられたダイアフラムと、
プッシュロッド、コイルアセンブリ及び弾性復帰部材を含み、前記プッシュロッドが前記ダイアフラムに接続され、且つ前記弾性復帰部材に接続された、前記収容室内に設けられた駆動機構と、
前記ポンプ本体の底部に覆設されるエンドカバー、を含み、
前記コイルアセンブリは、コイル及び前記コイルを固定する環状の収容溝を有し前記エンドカバーに当接するベースを含み、
前記コイルは、前記収容溝に収納されかつ導線が前記ベースに巻装され、
前記ベースは、前記エンドカバーに挿設されかつ前記エンドカバーから露出し、
前記コイルアセンブリに通電と遮断を交互に行うと、前記プッシュロッドは往復直線運動を行って、前記ダイアフラムが前記ポンプカバーに対して往復運動を行うようにし、前記キャビティを増減させることができ、
前記コイルアセンブリが通電状態のとき、前記プッシュロッドは前記コイルアセンブリの磁性吸引力の作用によって正方向に移動し、前記コイルアセンブリが遮断状態のとき、前記プッシュロッドは前記弾性復帰部材の弾性力の作用によって反対方向に移動し、前記正方向と前記反対方向は、互いに反対である２つの方向であることを特徴とする植物保護用無人機を提供する。

以上、本発明の実施例が提供する技術的解決手段から分かるように、本発明のダイアフラムポンプはポンプ本体内にコイルアセンブリ、弾性復帰部材及びプッシュロッドが設けられ、コイルアセンブリに対して通電と遮断を交互に行うことで、プッシュロッドを直接駆動して往復直線運動を行わせる。そのため、構造がシンプルで、コンパクトであり、軽くて、コストが低い。また、ダイアフラムポンプは変換機構が不要であるため、効率が高く、放熱性に優れ、エネルギーを節約でき、連続動作能力が高い。さらにダイアフラムポンプには変換機構などの磨損しやすい部材が無いため、寿命が長い。また、ダイアフラムのストロークが直線的に変化するため、ダイアフラムポンプは速度が均一で、脈動が小さく、流量が均一である。

本発明の実施例における技術的解決手段をより明解に説明するため、以下に、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下に説明する図面は本発明の実施例の一部にすぎず、当業者ならば創造的労力を費やさずとも、これらの図面に基づいてさらに別の図面を得られることは言うまでもない。

本発明の一実施例に係るダイアフラムポンプの透視図を示す。本発明の一実施例に係るダイアフラムポンプの断面図を示す。図２に示す実施例に係るダイアフラムポンプの部分拡大図を示す。本発明の一実施例に係るダイアフラムポンプの、別の方向における断面図を示す。本発明の別の実施例に係るダイアフラムポンプの透視図を示す。本発明の別の実施例に係るダイアフラムポンプの断面図を示す。本発明の一実施例に係る減圧装置の透視図を示す。本発明の一実施例に係る減圧装置の断面図を示す。本発明の一実施例に係る農業用植物保護機の透視図を示す。

以下、本発明の実施例における図面を用いて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明する。当然ながら、説明する実施例は本発明の実施例の一部にすぎず、全てではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労力を費やさずとも得られる他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。

以下、図面を用いて、本発明の農業用植物保護機及びそのダイアフラムポンプについて詳細に説明する。矛盾が生じない限り、以下の実施例及び実施形態における特徴は互いに組み合わせることが可能である。

図１及び図２を参照すると、本発明の実施例はダイアフラムポンプを提供し、このダイアフラムポンプ４００はポンプ本体１、ポンプカバー２、ダイアフラム３及び駆動機構５を含んでもよい。ポンプカバー２はポンプ本体１に覆設され、ポンプ本体１に収容室（図示せず）が設けられ、ダイアフラム３及び駆動機構５はいずれも収容室内に設けられている。本実施例では駆動機構５が収容室内に設けられているため、ポンプ本体１の体積を最大限縮小することができる。本実施例のダイアフラム３はポンプカバー２と組み合わされることにより、ダイアフラム３とポンプカバー２とで囲むようにしてキャビティ４を形成する。さらに本実施例の駆動機構５はプッシュロッド５１、コイルアセンブリ５２及び弾性復帰部材５３を含んでもよく、プッシュロッド５１はダイアフラム３に接続され、さらに弾性復帰部材５３に接続される。

本実施例において、コイルアセンブリ５２の通電と遮断を交互に行うと、プッシュロッド５１は往復直線運動を行って、ダイアフラム３がポンプカバー２に対して往復運動を行うようにし、キャビティ４を増減させることができる。具体的にはコイルアセンブリ５２が通電状態のとき、プッシュロッド５１はコイルアセンブリ５２の磁性吸引力の作用によって正方向に移動し、コイルアセンブリ５２が遮断状態のとき、プッシュロッド５１は弾性復帰部材５３の弾性力の作用によって反対方向に移動し、正方向と反対方向は、互いに反対である２つの方向である。以上から分かるように、コイルアセンブリ５２が通電状態のとき、コイルアセンブリ５２は電磁場を生じ、コイルアセンブリ５２の磁性吸引力がプッシュロッド５１に作用してプッシュロッド５１を正方向に移動させる。また、コイルアセンブリ５２が遮断状態のとき、コイルアセンブリ５２の電磁場が無くなり、弾性復帰部材５３の弾性力がプッシュロッド５１に作用してプッシュロッド５１を反対方向に移動させ、復帰を実現する。

別の実施形態において、正方向と反対方向の定義は異なっていてもよい。図２に示す実施例において、正方向は垂直方向下向きであり、反対方向は垂直方向上向きである。また別の実施例において、正方向が垂直方向上向きであり、反対方向が垂直方向下向きであってもよい。或いは正方向が水平方向左向きであり、反対方向が水平方向右向きなどであってもよい。

本発明の実施例のダイアフラムポンプ４００は、ポンプ本体１内にコイルアセンブリ５２、弾性復帰部材５３及びプッシュロッド５１が設けられ、コイルアセンブリ５２に対して通電と遮断を交互に行うことで、プッシュロッド５１を直接駆動して往復直線運動を行わせる。そのため、構造がシンプルで、コンパクトであり、軽くて、コストが低い。また、ダイアフラムポンプ４００は変換機構が不要であるため、効率が高く、放熱性に優れ、エネルギーを節約でき、連続動作能力が高い。さらにダイアフラムポンプ４００には変換機構などの磨損しやすい部材が無いため、寿命が長い。また、ダイアフラム３のストロークが直線的に変化するため、ダイアフラムポンプ４００は速度が均一で、脈動が小さく、流量が均一である。

コイルアセンブリ５２とプッシュロッド５１の構造上の組み合わせ形態は必要に応じて設計可能である。例えば、図２及び図３に示す実施例において、プッシュロッド５１はロッド本体５１１及び突起５１２を含み、ロッド本体５１１はダイアフラム３に接続するために用いられる。選択可能に、ダイアフラムポンプ４００はシングルダイアフラムポンプであり、ロッド本体５１１の一端がダイアフラム３に接続される。選択可能に、ダイアフラムポンプ４００がダブルダイアフラムポンプであり、ロッド本体５１１の両端がダイアフラム３にそれぞれ接続される。

選択可能に、突起５１２はロッド本体５１１の側壁に設けられてもよい。当然ながら、突起５１２はロッド本体５１１の端部などの別の位置に設けられてもよい。また、突起５１２はロッド本体５１１に一体成形可能である。当然ながら、突起５１２はロッド本体５１１と別体に設けられ、かつ突起５１２が係着、螺着などの一般的な方法でロッド本体５１１に固定されてもよい。

いくつかの実施例において、突起５１２とロッド本体５１１は同じ材質であってよく、例えば鉄、ニッケル、コバルトといった、磁性吸引力の作用によって運動可能な金属材質、又はこれら金属材質の組み合わせでもよい。いくつかの実施例において、突起５１２とロッド本体５１１は異なる材質であってよく、ここでは、鉄、ニッケル、コバルトといった、磁性吸引力の作用によって運動可能な金属材質、又はこれら金属材質の組み合わせによって突起５１２を作製してもよい。ロッド本体５１１はプラスチックなどの密度が比較的小さな材質を用いて作製してもよく、このようにすることでプッシュロッド５１の重量を軽くし、その結果、ダイアフラムポンプ４００を軽量化することができる。

本実施例の突起５１２はコイルアセンブリ５２と間隔をあけて設けられている。コイルアセンブリ５２が通電状態のとき、突起５１２はコイルアセンブリ５２の磁性吸引力の作用によって正方向に移動し、ロッド本体５１１を正方向に移動させる。具体的には、コイルアセンブリ５２が通電状態のとき、突起５１２はコイルアセンブリ５２の磁性吸引力の作用によってコイルアセンブリ５２に近づく方向に移動し、ロッド本体５１１をコイルアセンブリ５２に近づく方向に移動させる。コイルアセンブリ５２が遮断状態のとき、コイルアセンブリ５２の磁性吸引力は無くなり、突起５１２は弾性復帰部材５３の弾性力の作用によってコイルアセンブリ５２から遠ざかる方向に移動し、ロッド本体５１１及び突起５１２をコイルアセンブリ５２から遠ざかる方向に移動させる。

コイルアセンブリ５２と突起５１２の位置関係を設計する際は、コイルアセンブリ５２の磁性吸引力が突起５１２に作用することで、突起５１２が正方向に移動可能なようにすることを考慮しなければならない。いくつかの実施例において、突起５１２はコイルアセンブリ５２に正対している。このような構造の設計を採用することで、コイルアセンブリ５２の磁性吸引力は、突起５１２により良好に作用することができる。当然ながら、いくつかの実施例において、突起５１２はコイルアセンブリ５２に面するように設けられていればよく、両者が正対するように設けられる必要はない。

突起５１２の形状もまた必要に応じて設計可能である。図２及び図３に示す実施例において、突起５１２は環状構造であり、コイルアセンブリ５２はロッド本体５１１に嵌着固定されている。つまり、コイルアセンブリ５２も略環状構造であり、このような構造の設計を採用することで、コイルアセンブリ５２とプッシュロッド５１の構造をよりコンパクトに設計することができ、コイルアセンブリ５２とプッシュロッド５１が占有するスペースを縮小することができる。これによって収容室をより小さく設計することができるため、ポンプ本体１の小型化設計に有利である。また、このような構造の設計を採用することで、コイルアセンブリ５２と突起５１２が互いに向き合うように設けることができ、コイルアセンブリ５２が通電状態のときに生じる磁性吸引力が突起５１２に作用可能なように最大限保証している。つまり、コイルアセンブリ５２の磁性吸引力が突起５１２を吸引し、突起５１２がコイルアセンブリ５２に近づく方向に移動するよう保証している。なお、突起５１２の形状は環状に限定されず、コイルアセンブリ５２とロッド本体５１１の固定方法も嵌着式に限定されない。

弾性復帰部材５３とプッシュロッド５１の構造関係もまた、必要に応じ選択して設計することができる。図２に示す実施例において、弾性復帰部材５３はロッド本体５１１に嵌着され、且つ一端が突起５１２に接続され、他端がコイルアセンブリ５２に接続される。つまり、弾性復帰部材５３は突起５１２とコイルアセンブリ５２の間に設けられている。コイルアセンブリ５２が通電状態のとき、突起５１２はコイルアセンブリ５２の磁性吸引力の作用によって正方向に移動し、このときの弾性復帰部材５３は圧縮状態にある。コイルアセンブリ５２が遮断状態のとき、弾性復帰部材５３は元の位置に戻り、突起５１２は弾性復帰部材５３の弾性力の作用によって反対方向に移動する。

いくつかの実施例において、図３に示すように、突起５１２とロッド本体５１１の間に第１収容部６が設けられ、コイルアセンブリ５２とロッド本体５１１の間に第２収容部７が設けられている。弾性復帰部材５３は一端が第１収容部６内に収容され、他端が第２収容部７内に収容されている。第１収容部６と第２収容部７によって弾性復帰部材５３をより堅固に固定することで、弾性復帰部材５３が離脱して効力を失うことを防いでいる。なお、第１収容部６と第２収容部７はいずれも、溝であってもよい。

また、弾性復帰部材５３のタイプも必要に応じて選択可能である。いくつかの実施例において、弾性復帰部材５３はばねである。いくつかの実施例において、弾性復帰部材５３は、ゴムやプラスチックといった可撓性のある材質にて作製してもよい。本実施例では弾性復帰部材５３の材質について具体的に限定しない。

図２に示すように、ダイアフラムポンプ４００はさらにクイックリリース部材８を含んでもよい。コイルアセンブリ５２はクイックリリース部材８によってポンプ本体１に固定される。クイックリリース部材８によってコイルアセンブリ５２をポンプ本体１に取り外し可能に接続することで、コイルアセンブリ５２が損傷した場合、コイルアセンブリ５２をポンプ本体１から容易に取り外すことができるため、コイルアセンブリ５２の補修や交換が簡単に行える。このクイックリリース部材８はねじ、スナップフィット、又はその他のクイックリリース構造であってもよく、本実施例ではクイックリリース部材８のタイプについて具体的に限定しない。

図２に示すように、コイルアセンブリ５２はコイル５２１、及びコイル５２１を固定するためのベース５２２を含んでもよい。また、ベース５２２に環状の収容溝を設けてもよく、コイル５２１はベース５２２に巻装されるとともに上記収容溝内に収容される。本実施例のコイル５２１は導線（図示せず）に接続され、この導線はポンプ本体１の外に延びている。コイル５２１は導線を介して制御回路に接続可能であり、制御回路はコイル５２１に対して交互に通電と遮断を行うよう制御することができる。なお、制御回路によって、コイル５２１に対して交互に通電と遮断を行うよう制御する動作原理は従来技術であるため、ここでは詳しく説明しない。

図２に示す実施例において、ダイアフラムポンプ４００はさらにエンドカバー２０を含み、エンドカバー２０はポンプ本体１の底部に覆設され（ポンプカバー２はポンプ本体１の側壁に覆設される）、導線はエンドカバー２０に挿設されるとともにエンドカバー２０から露出し、制御回路に簡単に接続できるようになっている。

また、ベース５２２はロッド本体５１１に嵌着固定されてもよく、上記実施例の第２収容部７はベース５２２とロッド本体５１１によって形成される。

図２に示す実施例において、ダイアフラムポンプ４００はさらにダイアフラムブラケット９を含んでもよく、ダイアフラムブラケット９は一端がダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側に当接し、他端がプッシュロッド５１に接続される。なお、ダイアフラムブラケット９とダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側との接触面積は、所定の面積閾値より大きい。ダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側（即ちダイアフラム３のキャビティ４から遠い側）でダイアフラムブラケット９と当接させ、且つダイアフラムブラケット９とダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側との接触面の面積を十分な大きさに設計しているため、駆動機構５がダイアフラム３を駆動して、ポンプカバー２に対し往復直線運動をさせるとき、ダイアフラムブラケット９はダイアフラム３の位置を規制して、ダイアフラム３が同一方向に沿って往復運動するようにし、ダイアフラム３が別の方向に運動するのを抑え、ダイアフラム３の受力状態を改善し、ダイアフラム３の寿命を延ばしている。駆動機構５がダイアフラム３を駆動してポンプカバー２の方向に移動させるとき、ダイアフラムブラケット９の当接によりダイアフラム３は十分に突き上げられ、また十分な変形量が得られる。これによってキャビティ４の体積変化量を保証し、キャビティ４内の農薬が完全に排出されることを保証している。

本実施例において、ダイアフラム３は接続部、及び接続部の外縁に位置する支持部を含んでもよい。接続部は駆動機構５による駆動によって移動し、支持部は対応するポンプカバー２に装着される。支持部の外縁は係着、又は別の方法によってポンプカバー２にそれぞれ装着可能である。なお、接続部の厚さはダイアフラム３の他の部分の厚さより厚くてもよい。接続部は駆動機構５の駆動によって移動するため、接続部の厚さを厚めに設計することで、接続部が磨損した場合でも、駆動機構５の駆動による接続部の移動は影響を受けることがない。なお、厚さとは、ダイアフラム３の運動方向における厚さを指す。

いくつかの実施例において、ダイアフラム３は円形である。当然ながら、別の実施例において、ダイアフラム３は別の規則的又は不規則な形状であってもよい。

所定の面積閾値は比率（ダイアフラムブラケット９と当接面の接触面積と、当接面の表面積との比率であって、当接面とはダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側の表面を指す）の形式によって数値化してもよく、或いは面積の大きさによって数値化してもよい。本実施例において、ダイアフラムブラケット９と当接面の接触面積と、当接面の表面積との比率は８０％以上であり、例えば８５％、９０％、９５％、１００％などである。

所定の面積閾値は必要とするダイアフラムポンプ４００の吐出量要件に基づいて設計可能である。例えば一実施例において、ダイアフラムブラケット９と当接面の接触面積と、当接面の表面積との比率は１００％以上であり、即ちダイアフラムブラケット９が当接面を覆っている。駆動機構５がダイアフラム３を押圧すると、ダイアフラムブラケット９の押圧作用によって、ダイアフラム３の当接面と反対の表面はポンプカバー２に最大限密着し、キャビティ４の体積は十分に縮小され、キャビティ４内の農薬を最大限吐出し尽くすことができる。

実施可能な実施形態として、ダイアフラムブラケット９のダイアフラム３に面した表面の面積は当接面の面積に等しく、或いはダイアフラムブラケット９のダイアフラム３に面した表面の面積は当接面の面積よりも若干大きい。これによりダイアフラムブラケット９がダイアフラム３の当接面を覆うことができるように保証する。

別の実施可能な実施形態として、ダイアフラムブラケット９と当接面の接触面積と、当接面の表面積との比率は所定の比率閾値より大きく１００％より小さい。この場合、ダイアフラムブラケット９は当接面を完全に覆わない。

ダイアフラム３の位置をより良好に規制し、ダイアフラム３が十分に押し上げられて十分な変形量を得られるようにするため、本実施例において、ダイアフラムブラケット９の剛性は所定の剛性閾値よりも大きい。なお、所定の剛性閾値は必要に応じて設計可能であり、例えば１０Ｎ／ｍである。また、ダイアフラムブラケット９が剛性部材であってもよい。

さらに、往復運動時にダイアフラムブラケット９によってダイアフラム３が磨損するのを抑えるため、本実施例のダイアフラムブラケット９は、ダイアフラム３のポンプカバー２から遠い側と湾曲面によって当接している。

ダイアフラムブラケット９とプッシュロッド５１の固定方法に、従来の固定方法を任意に採用することができる。本実施例において、ダイアフラムブラケット９はロッド本体５１１の端部に嵌着固定されている。別の実施例においては、ダイアフラムブラケット９が螺着、嵌着などの方法によってロッド本体５１１の端部に固定されてもよい。

いくつかの実施例において、図２及び図３に示すように、ダイアフラムポンプ４００はさらに接続部材１０を含んでもよい。接続部材１０は一端がロッド本体５１１の端部に接続され、他端がダイアフラム３に接続される。ダイアフラムブラケット９はロッド本体５１１の端部及び接続部材１０に嵌着固定される。

いくつかの実施例において、接続部材１０はロッド本体５１１の端部に一体成形される。また別の実施例においては、接続部材１０とロッド本体５１１がそれぞれ独立して設けられる。なお、ロッド本体５１１の端部に挿着溝が設けられ、接続部材１０が挿着溝に挿着されてもよい。なお、接続部材１０はねじでもよく、或いは別の構造の部材でもよい。

本実施例のダイアフラムポンプ４００はシングルダイアフラムポンプでもよく、或いはダブルダイアフラムポンプでもよい。以下の実施例において、シングルダイアフラムポンプ及びダブルダイアフラムポンプの構造について具体的に説明する。以下の実施例では、シングルダイアフラムポンプ及びダブルダイアフラムポンプの構造についていずれも、ダイアフラムポンプ４００を農業用植物保護に応用したケースを例に挙げて説明する。図９に示すように、農業用植物保護機は配管、農薬を収容する液タンク２００、及びノズル３００を含む。

一実施例において、ダイアフラムポンプ４００はシングルダイアフラムポンプであって、ポンプカバー２とダイアフラム３をそれぞれ１つずつ含んでいる。プッシュロッド５１の一端はダイアフラム３に接続され、プッシュロッド５１が往復直線運動を行うと、ダイアフラム３はポンプカバー２に対して近づいたり遠ざかったりし、これに伴ってキャビティ４が増減する。プッシュロッド５１がダイアフラム３を押したり（即ちプッシュロッド５１によりダイアフラム３はポンプカバー２に向かって移動する）、プッシュロッド５１がダイアフラム３を引っ張ったり（即ちプッシュロッド５１によりダイアフラム３はポンプカバー２から遠ざかるように移動する）することで運動サイクルを形成する。本実施例において、シングルダイアフラムポンプは、キャビティ４とそれぞれ連通する液入口と液出口をさらに含む。液入口と液出口はポンプ本体１に設けられ、液入口は流路を介して液出口と連通している。さらに、液入口は配管を介して液タンク２００と連通可能であり、液出口は配管を介してノズル３００と連通可能である。

シングルダイアフラムポンプが農薬の流動方向を制御するプロセスは以下のとおりである。キャビティが縮小すると、キャビティ４は液出口を介して配管と連通し、液入口は閉じ、キャビティ４内の農薬（キャビティがこのときの運動サイクルの前半に吸引した農薬）は液出口を経てノズル３００まで送られ、ノズル３００は農薬を指定された区域（田畑、樹林など）に散布する。キャビティが増大すると、キャビティ４は液入口を介して液タンク２００と直接的又は間接的に連通し、液出口は閉じ、液タンク２００内の農薬が液入口からキャビティ４内に入る。

なお、液入口及び液出口はポンプカバー２の同一側に設けられてもよく、これによりシングルダイアフラムポンプの構造はよりコンパクトになり、シングルダイアフラムポンプの小型化設計に有利である。このようなシングルダイアフラムポンプは小型で、軽く、消費電力が少ないといった利点を有し、これを搭載した農業用植物保護機の製作に影響することがない。

別の実施例において、ダイアフラムポンプ４００はダブルダイアフラムポンプである。ポンプカバー２を２つ含み、ダイアフラム３も２つ含んでいる。ポンプカバー２は２つのダイアフラム３に対応するように組み合わされ、２つのポンプカバー２は、ポンプ本体１の両側にそれぞれ覆設され、２つのダイアフラム３は対応するポンプカバー２にそれぞれ装着される。キャビティ４は、２つのダイアフラム３と対応するポンプカバー２とが囲んで形成する第１キャビティ及び第２キャビティを含む。本実施例において、プッシュロッド５１は、一端が、２つのダイアフラム３のうちの１つに接続され、他端がもう１つのダイアフラム３に接続される。プッシュロッド５１が往復直線運動を行うと、２つのダイアフラム３は、対応するポンプカバー２に対してそれぞれ近づいたり遠ざかったりし、これにより第１キャビティと第２キャビティの大きさが互いに反対の方向に変化する。

具体的には、ポンプカバー２は第１ポンプカバー及び第２ポンプカバーを含み、ダイアフラム３は第１ダイアフラム及び第２ダイアフラムを含む。第１ダイアフラムと第１ポンプカバーとが組み合わされて第１キャビティを形成し、第２ダイアフラムと第２ポンプカバーとが組み合わされて第２キャビティを形成する。本実施例において、第１ダイアフラムと第２ダイアフラムは、互いに反対の方向に移動する。プッシュロッド５１が第１ダイアフラムを押すとともに第２ダイアフラムを引っ張ると、第１ダイアフラムは第１ポンプカバーに近づくように移動し、第２ダイアフラムは第２ポンプカバーから遠ざかるように移動し、これによって第１キャビティが縮小し、第２キャビティが拡大する。プッシュロッド５１が第１ダイアフラムを引っ張るとともに第２ダイアフラムを押すと、第１ダイアフラムは第１ポンプカバーから遠ざかるように移動し、第２ダイアフラムは第２ポンプカバーに近づくように移動し、これによって第１キャビティが拡大し、第２キャビティが縮小する。本実施例において、プッシュロッド５１が第１ダイアフラムを押すとともに第２ダイアフラムを引っ張るプロセス、及びプッシュロッド５１が第１ダイアフラムを引っ張るとともに第２ダイアフラムを押すプロセスの２つのプロセスによって１つの運動サイクルが形成される。

さらに、ダイアフラムポンプ４００は第１キャビティとそれぞれ連通する第１液入口と第１液出口、及び第２キャビティとそれぞれ連通する第２液入口と第２液出口をさらに含み、且つ第１液入口、第１液出口、第２液入口及び第２液出口は配管と連通可能であるため、第１液入口、第１液出口、第２液入口及び第２液出口の開閉を制御することで配管内の液体の流動方向を制御することができる。

ダブルダイアフラムポンプが農薬の流動方向を制御するプロセスは以下のとおりである。第１キャビティが縮小して第２キャビティが拡大すると、第１液出口、第２液入口は配管と連通し、第１液入口、第２液出口は閉じる。第１液出口及び第２液入口は農薬の流動作用により開き、第１液入口及び第２液出口は農薬の流動作用により閉じる。第１キャビティは第１液出口及び配管を経て、この第１キャビティ内の農薬（第１キャビティがこのときの運動サイクルの前半に吸引した農薬）をノズル３００まで送り、ノズル３００は農薬を指定された区域（田畑、樹林など）に散布する。同時に、第２キャビティは第２液入口及び配管を介して液タンク２００から農薬を吸引して第２キャビティ内に蓄える。第１液入口及び第２液出口が閉じているため、第１キャビティは第１液入口及び配管を介して液タンク２００から農薬を吸引することがなく、第２キャビティも第２液出口及び配管を介してこの第２キャビティ内の農薬を吐出することがない。

第１キャビティが拡大して第２キャビティが縮小すると、第１液入口、第２液出口は配管と連通し、第１液出口、第２液入口は閉じる。第１液入口及び第２液出口は農薬の流動作用により開き、第１液出口及び第２液入口は農薬の流動作用により閉じる。第２キャビティは第２液出口及び配管を経て、この第２キャビティ内の農薬（第２キャビティがこのときの運動サイクルの前半に吸引した農薬）をノズル３００まで送り、ノズル３００は農薬を指定された区域に散布する。同時に、第１キャビティは第１液入口及び配管を介して液タンク２００から農薬を吸引して第１キャビティ内に蓄える。第１液出口及び第２液入口が閉じているため、第１キャビティは第１液出口及び配管を介してこの第１キャビティ内の農薬を吐出することがなく、第２キャビティも第２液入口及び配管を介して液タンク２００から農薬を吸引することがない。

第１キャビティが農薬を吸引するとき第２キャビティは農薬を吐出し、第２キャビティが農薬を吸引するとき第１キャビティは農薬を吐出する。このようなダブルキャビティの設計により、農薬を吐出する連続性を保証し、且つ流量の脈動を減らしている。また、２つのダイアフラム３が、対応するポンプカバー２にそれぞれ装着されて２つのキャビティを形成しているため、耐腐食能力に優れ、さらに２つのキャビティの設計により、ダイアフラムポンプ４００の流量及び圧力を増大することができる。

選択可能に、第１液入口と第１液出口、及び第２液入口と第２液出口は、対応するポンプカバー２の同一側にそれぞれ設けられてもよい。液入口と液出口を対応するポンプカバー２の同一側に設けることで、ダブルダイアフラムポンプの構造はよりコンパクトになり、ダブルダイアフラムポンプの小型化設計に有利である。本実施例のダブルダイアフラムポンプは小型で、軽く、消費電力が少ないといった利点を有し、これを搭載した農業用植物保護機の製作に影響することがない。

図４に示す実施例において、このダイアフラムポンプ４００は第１逆止弁４０、第２逆止弁５０及びバルブカバー３０をさらに含んでもよい。本実施例において、液入口と液出口はキャビティとそれぞれ連通し、第１逆止弁４０は液入口の開閉を制御するために用いられ、第２逆止弁５０は液出口の開閉を制御するために用いられる。本実施例のバルブカバー３０は第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０を固定するために用いられ、これによってバルブカバー３０によって第１逆止弁４０と第２逆止弁５０がまとめられている。

本実施例において、バルブカバー３０はポンプ本体１に取り外し可能に接続され、第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０をポンプ本体１に固定し、第１逆止弁４０と第２逆止弁５０をポンプ本体１にまとめている。従来のダイアフラムポンプ４００の逆止弁が弁座を介してダイアフラム３に固定されているのに対して、本実施例の第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０ではバルブカバー３０によってポンプ本体１にまとめられているため、ダイアフラム３が取り外された後も第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０はバルブカバー３０によってポンプ本体１にまとめられており、ダイアフラム３を取り外したことによる影響を受けることがない。またバルブカバー３０とポンプカバー２はそれぞれ独立して設けられているため、ポンプカバー２が取り外された後も第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０はバルブカバー３０に固定されており、ポンプカバー２を取り外したことによる影響を受けることがない。

本発明の実施例のダイアフラムポンプ４００ではポンプカバー２に独立して設けられたバルブカバー３０を増設し、２つの逆止弁（第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０）をバルブカバー３０にまとめている。さらにバルブカバー３０を介してポンプ本体１に取り外し可能に接続し、２つの逆止弁をポンプ本体１にまとめている。このようにすることで２つの逆止弁は、ポンプカバー２及びダイアフラム３が取り外されたときの影響を受けることなく、逆止弁の効果が失われるリスクを回避している。また、バルブカバー３０によって２つの逆止弁を固定することで、各逆止弁のために弁座を個別に設計する必要がなくなり、部品点数を減らして製造コストや組立コストを抑えている。

本実施例の第１逆止弁４０は第１逆止弁弁体４１０と第１弾性部材４２０を含み、第１逆止弁弁体４１０と第１弾性部材４２０は互いに組み合わされ、第１逆止弁弁体４１０はポンプ本体１に固定され、第１弾性部材４２０はバルブカバー３０に固定されている。具体的には、第１逆止弁弁体４１０は一端が第１弾性部材４２０に固着され、他端がポンプ本体１に固着され、第１弾性部材４２０の第１逆止弁弁体４１０から遠い端部がバルブカバー３０に固着されている。

第１逆止弁弁体４１０とポンプ本体１の固定方法は必要に応じて決めることができ、第１逆止弁弁体４１０をポンプ本体１に直接固定してもよく、或いは間接的に固定してもよい。一実施例において、第１逆止弁弁体４１０は弁座を介してポンプ本体１に間接的に固定される。別の実施例においては、図４に示すように、ポンプ本体１に第１溝（図示せず）が設けられ、第１逆止弁弁体４１０は第１溝に挿着される。

第１弾性部材４２０とバルブカバー３０の固定方法も必要に応じて決めることができる。図４に示すように、バルブカバー３０に第１固定部３１０が設けられ、第１弾性部材４２０は第１固定部３１０に嵌着固定されている。なお、第１溝と第１固定部３１０は互いに対向するように設けられてもよく、それによって構造はよりコンパクトになる。本実施例において、第１弾性部材４２０はばねであり、一端が第１固定部３１０に嵌着固定され、他端が第１逆止弁弁体４１０に嵌着固定されている。なお、第１弾性部材４２０は別の弾性構造であってもよく、第１弾性部材４２０とバルブカバー３０の固定方法も上記実施形態に限定されない。

図４に示すように、第２逆止弁５０は第２逆止弁弁体５１０及び第２弾性部材５２０を含んでもよく、第２逆止弁弁体５１０と第２弾性部材５２０は互いに組み合わされ、第２逆止弁弁体５１０はバルブカバー３０に固定され、第２弾性部材５２０はポンプ本体１に固定されている。具体的には、第２逆止弁弁体５１０は一端が第２弾性部材５２０に固着され、他端がバルブカバー３０に固着され、第２弾性部材５２０の第２逆止弁弁体５１０から遠い端部がポンプ本体１に固着されている。

第２逆止弁弁体５１０とバルブカバー３０の固定方法は必要に応じて決めることができ、第２逆止弁弁体５１０をバルブカバー３０に直接固定してもよく、或いは間接的に固定してもよい。一実施例において、第２逆止弁弁体５１０は弁座を介してバルブカバー３０に間接的に固定される。別の実施例においては、図４に示すように、バルブカバー３０に第２溝（図示せず）が設けられ、第２逆止弁弁体５１０は第２溝に挿着される。

第２弾性部材５２０とポンプ本体１の固定方法も必要に応じて決めることができる。図４に示すように、ポンプ本体１に第２固定部１３が設けられ、第２弾性部材５２０は第２固定部１３に嵌着固定されている。なお、第２溝と第２固定部１３は互いに対向するように設けられてもよく、それによって構造はよりコンパクトになる。本実施例において、第２弾性部材５２０はばねであり、一端が第２固定部１３に嵌着固定され、他端が第２逆止弁弁体５１０に嵌着固定されている。なお、第１弾性部材４２０は別の弾性構造であってもよく、第２弾性部材５２０とポンプ本体１の固定方法も上記実施形態に限定されない。

本実施例において、第１固定部３１０と第２溝は間隔をあけてバルブカバー３０に設けられる。なお、バルブカバー３０が収容溝を有し、第１突起及び第２溝がいずれもこの収容溝内に収容されてもよい。こうすることでバルブカバー３０をより合理的、よりコンパクトに設計することができる。

バルブカバー３０とポンプ本体１の間は、従来技術における任意の、取り外し可能な接続方法によって固着させることができ、例えば螺着や係着がある。

製品の構造をよりコンパクトにするため、本実施例のバルブカバー３０はポンプ本体１とポンプカバー２の間に設けられる。一実施例において、ポンプカバー２はポンプ本体１に取り外し可能に接続され、またバルブカバー３０とは互いに離隔するか、又はバルブカバー３０と接触しても接続はされない。ダイアフラム３が損傷した場合、ポンプカバー２をポンプ本体１から取り外すことができるため、ダイアフラム３の補修や交換が簡単に行える。また、ポンプカバー２を取り外した後も第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０はバルブカバー３０によってポンプ本体１に固定されているため、ポンプカバー２の取り外し有無が第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０に影響することはない。ポンプカバー２とポンプ本体１の間の接続方法は、従来技術における任意の、取り外し可能な接続方法を選択することができ、例えば螺着や係着などがある。

別の実施例において、ポンプカバー２はポンプ本体１、バルブカバー３０とそれぞれ取り外し可能に接続されている。ダイアフラム３が損傷した場合、ポンプカバー２をポンプ本体１及びバルブカバー３０から取り外すことができるため、ダイアフラム３の補修や交換が簡単に行える。また、ポンプカバー２を取り外した後も第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０はバルブカバー３０によってポンプ本体１に固定されているため、ポンプカバー２の取り外し有無が第１逆止弁４０及び第２逆止弁５０に影響することはない。ポンプカバー２とポンプ本体１、バルブカバー３０の間の接続方法は、従来技術における任意の、取り外し可能な接続方法を選択することができ、例えば螺着や係着などがある。

ダブルダイアフラムポンプにおいて、第１逆止弁４０は、第１液入口の開閉を制御するための第１吸液逆止弁、及び第２液入口の開閉を制御するための第２吸液逆止弁を含み、第２逆止弁５０は、第１液出口の開閉を制御するための第１吐液逆止弁、及び第２液出口の開閉を制御するための第２吐液逆止弁を含んでいる。第１キャビティが縮小し、第２キャビティが拡大すると、第１吐液逆止弁及び第２吸液逆止弁が開き、第１吸液逆止弁及び第２吐液逆止弁が閉じる。これによって第１液出口、第２液入口が配管と連通し、第１液入口、第２液出口が閉じる。第１キャビティが拡大し、第２キャビティが縮小すると、第１吸液逆止弁及び第２吐液逆止弁が開き、第１吐液逆止弁及び第２吸液逆止弁が閉じる。これによって第１液入口、第２液出口が配管と連通し、第１液出口、第２液入口が閉じる。

バルブカバー３０は第１バルブカバー及び第２バルブカバーを含み、第１吸液逆止弁及び第１吐液逆止弁が第１バルブカバーに固定され、第１吸液逆止弁及び第１吐液逆止弁が第１バルブカバーによってポンプ本体１に取り外し可能に固定される。第２吸液逆止弁及び第２吐液逆止弁が第２バルブカバーに固定され、第２吸液逆止弁及び第２吐液逆止弁が第２バルブカバーによってポンプ本体１に取り外し可能に固定される。具体的には、第１バルブカバーがポンプ本体１の第１ポンプカバー２に面した側に取り外し可能に接続され、これによって第１吸液逆止弁及び第１吐液逆止弁をポンプ本体１に固定している。第２バルブカバーがポンプ本体１の第２ポンプカバー２に面した側に取り外し可能に接続され、これによって第２吸液逆止弁及び第２吐液逆止弁をポンプ本体１に固定している。

本実施例において、第１吸液逆止弁と第２吸液逆止弁は互いに向かい合うように設けられ、第１吐液逆止弁と第２吐液逆止弁も互いに向かい合うように設けられる。これによってダブルダイアフラムポンプの構造はよりコンパクトになり、ダブルダイアフラムポンプの小型化設計に有利である。

図５～図８に示すように、このダイアフラムポンプ４００はさらに減圧装置６０を含んでもよい。この減圧装置６０は液出口１２に取り付けられ、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えたとき、減圧装置６０が開いてダイアフラムポンプ４００に対する過圧保護を実現する。この減圧装置６０は主弁６１０、主弁６１０に接続されたパイロット弁６２０及び導流路６３０を含む。主弁６１０は吸液部６１１、吐液部６１２及び第１弁体６１３を含み、吸液部６１１は液出口１２と連通し、吐液部６１２は液入口１１と連通している。第１弁体６１３は吸液部６１１と吐液部６１２を密封することができる。パイロット弁６２０は第２弁体６２１、第１流路６２２を含み、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部は第１流路６２２内に密着し、且つ第１流路６２２内を移動することができる。導流路６３０は一端が液出口１２と連通し、他端には第１導流口６３１が設けられている。第２弁体６２１は第１導流口６３１を密封して導流路６３０を第１流路６２２から隔絶することができる。

本実施例において、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えると、第２弁体６２１は農薬の押圧力の作用によって第１導流口６３１から離隔し、農薬は第１流路６２２に入り、第１弁体６１３の吐液部６１２に近い端部と、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部とで圧力差が生じ、第１弁体６１３は吐液部６１２内の農薬による押圧力の作用によって吸液部６１１及び吐液部６１２から離隔し、農薬は吐液部６１２から吐出し、液入口１１に戻され、ダイアフラムポンプ４００に対する過圧保護を実現する。具体的には第２弁体６２１が第１導流口６３１から離隔した後、導流路６３０は第１流路６２２と連通し、導流路６３０内の農薬は第１導流口６３１から第１流路６２２に流れ込むことが可能になる。このとき、第１弁体６１３の吐液部６１２に近い端部の液圧はポンプ本体内の液圧であり、一方、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部の液圧（即ち第１流路６２２内の農薬の液圧）はポンプ本体内の液圧より小さくなり、そのため第１弁体６１３の吐液部６１２に近い端部の液圧は、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部の液圧より大きくなり、圧力差が所定の圧力差閾値を超えると、第１弁体６１３は、吐液部６１２内の農薬の押圧力の作用によって移動可能になり、吸液部６１１及び吐液部６１２から離隔し（部分的に離隔するか、又は完全に離隔する）、液出口１２から流れ出た農薬は吸液部６１１を経て吐液部６１２に流れ込み、さらに液入口１１に戻されてポンプ本体１内に入る。

ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき、第２弁体６２１は第１導流口６３１を密封し、パイロット弁６２０は閉止状態にある。このとき、第２弁体６２１の吐液部６１２に近い端部と、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部とで圧力差が生じず、第１弁体６１３は吸液部６１１及び吐液部６１２を密封し、即ち主弁６１０も閉止状態にあり、ダイアフラムポンプ４００は正常に動作する。

なお、所定の圧力閾値とは、即ちダイアフラムポンプ４００が正常に稼働している状態で耐えられる最大液圧値である。ポンプ本体１内の液圧がこの所定の圧力閾値を超えた場合、ダイアフラムポンプ４００は損傷する恐れがある。

一般的に、吸液部６１１及び吐液部６１２をより良好に密封するためには、主弁６１０の抵抗力を大きめに設計する必要がある。そうすることでポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えないとき、ダイアフラムポンプ４００は正常に稼働し、ダイアフラムポンプ４００は減圧装置６０によって減圧されることがない。主弁６１０の抵抗力を大きめに設計する必要があるため、仮に主弁６１０によって直接減圧するならば、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値より大きな値を超えてから、主弁６１０はようやく農薬の押圧力の作用によって開くことになるが、実際はポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えた瞬間、ダイアフラムポンプ４００はすでに損傷しているだろう。そのため、主弁６１０に、抵抗力の比較的小さなパイロット弁６２０を増設する。こうすることでポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えたとき、パイロット弁６２０がすぐに開いて主弁６１０を開通させ、減圧を実現することができ、減圧が適時行われるよう保証し、圧力を安定させる精度が向上する。

本発明の実施例のダイアフラムポンプ４００は、液出口１２に減圧装置６０を増設することで、ダイアフラムポンプ４００に対する過圧保護を実現し、液出口１２の圧力が一定になるように保証し、流量が均一であるように保証している。また、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えると、まずパイロット弁６２０が開き、パイロット弁６２０によって主弁６１０が開いて、減圧を実現する。このように主弁６１０とパイロット弁６２０を組み合わせることで、圧力を安定させる精度を高めることができる。さらに減圧装置６０に開ループ制御を採用しているため、反応が早く、安定性に優れ、低コストである。

いくつかの実施例において、液入口１１と液出口１２は口径がほぼ等しい。当然ながら、いくつかの実施例において、液入口１１と液出口１２の口径を異なるように設けてもよい。

いくつかの実施例において、吸液部６１１と吐液部６１２は口径がほぼ等しい。当然ながら、いくつかの実施例において、吸液部６１１と吐液部６１２の口径を異なるように設けてもよい。

また、いくつかの実施例において、吸液部６１１の口径と液出口１２の口径がほぼ等しくてもよい。当然ながら、いくつかの実施例において、吸液部６１１と液出口１２との装着を容易にするため、吸液部６１１の口径を液出口１２の口径よりも小さく設計してもよい。本実施例の吸液部６１１は液出口１２に挿着可能であり、吸液部６１１と液出口１２の連通を実現している。農薬が吸液部６１１と液出口１２の接続箇所から漏れるのを防ぐため、吸液部６１１と液出口１２の接続箇所にゴム層のような密封構造を設けてもよい。また、吸液部６１１と液出口１２は係着、螺着といった従来の方法によって接続してもよい。

また、いくつかの実施例において、吐液部６１２と液入口１１の口径がほぼ等しくてもよい。当然ながら、いくつかの実施例において、吐液部６１２と液入口１１との装着を容易にするため、吐液部６１２の口径を液入口１１の口径よりも小さく設計してもよい。本実施例の吐液部６１２は液入口１１に挿着可能であり、吐液部６１２と液入口１１の連通を実現している。農薬が吐液部６１２と液入口１１の接続箇所から漏れるのを防ぐため、吐液部６１２と液入口１１の接続箇所にゴム層のような密封構造を設けてもよい。また、吐液部６１２と液入口１１は係着、螺着といった従来の方法によって接続してもよい。

導流路６３０の直径は吐液部６１２の口径より小さいため、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき、第２弁体６２１は農薬の押圧力の作用によって第１導流口６３１から離隔することがない。即ち導流路６３０の直径を吐液部６１２の口径より小さく設計することにより、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき、第２弁体６２１は第１導流口６３１をしっかりと密封することができる。

いくつかの実施例において、導流路６３０の直径は吐液部６１２の口径の１０分の１以上、５分の１以下である。例えば導流路６３０の直径は吐液部６１２の口径の１０分の１、９分の１、８分の１、７分の１、６分の１又は５分の１でもよい。具体的には、必要に応じて導流路６３０の直径を選択することができる。

図８に示すように、主弁６１０は第１弁本体６１４を含んでもよい。第１弁本体６１４に第３キャビティ６１５が設けられ、吸液部６１１と吐液部６１２はそれぞれ第１弁本体６１４に設けられ、且つそれぞれ第３キャビティ６１５と連通している。本実施例の第１弁体６１３は第３キャビティ６１５内に移動可能に設けられている。ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき、第１弁体６１３は吸液部６１１と吐液部６１２を密封している。ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えると、第１弁体６１３は吸液部６１１内の農薬の押圧力の作用によって、第３キャビティ６１５内を吸液部６１１から遠ざかる方向へ移動し、吸液部６１１及び吐液部６１２から離隔する。

第１弁体６１３が第３キャビティ６１５内を移動できるようにするため、いくつかの実施例において、第１弁体６１３の外壁に第１摺動突起６１７が設けられ、第１摺動突起６１７は第１弁本体６１４の内壁と摺接する。第１摺動突起６１７は円環状構造であってもよい。当然ながら、第１摺動突起６１７は環状構造に限定されず、別の形状でもよい。また、第１摺動突起６１７は第１弁体６１３と一体成形されてもよい。なお、別の構造を採用することで、第１弁体６１３が第３キャビティ６１５内を移動できるようにすることも可能である。

図８に示すように、第１摺動突起６１７に第２導流口６１７１を設けてもよい。液出口１２は吸液部６１１及び第２導流口６１７１を経て導流路６３０と連通している。本実施例において、導流路６３０は第３キャビティ６１５と連通し、且つポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき、第２導流口６１７１と導流路６３０の間には間隙が存在し、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えたとき、この間隙によって第１弁体６１３は移動することができる。

さらに図８に示すように、パイロット弁６２０はさらに第２弁本体６２３を含み、第２弁本体６２３に第４キャビティ６２４が設けられ、第１流路６２２は第４キャビティ６２４と連通し、第２弁体６２１は第４キャビティ６２４内に移動可能に設けられている。本実施例において、第１流路６２２は第４キャビティ６２４を介して導流路６３０と連通している。さらに第１弁本体６１４は第２弁本体６２３に固着され、これによってパイロット弁６２０を主弁６１０に固定しており、また、パイロット弁６２０は主弁６１０に対して密封可能である。なお、第１弁本体６１４と第２弁本体６２３は、螺着や係着といった、従来技術における任意の接続方法によって固着させることができる。

選択可能に、第２弁体６２１は密封端６２１１を含んでもよく、密封端６２１１は第１導流口６３１に挿着される。密封端６２１１は円錐形であり、第１導流口６３１を良好に密封することができる。当然ながら、密封端６２１１は円錐形に限定されず、密封端６２１１と第１導流口６３１の密封方法も挿着に限定されない。さらに別の形状の密封端６２１１を採用してもよく、密封端６２１１と第１導流口６３１の間も、別の係合方法によって密封を実現することができる。

第２弁体６２１が第４キャビティ６２４内を移動できるようにするため、いくつかの実施例において、第２弁体６２１の側壁に第２摺動突起６２１２が設けられ、第２摺動突起６２１２は第２弁本体６２３の内壁と摺接する。選択可能に、第２摺動突起６２１２は円環状構造である。当然ながら、第２摺動突起６２１２は環状構造に限定されず、別の形状でもよい。選択可能に、第２摺動突起６２１２は第２弁体６２１と一体成形される。なお、別の構造を採用することで、第２弁体６２１が第４キャビティ６２４内を移動できるようにすることも可能である。

いくつかの実施例において、図８に示すように、導流路６３０は第２弁本体６２３内に設けられ、コンパクトな構造設計を可能にしている。本実施例において、第２弁体６２１が第１導流口６３１を密封しているとき、導流路６３０は第４キャビティ６２４から隔絶され、それによって第１流路６２２から隔絶されている。第２弁体６２１が第１導流口６３１から離隔すると、導流路６３０は第４キャビティ６２４と連通し、それによって第１流路６２２と連通する。なお、いくつかの実施例において、導流路６３０は第２弁本体６２３の外部に設けられてもよい。

図８に示すように、主弁６１０は、第３キャビティ６１５内に収容された第１弾性復帰部材６１６をさらに含んでもよい。第１弾性復帰部材６１６は一端が第１弁体６１３に接続され、他端が第１流路６２２内に収容されるとともに第２弁本体６２３に接続される。第１弾性復帰部材６１６は弾性復元力を第１弁体６１３に提供し、第１弾性復帰部材６１６の弾性復元力の作用によって第１弁体６１３に吸液部６１１及び吐液部６１２を密封させることができる。

具体的には、ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えていないとき（即ちダイアフラムポンプ４００が正常な稼働状態にあるとき）、第１弁体６１３は第１弾性復帰部材６１６の弾性復元力の作用によって吸液部６１１及び吐液部６１２を密封している。ポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えると、第１弁体６１３の吐液部６１２に近い端部の液圧が、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部の液圧よりも大きくなるため、吐液部６１２内の農薬の押圧力が、第１弾性部材４２０の弾性復元力及び第１流路６２２内の農薬の押圧力に打ち勝ち、第１弁体６１３は右に移動し（図８の実施例参照）、第１弾性復帰部材６１６は徐々に圧縮され、第１弁体６１３が吸液部６１１及び吐液部６１２から離隔するまで移動すると、液出口１２から流れ出た農薬は吸液部６１１を経て吐液部６１２に流れ、さらに液入口１１に戻されてポンプ本体１内に入り、減圧を実現する。また、減圧のプロセスにおいて、第１弁体６１３の吐液部６１２に近い端部と、第１弁体６１３の吐液部６１２から遠い端部との圧力差は、圧力差が０になるまで徐々に減少し、第１弾性部材４２０は徐々に延伸し、第１弁体６１３は第１弾性部材４２０の弾性復元力（第１弾性部材４２０が圧縮から徐々に延伸するプロセスで生じた弾性復元力）の作用によって徐々に元の位置に戻り、吸液部６１１及び吐液部６１２を再び密封し、ダイアフラムポンプ４００を正常な稼働状態に回復させる。

いくつかの実施例において、第１弁体６１３の液入口１１から遠い端部に装着溝が設けられ、第１弾性復帰部材６１６の一端が装着溝内に取り付けられ、これによって第１弾性部材４２０はより良好に固定され、第１復帰部材が不安定なため主弁６１０が機能しなくなることを防いでいる。当然ながら、別の方法によって第１弾性部材４２０を第１弁体６１３に固定させてもよい。

また図８に示すように、パイロット弁６２０は、第４キャビティ６２４内に収容された第２弾性復帰部材６２５をさらに含んでもよい。第２弾性復帰部材６２５は第２弁体６２１に接続され、弾性復元力を第２弁体６２１に提供する。第２弾性復帰部材６２５の弾性復元力の作用によって第２弁体６２１に第１導流口６３１を密封させることができる。

具体的には、ダイアフラムポンプ４００が正常な稼働状態にあるとき、第２弁体６２１は第２弾性復帰部材６２５の弾性復元力の作用によって第１導流口６３１を密封している。ノズル３００が塞がれてポンプ本体１内の液圧が所定の圧力閾値を超えると、導流路６３０内の農薬は第２弁体６２１を押圧し、第２弾性復帰部材６２５は徐々に圧縮され、農薬の押圧力が、第２弾性復帰部材６２５が第１弁体６１３を付勢する弾性復元力に打ち勝つと、第２弁体６２１は押し開けられて第１導流口６３１から離隔し、導流路６３０内の農薬は第４キャビティ６２４を通って第１流路６２２に入る。

減圧のプロセスにおいて、第２弾性復帰部材６２５は徐々に延伸し、第２弁体６２１は第２弾性復帰部材６２５の復元力の作用によって徐々に元の位置に戻り、第１導流口６３１を再び密封し、これによってダイアフラムポンプ４００を正常な稼働状態に回復させる。

本実施例において、所定の圧力閾値、第２弁体６２１に対する農薬の押圧力は、第２弾性部材５２０の弾性復元力と正の相関関係にある。即ち第２弾性部材５２０の弾性復元力が大きくなるほど、所定の圧力閾値及び第２弁体６２１に対する農薬の押圧力は大きくなる。

第２弾性復帰部材６２５が第２弁体６２１を付勢する弾性復元力の大きさは、構造の違いによって変えることができる。例えば、一実施形態において、第２弁本体６２３はさらに開口部を含み、開口部は第４キャビティ６２４と連通し、第２弾性復帰部材６２５は開口部内に移動可能に挿着される。第２弾性復帰部材６２５が開口部内において移動した、開口部からの位置の違いによって、第２弾性復帰部材６２５は様々な弾性復元力で第２弁体６２１を付勢することができる。選択可能に、第２弾性復帰部材６２５は開口部内に押し出す。第２弾性復帰部材６２５の第２弁体６２１から遠い端部を押圧することで、第２弾性復帰部材６２５は徐々に圧縮され、第２弾性復帰部材６２５が第２弁体６２１を付勢する弾性復元力は増大し、農薬が第２弁体６２１を押し開くのに必要な押圧力も増大する。第２弾性復帰部材６２５の第２弁体６２１から遠い端部を引き抜くことで、第２弾性復帰部材６２５は徐々に延伸するが、第２弁体６２１は第１導流口６３１から離隔することがなく、農薬が第２弁体６２１を押し開くのに必要な押圧力も減少する。様々なダイアフラムポンプ４００の、過圧保護に対する要件（ダイアフラムポンプ４００によって耐えられる最大液圧は異なる）を満たすため、必要に応じて、第１開口部内における第２弾性復帰部材６２５の位置を移動させることができる。本実施形態において、第２弾性復帰部材６２５はゴムやプラスチックといった可撓性のある材質にて作製される。

別の実施形態において、パイロット弁６２０はさらに調節部材６２６を含んでもよい。調節部材６２６は第２弾性復帰部材６２５に組み合わされ、第２弾性復帰部材６２５の弾性復元力の大きさを調節する。これによって第２弾性復帰部材６２５は様々な大きさの弾性復元力で第２弁体６２１を付勢することができる。具体的には、第２弁本体６２３はさらに開口部を有し、開口部は第４キャビティ６２４と連通する。第２弾性復帰部材６２５は一端が第２弁体６２１に接続され、他端が調節部材６２６に接続され、調節部材６２６は開口部内に回転可能に挿着される。調節部材６２６が開口部内で開口部に対し回転すると、調節部材６２６は第２弾性復帰部材６２５を伸縮させて、第２弾性復帰部材６２５の弾性復元力の大きさを調節することができる。具体的には、調節部材６２６が第１開口部内を第１方向に回転すると、調節部材６２６は第２弁体６２１の方へ移動し、第２弾性復帰部材６２５は徐々に圧縮され、第２弾性復帰部材６２５が第２弁体６２１を付勢する弾性復元力は増大し、農薬が第２弁体６２１を押し開くのに必要な押圧力の大きさも増大する。調節部材６２６が開口部内を第２方向に回転すると、調節部材６２６は第２弁体６２１から遠ざかるように移動し、第２弾性復帰部材６２５は徐々に延伸するが、第２弁体６２１は第１導流口６３１から離隔せず、第２弾性復帰部材６２５が第２弁体６２１を付勢する弾性復元力は減少し、農薬が第２弁体６２１を押し開くのに必要な押圧力の大きさも減少する。第１方向と第２方向は互いに異なり、選択可能に、第１方向が時計回りの方向で、第２方向が反時計回りの方向であってもよい。様々なダイアフラムポンプ４００の、過圧保護に対する要件（ダイアフラムポンプ４００によって耐えられる最大液圧は異なる）を満たすため、必要に応じて調節部材６２６を回転させることができる。

調節部材６２６のタイプも必要に応じて選択でき、選択可能に、調節部材６２６はねじのようなねじ付き部材でもよく、ねじ付き部材は第１開口部に、ねじ山によって回転接続される。実施可能な実施形態として、第２弾性復帰部材６２５はばねであり、調節部材６２６はねじである。ばねは一端が固定端に嵌着され、他端がねじに嵌着される。

また、使用者が第２弾性復帰部材６２５の伸縮を容易に調節できるようにするため、調節部材６２６の一部が第１開口部に貫設されて開口部の外に露出し、使用者が調節できるようになっている。

第１弾性復帰部材６１６、第２弾性復帰部材６２５のタイプは必要に応じて選択することができる。いくつかの実施例において、第１弾性復帰部材６１６、第２弾性復帰部材６２５の少なくとも１つがばねである。また、いくつかの実施例において、第１弾性復帰部材６１６、第２弾性復帰部材６２５の少なくとも１つがゴムやプラスチックといった可撓性のある材質にて作製される。

第１弾性復帰部材６１６の剛性が第２弾性復帰部材６２５の剛性より大きくてもよく、これによって主弁６１０の抵抗力はパイロット弁６２０の抵抗力よりも大きくなり、減圧装置６０の圧力を安定させる精度が向上する。

本実施例のダイアフラムポンプ４００は農業用植物保護機に用いられるため、減圧装置６０には一定の耐腐食性が求められる。いくつかの実施例において、減圧装置６０の作製には耐腐食性の良好な材質を選択する必要があり、第１弁体６１３、第２弁体６２１の少なくとも１つの材質は黄銅、ステンレス、プラスチックのいずれかを含む。なお、第１弁体６１３及び第２弁体６２１は、耐腐食性の良好な別の材質にて作製してもよい。

いくつかの実施例において、減圧装置６０内の、農薬と接触する部材の表面に耐腐食層が設けられる。例えばいくつかの実施例において、第１弁本体６１４の内壁、第２弁本体６２３の内壁、第１弁体６１３の表面、第２弁体６２１の表面の少なくとも１つには耐腐食層が設けられている。

図９に示すように、本発明の実施例はさらに農業用植物保護機を提供し、これはフレーム１００、農薬を収容する液タンク２００、液タンク２００と連通する配管、複数のノズル３００、及び上記実施例のダイアフラムポンプ４００を含む。ダイアフラムポンプ４００は液タンク２００から農薬を吸引してノズル３００に圧送することができ、ノズル３００から農薬を噴射して農薬を農作物に散布する。

本実施例の農業用植物保護機は植物保護用無人機であってよく、或いは農薬散布車両や手動散布装置であってもよい。

本実施例において、ダイアフラムポンプ４００は液入口１１が配管を介して液タンク２００と連通し、液出口１２が配管を介してノズル３００と連通している。ダイアフラムポンプ４００は液タンク２００から農薬を吸引してノズル３００に圧送し、ノズル３００から農薬を噴射して農薬を農作物に散布する。なお、ダイアフラムポンプ４００がダブルダイアフラムポンプの場合、液入口１１は第１液入口及び第２液入口を含み、液出口１２は第１液出口及び第２液出口を含む。

本実施例において、ダイアフラムポンプ４００はフレーム１００に固着される。植物保護用無人機を例に挙げると、フレーム１００は機体１１０、及び機体１１０の底部に接続された脚部１２０を含み、ダイアフラムポンプ４００のポンプ本体１又はポンプカバー２が脚部１２０に装着され、ポンプ本体１又はポンプカバー２と脚部１２０の底部との固着方法は、従来技術における任意の固着方法を選択することができ、例えば螺着や係着などがある。

再び図９に示すように、フレーム１００は機体１１０に接続されたアーム１３０をさらに含んでもよく、ノズル３００はアーム１３０の機体１１０から遠い端部に設けられる。

なお、本明細書において、例えば第１、第２といった関係性を示す用語は、ある実体又は操作を別の実体又は操作と区別するためのものにすぎず、これらの実体又は操作の間にこうした実際の関係又は順序が、どのようなものであれ存在することを要求又は示唆するものではない。また用語「含む」、「含有する」或いは他の変形はいずれも、非排他的包含を包括することを意図しており、これによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置が、これらの要素を含むばかりでなく、明確に列挙していない他の要素もさらに含み、或いはこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をもさらに含むようにしている。さらなる限定がない場合、語句「１つの～を含み」によって限定される要素は、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置の中に、別の均等の要素が存在することを排除するものではない。

以上、本発明の実施例にて提供する農業用植物保護機及びそのダイアフラムポンプを詳細に説明した。本文では具体例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、上記実施例の説明は、本発明の方法及びその核心的思想に対する理解を助けるためのものにすぎない。また当業者にとっては、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれに対しても改良を行う余地がある。要するに、本明細書の内容を、本発明を限定するものとして理解すべきではない。

１００フレーム
１１０機体
１２０脚部
１３０アーム
２００液タンク
３００ノズル
４００ダイアフラムポンプ
１ポンプ本体
１１液入口
１２液出口
１３第２固定部
２ポンプカバー
３ダイアフラム
４キャビティ
５駆動機構
５１プッシュロッド
５１１ロッド本体
５１２突起
５２コイルアセンブリ
５２１コイル
５２２ベース
５３弾性復帰部材
６第１収容部
７第２収容部
８クイックリリース部材
９ダイアフラムブラケット
１０接続部材
２０エンドカバー
３０バルブカバー
３１０第１固定部
４０第１逆止弁
４１０第１逆止弁弁体
４２０第１弾性部材
５０第２逆止弁
５１０第２逆止弁弁体
５２０第２弾性部材
６０減圧装置
６１０主弁
６１１吸液部
６１２吐液部
６１３第１弁体
６１４第１弁本体
６１５第３キャビティ
６１６第１弾性復帰部材
６１７第１摺動突起
６１７１第２導流口
６２０パイロット弁
６２１第２弁体
６２１１密封端
６２１２第２摺動突起
６２２第１流路
６２３第２弁本体
６２４第４キャビティ
６２５第２弾性復帰部材
６２６調節部材
６３０導流路
６３１第１導流口

Claims

フレーム、農薬を収容する液タンク、液タンクと連通する配管、及び散布アセンブリを含む植物保護用無人機であって、
前記配管を介して液タンクと散布アセンブリの間に接続され、前記フレームに固着されたダイアフラムポンプを含み、
前記フレームは機体及び前記機体の底部に接続される脚部を含み、
前記ダイアフラムポンプは、収容室が設けられたポンプ本体と、前記ポンプ本体に覆設されたポンプカバーと、を含み、
前記ポンプ本体又は前記ポンプカバーは、前記脚部に装着され、
前記ダイアフラムポンプはさらに、
前記ポンプカバーと組み合わされることにより、前記ポンプカバーとで囲むようにしてキャビティを形成する、前記収容室内に設けられたダイアフラムと、
プッシュロッド、コイルアセンブリ及び弾性復帰部材を含み、前記プッシュロッドが前記ダイアフラムに接続され、且つ前記弾性復帰部材に接続された、前記収容室内に設けられた駆動機構と、
前記ポンプ本体の底部に覆設されるエンドカバー、を含み、
前記コイルアセンブリは、コイル及び前記コイルを固定する環状の収容溝を有し前記エンドカバーに当接するベースを含み、
前記コイルは、前記収容溝に収納されかつ導線が前記ベースに巻装され、
前記ベースは、前記エンドカバーに挿設されかつ前記エンドカバーから露出し、
前記コイルアセンブリに通電と遮断を交互に行うと、前記プッシュロッドは往復直線運動を行って、前記ダイアフラムが前記ポンプカバーに対して往復運動を行うようにし、前記キャビティを増減させることができ、
前記コイルアセンブリが通電状態のとき、前記プッシュロッドは前記コイルアセンブリの磁性吸引力の作用によって正方向に移動し、前記コイルアセンブリが遮断状態のとき、前記プッシュロッドは前記弾性復帰部材の弾性力の作用によって反対方向に移動し、前記正方向と前記反対方向は、互いに反対である２つの方向であることを特徴とする植物保護用無人機。
複数のノズルをさらに有し、
前記ダイアフラムポンプは、液入口と液出口とをさらに有し、前記液入口を介して液タンクと連通し、前記液出口を介して前記ノズルと連通する、
請求項１に記載の植物保護用無人機。
前記フレームは前記機体に接続されたアームをさらに有し、
前記ノズルは、前記アームの前記機体から遠い端部に設けられる、
請求項２に記載の植物保護用無人機。
前記プッシュロッドは、前記ダイアフラムに接続するために用いられるロッド本体、及び前記ロッド本体の側壁に設けられた突起を含み、前記突起は前記コイルアセンブリと間隔をあけて設けられ、
前記コイルアセンブリが通電状態のとき、前記突起は前記コイルアセンブリの磁性吸引力の作用によって前記正方向に移動し、前記ロッド本体を前記正方向に移動させることを特徴とする請求項１に記載の植物保護用無人機。
前記突起が前記コイルアセンブリに正対していることを特徴とする請求項４に記載の植物保護用無人機。
前記突起は環状構造であり、前記コイルアセンブリは前記ロッド本体に嵌着固定されていることを特徴とする請求項４又は５に記載の植物保護用無人機。
前記弾性復帰部材は前記ロッド本体に嵌着され、且つ一端が前記突起に接続され、他端が前記コイルアセンブリに接続されていることを特徴とする請求項４に記載の植物保護用無人機。
前記突起と前記ロッド本体の間に第１収容部が設けられ、前記コイルアセンブリと前記ロッド本体の間に第２収容部が設けられ、
前記弾性復帰部材は一端が前記第１収容部内に収容され、他端が前記第２収容部内に収容されていることを特徴とする請求項７に記載の植物保護用無人機。
クイックリリース部材をさらに含み、前記コイルアセンブリが前記クイックリリース部材によって前記ポンプ本体に固定されていることを特徴とする請求項１に記載の植物保護用無人機。
ダイアフラムブラケットをさらに含み、前記ダイアフラムブラケットは一端が前記ダイアフラムの前記ポンプカバーから遠い側に当接し、他端が前記プッシュロッドに接続され、
前記ダイアフラムブラケットと前記ダイアフラムの前記ポンプカバーから遠い側との接触面積が、所定の面積閾値より大きいことを特徴とする請求項１に記載の植物保護用無人機。
前記ダイアフラムブラケットが、前記ダイアフラムの前記ポンプカバーから遠い側と湾曲面によって当接することを特徴とする請求項１０に記載の植物保護用無人機。
前記ダイアフラムブラケットの剛性が所定の剛性閾値よりも大きいことを特徴とする請求項１１に記載の植物保護用無人機。
前記ダイアフラムブラケットが前記ダイアフラムの前記ポンプカバーから遠い側を覆っていることを特徴とする請求項１０に記載の植物保護用無人機。
前記ダイアフラムブラケットが前記プッシュロッドの端部に嵌着固定されていることを特徴とする請求項１０に記載の植物保護用無人機。
接続部材をさらに含み、前記接続部材は一端が前記プッシュロッドの端部に接続され、他端が前記ダイアフラムに接続されていることを特徴とする請求項１に記載の植物保護用無人機。
前記ポンプカバーを２つ含み、前記ダイアフラムも２つ含み、２つの前記ポンプカバーは２つの前記ダイアフラムに対応するように組み合わされ、
２つの前記ポンプカバーは、前記ポンプ本体の両側にそれぞれ覆設され、２つの前記ダイアフラムは対応するポンプカバーにそれぞれ装着され、前記キャビティは、２つの前記ダイアフラムと対応するポンプカバーとが囲んで形成する第１キャビティ及び第２キャビティを含み、
前記プッシュロッドは、一端が、２つの前記ダイアフラムのうちの１つに接続され、他端がもう１つの前記ダイアフラムに接続され、
前記プッシュロッドが２つの前記ダイアフラムを駆動して、２つの前記ダイアフラムが対応するポンプカバーに対してそれぞれ近づいたり遠ざかったりするようにし、これにより前記第１キャビティと前記第２キャビティの大きさが互いに反対の方向に変化することを特徴とする請求項１、４又は１０に記載の植物保護用無人機。
前記ダイアフラムポンプは前記第１キャビティとそれぞれ連通する第１液入口と第１液出口、及び前記第２キャビティとそれぞれ連通する第２液入口と第２液出口をさらに含み、前記第１液入口と前記第１液出口、及び前記第２液入口と前記第２液出口は、対応するポンプカバーの同一側にそれぞれ設けられ、且つ前記第１液入口、前記第１液出口、前記第２液入口及び前記第２液出口は前記配管と連通可能であり、
前記第１キャビティが縮小して前記第２キャビティが拡大すると、前記第１液出口、前記第２液入口は前記配管と連通し、前記第１液入口、前記第２液出口は閉じ、前記第１キャビティが拡大して前記第２キャビティが縮小すると、前記第１液入口、前記第２液出口は前記配管と連通し、前記第１液出口、前記第２液入口は閉じることを特徴とする請求項１６に記載の植物保護用無人機。