JP7226133B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

Description

本発明は、車両の前部構造に関する。

モータを駆動源として走行される電気自動車において、モータ補機類と、モータおよびトランスアクスルからなるモータユニットとを車両前部のモータルームに設置したものが知られている（特許文献１参照）。

この電気自動車は、部品載置フレームの上面にコントロールユニットとモータ補機類を固定するとともに、部品載置フレームの下面にモータユニットを固定し、部品載置フレームを車体に固定している。

特開平８－３１０２５２号公報

ところで、モータおよびモータ補機類は、作動時に発熱する。このため、モータルームの前部に放熱器を設置し、モータおよびモータ補機類と放熱器とを冷却水配管で連結することにより、放熱器で冷却された冷却水を、冷却水配管を通してモータおよびモータ補機類に供給することが知られている。

この際、モータ補機類とモータユニットが固定された部品載置フレームや放熱器に対して冷却水配管を適切な位置に設置しないと、車両が大型化する上に、車両の衝突時に冷却水配管を保護できないおそれがある。

本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、放熱器と、フレーム部材の下側に設置されるモータと、フレーム部材の上側に設置される複数のモータ補機とを有する車両において、冷却水配管の簡素化を図りつつ、車両衝突時に冷却水配管を保護できる車両の前部構造を提供することを目的とするものである。

本発明は、車両の前部のモータルームに設置された放熱器と、前記放熱器の後部に取付けられ、冷却ファンおよび前記冷却ファンを取り囲む円筒部を有するファンシュラウドと、車両の幅方向に延びるようにして前記ファンシュラウドの後方に設置され、車両の幅方向両端部が車体に支持されるフレーム部材と、モータおよび前記モータの車両の幅方向端部に連結された駆動装置を有し、前記フレーム部材に吊り下げられるようにして前記フレーム部材に支持されたパワートレインと、前記フレーム部材の上側に取付けられた複数のモータ補機と、前記放熱器と前記複数のモータ補機と前記モータとを連絡し、冷却水によって前記複数のモータ補機と前記モータとを冷却する冷却水配管とを備えた車両の前部構造であって、前記複数のモータ補機は、前記モータの上方で上下方向に並べて設置され、前記冷却ファンおよび前記円筒部は、車両の幅方向中心部よりも前記駆動装置側に設置され、前記冷却水配管は、前記複数のモータ補機および前記モータを連結する中間冷却水配管を有し、前記中間冷却水配管は、前記円筒部の車両の幅方向側方に設置されて上下方向に延びていることを特徴とする。

このように上記の本発明によれば、放熱器と、フレーム部材の下側に設置されるモータと、フレーム部材の上側に設置される複数のモータ補機とを有する車両において、冷却水配管の簡素化を図りつつ、車両衝突時に冷却水配管を保護できる。

図１は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを上から見た図である。 図２は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを正面から見た図である。 図３は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを正面から見た図であり、ラジエータを取り外した状態を示す。 図４は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを左側から見た図である。 図５は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを右側から見た図である。 図６は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造のモータルームを左前上側から見た斜視図である。

本発明の一実施の形態に係る車両の前部構造は、車両の前部のモータルームに設置された放熱器と、放熱器の後部に取付けられ、冷却ファンおよび冷却ファンを取り囲む円筒部を有するファンシュラウドと、車両の幅方向に延びるようにしてファンシュラウドの後方に設置され、車両の幅方向両端部が車体に支持されるフレーム部材と、モータおよびモータの車両の幅方向端部に連結された駆動装置を有し、フレーム部材に吊り下げられるようにしてフレーム部材に支持されたパワートレインと、フレーム部材の上側に取付けられた複数のモータ補機と、放熱器と複数のモータ補機とモータとを連絡し、冷却水によって複数のモータ補機とモータとを冷却する冷却水配管とを備えた車両の前部構造であって、複数のモータ補機は、モータの上方で上下方向に並べて設置され、冷却ファンおよび円筒部は、車両の幅方向中心部よりも駆動装置側に設置され、冷却水配管は、複数のモータ補機およびモータを連結する中間冷却水配管を有し、中間冷却水配管は、円筒部の車両の幅方向側方に設置されて上下方向に延びている。

これにより、本発明の一実施の形態に係る車両の前部構造は、放熱器と、フレーム部材の下側に設置されるモータと、フレーム部材の上側に設置される複数のモータ補機とを有する車両において、冷却水配管の簡素化を図りつつ、車両衝突時に冷却水配管を保護できる。

以下、本発明の一実施例に係る車両の前部構造について、図面を用いて説明する。
図１から図６は、本発明の一実施例に係る車両の前部構造を示す図である。図１から図６において、上下前後左右方向は、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。

まず、構成を説明する。
図１において、車両１は、左側サイドフレーム２Ｌと右側サイドフレーム２Ｒと備えている。左側サイドフレーム２Ｌおよび右側サイドフレーム２Ｒは、車両１の幅方向（以下、車幅方向という）に離隔して前後方向に延びている。本実施例の左側サイドフレーム２Ｌおよび右側サイドフレーム２Ｒは、本発明の車体を構成している。

車両１は、ダッシュパネル３を備えており、ダッシュパネル３は、車両１の内部を前側のモータルーム４と後側の車室５とに仕切っている。モータルーム４は、車両１の前部においてダッシュパネル３と左側サイドフレーム２Ｌと右側サイドフレーム２Ｒとによって囲まれる空間である。

なお、左側サイドフレーム２Ｌと右側サイドフレーム２Ｒにはそれぞれモータルーム４を形成する車体パネルが設けられているが、図示省略する。

図３において、モータルーム４にはパワートレイン６が設置されている。パワートレイン６は、モータ７と、モータ７の車幅方向左端部に連結された駆動装置８とを備えている。

モータ７は、車両１の走行用の駆動源を構成している。駆動装置８は、例えば、いずれも図示しない入力軸と、出力軸と、入力軸から出力軸に動力を伝達する複数の歯車組と、出力軸に伝達された動力を図示しないドライブシャフトを介して図示しない駆動輪に伝達するディファレンシャル装置とを含んで構成されている。

図２、図３に示すように、左側サイドフレーム２Ｌおよび右側サイドフレーム２Ｒには左側支持部材９Ｌと右側支持部材９Ｒを介してサブフレーム１０が連結されている。

図１に示すように、サブフレーム１０は、前側メンバ１１と、前側メンバ１１の後方に設置された後側メンバ１２と、後側メンバ１２の後方に設置された補助メンバ１３とを備えている。

前側メンバ１１および後側メンバ１２は、車幅方向に延びており、補助メンバ１３は、後側メンバ１２から後方に略コの字状に湾曲している。本実施例のサブフレーム１０は、本発明のフレーム部材を構成する。

前側メンバ１１と後側メンバ１２の車幅方向の左端部の下面にはマウントゴム１４ａ（図４参照）を有する左側マウント部材１４Ｌが連結されており、左側マウント部材１４Ｌは、駆動装置８に連結されている。

前側メンバ１１と後側メンバ１２の車幅方向の右端部の下面にはマウントゴム１４ｂ（図５参照）を有する右側マウント部材１４Ｒが連結されており、右側マウント部材１４Ｒは、モータ７に連結されている。

補助メンバ１３の下面にはマウントゴム１４ｃ（図５参照）を有する後側マウント部材１４Ｂが連結されており、後側マウント部材１４Ｂは、駆動装置８の後部に連結されている。

すなわち、パワートレイン６は、サブフレーム１０に吊り下げられるようにして、左側マウント部材１４Ｌ、右側マウント部材１４Ｒおよび後側マウント部材１４Ｂによってサブフレーム１０に弾性的に支持されている。

図１、図２において、モータルーム４にはラジエータ１５が設置されており、ラジエータ１５は、アッパタンク１５Ａと、アッパタンク１５Ａの下方に設置されたロアタンク１５Ｃと、アッパタンク１５Ａとロアタンク１５Ｃとを連結するラジエータコア１５Ｂとを備えている。

図２において、アッパタンク１５Ａにはモータ出口配管３０の下流端３０ｂが連結されている。モータ出口配管３０の上流端３０ａは、モータ７に連結されている。モータ７を冷却した冷却水は、モータ出口配管３０を通してアッパタンク１５Ａに導入される。ここで、上流、下流とは、冷却水の流れる方向に対して上流、下流を指す。

ラジエータコア１５Ｂは、扁平形状の図示しないウォータチューブが交互に積層して構成されている。ラジエータコア１５Ｂは、アッパタンク１５Ａからウォータチューブを流れる冷却水と外気とを熱交換することにより、冷却水を冷却し、冷却後の冷却水をロアタンク１５Ｃに導入する。

ロアタンク１５Ｃにはラジエータ出口配管３１の上流端３１ａが連結されており、ラジエータ出口配管３１の下流端３１ｂは、電動ウォータポンプ２３に連結されている。ラジエータコア１５Ｂによって冷却された冷却水は、ロアタンク１５Ｃからラジエータ出口配管３１を通して電動ウォータポンプ２３に吸い込まれる。本実施例のラジエータ１５は、本発明の放熱器を構成する。

図４に示すように、ラジエータ１５の後部にはファンシュラウド１６が取付けられている。図２に示すように、ファンシュラウド１６は、冷却ファン１７と、冷却ファン１７を取り囲む円筒部１６Ａと、冷却ファン１７を回転駆動する図示しないモータとを有する。ファンシュラウド１６は、冷却ファン１７を回転させることにより、車両１の前方の風をラジエータ１５に引き込む。

サブフレーム１０は、ファンシュラウド１６の後方に設置されており、車幅方向両端部が左側支持部材９Ｌと右側支持部材９Ｒを介してそれぞれ左側サイドフレーム２Ｌと右側サイドフレーム２Ｒに連結されている。

図２に示すように、冷却ファン１７および円筒部１６Ａは、車幅方向中心部（車両の幅方向中心部）Ｃよりも駆動装置８側に片寄って設置されており、ラジエータ１５は、モータ７の一部と駆動装置８を前方から覆っている。

図３に示すように、前側メンバ１１と後側メンバ１２の上側には第１のモータ補機２４と第２のモータ補機２５が取付けられている。本実施例の第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５は、本発明のモータ補機を構成する。

第１のモータ補機２４は、バッテリモジュールとＤＣＤＣコンバータから構成されており、前側メンバ１１と後側メンバ１２の上面に設置されている。

第２のモータ補機２５は、インバータから構成されている。第２のモータ補機２５は、第１のモータ補機２４の上方に設置されており、ブラケット２６によって第１のモータ補機２４に連結されている。図３、図５に示すように、第１のモータ補機２４と第２のモータ補機２５は、モータ７の上方で上下方向に重なるようにサブフレーム１０の上方に設置されている。

前側メンバ１１と後側メンバ１２と補助メンバ１３の上面には第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５の左方に位置するようにして第３のモータ補機２７が設置されている（図１参照）。

第３のモータ補機２７は、ジャンクションボックスから構成されており、ケーブル２８によって第２のモータ補機２５に連結されている。第２のモータ補機２５は、ケーブル２９によってモータ７に連結されている。

第１のモータ補機２４のバッテリモジュールとＤＣＤＣコンバータとは、それぞれケーブルによって第３のモータ補機２７に連結されている。

第１のモータ補機２４のＤＣＤＣコンバータは、第１のモータ補機２４のバッテリモジュールの出力電圧を変圧し、変圧した電圧を、第３のモータ補機２７から第２のモータ補機２５に出力する。

第２のモータ補機２５は、第１のモータ補機２４から出力された電流を直流から交流に変換してモータ７に供給することにより、モータ７を回転駆動する。

図３、図６において、モータルーム４にはインバータ入口配管３２、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４が設置されている。

インバータ入口配管３２の上流端３２ａは、電動ウォータポンプ２３に連結されており、インバータ入口配管３２の下流端３２ｂは、第２のモータ補機２５に連結されている。電動ウォータポンプ２３は、ラジエータ出口配管３１によってロアタンク１５Ｃに連結されている。

これにより、ラジエータコア１５Ｂによって冷却されてロアタンク１５Ｃに導入された低温の冷却水は、電動ウォータポンプ２３によってラジエータ出口配管３１およびインバータ入口配管３２を通して第２のモータ補機２５に流れる。このため、第２のモータ補機２５が冷却水によって冷却される。

第１の中間冷却水配管３３の上流端３３ａは、第２のモータ補機２５に連結されており、第１の中間冷却水配管３３の下流端３３ｂは、第１のモータ補機２４に連結されている。これにより、第２のモータ補機２５から排出された冷却水が第１の中間冷却水配管３３を通して第１のモータ補機２４に導入され、第１のモータ補機２４が冷却水によって冷却される。

第２の中間冷却水配管３４の上流端３４ａは、第１のモータ補機２４に連結されており、第２の中間冷却水配管３４の下流端３４ｂは、モータ７に連結されている。

これにより、第１のモータ補機２４から排出された冷却水が第２の中間冷却水配管３４を通してモータ７に導入され、モータ７が冷却水によって冷却される。

モータ出口配管３０の上流端３０ａは、モータ７に連結されており、モータ出口配管３０の下流端３０ｂは、アッパタンク１５Ａに連結されている。これにより、モータ７を冷却した冷却水は、モータ出口配管３０を流れてアッパタンク１５Ａに戻される。

このようにラジエータ１５、インバータ入口配管３２、第１の中間冷却水配管３３、第２の中間冷却水配管３４およびモータ出口配管３０から構成される冷却装置によってモータ７、第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５が冷却される。

図２に示すように、第１の中間冷却水配管３３と第２の中間冷却水配管３４は、ファンシュラウド１６の円筒部１６Ａの車幅方向側方（右方）に設置されており、上下方向に延びている。

第１の中間冷却水配管３３の下流端３３ｂと第２の中間冷却水配管３４の上流端３４ａは、同じ高さ位置に設置されており、第２の中間冷却水配管３４の下流端３４ｂは、第１の中間冷却水配管３３の下流端３３ｂよりも下方に設置されている。

第１の中間冷却水配管３３は、車幅方向で第２の中間冷却水配管３４よりも車幅方向外方（右方）に設置されている。換言すれば、第１の中間冷却水配管３３は、車幅方向で第２の中間冷却水配管３４に対して駆動装置８から離れた位置に設置されている。

本実施例のモータ出口配管３０、ラジエータ出口配管３１、インバータ入口配管３２、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４は、本発明の冷却水配管を構成する。

ラジエータ出口配管３１およびインバータ入口配管３２は、本発明の冷却水供給配管を構成し、モータ出口配管３０は、本発明の冷却水戻し配管を構成する。第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４は、本発明の中間冷却水配管を構成する。

図１において、モータルーム４には電動バキュームポンプ３５が設置されている。電動バキュームポンプ３５は、上下方向に延びる筒状のハウジング３５Ａと、ハウジング３５Ａの内部に設けられ、負圧を発生する図示しない電動モータとを含んで構成されている。

電動バキュームポンプ３５は、電動モータによって負圧を発生させ、負圧を図示しない負圧ブースタに供給する。負圧ブースタに供給された負圧によってブレーキペダル（図示省略）に加えられる運転者の踏力がアシストされる。

ハウジング３５Ａは、ブラケット２６（図１、図３参照）によって前側メンバ１１に取付けられており、前側メンバ１１から下方に延びている。

図１、図５に示すように、電動バキュームポンプ３５は、第１の中間冷却水配管３３の下方で、かつ、第１の中間冷却水配管３３よりも前側に位置されている。本実施例の電動バキュームポンプ３５は、本発明の車両用補機を構成する。なお、車両用補機は、電動バキュームポンプ３５に限定されるものではない。

図６において、モータルーム４にはリザーブタンク３６が設置されている。リザーブタンク３６は、第１のリザーブタンク入口配管３７によって第１の中間冷却水配管３３に連結されている。

リザーブタンク３６は、ロアタンク１５Ｃからラジエータ出口配管３１、インバータ入口配管３２、第１の中間冷却水配管３３、第２の中間冷却水配管３４およびモータ出口配管３０を流れる冷却水に含まれる空気を第１のリザーブタンク入口配管３７から取り込む。

リザーブタンク３６は、第２のリザーブタンク入口配管３９によってラジエータ１５のアッパタンク１５Ａに連結されている。

リザーブタンク３６は、アッパタンク１５Ａを流れる冷却水に含まれる空気を第２のリザーブタンク入口配管３９から取り込む。

リザーブタンク３６は、第１のリザーブタンク入口配管３７および第２のリザーブタンク入口配管３９から取り込んだ空気を冷却水から分離する。

リザーブタンク３６は、リザーブタンク出口配管３８によってロアタンク１５Ｃに連結されている。リザーブタンク３６は、空気と分離された冷却水をリザーブタンク出口配管３８からロアタンク１５Ｃに戻し、ラジエータコア１５Ｂからロアタンク１５Ｃに導入された低温の冷却水に混合させる。

以上、本実施例の車両１の前部構造は、ラジエータ１５の後部に取付けられ、冷却ファン１７および冷却ファン１７を取り囲む円筒部１６Ａを有するファンシュラウド１６と、サブフレーム１０の上側に取付けられた第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５を有する。

さらに、車両１の前部構造は、ラジエータ１５と第１のモータ補機２４と第２のモータ補機２５とモータ７とを連絡し、冷却水によって第１のモータ補機２４と第２のモータ補機２５とモータ７と冷却するモータ出口配管３０、ラジエータ出口配管３１、インバータ入口配管３２、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を備えている。

第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５は、モータ７の上方で上下方向に並べて設置されており、冷却ファン１７および円筒部１６Ａは、車幅方向中心部Ｃよりも駆動装置８側に設置されている。

これにより、モータ７、第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５の前方の空間を拡大できる。

また、本実施例の車両１の前部構造によれば、第１の中間冷却水配管３３と第２の中間冷却水配管３４が円筒部１６Ａの車幅方向側方に設置されて上下方向に延びている。

これにより、サブフレーム１０や円筒部１６Ａを避けるように第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を複雑に湾曲させる必要がなく、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４の構造を簡素化できる。

これに加えて、車両１の衝突時に第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４が円筒部１６Ａとサブフレーム１０に挟まれることを防止できるので、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を外力から保護できる。

このように本実施例の車両１の前部構造は、ラジエータ１５と、サブフレーム１０の下側に設置されるモータ７と、サブフレーム１０の上側に設置される第１のモータ補機２４および第２のモータ補機２５とを有する車両１において、第１の中間冷却水配管３３と第２の中間冷却水配管３４の簡素化を図りつつ、車両１の衝突時に第１の中間冷却水配管３３と第２の中間冷却水配管３４を保護できる。

また、本実施例の車両１の前部構造は、サブフレーム１０の上面に設置された第１のモータ補機２４と、第１のモータ補機２４の上方に設置された第２のモータ補機２５とを有する。

さらに、本実施例の車両１の前部構造によれば、冷却水配管は、ラジエータ１５と第２のモータ補機２５を連結し、ラジエータ１５から第２のモータ補機２５に冷却水を流すラジエータ出口配管３１およびインバータ入口配管３２と、ラジエータ１５とモータ７とを連結し、モータ７を冷却した冷却水をラジエータ１５に流すモータ出口配管３０とを有する。

これに加えて、本実施例の車両１の前部構造によれば、中間冷却水配管は、第２のモータ補機２５から第１のモータ補機２４に冷却水を流す第１の中間冷却水配管３３と、第１のモータ補機２４からモータ７に冷却水を流す第２の中間冷却水配管３４とを有する。

これにより、鉛直方向の上方から下方に向かって冷却水を流すように第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を設置できる。このため、サブフレーム１０や円筒部１６Ａを避けるように第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を複雑に湾曲させる必要がなく、第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４の構造をより効果的に簡素化できる。

これに加えて、鉛直方向の上方から下方に向かって冷却水を流すように第１の中間冷却水配管３３および第２の中間冷却水配管３４を設置できるので、冷却水を上方から下方に円滑に流すことができる。これにより、電動ウォータポンプ２３の容量を小さくでき、電動ウォータポンプ２３の小型化を図ることができる。

また、本実施例の車両１の前部構造は、上下方向に延びるようにしてサブフレーム１０に取付けられた筒状のハウジング３５Ａを有する電動バキュームポンプ３５を備えている。

さらに、本実施例の車両１の前部構造によれば、第１の中間冷却水配管３３は、車幅方向で第２の中間冷却水配管３４よりも車幅方向外方に設置されており、電動バキュームポンプ３５は、第１の中間冷却水配管３３の下方で、かつ、第１の中間冷却水配管３３よりも前側に位置している。

これにより、第１の中間冷却水配管３３の下方の空間に、上下方向に延びる筒状のハウジング３５Ａを有する電動バキュームポンプ３５を設置できる。このため、電動バキュームポンプ３５の車載性能を向上できる。

また、車両１の衝突時（前突時）に、第１の中間冷却水配管３３よりも先に電動バキュームポンプ３５のハウジング３５Ａを車両１の前部の車載部品に衝突させることができる。このため、第１の中間冷却水配管３３を電動バキュームポンプ３５によって保護できる。なお、本実施例の車両１の前部構造は、電気車両の前部構造であるが、ハイブリッド車両の前部構造に適用してもよい。

本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。

１...車両、２Ｌ...左側サイドフレーム（車体）、２Ｒ...右側サイドフレーム（車体）、４...モータルーム、６...パワートレイン、７...モータ、８...駆動装置、１０...サブフレーム（フレーム部材）、１５...ラジエータ（放熱器）、１６...ファンシュラウド、１６Ａ...円筒部、１７...冷却ファン、２４...第１のモータ補機（モータ補機）、２５...第２のモータ補機（モータ補機）、３０...モータ出口配管（冷却水配管、冷却水戻し配管）、３１...ラジエータ出口配管（冷却水配管、冷却水供給配管）、３２...インバータ入口配管（冷却水配管）、３３...第１の中間冷却水配管（中間冷却水配管、冷却水配管）、３４...第２の中間冷却水配管（中間冷却水配管、冷却水配管）、３５...電動バキュームポンプ（車両用補機）、３５Ａ ...ハウジング、Ｃ...車両の幅方向中心部（車両の幅方向中心部）

Claims (3)

1. 車両の前部のモータルームに設置された放熱器と、
   前記放熱器の後部に取付けられ、冷却ファンおよび前記冷却ファンを取り囲む円筒部を有するファンシュラウドと、
   車両の幅方向に延びるようにして前記ファンシュラウドの後方に設置され、車両の幅方向両端部が車体に支持されるフレーム部材と、
   モータおよび前記モータの車両の幅方向端部に連結された駆動装置を有し、前記フレーム部材に吊り下げられるようにして前記フレーム部材に支持されたパワートレインと、
   前記フレーム部材の上側に取付けられた複数のモータ補機と、
   前記放熱器と前記複数のモータ補機と前記モータとを連絡し、冷却水によって前記複数のモータ補機と前記モータとを冷却する冷却水配管とを備えた車両の前部構造であって、
   前記複数のモータ補機は、前記モータの上方で上下方向に並べて設置され、
   前記冷却ファンおよび前記円筒部は、車両の幅方向中心部よりも前記駆動装置側に設置され、
   前記冷却水配管は、前記複数のモータ補機および前記モータを連結する中間冷却水配管を有し、
   前記中間冷却水配管は、前記円筒部の車両の幅方向側方に設置されて上下方向に延びていることを特徴とする車両の前部構造。
2. 前記複数のモータ補機は、前記フレーム部材の上面に設置された第１のモータ補機と、前記第１のモータ補機の上方に設置された第２のモータ補機とを有し、
   前記冷却水配管は、前記放熱器と前記第２のモータ補機を連結し、前記放熱器から前記第２のモータ補機に冷却水を流す冷却水供給配管と、前記放熱器と前記モータとを連結し、前記モータを冷却した冷却水を前記放熱器に流す冷却水戻し配管とを有し、
   前記中間冷却水配管は、前記第２のモータ補機から前記第１のモータ補機に冷却水を流す第１の中間冷却水配管と、前記第１のモータ補機から前記モータに冷却水を流す第２の中間冷却水配管とを有することを特徴とする請求項１に記載の車両の前部構造。
3. 上下方向に延びるようにして前記フレーム部材に取付けられた筒状のハウジングを有する車両用補機を備え、
   前記第１の中間冷却水配管は、車両の幅方向で前記第２の中間冷却水配管よりも車両の幅方向外方に設置され、
   前記車両用補機は、前記第１の中間冷却水配管の下方で、かつ、前記第１の中間冷却水配管よりも前側に位置することを特徴とする請求項２に記載の車両の前部構造。

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