JP7224223B2 - 臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物と包装体並びに包装構造 - Google Patents

臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物と包装体並びに包装構造 Download PDF

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Description

本発明は、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物と臭気捕捉性を備えた包装体に関するものであり、接着性とレトルト加熱処理適性に優れ、かつレトルト加熱処理後に生じる臭気物質を捕捉することができる臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物と、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を用いて作製された臭気捕捉性を備えた包装体に関する。
従来、レトルト食品用包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに、2液型ポリエステルウレタン接着剤が用いられており、多岐に亘り使用されている。
その中でも、アミノ酸化合物、特に含硫アミノ酸化合物を含む内容物をレトルト食品用の包装体に収納してレトルト加熱処理を行った際には、レトルト臭と呼ばれる臭気が発生し、臭味を招いている。
それらの臭気の大きな原因として、含硫アミノ酸化合物の加水分解により発生する硫化水素があげられる。
特許文献1では、熱可塑性樹脂と、脱臭成分としての亜鉛化合物及びアルミニウムの硫酸塩と、金属酸化物とを含む脱臭性樹脂組成物が提案されている。しかし、この脱臭性樹脂組成物は、フィルムやシート、成型容器、繊維等の成形品の用途での使用となるため、本発明の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物としての使用とは異なるものであって、技術分野も相違する。さらに本発明は、ポリエステルポリオ-ル(a)の合成に用いられる多塩基酸中の芳香族多塩基酸を特定の割合にすることで、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の硬化膜を臭気キャッチに適したガラス転移温度に調整している。しかし、特許文献1のような使用用途では、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の硬化膜のガラス転移温度(0℃以上30℃以下)付近だと脱臭性樹脂組成物の成形品は柔らかすぎて、使用することが出来ない。
また、特許文献2では、フィルム基材の一方の面に、密着層、無機蒸着層、ガスバリア層、亜鉛化合物を含む層が順次積層してなるガスバリア積層体が提案されている。しかし、亜鉛化合物を含む層はコーティング層が想定されており、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物のガラス転移温度(0℃以上30℃以下)付近だとフィルムとコーティング層とのブロッキング等の不具合が起きるため、使用できない場合がある。
また、特許文献3では、ポリオールを主成分とする接着剤の中に無機酸化物を配合し、この無機酸化物が酸素吸収能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムである酸素吸収性を有する接着剤組成物が提案されており、接着剤組成物に配合される無機酸化物は、還元処理を施すことで酸素格子欠陥を有する無機酸化物であることが示されている。しかし、還元処理を施すことで酸素格子欠陥を有する酸化亜鉛は、安定化の観点から接着剤層への使用は実質的に不可能である。さらに、特許文献3は、酸素吸収能力を有すると共に印刷インキとして隠蔽性を接着剤層で有する接着剤組成物を開示するものであって、本発明の臭気捕捉とは技術分野も異なる。
特開昭63-175067号公報 特開2016-221864号公報 特開2006-131699号公報
本発明は、接着性とレトルト加熱処理適性に優れ、かつレトルト加熱処理後に生じる臭気物質を捕捉することができる臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明を、内容物にアミノ酸化合物、特に含硫アミノ酸化合物を含むレトルト加熱処理食品の包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに用いることで、レトルト加熱処理後に生じる硫化水素を捕捉することを課題とする。
さらに、本発明は、レトルト加熱処理後にその接着性能を維持することができる臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)とを含み、前記多塩基酸中の芳香族多塩基酸の割合が30mol%以上85mol%以下である臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を、包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに用いることで、接着性とレトルト加熱処理適性に優れ、かつレトルト加熱処理後に生じる臭気物質を臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物により捕捉することができ、さらには、レトルト加熱処理後にその接着性能を維持していることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)とを含み、前記多塩基酸中の芳香族多塩基酸の割合が30mol%以上85mol%以下であることを特徴とする臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物である。
また、本発明は、バリアフィルムとシーラントフィルムとを含む複数枚のフィルムの積層体を構成するフィルム同士の貼りあわせに用いるラミネート接着剤であるものとして実施することができる。
また、本発明は、前記芳香族多塩基酸が、ベンゼン環のメタ位にカルボキシル基が置換した芳香族多塩基酸を含むものとして実施することができる。
また、本発明は、前記3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物の誘導体であるものとして実施することができる。
また、本発明は、前記硫化水素捕捉顔料(c)が酸化亜鉛を含むものとして実施することができる。
また、本発明は、接着剤硬化膜のガラス転移温度が0℃以上30℃以下であるものとして実施することができる。
また、本発明は、バリアフィルムとシーラントフィルムとを含む複数枚のフィルムが積層されてなるラミネートシートが用いられた包装体において、前記シーラントフィルムは、前記包装体に収納される内容物(d)と接触しうる前記ラミネートシートの最内層に配置され、前記臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物によって、前記最内層の前記シーラントフィルムと他の前記フィルムとが貼りあわせられていることを特徴とする臭気捕捉性を備えた包装体である。
また、本発明は、前記包装体と、前記包装体に収納された内容物(d)とを備え、前記内容物(d)が含硫アミノ酸化合物を含むことを特徴とする包装構造である。
本発明は、包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに用いるラミネート接着剤樹脂組成物であって、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)とを含み、前記多塩基酸中の芳香族多塩基酸の割合が30mol%以上85mol%以下である、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物である。本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を、包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに使用することにより、レトルト加熱処理後の臭気捕捉性能を発現させる。一般的なレトルト加熱処理後の臭気捕捉性能は、包装体を構成する熱可塑性樹脂を用いたフィルムやコーティング層を臭気捕捉性能層として備えることでその機能を発現させる。これに対して、本発明にあっては、上記構成の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を、包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに用いることにより、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物が内容物と直接接触せず、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物がシーラントフィルムを介して硫化水素等の臭気を捕捉することが可能である。さらに、コーティング剤などのように、包装体を構成する複数のフィルムの積層体の層を増やすことなく、プラスチックフィルムや、硫化水素捕捉顔料(c)の一つである酸化亜鉛の分散が不可能な金属箔フィルムにも選択的に上記構成の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の使用が可能であり、パッケージコストの低減にも繋がる。
本発明は、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)との3者を少なくとも含む臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物であり、以下その実施の形態について説明する。
本発明においては、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)とを含むことが必須であり、それらの配合形態は問わない。しかし、一般的な形態として、主剤(A)として、硫化水素捕捉顔料(c)を分散させたポリエステルポリオ-ル(a)と、硬化剤(B)として、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)とを用いることが好ましい。
(ポリエステルポリオ-ル(a)について)
本発明に含まれるポリエステルポリオ-ル(a)には、ポリエステルポリオール(a1)またはポリエステルポリオールをジイソシアネートなどにてウレタン鎖伸長したポリエステルポリウレタンポリオール(a2)などが用いられる。
本発明に含まれるポリエステルポリオ-ル(a)は、例えば、多塩基酸とグリコールなどの多価アルコールとを脱水縮合することで得られ、全多塩基酸中の芳香族ジカルボン酸などの芳香族多塩基酸の配合割合は30mol%以上85mol%以下が好ましい。全多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合が30mol%未満ではレトルト加熱処理適性が下がり、臭気捕捉後のラミネート強度の低下が起きる。また、全多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合が85mol%を超える場合は、硬化後の膜が硬くなってしまい、臭気捕捉性能の低下や、ゆず肌などによるラミネート外観の低下を引き起こす。
特に、芳香族多塩基酸中でも、ベンゼン環のメタ位にカルボキシル基が置換された芳香族多塩基酸(特に芳香族ジカルボン酸)を用いることが好ましい。ベンゼン環のパラ位にカルボキシル基が置換された芳香族多塩基酸のみを使用すると、接着剤の結晶性が向上し、濁りが生じる場合がある。また、ベンゼン環のオルト位にカルボキシル基が置換された芳香族多塩基酸のみを使用すると、分子運動の低下による臭気吸収性能の低下が生じる場合がある。
これらの観点から、全多塩基酸中、メタ位にカルボキシル基を置換した芳香族多塩基酸の配合割合が、30mol%以上であることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸などを単独或いは2種以上併用することができる。
多塩基酸として、脂肪族ジカルボン酸を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸やこれらの酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などを単独或いは2種以上併用することができる。
芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸の他に多塩基酸として、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸なども使用することができるが、これら3価以上の多塩基酸を使用するとポリエステルポリオール(a1)の合成時にゲル化し易いため、好ましくは全多塩基酸中に30mol%以下、より好ましくは20mol%以下、さらに好ましくは10mol%以下になるよう3価以上の多塩基酸を配合する。
グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヒマシ油変性ジオール、ダイマー酸ジオール、水素化ビスフェノールAなどを単独或いは2種以上併用することができる。
グリコール以外の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの3価のアルコールや、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの4価以上のアルコールなども使用することができるが、これら3価以上のアルコールを使用するとポリエステルポリオール(a1)の合成時にゲル化し易いため、好ましくは全多価アルコール100質量部中に30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下になるよう3価以上のアルコールを配合する。
また、本発明に用いられるポリエステルポリオ-ル(a1)またはポリエステルポリウレタンポリオール(a2)は単独或いは2種以上併用することができるものであり、ポリエステルポリオ-ル(a1)とポリエステルポリウレタンポリオール(a2)との混合物をポリエステルポリオール(a)として用いてもよい。
本発明に用いられるポリエステルポリオ-ル(a)は、前述のようにポリエステルポリオールをジイソシアネートなどにてウレタン鎖伸長したポリエステルポリウレタンポリオール(a2)であってもよい。ポリエステルポリオールをウレタン鎖伸長する際には、各種ウレタン鎖伸長剤を用いて実施することができる。ウレタン鎖伸長剤として、公知のイソシアネート化合物など、種々のイソシアネート化合物やそれらの誘導体が使用できる。具体的には、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物や、それらのトリメチロールプロパンアダクト体、ビューレット体、アロファネート体、イソシアヌレート体などの誘導体を用いることができる。
なお、イソシアネートの官能基の数は特に限定されるものではないが、主として2官能性であるジイソシアネートにてウレタン鎖伸長することが、塗工適性、接着力の面から好ましい。
(3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)について)
次に、ポリイソシアネート(b)は、分子構造内に3官能以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物であることが必須である。レトルト加熱処理にて臭気捕捉性能が期待される食品包装において、内容物と直接接触するシーラントフィルムと他のフィルムとの貼りあわせに本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を使用する場合は、衛生面の観点から、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)として脂肪族イソシアネートの誘導体を用いることが好ましい。
その種類としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体、ビューレット体、アロファネート体やイソシアヌレート体等が挙げられ、単独或いは2種以上併用することができる。
また、本発明においては、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)として芳香族イソシアネートの誘導体を使用することも可能である。
その種類としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートの、トリメチロールプロパンアダクト体、ビューレット体、アロファネート体やイソシアヌレート体等が挙げられ、単独或いは2種以上併用することができる。
また、本発明の目的が損なわれない範囲で、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)として、脂肪族イソシアネートの誘導体と芳香族イソシアネートの誘導体とを併用することもできる。
酸化亜鉛などの微粒子を配合することで、造膜に必要な3次元ネットワークが形成しづらくなる恐れがあるため、本発明にあっては造膜性の低下を抑制することを目的として3官能以上のイソシアネート基を含むものとした。
ポリエステルポリオ-ル(a)と3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)は、通常、主剤(A)としてポリエステルポリオ-ル(a)を、硬化剤(B)としてポリイソシアネート(b)とを使用し、ラミネート塗工の直前に両者を混ぜ合わせて、2液硬化型として使用することが好ましい。しかし、あらかじめポリエステルポリオ-ル(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させておき、ポリエステル変性イソシアネート硬化剤や1液型接着剤として使用することも可能である。
(硫化水素捕捉顔料(c)について)
硫化水素捕捉顔料(c)は、酸化亜鉛やこれを含む化合物であることが好ましい。酸化亜鉛は市販品を用いることができ、その種類としては、酸化亜鉛顔料(一種、二種、三種)、リン片状亜鉛末顔料、六角板状酸化亜鉛顔料、活性亜鉛華顔料などが挙げられる。その中でも、食品包装に使用する衛生性の観点から、特に酸化亜鉛一種顔料であることが好ましい。硫化水素捕捉顔料(c)の粒径については特に限定されないが、3.0μmを超える場合、ラミネート外観の不良を引き起こす場合がある。特に、硫化水素捕捉顔料(c)として、微細と呼ばれる0.3μm以下や超微細と呼ばれるnmオーダーのものを用いると、硫化水素捕捉顔料(c)の表面積が増え、硫化水素捕捉顔料(c)による臭気捕捉性能の向上や、接着剤層の透明性の向上が可能となる。シリカ(二酸化ケイ素)などの表面処理剤で表面処理された酸化亜鉛を硫化水素捕捉顔料(c)として用いてもよい。
この場合の粒径とは、空気透過法を用いた粒径であり、リーナース空気透過法粉末度測定器(東京理化精機製作所製)などを用いて測定することが出来る。
硫化水素捕捉顔料(c)の添加量に関しては特に問われず、包装体に収納される内容物の種類や発生する臭気物質の量、ラミネート接着剤の塗工量に合わせて調整が可能である。しかし、ポリエステルポリオ-ル(a)100質量部に対して硫化水素捕捉顔料(c)の添加量が100質量部を超える場合、ラミネート外観不良や接着性能の低下を引き起こす場合がある。
また、白色度の高い酸化亜鉛顔料を用いることで、包装体に必要な白インキの代替やインキ使用量の低減などが期待される。
さらに、リン片状亜鉛末顔料や六角板状酸化亜鉛顔料などを使用することで、接着剤のガスバリア性の付与や、バリアフィルムのバリア性の向上、フィルムのピンホールにおける不具合の抑制なども期待される。
酸化亜鉛の他に硫化水素捕捉顔料(c)として、炭酸亜鉛などを用いることができる。
本発明における硫化水素捕捉顔料(c)は、あらかじめポリエステルポリオ-ル(a)に分散しておくことが好ましい。分散時の硫化水素捕捉顔料(c)の添加量は、ポリエステルポリオ-ル(a)100質量部に対して1質量部から50質量部であることが好ましい。より好ましくは20質量部から40質量部である。硫化水素捕捉顔料(c)のポリエステルポリオール(a)への分散性と、硫化水素捕捉性能及び接着性能の確保の観点から好ましい。
3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)に分散することも可能だが、分散時に空気中の水分や顔料に含まれる水分等に含まれる活性水素とイソシアネート基とが反応し、ゲル化を引き起こす可能性がある。
分散方法としては、公知の分散機を用いて硫化水素捕捉顔料(c)をポリエステルポリオ-ル(a)又は3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)に分散することができる。例えば、公知の分散機として、ビーズミル分散機、ロールミル分散機、ボールミル分散機、コーレス分散機などがあげられる。
(含硫アミノ酸化合物を含む内容物(d)について)
本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物は、例えば、レトルト加熱処理を行う包装体に収納される内容物(d)に接触しうるシーラントフィルムと他のフィルムとの貼りあわせに用いることができ、内容物(d)として含硫アミノ酸化合物を含む。含硫アミノ酸化合物としては、メチオニン、システイン、ホモシステイン、タウリンなどが挙げられ、あらゆる食品に含まれる。含硫アミノ酸化合物が含まれる食品としては、例えば、鰹、鯵、しらす、秋刀魚などの魚介類、胡麻、大豆、きな粉などの豆類、ニラ、ネギ、玉ねぎなどの野菜などがあげられ、レトルト食品としては、レトルトカレー、おでん、麻婆豆腐、鯖の味噌煮などが挙げられる。含硫アミノ酸化合物が加水分解を起こすと、硫化水素やメルカプタン等の臭気ガスが発生する。硫化水素は非常に稀薄な場合にはゆで卵の香りとして好まれる場合もあるが、濃度がある程度以上になると、不快な腐卵臭として嫌われ、食品の臭気やえぐみの原因となる。
本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を、レトルト加熱処理を行う包装体を構成する複数のフィルム同士の貼りあわせに用いることによって、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物に含まれる硫化水素捕捉顔料(c)がレトルト加熱処理後に発生する硫化水素やメルカプタン等の臭気ガスを捕捉して、レトルト臭を抑制する。
さらに本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物は、工業用途への使用も期待される。硫化水素は、あらゆる電子装置に多用されている銀や銅と反応し、金属腐食が進んでしまう。また、リチウムイオン電池に使用される硫化物系固体電解質材料は、大気に触れると硫化水素が発生する。これらの金属腐食や硫化水素の発生を抑制するものとして、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の硫化水素捕捉機能の活用が期待出来る。
その際、使用形態は特に問わず、本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を使用した包装体や、太陽電池のバックシートであるようなシート状、カップの蓋材などの形態が挙げられる。
(ガラス転移温度について)
本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の硬化膜におけるガラス転移温度は、0℃以上30℃以下であることが好ましい。該ガラス転移温度が0℃未満の場合、レトルト加熱処理時の熱に耐えられずに、デラミネーションを起こす場合がある。さらに該ガラス転移温度が30℃を超える場合、硬化膜が硬すぎるため、十分な臭気捕捉性能が発現できない場合がある。硬化膜が硬いと、接着対象のフィルムにおける蒸着層の転写が生じる恐れがあり、用い得るフィルムの種類に制限が生じるため、25℃以下であることが好ましい。他方、デラミネーションの発生防止の観点からは、4℃以上であることが好ましく、8℃以上がより好ましい。該ガラス転移温度の調整は、ポリエステルポリオール(a)の合成に用いられる多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合を調整することにて調整することが好ましい。本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物中の3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)の比率を上下させることで、硬化膜のガラス転移温度を調整することも可能であるが、本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物中の3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)の比率を上げると、硬化膜のゴム弾性率が下がり、いわゆる硬脆い膜になってしまう。この場合、レトルト加熱処理時にデラミネーションを引き起こす原因となりうる。本発明における臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物中の3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)の比率は、ポリエステルポリオ-ル(a)のOH成分に対する3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)のNCO成分の比率で、NCO/OHが1.5~3.0の範囲であることが好ましい。一般的に、ポリエステルウレタン接着剤における上記のNCO/OHは1.0~2.0の範囲であることが好ましいが、本発明においては、硫化水素捕捉顔料(c)が入ることで、硫化水素捕捉顔料(c)にイソシアネート基が吸われてイソシアネート基が失活する可能性が高いことから、NCO/OHが1.5~3.0の範囲であることが好ましい。
該ガラス転移温度は剛体振り子型物性試験器を用いて測定することができる。
本発明の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物には、シランカップリング剤を使用することが好ましい。その種類としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-エチル-4-アミノ-3,3-ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N-エチル-4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、N-ブチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランや、これらのエトキシ誘導体が挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
本発明の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物には、本発明の機能を損なわない範囲で、硫化水素やメルカプタン以外の臭気物質を捕捉する顔料を使用することが出来る。その種類としては、シリカ、活性炭、ゼオライト等の物理吸着剤や、硫化水素やメルカプタン以外の臭気物質とアミノ基、エポキシ基などとを化学反応させて捕捉するタイプなどが挙げられる。
具体的には、物理吸着剤として、銀系無機抗菌剤ゼオミック(株式会社シナネンゼオミック製)、ゼオライト系消臭剤ダッシュライト(株式会社シナネンゼオミック製)、スカローHK(株式会社抗菌研究所製)、化学反応捕捉タイプとして、ケムキャッチH-6000HS(大塚化学株式会社製)、ケムキャッチT-6900(大塚化学株式会社製)などが挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
さらに、本発明の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、粘着付与剤や、反応促進剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、消泡剤などの各種添加剤、または、着色顔料や、体質顔料も添加ができる。
粘着付与剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ロジン、ロジングリセリンエステル、テルペン、アルキルフェノールなどが挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
反応促進剤としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなど金属系触媒や、1 ,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-5-ノネン、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデセンなどの3級アミンや、トリエタノールアミンのような反応性3級アミンなどが挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
レベリング剤としては、アクリルポリマー系、変性シリコーン系、アセチレンジオール系など、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ヒンダードアミン系など、消泡剤としては、有機系のポリエーテルや界面活性剤、無機系のシリコーン化合物などが挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
着色顔料としては、アントラキノン、ジケトピロロピロール、ペリレンマルーン、カーボンブラック、ジオキサジン、ペリレン、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、フタロシアニン、インダンスレンなどの有機系顔料や、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、アゾメチン銅錯体、酸化チタン、酸化ケイ素などの無機系顔料が挙げられ、体質顔料としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、タルクなどの無機系顔料が挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
(塗布量について)
本発明の接着剤樹脂組成物の塗布量については、2~5g/m2 程度、好ましくは3~5g/m2 程度である。塗布量が2g/m2 未満の場合、十分な臭気捕捉性能が得られないおそれがある。また、5g/m2 を越える場合は、経済性において不利となる場合がある。
(数平均分子量について)
本発明におけるポリエステルポリオ-ル(a)の数平均分子量は、5,000~50,000の範囲が好ましく、50,000を越える場合、得られた臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の粘度が高くなり、塗工時の希釈溶剤の使用量が増える問題や塗工適性が悪くなる問題が発生する。一方、数平均分子量5,000未満の場合、分子量が低い為に、レトルト加熱処理時の耐熱性の低下を引き起こすことがある。
本発明におけるポリエステルポリオ-ル(a)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の値である。例えば、以下の実施例の測定条件は、カラム(昭和電工株式会社製 KF-805L×2)の温度を35℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)、流速を1.0ml/minとし、検出をRI検出器(示差屈折計)で行い、試料濃度を0.3質量%としたものである。
(ラミネート可能なフィルムについて)
本発明に係るラミネート可能なフィルムについては、特に限定はなく、プラスチック材料、金属材料、無機材料から選択される同種又は異種の貼り付け面を備えたフィルム同士をラミネートする際に用いることができる。より具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンに代表されるポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや、アルミ、シリカ、アルミナなどを基材となるプラスチックフィルムに蒸着した蒸着フィルムや、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムなどの有機バリアフィルムや、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔などの金属箔などの金属フィルムが挙げられ、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物はこれらの各種フィルム同士を接着する際に用いることができる。
このうちシーラントフィルムとしては、熱溶融温度が比較的低いフィルム(例えば、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムや直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、リニアポリエチレン)フィルム、ヒートシール性を付与した2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなど)が挙げられ、バリアフィルムとしては、蒸着フィルムや有機バリアフィルム、金属フィルムが挙げられる。
プラスチックフィルムは、延伸したものであってもよいし、未延伸のものであってもよい。
(使用方法について)
本発明の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物における具体的な使用方法としては特に問わないが、例えば適切な粘度となるよう加温し、主剤と硬化剤を配合してから用いるノンソルベント型ラミネーション方式と、溶剤にて配合接着剤を適切な塗工粘度に希釈調整して用いるドライラミネーション方式が挙げられる。ドライラミネーション方式で使用する溶剤については、イソシアネート基と反応するような水酸基やアミノ基を含有していない溶剤を使用し、具体的には、酢酸エチルやメチルエチルケトン等が挙げられる。
本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物は、レトルト食品の包装体を構成するフィルム同士の貼りあわせに用いることで、レトルト加熱処理後に発生する臭気物質を捕捉する臭気捕捉性能を発揮するものであるが、その用途は、包装体に限られるものではなく、例えば、太陽電池のバックシートを構成する複数枚のフィルム同士の接着など、ラミネート接着剤として、種々の用途に用いることができる。
(ラミネートシートと包装体について)
本発明に係る包装体は、ラミネートシートを用いて作製されたものであり、例えば、ラミネートシートを製袋して作製された包装体や、トレーやカップ状のプラスチック容器の開口を覆うための蓋材としてのラミネートシートなどを挙げることができる。
ラミネートシートは、上述のバリアフィルムとシーラントフィルムとを含む複数枚のフィルムが積層されてなり、シーラントフィルムはラミネートシートの最内層に配置される。ここで、ラミネートシートの最内層とは、ラミネートシートを製袋して作製された包装体においては、包装体に収納される内容物(d)と接触しうる層をいい、ラミネートシート自体においては、ラミネートシートの表面層にあたる。
ラミネートシートは、バリアフィルムとプラスチックフィルムとシーラントフィルムとを積層して構成されるなど、2層以上の適宜層構造とすることができる。
本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物は、ラミネートシートを構成する複数枚のフィルムのうち、内容物(d)に接触しうるシーラントフィルムとこれに重ねられるフィルムとの貼りあわせに用いることが臭気捕捉の点から最も効果的である。しかしながら、例えば、バリアフィルムとシーラントフィルムとを含む3層以上の層構造のラミネートシートにあっては、シーラントフィルムとこれに重ねられるフィルムとの貼りあわせに公知の各種接着剤を用い、シーラントフィルム以外のフィルム同士の貼りあわせに本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を用いてもよく、ラミネートシートを構成する全てのフィルムの貼りあわせに本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を用いてもよい。シーラントフィルム以外のフィルムとしては、シーラントフィルムを除く前述のプラスチックフィルムやバリアフィルム、有機バリアフィルム、金属フィルムが挙げられる。
ラミネートシートをレトルト食品用の包装体に用いる場合、ラミネートシートの構成が透明構成である場合には、ONY/CPP、ONY/LLDPE、PET/CPP、ONY/LLDPE、PET/ONY/CPPを例示でき、透明蒸着構成である場合にはVMPET/ONY/CPPを例示でき、ALM構成である場合には、PET/ALM/CPP、PET/ALM/ONY/CPP、PET/ONY/ALM/CPPを例示できる。
ラミネートシートを構成する、複数枚のフィルムのそれぞれの厚みは特に限定されず、ラミネートシートまたは包装体の用途や機能に応じて適宜設定すればよい。
本発明に係る包装体を製袋して作製する場合、その製袋方法については特に限定されず、種々の製袋方法を用いて作製することができる。例えば、2枚のラミネートシートをシーラントフィルムが対向するように重ね合わせ、四方をヒートシールして包装体を作製してもよく、表部と裏部とを構成する2枚のラミネートシールとひだを有する底部を構成するラミネートシートとを用い、シーラントフィルムが包装体の内側を構成するように配置して、四方をヒートシールしてスタンディングパウチ形状の包装体を作製してもよい。さらに、1枚のラミネートシールをシーラントフィルムが内側になるよう二つ折りにし、三方をヒートシールして包装体を作製してもよい。
以下の実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(ポリエステルポリオ-ル(a1)の合成例1)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、エチレングリコール(50.0g)、ネオペンチルグリコール(160.0g)、1,6-ヘキサンジオール(190.0g)、イソフタル酸(326.0g)、テレフタル酸(100.0g)、セバシン酸(174.0g)、を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。酸価が15mgKOH/gになったことを確認し、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認した後に、内圧を15Torrに減圧して引き続き反応を進め、酸価が0.1mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了させ、酢酸エチルにて固形分60%に調整した。得られたポリエステルポリオールは数平均分子量が8,000であり、これをポリエステルポリオ-ル(a1-1)とした。
(ポリエステルポリオ-ル(a1)の合成例2)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、エチレングリコール(50.0g)、ネオペンチルグリコール(160.0g)、1,6-ヘキサンジオール(190.0g)、イソフタル酸(400.0g)、セバシン酸(160.0g)、アジピン酸(40.0g)を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。酸価が15mgKOH/gになったことを確認し、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認した後に、内圧を15Torrに減圧して引き続き反応を進め、酸価が0.1mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了させ、KBM-403(信越シリコーン株式会社製 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を2.7g配合した後、酢酸エチルにて固形分60%に調整した。さらに、60℃まで冷却後、ジブチル錫ジラウレート(0.1g)を添加し、10分間攪拌を行った。得られた酢酸エチルにて固形分60%に調整した。得られたポリエステルポリオールは数平均分子量が8,000であり、これをポリエステルポリオ-ル(a1-2)とした。
(ポリエステルポリオ-ル(a1)の合成例3)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、エチレングリコール(176.0g)、ネオペンチルグリコール(151.0g)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(139.0g)、1,6-ヘキサンジオール(139.0g)、イソフタル酸(337.0g)、セバシン酸(346.0g)、を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。酸価が15mgKOH/gになったことを確認し、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認した後に、内圧を15Torrに減圧して引き続き反応を進め、酸価が0.1mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了させ、酢酸エチルにて固形分70%に調整した。得られたポリエステルポリオールは数平均分子量が10,000であり、これをポリエステルポリオ-ル(a1-3)とした。
(ポリエステルポリウレタンポリオール(a2)の合成例1)
さらに、得られたポリエステルポリオ-ル(a1-3)(500.0g)、キシレンジイソシアネート(タケネート500:三井化学株式会社製)(16.2g)を仕込み、6時間加熱還流させてウレタン鎖伸長させた。フラスコ内の生成物の赤外吸収スペクトルを測定し、2270cm-1のイソシアネート基の吸収が消失していることを確認した上で、反応を終了させ、KBM-403(信越シリコーン株式会社製 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を2.7g配合した後、さらに、60℃まで冷却後、ジブチル錫ジラウレート(0.1g)を添加し、10分間攪拌を行った。得られた生成物を酢酸エチルにて固形分60%に調整した。得られたポリエステルポリウレタンポリオールは数平均分子量が12,000であり、これをポリエステルポリウレタンポリオール(a2)とした。
(ポリエステルポリオール(a1)の合成例4)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、エチレングリコール(70.0g)、ネオペンチルグリコール(140.0g)、1,6-ヘキサンジオール(190.0g)、イソフタル酸(300.0g)、テレフタル酸(300.0g)を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。酸価が15mgKOH/gになったことを確認し、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認した後に、内圧を15Torrに減圧して引き続き反応を進め、酸価が0.1mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了させ、KBM-403(信越シリコーン株式会社製 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を2.7g配合した後、酢酸エチルにて固形分60%に調整した。さらに、60℃まで冷却後、ジブチル錫ジラウレート(0.1g)を添加し、10分間攪拌を行った。得られたポリエステルポリオールは数平均分子量が23,000であり、これをポリエステルポリオール(a1-4)とした。
(ポリエステルポリオール(a1)の合成例5)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、エチレングリコール(80.0g)、ネオペンチルグリコール(300.0g)、イソフタル酸(150.0g)、セバシン酸(470.0g)を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。酸価が15mgKOH/gになったことを確認し、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったことを確認した後に、内圧を15Torrに減圧して引き続き反応を進め、酸価が0.1mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了させ、KBM-403(信越シリコーン株式会社製 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を2.7g配合した後、酢酸エチルにて固形分60%に調整した。さらに、60℃まで冷却後、ジブチル錫ジラウレート(0.1g)を添加し、10分間攪拌を行った。得られたポリエステルポリオールは数平均分子量が23,000であり、これをポリエステルポリオール(a1-5)とした。
(硫化水素捕捉顔料(c)のポリエステルポリオール(a)への分散)
225mlのガラス瓶に1.5mmジルコニアビーズ230gを詰め、さらに表1の配合表をもとに、ポリエステルポリオ-ル(a1-1~a1-5)又はポリエステルポリウレタンポリオール(a2)(56.0g)、酢酸エチル(35.6g)、硫化水素捕捉顔料(c)(8.4g)を入れ、ペイントシェーカーにて2時間分散し、ろ紙にてビーズを除去し、分散液を採取した。硫化水素捕捉顔料(c)には、酸化亜鉛1種(堺化学株式会社製 平均粒径0.60μm)又は微細酸化亜鉛(堺化学株式会社製 平均粒径0.29μm)を用いた。なお、表1に記載の配合比における各物質の単位は質量部である。
(臭気捕捉性ラミネート接着剤の塗工例)
RU-77T(ロックペイント社製ポリエステル接着剤主剤 固形分60%)10.0g、H-7(ロックペイント社製脂肪族イソシアネート硬化剤 固形分60%)1.0g、希釈剤として酢酸エチルを用いて固形分25%に調整後、透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル株式会社テックバリアV 12μm)にバーコーターにて乾燥塗布量4.0g/m2となるように塗工を行った。ハンドドライヤーにて酢酸エチルを揮発させた後に、ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製ONBC-RT15μm)を貼りあわせた。
次に、表1の配合表をもとに、硫化水素捕捉顔料(c)を分散した主剤(A)と硬化剤(B)とを各々配合し、希釈剤として酢酸エチルを用いて固形分25%に調整して実施例1~6、比較例1~3の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を調製した。各々の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を、透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムと貼りあわされたナイロンフィルムのフィルム面にバーコーターにて乾燥塗布量4.0g/m2となるように塗工を行い、ハンドドライヤーにて酢酸エチルを揮発させた後に、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レフィルム加工株式会社製 ZK207 60μm)を貼りあわせ、60℃のホットプレート上にてニップし、実施例1~6、比較例1~3の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を用いたラミネートシートを得た。得られたラミネートシートは、40℃雰囲気下で、5日間養生させた。硬化剤(B)には、H-7(ロックペイント社製脂肪族イソシアネート硬化剤 固形分60%)を用いた。
(ラミネート強度について)
養生の終了したラミネートシートについて、15mm幅の試験片を作製し、引っ張り試験機を用い、50mm/min.の引っ張り速度にて、T型剥離によりナイロンフィルム/CPPフィルム間のラミネート強度を測定した。
ラミネートシートのラミネート強度については、強度が5.0N/15mm以上を合格とし、5.0N/15mm未満を不合格とした。測定結果をレトルト加熱処理前のラミネート強度とした。
また、養生の終了した2枚のラミネートシートの、CPPフィルムのフィルム面同士が対向するように重ね合わせ、三方をヒートシールすることにより、レトルト用パウチを作製した。内容物(d)として0.03%L-システイン溶液30mlをレトルト用パウチに注入した後、開口をヒートシールして得られた内容物(d)が密封されたレトルト用パウチ(内寸10×10cm)を、トミー工業株式会社製レトルト食品用オートクレーブ(小型殺菌機)を用いて、121℃、60分のレトルト加熱処理を実施した。レトルト加熱処理後のレトルト用パウチから15mm幅の試験片を切り取って作製し、レトルト加熱処理前のラミネート強度の測定と同条件にてラミネート強度の測定を行い、測定結果をレトルト加熱処理後のラミネート強度とした。レトルト加熱処理前のラミネート強度に対するレトルト加熱処理後のラミネート強度の比率を強度維持率とし、強度維持率が50%以上を合格、50%未満を不合格とした。
レトルト加熱処理前後のラミネート強度(単位:N/15mm)と、強度維持率の評価結果(○:合格、×:不合格)とを表2に示す。
比較例2においては、レトルト加熱処理後のレトルト用パウチを目視で確認したところ、ナイロンフィルム/CPPフィルム間にデラミネーションが確認されたので、ラミネート強度の測定を行わなかった。
(ガラス転移温度について)
養生の終了したラミネートシートの臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物からなる接着剤層とナイロンフィルム界面との剥離を行い、剥離された接着剤層を上にしてダル鋼鈑状に貼りあわせ、剛体振り子型物性試験器(A&D株式会社製 RPT-3000W)を用いて、ガラス転移温度を測定した。測定条件は、フレームFRB-100、エッジFRP020を使用し、測定間隔10秒、吸着時間1秒、昇温速度を2.8℃/min.で-20℃から100℃まで昇温して、得られた対数減衰率の変曲点をガラス転移温度として採用した。採用したガラス転移温度を、ポリエステルポリオ-ル(a1)又はポリエステルポリウレタンポリオール(a2)の合成に用いられた多塩基酸中の芳香族多塩基酸の割合とともに表3に示す。
(硫化水素捕捉性能について)
上述した方法にて作製したレトルト用パウチに、内容物(d)として0.03%L-システイン溶液30mlを注入した後、開口をヒートシールして得られた内容物(d)が密封されたレトルト用パウチ(内寸10×10cm)を、トミー工業株式会社製レトルト食品用オートクレーブ(小型殺菌機)を用いて、121℃、60分のレトルト加熱処理を実施した。レトルト加熱処理後のレトルト用パウチ内の硫化水素を採取し、株式会社共立理化学研究所製メチレンブルー比色変法による硫化物パックテストを用いて硫化水素の定量を行った。硫化水素の濃度が0.5ppm未満を合格とし、0.5ppm以上を不合格とした。レトルト加熱処理後の硫化水素の濃度と、その評価結果(○:合格、×:不合格)とを表4に示す。また、「レトルト加熱処理前」の濃度として、内容物として密封された0.03%L-システイン溶液30mlに含まれる硫黄が全て加水分解されて硫化水素になったと仮定した場合の硫化水素の計算濃度を表4に併せて示す。
比較例2においては、レトルト加熱処理後のレトルト用パウチを目視で確認したところ、ナイロンフィルム/CPPフィルム間にデラミネーションが確認されたので、硫化水素の定量を行わなかった。
Figure 0007224223000001
Figure 0007224223000002
Figure 0007224223000003
Figure 0007224223000004
以上の結果、上記の各実施例に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤組成物は、接着性とレトルト加熱処理適性に優れ、かつレトルト加熱処理後に生じる臭気物質を捕捉することができることが確認された。具体的には、実施例1~6においては、レトルト加熱処理後に発生した硫化水素が臭気捕捉性ラミネート接着剤組成物に含まれる硫化水素捕捉顔料(c)である酸化亜鉛粒子によって捕捉され、加熱処理前後のナイロンフィルム/CPPフィルム間のラミネート強度の強度維持率が50%以上であることから、本発明に係る臭気捕捉性ラミネート接着剤組成物は、十分な接着性とレトルト加熱処理適性、臭気捕捉性能を備えることが確認された。
一方、ポリエステルポリオール(a)の合成に用いられる多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合を100mol%とした比較例1、硫化水素捕捉顔料(c)を含まない比較例3においては、実施例1-6と比較して臭気捕捉性能が低く、ポリエステルポリオール(a)の合成に用いられる多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合を30mol%未満とした比較例2においては、ナイロンフィルム/CPPフィルム間にデラミネーションが確認され、レトルト加熱処理適性が低くなることが確認された。また、比較例1においては、強度維持率が50%未満であり、レトルト加熱処理適性が低くなることが確認された。
このように、ポリエステルポリオール(a)の合成に用いられる多塩基酸中の芳香族多塩基酸の配合割合を30mol%以上85mol%以下の範囲に調整することにより、接着剤硬化膜を臭気キャッチに適したガラス転移温度に調整することができ、十分な接着性とレトルト加熱処理適性、臭気捕捉性能との両立を図ることができる点で有利である。

Claims (9)

  1. 臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物であって、
    前記臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物は、多塩基酸成分を含むポリエステルポリオ-ル(a)と、3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)と、硫化水素捕捉顔料(c)とを含み、
    前記多塩基酸中の芳香族多塩基酸の割合が30mol%以上85mol%以下であり、
    前記硫化水素捕捉顔料(c)は平均粒径が0.29μm~0.60μmの酸化亜鉛であり
    記臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物中の前記3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)の比率は、前記ポリエステルポリオ-ル(a)のOH成分に対する前記3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)のNCO成分の比率で、NCO/OHが1.5~3.0の範囲であり、
    レトルト加熱処理後のレトルト用パウチ内の硫化水素濃度が0.5ppm未満であり、
    前記硫化水素濃度は、前記臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を用いて作製された2枚のラミネートシートを用いてレトルト用パウチを作製し、0.03%L-システイン溶液30mlが密封された内寸10×10cmのレトルト用パウチに121℃、60分のレトルト加熱処理を実施した後に測定されたものであることを特徴とする臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
  2. バリアフィルムとシーラントフィルムとを含む複数枚のフィルムの積層体を構成するフィルム同士の貼りあわせに用いるラミネート接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
  3. 前記芳香族多塩基酸が、ベンゼン環のメタ位にカルボキシル基が置換した芳香族多塩基酸を含むものであり、前記多塩基酸中、ベンゼン環のメタ位にカルボキシル基が置換した芳香族多塩基酸の割合が30mol%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
  4. 前記多塩基酸が、次の組み合わせ1~3の何れかであることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
    組み合わせ1 イソフタル酸、テレフタル酸とセバシン酸
    組み合わせ2 イソフタル酸、セバシン酸とアジピン酸
    組み合わせ3 イソフタル酸とセバシン酸
  5. 前記3官能以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物の誘導体であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
  6. 接着剤硬化膜のガラス転移温度が0℃以上30℃以下であることを特徴とする、請求項1~5の何れかに記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物。
  7. バリアフィルムとシーラントフィルムとを含む複数枚のフィルムが積層されてなるラミネートシートが用いられた包装体において、
    前記シーラントフィルムは、前記包装体に収納される内容物(d)と接触しうる前記ラミネートシートの最内層に配置され、
    請求項1~6の何れかに記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物によって、前記最内層の前記シーラントフィルムと他の前記フィルムとが貼りあわせられていることを特徴とする臭気捕捉性を備えた包装体。
  8. 請求項7に記載の包装体と、前記包装体に収納された内容物(d)とを備え、前記内容物(d)が含硫アミノ酸化合物を含むことを特徴とする包装構造。
  9. 請求項1~6の何れかに記載の臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記硫化水素捕捉顔料(c)はあらかじめポリエステルポリオ-ル(a)に分散されたことを特徴とする、臭気捕捉性ラミネート接着剤樹脂組成物の製造方法。
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