JP7222194B2 - 保護フィルムおよびシート - Google Patents

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Description

本発明は、保護フィルムおよびそれを用いたシートに関する。
従来、一般的な印刷物は紫外線や水などに対する耐性が高くない。このため、屋外向け化粧シートやポスターなど、これらに対する耐性(耐候性)が要求される用途においては、印刷物の保護を目的に透明保護フィルムが表層に設けられている。
透明保護フィルムの材料としては、耐候性に優れるフッ素樹脂やアクリル樹脂のほか、コスト面で有利なポリオレフィン樹脂などが好適に用いられるが、ポリオレフィン樹脂自体は耐候性が不足することが多いため、例えばヒンダードアミン系光安定剤などの添加剤が一般的に用いられる。なお、ポリオレフィン樹脂にヒンダードアミン系光安定剤を添加した保護フィルムとしては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
このヒンダードアミン系光安定剤には高分子タイプと低分子タイプがあり、高分子タイプは一般的にポリオレフィンなどの樹脂中で動きにくいためブルームやブリードしにくく、保護フィルムの耐候性が長期間保持される。
また、ヒンダードアミン系光安定剤はNH型、Nアルキル型、NOアルキル型の大きく三種類が上市されている。NH型はラジカル補足効率が高いが塩基性のため、実曝上酸性雨などにより失活する恐れがある。また、Nアルキル型は一般的にNH型に比べ耐水性に優れ、ポリオレフィン樹脂との相溶性も優れているがラジカル補足効率は低い。また、NOアルキル型は低塩基性でありラジカル補足効率も高いため光安定剤として高い能力を示す。
ブリードの少ない高分子タイプであり、かつラジカル補足効率の良いNOアルキル型である光安定剤は上市されているが、安価ではないため汎用的に用いられるものではない。
特開2017-197639号公報
本発明は上述の問題点に対し、耐候性やコスト面に優れた透明ポリオレフィン樹脂層を含む保護フィルムおよびそれを用いたシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、透明ポリオレフィン樹脂に特定の構造を有する複数種の高分子ヒンダードアミン系光安定剤を所定の比率で添加した保護フィルムおよびそれを用いたシートが上述の目標を達成することを見出し本発明に至った。なお、上記「高分子」とは、重量平均分子量は2000以上の分子を意味する。
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、透明ポリオレフィン樹脂層を少なくとも含む保護フィルムであって、前記透明ポリオレフィン樹脂層が下記一般式(I)で表される第1のヒンダードアミン系光安定剤と、下記一般式(II)で表される第2のヒンダードアミン系光安定剤とを含有し、前記第1のヒンダードアミン系光安定剤と、前記第2のヒンダードアミン系光安定剤との重量比(第1のヒンダードアミン系光安定剤/第2のヒンダードアミン系光安定剤)が、20/80~80/20の範囲内にあることを特徴とする保護フィルムである。
Figure 0007222194000001
(一般式(I)中、kは2から4までの整数であり、lは1から8までの整数であり、一般式(I)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。)
Figure 0007222194000002
(一般式(II)中、R、R、Rはそれぞれ独立し、水素原子または炭素数が1から8までのアルキル基を示す。また、一般式(II)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。)
本発明の一態様によれば、耐候性やコスト面に優れた透明ポリオレフィン樹脂層を含む保護フィルムおよびそれを用いたシートが提供される。
本発明の第一実施形態に係る保護フィルムの断面を示す模式図である。 本発明の第二実施形態に係る化粧シートの断面を示す模式図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態として、透明ポリオレフィン樹脂層11に表面保護層12を設けた保護フィルム10の構成について、図1を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法などを下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(透明ポリオレフィン樹脂層)
本実施形態に係る保護フィルム10は、透明ポリオレフィン樹脂層11と、透明ポリオレフィン樹脂層11の一方の面側、即ち透明ポリオレフィン樹脂層11の上層に形成された表面保護層12と、を備えている。
本実施形態に係る透明ポリオレフィン樹脂層11を構成するオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、保護フィルム10の表面強度の向上を図る場合には、例えば、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
透明ポリオレフィン樹脂層11は下記一般式(I)で表されるヒンダードアミン系光安定剤(第1のヒンダードアミン系光安定剤)と、下記一般式(II)で表されるヒンダードアミン系光安定剤(第2のヒンダードアミン系光安定剤)とを含有するが、とりわけ下記式(III)に示す、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールとの縮合物と下記一般式(IV)に示す、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,6-ヘキサンジアミンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン、N-ブチル-1-ブタンアミンとの反応物と、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,6-ヘキサンジアミンと、N-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンの反応物との重合物、が望ましい。
Figure 0007222194000003
なお、一般式(I)中、kは2から4までの整数であり、lは1から8までの整数であり、一般式(I)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。
Figure 0007222194000004
なお、一般式(II)中、R、R、Rはそれぞれ独立し、水素原子または炭素数が1から8までのアルキル基を示す。また、一般式(II)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。
Figure 0007222194000005
なお、式(III)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。
Figure 0007222194000006
なお、一般式(IV)中、R、R、Rがノルマルブチル基を示し、一般式(IV)に示す化合物の重量平均分子量が2000以上10000以下の範囲内である。
ヒンダードアミン系光安定剤の配合量、即ち第1のヒンダードアミン系光安定剤と第2のヒンダードアミン系光安定剤とを合計した配合量は特に限定されるものではなく、透明ポリオレフィン樹脂層11の厚さや、後述の接着層20および基材30などの諸条件により適宜設定されるが、通常はオレフィン樹脂100質量部に対して0.1質量部以上3質量部以下の範囲内である。ヒンダードアミン系光安定剤の配合量が0.1質量部に満たないと透明ポリオレフィン樹脂層に十分な耐候性を付与することができず、3質量部を超えると保護フィルムの耐性(耐候性)は変わらず、表面保護層などとの接着性が低下する恐れがあるため好ましくない。
また、第1のヒンダードアミン系光安定剤、即ち一般式(I)で表されるヒンダードアミン系光安定剤と、第2のヒンダードアミン系光安定剤、即ち一般式(II)で表されるヒンダードアミン系光安定剤との重量比(第1のヒンダードアミン系光安定剤/第2のヒンダードアミン系光安定剤)は、20/80~80/20の範囲内である。第1のヒンダードアミン系光安定剤と第2のヒンダードアミン系光安定剤との重量比が20/80に満たなくても、また80/20を超えても、透明ポリオレフィン樹脂層に十分な耐候性を付与することができないことがある。
なお、上述した各ヒンダードアミン系光安定剤は、各重量平均分子量が2000以上10000以下の範囲内である。各ヒンダードアミン系光安定剤の重量平均分子量が2000に満たないとブリードアウトしやすくなり、保護フィルム10と基材30とを接合したシートの密着性に問題が生じることがある。また、各ヒンダードアミン系光安定剤の重量平均分子量が10000を超えるとポリマー内での光安定剤の移動が困難となり、保護フィルム10の耐候性が落ちることがある。
透明ポリオレフィン樹脂層11は、必要に応じて、例えば、前述のヒンダードアミン系光安定剤に該当しないその他の光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤などの各種添加剤を配合してもよい。
その他光安定剤の例としては、例えば、2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2’-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収剤の例としては、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル]-4,6-ジビフェニル-s-トリアジン、2-[[2-ヒドロキシ-4-[1-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)エチルオキシ]フェニル]]-4,6-ジフェニル-s-トリアジンなどのヒドロキシフェニルトリアジン化合物、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-(5-クロロ-2-ベンゾトリアゾリル)-6-tert-ブチル-p-クレゾールなどのベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が挙げられる。その中でも、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤およびベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の少なくとも一方を透明ポリオレフィン樹脂層11に含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤の配合量は特に限定されるものではなく、透明ポリオレフィン樹脂層11の厚さや、後述の接着層20および基材30などの諸条件により適宜設定されるが、通常はオレフィン樹脂100質量部に対して0.1質量部以上2質量部以下の範囲内である。紫外線吸収剤の配合量が0.1質量部に満たないと透明ポリオレフィン樹脂層に十分な耐候性を付与することができないことがある。また、紫外線吸収剤の配合量が2質量部を超えると保護フィルム10から紫外線吸収剤がブリードアウトし、保護フィルム10と基材30とを接合したシートの密着性や意匠性に問題が生じることがある。また透明ポリオレフィン樹脂層11に白濁傾向が顕著に見られ、意匠性に問題が生じることがある。
透明ポリオレフィン樹脂層11の作製方法は特に限定されるものではなく、例えば、カレンダー成膜や押出成膜など通常の方法が用いられ、前述のオレフィン樹脂、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤および各種添加物を含む透明ポリオレフィン樹脂層を成膜することができる。
透明ポリオレフィン樹脂層11には意匠性を付与するために表面凹凸を設けてもよい。凹凸を設ける方法としては、例えば、透明ポリオレフィン樹脂フィルムを押出成形した後に熱エンボス加工を施す方法、押出形成時に凹凸を設けた冷却ロールを用い押出し成形と同時にエンボス加工を施す方法がある。
(表面保護層)
本実施形態に係る表面保護層12は、保護フィルム10に、例えば、耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性などの機能を付与するために設けられる層である。表面保護層12を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系などの樹脂材料から適宜選択して用いることができる。
表面保護層12は、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤などの各種添加剤を配合してもよい。紫外線吸収剤および光安定剤としては、例えば前述の透明ポリオレフィン樹脂層11に適用されるものを用いることができる。
表面保護層12の形成方法は特に限定されるものではなく、前述の材料を塗液化したものを、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の方法で塗布した後、熱硬化、紫外線硬化など材料に適合した方法で硬化させることで表面保護層12を形成してもよい。
また、表面保護層12は、透明ポリオレフィン樹脂層11を後述の基材30と接合した後に設けてもよい。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態として、第一実施形態に係る保護フィルム10と、基材30を接合し、化粧シート40とした構成について、図2を用いて説明する。
化粧シート40は、表面保護層12と透明ポリオレフィン樹脂層11を備える保護フィルム10、即ち第一実施形態に係る保護フィルム10を、接着層20を介して基材30に接合することで構成される。なお、図2では、保護フィルム10に備わる透明ポリオレフィン樹脂層11と、後述する基材30に備わる絵柄層32とが接着層20を介して接合した化粧シート40が示されている。
(原反)
基材30は、原反31と、原反31の一方の面側に設けられた絵柄層32と、を備えている。
原反31としては、例えば、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙などの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルなどの合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタンなどのゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀などの金属箔などから任意に選定可能である。
原反31は、原反31に隣接する層との密着性を補うため、原反31の片面あるいは両面に、例えばプライマ層(図示せず)を設けてもよいし、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理などの表面処理を施してもよい。
(絵柄層)
絵柄層32は、例えば、原反31に対してインキを用いて施された絵柄印刷である。絵柄層32の形成に用いられるインキはバインダを含んでいてもよく、そのバインダとしては、例えば、硝化綿、セルロース、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系などの単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。また、それらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。
絵柄層32の形成に用いられるインキを硬化させる方法としては、紫外線や電子線などの照射によりインキを硬化させる方法が挙げられる。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。
絵柄層32の形成に用いられるインキは、これらのバインダ以外に、例えば、通常のインキに含まれている顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、光安定剤など各種添加剤などが添加されている。汎用性の高い顔料としては、例えば、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母などのパール顔料などが挙げられる。
絵柄層32を設ける方法は特に限定さるものではなく、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷など通常の印刷方法を用いることができる。
基材30に保護フィルム10を接合する方法は特に限定されるものではなく、必要に応じて、例えば接着層20を介した熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネートなどの各種ラミネート手法を用いることができる。
接着層20は特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系などの樹脂材料から適宜選択しインキ化した材料を、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の塗布方法を用いて形成される。
本実施形態に係る化粧シート40を構成する各層の厚みについては、原反31は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm~150μm、接着層20は1μm~20μm、透明ポリオレフィン樹脂層11は20μm~200μm、表面保護層12は3μm~20μmとすることが望ましい。また、化粧シート40の総厚は45μm~250μmの範囲内とすることが好適である。
以下、実施例および比較例並びに参考例を示して本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
透明なホモポリプロピレン樹脂(プライムPP;(株)プライムポリマー製)100質量部に紫外線吸収剤(チヌビン326;BASFジャパン(株)製)を0.5質量部および光安定剤として、下記式(A)に示す光安定剤(光安定剤A)(チヌビン622;BASFジャパン(株)製)0.4質量部、下記式(B)に示す光安定剤(光安定剤B)(キマソーブ2020;BASFジャパン(株)製)0.1質量部を添加した樹脂組成物を厚さ80μmで溶融押し出しすることで実施例1の保護フィルムを得た。
次に、隠蔽性のあるポリエチレン原反(厚さ70μm)に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ(株)製)を用い木目柄をグラビア印刷し絵柄層(厚さ3μm)を設けることで得られた基材に、ドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学(株)製)(厚み2μm)を介して上記保護フィルムをドライラミネートした。さらに表面保護層としてアクリルポリオール(メチルメタクリレートと2ヒドロキシメタクリレートの共重合体)と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)からなる2液硬化ポリウレタン樹脂層を、上記保護フィルム上に塗布形成(層厚8μm)し、実施例1の化粧シートを得た。
<実施例2>
実施例1において、光安定剤Aの添加量を0.3質量部、光安定剤Bの添加量を0.2質量部とした以外は実施例1と同様の方法で実施例2の化粧シートを得た。
<実施例3>
実施例1において、光安定剤Aの添加量を0.2質量部、光安定剤Bの添加量を0.3質量部とした以外は実施例1と同様の方法で実施例3の化粧シートを得た。
<実施例4>
実施例1において、光安定剤Aの添加量を0.1質量部、光安定剤Bの添加量を0.4質量部とした以外は実施例1と同様の方法で実施例4の化粧シートを得た。
<比較例1>
実施例1において、光安定剤として光安定剤Aを0.5質量部添加した以外は実施例1と同様の方法で比較例1の化粧シートを得た。
<比較例2>
実施例1において、光安定剤として光安定剤Bを0.5質量部添加した以外は実施例1と同様の方法で比較例2の化粧シートを得た。
<参考例>
実施例1において、光安定剤として下記式(C)に示す光安定剤(光安定剤C)(チヌビンNOR371;BASFジャパン(株)製)0.5質量部を添加した以外は実施例1と同様の方法で参考例の化粧シートを得た。
Figure 0007222194000007
なお、上記光安定剤Aは、重量平均分子量が3100から4000である化合物である。
Figure 0007222194000008
なお、上記光安定剤Bは、R、R、Rがノルマルブチル基を示し、重量平均分子量が2600以上3400以下の化合物である。
Figure 0007222194000009
なお、上記光安定剤Cは、重量平均分子量が2800以上4000以下の化合物である。
<評価>
上記実施例および比較例並びに参考例で得られた化粧シートについて、以下の方法で耐候性を評価した。評価結果を下記表1に示す。
化粧シートの耐候促進試験後の外観を以下の基準により目視評価した。耐候促進試験はアイスーパーUVテスター(SUV-W161;岩崎電気(株))を用い、ブラックパネル温度63℃、照度65mW/cmにて、(UV照射20時間+結露4時間)を1サイクルとし、10サイクル(240時間)、15サイクル(360時間)、20サイクル(480時間)とそれぞれ実施した後の化粧シートの外観を目視評価した。
(目視評価基準)
〇:化粧シートに外観変化なし
△:化粧シートに白化が認められる
×:化粧シートにワレが認められる
なお、耐候性の評価が「○」および「△」であれば使用上問題がないため、合格とした。
Figure 0007222194000010
表1に示したとおり、実施例1から実施例4に例示した本実施形態に係る保護フィルムおよび化粧シートは、透明ポリオレフィン樹脂層に上記特定の構造を有するヒンダードアミン系光安定剤2種を特定の比率で混合することで、既存の高分子NOアルキル型ヒンダードアミン系光安定剤であるチヌビンNOR371(参考例)と同等の耐候性を示す。
本発明は、化粧シートやポスター、標識など屋外で用いられるシートのほか、建具の表面材や床材など屋内用シートとしても利用することができる。
10 保護フィルム
11 透明ポリオレフィン樹脂層
12 表面保護層
20 接着層
30 基材
31 原反
32 絵柄層
40 化粧シート

Claims (8)

  1. 透明ポリオレフィン樹脂層と、前記透明ポリオレフィン樹脂層の上層に形成された表面保護層とを少なくとも含む保護フィルムであって、
    前記透明ポリオレフィン樹脂層が下記一般式(I)で表される第1のヒンダードアミン系光安定剤と、下記一般式(II)で表される第2のヒンダードアミン系光安定剤とを含有し、
    前記第1のヒンダードアミン系光安定剤と、前記第2のヒンダードアミン系光安定剤との重量比(第1のヒンダードアミン系光安定剤/第2のヒンダードアミン系光安定剤)が、20/80~80/20の範囲内にあり、
    前記表面保護層は、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、またはエポキシ系の樹脂材料で構成されていることを特徴とする保護フィルム。
    Figure 0007222194000011
    (一般式(I)中、kは2から4までの整数であり、lは1から8までの整数であり、一般式(I)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。)
    Figure 0007222194000012
    (一般式(II)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立し、水素原子または炭素数が1から8までのアルキル基を示す。また、一般式(II)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。)
  2. 前記透明ポリオレフィン樹脂層が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の少なくとも一方をさらに含有していることを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記第1のヒンダードアミン系光安定剤が下記式(III)に示す構造であり、
    前記第2のヒンダードアミン系光安定剤が下一般記式(IV)に示す構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護フィルム。
    Figure 0007222194000013
    (式(III)に示す化合物の重量平均分子量は2000以上10000以下の範囲内である。)
    Figure 0007222194000014
    (一般式(IV)中、R1、R2、R3がノルマルブチル基を示し、一般式(IV)に示す化合物の重量平均分子量が2000以上10000以下の範囲内である。)
  4. 前記透明ポリオレフィン樹脂層は、光安定剤として、2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2’-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、またはビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  5. 前記表面保護層は、前記透明ポリオレフィン樹脂層に添加された前記光安定剤と同じ光安定剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  6. 前記表面保護層は、前記透明ポリオレフィン樹脂層に添加された前記紫外線吸収剤と同じ紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の保護フィルム。
  7. 前記第1のヒンダードアミン系光安定剤と、前記第2のヒンダードアミン系光安定剤との重量比(第1のヒンダードアミン系光安定剤/第2のヒンダードアミン系光安定剤)が、20/80~40/60の範囲内にあることを特徴とする請求1から請求項6のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の保護フィルムと、基材とを少なくとも含むことを特徴とするシート。
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