JP7219880B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に関する。
平坦な路面において、停車中に自立し且つ旋回中に傾斜しない車体本体と、前記車体本体に支持され、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、前記車体本体に支持される左前車輪及び右前車輪と、を備えた車両が知られている。
このような車両として、例えば特許文献1には、キャスター式の左右前車輪が、車両の前後方向に延びる水平軸を中心として揺動する車軸の左右端部に設けられている車両が開示されている。
また、上述のような車両として、例えば特許文献2には、キャスター式の左右前車輪が、車両の前上方向及び後下方向に延びる旋回軸線を中心として揺動する接続要素の左右端部に設けられている車両が開示されている。
さらに、上述のような車両として、例えば特許文献3には、左右前車輪を支持する支持軸が、車体左右方向中央に上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転可能な車両が開示されている。
独国実用新案公開202004012083号明細書 欧州特許第1842759号明細書 独国特許出願公開19829076号明細書
図22(b)は、特許文献1、2に開示されている車両のように、左右前車輪1031,1032が上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転可能であり且つ左右前車輪1031,1032を連結する連結部材Tが車体本体1002に対して前後方向に延びる回転軸を中心として回転する車両1001を模式的に示す図である。図22(b)のうち一番上に位置する図が、車両1001の左右前車輪1031,1032が前記旋回軸線を中心として回転する様子を模式的に示す図である。図22(b)のうち上から二番目の図が、車両1001の右前車輪1032が障害物Xに対して車両1001の進行方向に乗り上げた状態を上から見た図である。図22(b)のうち一番下の図が、図22(b)の状態の車両1001の左右前車輪1031,1032を前から見た図である。なお、図22(b)において、符号Mは、車両1001の重心である。
図22(b)に示すように、特許文献1、2に開示されているような車両1001では、該車両1001の旋回中に右前車輪1032が障害物Xに対して車両1001の進行方向に乗り上げると、車両1001の重心が左方向に移動する(図22(b)の白抜き矢印参照)とともに、連結部材Tが前記回転軸を中心として上下方向に回転する(図22(b)の一番下の図における矢印参照)。これにより、車両1001には、左右方向に揺れ(横揺れ)が生じる。
また、特許文献3に開示されている車両のように、左右前車輪を連結する連結軸が車体本体の左右方向中央に上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転する車両も、該車両の旋回中に左右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して前記車両の進行方向に乗り上げると、前記車両の重心が左右方向に移動するとともに、前記連結部材が前記旋回軸線を中心として前後方向に回転する。これにより、前記車両にも、左右方向に揺れ(横揺れ)が生じる。
ところで、上述の特許文献1から3に開示されているように、左後車輪及び右後車輪と、左前車輪及び右前車輪とを有する車両では、車体本体の下で且つ4つの車輪の間に位置する空間(以下、下部空間という)を有効活用したいという要望がある。このように車体本体の下に下部空間が位置することにより、例えば、前記車両がベビーカーの場合には、前記下部空間内に荷物を収容することができ、前記車両が他の車両の場合には、前記下部空間内に部品等を配置することができる。
しかし、左右前車輪を連結する連結軸が車体本体の左右方向中央に上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転する前記特許文献3に開示されている車両では、該車両の旋回時に、前記左右前車輪が上下方向に延びる前記旋回軸線を中心として前後方向に回転する。図22(c)は、前記特許文献3に開示されているような車両2001を模式的に示す図である。図22(c)は、車両2001を上から見た図である。なお、図22(c)において、符号Mは、車両2001の重心である。
図22(c)に実線矢印で示すように、前記特許文献3に開示されているような車両2001では、該車両2001の旋回時に、左右前車輪2031,2032を連結する連結軸Tが上下方向に延びる前記旋回軸線を中心として前後方向に回転する。そのため、前記下部空間の位置及び大きさは、車両2001の旋回時に左右前車輪2031,2032と干渉しないように制限される。
また、図22(b)に示すように、前記特許文献1,2に開示されているような車両1001では、該車両1001の旋回中に、左右前車輪1031,1032は、車両1001を前から見て、左右方向に傾斜している。そして、車両1001の旋回中に、右前車輪1032が障害物Xに対して車両1001の進行方向に乗り上げると、左右前車輪1031,1032及び連結軸Tは、車両1001を前から見て、左前車輪1031の接地点を中心として円弧状に回転する(図22(b)参照)。このような挙動を生じる車両1001では、図23に示すように、車両1001を前から見て、該車両1001の旋回時に左右前車輪1031,1032のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた際の左右前車輪1031,1032(図23における実線)の左右方向の最短距離L1は、車両1001の直進時における左右前車輪1031,1032(図23における一点鎖線)の左右方向の最短距離L2に比べて小さい。
よって、前記特許文献1、2に開示されているような車両の場合でも、前記下部空間の位置及び大きさは、前記車両の旋回時に前記左右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して前記車両の進行方向に乗り上げた際に、前記左右前車輪と干渉しないように制限される。
これに対し、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めることが求められている。しかも、上述のように、前記特許文献1から3に開示されている車両では、該車両の旋回時に前記左右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際には、左右方向に横揺れが生じる。
よって、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が求められている。
本発明は、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成を提供することを目的とする。
本発明者らは、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成について検討した。鋭意検討の結果、本発明者らは、以下のような構成に想到した。
本発明の一実施形態に係る車両は、平坦な路面において、停車中に自立し且つ旋回中に傾斜しない車体本体と、前記車体本体に支持され、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、前記車体本体に支持され、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪と、を備えた車両である。前記車両は、左右方向に延びる部材であり、左右方向の中央部が、前記車体本体に、前記車体本体の前後方向に延びる第1中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される第1揺動レバーと、左右方向に延びる部材であり、左右方向の中央部が、前記第1揺動レバーよりも下で前記車体本体に、前記車体本体の前後方向に延びる第2中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される第2揺動レバーと、上下方向に延びる部材であり、前記第1揺動レバーの左端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第1左揺動軸線回りに揺動可能に支持され、且つ、前記第2揺動レバーの左端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第2左揺動軸線回りに揺動可能に支持され、前記左前車輪を支持する左前車輪支持体と、上下方向に延びる部材であり、前記第1揺動レバーの右端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第1右揺動軸線回りに揺動可能に支持され、且つ、前記第2揺動レバーの右端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第2右揺動軸線回りに揺動可能に支持され、前記右前車輪を支持する右前車輪支持体と、を含み、前記左前車輪または前記右前車輪が前記車体本体に対して上下方向に変位した際に、前記左前車輪及び前記右前車輪が左右方向に傾斜しないように変形する車輪傾斜抑制機構を備える。前記車両は、左方向または右方向に旋回している際に、前記左前車輪及び前記右前車輪が前記旋回軸線を中心としてそれぞれ回転した状態で前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、前記左前車輪、前記右前車輪、前記左後車輪及び前記右後車輪が前記車体本体に対して直立状態で維持され且つ前記車体本体及び前記旋回軸線が傾斜しないように、構成されている。
左後車輪及び右後車輪は進行方向が前後方向に固定されている一方、左前車輪及び右前車輪は上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能である。前記左前車輪及び前記右前車輪は、該左前車輪または該右前車輪が前記車体本体に対して上下方向に変位した際に、前記左前車輪及び前記右前車輪が左右方向に傾斜しないように変形する車輪傾斜抑制機構によって支持されている。これにより、前記車両は、左方向または右方向に旋回している際に、前記旋回軸線を中心としてそれぞれ回転した状態で前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、前記左前車輪、前記右前車輪、前記左後車輪及び前記右後車輪が前記車体本体に対して直立状態で維持され且つ前記車体本体及び前記旋回軸線が傾斜しない。
したがって、前記車両が左方向または右方向に旋回している際に、前記旋回軸線を中心としてそれぞれ回転した状態で前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、前記車両の車体本体は、左右方向に横揺れを生じない。
また、上述のように車両が左方向または右方向に旋回する際に前記左前車輪及び前記右前車輪は上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転する。よって、前記左前車輪及び前記右前車輪の前後方向の変位量は、前記特許文献3に開示されている車両における前記前後方向の変位量に比べて少ない。
しかも、上述のように前記左前車輪及び前記右前車輪は前記車輪傾斜抑制機構によって直立状態で維持された状態で上下方向に変位する。よって、前記左前車輪と前記右前車輪との左右方向の間隔は、前記車両が左方向または右方向に旋回している際に、前記旋回軸線を中心としてそれぞれ回転した状態で前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合でも、前記特許文献1,2に開示されている車両に比べて狭くなりにくい。
このように、上述の構成により、車体本体の下に位置する下部空間の位置及び大きさが、前記車両の旋回時、または、前記車両の旋回時で且つ前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合に、前記左前車輪及び前記右前車輪と干渉しないように制限されるのを防止できる。したがって、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めることができる。
以上より、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が得られる。
なお、前記車輪傾斜抑制機構は、前記車両の車体本体を傾ける機構ではなく、前記左前車輪または前記右前車輪に入力された衝撃を吸収または緩和して、前記車両の車体本体が左右方向に傾斜するのを抑制するための機構である。よって、前記車輪傾斜抑制機構を備えた前記車両では、車体本体の左右方向への傾斜が抑制される。
前記車両の重心位置よりも前に位置する左前車輪及び右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に接触した場合、前記車両は、前記一方の車輪と前記障害物との接触点を中心として前方に回転を生じるとともに、前記一方の車輪が前記障害物を乗り越える際に左右方向に横揺れを生じやすい。これに対し、上述のように前記左前車輪及び前記右前車輪を前記車輪傾斜抑制機構によって支持することにより、上述のような前記一方の車輪と前記障害物との接触点を中心とした前記車両の前方への回転、及び、前記車両の左右方向の横揺れを、抑制することができる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記左前車輪支持体及び前記右前車輪支持体は、それぞれ、前記車体本体に対して、上下方向に移動可能である。
これにより、左前車輪及び右前車輪のうちの一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際に、左前車輪支持体によって支持される前記左前車輪及び右前車輪支持体によって支持される前記右前車輪を、車体本体に対して上下方向にスムーズに移動させることができる。
したがって、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が得られる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記第1揺動レバーの前記第1中央揺動軸線及び前記第2揺動レバーの前記第2中央揺動軸線の両方は、前記車体本体の後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。前記車輪傾斜抑制機構は、路面から前記左前車輪または前記右前車輪に入力された力が左右方向の力に変換されることを抑制して上方向且つ後方向の力に変換されるように構成されている。
これにより、左前車輪及び右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際に、左前車輪または右前車輪に入力された力は、左右方向の力に変換されることを抑制されて、上方向及び後方向の力に変換される。よって、車体本体に、前記左前車輪及び前記右前車輪が左右方向に傾く力が作用することを防止できる。
上述の構成により、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が得られる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記車輪傾斜抑制機構は、車両を前から見て、前記左前車輪が前記第1中央揺動軸線及び前記第2中央揺動軸線よりも前記左後車輪の近くに位置し、且つ、前記右前車輪が前記第1中央揺動軸線及び前記第2中央揺動軸線よりも前記右後車輪の近くに位置するように、構成されているとともに、前記左前車輪及び前記右前車輪の左右方向の間隔の変化を抑制するように、構成されている。
これにより、車両を前から見て、左前車輪を左後車輪に近づけることができるとともに、右前車輪を右後車輪に近づけることができる。よって、車両を前から見て、左前車輪が第1中央揺動軸線及び第2中央揺動軸線に近い場合及び右前車輪が第1中央揺動軸線及び第2中央揺動軸線に近い場合に比べて、左右方向の横揺れに強い車両を実現できる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記第1揺動レバーは、前記車体本体に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、前記第1中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される。前記第2揺動レバーは、前記車体本体に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、前記第2中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される。
これにより、付勢部材によって第1揺動レバー及び第2揺動レバーを中立位置に戻す動作がなくなるため、前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーの揺れに起因する車両の揺れを低減できる。すなわち、左前車輪及び右前車輪のうち一方の車輪が障害物を乗り越える際に、前記障害物に対する左前車輪及び右前車輪の追従性を向上できる。
また、上述の構成により、前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーをスムーズに動作させることができる。これにより、前記左前車輪及び前記右前車輪が前記障害物から受ける力が、車体本体に伝わるのを抑制できる。
したがって、上述の構成により、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が得られる。
しかも、付勢部材が不要になるため、車輪傾斜抑制機構の部品点数を低減することができる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記左前車輪は、前記車体本体に対して上下方向に延びる左旋回軸線回りに回転可能なキャスター式左前車輪である。前記右前車輪は、前記車体本体に対して上下方向に延びる右旋回軸線回りに回転可能なキャスター式右前車輪である。
これにより、左前車輪及び右前車輪を左右方向に傾斜させることなく、車両を左にスムーズに旋回または右にスムーズに旋回させることができる。
しかも、上述の構成により、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪を容易に実現できる。
したがって、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成が容易に得られる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記車両は、前記車両の操縦者が手で操作可能であり且つ前記操縦者の操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させるように前記車輪傾斜抑制機構に接続される操作ハンドルを有し、前記操縦者による前記操作ハンドルの操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させることにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整する前車輪調整機構をさらに備える。
左前車輪及び右前車輪は、車輪傾斜抑制機構によって、車体本体に対して上下方向に変位可能な状態で支持される。車両の操縦者が前車輪調整機構の操作ハンドルを手で操作して前記車輪傾斜抑制機構の第1揺動レバー及び第2揺動レバーを揺動させることにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整できる。
よって、前記車両の前記左前車輪または前記右前車輪が例えば段差に接触する際に、前記車両の操縦者が、前記前車輪調整機構の前記操作ハンドルを手で操作することにより、前記車輪傾斜抑制機構の前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させて、前記段差に接触する車輪を持ち上げることができる。これにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整することができる。したがって、前記車両が例えば前記段差を乗り越える場合には、前記段差を容易に乗り越えることができる。
以上より、前記車両を利用可能な環境を拡大することができる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記操作ハンドルは、第1操作ハンドル及び第2操作ハンドルを含む。前記第1操作ハンドルは、前記第1揺動レバーの左部及び前記第2揺動レバーの左部に接続されている。前記第2操作ハンドルは、前記第1揺動レバーの右部及び前記第2揺動レバーの右部に接続されている。前記前車輪調整機構は、前記操縦者による前記第1操作ハンドル及び前記第2操作ハンドルの少なくとも一方の操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させることにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整する。
これにより、車両の操縦者が第1操作ハンドル及び第2操作ハンドルの少なくとも一方を操作することにより、車輪傾斜抑制機構の第1揺動レバー及び第2揺動レバーを揺動させて左前車輪及び右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整できる。
よって、車両に応じてハンドル操作の自由度を向上可能な構成を実現できる。しかも、上述の構成により、前記車両を利用する環境に応じて、前記車両の操縦者は、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を容易に調整することができる。
したがって、前記車両を利用可能な環境を拡大することができる。
他の観点によれば、本発明の車両は、以下の構成を含むことが好ましい。前記前車輪調整機構は、前記操縦者による前記操作ハンドルの操作によって、前記左前車輪及び前記右前車輪を上下方向且つ前後方向に移動させるように構成されている。
これにより、車両の操縦者が第1操作ハンドル及び第2操作ハンドルの少なくとも一方を操作することにより、左前車輪及び右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整できる。
したがって、前記車両を利用可能な環境を拡大することができる。
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
本明細書では、本発明に係る車両の実施形態について説明する。
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
[前車輪]
本明細書において、前車輪とは、車両が有する複数の車輪のうち、前記車両の進行方向において車両の前部に位置する車輪を意味する。前記車両の前後は、前記車両の進行方向によって決まる。このように、本明細書では、前記前車輪は、前記車両が有する複数の車輪の中から前記車両の進行方向によって決まる。よって、例えば、前記車両の走行形態を、一方向に走行可能な第1走行形態と、前記一方向とは反対方向に走行可能な第2走行形態とに切り替え可能な場合には、前記第1走行形態と前記第2走行形態とで、前記車両の前部と後部とが入れ替わる。そのため、例えば、前記車両の前記第1走行形態において車両の前部で前車輪を支持する車輪傾斜抑制機構は、前記車両の前記第2走行形態では前記車両の後部で後車輪を支持する。また、例えば、前記車両の前記第1走行形態において車両の後部で後車輪を支持する車輪傾斜抑制機構は、前記車両の前記第2走行形態では前記車両の前部で前車輪を支持する。
[直立状態]
本明細書において、直立状態とは、左前車輪、右前車輪、左後車輪及び右後車輪において、それぞれ、車輪が接触する路面に対して回転軸が平行に延びている状態を意味する。なお、前記平行は、路面に対して完全に平行な状態に限らず、車体本体の左右方向の傾斜姿勢に影響を与えない程度に、回転軸が路面に対して傾いている状態も含む。
[中立位置]
本明細書において、第1揺動レバーの中立位置とは、第1揺動レバーに対して第1中央揺動軸線回りに揺動する力が加えられてない状態または前記第1揺動レバーが前記第1中央揺動軸線回りに揺動していない状態の前記第1揺動レバーの位置を意味する。同様に、第2揺動レバーの中立位置とは、第2揺動レバーに対して第2中央揺動軸線回りに揺動する力が加えられてない状態または前記第2揺動レバーが前記第2中央揺動軸線回りに揺動していない状態の前記第2揺動レバーの位置を意味する。なお、前記第1揺動レバーの中立位置は、車体本体の左右方向の傾斜姿勢に影響を与えない程度に、前記第1揺動レバーが前記第1中央揺動軸線回りに揺動している状態の前記第1揺動レバーの位置も含む。前記第2揺動レバーの中立位置は、車体本体の左右方向の傾斜姿勢に影響を与えない程度に、前記第2揺動レバーが前記第2中央揺動軸線回りに揺動している状態の前記第2揺動レバーの位置も含む。
[キャスター式]
本明細書において、キャスター式の車輪とは、上下方向に延びる旋回軸線を中心として、車体本体または該車体本体に支持された部材に対して回転可能な車輪を意味する。
[障害物]
本明細書において、障害物とは、車両の左前車輪または右前車輪が前記車両の進行方向に乗り上げた際に、前記左前車輪または前記右前車輪の上下方向の位置を変化させるように、路面上に配置され、または、路面と一体で形成された対象物を意味する。前記障害物は、路面上に配置された対象物だけでなく、路面に形成された凸部、路面に形成された凹部の周縁部、路面の段差などを含む。なお、前記路面は、車両が走行可能な走行面を意味する。
[段差]
本明細書において、段差とは、車両が走行する路面において、上下方向の高さが段状に変化する部分を意味する。前記段差は、車両が走行する路面において、例えば縁石のように、前記路面の他の部分に対して段状に高い部分だけでなく、例えば窪みのように、前記路面の他の部分に対して段状に低い部分も含む。
本発明の一実施形態によれば、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪とを備えた車両において、車体本体の下に位置し且つ4つの車輪の間に形成される下部空間の自由度を高めるとともに、前記車両の旋回中に前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の横揺れを防止可能な構成を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る車両の全体構成を模式的に示す左側面図である。 図2は、車両を前から見た場合の車両前部の構成を模式的に示す正面図である。 図3は、キャスター式の左前車輪及び右前車輪の一例を上から見た模式図である。 図4は、左前車輪及び右前車輪をタイロッドで連結した場合の構成の一例を上から見た模式図である。 図5は、車両の左前車輪が右前車輪よりも上に位置する場合のリンク機構の動作を模式的に示す図2相当図である。 図6は、車両の右前車輪が左前車輪よりも上に位置する場合のリンク機構の動作を模式的に示す図2相当図である。 図7は、実施形態2に係る車両の全体構成を示す斜視図である。 図8は、車両を前から見た場合の前車輪と後車輪との位置関係を模式的に示す図である。 図9は、車輪が段差から受ける力を模式的に示す図である。 図10は、実施形態3に係る車両の全体構成を示す斜視図である。 図11は、実施形態1に係る車両の正面図及び左側面図を並べて示す図である。 図12は、実施形態4に係る車両の全体構成を模式的に示す左側面図である。 図13は、車両を前から見た場合の車両前部の構成を模式的に示す正面図である。 図14は、車両の左前車輪が右前車輪よりも上に位置する場合のリンク機構の動作を模式的に示す正面図である。 図15は、車両の右前車輪が左前車輪よりも上に位置する場合のリンク機構の動作を模式的に示す正面図である。 図16は、前車輪が段差に接触する際に、前車輪を前車輪調整機構及びリンク機構によって移動させる様子を模式的に示す図である。 図17は、実施形態5に係る車両の全体構成を示す斜視図である。 図18は、実施形態5に係る車両の図16相当図である。 図19は、実施形態6に係る車両の全体構成を示す斜視図である。 図20は、その他の実施形態に係る車両の図13相当図である。 図21は、その他の実施形態に係る車両の図13相当図である。 図22は、(a)実施形態の一例に係る車両、(b)特許文献1,2に開示されている車両、を、それぞれ、上から見た図、各車両の右前車輪が障害物に乗り上げた状態を上から見た図及び前から見た図であり、(c)特許文献3に開示されている車両の概略構成を上から見た図である。 図23は、図22(b)に示す車両の右前車輪が障害物に乗り上げた際の左右前車輪の動作を前から見た模式図である。
以下で、実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
以下、図中の矢印Fは、車両1の前方向を示す。図中の矢印Bは、車両1の後方向を示す。図中の矢印Uは、車両1の上方向を示す。図中の矢印Dは、車両1の下方向を示す。図中の矢印Rは、車両1の右方向を示す。図中の矢印Lは、車両1の左方向を示す。以下の説明では、車両1の進行方向を前方向とする。よって、車両1の前後方向、左右方向及び上下方向は、それぞれ、車両1の操縦者が車両1の前方向(進行方向)を向いた状態での前後、左右及び上下の各方向を意味する。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、実施形態1に係る車両1の構成を模式的に示す図である。図2は、車両1を前から見た場合の車両前部の構成を模式的に示す図である。車両1は、車体本体2と、左右一対の前車輪3と、左右一対の後車輪4と、リンク機構5(車輪傾斜抑制機構)と、操作ハンドル6とを備える。本実施形態において、車両1は、4輪車である。左右一対の前車輪3は、リンク機構5を介して車体本体2に前後方向に回転可能に支持されている。左右一対の後車輪4は、車体本体2に前後方向に回転可能に支持されている。操作ハンドル6は、車体本体2に接続されている。車両1の各構成の詳細は、後述する。
車両1は、操縦者が操作ハンドル6を介して車体本体2に対し、前に力を加えることにより、前進する。車両1は、操縦者が操作ハンドル6を介して車体本体2に対し、後ろに力を加えることにより、後進する。車両1は、操縦者が操作ハンドル6を介して車体本体2に対し、左に旋回する力を加えることにより、左に旋回する。車両1は、操縦者が操作ハンドル6を介して車体本体2に対し、右に旋回する力を加えることにより、右に旋回する。
すなわち、車両1は、駆動源を有していない。また、車両1は、操作ハンドル6によって左右一対の前車輪3及び左右一対の後車輪4の少なくとも一方を操舵する操舵機構を有していない。
左右一対の前車輪3は、左前車輪31と、右前車輪32とを含む。左前車輪31は、後述するリンク機構5の左サイド部材53の下端部に、上下方向に延びる左旋回軸線PLを中心として回転可能に支持されている。具体的には、左サイド部材53の下端部には、左サイド部材53に対して左旋回軸線PLを中心として回転可能な左前車輪支持部55が設けられている。左前車輪31及び左前車輪支持部55の回転角度範囲は、360度であってもよいし、360度よりも小さい範囲であってもよい。左前車輪31は、左前車輪支持部55に対し、路面に対して平行に延びる左前車輪回転軸線P31を中心として回転可能に支持されている。
右前車輪32は、後述するリンク機構5の右サイド部材54の下端部に、上下方向に延びる右旋回軸線PRを中心として回転可能に支持されている。具体的には、右サイド部材54の下端部には、右サイド部材54に対して右旋回軸線PRを中心として回転可能な右前車輪支持部56が設けられている。右前車輪32及び右前車輪支持部56の回転角度範囲は、360度であってもよいし、360度よりも小さい範囲であってもよい。右前車輪32は、右前車輪支持部56に対し、路面に対して平行に延びる右前車輪回転軸線P32を中心として回転可能に支持されている。左前車輪31及び右前車輪32は、左右方向に並んで位置する。
左前車輪31及び右前車輪32は、それぞれ独立して旋回軸線(左旋回軸線PL、右旋回軸線PR)を中心として回転するキャスター式であってもよい。左前車輪31と右前車輪32とがタイロッド60によって連結されていてもよい。
図3に、キャスター式の左前車輪31及び右前車輪32の一例を上から見た図を示す。なお、図3では、車体本体2等の記載を省略して、キャスター式の左前車輪31及び右前車輪32の構成のみを示す。図3において、左前車輪31が左旋回軸線PLを中心として回転する様子、及び、右前車輪32が右旋回軸線PRを中心として回転する様子を、それぞれ、一点鎖線で示す。
左前車輪31は、左前車輪支持部55を介して、左サイド部材53に左旋回軸線PLを中心として回転可能に支持されている。具体的には、左前車輪支持部55は、路面に対して平行に延びる左前車輪回転軸線P31を中心として左前車輪31を回転可能に支持している。左前車輪支持部55は、左サイド部材53に、左旋回軸線PLを中心として回転可能に支持されている。左旋回軸線PLは、車両1の前後方向において、左前車輪回転軸線P31とは異なる位置に位置する。図3に示す例では、左旋回軸線PLは、車両1の前後方向において、左前車輪回転軸線P31よりも前に位置する。また、図3に示す例では、左前車輪支持部55は、左前車輪回転軸線P31の軸線方向において左前車輪31を挟み込むようにU字状に形成されている。
なお、一対の左前車輪31の間に棒状の左前車輪支持部が配置されていてもよい。また、1つの左前車輪31が、棒状の左前車輪支持部によって、左前車輪回転軸線P31を中心として回転可能に支持されていてもよい。
右前車輪32は、右前車輪支持部56を介して、右サイド部材54に右旋回軸線PRを中心として回転可能に支持されている。具体的には、右前車輪支持部56は、路面に対して平行に延びる右前車輪回転軸線P32を中心として右前車輪32を回転可能に支持している。右前車輪支持部56は、右サイド部材54に、右旋回軸線PRを中心として回転可能に支持されている。右旋回軸線PRは、車両1の前後方向において、右前車輪回転軸線P32とは異なる位置に位置する。図3に示す例では、右旋回軸線PRは、車両1の前後方向において、右前車輪回転軸線P32よりも前に位置する。また、図3に示す例では、右前車輪支持部56は、右前車輪回転軸線P32の軸線方向において右前車輪32を挟み込むようにU字状に形成されている。
なお、一対の右前車輪32の間に棒状の右前車輪支持部が配置されていてもよい。また、1つの右前車輪32が、棒状の右前車輪支持部によって、右前車輪回転軸線P32を中心として回転可能に支持されていてもよい。
図4に、タイロッド60によって左右方向に連結された左前車輪31及び右前車輪32の一例を示す。タイロッド60は、中間ジョイント回転軸部61a、左ジョイント回転軸部62a及び右ジョイント回転軸部63aを介して、中間ジョイント61、左ジョイント62及び右ジョイント63に連結されている。
タイロッド60及び中間ジョイント61は、中間ジョイント61の前部に設けられた中間ジョイント回転軸部61aを中心として相対回転可能である。タイロッド60及び左ジョイント62は、左ジョイント62の前部に設けられた左ジョイント回転軸部62aを中心として相対回転可能である。タイロッド60及び右ジョイント63は、右ジョイント63の前部に設けられた右ジョイント回転軸部63aを中心として相対回転可能である。
左ジョイント62は、左前車輪31を支持する左前車輪支持部55に接続されている。左前車輪支持部55は、左サイド部材53に左旋回軸線PLを中心として回転可能に支持されている。右ジョイント63は、右前車輪32を支持する右前車輪支持部56に接続されている。右前車輪支持部56は、右サイド部材54に右旋回軸線PRを中心として回転可能に支持されている。
なお、特に図示しないが、中間ジョイント61には、車両1の操縦者が操舵可能な操舵部材が接続されている。車両1の操縦者は、前記操舵部材を操舵することにより、左前車輪31及び右前車輪32の回転方向を操作する。
具体的には、車両1の操縦者が図示しない操舵部材を操作すると、前記操舵部材が接続された中間ジョイント61は、その後部を中心として左右方向に回転する。以下では、タイロッド60を上から見て、前記操舵部材の操作によって中間ジョイント61がその後部を中心として反時計回りに回転した場合について説明する。
図4に示すように、前記操舵部材の操作によって中間ジョイント61が回転することにより、タイロッド60は、左方向に移動する。このようなタイロッド60の移動によって、タイロッド60を上から見て、左ジョイント62は、左ジョイント回転軸部62aを中心として時計方向に回転し、右ジョイント63は、右ジョイント回転軸部63aを中心として時計方向に回転する。これにより、左ジョイント62に接続された左前車輪支持部55は、左旋回軸線PLを中心として時計方向に回転し、右ジョイント63に接続された右前車輪支持部56は、右旋回軸線PRを中心として時計方向に回転する。
したがって、図4に一点鎖線で示すように、左前車輪31及び右前車輪32が右方向に回転する。特に説明しないが、タイロッド60を上から見て、前記操舵部材の操作によって中間ジョイントがその後部を中心として時計方向に回転した場合には、左前車輪31及び右前車輪32は左方向に回転する。
なお、路面に対して平行とは、左前車輪回転軸線P31が路面に対して完全に平行な状態に限らず、車体本体2の左右方向の傾斜姿勢に影響を与えない程度に、左前車輪回転軸線P31が路面に対して傾いている状態も含む。以下の各回転軸線に関する説明においても同様である。
図1に示すように、左右一対の後車輪4は、左後車輪41と、右後車輪42とを含む。左後車輪41は、車体本体2の後部に、路面に対して平行に延びる左後車輪回転軸線P41を中心として回転可能に支持されている。右後車輪42は、車体本体2の後部に、路面に対して平行に延びる右後車輪回転軸線P42を中心として回転可能に支持されている。左後車輪41及び右後車輪42は、左右方向に並んで位置する。左右一対の後車輪4は、車体本体2に対し、進行方向が前後方向になるように固定されている。
図1及び図2に示すように、車体本体2の下には、左前車輪31、右前車輪32、左後車輪41及び右後車輪42によって囲まれた下部空間Vが形成されている。この下部空間Vは、車両1がベビーカーの場合には、荷物を収納可能な空間であり、車両1がベビーカー以外の車両の場合には、部品を配置可能な空間である。
車体本体2は、左右一対の後車輪4を支持する車体フレーム21と、リンク機構5を支持するリンク機構支持部22とを有する。
車体フレーム21は、リンク機構支持部22及び左右一対の後車輪4を支持する。車体フレーム21は、例えば、パイプ状の部材によって構成される。車体フレーム21は、板状の部材によって構成されてもよい。
リンク機構支持部22は、車体フレーム21の前に位置する。リンク機構支持部22は、上下方向に延びる部材である。本実施形態では、リンク機構支持部22は、例えば、パイプ状の部材によって構成される。リンク機構支持部22は、板状の部材によって構成されてもよい。
リンク機構支持部22は、車体フレーム21の前端部に接続されている。これにより、リンク機構支持部22は、車体フレーム21の前端部に支持されている。なお、リンク機構支持部22は、車体フレーム21に対してどの位置で接続されていてもよい。
後述するように、リンク機構支持部22は、リンク機構5の上クロス部材51を、第1中央揺動軸線UIを中心として揺動可能に支持し、且つ、下クロス部材52を、第2中央揺動軸線DIを中心として揺動可能に支持する。
操作ハンドル6は、車体フレーム21に接続されている。操作ハンドル6は、車両1を前から見て、車体フレーム21から上に向かって延びている。特に図示しないが、操作ハンドル6は、上部に、操縦者が把持する把持部を有する。
リンク機構5は、車体本体2の前部に位置するリンク機構支持部22に、車両1を前から見て上下方向に揺動可能に支持されている。リンク機構5は、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構である。リンク機構5は、左右一対の前車輪3よりも上に位置する。
リンク機構5は、上クロス部材51(第1揺動レバー)と、下クロス部材52(第2揺動レバー)と、左サイド部材53(左前車輪支持体)と、右サイド部材54(右前車輪支持体)とを含む。
上クロス部材51は、左右方向に延びている。上クロス部材51の左右方向の中央部は、リンク機構支持部22に対し、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。第1中央揺動軸線UIは、前後方向に延びている。
上クロス部材51は、リンク機構支持部22よりも前に位置していてもよいし、リンク機構支持部22よりも後ろに位置していてもよい。上クロス部材51は、リンク機構支持部22に対して前及び後ろの両方に位置していてもよい。
下クロス部材52は、左右方向に延びている。下クロス部材52は、上クロス部材51よりも下に位置する。下クロス部材52の左右方向の中央部は、リンク機構支持部22に対し、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。第2中央揺動軸線DIは、前後方向に延びている。
下クロス部材52は、リンク機構支持部22よりも前に位置していてもよいし、リンク機構支持部22よりも後ろに位置していてもよい。下クロス部材52は、リンク機構支持部22に対して前及び後ろの両方に位置していてもよい。
左サイド部材53は、リンク機構支持部22の左に位置する。左サイド部材53は、リンク機構支持部22が延びる方向に延びている。すなわち、左サイド部材53は、リンク機構支持部22に対して平行である。本実施形態では、左サイド部材53は、上下方向に延びている。
なお、平行とは、部材同士が完全に平行な場合だけでなく、部材同士がリンク機構5の動作に影響を与えない程度に傾いている状態も含む。
右サイド部材54は、リンク機構支持部22の右に位置する。右サイド部材54は、リンク機構支持部22が延びる方向に延びている。すなわち、右サイド部材54は、リンク機構支持部22に対して平行である。本実施形態では、右サイド部材54は、上下方向に延びている。
以上の構成により、左サイド部材53、リンク機構支持部22及び右サイド部材54は、互いに平行である。
上クロス部材51の左端部は、左サイド部材53に対し、第1左揺動軸線UL回りに揺動可能に接続されている。第1左揺動軸線ULは、前後方向に延びている。第1左揺動軸線ULは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材52の左端部は、左サイド部材53に対し、第2左揺動軸線DL回りに揺動可能に接続されている。第2左揺動軸線DLは、前後方向に延びている。第2左揺動軸線DLは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
上クロス部材51の右端部は、右サイド部材54に対し、第1右揺動軸線UR回りに揺動可能に接続されている。第1右揺動軸線URは、前後方向に延びている。第1右揺動軸線URは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材52の右端部は、右サイド部材54に対し、第2右揺動軸線DR回りに揺動可能に接続されている。第2右揺動軸線DRは、前後方向に延びている。第2右揺動軸線DRは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、互いに平行に延びている。第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、左前車輪31及び右前車輪32よりも上に位置する。
上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53及び右サイド部材54は、上クロス部材51と下クロス部材52とが相互に平行な姿勢を保ち、且つ、左サイド部材53と右サイド部材54とが相互に平行な姿勢を保つように、車体本体2に支持されている。すなわち、上述のように、上クロス部材51及び下クロス部材52がリンク機構支持部22に対して回転可能に支持されている。また、左サイド部材53及び右サイド部材54は、車体本体2に対し、上下方向に移動する。
リンク機構5の形状は、左前車輪31または右前車輪32の上下方向への移動によって、変化する。すなわち、リンク機構5は、リンク機構5の作動によって、形状が変化する。図2に示すように、リンク機構5が作動していない場合には、車両1を前から見て、リンク機構5は長方形状である。一方、図5及び図6に示すように、リンク機構5が作動している場合には、車両1を前から見て、リンク機構5は平行四辺形状である。すなわち、リンク機構5の作動によって、車両1を前から見たときのリンク機構5の形状は変化する。なお、図11は、図1及び図5を並べて示す図である。
リンク機構5の変形は、車両1を前から見て、リンク機構支持部22に対し、上クロス部材51及び下クロス部材52がそれぞれ第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIを中心として回転し、且つ、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53及び右サイド部材54がそれぞれ第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRを中心として回転することにより、生じる。
例えば、図5に示すように、左前車輪31が路面の段差などの障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、左前車輪31を支持する左サイド部材53は、リンク機構支持部22に対して上に移動する。このように左サイド部材53が上に移動すると、上クロス部材51は、第1中央揺動軸線UIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両1を前から見て反時計回りに回転する。このとき、下クロス部材52も、第2中央揺動軸線DIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両1を前から見て反時計回りに回転する。図5に、上クロス部材51及び下クロス部材52の回転方向を実線矢印で示す。
上述のように上クロス部材51及び下クロス部材52が回転する際にも、上クロス部材51と下クロス部材52とは平行状態を維持し、且つ、左サイド部材53及び右サイド部材54も平行状態を維持する。これにより、リンク機構5の形状は、長方形から平行四辺形に変化する。
同様に、例えば、図6に示すように、右前車輪32が路面の段差などの障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、右前車輪32を支持する右サイド部材54は、リンク機構支持部22に対して上に移動する。このように右サイド部材54が上に移動すると、上クロス部材51は、第1中央揺動軸線UIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両1を前から見て時計回りに回転する。このとき、下クロス部材52も、第2中央揺動軸線DIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両1を前から見て時計回りに回転する。図6に、上クロス部材51及び下クロス部材52の回転方向を実線矢印で示す。
上述のように上クロス部材51及び下クロス部材52が回転する際にも、上クロス部材51と下クロス部材52とは平行状態を維持し、且つ、左サイド部材53及び右サイド部材54も平行状態を維持する。これにより、リンク機構5の形状は、長方形から平行四辺形に変化する。
上述のようなリンク機構5の作動時において、左前車輪31及び右前車輪32は、左右方向に傾くことなく、上下方向の相対位置が変化する。左前車輪31及び右前車輪32は、リンク機構5の作動時にも、車体本体2に対して直立状態で維持される。
なお、左後車輪41及び右後車輪42も、リンク機構5の作動時に、車体本体2に対して直立状態で維持される。
このように、リンク機構5の作動時であっても、左前車輪31、右前車輪32、左後車輪41及び右後車輪42は、車体本体2に対して直立状態で維持される。よって、車体本体2は、平坦な路面上において、車両1の停車中に自立し且つ旋回中に傾斜しない。このように、リンク機構5は、左前車輪31または右前車輪32が車体本体2に対して上下方向に変位した際に、左前車輪31及び右前車輪32が左右方向に傾斜しないように変形する車輪傾斜抑制機構として機能する。
以上のような本実施形態の車両1の構成により、車両1が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪31が左旋回軸線PLを中心として回転し且つ右前車輪32が右旋回軸線PRを中心として回転した状態で左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、車両1の車体本体2は、左右方向に横揺れを生じない。
図22(a)に、本実施形態の車両の一例の概略構成を示す。図22(a)のうち一番上に位置する図が、車両1の左右前車輪31,32が旋回軸線PL,PRを中心としてそれぞれ回転する様子を模式的に示す図である。図22(a)のうち上から二番目の図が、車両1の右前車輪32が障害物Xに対して車両1の進行方向に乗り上げた状態を上から見た図である。図22(a)のうち一番下の図が、図22(a)の状態の車両1の左右前車輪31,32を前から見た図である。なお、図22(a)において、符号Mは、車両1の重心である。
図22(a)に示すように、本実施形態の車両1では、車両1が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪31が左旋回軸線PLを中心として回転し且つ右前車輪32が右旋回軸線PRを中心として回転した状態で左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた場合、リンク機構5によって、前記一方の車輪が左右方向に傾くことなく上に移動する。よって、このように左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた場合でも、左右前車輪31,32は車体本体2に対して直立状態で維持され、且つ、車体本体2及び旋回軸線PL,PRは傾斜しない。
また、本実施形態の車両1では、上述のように車両1が左方向または右方向に旋回する際に左前車輪31は上下方向に延びる左旋回軸線PLを中心として回転し、右前車輪32は上下方向に延びる右旋回軸線PRを中心として回転する。そのため、図22(a)、(c)に示すように、左前車輪31及び右前車輪32の前後方向の変位量は、特許文献3に開示されている車両2001における左前車輪2031及び右前車輪2032の前後方向の変位量に比べて少ない。
しかも、上述のように左前車輪31及び右前車輪32は、リンク機構5によって直立状態で維持された状態で上下方向に変位する。よって、左前車輪31と右前車輪32との左右方向の間隔は、車両1が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪31が上下方向に延びる左旋回軸線PLを中心として回転し且つ右前車輪32が上下方向に延びる右旋回軸線PRを中心として回転した状態で左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた場合でも、特許文献1、2に開示されている車両に比べて狭くなりにくい。
よって、本実施形態の構成により、車体本体2の下に位置する下部空間Vの位置及び大きさが、車両1の旋回時、または、車両1の旋回時で且つ左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた場合に、左前車輪31及び右前車輪32と干渉しないように制限されるのを防止できる。したがって、車体本体2の下に位置し且つ4つの車輪31,32,41,42の間に形成される下部空間Vの自由度を高めることができる。
以上より、下部空間Vの自由度を高めるとともに、車両1の旋回中に左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物Xに対して進行方向に乗り上げた際の車体本体2の横揺れを防止可能な車両1が得られる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る車両101の概略構成を示す斜視図である。この車両101では、リンク機構105の左サイド部材153及び右サイド部材154は、それぞれ、上部が下部よりも後ろに位置するように上下方向且つ前後方向に延びている点で、実施形態1の車両1とは異なる。以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
車両101は、車体本体102と、左右一対の前車輪3と、左右一対の後車輪4と、リンク機構105と、操作ハンドル106と、シート108とを有する。
シート108は、車体本体102によって支持されている。シート108は、例えば、乳幼児等が着座可能なバケットタイプのシートである。車両101は、例えば、乳幼児等を載せるためのベビーカーである。なお、シートは、バゲットタイプ以外の形状であってもよい。
車体本体102は、左右一対の後車輪4を支持する車体フレーム121と、リンク機構105を支持するリンク機構支持部122とを有する。車体本体102の下には、左右一対の前車輪3と左右一対の後車輪4とに囲まれるように下部空間Vが設けられている。この下部空間Vには、例えば荷物や部品が収容される。
車体フレーム121は、リンク機構支持部122及び左右一対の後車輪4を支持する。車体フレーム121は、例えば、パイプ状の部材によって構成される。
車体フレーム121は、左メインフレーム121aと、右メインフレーム121bと、下接続フレーム121cと、上接続フレーム121eとを有する。
左メインフレーム121aは、車両101を前から見て上下方向に延びる部材である。左メインフレーム121aは、下端部で、左後車輪41を、左後車輪回転軸線P41を中心として回転可能に支持する。右メインフレーム121bは、車両101を前から見て上下方向に延びる部材である。右メインフレーム121bは、下端部で、右後車輪42を、右後車輪回転軸線P42を中心として回転可能に支持する。
左メインフレーム121a及び右メインフレーム121bには、それぞれ、操作ハンドル106が接続されている。操作ハンドル106は、左メインフレーム121a及び右メインフレーム121bから、それぞれ、後ろに向かうほど上に位置するように上方向で且つ後方向に延びている。なお、図7において、符号106aは、把持部である。
下接続フレーム121c及び上接続フレーム121eは、それぞれ、左右方向に延びる部材である。下接続フレーム121c及び上接続フレーム121eは、それぞれ、左メインフレーム121aと右メインフレーム121bとを左右方向に接続する。上接続フレーム121eは、下接続フレーム121cよりも上に位置する。下接続フレーム121cは、補強フレーム121dによって、リンク機構支持部122の下部に接続されている。上接続フレーム121eは、リンク機構支持部122の上端部を支持する。
リンク機構支持部122は、車体フレーム121の前に位置する。リンク機構支持部122は、上下方向に延びる部材である。リンク機構支持部122の上端部は、上接続フレーム121eの左右方向の中央部に接続されている。本実施形態では、リンク機構支持部122は、例えば、パイプ状の部材によって構成される。リンク機構支持部122は、板状の部材によって構成されてもよい。
後述するように、リンク機構支持部122は、リンク機構5の上クロス部材51を、第1中央揺動軸線UIを中心として揺動可能に支持し、且つ、下クロス部材52を、第2中央揺動軸線DIを中心として揺動可能に支持する。
リンク機構105(車輪傾斜抑制機構)は、上クロス部材151(第1揺動レバー)と、下クロス部材152(第2揺動レバー)と、左サイド部材153(左前車輪支持体)と、右サイド部材154(右前車輪支持体)とを含む。実施形態1と同様、リンク機構105は、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構である。リンク機構105は、左右一対の前車輪3よりも上に位置する。
リンク機構105は、実施形態1のリンク機構5と配置以外は同様の構成を有する。そのため、リンク機構105の詳しい構成の説明は省略する。
リンク機構支持部122は、上部が下部よりも後ろに位置するように上下方向且つ前後方向に延びている。左サイド部材153及び右サイド部材154も、それぞれ、上部が下部よりも後ろに位置するように上下方向且つ前後方向に延びている。すなわち、本実施形態でも、実施形態1と同様、左サイド部材153、右サイド部材154及びリンク機構支持部122は、平行である。
上クロス部材151は、左右方向に延びている。上クロス部材151の左右方向の中央部は、リンク機構支持部122に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。第1中央揺動軸線UIは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。
下クロス部材152は、左右方向に延びている。下クロス部材152の左右方向の中央部は、リンク機構支持部122に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。第2中央揺動軸線DIは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。
上クロス部材151の左端部は、左サイド部材153に対し、第1左揺動軸線UL回りに揺動可能に接続されている。第1左揺動軸線ULは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第1左揺動軸線ULは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材152の左端部は、左サイド部材153に対し、第2左揺動軸線DL回りに揺動可能に接続されている。第2左揺動軸線DLは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第2左揺動軸線DLは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
上クロス部材151の右端部は、右サイド部材154に対し、第1右揺動軸線UR回りに揺動可能に接続されている。第1右揺動軸線URは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第1右揺動軸線URは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材152の右端部は、右サイド部材154に対し、第2右揺動軸線DR回りに揺動可能に接続されている。第2右揺動軸線DRは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第2右揺動軸線DRは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
実施形態1と同様、第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、互いに平行に延びている。第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、左前車輪31及び右前車輪32よりも上に位置する。
実施形態1と同様、上クロス部材151、下クロス部材152、左サイド部材153及び右サイド部材154は、上クロス部材151と下クロス部材152とが相互に平行な姿勢を保ち、且つ、左サイド部材153と右サイド部材154とが相互に平行な姿勢を保つように、車体本体102に支持されている。すなわち、上述のように、上クロス部材151及び下クロス部材152がリンク機構支持部122に対して回転可能に支持されている。また、左サイド部材153及び右サイド部材154は、車体本体102に対し、車両101を前から見て上下方向に移動する。
リンク機構105の形状及び動作は、実施形態1のリンク機構5の形状及び動作と同様である。よって、リンク機構105の形状及び動作に関する詳しい説明は、省略する。
左前車輪31は、リンク機構105の左サイド部材153の下端部に接続された左前車輪支持部155に、路面に対して平行に延びる左前車輪回転軸線P31を中心として回転可能に支持されている。右前車輪32は、リンク機構105の右サイド部材154の下端部に接続された右前車輪支持部156に、路面に対して平行に延びる右前車輪回転軸線P32を中心として回転可能に支持されている。
左前車輪支持部155は、左サイド部材153に、上下方向に延びる左旋回軸線WLを中心として回転可能に支持されている。これにより、左前車輪31は、左旋回軸線WLを中心として回転可能である。すなわち、左前車輪31は、キャスター式の車輪である。左前車輪31の回転角度範囲は、360度であってもよいし、360度よりも小さい範囲であってもよい。なお、左前車輪支持部155は、左前車輪回転軸線P31の軸線方向において左前車輪31を挟み込むようにU字状に形成されている。一対の左前車輪31の間に棒状の左前車輪支持部が配置されていてもよい。また、1つの左前車輪31が、棒状の左前車輪支持部によって、左前車輪回転軸線P31を中心として回転可能に支持されていてもよい。
右前車輪支持部156は、右サイド部材154に、上下方向に延びる右旋回軸線WRを中心として回転可能に支持されている。これにより、右前車輪32は、右旋回軸線WRを中心として回転可能である。すなわち、右前車輪32は、キャスター式の車輪である。右前車輪32の回転角度範囲は、360度であってもよいし、360度よりも小さい範囲であってもよい。なお、右前車輪支持部156は、右前車輪回転軸線P32の軸線方向において右前車輪32を挟み込むようにU字状に形成されている。一対の右前車輪32の間に棒状の右前車輪支持部が配置されていてもよい。また、1つの右前車輪32が、棒状の右前車輪支持部によって、右前車輪回転軸線P32を中心として回転可能に支持されていてもよい。
なお、左前車輪支持部155と右前車輪支持部156とは、接続されていてもよい。すなわち、左前車輪支持部155及び右前車輪支持部156は、一体で回転してもよい。左前車輪支持部155と右前車輪支持部156とが、実施形態1と同様の構成を有するタイロッドによって連結されていてもよい。
図8に示すように、本実施形態では、車両101を前から見て、左前車輪31は、リンク機構105の第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも左後車輪41の近くに位置する。すなわち、車両101を前から見て、左前車輪31の左右方向中央と左後車輪41の左右方向中央との左右方向の距離X1は、左前車輪31の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離X2よりも小さい。
本実施形態では、車両101を前から見て、左前車輪31の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離X2は、左後車輪41の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離X1+X2よりも小さい。
なお、車両101を前から見て、左前車輪31の左右方向中央と左後車輪41の左右方向中央との左右方向の距離X1は、左前車輪31の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離X2と同じでもよい。
同様に、車両101を前から見て、右前車輪32は、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも右後車輪42の近くに位置する。すなわち、車両101を前から見て、右前車輪32の左右方向中央と右後車輪42の左右方向中央との左右方向の距離Y1は、右前車輪32の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離Y2よりも小さい。
本実施形態では、車両101を前から見て、右前車輪32の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離Y2は、右後車輪42の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離Y1+Y2よりも小さい。
なお、車両101を前から見て、右前車輪32の左右方向中央と右後車輪42の左右方向中央との左右方向の距離Y1は、右前車輪32の左右方向中央と第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIとの左右方向の距離Y2と同じでもよい。
すなわち、リンク機構105は、車両101を前から見て、車両101の左右方向において、左前車輪31が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも左後車輪41の近くに位置し、且つ、右前車輪32は、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも右後車輪42の近くに位置するように構成されている。よって、車両101を前から見て、車両101の左右方向において、左前車輪31を左後車輪41に近づけることができるとともに、右前車輪32を右後車輪42に近づけることができる。
ところで、車両101の左前車輪31または右前車輪32が段差等を乗り越える際には、リンク機構105の動作によって、左前車輪31及び右前車輪32の左右方向の間隔が変化する。これに対し、左前車輪31及び右前車輪32を上述のように配置することによって、左前車輪31が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIに近い場合及び右前車輪32が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIに近い場合に比べて、左前車輪31または右前車輪32が段差等を乗り越える際にリンク機構105の動作に起因して生じる、左前車輪31及び右前車輪32の左右方向の間隔の変化が抑制される。
以上のような本実施形態の構成により、車両101を前から見て、左前車輪31が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIに近い場合及び右前車輪32が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIに近い場合に比べて、左右方向の横揺れに強い車両を実現できる。
本実施形態では、既述のように、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIが、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。そのため、図9に示すように、例えば、左前車輪31が路面Gの段差S(障害物)に接触した際に受ける力を、左右方向の力ではなく、上方向且つ後方向(図中の白抜き矢印)の力に変化することができる。
これにより、路面から左前車輪31または右前車輪32に入力された力は、左右方向の力に変換されることを抑制されて、上方向且つ後ろ方向の力に変換される。よって、車体本体102に、左前車輪31及び右前車輪32が左右方向に傾く力が作用することを防止できる。
しかも、以上のような本実施形態の車両101の構成により、車両101が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪31が左旋回軸線PLを中心として回転し且つ右前車輪32が右旋回軸線PRを中心としてそれぞれ回転した状態で左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、車両101の車体本体102は、左右方向に横揺れを生じない。
また、本実施形態の車両101も、実施形態1の車両1と同様、上述のように車両101が左方向または右方向に旋回する際に、左前車輪31は上下方向に延びる左旋回軸線PLを中心として回転し、右前車輪32は上下方向に延びる右旋回軸線PRを中心として回転する。そのため、左前車輪31及び右前車輪32の前後方向の変位量は、特許文献3に開示されている車両における前記前後方向の変位量に比べて少ない。
また、上述のように左前車輪31及び右前車輪32は、リンク機構105によって直立状態で維持された状態で上下方向に変位する。よって、左前車輪31と右前車輪32との左右方向の間隔は、車両101が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪31が上下方向に延びる左旋回軸線PLを中心として回転し且つ右前車輪32が上下方向に延びる右旋回軸線PRを中心として回転した状態で左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合でも、特許文献1,2に開示されている車両に比べて狭くなりにくい。
このように、本実施形態の構成により、車体本体102の下に位置する下部空間Vの位置及び大きさが、車両101の旋回時、または、車両101の旋回時で且つ左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合に、左前車輪31及び右前車輪32と干渉しないように制限されるのを防止できる。したがって、車体本体102の下に位置し且つ4つの車輪31,32,41,42の間に形成される下部空間Vの自由度を高めることができる。
以上より、本実施形態でも、実施形態1と同様の効果が得られる。すなわち、下部空間Vの自由度を高めるとともに、車両101の旋回中に左前車輪31及び右前車輪32のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の車体本体102の横揺れを防止可能な車両101が得られる。
しかも、路面から左前車輪31または右前車輪32に入力された力の向きは、左サイド部材153、右サイド部材154及びリンク機構支持部122の延びる方向と同じである。そのため、左サイド部材153、右サイド部材154及びリンク機構支持部122が変形するのを抑制できる。これにより、左前車輪31または右前車輪32は、路面Gの段差Sを容易に乗り越えることができる。
以上のような本実施形態の構成により、凹凸のある路面と車輪との接触状態を維持しつつ、車体本体102に作用する力をさらに抑制することができる。
本実施形態では、上クロス部材151は、車体本体102に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。下クロス部材152は、車体本体102に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。
なお、前記付勢部材は、例えば、コイルスプリング、板バネ、ゴムなどのように弾性復元力を生じる部材であってもよいし、アクチュエータなどのように駆動力を付与する構成部品であってもよい。
これにより、付勢部材によって上クロス部材151及び下クロス部材152を中立位置に戻す動作が生じないため、上クロス部材151及び下クロス部材152の揺れに起因する車両101の揺れを低減できる。すなわち、凹凸のある路面に対する左前車輪31及び右前車輪32の追従性を向上できる。
また、上述の構成により、上クロス部材151及び下クロス部材152をスムーズに動作させることができる。これにより、左前車輪31及び右前車輪32が路面から受ける力が、車体本体102に伝わるのを抑制できる。
したがって、上述の構成により、凹凸のある路面と車輪との接触状態を維持しつつ、車体本体102に作用する力をさらに抑制することができる。しかも、付勢部材が不要になるため、リンク機構105の部品点数を低減することができる。
[実施形態3]
図10は、実施形態3に係る車両201の概略構成を示す図である。この車両201は、荷台221の前部に、リンク機構205を介して左右一対の前車輪203が設けられている点で、実施形態2の車両101とは異なる。以下では、実施形態1、2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1、2と異なる構成についてのみ説明する。
図10に示すように、車両201は、車体本体202と、左右一対の前車輪203と、左右一対の後車輪204と、リンク機構205と、操作ハンドル206とを有する。車両201は、例えば、車体本体202の後述する荷台221上に載置された荷物などを運搬可能な台車である。
車体本体202は、荷物などを載置可能な荷台221と、リンク機構205を支持するリンク機構支持部222とを有する。車体本体202の下には、左右一対の前車輪203と左右一対の後車輪204とに囲まれるように下部空間Vが設けられている。この下部空間Vには、例えば部品が収容される。
荷台221は、平面視で長方形状の板状部材である。荷台221の後部の下部には、左右一対の後車輪204が設けられている。左右一対の後車輪204は、左後車輪241と、右後車輪242とを含む。左後車輪241は、荷台221の後部の下部における左部に設けられている。右後車輪242は、荷台221の後部の下部における右部に設けられている。荷台221が、車体本体202の車体フレームを構成する。
荷台221の後部の上部には、上に向かって延びるように操作ハンドル206が接続されている。操作ハンドル206は、車両201を前から見てU字状に形成されている。操作ハンドル206は、折曲部分が上に位置するように、荷台221の後部の上部に接続されている。
荷台221の前部には、左右一対の前車輪203を支持するリンク機構支持部222が設けられている。なお、荷台221の前部における左右端部には、リンク機構支持部222によって支持された左右一対の前車輪203が後述するように上下方向に移動した際に、左右一対の前車輪203と干渉するのを防止するために、切り欠き部221aが設けられている。
リンク機構支持部222は、車両201を前から見て、荷台221の前部の上部から上に向かって延びている。詳しくは、リンク機構支持部222は、上部が下部よりも後ろに位置するように、荷台221の前部から上方向で且つ後方向に向かって延びている。
リンク機構支持部222は、荷台221の左右方向の中央に固定されている。リンク機構支持部222は、リンク機構205の後述する上クロス部材251を、第1中央揺動軸線UIを中心として揺動可能に支持し、且つ、後述する下クロス部材252を、第2中央揺動軸線DIを中心として揺動可能に支持する。
リンク機構205(車輪傾斜抑制機構)は、上クロス部材251(第1揺動レバー)と、下クロス部材252(第2揺動レバー)と、左サイド部材253(左前車輪支持体)と、右サイド部材254(右前車輪支持体)とを含む。実施形態1、2と同様、リンク機構205は、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構である。リンク機構205は、左右一対の前車輪203よりも上に位置する。
リンク機構205は、実施形態1のリンク機構5と配置以外は同様の構成を有する。そのため、リンク機構205の詳しい構成の説明は省略する。
左サイド部材253及び右サイド部材254は、それぞれ、上部が下部よりも後ろに位置するように上下方向且つ前後方向に延びている。よって、本実施形態でも、実施形態1、2と同様、左サイド部材253、右サイド部材254及びリンク機構支持部222は、平行である。
上クロス部材251は、左右方向に延びている。上クロス部材251の左右方向の中央部は、リンク機構支持部222に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。第1中央揺動軸線UIは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。
下クロス部材252は、左右方向に延びている。下クロス部材252の左右方向の中央部は、リンク機構支持部222に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。第2中央揺動軸線DIは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。
上クロス部材251の左端部は、左サイド部材253に対し、第1左揺動軸線UL回りに揺動可能に接続されている。第1左揺動軸線ULは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第1左揺動軸線ULは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材252の左端部は、左サイド部材253に対し、第2左揺動軸線DL回りに揺動可能に接続されている。第2左揺動軸線DLは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第2左揺動軸線DLは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
上クロス部材251の右端部は、右サイド部材254に対し、第1右揺動軸線UR回りに揺動可能に接続されている。第1右揺動軸線URは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第1右揺動軸線URは、第1中央揺動軸線UIに対して平行である。
下クロス部材252の右端部は、右サイド部材254に対し、第2右揺動軸線DR回りに揺動可能に接続されている。第2右揺動軸線DRは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。第2右揺動軸線DRは、第2中央揺動軸線DIに対して平行である。
実施形態1と同様、第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、互いに平行に延びている。第1中央揺動軸線UI、第1左揺動軸線UL、第1右揺動軸線UR、第2中央揺動軸線DI、第2左揺動軸線DL及び第2右揺動軸線DRは、左前車輪231及び右前車輪232よりも上に位置する。
実施形態1と同様、上クロス部材251、下クロス部材252、左サイド部材253及び右サイド部材254は、上クロス部材251と下クロス部材252とが相互に平行な姿勢を保ち、且つ、左サイド部材253と右サイド部材254とが相互に平行な姿勢を保つように、車体本体202に支持されている。すなわち、上述のように、上クロス部材251及び下クロス部材252がリンク機構支持部222に対して回転可能に支持されている。また、左サイド部材253及び右サイド部材254は、車体本体202に対し、車両201を前から見て上下方向に移動する。
リンク機構205の形状及び動作は、実施形態1のリンク機構5及び実施形態2のリンク機構105における形状及び動作と同様である。よって、リンク機構205の形状及び動作に関する詳しい説明は、省略する。
左右一対の前車輪203は、左前車輪231及び右前車輪232を含む。左前車輪231は、リンク機構205の左サイド部材253に、上下方向に延びる左旋回軸線WLを中心として回転可能に支持されている。左前車輪231は、キャスター式の車輪である。右前車輪232は、リンク機構205の右サイド部材254に、上下方向に延びる右旋回軸線WRを中心として回転可能に支持されている。右前車輪232は、キャスター式の車輪である。左前車輪231及び右前車輪232の構成は、実施形態1の左前車輪31及び右前車輪32と同様であるため、左前車輪231及び右前車輪232の詳しい構成については説明を省略する。なお、左前車輪231と右前車輪232とがタイロッドによって連結されていてもよい。
以上より、本実施形態によれば、台車の構成を有する車両201も、リンク機構205によって左右一対の前車輪203を支持することにより、実施形態1,2と同様に、左右一対の前車輪203を直立状態で維持することができる。なお、本実施形態でも、左右一対の後車輪204は、車体本体202によって、直立状態で維持される。
これにより、車両201が凹凸のある路面を走行した場合でも、左前車輪231、右前車輪232、左後車輪241及び右後車輪242と路面との接触状態を維持しつつ、左前車輪231、右前車輪232、左後車輪241及び右後車輪242に、左右方向の力が加わることを抑制できる。よって、車体本体202に加わる力を抑制できる。
したがって、上述の構成により、凹凸のある路面と車輪との接触状態を維持しつつ、車体本体202に作用する力をさらに抑制することができる。
しかも、実施形態2と同様、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIが、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びているため、左前車輪231及び右前車輪232が路面から受ける力を、左右方向の力ではなく、上方向且つ後方向の力に変化することができる。
これにより、路面から左前車輪231または右前車輪232に入力された力は、左右方向の力に変換されることを抑制されて、上方向及び後方向の力に変換される。よって、車体本体202に、左前車輪231及び右前車輪232が左右方向に傾く力が作用することをより確実に防止できる。
しかも、以上のような本実施形態の車両201の構成により、車両201が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪231が左旋回軸線WLを中心として回転し且つ右前車輪232が右旋回軸線WRを中心としてそれぞれ回転した状態で左前車輪231及び右前車輪232のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、車両201の車体本体202は、左右方向に横揺れを生じない。
また、本実施形態の車両201も、実施形態1の車両1と同様、上述のように車両201が左方向または右方向に旋回する際に左前車輪231は上下方向に延びる左旋回軸線WLを中心として回転し、右前車輪232は上下方向に延びる右旋回軸線WRを中心として回転する。そのため、左前車輪231及び右前車輪232の前後方向の変位量は、特許文献3に開示されている車両における前記前後方向の変位量に比べて少ない。
また、上述のように左前車輪231及び右前車輪232はリンク機構205によって直立状態で維持された状態で上下方向に変位する。よって、左前車輪231と右前車輪232との左右方向の間隔は、車両201が左方向または右方向に旋回している際に、左前車輪231が上下方向に延びる左旋回軸線WLを中心として回転し且つ右前車輪232が上下方向に延びる右旋回軸線WRを中心として回転した状態で左前車輪231及び右前車輪232のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合でも、特許文献1,2に開示されている車両に比べて狭くなりにくい。
このように、本実施形態の構成により、車体本体202の下に位置する下部空間Vの位置及び大きさが、車両201の旋回時、または、車両201の旋回時で且つ左前車輪231及び右前車輪232のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合に、左前車輪231及び右前車輪232と干渉しないように制限されるのを防止できる。したがって、車体本体202の下に位置し且つ4つの車輪231,232,241,242の間に形成される下部空間Vの自由度を高めることができる。
以上より、下部空間Vの自由度を高めるとともに、車両201の旋回中に左前車輪231及び右前車輪232のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた際の車体本体202の横揺れを防止可能な車両201が得られる。
[実施形態4]
(全体構成)
図12は、実施形態4に係る車両301の構成を模式的に示す図である。図13は、車両301を前から見た場合の車両前部の構成を模式的に示す図である。以下の説明において、実施形態1の車両1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1の車両1と異なる部分についてのみ説明する。
車両301は、車体本体302と、左右一対の前車輪3と、左右一対の後車輪4と、リンク機構5(前車輪変位リンク機構)と、前車輪調整機構7とを備える。左右一対の前車輪3及び左右一対の後車輪4は、実施形態1と同様の構成であるため、詳しい説明を省略する。前車輪調整機構7は、一対の操作ハンドル70を含む。一対の操作ハンドル70は、車体本体302に接続されている。車両301の各構成の詳細は、後述する。
車両301は、操縦者が一対の操作ハンドル70を介して車体本体302に対し、前に力を加えることにより、前進する。車両301は、操縦者が一対の操作ハンドル70を介して車体本体302に対し、後ろに力を加えることにより、後進する。車両301は、操縦者が一対の操作ハンドル70を介して車体本体302に対し、左に旋回する力を加えることにより、左に旋回する。車両301は、操縦者が一対の操作ハンドル70を介して車体本体302に対し、右に旋回する力を加えることにより、右に旋回する。
すなわち、車両301は、駆動源を有していない。また、車両301は、一対の操作ハンドル70によって左右一対の前車輪3及び左右一対の後車輪4の少なくとも一方を操舵する操舵機構を有していない。
なお、左右一対の前車輪3は、左前車輪31と、右前車輪32とを含む。左前車輪31は、左前車輪支持部55によって、リンク機構5の左サイド部材53に対して左旋回軸線PLを中心として回転可能に支持されている。右前車輪32は、右前車輪支持部56によって、リンク機構5の右サイド部材54に対して右旋回軸線PRを中心として回転可能に支持されている。左右一対の後車輪4は、左後車輪41と、右後車輪42とを含む。これらの車輪31,32,41,42の構成は、実施形態1の構成と同様であるため、詳しい説明を省略する。
車体本体302は、左右一対の後車輪4を支持する車体フレーム21と、リンク機構5を支持するリンク機構支持部22とを有する。車体フレーム21及びリンク機構支持部22の構成は、実施形態1の構成と同様であるため、詳しい説明を省略する。車体本体302の下には、左右一対の前車輪3と左右一対の後車輪4とに囲まれるように下部空間Vが設けられている。この下部空間Vには、例えば荷物や部品が収容される。
一対の操作ハンドル70は、リンク機構5に接続されている。一対の操作ハンドル70は、車両301を前から見て、リンク機構5から上に向かって延びている。一対の操作ハンドル70は、左操作ハンドル71と、右操作ハンドル72とを含む。
左操作ハンドル71は、左操作ハンドルバー71aと、左把持部71bとを有する。本実施形態では、左操作ハンドルバー71a及び左把持部71bは、一体に構成されている。
左操作ハンドルバー71aは、リンク機構5における左サイド部材53の上端部から、左サイド部材53と連続するように左サイド部材53が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、左操作ハンドルバー71aは、左サイド部材53の上端部から上方向に向かって延びている。左操作ハンドルバー71aの下端部は、左サイド部材53の上端部に接続されている。なお、左操作ハンドルバーは、左サイド部材の上端部から、左サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。また、左操作ハンドルバー及び左サイド部材は、一体の部材であってもよい。
左把持部71bは、左操作ハンドルバー71aの上部から、左操作ハンドルバー71aの延伸方向と交差する方向に延びている。左把持部71bは、操縦者の左手によって把持される。
右操作ハンドル72は、右操作ハンドルバー72aと、右把持部72bとを有する。本実施形態では、右操作ハンドルバー72a及び右把持部72bは、一体に構成されている。
右操作ハンドルバー72aは、リンク機構5における右サイド部材54の上端部から、右サイド部材54と連続するように右サイド部材54が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、右操作ハンドルバー72aは、右サイド部材54の上端部から上方向に向かって延びている。右操作ハンドルバー72aの下端部は、右サイド部材54の上端部に接続されている。なお、右操作ハンドルバーは、右サイド部材の上端部から、右サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。また、右操作ハンドルバー及び右サイド部材は、一体の部材であってもよい。
右把持部72bは、右操作ハンドルバー72aの上部から、右操作ハンドルバー72aの延伸方向と交差する方向に延びている。右把持部72bは、操縦者の右手によって把持される。
リンク機構5は、車体本体302の前部に位置するリンク機構支持部22に、車両301を前から見て上下方向に揺動可能に支持されている。リンク機構5は、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構である。リンク機構5は、左右一対の前車輪3よりも上に位置する。リンク機構5の構成は、実施形態1の構成と同様であるため、リンク機構5の詳しい説明は省略する。
リンク機構5の左サイド部材53の上端部に接続されている左操作ハンドルバー71aは、上下方向のみに移動する。よって、左操作ハンドルバー71aは、車体本体302に対して直線的に移動する。すなわち、左操作ハンドル71は、車体本体302に対して直線的に変位するように設けられている。
同様に、リンク機構5の右サイド部材54の上端部に接続されている右操作ハンドルバー72aは、上下方向のみに移動する。よって、右操作ハンドルバー72aは、車体本体302に対して直線的に移動する。すなわち、右操作ハンドル72は、車体本体302に対して直線的に変位するように設けられている。
例えば、図14に示すように、左前車輪31が右前車輪32よりも上に位置する場合、左前車輪31を支持する左サイド部材53は、リンク機構支持部22に対して上に移動する。このように左サイド部材53が上に移動すると、上クロス部材51は、第1中央揺動軸線UIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両301を前から見て反時計回りに回転する。このとき、下クロス部材52も、第2中央揺動軸線DIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両301を前から見て反時計回りに回転する。
上述のように上クロス部材51及び下クロス部材52が回転する際にも、上クロス部材51と下クロス部材52とは平行状態を維持し、且つ、左サイド部材53及び右サイド部材54も平行状態を維持する。これにより、リンク機構5の形状は、長方形から平行四辺形に変化する。
同様に、例えば、図15に示すように、右前車輪32が左前車輪31よりも上に位置する場合、右前車輪32を支持する右サイド部材54は、リンク機構支持部22に対して上に移動する。このように右サイド部材54が上に移動すると、上クロス部材51は、第1中央揺動軸線UIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両301を前から見て時計回りに回転する。このとき、下クロス部材52も、第2中央揺動軸線DIを中心として、リンク機構支持部22に対して、車両301を前から見て時計回りに回転する。
上述のように上クロス部材51及び下クロス部材52が回転する際にも、上クロス部材51と下クロス部材52とは平行状態を維持し、且つ、左サイド部材53及び右サイド部材54も平行状態を維持する。これにより、リンク機構5の形状は、長方形から平行四辺形に変化する。
上述のようなリンク機構5の作動時において、左前車輪31及び右前車輪32は、左右方向に傾くことなく、上下方向の相対位置が変化する。左前車輪31及び右前車輪32は、リンク機構5の作動時にも、車体本体302に対して直立状態で維持される。
なお、左後車輪41及び右後車輪42も、リンク機構5の作動時に、車体本体302に対して直立状態で維持される。
本実施形態では、リンク機構5の左サイド部材53と前車輪調整機構7の左操作ハンドルバー71aとが接続されている。よって、操縦者が左操作ハンドル71を手で上(図14に白抜き矢印で示す方向)に持ち上げることで、リンク機構5の上クロス部材51及び下クロス部材52をリンク機構支持部22に対して揺動させることができる。これにより、左操作ハンドル71の操作によって、左サイド部材53を介して左前車輪31を上に移動させることができる。したがって、左前車輪31が例えば段差Sに接触する際に、図16に示すように左操作ハンドル71を上に持ち上げることにより、左前車輪31が段差Sに接触した際に受ける力を低減できる。
同様に、本実施形態では、リンク機構5の右サイド部材54と前車輪調整機構7の右操作ハンドルバー72aとが接続されている。よって、操縦者が右操作ハンドル72を手で上(図15に白抜き矢印で示す方向)に持ち上げることで、リンク機構5の上クロス部材51及び下クロス部材52をリンク機構支持部22に対して揺動させることができる。これにより、右操作ハンドル72の操作によって、右サイド部材54を介して右前車輪32を上に移動させることができる。したがって、右前車輪32が例えば段差Sに接触する際に、右操作ハンドル72を上に持ち上げることにより、右前車輪32が段差Sに接触した際に受ける力を低減できる。
このように、本実施形態の車両301では、操縦者が一対の操作ハンドル70を手で操作することで、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を前車輪調整機構7によって調整できる。したがって、左前車輪31または右前車輪32が段差に接触した際に、該接触した車輪は、前記段差を容易に乗り越えることができる。
以上より、本実施形態の構成を車両に適用することにより、利用可能な環境を拡大可能な車両301が得られる。
また、本実施形態では、左操作ハンドル71は、車体本体302に対して直線的に変位するように設けられている。右操作ハンドル72は、車体本体302に対して直線的に変位するように設けられている。これにより、車両301の操縦者が左操作ハンドル71または右操作ハンドル72を手で直線的に変位させる操作を行うことで、リンク機構5の上クロス部材51及び下クロス部材52を車体本体302に対して揺動させることができる。よって、車両301の操縦者が左操作ハンドル71または右操作ハンドル72を手で直線的に変位させる操作によって、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を調整することができる。
なお、本実施形態の左右一対の前車輪3は、実施形態1と同様の構成を有するため、本実施形態でも、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
[実施形態5]
図17は、実施形態4に係る車両401の概略構成を示す斜視図である。この車両401では、リンク機構105の左サイド部材153の上端部に、左操作ハンドル171(第1操作ハンドル)の下端部が接続され、右サイド部材154の上端部に、右操作ハンドル172(第2操作ハンドル)の上端部が接続されている点で、実施形態2の車両101とは異なる。以下では、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態2と異なる構成についてのみ説明する。
車両401は、車体本体102と、左右一対の前車輪3と、左右一対の後車輪4と、リンク機構105と、前車輪調整機構107と、シート108とを有する。前車輪調整機構107は、一対の操作ハンドル170を含む。
シート108は、車体本体102によって支持されている。シート108は、例えば、乳幼児等が着座可能なバケットタイプのシートである。車両401は、例えば、乳幼児等を載せるためのベビーカーである。なお、シートは、バケットタイプ以外の形状であってもよい。
車体本体102は、左右一対の後車輪4を支持する車体フレーム121と、リンク機構105を支持するリンク機構支持部122とを有する。車体フレーム121、リンク機構105及びリンク機構支持部122の構成は、実施形態2の構成と同様であるため、車体フレーム121、リンク機構105及びリンク機構支持部122の詳しい説明を省略する。車体本体102の下には、左右一対の前車輪3と左右一対の後車輪4とに囲まれるように下部空間Vが設けられている。この下部空間Vには、例えば荷物や部品が収容される。
左右一対の前車輪3は、左前車輪31及び右前車輪32を含む。左前車輪31は、リンク機構105の左サイド部材153に対して左旋回軸線WLを中心として回転可能に支持されている。右前車輪32は、リンク機構105の右サイド部材154に対して右旋回軸線WRを中心として回転可能に支持されている。左右一対の後車輪4は、左後車輪41及び右後車輪42を含む。左右一対の前車輪3及び後車輪4は、実施形態2と同様の構成を有するため、左右一対の前車輪3及び後車輪4の詳しい説明を省略する。
一対の操作ハンドル170は、左操作ハンドル171(第1操作ハンドル)と、右操作ハンドル172(第2操作ハンドル)とを含む。
左操作ハンドル171は、左操作ハンドルバー171aと、左把持部171bとを有する。本実施形態では、左操作ハンドルバー171a及び左把持部171bは、一体に構成されている。左操作ハンドルバー171a及び左把持部171bは、別体に構成されていてもよい。
左操作ハンドルバー171aは、リンク機構105における左サイド部材153の上端部から、左サイド部材153と連続するように左サイド部材153が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、左操作ハンドルバー171aは、左サイド部材153の上端部から後ろに向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に向かって延びている。左操作ハンドルバー171aの下端部は、左サイド部材153の上端部に接続されている。なお、左操作ハンドルバーは、左サイド部材の上端部から、左サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。また、左操作ハンドルバー及び左サイド部材は、一体の部材であってもよい。
左把持部171bは、左操作ハンドルバー171aの上部から、左操作ハンドルバー171aの延伸方向と交差する方向に延びている。左把持部171bは、操縦者の左手によって把持される。
右操作ハンドル172は、右操作ハンドルバー172aと、右把持部172bとを有する。本実施形態では、右操作ハンドルバー172a及び右把持部172bは、一体に構成されている。右操作ハンドルバー172a及び右把持部172bは、別体に構成されていてもよい。
右操作ハンドルバー172aは、リンク機構105における右サイド部材154の上端部から、右サイド部材154と連続するように右サイド部材154が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、右操作ハンドルバー172aは、右サイド部材154の上端部から後ろに向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に向かって延びている。右操作ハンドルバー172aの下端部は、右サイド部材154の上端部に接続されている。なお、右操作ハンドルバーは、右サイド部材の上端部から、右サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。また、右操作ハンドルバー及び右サイド部材は、一体の部材であってもよい。
右把持部172bは、右操作ハンドルバー172aの上部から、右操作ハンドルバー172aの延伸方向と交差する方向に延びている。右把持部172bは、操縦者の右手によって把持される。
上述の構成により、車両401の操縦者が左操作ハンドル171を手で持ち上げることで、リンク機構105の上クロス部材151及び下クロス部材152をリンク機構支持部122に対して揺動させることができる。これにより、左操作ハンドル171の操作によって、左サイド部材153を介して左前車輪31を上に移動させることができる。したがって、左前車輪31が例えば段差Sに接触する際に、図18に示すように操縦者が左操作ハンドル171を手で上に持ち上げることにより、左前車輪31が段差Sに接触する際に受ける力を低減できる。
また、車両401の操縦者が右操作ハンドル172を手で上に持ち上げることで、リンク機構105の上クロス部材151及び下クロス部材152をリンク機構支持部122に対して揺動させることができる。これにより、右操作ハンドル172の操作によって、右サイド部材154を介して右前車輪32を上に移動させることができる。したがって、右前車輪32が例えば段差Sに接触する際に、操縦者が右操作ハンドル172を手で上に持ち上げることにより、右前車輪32が段差Sに接触した際に受ける力を低減できる。
このように、本実施形態の車両401では、操縦者が一対の操作ハンドル170を手で操作することにより、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を前車輪調整機構107によって調整できる。したがって、左前車輪31または右前車輪32が段差Sに接触した際に、該接触した車輪は、段差Sを容易に乗り越えることができる。
また、本実施形態でも、左操作ハンドル171は、車体本体102に対して直線的に変位するように設けられている。右操作ハンドル172は、車体本体102に対して直線的に変位するように設けられている。これにより、車両401の操縦者が左操作ハンドル171または右操作ハンドル172を手で直線的に変位させる操作を行うことで、リンク機構105の上クロス部材151及び下クロス部材152を車体本体102に対して揺動させることができる。よって、車両401の操縦者が左操作ハンドル171または右操作ハンドル172を手で直線的に変位させる操作によって、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を調整することができる。
本実施形態では、既述のように、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIが、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。そのため、車両401の操縦者は、図18に示すように、左操作ハンドル171または右操作ハンドル172を手で延伸方向に操作することにより、左前車輪31及び右前車輪32が段差に接触する際に、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を容易に調整することができる。
しかも、例えば図18に示すように左前車輪31が路面Gの段差Sに接触した際に受ける力により、車体本体102に左右方向の力やモーメントが生じることを防止できる。図18に示すように、車体本体102には、左前車輪31が路面Gの段差Sに接触した際に受ける力によって、上方向且つ後方向(図中の白抜き矢印)の力が加わるだけである。
このように、本実施形態の構成を有する車両401では、車体本体102に、左前車輪31及び右前車輪32が左右方向に傾く力が作用することを防止できる。
しかも、上述のように、路面Gの段差Sから左前車輪31または右前車輪32に入力された力の向きは、上方向且つ後方向である。左サイド部材153、右サイド部材154及びリンク機構支持部122の延びる方向も、上方向且つ後方向である。そのため、左サイド部材153、右サイド部材154及びリンク機構支持部122が変形するのを抑制できる。これにより、左前車輪31または右前車輪32は、路面Gの段差Sを容易に乗り越えることができる。
以上のような本実施形態の構成により、凹凸のある路面と車輪との接触状態を維持しつつ、車体本体102に作用する力をさらに抑制することができる。
本実施形態では、上クロス部材151は、車体本体102に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。下クロス部材152は、車体本体102に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。
なお、前記付勢部材は、例えば、コイルスプリング、板バネ、ゴムなどのように弾性復元力を生じる部材であってもよいし、アクチュエータなどのように駆動力を付与する構成部品であってもよい。
これにより、付勢部材によって上クロス部材151及び下クロス部材152を中立位置に戻す動作が生じないため、上クロス部材151及び下クロス部材152の揺れに起因する車両401の揺れを低減できる。すなわち、凹凸のある路面に対する左前車輪31及び右前車輪32の追従性を向上できる。
また、上述の構成により、上クロス部材151及び下クロス部材152をスムーズに動作させることができる。これにより、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を容易に調整することができる。
したがって、上述の構成により、利用可能な環境を拡大できる車両401が得られる。しかも、付勢部材が不要になるため、リンク機構105の部品点数を低減することができる。
なお、本実施形態の左右一対の前車輪3は、実施形態2と同様の構成を有するため、本実施形態でも、実施形態2と同様の作用効果が得られる。
[実施形態6]
図19は、実施形態6に係る車両501の概略構成を示す図である。この車両501は、リンク機構205の左サイド部材253の上端部に左操作ハンドル271(第1操作ハンドル)の下端部が接続され、右サイド部材254の上端部に右操作ハンドル272(第2操作ハンドル)の下端部が接続されている点で、実施形態3の車両201とは異なる。以下では、実施形態3と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態3と異なる構成についてのみ説明する。
図19に示すように、車両501は、車体本体202と、左右一対の前車輪203と、左右一対の後車輪204と、リンク機構205と、前車輪調整機構207とを有する。前車輪調整機構207は、一対の操作ハンドル270を含む。車両501は、例えば、車体本体202の後述する荷台221上に載置された荷物などを運搬可能な台車である。
車体本体202は、荷物などを載置可能な荷台221と、リンク機構205を支持するリンク機構支持部222とを有する。荷台221、リンク機構205及びリンク機構支持部222の構成は、実施形態3の構成と同様であるため、荷台221、リンク機構205及びリンク機構支持部222の構成についての詳細な説明を省略する。車体本体202の下には、左右一対の前車輪203と左右一対の後車輪204とに囲まれるように下部空間Vが設けられている。この下部空間Vには、例えば部品が収容される。
左右一対の前車輪203は、左前車輪231及び右前車輪232を含む。左前車輪231は、リンク機構205の左サイド部材253に、上下方向に延びる左旋回軸線WLを中心として回転可能に支持されている。右前車輪232は、リンク機構205の右サイド部材254に、上下方向に延びる右旋回軸線WRを中心として回転可能に支持されている。左右一対の後車輪204は、左後車輪241及び右後車輪242を含む。左右一対の前車輪203及び後車輪204は、実施形態3と同様の構成を有するため、左右一対の前車輪203及び後車輪204の詳しい説明を省略する。
一対の操作ハンドル270は、左操作ハンドル271(第1操作ハンドル)と、右操作ハンドル272(第2操作ハンドル)とを含む。
左操作ハンドル271は、左操作ハンドルバー271aと、左把持部271bとを有する。本実施形態では、左操作ハンドルバー271a及び左把持部271bは、一体に構成されている。左操作ハンドルバー271a及び左把持部271bは、別体に構成されていてもよい。
左操作ハンドルバー271aの下部は、リンク機構205における左サイド部材253の上端部から、左サイド部材253と連続するように左サイド部材253が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、左操作ハンドルバー271aの下部は、左サイド部材253の上端部から後ろに向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。左操作ハンドルバー271aの上部は、例えば、荷台221に対して平行に且つ後ろに向かって延びている。左操作ハンドルバー271aの下端部は、左サイド部材253の上端部に接続されている。なお、左操作ハンドルバーの下部は、左サイド部材の上端部から、左サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。左操作ハンドルバーの上部は、荷台221に対して平行でなくてもよい。左操作ハンドルバーの上部は、左操作ハンドルバーの下部が延びる方向に延びていてもよい。また、左操作ハンドルバー及び左サイド部材は、一体の部材であってもよい。
左把持部271bは、左操作ハンドルバー271aの後端部から、左操作ハンドルバー271aの後部の延伸方向と交差する方向に延びている。左把持部271bは、操縦者の左手によって把持される。
右操作ハンドル272は、右操作ハンドルバー272aと、右把持部272bとを有する。本実施形態では、右操作ハンドルバー272a及び右把持部272bは、一体に構成されている。右操作ハンドルバー272a及び右把持部272bは、別体に構成されていてもよい。
右操作ハンドルバー272aの下部は、リンク機構205における右サイド部材254の上端部から、右サイド部材254と連続するように右サイド部材254が延びる方向と同じ方向(延伸方向)に延びている。すなわち、右操作ハンドルバー272aの下部は、右サイド部材254の上端部から後ろに向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。右操作ハンドルバー272aの上部は、例えば、荷台221に対して平行に且つ後ろに向かって延びている。右操作ハンドルバー272aの下端部は、右サイド部材254の上端部に接続されている。なお、右操作ハンドルバーの下部は、右サイド部材の上端部から、右サイド部材が延びる方向とは異なる方向に延びていてもよい。右操作ハンドルバーの上部は、荷台221に対して平行でなくてもよい。右操作ハンドルバーの上部は、右操作ハンドルバーの下部が延びる方向に延びていてもよい。また、右操作ハンドルバー及び右サイド部材は、一体の部材であってもよい。
右把持部272bは、右操作ハンドルバー272aの後端部から、右操作ハンドルバー272aの後部の延伸方向と交差する方向に延びている。右把持部272bは、操縦者の右手によって把持される。
上述の構成により、車両501の操縦者が左操作ハンドル271を手で持ち上げることにより、リンク機構205の上クロス部材251及び下クロス部材252をリンク機構支持部222に対して揺動させることができる。これにより、左操作ハンドル271の操作によって、左サイド部材253を介して左前車輪231を上に移動させることができる。したがって、左前車輪231が例えば段差に接触する際に、操縦者が左操作ハンドル271を手で上に持ち上げることにより、左前車輪231が段差に接触する際に受ける力を低減できる。
また、車両501の操縦者が右操作ハンドル272を手で上に持ち上げることにより、リンク機構205の上クロス部材251及び下クロス部材252をリンク機構支持部222に対して揺動させることができる。これにより、右操作ハンドル272の操作によって、右サイド部材254を介して右前車輪232を上に移動させることができる。したがって、右前車輪232が例えば段差に接触する際に、操縦者が右操作ハンドル272を手で上に持ち上げることにより、右前車輪232が段差に接触した際に受ける力を低減できる。
このように、本実施形態の車両501では、操縦者が一対の操作ハンドル270を手で操作することにより、左前車輪231及び右前車輪232に付与される荷重または左前車輪231及び右前車輪232の位置を前車輪調整機構207によって調整できる。したがって、左前車輪231または右前車輪232が段差に接触した際に、該接触した車輪は、前記段差を容易に乗り越えることができる。
また、本実施形態でも、左操作ハンドル271は、車体本体202に対して直線的に変位するように設けられている。右操作ハンドル272は、車体本体202に対して直線的に変位するように設けられている。これにより、車両501の操縦者が左操作ハンドル271または右操作ハンドル272を手で直線的に変位させる操作を行うことで、リンク機構205の上クロス部材251及び下クロス部材252を車体本体202に対して揺動させることができる。よって、車両501の操縦者が左操作ハンドル271または右操作ハンドル272を手で直線的に変位させる操作によって、左前車輪231及び右前車輪232に付与される荷重または左前車輪231及び右前車輪232の位置を調整することができる。
しかも、実施形態2と同様、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIが、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びているため、左前車輪231及び右前車輪232が路面から受ける力により、車体本体202に左右方向の力やモーメントが生じることを防止できる。車体本体202には、左前車輪231及び右前車輪232が路面から受ける力によって、上方向且つ後方向の力が加わるだけである。
このように、本実施形態の構成を有する車両501では、車体本体202に、左前車輪231及び右前車輪232が左右方向に傾く力が作用することをより確実に防止できる。
また、本実施形態では、実施形態2と同様、上クロス部材251は、車体本体202に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第1中央揺動軸線UI回りに揺動可能に支持されている。下クロス部材252は、車体本体202に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、第2中央揺動軸線DI回りに揺動可能に支持されている。
以上の構成により、実施形態3と同様、利用可能な環境を拡大できる車両501が得られる。
なお、本実施形態の左右一対の前車輪203は、実施形態3と同様の構成を有するため、本実施形態でも、実施形態3と同様の作用効果が得られる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記各実施形態では、車両1,101,201,301,401,501は、左右一対の前車輪3,203を支持するリンク機構5,105,205を有する。しかしながら、車両は、左右一対の後車輪を支持するリンク機構を有していてもよい。
前記各実施形態では、車両1,101,201,301,401,501は、車輪を駆動させるための駆動源を有しない。しかしながら、車両は、車輪を駆動させるための駆動源を有していてもよい。
前記各実施形態において、リンク機構5,105,205の上クロス部材51,151,251と下クロス部材52,152,252とに跨るように緩衝部材を設けてもよい。リンク機構5,105,205の上クロス部材51,151,251と左サイド部材53,153,253とに跨るように緩衝部材を設けてもよい。リンク機構5,105,205の下クロス部材52,152,252と右サイド部材54,154,254とに跨るように緩衝部材を設けてもよい。
前記実施形態2、3、5、6では、リンク機構105,205の第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIは、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びている。しかしながら、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIは、実施形態1、4と同様、前後方向に延びていてもよい。また、実施形態1、4の構成において、実施形態2、3、5、6と同様、リンク機構の第1中央揺動軸線及び第2中央揺動軸線は、後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びていてもよい。
前記実施形態2、3では、一対の前車輪3は、キャスター式の車輪である。しかしながら、一対の前車輪のうち一方の車輪のみが、キャスター式の車輪であってもよい。一対の前車輪は、車体フレームに対し、上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転しなくてもよい。一対の後車輪のうち少なくとも一方の車輪が、キャスター式の車輪であってもよい。また、実施形態1の構成において、一対の前車輪のうち少なくとも一方の車輪が、キャスター式の車輪であってもよい。実施形態1において、一対の後車輪のうち少なくとも一方の車輪が、キャスター式の車輪であってもよい。
前記実施形態2では、操作ハンドル106は、左メインフレーム121a及び右メインフレーム121bから、それぞれ、後ろに向かうほど上に位置するように上方向で且つ後方向に延びている。しかしながら、操作ハンドルは、車体フレームに対し、後ろに向かうほど上に位置するように上方向で且つ後方向に延びる第1位置と、前に向かうほど上に位置するように上方向で且つ前方向に延びる第2位置とに切り換え可能に構成されていてもよい。これにより、車両の操縦者の操縦位置を、シートに着座した乳幼児に対する背面位置と前面位置とに切り替えることができる。
上述のように、前記操作ハンドルを前記第1位置と第2位置とに切り替える構成の場合、車両の走行形態は、一方向に走行可能な第1走行形態と、前記一方向とは反対方向に走行可能な第2走行形態とに切り替えられる。すなわち、前記操作ハンドルが前記第1位置に位置している場合には、車両の走行形態は前記第1走行形態であり、前記操作ハンドルが前記第2位置に位置している場合には、車両の走行形態は前記第2走行形態である。
よって、例えば、前記第1走行形態では前車輪として機能する車輪が、前記第2走行形態では後車輪として機能する。したがって、上述のように前記操作ハンドルの位置を切り替え可能な場合には、前記実施形態2の構成において、前記車両の走行形態が前記第1走行形態の際には、リンク機構は前記車両の進行方向の前部で機能する一方、前記車両の走行形態が前記第2走行形態の際には、リンク機構は前記車両の進行方向の後部で機能する。
または、車両の左右一対の前車輪だけでなく左右一対の後車輪も、リンク機構によって車体フレームに支持されていてもよい。この場合、前記車両は、上述のように操作ハンドルの位置によって車両の走行形態を切り替える際に、前記操作ハンドルの位置に応じて、車両の進行方向の後部に位置するリンク機構が機能しないようにロックするロック機構を有する。このロック機構は、リンク機構における一対のクロス部材と一対のサイド部材とが相対移動しないように、クロス部材とサイド部材とをロック、または、一対のクロス部材同士をロック、または、一対のサイド部材同士をロックする。
以上のような構成により、操作ハンドルを第1位置と第2位置とに切り替えた場合でも、実施形態2と同様の作用効果が得られる。また、前記操作ハンドルの位置を切り替える際には、前車輪として機能する車輪を支持するリンク機構に対して前記操作ハンドルを接続する。これにより、前記操作ハンドルを前記第1位置と前記第2位置とに切り替えた場合でも、実施形態5と同様の作用効果が得られる。
上述のような操作ハンドルの位置を切り替え可能な構成は、実施形態1、3の車両に適用されてもよい。
前記各実施形態では、左前車輪31,231及び右前車輪32,232は、それぞれ、上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転するキャスター式の車輪である。しかしながら、左前車輪及び右前車輪の少なくとも一方は、上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転しない車輪であってもよい。また、左後車輪及び右後車輪の少なくとも一方が、上下方向に延びる旋回軸線を中心として回転する車輪であってもよい。
前記実施形態2では、リンク機構105は、車両101を前から見て、車両101の左右方向において、左前車輪31が第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも左後車輪41の近くに位置し、且つ、右前車輪32は、第1中央揺動軸線UI及び第2中央揺動軸線DIよりも右後車輪42の近くに位置するように構成されている。しかしながら、リンク機構は、車両を前から見て、車両の左右方向において、左前車輪が左後車輪よりも第1中央揺動軸線及び第2中央揺動軸線の近くに位置し、且つ、右前車輪は、右後車輪よりも第1中央揺動軸線及び第2中央揺動軸線の近くに位置するように構成されていてもよい。すなわち、左前車輪及び右前車輪の構成は、実施形態2の構成に限定されない。なお、実施形態1,3の構成において、実施形態2と同様に、左前車輪及び右前車輪を配置してもよい。
前記各実施形態では、リンク機構5,105,205は、リンク機構支持部22,122,222よりも前に位置する上クロス部材51,151,251を有する。しかしながら、リンク機構は、上クロス部材及びリンク機構支持部の後ろに、後上クロス部材を有していてもよい。リンク機構は、リンク機構支持部の前に位置する前上クロス部材と、リンク機構支持部の後ろに位置する後上クロス部材とを有していてもよい。
前記各実施形態の構成を、車いすなどの他の車両に適用してもよい。すなわち、前記各実施形態の構成は、凹凸のある路面と車輪との接触状態を維持しつつ、車体本体に作用する力をさらに抑制することが求められている車両であれば、どのような種類の車両に適用してもよい。
前記実施形態4では、前車輪調整機構7は、左操作ハンドル71及び右操作ハンドル72を有する。左操作ハンドル71は、リンク機構5の左サイド部材53の上端部に接続されている。右操作ハンドル72は、リンク機構5の右サイド部材54の上端部に接続されている。
しかしながら、前車輪調整機構は、リンク機構の左サイド部材及び右サイド部材を上下方向に移動可能な構成であれば、どのような構成を有していてもよい。前車輪調整機構は、例えば、図20に示すように、操作ハンドル675を車体本体2に対して揺動させることにより、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を調整してもよい。
以下で、図20に示す構成について説明する。なお、実施形態4と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略し、実施形態4と異なる構成についてのみ説明する。
図20に示す車両601は、前車輪調整機構607を有する。前車輪調整機構607は、車体本体2の前部に設けられている。前車輪調整機構607は、連結部材671と、支持部材672,673と、操作ハンドル675とを有する。
連結部材671は、リンク機構5の左サイド部材53の上端部と右サイド部材54の上端部とを連結する。連結部材671は、例えばワイヤ、ベルトなどの可撓性を有する部材である。連結部材671は、車体本体2に支持された支持部材672,673によって、左サイド部材53及び右サイド部材54から上方向に延びるように支持されている。支持部材672,673は、例えば滑車などのように、連結部材671を移動可能に支持する部材である。
操作ハンドル675は、連結部材671に固定されている。操作ハンドル675を左右方向に移動させることにより、連結部材671も左右方向に移動する。これにより、連結部材671に連結された左サイド部材53及び右サイド部材54は、上下方向に移動し、リンク機構5の上クロス部材51及び下クロス部材52は、リンク機構支持部22に対して揺動する。
したがって、前車輪調整機構607によって、左前車輪31及び右前車輪32に付与される荷重または左前車輪31及び右前車輪32の位置を調整することができる。
図20に示すような前車輪調整機構を、実施形態5、6の構成に適用してもよい。
前記実施形態4から6では、前車輪調整機構7,107,207の左操作ハンドル71,171,271は、リンク機構5,105,205の左サイド部材53,153,253に接続されている。前車輪調整機構7,107,207の右操作ハンドル72,172,272は、リンク機構5,105,205の右サイド部材54,154,254に接続されている。
しかしながら、図21に示すように、左操作ハンドル71及び右操作ハンドル72は、リンク機構5に対して、クラッチ機構90を介して接続されていてもよい。このクラッチ機構90は、左操作ハンドル71及び右操作ハンドル72とリンク機構5とを、接続または切断状態に切り替え可能に構成されている。クラッチ機構90は、左操作ハンドル71及び右操作ハンドル72とリンク機構5とが切断状態の場合、左操作ハンドル71及び右操作ハンドル72を車体本体2に接続する。なお、図21において、符号701は、車両を示す。
以上の構成により、車両を利用する環境に応じて、前車輪調整機構の操作ハンドルがリンク機構に対して接続された状態と、前車輪調整機構の操作ハンドルがリンク機構に対して切断された状態とを、切り替えることができる。よって、車両を利用する環境に応じて、左前車輪及び右前車輪に付与される荷重の調整の有無または左前車輪及び右前車輪の位置の調整の有無を、切り替えることができる。したがって、車両を利用可能な環境を拡大することができる。
前記実施形態4から6では、左操作ハンドル71,171,271の下端部が、リンク機構5,105,205の左サイド部材53,153,253の上端部に接続されている。右操作ハンドル72,172,272の下端部が、リンク機構5,105,205の右サイド部材54,154,254の上端部に接続されている。しかしながら、左操作ハンドルは、リンク機構の左サイド部材と接続されていれば、該左サイド部材のどの部分に接続されていてもよい。右操作ハンドルは、リンク機構の右サイド部材と接続されていれば、該右サイド部材のどの部分に接続されていてもよい。
前記実施形態4から6では、左操作ハンドル71,171,271は、左把持部71b,171b,271bを有する。右操作ハンドル72,172,272は、右把持部72b,172b,272bを有する。しかしながら、左操作ハンドルは、左把持部を有していなくてもよい。右操作ハンドルは、右把持部を有していなくてもよい。
1、101、201、301、401、501、601、701、1001、2001 車両
2、102、202、302、1002 車体本体
3、203 前車輪
4、204 後車輪
5、105、205 リンク機構(車輪傾斜抑制機構)
6、70、106、170、206、270、675 操作ハンドル
7、107、207、607 前車輪調整機構
21、121 車体フレーム
22、122、222 リンク機構支持部
31、231、1031、2031 左前車輪
32、232、1032、2032 右前車輪
41、241 左後車輪
42、242 右後車輪
51、151、251 上クロス部材(第1揺動レバー)
52、152、252 下クロス部材(第2揺動レバー)
53、153、253 左サイド部材(左前車輪支持体)
54、154、254 右サイド部材(右前車輪支持体)
55、155 左前車輪支持部
56、156 右前車輪支持部
60 タイロッド
61 中間ジョイント
61a 中間ジョイント回転軸部
62 左ジョイント
62a 左ジョイント回転軸部
63 右ジョイント
63a 右ジョイント回転軸部
71、171、271 左操作ハンドル
71a、171a、271a 左操作ハンドルバー
71b、171b、271b 左把持部
72、172、272 右操作ハンドル
72a、172a、272a 右操作ハンドルバー
72b、172b、272b 右把持部
90 クラッチ機構
106a 把持部
108 シート
121a 左メインフレーム
121b 右メインフレーム
121c 下接続フレーム
121d 補強フレーム
221 荷台
223 第2左支持部
224 第2右支持部
671 連結部材
672、673 支持部材
UI 第1中央揺動軸線
DI 第2中央揺動軸線
UL 第1左揺動軸線
DL 第2左揺動軸線
UR 第1右揺動軸線
DR 第2右揺動軸線
P31 左前車輪回転軸線
P32 右前車輪回転軸線
P41 左後車輪回転軸線
P42 右後車輪回転軸線
PL、WL 左旋回軸線(旋回軸線)
PR、WR 右旋回軸線(旋回軸線)
V 下部空間
T 連結部材
X 障害物
S 段差(障害物)
M 重心

Claims (9)

  1. 平坦な路面において、停車中に自立し且つ旋回中に傾斜しない車体本体と、
    前記車体本体に支持され、進行方向が前後方向に固定された左後車輪及び右後車輪と、
    前記車体本体に支持され、上下方向に延びる旋回軸線を中心としてそれぞれ回転可能な左前車輪及び右前車輪と、
    を備えた車両であって、
    左右方向に延びる部材であり、左右方向の中央部が、前記車体本体に、前記車体本体の前後方向に延びる第1中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される第1揺動レバーと、
    左右方向に延びる部材であり、左右方向の中央部が、前記第1揺動レバーよりも下で前記車体本体に、前記車体本体の前後方向に延びる第2中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される第2揺動レバーと、
    上下方向に延びる部材であり、前記第1揺動レバーの左端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第1左揺動軸線回りに揺動可能に支持され、且つ、前記第2揺動レバーの左端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第2左揺動軸線回りに揺動可能に支持され、前記左前車輪を支持する左前車輪支持体と、
    上下方向に延びる部材であり、前記第1揺動レバーの右端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第1右揺動軸線回りに揺動可能に支持され、且つ、前記第2揺動レバーの右端部に、前記車体本体の前後方向に延びる第2右揺動軸線回りに揺動可能に支持され、前記右前車輪を支持する右前車輪支持体と、
    を含み、
    前記左前車輪または前記右前車輪が前記車体本体に対して上下方向に変位した際に、前記左前車輪及び前記右前車輪が左右方向に傾斜しないように変形する車輪傾斜抑制機構を備え、
    前記車両は、左方向または右方向に旋回している際に、前記左前車輪及び前記右前車輪が前記旋回軸線を中心としてそれぞれ回転した状態で前記左前車輪及び前記右前車輪のうち一方の車輪が障害物に対して進行方向に乗り上げた場合、前記左前車輪、前記右前車輪、前記左後車輪及び前記右後車輪が前記車体本体に対して直立状態で維持され且つ前記車体本体及び前記旋回軸線が傾斜しないように、構成されている、車両。
  2. 請求項1に記載の車両において、
    前記左前車輪支持体及び前記右前車輪支持体は、それぞれ、前記車体本体に対して、上下方向に移動可能である、車両。
  3. 請求項1または2に記載の車両において、
    前記第1揺動レバーの前記第1中央揺動軸線及び前記第2揺動レバーの前記第2中央揺動軸線の両方は、前記車体本体の後ろから前に向かうほど上に位置するように前後方向且つ上下方向に延びていて、
    前記車輪傾斜抑制機構は、路面から前記左前車輪または前記右前車輪に入力された力が左右方向の力に変換されることを抑制して上方向且つ後方向の力に変換されるように構成されている、車両。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の車両において、
    前記車輪傾斜抑制機構は、
    車両を前から見て、前記左前車輪が前記第1中央揺動軸線及び前記第2中央揺動軸線よりも前記左後車輪の近くに位置し、且つ、前記右前車輪が前記第1中央揺動軸線及び前記第2中央揺動軸線よりも前記右後車輪の近くに位置するように、構成されているとともに、
    前記左前車輪及び前記右前車輪の左右方向の間隔の変化を抑制するように、構成されている、車両。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の車両において、
    前記第1揺動レバーは、前記車体本体に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、前記第1中央揺動軸線回りに揺動可能に支持され、
    前記第2揺動レバーは、前記車体本体に対し、中立位置に戻るための付勢部材が設けられることなく、前記第2中央揺動軸線回りに揺動可能に支持される、車両。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の車両において、
    前記左前車輪は、前記車体本体に対して上下方向に延びる左旋回軸線回りに回転可能なキャスター式左前車輪であり、
    前記右前車輪は、前記車体本体に対して上下方向に延びる右旋回軸線回りに回転可能なキャスター式右前車輪である、車両。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の車両において、
    前記車両の操縦者が手で操作可能であり且つ前記操縦者の操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させるように前記車輪傾斜抑制機構に接続される操作ハンドルを有し、前記操縦者による前記操作ハンドルの操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させることにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整する前車輪調整機構をさらに備える、車両。
  8. 請求項7に記載の車両において、
    前記操作ハンドルは、第1操作ハンドル及び第2操作ハンドルを含み、
    前記第1操作ハンドルは、前記第1揺動レバーの左部及び前記第2揺動レバーの左部に接続され、
    前記第2操作ハンドルは、前記第1揺動レバーの右部及び前記第2揺動レバーの右部に接続され、
    前記前車輪調整機構は、
    前記操縦者による前記第1操作ハンドル及び前記第2操作ハンドルの少なくとも一方の操作によって前記第1揺動レバー及び前記第2揺動レバーを揺動させることにより、前記左前車輪及び前記右前車輪に付与される荷重または前記左前車輪及び前記右前車輪の位置を調整する、車両。
  9. 請求項7または8に記載の車両において、
    前記前車輪調整機構は、前記操縦者による前記操作ハンドルの操作によって、前記左前車輪及び前記右前車輪を上下方向且つ前後方向に移動させるように構成されている、車両。
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