JP7219226B2 - 回転切削工具 - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には、金属切削処理、特に、フライス加工に使用するための、単一のチップフルート(chip flute)に沿って連続した有効切れ刃(cutting edge)を提供する複数の切削インサートを備えた回転切削工具に関する。
切削加工で使用される回転切削工具の分野において、連続した有効な切れ刃を提供するために単一のチップフルートに沿って配置された複数の切削インサートの多くの例がある。米国特許第4790693は、単一のチップガレット(chip gullet)に沿った相互篏合配置(inter-fitting arrangement)における複数の同一の割り出し可能な(indexable)サイドステーションインサート(indexable side station insert)と、隣接サイドステーションインサートの作動切れ刃と軸方向に重畳する切れ刃を有する単一の割り出し不可能な端部(「第1」または「リード」)ステーションインサートとを備えたフライス工具を開示する。米国特許第8696257は、単一のチップ排出フルートに沿って配置された複数の同一のサイドおよびエンドステーションインサートを備え、各インサートが、すくい面(rake surface)およびV字着座面を介して延伸する中心線の周りに割り出し可能なフライス工具を開示する。
この発明の目的は、改良されたフライス工具を提供することである。また、この発明の目的は、単一のチップフルートに沿って配置された複数の割り出し可能な切削インサートを有する改良されたフライス工具を提供することである。さらに、この発明の目的は、エンドステーションインサートが、高レベルの安定性でエンドステーションポケットに取外し可能に固定される改良されたフライス工具を提供することである。
この発明によれば、前後方向を定義し、かつ回転方向を有する工具軸の周りを回転可能な切削工具であって、前端面と、前端面に開口し、第1のインサート軸方向支持壁を備えた第1のインサート座面を有する第1のインサート収容ポケットと、第1インサート収容ポケットの軸方向後方に配置された第2のインサート収容ポケットと、第1のインサート軸方向支持壁に隣接する***した肩面(raised shoulder surface)と、を有する切削体と、第1のインサート収容ポケットに取外し可能に固定された第1の切削インサートであって、前記第1の切削インサートは、対向する第1のインサート前端面および後端面を有し、第1のインサート外周面がこれらの端面間に延在し、第1のインサート軸がこれらの端面に延伸し、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃が、第1のインサート前端面と第1のインサート外周側面の交点に形成される、第1の切削インサートと、第2のインサート収容ポケットに取外し可能に固定された第2の切削インサートであって、前記第2の切削インサートは、対向する第2のインサート前端面と後端面を有し、第2のインサート外周側面が、それらの間に延在し、第2のインサート軸が、それらの端面に延伸し、少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃が、第2のインサート前端面と第2のインサート後端面との交点に形成される、第2の切削インサートと、第1のインサート座面が第1のインサート外周側面の第1の部分と接触し、第1のインサート軸方向支持壁が第1のインサート外周側面の第2の部分と接触し、前記少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃の1つ作動し、少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃の1つが作動し、工具軸に垂直な第2の工具面が、前記作動する第1のインサート前部主切れ刃および前記作動する第2のインサート前部主切れ刃と交差し、前記工具軸に垂直な切削工具の側面図では、前記***された肩面は、少なくとも部分的に前記第2の切削インサートにより覆い隠されている。理解を深めるために、一点鎖線が部材の部分図のカットオフ境界を表す添付図面を参照しながら、例示のみを目的として、本発明を説明する。
図1は、この発明のいくつかの実施形態に従う切削工具の斜視図である。 図2は、図1に示す切削工具の側面図である。 図3は、図1に示す切削工具の詳細な分解図である。 図4は、図2に示す切削工具の詳細な側面図である。 図5は、関連する第1の切削インサートおよびその第1のクランプねじが取り外された、第1のインサート収容ポケットの第1のインサート座面に対して垂直に切り取られた切削工具の詳細な側面図である。 図6は、図5に示す切削工具の端面図である。 図7は、線VII-VIIに沿って切り取られた、図4に示す切削工具の断面図である。 図8は、線VIII-VIIIに沿って切り取られた、図4に示す切削工具の断面図である。 図9は、第1の切削インサートの主側面図である。 図10は、第1の切削インサートの副側面図である。 図11は、第1の切削インサートの後端図である。 図12は、線XII-XIIに沿って切り取られた、図11に示す第1の切削インサートの断面図である。 図13は、第2の切削インサートの主側面図である。 図14は、第2の切削インサートの副側面図である。
図1乃至8に示すように、この発明は、第1のインサート収容ポケット28に取外し可能に固定された第1の、すなわち、「リード」切削インサート24と、第2のインサート収容ポケット30に取外し可能に固定された、第2の切削インサート26を含む、複数の切削インサート24、26と、切削体22を有する、工具軸ATの周りを回転可能な切削工具20に関する。
図1および3に示すように、工具軸ATは、前後方向D、Dを規定し、切削工具20は、工具軸ATの周りの回転方向Rを有する。この発明のいくつかの実施形態において、第1及び第2の切削インサート24、26は、望ましくは、タングステンカーバイドのような、超硬合金を型押しおよび焼結することにより製造することができ、コーティングしてもよいし、コーティングしなくてもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1および第2の切削インサート24、26は、互いに異なっていてもよい。
図1乃至5に示すように、第1のインサート収容ポケット28は、切削体22の前端面32で開口し、第2のインサート収納ポケット30は、第1のインサート収容ポケット28の軸方向後方に配置される。いくつかの実施形態において、ヘリカルチップフルート(helical chip flute)34は、切削体22の前端面32から軸方向後方に延伸することができ、第1および第2のインサート収容ポケット28、30は、ヘリカルチップフルート34と連通することができる。
また、図2および4に示すように、この発明のいくつかの実施形態において、工具軸ATを含む第1の工具平面PT1は、第1および第2の切削インサート24、26と交差し得る。第1および第2の切削インサート24、26が円周方向に重なり合うように、第1および第2の切削インサート24、26と交差するように、第1の工具平面PT1を構成することは、有利に、チップフルート34のねじれ角(helix angle)を最小にすることができ、従って、切削体22で形成されるチップフルート24の合計数を最大にすることができることを理解されたい。
図9乃至12に示すように、第1の切削インサート24は、対向する第1のインサート前端面および後端面36、38を有し、第1のインサート外周側面40は、それらの端面間に延在し、第1のインサート軸A1が、それらの端面に延伸し、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃42が、第1のインサート前端面36と第1のインサート外周側面40の交点に形成される。この発明のいくつかの実施形態において、第1の切削インサート24は、ファイ1のインサート軸A1の回りに回転対称性を示し得る。
図3および4に示すように、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃42の1つが作動している。この発明のいくつかの実施形態において、2つの第1のインサート前部主切れ刃42は、第1のインサート前端面36と第1のインサート外周側面40の交点に形成することができ、2つの第1のインサート前部主切れ刃42は、2つの第1のインサート前部副切れ刃44により離間することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート前端面および後端面36、38は、同一でなくてもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート後端面38と第1のインサート外周側面40との交点に切れ刃を形成しなくてもよい。
図13および14に示すように、第2の切削インサート26は、対向する第2のインサート前端面と後端面46、48を有し、第2のインサート外周側面40、50は、それらの端面間に延在し、第2のインサート軸A2は、それらの端面に延伸し、少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃52は、第2のインサート前端面46と第2のインサート外周側面50の交点に形成される。いくつかの実施形態において、第2の切削インサート26は、第2のインサート軸A2の回りに、回転対称性を示すことができる。図3および4に示すように、少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃52の1つが作動する。この発明のいくつかの実施形態において、2つの離間した第2のインサート前部主切れ刃52は、第2のインサート前端面46と第2のインサート外周側面50の交点に形成し得る。また、この発明のいくつかの実施形態において、第2のインサート前端面46および後端面48は、同一であり得、少なくとも1つの第2のインサート後部主切れ刃54は、第2のインサート後端面46と第2のインサート外周側面50との交点に形成し得る。
図3、4、7および8に示すように、第1のインサート収容ポケット28は、第1のインサート軸方向支持壁58が横切る第1のインサート座面56を有し、第1のインサート座面56は、第1のインサート外周側面40の第1の部分と接触し、第1の切削インサート24のための半径方向支持(radial support)を提供し、第1のインサート軸方向支持壁58は、第1のインサート外周側面40の第2の部分と接触し、第1の切削インサート24のための軸方向支持を提供する。この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート座面56は平面であってもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート座面56は、切削体22の前端面32と連続していてもよい。
図6および7に示すように、第1のインサート軸方向支持壁58は、第1のインサート座面56の半径方向外側に位置し得る。図6は、工具軸ATに沿って見た切削工具20の端面図である。この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート軸方向支持壁58は、第1のインサート座面56から、第1のインサート軸方向応力緩和溝(insert axial stress relief groove)60だけ離間することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート軸方向支持壁58は平面であり得る。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート外周側面40は、第1のインサート軸方向支持壁58全体と接触していてもよい。
図3および4に示すように、第2のインサート収容ポケット30は、第2のインサート接線支持壁(insert tangential support wall)64が横切る第2のインサート座面62を有することができる。この発明のいくつかの実施形態において、図7に示すように、第2のインサート座面62は、第2のインサート外周側面50と接触し、第2の切削インサート26のための半径方向支持を提供することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第2のインサート座面62は、平面であり得る。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、図7に示すように、インサート座面62全体が第1のインサート座面56の半径方向外側に位置してもよい。第2のインサート座面62を、第1のインサート座面56の半径方向外側に位置するように構成することは、第1のインサート軸方向支持壁58の形成を可能にすることを理解されたい。さらに、この発明の実施形態において、第2のインサート接線支持壁64は、第2のインサート後端面48と接触し、第2の切削インサート26のための接線支持を提供することができ、第2のインサート前端面46は、第2のインサート後端面48の回転方向前方に位置することができる。
図9乃至12に示すように、第1のインサート外周側面40は、2つの対向する第1のインサート主側面66a、66bと、2つの対向する第1のインサート副側面68a、68bを含むことができる。この発明のいくつかの実施形態において、図7に示すように、2つの第1のインサート主側面66a、66bの1つは、第1のインサート座面56と接触し得、2つの第2のインサート副側面68a、68bの1つは、第1のインサート軸方向支持壁58と接触してもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、2つの第1のインサート副側面68a、68bの1つは、第1のインサート軸方向支持壁58全体と接触してもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、2つの第1のインサート主側面66a、66bの各々、および2つの第1のインサート主側面68a、68bの各々は、第1のインサート後端面38と隣接していてもよい。
図9乃至12に示すように、第1の切削インサート24は、2つの第1の副側面68a、68b間の最短距離として測定された第1のインサート最小長L1MINを有することができ、第1のインサート軸A1と第1のインサート最小長L1MINに垂直に測定された2つの第1のインサート主側面66a、66b間に、第1のインサート最大幅W1MAXを有することができる。この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート最小長L1MINは、第1のインサート最大幅W1MAXより大きくてもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃42は、第1のインサート前端面36と、2つの第1のインサート主側面66a、66bの1つとの交点に形成することができる。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、2つの第1のインサート前部副切れ刃44の各々は、第1のインサート前端面36と、2つの第1の副側面68a、68bの1つとの交点に形成してもよい。
図9および12に示すように、第1のインサート貫通孔70は、2つの第1のインサート主側面66a、66b間に延伸し、これら2つの側面66a、66bに開口することができる。この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート貫通孔70は、第1のインサート孔軸AB1に沿って延伸することができ、第1のインサート最大幅W1MAXは、第1のインサート孔軸AB1に平行に測定することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート孔面PB1は、第1のインサート孔軸AB1と第1のインサート軸A1を含むことができ、第1のインサート最小長L1MINは、第1のインサート孔面PB1に垂直に測定することができる。図3、4、7、8に示すように、第1のクランプねじ72は、第1のインサートを通り、孔70を通って、第1のインサート座面56の第1のねじ孔74と螺合する(threadingly engage)。
図13および14に示すように、第2のインサート外周側面50は、2つの対向する第2のインサート主側面76a、76bと2つの対向する第2のインサート副側面78a、78bを含むことができる。この発明のいくつかの実施形態において、図7に示すように、2つの第2のインサート主側面76a、76bの1つは、第2のインサート座面62と接触することができる。図13および14に示すように、第2の切削インサート26は、2つの第2の副側面78a、78b間の最短距離として測定された第2のインサート最小長L2MINと、第2のインサート軸A2と、第2のインサート最小長L2MINに垂直に測定された2つの第2のインサート主側面76a、76b間の第2のインサート最大幅W2MAXとを有することができる。
この発明のいくつかの実施形態において、第2のインサート最小長L2MINは、第2のインサート最大幅W2MAXより大きくてもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート最大幅W1MAXは、第2のインサート最大幅W2MAXより大きくてもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート最大幅W1MAXは、第2のインサート最大幅W2MAXの少なくとも5分の6であり得る。第1のインサート最大幅W1MAXを第2のインサート最大幅W2MAXより大きくなるように構成することは、同一の切削直径で機械加工作業を行うように、作動する第1および第2のインサート前部主切れ刃42、52を配置しながら、第1および第2の切削インサート24、26をそれぞれ第1および第2のインサート収容ポケット28、39に安定的に取り付けることを可能にする。
図13および14に示すように、第2のインサート貫通孔80は、2つの第2のインサート主側面76a、76b間に延伸し、それらの側面に開口する。この発明のいくつかの実施形態において、第2のインサート貫通孔80は、第2のインサート孔軸AB2に沿って延伸することができ、第2のインサート最大幅W2MAXは、第2のインサート孔軸AB2に平行に測定することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第2のインサート孔平面PB2は、第2のインサート孔軸AB2と第2のインサート軸A2を含むことができ、第2のインサート最小長L2MINは、第2のインサート孔平面PB2に垂直に測定することができる。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第2の切削インサート26は、第2のインサート孔軸AB2の回りに回転対称性を示すことができる。
図3および4に示すように、第2のクランプねじ82は、第2のインサートを通り、孔80を通り、第2のインサート座面62の第2のねじ孔102と螺合する。図4に示すように、工具軸ATに垂直な第2の工具平面PT2は、作動する第1のインサート前記主切れ刃42と、作動する第2のインサート前部主切れ刃52と交差し、言い換えれば、作動する第1および第2のインサート前部主切れ刃42、52と軸方向に重畳する。この発明のいくつかの実施形態において、第2の工具平面PT2は、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃42の各々と、少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃52の各々と交差してもよい。第2のインサート前端面および後端面46、48が同一である、この発明の実施形態の場合、第2工具平面PT2は、また少なくとも1つの第2のインサート後部主切れ刃54の各々とも交差してもよい。
図1および2に示すように、切削工具20は、また、軸方向に重畳する作動する第2のインサート前部主切れ刃52を有する、チップフルート34に沿って配列された複数の第2の切削インサート26を有することができる。第2の工具平面PT2を、作動する第1のインサートおよび作動する第2のインサート前部主切れ刃42、52と交差するように構成することは、有利に、チップフルート34に沿って連続した切れ刃の提供を可能にすることを理解されたい。図4に示すように、工具軸ATに垂直な切削工具20の側面図において、第1のインサート軸方向支持壁58に隣接する***した肩面84は、少なくとも部分的に、第2の切削インサート26によって隠れている。***した肩面84を、第2の切削インサート26により少なくとも部分的に隠れるように構成することは、第1のインサート軸方向支持壁58が第1の切削インサート24の軸方向の支持を提供しながら、第1および第2の切削インサート24、26を軸方向に近接して配置することを可能にすることに留意されたい。第1のインサート需要ポケット28が、切削体22の前端面32に開口し、第1の切削インサート24が、機械加工中の実質的な軸方向切削力を受けるので、第1の切削インサート24のための軸方向支持を提供することは、重要な要件である。
図6および7に示すように、肩面84は、第1のインサート座面56から、第1のインサート軸方向支持壁58だけ離間してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、肩面84は、第1のインサート座面56の軸方向外側に位置してもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、図4に示すように、第2の工具平面PT2は、肩面84と交差してもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、肩面84は、第1のインサート軸方向支持壁58と隣接していてもよい。図4に示すように、切削工具20の側面図において、片面84の部分は、第1の切削インサート24により隠れなくてもよい。この発明のいくつかの実施形態において、肩面84は、第2のインサート座面62の一部を形成してもよい。第2のインサート座面62が平面であり、肩面84は、平面である実施形態の場合、片面84は、同一平面上の延長部(coplanar extension)であってもよい。この発明のいくつかの実施形態において、図7に示すように、2つの第2のインサート主側面76a、76bの1つは、肩面84と接触することができる。(図示しない)この発明の他の実施形態において、肩面84は、第2のインサート座面62と異ならせてもよく、例えば、2つの第2のインサート主側面76a、76bのいずれもが肩面84と接触しないように、第2のインサート座面62からずらす、または傾斜を持たせるようにしてもよい。
図4および7に示すように、第1の工具平面PT1は、肩面84および第1のインサート外周側面40と交差してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、第1の工具PT1は、第1のインサート軸方向支持壁58と交差してもよい。図7に示すように、第1の工具平面PT1で切り取られた断面図において、肩面84と第1のインサート軸方向支持壁58は、内角の第1ポケット角α1を形成することができる。特に、この断面図において、肩面84と第1のインサート軸方向支持壁58は、上述した内角の第1のポケット角α1を有する段(step)を形成する。この発明のいくつかの実施形態において、第1のポケット角α1は、70乃至110度の範囲を有する。明細書及び特許請求の範囲を通して用語「内角」および「外角」の使用は、2つの面コンポーネントがそれぞれ形成される部材に対して内的および外的に測定される一対の面の2つのコンポーネント間の角度を指す。
図12に示すように、第1のインサート軸A1は、それぞれ前端面および後端面N1、N2において第1のインサート前端面および後端面36、38と交差してもよく、第1のインサート軸A1に垂直な第1のインサート中央平面(median plane)Mは前端点および後端点N1、N2間の中ほどに位置してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、図5に示すように、第1のインサート中央平面Mは、第1のインサート軸方向支持壁58および第2の切削インサート26と交差してもよい。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート中央平面Mは、肩面84と交差してもよい。
図5は、第1の切削インサート24と第1のクランプねじ72が取り除かれた、切削工具20の側面図を示すけれども、第1の切削インサート24に関連する第1のインサート中央平面Mを示すことに留意されたい。第1のインサート外周側面40が第1のインサート軸方向支持壁58全体と接触するこの発明の実施形態の場合、第1のインサート中央平面Mを第1のインサート軸方向支持壁58と第2の切削インサート26と交差するように構成することは、第1の切削インサート24に対して中央でかつ安定した軸方向の支持を提供しながら、チップフルート34のらせん角度を最小化することを可能にすることに留意されたい。
図3、4、6および8に示すように、第1のインサート収容ポケット28は、第1のインサート座面を横切る第1のインサート接線支持壁86を含むことができ、第1のインサート接線支持壁86は、第1のインサート後端面38と接触して第1の切削インサート24の接線支持を提供することができる。この発明のいくつかの実施形態において、図3および6に示すように、第1のインサート接線支持壁86は、回転Rの方向に面することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート接線支持壁86は、切削体22の前端面32と連続していてもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート接線支持壁86は、平面であってもよい。
図5に示すように、切削体22の側面図において、第1のインサート軸方向支持壁および第1のインサート接線支持壁58、86は、外側の鋭角な第2のポケット角α2を形成する。この発明のいくつかの実施形態において、第2のポケット角度α2は、75度から88度の範囲を有することができる。第1のインサート収容ポケット28に関して、図5は、また第1の切削インサート24と第1のクランプネジ72が取り外されていることを考慮して、切削体22の側面図も表すことを理解されたい。外部の鋭角な第2のポケット角α2を形成するように第1のインサート軸方向接線支持壁58、86を構成することは、第1のインサート接線支持壁86に作用する接線切削力が部分的に第1のインサート軸方向支持壁58に向けられ、第1のインサート軸方向支持壁58に作用する軸方向切削力は、機械加工中に、部分的に第1のインサート接線支持壁86に向けられ、有利に、安定したクランプ配置をもたらし、第1のクランプねじに作用する軸方向および接線方向の切削力を低減する。
図6および8に示すように、第1のインサート接線支持壁86は、第1のインサート座面56の半径方向外側に位置してもよい。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート接線支持壁86は、第1のインサート座面56から、第1のインサート接線応力緩和溝88だけ離間してもよい。図8に示すように、工具軸ATに垂直な第3の工具平面PT3で切り取られ、第1のインサート座面56と第1のインサート接線支持壁86と交差する断面図において、第1のインサート座面56と第1のインサート接線支持壁86は、外部の鋭角な第3のポケット角α3を形成する。
この発明のいくつかの実施形態において、第3のポケット角α3は、65度乃至85度の範囲を有することができる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第3の工具平面PT3は、少なくとも1つの第1の前部主切れ刃42の各々と交差してもよい。第1のインサート座面56と第1のインサート接線支持壁86が、外部の鋭角な第2のポケット角α3を形成するように構成することは、第1のインサート接線支持壁86に作用する接線切削力、が部分的に第1のインサート座面56に向けられ、機械加工中に、有利に、安定したクランプ配置をもたらし、第1のクランプネジ72に作用する接線切削力を低減することに留意されたい。
図7に示すように、第1のクランプねじ72は、第1のヘッド部分90と、そこから延伸する第1のシャンク部分(shank portion)92を有することができ、第1のヘッド部分90は全体的に、肩面84の軸方向外側に位置することができる。第1のヘッド部分90を全体的に、肩面84の軸方向の外側に位置するように構成することは、第1のヘッド部分90と、第1の貫通孔70を、第1のインサート軸方向支持壁58の軸方向外側に配置する。図3および4に示すように、肩面84と連続する接線方向端壁94は、回転方向Rに面することができ、接線方向端壁94は、第1のインサート接線方向支持壁86の回転前方に位置してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、図4に示すように、第2の工具平面PT2は、接線方向端壁94と交差してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、接線方向端壁94は、第1のインサート軸方向支持壁58と隣接していてもよい。
図6に示すように、第1のインサート軸方向支持壁58は、変化する第1のインサート座面56より上の高さを有していてもよい。例えば、第1のインサート軸方向支持壁58の高さは、回転方向Rに増大する。第1のインサート座面56より上の第1のインサート軸方向支持壁58の高さは、第1の接線方向支持壁86に最も近い軸方向支持壁最小高さHAMINから接線方向端面94に最も近い軸方向支持壁最大高さHAMAXへ変化することができる。第1の切削インサート24の軸方向支持に関して適切な表面積を提供するために、第1のインサート軸方向支持壁58の最小高さHAMINは、望ましくは、第1のインサート最大幅W1MAXの15%以上である。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、接線方向端壁94は、第1の切削インサート24と接触しなくてもよい。
図1、6および8に示すように、切削体22は、前端面32の軸方向後方に延伸する円筒状外周面96を有することができ、第1のインサート接線方向支持壁86は、外周面96と交差することができる。肩面84が、第1のインサート座面56の軸方向外側に位置するこの発明の実施形態の場合、肩面84は、外周面96の半径方向内側に位置してもよい。この発明のいくつかの実施形態において、図8および11に示すように、第1のインサート後端面38は、第1のインサート後部当接面98a、98bの対を有することができ、2つの第1のインサート後部当接面は、第1のインサート接線方向支持壁86と接触することができ、接触は、第1の接線方向支持壁86の半径方向最外側部で生じる。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート後部当接面98a、98bの対は、中間面100だけ離間することができる。
第1のインサート接線方向支持壁86と接触する2つの第1のインサート後部当接面98a、98bの一方のみを除いて、第1のインサート後端面38の他の部分は、第1のインサート収容ポケット28と接触していることに留意する必要がある。第1のインサート接線方向支持壁86の半径方向最外側部を第1のインサート後端面38と接触するように構成することは、第1の切削インサート24の接線方向の支持が、第1のヘッド部90と第1のインサート貫通孔70との間のクランプ接触の領域の半径方向の外側にもたらされ、機械加工中に、有利に安定したクランプ配置と、第1のクランプネジ72に作用する接線方向の力を低減する。
図12に示すように、第1のインサート軸A1を含む第1のインサート主平面PM1で切り取られた断面図において、第1のインサート後端面38は、凸形状を有することができる。この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート主平面PM1で切り取られた断面図において、第1のインサート後部当接面98a、98bの対は、内部鈍角の第1のインサート角度γ1を形成する。また、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート主平面PM1は、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃42の各々と交差することができる。さらに、この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート角γ1は、130度乃至170度の範囲を有することができる。2つの第1のインサート後部当接面98a、98bの1つと第1の切削インサート24の各割り出し位置(index position)におけるインサート接線方向支持壁86との間の適切な接触を確保するために、第1のインサート角度γ1は、第3ポケット角度α3の約2倍になる。
この発明のいくつかの実施形態において、第1のインサート主平面PM1と第1のインサート孔平面PB1は、同一平面上にあり得る。この発明のいくつかの実施形態において、図5に示すように、第1のインサート主平面PM1は、その全周に沿って外周面96と交差してもよい。図5は、第1の切削インサート24と第1のクランプねじ72が取り除かれた、切削工具20の側面を示すが、第1の切削インサート24に関連する第1のインサート主平面PM1が図示されることを理解されたい。
図4に示すように、作動する第1のインサート前部主切り刃42は、正の第1インサート軸方向すくい角β1を有し、作動する第1のインサート前部主切り刃52は、正の第2の軸方向すくい角β2を有することができる。第2の前端面および後端面46、48が同一であり、第1のインサート前端面46が第2のインサート接線方向支持壁64(図示せず)と接触しているこの発明の実施形態の場合、作動する第2のインサート後部主切れ刃54は、正の第2のインサート軸方向すくい角β2を有することができる。この発明をある程度詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載されたこの発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の変更および修正を行うことができることを理解されたい。

Claims (22)

  1. 前後方向(D、D)を規定し、回転方向(R)を有する工具軸(AT)の周りを回転可能な切削工具(20)において、
    前端面(32)と、
    前記前端面(32)に開口し、第1のインサート軸方向支持壁(58)と第1のインサート接線方向支持壁(86)が横切る第1のインサート座面(56)を有する第1のインサート収容ポケット(28)と、
    前記第1のインサート収容ポケット(28)の軸方向後方に位置し、第2のインサート座面(62)を有する第2のインサート収容ポケット(30)と、
    前記第1のインサート軸方向支持壁(58)に隣接する***された肩面(84)と、
    を有する切削体(22)と、
    前記第1のインサート収容ポケット(28)に取外し可能に固定された第1の切削インサート(24)であって、前記第1の切削インサート(24)は、前記回転方向(R)の前側に位置する第1のインサート前端面(36)と前記回転方向(R)の後側に位置する第1のインサート後端面(38)を有し、第1のインサート外周側面(40)が前記第1のインサート前端面と後端面(36、38)の間に延伸し、第1のインサート軸(A1)が前記第1のインサート前端面と後端面(36、38)を通って延伸し、少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃(42)が前記第1のインサート前端面(36)と前記第1のインサート外周側面(40)の交点に形成される、第1の切削インサート(24)と、
    前記第2のインサート収容ポケット(30)に取外し可能に固定された、第2の切削インサート(26)であって、前記第2の切削インサート(26)は、対向する第2のインサート前端面および後端面(46、48)を有し、第2のインサート外周側面(50)が前記第2のインサート前端面と後端面(46、48)の間に延伸し、第2のインサート軸(A2)が前記第2のインサート前端面と後端面(46、48)を通って延伸し、および少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃(52)が前記第2のインサート前端面(46)と前記第2のインサート外周側面(50)の交点に形成される、第2の切削インサート(26)と、
    を備え、
    前記第1のインサート座面(56)は、前記第1のインサート外周側面(40)の第1の部分と接触し、
    前記第1のインサート軸方向支持壁(58)は、前記第1のインサート外周側面(40)の第2の部分と接触し、
    前記第1のインサート接線方向支持壁(86)は、前記第1のインサート後端面(38)と接触し、
    少なくとも1つの第1のインサート前部主切れ刃(42)の1つが作動し、前記少なくとも1つの第2のインサート前部主切れ刃(52)の1つが作動し、工具軸(AT)に垂直な第2の工具平面(PT2)が、前記作動する第1のインサート前部主切れ刃(42)と前記作動する第2のインサート前部主切れ刃(52)と交差し、前記工具軸(AT)に垂直な前記切削工具(20)の側面図において、前記***された肩面(84)は、少なくとも部分的に前記第2の切削インサート(26)により隠れる、切削工具(20)。
  2. 前記切削体(22)の側面図において、前記第1のインサート軸方向支持壁(58)および前記第1のインサート接線方向支持壁86)は、鋭角な第2のポケット角(α2)を形成する、請求項1に記載の切削工具(20)。
  3. 前記工具軸(AT)に垂直であり、前記第1のインサート座面(56)と前記第1のインサート接線方向支持壁(86)と交差する、第3の工具平面(PT3)で切り取られた断面図において、前記第1のインサート座面(56)と前記第1のインサート接線方向支持壁(86)は、鋭角な第3のポケット角(α3)を形成する、請求項1または2に記載の切削工具(20)。
  4. 前記第1のインサート接線方向支持壁(86)は、前記回転方向(R)に面する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  5. 前記切削体(22)は、前記前端面(32)から軸方向の後ろ方向に延伸する円筒状外周面(96)を有し、前記第1のインサート接線方向支持壁(86)は、前記円筒状外周面(96)と交差する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  6. 前記第1のインサート後端面(38)は、第1の後部当接面(98a、98b)の対を有し、前記2つの第1の後部当接面(98a、98b)の1つだけが、前記第1のインサート接線方向支持壁(86)と接触し、接触は、前記第1のインサート接線方向支持壁(86)の半径方向の最外周部分に生じる、請求項5に記載の切削工具(20)。
  7. 前記第1のインサート軸(A1)を含む第1のインサート主平面(PM1)で切り取られた断面図において、前記第1のインサート後端面(38)は、凸形状を有する、請求項6に記載の切削工具(20)。
  8. 前記第1のインサート外周側面(40)は、2つの対向する第1のインサート主側面(66a、66b)と2つの対向する第1の副側面(68a、68b)を含み、前記2つの第1のインサート主側面(66a、66b)の1つは、前記第1のインサート座面(56)と接触し、前記2つの第1の副側面(68a、68b)の1つは、前記第1のインサート軸方向支持壁(58)と接触する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  9. 前記第1の切削インサート(24)は、前記2つの第1の副側面(68a、68b)間の最短距離として測定された第1のインサート最小長(L1MIN)と、前記2つの第1のインサート主側面(66a、66b)のうち前記第1のインサート最小長(L1MIN)となる部位において前記第1のインサート軸(A1)に垂直な方向に前記2つの第1のインサート主側面(66a、66b)間の最長距離として計測された第1のインサート最大幅(W1MAX)を有し、前記第1のインサート最小長(L1MIN)は、前記第1のインサート最大幅(W1MAX)より大きい、請求項8に記載の切削工具(20)。
  10. 前記第2のインサート外周側面(50)は、2つの対向する第2のインサート主側面(76a、76b)と2つの対向する第2のインサート副側面(78a、78b)を含み、前記2つの第2のインサート主側面(76a、76b)の1つは、前記肩面(84)と接触している、請求項9に記載の切削工具(20)。
  11. 前記第2の切削インサート(26)は、前記2つの第2のインサート副側面(78a、78b)間の最小距離として測定された第2のインサート最小長(L2MIN)と、前記第2のインサート軸(A2)と前記第2のインサート最小長(L2MIN)の方向の両者に垂直に測定された前記2つの第2のインサート主側面(76a、76b)の間の第2のインサート最大幅(W2MAX)を有し、前記第2のインサート最小長(L2MIN)は、前記第2のインサート最大幅(W2MAX)よりも大きい、請求項10に記載の切削工具(20)。
  12. 前記第1のインサート最大幅(W1MAX)は、前記第2のインサート最大幅(W2MAX)よりも大きい、請求項11に記載の切削工具(20)。
  13. 前記第2のインサート収容ポケット(30)は、前記第2のインサート座面(62)を横切る第2のインサート接線方向支持壁(64)を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  14. 前記肩面(84)は、前記第2のインサート座面(62)の一部を形成する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  15. 前記工具軸(AT)を含む第1の工具平面(PT1)は、前記第1および第2の切削インサート(24、26)交差する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  16. 前記第1の工具平面(PT1)は、前記肩面(84)および前記第1のインサート外周側面(40)と交差する、請求項15に記載の切削工具(20)。
  17. 前記第1の工具平面(PT1)で切り取られた断面図において、前記肩面(84)と前記第1のインサート軸方向支持壁(58)は、第1の内角ポケット角(α1)を形成する、請求項15または16に記載の切削工具(20)。
  18. 前記第2の工具平面(PT2)は、前記肩面(84)と交差する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  19. 前記第1のインサート軸方向支持壁(58)は、前記肩面(84)と前記第1のインサート座面(56)との間に位置している、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  20. 前記肩面(84)は、前記第1のインサート座面(56)の半径方向外側に位置する、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  21. 前記第1のインサート軸(A1)は、それぞれ、前端点および後端点(N1、N2)で前記第1のインサート前端面および後端面(36、38)と交差し、前記第1のインサート軸(A1)に垂直な第1のインサート中央平面(M)は、前記前端点および後端点(N1、N2)との間の中間に位置し、前記第1のインサート中央平面(M)は、前記第1のインサート軸方向支持壁(58)と前記第2の切削インサート(26)と交差する、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
  22. 前記切削工具(20)の前記側面図において、前記肩面(84)のいずれの部位も前記第1の切削インサート(24)により隠れない、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
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