JP7216012B2 - ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents
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Description
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性とを高度にバランスさせることができる。
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性とを高度にバランスさせることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分とスチレン・アルキレンブロック共重合体とを含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物を加硫した加硫ゴムの0℃、50℃および80℃における損失正接(tanδ)を、それぞれ、0℃tanδ、50℃tanδおよび80℃tanδとしたとき、0℃tanδが、0.3以上であり、0℃tanδ/50℃tanδが1.4以上であり、かつ、80℃tanδ/50℃tanδが0.85以上である、ゴム組成物である。
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性とを高度にバランスさせることができる。
ゴム成分としては、特に限定されず、公知のゴム組成物において用いられるゴム成分を用いることができる。ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソプレンゴム、これらの変性体などが挙げられる。ゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性と、耐寒性とを高度にバランスさせることができる。
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性と、耐寒性とを高度にバランスさせることができる。
一般式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、B3は、炭素数1~20のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示し、それぞれ複数存在する場合のB2及びB3は、各々独立している;
一般式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示し、複数存在する場合のB4は、各々独立している;
一般式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示し、複数存在する場合のB5は、各々独立している]
前記収縮因子(g’)は、0.64未満であり、好ましくは0.63以下であり、より好ましくは0.60以下であり、さらに好ましくは0.59以下であり、より一層好ましくは0.57以下である。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよいが、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.33以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、より一層好ましくは0.45以上であり、さらには0.59以上である。収縮因子(g’)がこの範囲である変性共役ジエン系重合体(A)を使用することで、ゴム組成物の加工性が向上する。
収縮因子(g’)は分岐度に依存する傾向にあるため、例えば、分岐度を指標として収縮因子(g’)を制御することができる。具体的には、分岐度が6である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.59以上0.63以下となる傾向にあり、分岐度が8である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.45以上0.59以下となる傾向にある。
また、変性共役ジエン系重合体(A)は、分岐を有し、分岐度が6以上であることがより好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して6以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、さらに好ましい。分岐度が6以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して6以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.63以下にすることができる。
更に、変性共役ジエン系重合体(A)は、分岐を有し、分岐度が7以上であることがさらに好ましく、分岐度が8以上であることがより一層好ましい。分岐度の上限は特に限定されないが、18以下であることが好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して7以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、より一層好ましく、1の当該カップリング残基に対して8以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、特に好ましい。分岐度が8以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して8以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.59以下にすることができる。
上記のピークトップ分子量(Mp1及びMp2)は、次のようにして求める。測定して得られるGPC曲線において、最も高分子量の成分として検出されるピークを選択する。その選択したピークについて、そのピークの極大値に相当する分子量を算出し、ピークトップ分子量とする。
また、上記の分子量200×104以上500×104以下の割合は、積分分子量分布曲線から分子量500×104以下が全体に占める割合から分子量200×104未満が占める割合を差し引くことで算出する。
変性共役ジエン系重合体(A)は、特定の高分子量成分を、好ましくは1.0質量%以上含み、より好ましくは1.4質量%以上含み、さらに好ましくは1.75質量%以上含み、より一層好ましくは2.0質量%以上含み、特に好ましくは2.15質量%以上含み、極めて好ましくは2.5質量%以上含む。また、変性共役ジエン系重合体(A)は、特定の高分子量成分を、好ましくは28質量%以下含み、より好ましくは25質量%以下含み、さらに好ましくは20質量%以下含み、より一層好ましくは18質量%以下含む。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある変性共役ジエン系重合体(A)を得るためには、後述する重合工程と反応工程とにおける反応条件を制御することが好ましい。例えば、重合工程においては、後述する有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよい。また、重合工程において、連続式、及び回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法を用いる、すなわち、成長反応の時間分布を広げるとよい。
ここで、一般式(VI)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
前記共役ジエン化合物としては、炭素数4~12の共役ジエン化合物が好ましく、より好ましくは炭素数4~8の共役ジエン化合物である。このような共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、及び1,3-ヘプタジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3-ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これら共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ビニル置換芳香族化合物としては、モノビニル芳香族化合物が好ましい。該モノビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、及びジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらビニル置換芳香族化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機モノリチウム化合物は、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、好ましくは、アルキルリチウム化合物である。この場合、重合開始末端にアルキル基を有する、共役ジエン系重合体が得られる。アルキルリチウム化合物としては、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、及びスチルベンリチウムが挙げられる。アルキルリチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n-ブチルリチウム、及びsec-ブチルリチウムが好ましい。これらの有機モノリチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記極性化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム-tert-アミラート、カリウム-tert-ブチラート、ナトリウム-tert-ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体(A)中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
前記結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、ゴム組成物をタイヤに適用した際に、低ロス性と、WET性能と、耐摩耗性とを、高度にバランスすることが可能となる。
なお、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、以下に準じて測定する。変性共役ジエン系重合体を試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとする。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定する(島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」)。
なお、変性共役ジエン系重合体(A)がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法[R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949)]により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2-結合量)を求めることができる。具体的には、以下のとおりである。変性共役ジエン系重合体を試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとする。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度により上記ハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2-ビニル結合量(mol%)を求める(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
なお、ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、以下のとおりである。変性共役ジエン系重合体を試料として、ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC3200S」を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、-100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
カップリング剤が有するアルコキシシリル基は、例えば、共役ジエン系重合体が有する活性末端と反応して、アルコキシリチウムが解離し、共役ジエン系重合体鎖の末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する傾向にある。カップリング剤1分子が有するSiORの総数から、反応により減じたSiOR数を差し引いた値が、カップリング残基が有するアルコキシシリル基の数となる。また、カップリング剤が有するアザシラサイクル基は、>N-Li結合及び共役ジエン系重合体末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する。なお、>N-Li結合は、仕上げ時の水等により容易に>NH及びLiOHとなる傾向にある。また、カップリング剤において、未反応で残存したアルコキシシリル基は、仕上げ時の水等により容易にシラノール(Si-OH基)となり得る傾向にある。
前記反応工程における反応時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上である。重合工程の終了時から反応工程の開始時までの時間は、カップリング率の観点から、より短い方が好ましいが、より好ましくは5分以内である。
反応工程における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。重合工程が連続式である場合は、反応工程も連続式であることが好ましい。反応工程における反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。カップリング剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器にカップリング剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
より好ましくは、前記一般式(VI)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2~10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(VI)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2~10の整数を示す。
かかるカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミン、ビス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-(3-トリスメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミン等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
変性共役ジエン系重合体(A)のGPCによるピーク分子量をMp1、共役ジエン系重合体のピーク分子量をMp2とした場合、以下の式が成り立つことが好ましい。
(Mp1/Mp2)<1.8×10-12×(Mp2-120×104)2+2
Mp2は、20×104以上80×104以下、Mp1は30×104以上150×104以下がより好ましい。
試料溶液の調製:試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とする。
ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを溶離液として用い、試料溶液10μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得る。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H」を接続して使用する。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得る。カラムは、商品名「Zorbax PSM-1000S」、「PSM-300S」、「PSM-60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用する。
変性率の計算方法:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求める。
変性率(%)=[1-(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
また、変性共役ジエン系重合体(A)は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピネート、2-メチル-4,6-ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤を添加することが好ましい。
一般式(I)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。上記活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
より好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2~10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2~10の整数を示す。
低TgゴムとしてSBRを選択する場合、低TgSBRのガラス転移温度は、-150℃以上-50℃以下が好ましく、-100℃以上-50℃以下がより好ましく、-80℃以上-50℃以下が更に好ましい。
高TgゴムとしてSBRを選択する場合、高TgSBRの分子量は6×104以上600×104以下であり、より好ましくは12×104以上500×104以下であり、17×104以上150×104以下であり、30×104以上130×104以下であることが更に好ましい。
高TgゴムとしてSBRを選択する場合、高TgSBRのガラス転移温度は、-50℃より大きく‐5℃以下が好ましく、-48℃以上-8℃以下がより好ましく、-42℃以上‐12℃以下が更に好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、少なくとも1種の高Tgゴムと少なくとも1種の低Tgゴムを併用することが望ましい。
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、スチレン系モノマー由来のブロックと、アルキレンブロックとを有する共重合体である。スチレン・アルキレンブロック共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、単位(A)の合計含量が、全アルキレンブロック(A単位+B単位)の総質量に対して、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましい。
これにより、ドライハンドリング性に優れながら、WET性能と低ロス性を両立することができる。
これにより、ドライハンドリング性に優れながら、WET性能と低ロス性を両立することができる。このスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体のエチレンブチレンブロックは、上述したエチレン単位とブチレン単位を有するブロックである。
充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、充填剤の総質量に対するシリカの量は、90~100質量%未満または90~95質量%も好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分とスチレン・アルキレンブロック共重合体に加えて、加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤は、例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チオウレアおよびジエチルチオウレアの中から選ばれる少なくとも1種である。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グアニジン類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジンおよび1-o-トリルビグアニドが好ましく、1,3-ジフェニルグアニジンがより好ましい。
スルフェンアミド類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-メチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-エチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-プロピル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ペンチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オクチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-2-エチルヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-デシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ドデシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ステアリル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジメチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジエチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジプロピル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジペンチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジオクチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジ-2-エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジドデシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジステアリル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドおよびN-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
チアゾール類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(N,N-ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4´-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4-メチル-2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-(4-メチル-2-ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2-メルカプト-6-ニトロベンゾチアゾール、2-メルカプト-ナフト[1,2-d]チアゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、6-アミノ-2-メルカプトベンゾチアゾールなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、2-メルカプトベンゾチアゾールおよびジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレアは、NH2CSNH2で表される化合物である。
ジエチルチオウレアは、C2H5NHCSNHC2H5で表される化合物である。
シランカップリング剤を用いることによって、ゴム加工時の作業性が更に優れると共に、耐摩耗性がより良好なタイヤを得ることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫剤としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄などが挙げられる。加硫剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分とスチレン・アルキレンブロック共重合体に加えて、C5系樹脂、C5~C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アルキルフェノール系樹脂およびこれらを一部水素添加したものからなる群より選択される熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C5系樹脂は、C5系合成石油樹脂を指し、C5留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。具体的には、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3-ペンタジエン及び1-ペンテンなどを主成分とする共重合体、2-ペンテンとジシクロペンタジエンとの共重合体、1,3-ペンタジエンを主体とする重合体などが挙げられる。
C5~C9系樹脂は、C5~C9系合成石油樹脂を指し、C5~C11留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体などが挙げられる。これらの中でも、C9以上の成分の少ないC5~C9系樹脂は、ゴム成分との相溶性が優れるため好ましい。具体的には、C5~C9系樹脂におけるC9以上の成分の割合が50質量%未満の樹脂が好ましく、40質量%以下の樹脂がより好ましい。また、これらを一部水添したもの(例えば、荒川化学工業社のアルコン(登録商標))なども挙げられる。
C9系樹脂は、C9系合成石油樹脂を指し、C9留分をAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。例えば、インデン、メチルインデン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。また、これらを一部水添したもの(例えば、荒川化学工業社のアルコン(登録商標))なども挙げられる。
テルペン系樹脂は、松属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレビン油またはこれから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得ることができる。例えば、β-ピネン樹脂、α-ピネン樹脂などが挙げられる。
テルペン-芳香族化合物系樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、あるいはさらにホルマリンで縮合することで得ることができる。例えば、テルペン-フェノール樹脂などが挙げられる。前記テルペン-フェノール樹脂のなかでも、テルペン-フェノール樹脂中のフェノール成分が50質量%未満の樹脂が好ましく、40質量%以下の樹脂がより好ましい。
ロジン系樹脂としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油レジン、ウッドロジンなどの天然樹脂ロジン;変性ロジン;変性ロジン誘導体などが挙げられる。前記変性ロジン誘導体は、具体的には、重合ロジン、その部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジンなどが挙げられる。
ジシクロペンタジエン樹脂は、ジシクロペンタジエンを、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒などを用いて重合して得ることができる。ジシクロペンタジエン樹脂の市販品の具体例としては、クイントン1920(日本ゼオン社製)、クイントン1105(日本ゼオン社製)、マルカレッツM-890A(丸善石油化学社製)などが挙げられる。
アルキルフェノール系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p-tert-ブチルフェノール-アセチレン樹脂などのアルキルフェノール-アセチレン樹脂、低重合度のアルキルフェノール-ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
ここで、前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン1分子と脂肪酸1分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸モノエステル(モノエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸ジエステル(ジエステル成分)でも、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とがエステル化してなるグリセリン脂肪酸トリエステル(トリエステル成分)でもよいし、これらの混合物でもよいが、グリセリン脂肪酸モノエステルが好ましい。なお、グリセリン脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルの混合物である場合、各エステルの含有率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。また、グリセリン脂肪酸ジエステルを構成する2つの脂肪酸、並びに、グリセリン脂肪酸トリエステルを構成する3つの脂肪酸は、同一でも、異なってもよい。
本発明に係るゴム組成物は、上述した成分以外に、ゴム工業界で通常使用される成分、例えば、老化防止剤、加硫促進助剤、有機酸化合物などを、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜選択して含有することができる。
本発明に係るゴム組成物の調製方法は特に限定されず、公知の混練方法を用いて、ゴム成分、スチレン・アルキレンブロック共重合体や、充填剤などの成分を混練すればよい。
本発明に係るタイヤは、上記いずれかに記載のゴム組成物を用いた、タイヤである。
これにより、ドライハンドリング性と、WET性能と、低ロス性とを高度にバランスさせることができる。
天然ゴム(NR):RSS#3
スチレンブタジエンゴム(低TgSBR1):後述する方法で合成
スチレンブタジエンゴム(高TgSBR1):後述する方法で合成、ガラス転移温度(Tg)=-24℃、重量平均分子量(Mw)=85.2×104、分子量200×104以上500×104以下の割合=4.6%、収縮因子(g’)=0.59
スチレンブタジエンゴム(高TgSBR2):JSR社製の乳化重合油展SBR、St量45%
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量15質量%):JSR社製のDYNARON(登録商標)8600P、A単位のA+B単位に対する割合68質量%
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量32質量%):クラレ社製のSEPTON(登録商標)8007、A単位のA+B単位に対する割合41質量%
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量35質量%):JSR社製のDYNARON(登録商標)8903P、A単位のA+B単位に対する割合70質量%
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量53質量%):JSR社製のDYNARON(登録商標)9901P、A単位のA+B単位に対する割合70質量%
シリカ1:東ソー・シリカ社製の商品名NipSil(登録商標) AQ、CTAB=165m2/g,BET=205m2/g
シリカ2:東ソー・シリカ社製、CTAB=191m2/g,BET=245m2/g
カーボンブラック:旭カーボン社製の商品名#80
シランカップリング剤:ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製の商品名Si69
C5~C9系樹脂(C5-C9樹脂):JXTGエネルギー社製の商品名T-REZ RD104
C9系樹脂(C9樹脂):JXTGエネルギー社製の商品名日石ネオポリマー140
ワックス:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋社製の商品名オゾエース0701
老化防止剤(6PPD):N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製の商品名ノクラック 6C
老化防止剤(TMQ):精工化学社製の商品名ノンフレックス RD-S
加硫促進剤(DPG):1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーD
加硫促進剤(MBTS):ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーDM
加硫促進剤(CBS):N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三新化学工業社製の商品名サンセラーCM-G
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行う。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行う。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性SBRを得る。その変性SBRのミクロ構造を測定し、結合スチレン量が10質量%、ブタジエン部分のビニル結合量が40%、ピーク分子量が200,000である。
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とする。予め水分除去した、1,3-ブタジエンを17.2g/分、スチレンを10.5g/分、n-ヘキサンを145.3g/分の条件で混合する。この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給する。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.019g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させる。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御する。重合が十分に安定したところで、反応器頂部出口より、カップリング剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定する。
次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミンを0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n-ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応する。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は7℃である。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了する。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合する。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性SBRを得る。
表1~3に示す配合処方に従って、ゴム組成物を調製する。そのゴム組成物をトレッドゴムに用いて、常法に従ってサイズ:195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを作製する。
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムについて、動的引張粘弾性測定試験機を用いて、周波数52Hz、初期歪2%、動歪1%、3℃/分の昇温速度で-25~100℃におけるtanδの値を測定し、0℃tanδ、50℃tanδおよび80℃tanδを求める。0℃tanδ、50℃tanδ、80℃tanδ、0℃tanδ/50℃tanδおよび80℃tanδ/50℃tanδの値を表2に示す。
<ドライハンドリング性>
各供試タイヤにつき、乾燥路面での実車試験にて、テストドライバーによるフィーリングに基づき、ドライハンドリング性を評価する。ゴム成分の組成が同じものごとにグループ化して、比較例1~3それぞれのドライハンドリング性能を100として指数表示する。評価結果を表2に示す。指数値が大きいほどタイヤのドライハンドリング性に優れることを示す。
湿潤路のコース上において、テストドライバーが、様々な走行を行い、走行中のタイヤの走行性能についてフィーリング評価を行う。ドライハンドリング性と同様に比較例1~3それぞれのWET性能を100として指数表示する。評価結果を表2に示す。指数値が大きいほどタイヤのWET性能に優れることを示す。
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムについて、損失正接(tanδ)を、上島製作所製スペクトロメーター、温度50℃、初期歪2%、動歪1%、周波数52Hzの条件で測定する。ドライハンドリング性と同様に比較例1~3それぞれのtanδの逆数を100として指数表示する。結果を表2に示す。指数値が大きいほど低ロス性に優れる。
Claims (6)
- ゴム成分とスチレン・アルキレンブロック共重合体とを含むゴム組成物であって、
前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が、前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、32質量%以上であり、
前記ゴム組成物を加硫した加硫ゴムの0℃、50℃および80℃における損失正接(tanδ)を、それぞれ、0℃tanδ、50℃tanδおよび80℃tanδとしたとき、
0℃tanδが、0.3以上であり、
0℃tanδ/50℃tanδが1.4以上であり、かつ、
80℃tanδ/50℃tanδが0.85以上である、ゴム組成物。 - 前記スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックが、-(CH2-CH(C2H5))-単位(A)と-(CH2-CH2)-単位(B)から成り、単位(A)の合計含量が、全アルキレンブロック(単位(A)+単位(B))の総質量に対して、40質量%以上である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分として天然ゴムを含む、請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分中における前記天然ゴムの割合が、20質量%以上である、請求項3に記載のゴム組成物。
- 前記スチレン・アルキレンブロック共重合体が、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体である、請求項1~4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いた、タイヤ。
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