JP7215166B2 - 積層体及び包装材 - Google Patents
積層体及び包装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7215166B2 JP7215166B2 JP2018248070A JP2018248070A JP7215166B2 JP 7215166 B2 JP7215166 B2 JP 7215166B2 JP 2018248070 A JP2018248070 A JP 2018248070A JP 2018248070 A JP2018248070 A JP 2018248070A JP 7215166 B2 JP7215166 B2 JP 7215166B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- layer
- oxygen
- hydroxyl
- laminate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/80—Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
前記接着剤層が、少なくとも水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との化合物を含む酸素吸収性樹脂(A)と、酸化促進触媒(B)と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)と、を備えた酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物を有することを特徴とする。
また、本発明の積層体においては、上記基材層が、紙を含むことが好ましく、上記基材層と上記バリア層との間に、中間層を備えることができる。
本発明の包装材は、上記の積層体からなるものである。
(実施形態1)
図1に、本発明の積層体の一実施形態の模式的な断面図を示す。なお、本発明の包装材は、図1の積層体からなるものとすることができるので、図1は、本発明の包装材の一実施形態の模式的な断面図ともいえる。図1において、積層体10は、多層フィルムよりなり、基材層11と、中間層12と、バリア層13と、接着剤層14と、シーラント層15とを、この順に積層して備えている。接着剤層14は、少なくとも水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との化合物を含む酸素吸収性樹脂(A)と、酸化促進触媒(B)と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)と、を備えた酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物を有している。
かかる特定組成の酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物は、包装材用の積層体10の接着剤として十分な接着力を有しているばかりでなく、高い酸素吸収性を有していることから、積層体10が、包装袋や包装容器として用いられたときに、密閉された内部空間中に含まれる酸素を吸収し、内容物の酸化劣化を抑制することができる。また、積層体10の密閉された内部空間中に、脱酸素剤を別途に用意して収容する必要がないので、内容物の袋詰め時の作業やコストを下げることができ、また、脱酸素剤を廃棄する必要がなく、脱酸素剤の誤飲を防止することもできる。
そして、接着剤層14の接着強度が低下するのは、通常は包装袋や包装容器を開封後のことである。開封前で包装袋や包装容器が内容物を密閉しているときには接着剤層14は酸素を大量に吸収することはなく、接着強度の低下は抑制され積層体10が接着剤層14で分離することはなく、包装袋や包装容器の機能は十分に果たされる。開封後は、包装袋や包装容器の密閉機能等を果たした後であるので、接着剤層14の接着強度が低下しても問題は生じ難いのである。
[基材層]
基材層11として、通常の包装材の基材層を構成する各種のフィルム、例えば紙や樹脂フィルムやこれらの積層体10を適宜使用することができる。基材層11が紙である場合には、積層体10を接着剤層14によりシーラント層15から分離した後で、基材層11を含む部分を焼却処理に供することができる。したがって、本発明の積層体10は、特に基材層11が紙である場合に本発明の有効性が現われる。もっとも基材層11は紙に限定されない。基材層11が樹脂フィルムである場合には、後述するバリア層13の種類にもよるが、基材層11を含む部分を焼却処理に供することができるし、また、リサイクルに供することもできる。
上掲した樹脂フィルムのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも言う。)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリへキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等は好ましい。上掲ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂は、それらの混合物であってもよい。
また、基材層11の表面は、接着性の向上のために、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を向上させる表面処理を施してもよい。
中間層12は、基材層11とバリア層13とを接着するものであり、基材層11が紙である場合に特に有効である。基材層11が樹脂フィルムであって、その樹脂フィルムの基材層11が、次に述べるバリア層13に対し十分な接着強度を有することができる場合には、中間層12は、必ずしも要しない。中間層12には、低密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等が使用できる。
バリア13層は、ガスの透過を防止して、内容物の重量減少や内容物の劣化を、効果的に抑制するものである。バリア層13は、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)等のフィルムのほか、アルミニウム箔(AL)、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着膜を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(蒸着ONy)、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層を設けたニ軸延伸ポリエチレンテレフタレート(蒸着PET)等を使用することができる。なかでもバリア層13がアルミニウム箔である場合には、当該アルミニウム箔がプラスチックのリサイクルにおいては不要な材料であり、次に述べるシーラント層15とは分離されて焼却処分されることが好ましいものである。したがって、本発明の積層体10は、特にバリア層13がアルミニウム箔の金属箔である場合に本発明の有効性が現われる。
接着剤層14は、少なくとも水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とを含む酸素吸収性樹脂(A)と、酸化促進触媒(B)と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)とを備えた酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物からなるものである。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物の性状は適宜変更し得るが、酸素吸収性樹脂(A)を用いた主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)との2液性接着剤樹脂組成物として実施し得るものであり、酸化促進触媒(B)は、酸素吸収性樹脂(A)とポリイソシアネート系硬化剤(C)とを配合する際に配合することができる。
なお、酸化促進触媒(B)は、酸素吸収性樹脂(A)と予め配合しておいてもかまわないし、あるいは、ポリイソシアネート系硬化剤(C)と予め配合しておいてもかまわない。
水酸基末端ジエン系樹脂(a1)は、炭素-炭素二重結合を含むもので、この炭素-炭素二重結合が、主鎖にあっても、側鎖にあっても良い。例えば、1,2-ポリイソプレン、1,4-ポリイソプレン、3,4-ポリイソプレン、1,2-ポリブタジエン、1,4-ポリブタジエンなどが挙げられ、共役二重結合がシス位、トランス位のどちらでも構わない。しかし、酸素との反応速度の観点からは、共役二重結合は主鎖にあり、かつシス位であることが好ましい。また、特に限定されるものではないが、炭素-炭素二重結合をもつ炭素が電子供与性置換基と結合していることが好ましい。また、水酸基末端ジエン系樹脂(a1)は、単独でも2種以上を併用してもよい。
水酸基末端ジエン系樹脂(a1)は、好ましくは、1.4ポリイソプレンと、1.2ポリブタジエンとからなり、かつ、該1.4ポリイソプレンと該1.2ポリブタジエンとの配合比率が質量比で80:20~100:0であるものである。1.4ポリイソプレンと該1.2ポリブタジエンとの配合比率が質量比で100:0である場合は、両成分のうち1.4ポリイソプレンのみを含み、1.2ポリブタジエンを含まないことを意味する。
酸素吸収性樹脂(A)中のポリエステル樹脂(a2)は多塩基酸とグリコールを脱水縮合することで得られる。ポリエステル樹脂(a2)中の芳香族ジカルボン酸の配合割合が80質量部を超える場合ではガラス転移温度が高くなり、接着強度が低下する。さらに、硬化膜は硬く、脆くなり凝集破壊が起こり易くなる。また、芳香族ジカルボン酸の配合割合が5質量部未満の場合、ジエン系ポリマーとウレタン化後のガラス転移温度が低くなるため、耐熱性の低下や凝集力不足により接着力が低下する。一方、脂肪族ジカルボン酸の配合割合が20質量部未満では柔軟性が失われ、プラスチックや、金属基材への接着力が低下、或いは凝集破壊が起こり易くなる。また、脂肪族ジカルボン酸の配合割合が50質量部を超える場合では耐熱性の低下や凝集力不足により接着力が低下する。
また、構造内に2重結合を持つジカルボン酸も使用が可能であり、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸やこれらの酸無水物などを単独或いは2種以上併用することができる。
水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とは、単に混合しただけではなく、ウレタン化などで化学結合していることが適当である。水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とを化学結合させずにブレンドしただけの場合、相溶性が著しく低下し、仕上がり外観の低下などの問題が生じる。配合割合としては、ポリエステル樹脂(a2)100質量部に対して、水酸基末端ジエン系樹脂(a1)が20質量部~80質量部であることが好ましい。水酸基末端ジエン系樹脂(a1)の配合割合が100質量部を超える場合、酸素吸収性能は向上するが、様々な種類のプラスチック及び金属フィルムとの貼り合わせを想定した場合、接着性能が低下する場合がある。
なお、水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とを化学結合させる例としては、前記ウレタン化以外にエステル化、アミド化、アロファネート化などを挙げることができる。
水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とを化学結合させる際には、各種鎖伸長剤(a3)を用いて実施することができる。
水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とをウレタン化させる場合には、ウレタン鎖伸長剤として、公知のイソシアネート化合物など、種々のイソシアネート化合物が使用できる。具体的には、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートやそれらのビューレット体、トリメチロールプロパンアダクト体、ヌレート体などを用いることができ、アロファネート体を用いることにより前記のアロファネート化をなすことができる。
なお、ジイソシアネートの官能基の数はとくに限定されるものではないが、主として2官能性であるジイソシアネートにて鎖伸長することが、塗工適性、接着力の面から好ましい。
接着剤層14の酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物は、酸素吸収性樹脂(A)が酸化することにより酸素吸収機能が発揮されるものであり、酸化促進触媒(B)を配合することによりその酸化作用を促進する。酸化促進触媒(B)としては、水酸基末端ジエン系樹脂(a1)の酸化促進を目的とした遷移金属触媒を示すことができ、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅、などの遷移金属触を例示することができる。塩の種類としては、ステアリン酸、ナフテン酸、オクチル酸などが好適である。これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。添加量としては、酸素吸収性樹脂(A)に対して10ppm~6000ppmであることが好ましく、添加量が10ppm未満の場合、酸素吸収性能が不十分となる場合があり、添加量が6000ppmを超える場合は、酸素吸収性樹脂(A)の安定性が損なわれ不具合が生じる可能性が高くなる。また、本発明のような薄膜用途においては、特にコバルトが迅速な酸素吸収性発現の観点で好ましい。
酸素吸収性樹脂(A)は、硬化剤(C)と配合する際に、酸化促進触媒(B)として用いる触媒の作用により、接着剤のポットライフが短縮してしまう場合がある。そこで、反応調整剤を併用することも好ましく、この反応調整剤としてリン酸類を添加することが好ましい。添加量としては、200ppm~400ppmであることが好ましく、200ppm未満ではポットライフの改善に至らず、400ppmを超えると、主剤である酸素吸収性樹脂(A)と硬化剤(C)の反応を阻害する可能性がある。
リン酸類としては、正リン酸、メタリン酸、ポリリン酸やそれらのエステル誘導体が挙げられ、これらの群から選ばれた1種または2種以上の使用ができるものである。
酸素吸収性樹脂(A)は、保存時、及びラミネート後の条件が、低温もしくは不活性ガス雰囲気下の場合、必ずしも酸化防止剤は必要としない。しかし、外的要因による酸素吸収性能低下を保護する目的で、酸化防止剤を含むことが好ましい。
酸素吸収性樹脂(A)には、所望の目的が損なわれない範囲で、接着付与剤として知られるシランカップリング剤、粘着付与剤や、反応促進剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、消泡剤などの各種添加剤、または、着色顔料や、体質顔料も添加ができる。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物に使用できる硬化剤(C)としては、一分子に2個以上のイソシアネート基を有すものであれば、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート系の何れも使用できる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、などの、トリメチロールプロパンアダクトや、ビューレット体、アロファネート体、イソシアヌレート体(三量体)が挙げられる。主剤(酸素吸収性樹脂(A))との配合割合としては、一般的なラミネート接着剤と同等の割合で配合出来る。具体的には、NCO/OHが1.0~3.0であることが好ましく、1.0未満では十分なラミネート強度が発現せず、3.0を超える場合、ポットライフの短縮などの不具合が生じる。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物を、酸素吸収性樹脂(A)を用いた主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)との2液性接着剤樹脂組成物として実施する場合、上述の反応調整剤、酸化防止剤、その他の配合物のそれぞれについては、酸素吸収性樹脂(A)を用いた主剤に予め配合して実施することができるが、ポリイソシアネート系硬化剤(C)に配合して実施してもかまわない。また前記酸素吸収性樹脂(A)を用いた主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)とを配合する際に、上述の反応調整剤、酸化防止剤、その他の配合物のそれぞれを配合してもかまわない。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物の塗布量については、2~5g/m2程度、好ましくは3~5g/m2程度である。塗布量が2g/m2未満の場合、十分な酸素吸収性能が得られない。また5g/m2を越える場合は、経済性において不利となる。一般的に、ラミネートされたフィルムは、通常室温~50℃で2日~5日間の養生が必要であるが、酸素吸収性能を低下させないため、低温もしくは不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物における水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とを化学結合させた酸素吸収性樹脂(A)の数平均分子量は、3000~10000の範囲が好ましく、10000を越える場合、得られた樹脂の粘度が高くなり、塗工時の希釈溶剤の使用量が増える問題や塗工適性が悪くなる問題が発生する。一方、数平均分子量が3000未満の場合、分子量が低い為に、ラミネート初期の接着力が劣る傾向にあり、巻き取り時に、所謂、巻きズレを引き起こすことがある。数平均分子量は、塗工適性やラミネート初期時の物性確保の観点から、より好ましくは、4500~9000程度がよい。
酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物の酸素吸収性樹脂(A)の具体的な使用方法としては特に問わないが、例えば適切な粘度となるよう加温し、硬化剤(C)を配合してから用いるノンソルベント型ラミネーション方式と、溶剤にて配合接着剤を適切な塗工粘度に希釈調整して用いるドライラミネーション方式とが挙げられる。
図1に示した積層体10は、シーラント層15を、更に備えている。このシーラント層15は包装袋にした時に最内層となる層であり、一枚の積層体10を、シーラント層15を内側にして折り畳んで対向させることにより、又は二枚の積層体10の各シーラント層15を対向させることにより、シーラント層15同士を、縁部で加熱押圧してシールすることで三方袋、スタンド袋等の各種の包装袋を作製することができる。
シーラント層15は、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂層である。シーラント層15に用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリアクリロニトリル(PAN)等があり、それらの1種又は2種以上からなる樹脂を使用することができる。本発明の積層体10は、接着剤層14が酸素を吸収することにより接着強度が低下してシーラント層15の部分を、他の部分と分離してリサイクルすることができる。
図1に示した本実施形態の積層体10は、次のようにして製造することができる。基材層11の一表面上に、必要に応じて中間層12を押出成形する。次いで、バリア層13を、基材層11(基材層11に中間層が形成されている場合には中間層12)の一表面上に、バリア層13を貼り合わせる。次いで、バリア層13の一表面上に、接着剤層14を形成させてから、この接着剤層14を介してシーラント層15を貼り合わせてドライラミネートする。
製造された積層体10は、包装材として用いることができる。包装材を用いて使用する包装袋、包装容器は、特に限定されないが、食品の包装袋、より具体的にはインスタントコーヒーのスティック状の包装袋等に用いることができる。
基材層として紙(上質紙、坪量150g/m2)を用意し、この紙の表面上に、中間層として低密度ポリエチレンを押出した後、アルミニウムフィルム(厚さ7μm)を貼り合わせた。
次に接着剤層として酸素吸収性付与ラミネート接着剤を作製した。この接着剤の作製では、水酸基末端1.4ポリイソプレン、1.2ポリブタジエン樹脂(a1)それぞれの比率が80対20となるよう混合したものとポリエステル樹脂(ロックペイント社製、RU77T)(a2)とにより酸素吸収性樹脂(A)を合成し、この酸素吸収性樹脂を酢酸エチルで希釈し、酸化促進触媒(B)としてのオクチル酸コバルトと、及びポリイソシアネート系硬化剤(C)を添加した。作製した接着剤を、乾燥塗布量が3.0g/m2になるように上述の積層体のアルミニウムフィルム表面に塗工し、無延伸無添加LLDPEフィルム(N-165、(アイセロ社製、厚さ40μm)とドライラミネート法により貼り合わせ、ラミネートフィルムを得た。
実施例1の接着剤の水酸基末端1.4ポリイソプレンと1.2ポリブタジエン樹脂(a1)の割合を100対0に変更した以外は同じにして、ラミネートフィルムを得た。
実施例1の基材層/中間層/アルミニウムフィルムを大日本印刷株式会社製透明蒸着バリアPETフィルムIB-PET(厚さ12μm)に変更し、そのコロナ処理面に実施例1の接着剤を塗布・乾燥した以外は同じにしてラミネートフィルムを得た。
実施例1の接着剤の水酸基末端1.4ポリイソプレンと1.2ポリブタジエン樹脂(a1)の割合を70対30に変更した以外は同じにして、ラミネートフィルムを得た。
実施例1の接着剤の水酸基末端1.4ポリイソプレンと1.2ポリブタジエン樹脂(a1)の割合を60対40に変更した以外は同じにして、ラミネートフィルムを得た。
実施例1の接着剤を、酸素吸収接着剤から汎用接着剤(TM570、東洋モートン社製)に変更した以外は同じにして、ラミネートフィルムを得た。
酸素吸収前と、22℃14日間保管後のAL/無添加LLDPE間の接着強度を調べ、更に、保管後の各ラミネートフィルムを手作業により分離可能であるか否かを調べた。これらの結果を表1に示す。なお、上記の接着強度は、ラミネート強度をテンシロン万能試験機を用いて測定した。
・測定条件
幅:15mm
11 基材層
12 中間層
13 バリア層
14 接着剤層
15 シーラント層
Claims (9)
- 基材層と、バリア層と、接着剤層と、シーラント層とを備え、
前記接着剤層が、少なくとも水酸基末端ジエン系樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との化合物を含む酸素吸収性樹脂(A)と、酸化促進触媒(B)と、ポリイソシアネート系硬化剤(C)と、を備え、前記水酸基末端ジエン系樹脂(a1)が、1.4ポリイソプレンと、1.2ポリブタジエンとからなり、かつ、該1.4ポリイソプレンと該1.2ポリブタジエンとの配合比率が質量比で80:20~100:0(ただし、100:0の場合を除く)である酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物を有することを特徴とする積層体。 - 前記酸素吸収性樹脂(A)が、前記水酸基末端ジエン系樹脂(a1)と前記ポリエステル樹脂(a2)との化学結合を有するウレタン化物である請求項1記載の積層体。
- 前記水酸基末端ジエン系樹脂(a1)が、炭素-炭素二重結合を、主鎖と側鎖との少なくとも何れか一方に含む請求項1又は2記載の積層体。
- 前記ポリエステル樹脂(a2)が、炭素-炭素二重結合を含まない請求項3記載の積層体。
- 前記水酸基末端ジエン系樹脂(a1)が、水酸基末端ポリイソプレンまたは水酸基末端ポリブタジエンである請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記ポリエステル樹脂(a2)100質量部に対する前記水酸基末端ジエン系樹脂(a1)の配合割合が、100質量部未満である請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材層が、紙を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材層と前記バリア層との間に、中間層を備える請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体からなる包装材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018248070A JP7215166B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 積層体及び包装材 |
JP2022159576A JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2022-10-03 | 積層体及び包装材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018248070A JP7215166B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 積層体及び包装材 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022159576A Division JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2022-10-03 | 積層体及び包装材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020104491A JP2020104491A (ja) | 2020-07-09 |
JP7215166B2 true JP7215166B2 (ja) | 2023-01-31 |
Family
ID=71447823
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018248070A Active JP7215166B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 積層体及び包装材 |
JP2022159576A Active JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2022-10-03 | 積層体及び包装材 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022159576A Active JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2022-10-03 | 積層体及び包装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7215166B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2024-03-27 | 大日本印刷株式会社 | 積層体及び包装材 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7340229B2 (ja) * | 2019-04-27 | 2023-09-07 | 進栄化成株式会社 | 袋容器、リサイクル方法、ラミネート方法 |
DE202021100156U1 (de) | 2021-01-14 | 2022-05-10 | Bischof + Klein Se & Co. Kg | Verpackung aus einem Verbundmaterial |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004131118A (ja) | 2002-10-09 | 2004-04-30 | Mitsui Chemicals Inc | ポリエチレンテレフタレート製単層容器 |
JP2006335803A (ja) | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 酸素吸収性塗料 |
JP2006334817A (ja) | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 紙基材積層体および酸素吸収性包装容器 |
JP2015168219A (ja) | 2014-03-10 | 2015-09-28 | ユニチカ株式会社 | 積層体 |
JP2017105910A (ja) | 2015-12-09 | 2017-06-15 | ロックペイント株式会社 | 酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物 |
JP2018027673A (ja) | 2016-08-19 | 2018-02-22 | 日本合成化学工業株式会社 | 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体並びにその製造方法 |
JP2020040319A (ja) | 2018-09-12 | 2020-03-19 | 大日本印刷株式会社 | 酸素吸収性積層体およびそれを用いた包装材料と包装袋 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7215166B2 (ja) | 2018-12-28 | 2023-01-31 | 大日本印刷株式会社 | 積層体及び包装材 |
-
2018
- 2018-12-28 JP JP2018248070A patent/JP7215166B2/ja active Active
-
2022
- 2022-10-03 JP JP2022159576A patent/JP7456469B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004131118A (ja) | 2002-10-09 | 2004-04-30 | Mitsui Chemicals Inc | ポリエチレンテレフタレート製単層容器 |
JP2006335803A (ja) | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 酸素吸収性塗料 |
JP2006334817A (ja) | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 紙基材積層体および酸素吸収性包装容器 |
JP2015168219A (ja) | 2014-03-10 | 2015-09-28 | ユニチカ株式会社 | 積層体 |
JP2017105910A (ja) | 2015-12-09 | 2017-06-15 | ロックペイント株式会社 | 酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物 |
JP2018027673A (ja) | 2016-08-19 | 2018-02-22 | 日本合成化学工業株式会社 | 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体並びにその製造方法 |
JP2020040319A (ja) | 2018-09-12 | 2020-03-19 | 大日本印刷株式会社 | 酸素吸収性積層体およびそれを用いた包装材料と包装袋 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7456469B2 (ja) | 2018-12-28 | 2024-03-27 | 大日本印刷株式会社 | 積層体及び包装材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020104491A (ja) | 2020-07-09 |
JP2022191322A (ja) | 2022-12-27 |
JP7456469B2 (ja) | 2024-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7456469B2 (ja) | 積層体及び包装材 | |
JP6075623B2 (ja) | ガスバリア性ポリエステル樹脂組成物、及びガスバリア性フィルム | |
JP5891766B2 (ja) | バリア性ラミネートフィルム及びこれを用いる包装材 | |
JP7156176B2 (ja) | 複合フィルムからの脱離性を有するラミネート接着剤、積層体、及びシート状基材のリサイクル方法 | |
JP6465788B2 (ja) | 酸素吸収性付与ラミネート接着剤樹脂組成物 | |
JP6892036B1 (ja) | 2液型接着剤、積層体、成型体、包装材 | |
WO2013005767A1 (ja) | ガスバリア性多層フィルム、接着剤、及びコーティング材 | |
WO2020246243A1 (ja) | 接着剤、電池用包装材用接着剤、積層体、電池用包装材、電池用容器及び電池 | |
JP5201429B2 (ja) | 酸素バリア性接着剤用樹脂組成物、接着剤、及び積層体 | |
JP7331340B2 (ja) | 酸素吸収性積層体およびそれを用いた包装材料と包装袋 | |
JP2000263727A (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP7331338B2 (ja) | 酸素吸収性積層体およびそれを用いた包装材料と包装袋 | |
JP2021098825A (ja) | 無溶剤型接着剤及び積層体 | |
JP2013234220A (ja) | 樹脂分散体の製造方法、接着剤、及びコーティング剤 | |
JP2020040320A (ja) | 酸素吸収性積層体およびそれを用いた包装材料と包装袋 | |
JP2022022769A (ja) | インモールドラベル用酸素吸収性積層体 | |
JP7183638B2 (ja) | 反応性接着剤、積層フィルム、及び包装体 | |
JP2022014244A (ja) | 紙カップ容器用酸素吸収性紙系積層体 | |
JP2000263726A (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 | |
JP2022014238A (ja) | ラミネートチューブ容器用酸素吸収性積層体 | |
JP7480625B2 (ja) | 積層フィルム及びその製造方法並びに包装袋 | |
WO2023132020A1 (ja) | 酸素吸収性化合物と、それを用いた酸素吸収性接着剤組成物および酸素吸収性コーティング剤組成物 | |
JP2023142385A (ja) | 酸素吸収性積層体 | |
JP2022014239A (ja) | 包装容器に用いられる蓋部品用酸素吸収性積層体 | |
JP2022014240A (ja) | ブリスター包装容器に用いられる成型部品用酸素吸収性積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211025 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220802 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221003 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7215166 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |