JP7207068B2 - 絶縁性被膜を有する被溶接物の抵抗溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、母材の表面に絶縁性被膜を有する被溶接物の抵抗溶接方法に関する。
金属部材同士を溶接する方法として様々な加熱手段が用いられる。そのうち、抵抗溶接は、重ね合わせた被溶接物を抵抗溶接電極で挟み、抵抗溶接電極から被溶接物の表面を通して溶接電流を付与し、ジュール熱を発生させることにより、被溶接物の接合面付近を加熱して溶融接着させる方法である。抵抗溶接方法は、短時間で効率的に溶接できるので、多くの分野で使用されている。
被溶接物が表面に電気的に絶縁性の被膜(本明細書では、「絶縁性被膜」と記載する。)を有する場合、それに抵抗溶接方法を適用すると、被溶接物に溶接電流を流すために十分な通電経路を確保できない。そのため、被溶接物の接合面を十分に加熱することできず、抵抗溶接を行うのが困難であった。また、必要な抵抗発熱量を得るために通電量を過度に高くすると、スパッタが発生して、外観不良や作業環境の悪化を招く恐れがあった。
上記の問題を解決するため、被溶接物の表面の絶縁性皮膜をレーザ光の照射によって予め除去する方法を提案されている(特許文献1を参照)。特許文献1の図5は、片面に陽極酸化皮膜を有するアルミニウム合金の被溶接物を例にした実施形態3を記載している。絶縁性の陽極酸化皮膜が外側に位置するように2つの被溶接物を重ね合わせた後、被溶接物の表面にレーザ光を照射して陽極酸化皮膜が除去された。次いで、陽極酸化皮膜が除去された部分に抵抗溶接電極を接触させて被溶接物を挟み、被溶接物の接合面で溶接された。
特開平10-225770号公報
特許文献1の方法は、抵抗溶接電極を接触させる部分において、溶接する前に絶縁性被膜を除去する必要があり、そのための作業に手間が掛かる。また、特許文献1の方法は、両面に絶縁性被膜を有する被溶接物に適用することができない。そのため、絶縁性被膜を有する被溶接物に抵抗溶接を適用する場合、溶接前の作業を簡略に行うことが望まれる。さらに、両面に絶縁性被膜を有する被溶接物に適用することが望まれる。
本発明は、絶縁性被膜を有する被溶接物に抵抗溶接を適用する場合、溶接前の作業を簡略に行うことができ、さらに、両面に絶縁性被膜を有する被溶接物に適用することができる抵抗溶接方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために検討した結果、被溶接物を重ね合わせた接合面側の絶縁性被膜に損傷を与えることにより、抵抗溶接を行うに必要な通電性を確保できることを見出して、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明は、表面に絶縁性被膜を有する複数の被溶接物を重ね合わせて組立体を形成する第1工程と、前記組立体に溶接電極を接触させる領域を介して加熱する手段により、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える第2工程と、前記損傷が与えられた前記組立体の表面において当該組立体を挟んで対向する位置に一対の溶接電極を接触させて通電し、抵抗溶接を行う第3工程と、を含む、抵抗溶接方法である。
(2)本発明は、前記第2工程は、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える面積が、0.3×4πt(t:板厚)で示される数値以上である、(1)に記載の抵抗溶接方法である。
(3)本発明は、前記第2工程における前記加熱する手段は、レーザ光の照射である、(1)または(2)に記載の抵抗溶接方法である。
(4)本発明は、前記絶縁性被膜は、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の少なくとも1種を含む酸化被膜である、(1)~(3)のいずれかに記載の抵抗溶接方法である。
本発明によれば、絶縁性被膜を有する被溶接物に抵抗溶接を適用する場合、溶接前の作業を簡略に行うことができ、さらに、両面に絶縁性被膜を有する被溶接物に適用することができる。
本実施形態の第1工程において両面めっき鋼板による態様を説明するための図である。 本実施形態の第2工程においてレーザ光を照射する態様を説明するための図である。 図2のレーザ光の照射により形成された被溶接物の凝固部及び損傷部を説明するための図である。 本実施形態の第3工程において抵抗溶接電極を接触させた態様を説明するための図である。 本実施形態を片面めっき鋼板に適用し、めっき面を対向させた例を示す図である。 本実施形態を片面めっき鋼板に適用し、めっき面と非めっき面とを対向させた例を示す図である。 本実施形態のレーザ照射で形成された被溶接物の損傷部を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。本発明は、以下の説明に限定されるものではない。
用途に応じて、絶縁性被膜を有する両面めっき鋼板のような被溶接物を重ね合わせて組立体を形成した後、それを接合するため、一対の溶接電極を挟んでスポット溶接などの抵抗溶接が施される。溶接電極から供給される電流の通電性は、絶縁性被膜によって低下する。そのため、従来技術のように、溶接する前に、溶接電極に接触する領域の縁性被膜を除去することは、抵抗溶接の通電性を向上させる上で効果的である。しかし、溶接電極に接触する領域の絶縁性被膜を除去するだけでは、十分な通電性が得られなかった。
本発明者らは、溶接による接合箇所が被溶接物の絶縁性被膜が対向する領域であることから、この対向領域における通電性に着目した。2枚の両面めっき鋼板を重ね合わせた組立体の場合、各めっき鋼板の絶縁性被膜が対向し、接合部には二重の絶縁性被膜が配置しているので、通電性が大きく阻害される。そこで、この対向領域における絶縁性被膜の一部を除去して通電経路を形成することを試みた。その結果、溶接電極と接触する表面に絶縁性被膜が残存したとしても、鋼板間の通電性を確保することにより、良好な溶接性が得られるという知見を見出した。
本実施形態に係る抵抗溶接方法は、表面に絶縁性被膜を有する複数の被溶接物を重ね合わせて組立体を形成する第1工程と、前記組立体に溶接電極を接触させる領域を介して加熱する手段により、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える第2工程と、前記損傷が与えられた前記組立体の表面において当該組立体を挟んで対向する位置に一対の溶接電極を接触させて通電し、抵抗溶接を行う第3工程と、を含むものである。
(第1工程)
被溶接物は、母材の表面に絶縁性被膜を有する。本実施形態の第1工程では、複数の被溶接物を重ね合わせて組立体を形成する。組立体を治具(図示を省略する。)によって固定することが好ましい。被溶接物は、板材、形材、管材など、その表面に電気的な絶縁性の被膜を有する物品であれば、特に限定されない。めっき層を鋼板の表面に有する両面めっき鋼板や片面めっき鋼板の被溶接物が好ましい。板厚が0.4~2.3mmの鋼板に適用してもよい。
本実施形態に係る絶縁性被膜は、被膜全体が絶縁性を有するものに限られない。表面側部分が絶縁性を有し、内側部分が導電性を有する被膜である場合も含まれる。
図1は、本実施形態の第1工程を模式的に示した図である。被溶接物として、絶縁性被膜2を鋼板1の両面に有する両面めっき鋼板3を用いた例である。2枚の両面めっき鋼板3を重ね合わせて組立体4が形成される。当該組立体4の内部では、めっき鋼板3の絶縁性被膜2が対向するように接している。当該組立体4の外表面にも絶縁性被膜2を有している。
被溶接物として、鋼板の片面に絶縁性被膜を有する片面めっき鋼板を用いる例を、図5と図6に示す。図5に示す例は、各片面めっき鋼板5のめっき面が対向し、組立体4の内部に絶縁性被膜2が配置された形態である。図6は、めっき面と非めっき面とが対向し、一方の片面めっき鋼板5の絶縁性被膜2が組立体4の内部に配置され、他方の片面めっき鋼板5の絶縁性被膜2が該組立体4の外表面に配置されている形態である。
本実施形態の抵抗溶接方法は、表面が絶縁性である絶縁性めっき被膜を母材の両面または片面に含む物品に適用することができる。絶縁性めっき被膜の付着量が両面当たりまたは片面当たり、30~350g/mの範囲である、めっき鋼板に適用してもよい。
(第2工程)
図2及び図3は、本実施形態の第2工程を模式的に示した図である。本実施形態の第2工程では、前記組立体4に溶接電極9を接触させる領域を介して加熱する手段6により、前記組立体4の内部の絶縁性被膜2に損傷を与える処理が行われる。第3工程において組立体の表面に溶接電極を接触させて抵抗溶接を行うので、第2工程は、その前処理として、溶接電極が接触する領域を介して試験体内部が加熱される。組立体を局所的に加熱することにより、組立体の内部に含まれる絶縁性被膜の一部が除去され、それによって組立体内部に通電経路を形成することができる。
本実施形態の第2工程は、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える面積が、0.3×4πt(t:板厚)で示される数値以上であることが好ましい。溶接により接合部に生じる溶融・凝固した部分であるナゲットについては、一般に、その直径(ナゲット径)が4√t(t:板厚)で表され、ナゲット面積が4πtで表される。上記の「0.3×4πt」は、ナゲット面積に対する損傷面積の比率を示しており、ナゲットにおける損傷部が通電経路を提供することから、損傷部分の面積は、ナゲット面積(4πt)に対して30%以上であると、十分な通電性が得られる。他方、損傷部分の面積比率が30%より小さいと、過大な電流密度が必要になり、ナゲット径や接合強度に影響を与える恐れがある。
当該加熱する手段としては、レーザ光の照射による方法が好ましい。図2に示すように、組立体4の一方の表面に向けて、第3工程で溶接電極9を接触させる領域にレーザ光6が照射される。レーザ光6が所定時間で照射されると、図3に示すように、組立体4のレーザ光6が照射されて通過する表面の絶縁性被膜2が局所的に加熱されることにより、その一部が溶融し凝固して、絶縁性被膜が除去された領域7が形成される。本明細書では、この領域7を「凝固部」という。当該凝固部7は、組立体4の表面から溶接電流を付与するための通電経路を形成する。
さらに、レーザ光の焦点を組立体4の内部の絶縁性被膜2の付近に設定するなど適正な条件でレーザ光の照射を行うと、当該絶縁性被膜2が局所的に加熱される。その加熱により、当該絶縁性被膜2が溶融または蒸発して、当該絶縁性被膜2の一部が除去されて損傷が与えられる。このように、本実施形態の第2工程における当該「損傷」なる記載は、絶縁性被膜の一部が除去された状態を意味する。組立体4の内部の絶縁性被膜2において損傷した部分8を「損傷部」という。当該損傷部8の形成により、絶縁性被膜2が2層で重なる板間において通電経路を確保することができる。
レーザ光を照射する条件としては、例えば、照射出力を600W、照射時間を500msで行うことができる。
第2工程における加熱手段は、レーザ光照射のほかに、誘導加熱、渦電流などの局所的な入熱を可能とする手段を使用してもよい。
(第3工程)
図4は、本実施形態の第3工程を模式的に示した図である。図4に示すように、本実施形態の第3工程では、前記損傷を与えられた前記組立体4の表面において当該組立体4を挟んで対向する位置に一対の溶接電極8を接触させて通電して、スポット溶接などの抵抗溶接が行われる。第2工程の加熱処理によって、組立体4の表面に凝固部7が形成されることに加えて、組立体4の内部に絶縁性被膜2の損傷部8が形成されることにより、十分な通電経路が形成される、そのため、溶接電極9を組立体4の表面に接触させて通電すると、電圧を過大に印加することなく、適度な条件で抵抗溶接を施すことが可能となる。
抵抗溶接は、スポット溶接など公知の溶接手段を使用することができる。組立体を溶接電極で挟み、所定の加圧力を加えて、所定の電流を印加することにより局部的に加熱し、点状の溶接部(ナゲット)を形成する。溶接条件は、例えば、通電時間:12/60秒、電流:8.0kA、加圧力:2.0kNを使用することができる。
本実施形態に係る抵抗溶接方法は、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の少なくとも1種を含む酸化被膜である絶縁性被膜を有する被溶接物に適用できる。例えば、黒色溶融めっき鋼板を挙げることができる。この鋼板は、原板として、Al:1.0~22.0質量%、Mg:1.3~10.0質量%を含む溶融Znめっき層を有するめっき鋼板を用いて、当該めっき鋼板を密封容器中で水蒸気と接触させる処理を施して得られた黒色めっき鋼板である。この水蒸気と接触させる処理により、めっき層の表面からZn、AlやMgの酸化反応が起こり、その結果、めっき層中に黒色酸化物が形成され、黒色溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。黒色酸化物が絶縁性物質であるため、黒色溶融亜鉛めっき層は、その表面側部分が絶縁性を示し、内側部分が導電性を有する。この黒色溶融亜鉛めっき層は、鋼板の両面または片面に形成されており、絶縁性被膜に相当する。
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
(1)板間被膜損傷面積率の測定
板厚が0.8mmの黒色溶融亜鉛めっき鋼板の2枚を重ね合わせて、上板及び下板からなる試験体を作製した。使用した当該めっき鋼板は、質量%でZn-6%Al-3%Mg組成のめっき層を有する両面めっき鋼板であり、寸法が100mm×30mm、めっき付着量が60~80g/mであった。当該めっき鋼板のめっき層は、その表面側部分が絶縁性を示し、内側部分が導電性を有する。試験体の上板の外側表面へ向けて1kWレーザ溶接機でレーザ光を照射し、上板及び下板の双方が対向する側の絶縁性被膜を部分的に損傷させた。
レーザ光の照射は、レーザ溶接機のフォーカスを245mm(ジャストフォーカス225mm+20mm)で固定し、照射出力を200W~800W、照射時間を200ms~1000msの範囲内で、レーザ光を照射した。
次いで、試験体の上板と下板における絶縁性被膜の損傷部における損傷面積を測定した。重ね合わせた上板及び下板にレーザ光が照射されるので、上板及び下板の両方で同程度の損傷が生じると考えられる。そこで、上板の損傷面積を測定した。ただし、基準とするナゲット面積が板厚に依存するので、2枚の板厚が同じでない場合は、板厚の薄い方の板における損傷面積を測定した。
上板と下板とを分離した後、下板に対向する上板表面の絶縁性被膜について損傷面積を測定した。マイクロスコープで観察した画像を用いて、めっき残存部分とめっき除去部分とが異なる色で判別できる。その一例を図7に示す。図7では、めっき残存部分が黒色で表示され、めっき除去部分が銀白色で表示されている。
ナゲット面積(4πt)に相当する領域において、めっき除去部分の面積を測定し、その合計値を損傷面積とした。ナゲット面積(4πt)に対する損傷面積の割合(%)を算出した。その割合を「板間被膜損傷面積率」という。実施例1で用いた試験体は、めっき鋼板の板厚が0.8mmであるから、基準ナゲット径(4√t)に基づくナゲット面積(4πt)は、約10.1mmに相当する。
(2)溶接性の評価
上記(1)の板間被膜損傷面積率の測定に用いた試験体と同様の手順により、試験体No.1~No.9を作製し、当該試験体に対してレーザ光を照射した。次いで、得られた試験体は、レーザ光が照射された箇所において単相交流式溶接機(交流周波数60Hz)を用いて、スポット溶接による抵抗溶接が行われた。
スポット溶接は、初期加圧時間を35cycle、通電時間を12cycle、電流値を7.0kA、加圧力を2.0kN、冷却水量を3L/minで行った。溶接電極は、クロム銅製の6DR形(ドームラジアス形 JIS C9304)電極を用いた。なお、初期加圧時間及び通電時間は、そのcycle値を周波数の60Hzで除した時間に相当する。例えば、12cycleは、0.2s(=12/60)に相当する。
従来例として、レーザ光の照射処理を行わなかった両面めっき鋼板からなる試験体No.10を準備し、他の試験体と同様の条件でスポット溶接を施した。試験体No.10の両面めっき鋼板は、試験体No.1~No.9と同様の両面めっき鋼板を使用した。
接合部の溶接性を評価するため、スポット溶接を施した試験体を用いて、JIS Z3140に準拠する引張せん断試験を行い、引張せん断強さ(kN)を測定した。その測定結果を表1に示す。表1に「-」で表示された試験体は、引張せん断試験機に取り付ける前に接合部が分離したため、引張せん断強さを測定することができなかった。
JIS Z3140によると、鋼におけるJIS A級の引張せん断強さは、板厚0.8mmの場合は、3.62kNに相当する。そこで、試験体の引張せん断強さが3.62kNを超えた場合は、その試験体を溶接性が良好である(〇)と判定した。3.62kN以下であった場合や接合されなかった場合は、その試験体を溶接性が不良である(×)と判定した。その評価結果を表1に示す。
表1における板間被膜損傷面積率(%)は、スポット溶接を行う前の試験体について測定して算出した数値を記載している。スポット溶接を行った試験体No.1~No.9においても、それらの測定結果と同程度の板間被膜損傷面積率を有すると推定できる。
Figure 0007207068000001
表1に示すように、試験体No.1~No.5は、絶縁性被膜の板間損傷面積率が30%以上であるため、いずれも良好な溶接性が得られた。それに対し、試験体No.7~No.9は、板間被膜損傷面積率が30%未満であるため、溶接性が不良であった。
<実施例2>
めっき付着量が異なる両面めっき鋼板を用いて、実施例1と同様の手順で、試験体No.21~No.25を作製し、レーザ光照射及びスポット溶接を行い、板間被膜損傷面積率及び引張せん断強さを測定し、溶接性を評価した。鋼板のめっき付着量を30~350g/mの範囲で変化させて試験体を作製した。レーザ光照射及びスポット溶接は、実施例1と同様の条件で行なった。スポット溶接を施した試験体の引張せん断強さを測定し、実施例1と同様の基準で溶接性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0007207068000002
表2に示すように、30~350g/mの付着量のサンプルについて、板間被膜損傷面積率が30%以上である試験体が得られ、いずれも良好な溶接が得られ、実用上のスポット溶接を適用することが可能であった。
<実施例3>
板厚の異なる両面めっき鋼板を用いて、実施例1と同様の手順で、試験体No.31~No.35を作製し、レーザ光照射及びスポット溶接を行い、板間被膜損傷面積率及び引張せん断強さを測定し、溶接性を評価した。両面めっき鋼板の板厚を0.4~2.3mmの範囲で変化させて試験体を作製した。両面めっき鋼板の寸法、めっき付着量は、実施例1と同様である。
レーザ光の照射は、出力を200~1000W、照射時間を200~2000msとし、その他の条件を実施例1と同様とした。
スポット溶接は、通電時間を6~30cycle、電流値を6.0~13.0kA、加圧力を1.5~5.0kNとし、その他の条件を実施例1と同様とした。スポット溶接を施した試験体の引張せん断強さを測定し、実施例1と同様の手順で溶接性を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0007207068000003
表3に示すように、0.4~2.3mmの板厚の試験体について、板間被膜損傷面積率が30%以上である試験体が得られ、いずれも良好な溶接が得られ、実用上のスポット溶接を行うことが可能であった。
実施例1~3は、両面めっき鋼板による試験結果を示したものである。片面めっき鋼板を重ね合わせた組立体の内部には、図5に示すように、両面めっき鋼板の組立体と同様に2層の絶縁性被膜が重なって配される形態と、図6に示すように、1層の絶縁性被膜が配される形態とがあり、組立体内部の絶縁性被膜の厚みが実施例1~3の試験体と同程度あるいは薄いといえる。そのため、これらの片面めっき鋼板の組立体を用いて、実施例1~3と同様の手順で、レーザ光の照射処理とスポット溶接を行えば、実施例1~3と同様に、板間被膜損傷率が30%以上であるときは、良好な溶接性が得られる。
1 鋼板
2 めっき層(絶縁性被膜)
3 両面めっき鋼板(被溶接物)
4 組立体
5 片面めっき鋼板(被溶接物)
6 レーザ光
7 凝固部
8 損傷部
9 溶接電極

Claims (3)

  1. 表面に絶縁性被膜を有する複数の被溶接物を重ね合わせて組立体を形成する第1工程と、
    前記組立体に溶接電極を接触させる領域を介して加熱する手段により、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える第2工程と、
    前記損傷が与えられた前記組立体の表面において当該組立体を挟んで対向する位置に一対の溶接電極を接触させて通電し、抵抗溶接を行う第3工程と、を含
    前記第2工程における前記加熱する手段は、レーザ光の照射である、抵抗溶接方法。
  2. 前記第2工程は、前記組立体の内部の絶縁性被膜に損傷を与える面積が、0.3×4πt(t:板厚)で示される数値以上である、請求項1に記載の抵抗溶接方法。
  3. 前記絶縁性被膜は、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の少なくとも1種を含む酸化被膜である、請求項1または2に記載の抵抗溶接方法。
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