JP7193214B2 - ロック機構付き箱型容器 - Google Patents
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Description
こうした問題に対応するために充填する容器又はその蓋体に、幼児等では容易に取り外しのできない機能、即ち、所謂チャイルドレジスタンス機能を付与することが求められている。このチャイルドレジスタンス機能を有する容器は、例えば、従来技術である容器の蓋体が、ただ単に蓋体と容器本体とを引き離す方向に蓋体を引っ張る操作だけで取り外せるのに対し、ただ蓋体を引っ張る操作だけでは蓋体を取り外せず、蓋体を引っ張る前に又は同時に蓋体を引っ張るのとは別の操作を蓋体等に対して行い、それによって蓋体を取り外すように構成されている。
有底角筒状からなる容器本体と、容器本体の開口端に組み付く内枠部を有すると共に内枠部の内側に開口部が形成された内蓋と、内枠部の上に嵌着される外枠部を有すると共に開閉可能に装着された外蓋と、外蓋に対して摺動自在に設けられたスライド機構と、を備えた箱型容器であって、
スライド機構が外蓋の一端側の外枠部に達することにより外蓋を開蓋不能なロック状態に設定し、スライド機構が外枠部の一端側から他端側に向けて摺動することによりロック状態が解除されて外蓋の開蓋を可能にするロック機構が設けられていることを特徴とする、と云うものである。
後端の案内リブが外枠側案内長孔に挿入され、前端の案内リブが外枠側案内長孔と内枠側案内長孔の双方に挿入されることで、スライド板が摺動方向に案内される、との手段を加えたものである。
本発明の主たる構成においては、箱型容器の3箇所にロックする構成を設けたことにより、幼児等のいたずらによる取り外しを防止するチャイルドレジスタンス機能を実現することができる。
またスライド部材を他端に移動させるだけで全てのロック機構を解除することができるため、従来における蓋体の取り外しの容易さをも確保することができる。
図1は本発明の実施例としてのロック機構付き箱型容器の外観を示す斜視図、図2はロック機構付き箱型容器の平面図、図3は開蓋状態を示す箱型容器の斜視図、図4は開蓋状態を図3とは異なる方向から示す斜視図、図5は内蓋を下方から示す斜視図、図6はスライド板を取り除いた状態の外蓋を示す斜視図、図7は外蓋を図6とは異なる方向から示す斜視図、図8はスライド板を示す斜視図、図9は図2のIX-IX線における箱型容器の断面図である。
尚、以下の説明においては、図中に示すx方向を左右方向(摺動方向ともいう)、y方向を前後方向と規定する。また左右方向(摺動方向)のうち窓部22aを有する側を一端又は右端、その逆側を他端又は左端と規定し、さらに前後方向のうちヒンジ40を有する側を後側又は後端、その逆のヒンジを有しない側を前側又は前端と規定する。さらに容器本体の開口端側を上方とし、その逆の底部側を下方と規定する。
容器本体1は、平面視略長方形状からなる有底角筒状(箱型形状)の容器であり、上方に設けられる開口端2の外縁には外側に向けて水平に形成されたフランジ3が周設されている(図9参照)。この容器本体1には、例えば粉体状に形成した又はフィルムによって覆われた液体を略ボール状に形成した洗剤等の内容物が収納される。
図5に示すように、内枠部11の一端(右端)には内壁部11aを貫通する内側貫通孔13が形成され、他端には付勢部材14が形成されている。付勢部材14は内壁部11aの一部にL字状のスリット15を入れることにより形成され、スリット15の基端となる支点部14aにて片持ち状態で弾性的に支持されている。付勢部材14の自由端(先端)側には、内方(開口部12方向)に向けて突出する係止凸部14bが形成されている。この付勢部材14は支点部14aを支点に自由端側の係止凸部14bが略左右方向に揺動することが可能に構成されている。
外枠部21は、互いに対向配置された内壁部21aと外壁部21b及びこれらを連結する上壁部21cを有して断面略コの字状に形成されており、外枠部21を内蓋10側の内枠部11上に嵌着させることにより、内蓋10の開口部12が閉塞され、箱型容器A全体を閉蓋状態とすることが可能となっている(図1参照)。
頂壁22の一端(右端)側には角状に開口する窓部22aが形成され、この窓部22aを通じて容器本体1内に収納されている内容物を取り出すことが可能とされている。また外枠部21の前後両方向に位置する外枠部21の内壁部21aには、これら内壁部21aに沿って直線的に延びるスリット状の外枠側案内長孔24が夫々形成されている。これら外枠側案内長孔24は、後述するようにスライド機構30の一部を構成する。
本実施例に示す内蓋10と外蓋20とは一体成形され、図2、図3又は図9に示すように、箱型容器Aの後端の位置において内枠部11と外枠部21との間がヒンジ40を介して一体に連結されており、外蓋20は内蓋10に対して回動自在に設けられている。
図8に示すように、スライド板31の前端及び後端の両側部には、スライド板31の底面に略L字形状に形成され且つ左右方向(摺動方向)に所定の幅寸法L1を有して成る一対の案内リブ32が夫々形成されている。案内リブ32の幅寸法L1は、内蓋10に形成された開放部17の左右方向の長さ寸法L2(図4参照)よりも短い寸法で形成されている(L1<L2)。
スライド板31は外蓋20の頂壁22上に配置される。図9に示すように、案内リブ32は一対に設けられ、前端側は長く、後端側は短く形成されている。前端では案内リブ32が外枠部21の外枠側案内長孔24と内枠部11の内枠側案内長孔16の双方に挿入され、後端では案内リブ32が外枠部21の外枠側案内長孔24のみに挿入されている。そして、スライド板31は前端の案内リブ32が外枠側案内長孔24と内枠側案内長孔16に、後端の案内リブ32が外枠側案内長孔24にそれぞれ案内されることにより、左右方向(摺動方向)に水平姿勢を維持しながらスムーズに移動できるように構成されている。
図10は第1ロック機構を示す図2のX-X線断面図であり、Aはロック状態、Bはロック解除中の状態、Cは解除後の非ロック状態である。また図11は第2ロック機構を示し、Aはロック状態を示す図2のXIa-XIa線断面図、Bはロック解除中の状態を示す図2のXIb-XIb線断面図、Cは解除後の非ロック状態を示す図2のXIb-XIb線断面図である。さらに図12は第3ロック機構を示す図2のXII-XII線断面図であり、Aはロック状態、Bはロック解除中の状態、Cは解除後の非ロック状態である。
スライド板31を摺動させ、スライド板31の一端(右端)が外蓋20の内壁部21aに当接する位置まで移動させた状態(ロック状態)に設定する。
この状態では、図10Aに示すように、箱型容器Aの一端(右端)の位置では、スライド板31の一端(右端)に設けられている係止突部33が連通状態にある内側貫通孔13と外側第1貫通孔25に挿入されている。そして、係止片33aが内側貫通孔13の上壁と外側第1貫通孔25の上壁との間に形成された段差部Sに係合し、係止突部33が内側貫通孔13及び外側第1貫通孔25内から抜脱できない状態にある。よって、箱型容器Aの一端(右端)は、外枠部21と内枠部11とが分離不能に組み付き、外蓋20の開封を阻止するロック状態に設定されている。このように、上記係止片33a、内側貫通孔13及び外側第1貫通孔25は、箱型容器Aの一端(右端)において外蓋20の開封を阻止する第1ロック機構を構成している。
図10Bに示すように、箱型容器Aの前端の位置において、スライド板31の一端(右端)を下方に押圧して撓み変形させ、係止片33aと段差部Sとの係合を解除させる。次に図10Cに示すように、スライド板31を他端(左端)方向(図示矢印方向)に摺動させ、係止突起33を内側貫通孔13及び外側第1貫通孔25から抜脱させることにより第1ロック機構のロック状態を解除する(非ロック状態)。さらに続けてスライド板31を他端(左端)方向に向けて移動させることにより、外蓋20の頂壁22に形成されている窓部22aを露出させることができる(図2参照)。よって、窓部22aを通じて容器本体1内に収納されている内容物を少量ずつ取り出すことが可能となる。
さらに、図12A及び図12Bに示すように、スライド板31の他端(左端)が外蓋20の内壁部21aに当接すると、押圧突起34が外側第2貫通孔26に挿入し、その裏面側に位置する係止凸部14bが押し込まれて係止凸部14bと係止凹部27とが係合が解除されるため、第3ロック機構を非ロック状態とすることができる。
よって、図10C、図11C及び図12Cに示すように、後端に設けられたヒンジ40を支点として外蓋20を回動させると、外枠部21と内枠部11との嵌合が解除されるため、外蓋20を開蓋状態(図3、図4又は図9の破線参照)とすることができる。よって、一度に多くの内容物を、内枠部11の開口部12を通じて取り出すことが可能となる。
2 : 開口端
3 : フランジ
10 : 内蓋
11 : 内枠部
11a : 内壁部
11b : 外壁部
11c : 上壁部
12 : 開口部
13 : 内側貫通孔
14 : 付勢部材
14a : 支点部
14b : 係止凸部
15 : スリット
16 : 内枠側案内長孔(スライド機構)
17 : 開放部
20 : 外蓋
21 : 外枠部
21a : 内壁部
21b : 外壁部
21c : 上壁部
22 : 頂壁
22a : 窓部
23 : 堀部
24 : 外枠側案内長孔(スライド機構)
25 : 外側第1貫通孔
26 : 外側第2貫通孔
27 : 係止凹部
30 : スライド機構
31 : スライド板
32 : 案内リブ
33 : 係止突起
33a : 係止片
34 : 押圧突起
40 : ヒンジ
A : 箱型容器
L1 : 案内リブの幅寸法
L2 : 開放部の長さ寸法
S : 段差部
Claims (6)
-
有底角筒状からなる容器本体(1)と、該容器本体(1)の開口端(2)に組み付く内枠部(11)を有すると共に該内枠部(11)の内側に開口部(12)が形成された内蓋(10)と、前記内枠部(11)の上に嵌着される外枠部(21)を有すると共に開閉可能に装着された外蓋(20)と、該外蓋(20)に対して摺動自在に設けられたスライド機構(30)と、を備えた箱型容器であって、
前記スライド機構(30)が前記外蓋(20)の一端側の外枠部(21)に達することにより前記外蓋(20)を開蓋不能なロック状態に設定し、前記スライド機構(30)が前記外枠部(21)の一端側から他端側に向けて摺動することにより前記ロック状態が解除されて前記外蓋(20)の開蓋を可能にするロック機構が設けられていることを特徴とするロック機構付き箱型容器。
-
スライド機構(30)は、外蓋(20)の頂壁(22)に沿って摺動自在に設けられたスライド板(31)と、該スライド板(31)の前端及び後端の両側部に形成された一対の案内リブ(32)と、外枠部(21)の両内壁部(21a)に、前記スライド板(31)の摺動方向に沿って夫々形成された外枠側案内長孔(24)と、前記内枠部(11)の一方の内壁部(11a)に、前記摺動方向に沿って形成された内枠側案内長孔(16)と、を有して構成され、
後端の案内リブ(32)が前記外枠側案内長孔(24)に挿入され、前端の案内リブ(32)が前記外枠側案内長孔(24)と前記内枠側案内長孔(16)の双方に挿入されることで、前記スライド板(31)が摺動方向に案内される請求項1記載のロック機構付き箱型容器。
-
ロック機構が、外枠部(21)の一端に形成された外側第1貫通孔(25)及び内枠部(11)の一端に形成された内側貫通孔(13)と、スライド板(31)の一端に突設された係止突起(33)とを有して構成され、前記スライド板(31)が一端側に摺動して前記係止突起(33)が連通状態にある前記外側第1貫通孔(25)及び前記内側貫通孔(13)の双方に挿入することで前記外蓋(20)の開蓋が規制され、前記スライド板(31)が他端側に摺動して前記係止突起(33)が前記外側第1貫通孔(25)及び前記内側貫通孔(13)から抜脱することで前記規制が解除される第1ロック機構を有する請求項2記載のロック機構付き箱型容器。
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内枠側案内長孔(16)に連設される開放部(17)が外枠部(21)の内壁部(21a)側の端部に形成されており、ロック機構が、一端側に移動したスライド板(31)の前端の案内リブ(32)が外枠側案内長孔(24)と前記内枠側案内長孔(16)の双方に挿入されることで外蓋(20)の開蓋が規制され、前記スライド板(31)が他端に移動し、前記スライド板(31)の前端の案内リブ(32)が内枠側案内長孔(16)から前記開放部(17)内に移動することで前記規制が解除される第2ロック機構を有する請求項2又は3記載のロック機構付き箱型容器。
-
内蓋(10)側の開口部(12)に連通し且つスライド板(31)の移動に応じて露出する窓部(22a)が外蓋(20)に形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロック機構付き箱型容器。
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内枠体(11)と外枠体(21)とがヒンジ(40)を介して連結されており、前記外蓋(20)が内蓋(10)に対して開閉自在に設けられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロック機構付き箱型容器。
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