JP7188993B2 - 現像ローラ、および、画像形成装置 - Google Patents
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Description
潜像は、感光ドラム12の表面が帯電ローラ15により帯電され、帯電された表面に対して露光装置16により画像情報が露光されることで形成される。また、図中の符号17は転写部を示し、ここで紙等の記録媒体18にトナー画像が転写される。また、符号19はクリーニング部を示し、転写後に感光ドラム12の表面に残留するトナーをクリーニングブレード20により除去している。
前記表層が、平均粒径2μm以下のトリアジン系樹脂粒子を含み、
前記表層に含まれるバインダー樹脂100質量部に対する前記トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)を、前記トリアジン系樹脂粒子の平均粒径(μm)で除した値が、38~750であることを特徴とする。
本発明の現像ローラによれば、トナー帯電量(Q/M)とトナー質量(M/A)とを適正に調整することができる。
本実施形態の現像ローラは、図1に示すような画像形成装置(例えばレーザープリンター)において用いることができ、図2の軸方向断面図に示すように、現像ローラ1は、シャフト部材2と、当該シャフト部材2の径方向外側に位置する基層3と、当該基層3の径方向外側に位置し、現像ローラ1の表面を形成する表層4とを備える。また、本実施形態の現像ローラ1の表層4は、平均粒径2μm以下のトリアジン系樹脂粒子を含み、表層4に含まれるバインダー樹脂100質量部に対するトリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)を、トリアジン系樹脂粒子の平均粒径(μm)で除した値が、38~750である。
なお、本実施形態の現像ローラ1は、シャフト部材2上に形成する層として基層3および表層4に限定されることはなく、基層3と表層4との間やシャフト部材2と基層3との間には、任意に、単層または複数層の他の層を形成することができる。例えば、基層3、表層4の間に接着性や電気抵抗調整等のローラ特性を発現させるために、複数の層を設けてもよい。
また、シャフト部材2の外径は、十分な強度を備えつつ軽量化の観点から、3~8mmとすることができる。
さらに、基層3は、特に限定されないが例えば、基層3の原料となる樹脂組成物の塗料をシャフト部材2の表面に塗装することにより形成することができ、当該塗装方法としては、ダイコート法、ロールコート法、ディッピング法、スプレー法、コンマコート法等を用いることができる。
このように、表層4が、平均粒径2μm以下のトリアジン系樹脂粒子を、その含有量と平均粒径とが所定の関係を満たすように含有することで、トナー帯電量(Q/M)とトナー質量(M/A)とを適正に調整することができる。
具体的には、正帯電性のトナーを用いた場合、現像ローラのトナー質量(M/A)が高くなりすぎると、トナー搬送が過多となり、印字不良や感光体の汚れが発生する場合があり、また、トナー帯電量(Q/M)が高くなりすぎると、現像ローラ1から感光体へのトナーの受け渡しが円滑に行われず、所定の印字濃度を得ることができない場合がある。また、負帯電性のトナーの場合、トナー帯電量(Q/M)が小さくなりすぎる場合も同様に所定の印字濃度を得ることができない場合がある。したがって、記録媒体上の画質を向上させる観点からトナー帯電量(Q/M)とトナー質量(M/A)とを適正に調整することが求められている。
そして、従来の現像ローラでは、正帯電性のトナーを用いた場合、現像ローラのトナー質量(M/A)を高くさせすぎずにトナー帯電量(Q/M)を小さくなるように調整することが困難であった(なお、逆に、負帯電性のトナーの場合ではトナー質量(M/A)を高くさせすぎずにトナー帯電量(Q/M)を高く調整することが困難であった。以下、正帯電性のトナーに着目して説明する)。具体的には、従来の現像ローラでは、現像ローラのトナー質量(M/A)を所定量とするため、例えば平均粒径4~10μm程度のウレタン粒子を現像ローラの表層に含有させると、トナーが帯電しやすくなりトナー帯電量(Q/M)が大きくなりすぎることとなり、逆に、トナーの帯電を抑えてトナー帯電量(Q/M)が小さくなるようにウレタン粒子の平均粒径を大きくすると、粒子にトナーが多く担持されてトナー質量(M/A)が大きくなりすぎていた。
これに対して、本実施形態の現像ローラ1では、表層4が平均粒径2μm以下のトリアジン系樹脂粒子を含有することにより、現像ローラ1がトナーを多く担持しすぎることを避けつつ(すなわち、トナー質量(M/A)が高くなるのを避けつつ)、正電荷を帯びやすいトリアジン系樹脂粒子によってトナー帯電量(Q/M)を小さくしやすくすることができる。さらに、本実施形態では、トリアジン系樹脂粒子の含有量と平均粒径とが所定の関係を満すことにより、表層4の表面においてトナーとトリアジン系樹脂粒子とが接触・擦れやすくなり(帯電列の観点より正帯電性のトナーを帯電させにくくなり)、トナー帯電量(Q/M)を効果的に小さくすることができる。したがって、トナー帯電量(Q/M)とトナー質量(M/A)とを適正に調整することができる。
なお、本発明の現像ローラは、正帯電性のトナーだけでなく負帯電性のトナーを用いる場合にも使用することができる。
なお、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求められる体積平均粒径(Mv)を意味している。
トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)を平均粒径(μm)で除した値を38以上にすることにより、表層4の表面においてトナーとトリアジン系樹脂粒子とが接触・擦れやすくなり(トナーを帯電させにくくなり)、正帯電性のトナーのトナー帯電量(Q/M)を効果的に小さくすることができる。また、トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)を平均粒径(μm)で除した値を750以下にすることにより、トリアジン系樹脂粒子が多くなりすぎるのを抑制して、表層4を形成するためのバインダー樹脂(硬化させる前の塗料の状態)の貯蔵安定性を向上させることができたり、トリアジン系樹脂粒子の脱落を防止して表層4の耐久性を向上させることができる。
さらに、表層4を、紫外線硬化型樹脂を用いて形成する場合や、紫外線硬化型樹脂以外の樹脂を用いて形成する場合であっても、表層4には、トリアジン系樹脂粒子の他に、ゴム又は合成樹脂の粒子や無機粒子、カーボン粒子、具体的にはシリコーンゴム、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合体、フッ素樹脂、ウレタン、ウレタンアクリレート、フェノール樹脂、シリカ等の粒子を含有せることができる。
具体的には、本実施形態の画像形成装置では、図1に示すように、現像ローラ1が、トナーを供給するためのトナー供給ローラ11と静電潜像を保持した感光ドラム12との間に配置され、これら現像ローラ1、感光ドラム12およびトナー供給ローラ11がそれぞれ図中の矢印方向に回転することで、トナー13がトナー供給ローラ11により現像ローラ1の表面に供給される。供給されたトナーは成層ブレード14により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ1が感光ドラム12と回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ1から感光ドラム12の潜像に付着して、潜像が可視化されるようになっている。
潜像は、感光ドラム12の表面が帯電ローラ15で帯電され、帯電された表面に対して露光装置16により画像情報が露光されることで形成される。また、図中の符号17は転写部を示し、ここで紙等の記録媒体18にトナー画像が転写される。また、符号19はクリーニング部を示し、転写後に感光ドラム12の表面に残留するトナーをクリーニングブレード20により除去している。
なお、本実施形態の画像形成装置には、さらに、画像形成装置に通常用いられる公知の部品を設けることができる(図示せず)。
本実施形態の画像形成装置においては、現像ローラ1として、上記の、トナー帯電量(Q/M)とトナー質量(M/A)とを適正に調整された、本実施形態の現像ローラ1を用いたので、紙等の記録媒体上の画質を向上させることができる。
(a-1)トリアジン系樹脂粒子:メラミン樹脂、平均粒径0.1μm(日本触媒社製、エポスターSS)
(a-2)トリアジン系樹脂粒子:メラミン樹脂、平均粒径0.4μm(日本触媒社製、エポスターS6)
(a-3)トリアジン系樹脂粒子:メラミン樹脂、平均粒径2μm(日産化学工業社製、オプトビーズ2000ML)
(a-4)トリアジン系樹脂粒子:メラミン樹脂、平均粒径3.5μm(日産化学工業社製、オプトビーズ3500ML)
(a-5)ウレタン粒子:平均粒径2μm(根上工業社製、MM120T)
(a-6)アクリル粒子:平均粒径0.15μm(綜研化学社製、MP-1451)
実施例1~6、比較例1~5の現像ローラとして、図2に示すような、シャフト部材とその外周に順次形成された基層および表層とを備える現像ローラを作製した。
具体的には、実施例1~6、比較例1~5では、シャフト部材として、外径が7.5mmのアルミ製芯金を用いた。このシャフト部材のパイプの表面上に、基層を、ウレタンアクリレート(亜細亜工業社製、ASBC375)、導電剤(カーボンブラック(電気化学工業株社製、デンカブラック))を用いてダイコート法にて作製した。その後、基層の表面上に、表層を形成させた。表層は、バインダー樹脂(亜細亜工業製、PX31-96)に、表1に示す粒子、開始剤(BASF製、Irg.907)を含有させた塗料を、基層の表面上にロールコート法にて塗布し、紫外線を照射して硬化させて、表層を形成した。
得られた現像ローラを、後述する測定方法により、トナー単位質量あたりの帯電量(Q/M)と、現像ローラの単位面積あたりのトナー質量(M/A)とを測定した。その結果を表1に示す。
トナー帯電量(Q/M)およびトナー質量(M/A)を次の方法で測定した。
画像形成装置に、表1中の各現像ローラを装着したカートリッジを組み込み、印刷させずに現像ローラを400V、50PPMの条件で空回転させたあとカートリッジを取りだして、現像ローラ表面のトナーをファラデーゲージ内へ吸引して取り込むことで、「トナーの総電気量Q(μC)」と「取り込んだ全てのトナーの質量M(g)」を測定して、トナー帯電量(Q/M(μC/g))を得た。また、上記のようにしてトナー帯電量を測定した際に、トナーを取り去った現像ローラ表面部分の面積(A)を算出することにより、トナー質量(M/A(mg/cm2)を得た。その結果を表1に示す。トナー帯電量(Q/M)が50(μC/g)以下であり、且つ、トナー質量(M/A)が0.25~0.35(mg/cm2)である場合を、良好な値として判断した。
11:トナー供給ローラ、 12:感光ドラム(感光体)、 13:トナー、
14:成層ブレード、 15:帯電ローラ、 16:露光装置、 17:転写部、
18:記録媒体、 19:クリーニング部、 20:クリーニングブレード
Claims (5)
- シャフト部材と、当該シャフト部材の径方向外側に位置する基層と、当該基層の径方向外側に位置し、表面を形成する表層とを備える、現像ローラであって、
前記表層が、平均粒径2μm以下のトリアジン系樹脂粒子を含み、
前記表層に含まれるバインダー樹脂100質量部に対する前記トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)を、前記トリアジン系樹脂粒子の平均粒径(μm)で除した値が、350~750であり、
トナー単位質量あたりの帯電量が50(μC/g)以下であり、
且つ、現像ローラ表面の単位面積あたりのトナー質量が0.25~0.35(mg/cm2)であることを特徴とする、現像ローラ。 - 前記表層に含まれるバインダー樹脂100質量部に対する前記トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)が、1~200質量部である、請求項1に記載の現像ローラ。
- 前記表層に含まれるバインダー樹脂100質量部に対する前記トリアジン系樹脂粒子の含有量(質量部)が、5~120質量部である、請求項1に記載の現像ローラ。
- 前記トリアジン系樹脂粒子の平均粒径が、1μm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の現像ローラ。
- 請求項1~4のいずれかの現像ローラを備える、画像形成装置。
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