JP7184064B2 - 自動車用構造部材、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、衝突の形態としては、軸圧壊する衝突形態と、曲げ変形する衝突形態とがある。軸圧壊する衝突形態では、自動車前面から入力される衝突荷重を受けるクラッシュボックスやフロントサイドメンバのように、部材の長手方向が衝突方向と一致して軸圧壊が発生する。曲げ変形する衝突形態では、側面衝突におけるBピラーやサイドシルのように、構造部材の側面に衝突荷重が負荷されて部材が曲げ変形する。両方の形態は、いずれも、部材が座屈変形することで衝突エネルギーを吸収し、耐衝突性能を発揮する。
またこのような方法では、特に、広い領域を補強部材で補強するにつれて、重量増加が顕著となる。また耐衝突性能の観点から、構造部材や補強部材には高強度鋼板が適用される傾向にあるため、寸法精度の確保や溶接性の低下など、生産性やコスト面に課題がある。
一方で、発泡充填材による補強は、生産工程の複雑化が懸念され、リサイクル性の観点からも課題がある。また、部分的に発砲充填部材を取り付ける場合、部材取付けに接着が用いられるが、変形途中でのはく離や経年劣化などの接着性に課題があり、安定した耐衝突性能の確保が困難であると考えられる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、補強による重量の増加を抑えつつ、簡便に耐衝突性能を向上させることが可能な自動車用構造部材を提供することを目的とする。
課題解決のために、本発明の一態様は、天板部の両側にそれぞれ側壁部及びフランジ部が連続する断面ハット形状からなる2つのハット断面部材における、対向するフランジ部同士をそれぞれ接合して閉断面形状を構成する中空部材を有し、上記中空部材は、2つの天板部の対向する方向を高さ方向とした場合、一方のフランジ部同士の接合面である第1合わせ面の高さ方向の位置と、他方のフランジ部同士の接合面である第2合わせ面の高さ方向の位置と、が異なり、更に、上記中空部材の一方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの一方のハット断面部材側の側壁部の外壁面、及び、上記中空部材の他方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの他方のハット断面部材側の側壁部の外壁面に、それぞれ当接する一対の板材と、上記一対の板材を連結して上記一対の板材間の距離が広がることを拘束する連結部材と、を備える1以上の補強部材を有することを要旨とする。
すなわち、本発明の態様によれば、構造部材(中空部材)の対向する2つの壁部を、一対の板材と連結部材で連結する。これによって、本発明の態様によれば、衝突時の部材断面変形を抑制し、特に曲げ変形における衝突荷重を向上させることが可能となる。
また、本発明の態様によれば、例えば、高強度化による溶接性の低下を懸念し、溶接による接合手法を回避しつつ、簡便な手法で衝突性能を向上させることが可能となる。
更に、本発明の態様によれば、プレスや曲げなどの加工によって得られる補強部材を用いないため、部品点数の増加による重量増加や、金型増加によるコスト増加を避けるという効果もある。
(構成)
本実施形態では、図1及び図2に示すような天板部10A、11Aの両側にそれぞれ側壁部10B、11B及びフランジ部10C、11Cが連続する断面ハット形状からなる2つのハット断面部材10、11について、左右の対向するフランジ部10C、11C同士を接合して閉断面形状を作成して中空部材とする。その中空部材を、補強すべき自動車用構造部材1(以下、単に構造部材1とも記載する。)とする。フランジ部10C、11C同士の接合は、例えば、スポット溶接にて行われる。
ここで、右側で対応するフランジ部10C、11C同士の接合面を、第1合わせ面S2と、左側で対向するフランジ部10C、11C同士の接合面を、第2合わせ面S1と記載する。
また、本明細書では、2つの天板部10A、11Aの対向する方向を、高さ方向と呼ぶ。
そして、本実施形態では、2つの天板部10A、11Aのうちの一方の天板部を基準とした、右側の第1合わせ面S2の高さL2と、左側の第2合わせ面S1の高さL1とが異なるように設定する。
0 < h ≦ 0.55H ・・・(1)
ここで、第1合わせ面S2と第2合わせ面S1との間の高さの差hが、天板部間の高さHの0.55倍より大きくなった場合は、衝突荷重が負荷されていくと、衝突過程における変形のバランスが大きく崩れ、断面が左右の一方向に折れ曲がる(平行四辺形を押しつぶすイメージ)ため、変形抵抗が大きく低下すると考えられる。
なお、各天板部10A、11Aや側壁部10B、11Bに、長手方向に向けて延びる1又は2以上のビードが形成されていても良い。
また、図1やその他の図面には、実施例における部材の寸法を併記しているが、この寸法は、本発明を何ら限定するものではない。
本実施形態の補強部材は、図3のように、一対の板材22と、その一対の板材22を連結して、一対の板材間の距離が広がることを拘束する連結部材とを有する。
一対の板材は、中空部材の左側の壁部を構成する2つのハット断面部材の側壁部のうちの一方のハット断面部材の側壁部の外壁面、及び、中空部材の右側の壁部を構成する2つのハット断面部材の側壁部のうちの他方のハット断面部材の側壁部の外壁面に、それぞれ当接する。
本実施形態では、2つの天板部10A、11Aのうちの一方の天板部10Aからの、右側のフランジ部同士の接合面である第1合わせ面S2の高さL2と、左側のフランジ部同士の接合面である第2合わせ面S1の高さL1と、が異なる。このため、板材22が当接する2つの側壁部は、左側の壁部を構成する2つの側壁部のうちの高さ方向の長さが相対的に大きい側の側壁部、及び、右側の壁部を構成する2つの側壁部のうちの高さ方向の長さが相対的に大きい側の側壁部としている。
ここで、本実施形態のように、相対的に高さが大きい側壁部同士を、一対の板材22及び連結部材で連結することで、左右の2つの合わせ面S1、S2の高さL1、L2が異なる場合でも、中空部材の左右の壁部を最短距離で連結できる。そして、より有効に、構造部材1の対向する2つ壁部が面外方向へ膨らむ(座屈する)ことを抑制する。
軸部材20は、対向する2つ側壁部10B、11B間の距離よりも長く、且つ軸方向両端部にそれぞれ雄ねじ部が形成されている。雄ねじ部は、例えば側壁部10B、11Bよりも内側の位置から先端20aに向けて形成されている。
ここで、板材22は、側壁部11Bの外面に当接する面積が、板材22に当接するナット部材21の面積よりも大きい方が好ましい。また、ナット部材21の面が大きい場合には、ナット部材21自体を板材22の代わりとしても良い。
そして、軸部材20は、対向する2つ側壁部11Bに開口した貫通穴にそれぞれ端部を貫通させるように配置される。なお、軸部材20は、中空部材を作製した後でも、例えば、一方の側壁部11B側の貫通穴から通すことで簡単に取り付けることができる。
そして、各側壁部11Bから外方に突出した各軸部材20の端部(雄ねじ部)に対し、ワッシャ部材が取り付けられていると共に、ナット部材21が螺合している。そして、ナット部材21を締め付けることで、各板材22を構成するワッシャ部材は側壁部11Bの外面に当接する。ナット部材21からはみ出す軸部材20の端部の部分は、予め切断、若しくはナット部材21を締め込んだ後に切断してもよい。
上記説明では、軸部材20の両端部に、それぞれワッシャ部材とナット部材21を取付け、ナット部材21を締め込む構成で説明したが、補強部材の構成はこれに限定されない。
また、図5に示すように、軸部材20の一端部に片方のワッシャ部材と同形状の大径部20Aが予め固定されている軸部材20を使用しても良い。図5の大径部20Aは、左右のナット部材21のうちの一方のナット部材21とワッシャ部材の両方を兼ねる。
ここで、図3中、符号G1で記載する方向に沿って、相対的に高さが小さい側壁部同士を、一対の板材22及び連結部材で連結しても良いが、この場合、連結部材が斜めに配置されることから、その分、一対の板材22及び連結部材での拘束力が相対的に小さくなる。
なお、軸部材20は、天板部10A、11Aの幅方向に軸を向けて配置されるが、平面視で、構造部材1の長手方向と直交していなくても良い。補強部材は、構造部材1の長手方向と交差する方向(例えば垂直方向)で、衝突荷重が負荷される可能性が高いと推定される位置の近傍に設けることが好ましい。
また、一対の板材22(ワッシャ部材)を設ける位置は、例えば、2つの天板部10A、11Aが対向する方向に沿って衝突荷重が負荷される可能性が高いと推定される側の天板部10A、11Aにおける面位置と、対向する2つ側壁部10B、11Bの対向方向からみて、板材22の一部が上下(2つの天板部10A、11Aの対向方向)で重なるような位置に配置する。
衝突荷重が負荷される可能性が高いと推定される天板部10Aにおける面位置は、例えば、その構造部材1を配置する車両位置に基づき、過去の事故情報などから、車両の側面衝突によって、対象とする構造部材1のどの部分に衝突荷重が入力され易いかよって推定する。
上記の補強部材を備えた構造部材1にあっては、左右の合わせ面の高さを異にすることによる効果に加えて、対向する2つ側壁部11Bに当接する一対の板材22を連結部材で連結させることで、2つの天板部10A、11Aの対向方向に入力される衝突荷重による対向する2つ壁部の外方への膨らみ(座屈)を、連結部材での軸方向に沿った引張力で抑える。このため、少ない重量の補強部材で衝突時の変形を抑制することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、衝突時の部材断面変形を効果的に抑制し、特に曲げ変形における最大荷重を向上させることが可能となる。
例えば、構造部材1を作製後に、簡易に、補強部材にて補強を行うことが可能となる。
なお、軸部材20の端部に対し各板材22を溶接にて固定しても良いが、螺合による取付けの方が簡易な構造となる。
更に、本実施形態によれば、プレスや曲げなどの加工によって補強部材を設けないため、部品点数の増加による重量増加や、金型の増加によるコスト増加を避けるという効果もある。
本実施形態では、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、天板部の両側にそれぞれ側壁部及びフランジ部が連続する断面ハット形状からなる2つのハット断面部材における、対向するフランジ部同士をそれぞれ接合して閉断面形状を構成する中空部材を有し、上記中空部材は、2つの天板部の対向する方向を高さ方向とした場合、一方のフランジ部同士の接合面である第1合わせ面の高さ方向の位置と、他方のフランジ部同士の接合面である第2合わせ面の高さ方向の位置と、が異なり、更に、上記中空部材の一方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの一方のハット断面部材側の側壁部の外壁面、及び、上記中空部材の他方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの他方のハット断面部材側の側壁部の外壁面に、それぞれ当接する一対の板材と、上記一対の板材を連結して上記一対の板材間の距離が広がることを拘束する連結部材と、を備える1以上の補強部材を有する。
すなわち、本実施形態では、構造部材(中空部材)の対向する2つの壁部を、一対の板材と連結部材で連結する。これによって、本発明の態様によれば、衝突時の部材断面変形を抑制し、特に曲げ変形における衝突荷重を向上させることが可能となる。
また、この構成によれば、例えば、高強度化による溶接性の低下を懸念し、溶接による接合手法を回避しつつ、簡便な手法で衝突性能を向上させることが可能となる。
更に、この構成によれば、プレスや曲げなどの加工によって得られる補強部材を用いないため、部品点数の増加による重量増加や、金型増加によるコスト増加を避けるという効果もある。
この構成によれば、軸部材20(ネジ棒)にナット部材21を螺合させることで補強部材を構成する一対の板材22が構造部材1に取り付けられる。このため、構造部材1への補強部材の取付けに溶接作業が不要となる。この結果、本実施形態によれば、構造部材1の高強度化による溶接性の低下を懸念し、溶接による接合手法を回避しつつ、螺合という簡便な取付け方法で耐衝突性能を向上させることが可能となる。
更に、この構成によれば、2つのハット断面部材の側壁部同士を連結部で連結して補強する場合であっても、構造部材1を作製して閉断面形状とした後でも、簡易に、補強部材で補強を行うことが可能となる。
この構成によれば、軸部材20(ネジ棒)にナット部材21を螺合させることで補強部材を構成する一対の板材22が構造部材1に取り付けられる。このため、構造部材1への補強部材の取付けに溶接作業が不要となる。この結果、本実施形態によれば、構造部材1の高強度化による溶接性の低下を懸念し、溶接による接合手法を回避しつつ、螺合という簡便な取付け方法で耐衝突性能を向上させることが可能となる。
更に、この構成によれば、2つのハット断面部材の側壁部同士を連結部で連結して補強する場合であっても、構造部材1を作製して閉断面形状とした後でも、簡易に、補強部材で補強を行うことが可能となる。
この構成によれば、補強による重量の増加を抑えつつ、簡便に耐衝突性能を向上させることが可能な自動車用構造部材を提供することが可能となる。
発明者らは、FEM解析により、図1及び図2に示すような形状を有する合わせハット断面部材からなる中空部材を用いて、3点曲げ試験での部品変形挙動を詳細に解析した。3点曲げ試験条件を図6、図7に示す。すなわち、3点曲げの解析条件は、構造部材1における長手方向に離れた下面の2点を支持部材31で支持し、長手方向中央部に上側からパンチ30によって荷重を負荷するという条件である。
上下のハット断面部材10、11として、厚さ1.2mm、引張強度1180MPaの鋼板を使用した。
比較部品として、図2に示すような、左右の両フランジ部の合わせ面S1、S2の高さ方向の配置(合わせ面間の高さ方向の差h=40mm)とした中空部材を用いた。なお、各合わせ面は、構造部材の高さ方向中央位置からの高さ方向の距離a、bが等しい値となっている。ただし、比較部品では、一対の板材及び連結部材で補強は実行していない。
衝突時の変形挙動を図8に、荷重とストロークの関係を図9に示す。
比較部品では、図8の左側に示すように、衝撃が負荷され、ストローク(押込み量)の増加に伴い、部材長手方向の中央部であるパンチ接触部での変形が開始し、衝突荷重が増加した。なお、ストローク量は、パンチが天板部に接触した状態を0mmとし、下方に向けた押込み量である。そして、ストロークの増加に伴い、側壁部が開きながら断面変形が進み、最大荷重に到達した後、大きく断面が開きながら荷重が低下した。
発明部品は、図3に示すように、上記の比較部品を、補強部材(一対の板材及び連結部材)を構成するネジ棒20、ナット部材21及び板材22で補強した部品である。
補強部材を構成するネジ棒及びナット部材21には、M6のSS400からなる鋼材を使用した。板材22には、SS400からなる鋼材をした。板材22の寸法は、図4のように、側壁部10B、11Bよりも厚い板材22とした。板材22は、側壁部10B、11Bよりも曲げ剛性が高くなるように設定することが好ましい。
この発明例での衝突時の挙動を見てみると、図8の右側に示すように、比較例と比較して、側壁部の開きが小さく抑えられながら、断面変形が進行し、衝突時の荷重は増加していることが判明した。この検討により、発明者らは、衝突時の変形荷重を向上させるためには、側壁部の開き(外方への膨らみ)による断面形状の変化を抑制することが有効であることを見出した。
次に、パンチ30による荷重負荷位置と板材22の取付け位置(板材22の中心位置(軸部材20の軸Pの位置))を、表1のように変更して、最大荷重及び平均荷重を求めてみた。
ここで、ストロークを100mmまでとした。また、表1中、平均荷重は、全ストロークでの荷重の平均値であり、衝撃に対するエネルギー吸収能に相当する。
また、荷重方向をy軸として、図7や図10のようなx-y座標軸を設定し、y=0の位置を構造部材の高さ方向中央位置に、x=0をパンチによる荷重方向直下に設定した。
以上のように、左右の合わせ面S1、S2の高さを異にすると共に、一対の板材及び連結部材を設けることで、比較例に比べ、エネルギー吸収能を高く設定できることが分かった。
また、本発明では、2つのハット断面部材間に跨がるように連結部材を設ける構成であるが、連結部材をネジ棒とナット部材とで構成することで、2つのハット断面部材を接合して構造部材1(中空部材)とした後でも、簡便に取り付けされて、補強調整が容易である。
10、11 ハット断面部材
10、11 ハット断面部材
10A、11A 天板部
10B、11B 側壁部
10C、11C フランジ部
20 軸部材(ネジ棒)
20A 大径部
20a 先端
21 ナット部材
22 板材
P 軸
S1 第2合わせ面
S2 第1合わせ面
h 合わせ面間の差
Claims (4)
- 天板部の両側にそれぞれ側壁部及びフランジ部が連続する断面ハット形状からなる2つのハット断面部材における、対向するフランジ部同士をそれぞれ接合して閉断面形状を構成する中空部材を有し、
上記中空部材は、2つの天板部の対向する方向を高さ方向とした場合、一方のフランジ部同士の接合面である第1合わせ面の高さ方向の位置と、他方のフランジ部同士の接合面である第2合わせ面の高さ方向の位置と、が異なり、
更に、
上記中空部材の一方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの一方のハット断面部材側の側壁部の外壁面、及び、上記中空部材の他方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの他方のハット断面部材側の側壁部の外壁面に、それぞれ当接する一対の板材と、
上記一対の板材を連結して上記一対の板材間の距離が広がることを拘束する連結部材と、
を備える1以上の補強部材を有することを特徴とする自動車用構造部材。 - 上記連結部材は、上記天板部の幅方向に延在して上記板材が当接する2つの側壁部及び上記一対の板材を貫通すると共に軸方向端部に雄ねじ部が形成された軸部材と、上記軸部材の雄ねじ部に螺合し上記側壁部の外壁面に上記板材を挟んで対向するナット部材と、からなることを特徴とする請求項1に記載した自動車用構造部材。
- 上記連結部材は、一端部が上記一対の板材のうちの一方の板材と一体に構成され、上記天板部の幅方向に延在して上記板材が当接する2つの側壁部及び上記一対の板材のうちの他方の板材を貫通すると共に上記他方の板材側の軸方向端部に雄ねじ部が形成された軸部材と、上記軸部材の雄ねじ部に螺合し上記側壁部に外壁面に上記他方の板材を挟んで対向するナット部材と、からなることを特徴とする請求項1に記載した自動車用構造部材。
- 閉断面形状の自動車用構造部材の製造方法であって、
天板部の両側にそれぞれ側壁部及びフランジ部が連続する断面ハット形状からなる2つのハット断面部材における、対向するフランジ部同士をそれぞれ接合した閉断面形状を形成し、2つの天板部の対向する方向を高さ方向とした場合、一方のフランジ部同士の接合面である第1合わせ面の高さ方向の位置と、他方のフランジ部同士の接合面である第2合わせ面の高さ方向の位置と、が異なる中空部材を作製し、
軸方向両端部の少なくとも一方の端部に雄ねじ部が形成された軸部材と、上記軸部材の雄ねじ部に螺合可能なナット部材を用意し、
上記中空部材の一方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの一方のハット断面部材側の側壁部、及び、上記中空部材の他方の壁部を構成する上記2つのハット断面部材の側壁部のうちの他方のハット断面部材側の側壁部に対し、上記軸部材が貫通可能な貫通穴をそれぞれ開口し、
その対をなす2つの貫通穴に上記軸部材を貫通させ、上記貫通穴を設けた側壁部から突出した上記軸部材の端部に対し、板材としてのワッシャ部材を取り付けると共に、ナット部材を螺合し締め付けることを特徴とする自動車用構造部材の製造方法。
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