JP7183702B2 - 半導体用フィルム状接着剤、半導体用フィルム状接着剤の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体用フィルム状接着剤、半導体用フィルム状接着剤の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体用フィルム状接着剤、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
従来、半導体チップと基板との接続には、金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されている。一方、半導体装置に対する高機能化、高集積化、高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板とを直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
例えば、半導体チップ及び基板間の接続に関して、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式に該当する。また、FC接続方式は、半導体チップ上に接続部(例えば、バンプ及び配線)を形成して、半導体チップ間を接続するCOC(Chip On Chip)型の接続方式にも広く用いられている。
また、さらなる小型化、薄型化及び高機能化が強く要求されるパッケージでは、上述した接続方式を用いてチップを積層し多段化した、チップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through-Silicon Via)等も広く普及し始めている。このような積層・多段化技術は、半導体チップ等を三次元的に配置することから、二次元的に配置する手法と比較してパッケージを小さくできる。また、半導体の性能向上、ノイズ低減、実装面積の削減、省電力化等にも有効であることから、次世代の半導体配線技術として注目されている。
ところで、上記接続部(バンプ又は配線)に用いられる主な金属としては、例えば、はんだ、スズ、金、銀、銅、ニッケル等が挙げられ、これらの複数種を含む導電材料も用いられている。接続部の接続面には、接続部に用いられる金属の表面が酸化して酸化膜が生成してしまうことがあり、また、当該金属の表面に酸化物等の不純物が付着してしまうことがある。このような不純物が残存すると、半導体チップ及び基板間又は2つの半導体チップ間における接続性及び絶縁信頼性が低下し、上述した接続方式を採用するメリットが損なわれてしまうことが懸念される。
これらの不純物の発生を抑制する方法として、OSP(Organic Solderbility Preservatives)処理等で知られる、接続部を酸化防止膜でコーティングする方法がある。しかしながら、この酸化防止膜は、接続プロセス時のはんだ濡れ性の低下、接続性の低下等の原因となる場合がある。
そこで、上述の酸化膜及び不純物を除去する方法として、フラックス剤を含有する接着剤フィルムを用いる方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
国際公開2013/125086号
フリップチップ接続方式を用いたフリップチップパッケージでは、上述のように、高機能化、高集積化、立体化等が検討されている。このようなフリップチップパッケージには、接続性及び絶縁信頼性の更なる向上が求められる。
そこで、本発明は、接続性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置及び当該半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような半導体装置の提供を可能とする半導体用フィルム状接着剤を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、フラックス化合物を含有する第1の熱硬化性接着剤からなる第1の層と、第1の層上に設けられた、第2の熱硬化性接着剤からなる第2の層と、を備え、下記の条件(A)を満たす、半導体用フィルム状接着剤に関する。
条件(A):半導体用フィルム状接着剤を空気雰囲気下、240℃で60分間加熱して硬化物とし、硬化物を粉砕して粉砕物とし、粉砕物をTyler篩200メッシュを通過させ、篩を通過した粒状物1gとイオン交換水40gとを混合して混合物とし、混合物を密閉容器内で、2気圧下、121℃で48時間煮沸し、煮沸後の混合物から粒状物を取り除いて得られる抽出水の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法により測定したとき、抽出水の塩素イオン濃度が2質量ppm以下である。
この半導体用フィルム状接着剤によれば、接続性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置を得ることができる。
第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率は、1/4以上3/4以下であることが好ましい。この場合、接続性と絶縁信頼性とをより良好に両立することができる。
フラックス化合物はカルボキシル基を有することが好ましく、2つ以上のカルボキシル基を有することがより好ましい。この場合、一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られやすい。
フラックス化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。この場合、一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られやすい。
Figure 0007183702000001

[式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は電子供与性基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。]
フラックス化合物の融点は150℃以下であることが好ましい。この場合、熱圧着時に接着剤が硬化する前にフラックスが溶融し、はんだ等の酸化膜が還元除去されるため、一層優れた接続信頼性が得られやすい。
本発明の他の一側面は、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、接続部の少なくとも一部を、上述した半導体用フィルム状接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法に関する。この製造方法によれば、接続性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置を得ることができる。
本発明の他の一側面は、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置であって、接続部の少なくとも一部が、上述した半導体用フィルム状接着剤の硬化物によって封止されている、半導体装置に関する。この半導体装置は接続性及び絶縁信頼性に優れる。
本発明によれば、接続性及び絶縁信頼性に優れる半導体装置及び当該半導体装置の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、このような半導体装置の提供を可能とする半導体用フィルム状接着剤を提供することができる。
図1は、本発明の半導体用フィルム状接着剤の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 図3は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 図4は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 図5は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。「(メタ)アクリロイル」等の表現についても同様である。
<半導体用フィルム状接着剤>
図1は、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤を示す模式断面図である。本実施形態の半導体用フィルム状接着剤1は、フラックス化合物を含有する第1の熱硬化性接着剤(以下、単に「第1の接着剤」ともいう。)からなる第1の層2と、第1の層2上に設けられた、第2の熱硬化性接着剤(以下、単に「第2の接着剤」ともいう。)からなる第2の層3と、を備える。
また、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤1は下記の条件(A)を満たすものである。
条件(A):半導体用フィルム状接着剤を空気雰囲気下、240℃で60分間加熱して硬化物とし、硬化物を粉砕して粉砕物とし、粉砕物をTyler篩200メッシュを通過させ、篩を通過した粒状物1gとイオン交換水40gとを混合して混合物とし、混合物を密閉容器内で、2気圧下、121℃で48時間煮沸し、煮沸後の混合物から粒状物を取り除いて得られる抽出水の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法により測定したとき、抽出水の塩素イオン濃度が2質量ppm以下である。
上記条件(A)で特定される方法によれば、半導体用フィルム状接着剤1の硬化物中の塩素イオンを十分に抽出可能であり、Tyler篩200メッシュを通過した粒状物であれば、その粒径は特に限定されないが、Tyler篩5メッシュを通過しない粒状物を用いることが好ましい。
本実施形態の半導体用フィルム状接着剤1は、上記第1の層2がフラックス化合物を含有していることにより、優れたフラックス活性(充分に金属表面の酸化膜を還元除去して、金属が容易に溶融できるようにし、溶融した金属が濡れ広がるのを阻害せず、金属接合部が形成される状態を達成できる性能)を有している。そのため、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤1によれば、優れた接続性が得られる。また、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、上記条件(A)を満たすため、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤1によれば、塩素イオンに起因するマイグレーション、腐食等を抑制することができ、優れた絶縁信頼性が得られる。
抽出水の塩素イオン濃度は、より優れた絶縁性が得られる観点から、好ましくは1.8質量ppm以下であり、より好ましくは1.6質量ppm以下であり、更に好ましくは1.4質量ppm以下である。抽出水の塩素イオン濃度は0質量ppmであってもよい。
抽出水の塩素イオン濃度は、例えば、第1の層2及び第2の層3に用いる材料(例えば、熱硬化性成分及び高分子成分)の種類及び含有量、第1の層2の厚さ、第2の層3の厚さ等を調整することで、上記範囲とすることができる。通常、熱硬化性接着剤を構成する材料には、製造過程等において混入する塩素イオンが含まれているため、用いる材料の種類を適宜選択することで、塩素イオン濃度を調整することができる。また、同一の材料であっても、その製造方法(例えば、塩素イオンの除去工程の有無)によって塩素イオンの含有量は異なる。そのため、市販されている材料を用いる場合には、塩素イオンの含有量の少ない市販品を選択することが重要である。また、本発明者らの検討の結果明らかになったことであるが、フラックス化合物を含有する単層のフィルム状接着剤では、フラックス化合物と組み合わせて用いられる熱硬化性樹脂等に起因して、硬化後の塩素イオン濃度が高い値を示す傾向がある。そのため、塩素イオン濃度を上記範囲に調整する手段としては、第1の層2の厚さを薄くすること、及び、第2の層3に用いる材料として塩素イオン含有量の少ない材料を選択することが特に有効である。
(第1の層)
第1の層は、第1の接着剤からなる層である。第1の接着剤は、熱硬化性成分と、フラックス化合物と、を含有する。
[熱硬化性成分]
熱硬化性成分としては、例えば、熱硬化性樹脂及び硬化剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては特に制限はないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(硬化剤として含有される場合を除く)、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、より優れた接続性が得られやすい観点から、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂は、その製造工程においてエピクロロヒドリンが用いられることに起因して塩素イオンを多く含む傾向があるが、本実施形態では、半導体用フィルム状接着剤全体として塩素イオンの含有量を低減させて上記抽出水の塩素イオン濃度を2質量ppm以下とする。そのため、本実施形態では、エポキシ樹脂を用いた場合であっても優れた絶縁信頼性が得られる。すなわち、本実施形態では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることで、より優れた接続性と優れた絶縁信頼性とを両立することができる。
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
エポキシ樹脂は、高温での接続時に分解して揮発成分が発生することを抑制する観点から、接続時の温度が250℃の場合は、250℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、接続時の温度が300℃の場合は、300℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)の重量平均分子量は、例えば、10000未満である。熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)の重量平均分子量は、例えば、150以上であり、500以上又は1000以上であってよい。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、商品名:C-R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。測定には、例えば、下記の条件を用いることができる。
検出器:LV4000 UV Detector(株式会社日立製作所製、商品名)
ポンプ:L6000 Pump(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL-S300MDT-5(計2本)(日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)+LiBr(0.03mol/L)+H3PO4(0.06mol/L)
流量:1mL/分
熱硬化性樹脂の含有量は、第1の接着剤の全質量基準で、例えば5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。熱硬化性樹脂の含有量は、第1の接着剤の全質量基準で、例えば75質量%以下であり、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下である。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合、エポキシ樹脂の含有量が上記範囲であることが好ましい。
硬化剤としては、使用する熱硬化性樹脂に応じて適宜選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤等を用いることができる。フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤及びイミダゾール系硬化剤はフラックス活性を示すため、硬化剤としてこれらの硬化剤を用いることで接続性及び絶縁信頼性を更に向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
エポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール樹脂系硬化剤が有するフェノール性水酸基のモル数/エポキシ樹脂が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
エポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物系硬化剤が有する酸無水物基のモル数/エポキシ樹脂が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
エポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン系硬化剤が有する活性水素基のモル数/エポキシ樹脂が有するエポキシ基のモル数)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性、接続性及び絶縁信頼性の観点から、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向がある。また、イミダゾール系硬化剤の含有量が20質量部以下であると、圧着時における第1の接着剤の流動性を確保することができ、接続部間の第1の接着剤を十分に排除することができる。その結果、第1の接着剤がはんだと接続部との間に介入した状態で硬化することが抑制されるため、接続不良が発生しにくい。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4-メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4-フルオロフェニル)ボレートが挙られる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に第1の接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
[フラックス化合物]
フラックス化合物は、フラックス活性を有する化合物であり、第1の接着剤において、フラックス剤として機能する。フラックス化合物としては、はんだ等の表面の酸化膜を還元除去して、金属接合を容易にするものであれば、特に制限なく公知のものを用いることができる。フラックス化合物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、フラックス化合物には上述した硬化剤は含まれない。
フラックス化合物は、十分なフラックス活性が得られ、より優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる観点から、カルボキシル基を有することが好ましく、2つ以上のカルボキシル基を有することがより好ましい。この中でも、カルボキシル基を2つ有する化合物が好ましい。カルボキシル基を2つ有する化合物は、カルボキシル基を1つ有する化合物(モノカルボン酸)と比較して、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制できる。また、カルボキシル基を2つ有する化合物を用いると、カルボキシル基を3つ以上有する化合物を用いた場合と比較して、保管時・接続作業時等における半導体用フィルム状接着剤の粘度上昇を一層抑制することができ、半導体装置の接続性及び絶縁信頼性を一層向上させることができる。
カルボキシル基を有するフラックス化合物としては、下記式(1)で表される基を有する化合物が好ましく用いられる。
Figure 0007183702000002
式(1)中、Rは、水素原子又は電子供与性基を示す。
耐リフロー性に優れる観点並びに接続性及び絶縁信頼性に更に優れる観点では、Rが電子供与性基であることが好ましい。本実施形態では、第1の接着剤が、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有した上で、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である化合物を更に含有することにより、金属接合するフリップチップ接続方式において半導体用フィルム状接着剤として適用した場合であっても、耐リフロー性、接続性及び絶縁信頼性により優れる半導体装置の作製が可能となる。
耐リフロー性の向上には、高温における吸湿後の接着力の低下を抑制することが必要である。従来、フラックス化合物としてカルボン酸が用いられているが、従来のフラックス化合物では、以下の理由により接着力の低下が生じていると、本発明者らは考えている。
通常、エポキシ樹脂と硬化剤とが反応して硬化反応が進むが、この際にフラックス化合物であるカルボン酸が当該硬化反応に取り込まれる。すなわち、エポキシ樹脂のエポキシ基とフラックス化合物のカルボキシル基とが反応することにより、エステル結合が形成される場合がある。このエステル結合は、吸湿等による加水分解等を生じやすく、このエステル結合の分解が、吸湿後の接着力の低下の一因であると考えられる。
これに対して、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である基を有する化合物、すなわち、近傍に電子供与性基を備えたカルボキシル基を有する化合物を含有する場合、カルボキシル基によりフラックス活性が十分に得られると共に、上述のエステル結合が形成された場合であっても、電子供与性基によりエステル結合部の電子密度があがりエステル結合の分解が抑制される。また、カルボキシル基の近傍に置換基(電子供与性基)が存在するため、立体障害により、カルボキシル基とエポキシ樹脂との反応が抑制され、エステル結合が生成し難くなっていると考えられる。
これらの理由により、式(1)で表される基を有する化合物のうち、Rが電子供与性基である化合物を更に含有する第1の接着剤を用いる場合、吸湿等による組成変化が生じにくく、優れた接着力が維持される。また、上述の作用は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応がフラックス化合物により阻害されにくい、ということもでき、当該作用により、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応の十分な進行による接続性及び絶縁信頼性の向上という効果も期待できる。
電子供与性基の電子供与性が強くなると、上述のエステル結合の分解を抑制する効果が得られ易くなる傾向にある。また、電子供与性基の立体障害が大きいと、上述のカルボキシル基とエポキシ樹脂との反応を抑制する効果が得られ易くなる。電子供与性基は、電子供与性及び立体障害をバランス良く有していることが好ましい。
電子供与性基としては、例えば、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基及びアルキルアミノ基が挙げられる。電子供与性基としては、他の成分(例えば、エポキシ樹脂)と反応しにくい基が好ましく、具体的には、アルキル基、水酸基又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は、多いほど電子供与性及び立体障害が大きくなる傾向にある。炭素数が上記範囲であるアルキル基は、電子供与性及び立体障害のバランスに優れるため、当該アルキル基によれば、接続性及び絶縁信頼性が一層顕著に向上する。
また、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。アルキル基が直鎖状であるとき、電子供与性及び立体障害のバランスの観点から、アルキル基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数以下であることが好ましい。例えば、フラックス化合物が下記式(2)で表される化合物であり、電子供与性基が直鎖状のアルキル基であるとき、当該アルキル基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数(n+1)以下であることが好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~5のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の炭素数は、多いほど電子供与性及び立体障害が大きくなる傾向がある。炭素数が上記範囲であるアルコキシ基は、電子供与性及び立体障害のバランスに優れるため、当該アルコキシ基によれば、接続性及び絶縁信頼性が一層顕著に向上する。
また、アルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。アルコキシ基が直鎖状であるとき、電子供与性及び立体障害のバランスの観点から、アルコキシ基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数以下であることが好ましい。例えば、フラックス化合物が下記式(2)で表される化合物であり、電子供与性基が直鎖状のアルコキシ基であるとき、当該アルコキシ基の炭素数は、フラックス化合物の主鎖の炭素数(n+1)以下であることが好ましい。
アルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。モノアルキルアミノ基としては、炭素数1~10のモノアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1~5のモノアルキルアミノ基がより好ましい。モノアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、炭素数2~20のジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数2~10のジアルキルアミノ基がより好ましい。ジアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
カルボキシル基を2つ有するフラックス化合物としては、下記式(2)で表される化合物を好適に用いることができる。下記式(2)で表される化合物によれば、半導体装置の耐リフロー性、接続性及び絶縁信頼性を一層向上させることができる。
Figure 0007183702000003
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は電子供与性基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
は式(1)におけるRと同義である。また、Rによって示される電子供与性は、Rとして説明した上述の電子供与性基の例と同じである。式(1)で説明した理由と同様の理由から、式(2)中のRは電子供与性基であることが好ましい。
式(2)におけるnは、1以上であることが好ましい。nが1以上であると、nが0である場合と比較して、接続時の高温によってもフラックス化合物が揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制することができる。また、式(2)におけるnは、15以下であることが好ましく、11以下であることがより好ましく、6以下又は4以下であってもよい。nが15以下であると、一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる。
また、フラックス化合物としては、下記式(3)で表される化合物がより好適である。下記式(3)で表される化合物によれば、半導体装置の耐リフロー性、接続性及び絶縁信頼性をより一層向上させることができる。
Figure 0007183702000004
式(3)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は電子供与性基を示し、mは0又は1以上の整数を示す。
式(3)におけるmは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。mが10以下であると、一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる。
式(3)において、R及びRは、水素原子であっても電子供与性基であってもよい。一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる観点から、R及びRの少なくとも一方は電子供与性基であることが好ましい。Rが電子供与性基であり、Rが水素原子であると、融点が低くなる傾向があり、半導体装置の接続性及び絶縁信頼性をより向上させることができる場合がある。また、RとRとが異なる電子供与性基であると、RとRとが同じ電子供与性基である場合と比較して、融点が低くなる傾向があり、半導体装置の接続性及び絶縁信頼性をより向上させることができる場合がある。
なお、式(3)において、RとRとが同じ電子供与性基であると、対称構造となり融点が高くなる傾向があるが、この場合でも本発明の効果は十分に得られる。特に融点が150℃以下と十分に低い場合には、RとRとが同じ基であっても、RとRとが異なる基である場合と同程度の接続性及び絶縁信頼性が得られる。
フラックス化合物としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸及びドデカン二酸から選択されるジカルボン酸、並びに、これらのジカルボン酸の2位に電子供与性基が置換した化合物(2-メチルグルタル酸等)及びこれらのジカルボン酸の3位に電子供与性基が置換した化合物(3-メチルグルタル酸等)を用いることができる。
フラックス化合物の融点は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましく、100℃以下が特に好ましい。このようなフラックス化合物は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応が生じる前にフラックス活性が十分に発現しやすい。そのため、このようなフラックス化合物を含有する第1の接着剤を用いた半導体用フィルム状接着剤によれば、接続性及び絶縁信頼性に一層優れる半導体装置を実現できる。また、フラックス化合物の融点は、25℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、フラックス化合物は、室温(25℃)で固形であるものが好ましい。
フラックス化合物の融点は、一般的な融点測定装置を用いて測定できる。融点を測定する試料は、微粉末に粉砕され且つ微量を用いることで試料内の温度の偏差を少なくすることが求められる。試料の容器としては一方の端を閉じた毛細管が用いられることが多いが、測定装置によっては2枚の顕微鏡用カバーグラスに挟み込んで容器とするものもある。また急激に温度を上昇させると試料と温度計との間に温度勾配が発生して測定誤差を生じるため融点を計測する時点での加温は毎分1℃以下の上昇率で測定することが望ましい。
前述のように融点を測定する試料は微粉末として調製されるので、融解前の試料は表面での乱反射により不透明である。試料の外見が透明化し始めた温度を融点の下限点とし、融解しきった温度を上限点とすることが通常である。測定装置は種々の形態のものが存在するが、最も古典的な装置は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する装置が使用される。二重管式温度計に毛細管を貼り付ける目的で温浴の液体として粘性の高い液体が用いられ、濃硫酸ないしはシリコンオイルが用いられることが多く、温度計先端の溜めの近傍に試料が来るように取り付ける。また、融点測定装置としては金属のヒートブロックを使って加温し、光の透過率を測定しながら加温を調整しつつ自動的に融点を決定するものを使用することもできる。
なお、本明細書中、融点が150℃以下とは、融点の上限点が150℃以下であることを意味し、融点が25℃以上とは、融点の下限点が25℃以上であることを意味する。
フラックス化合物の含有量は、第1の接着剤の全質量基準で、好ましくは0.5質量%以上である。フラックス化合物の含有量は、第1の接着剤の全質量基準で、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
[高分子成分]
第1の接着剤は、必要に応じて、高分子成分を含有していてもよい。高分子成分を含有する第1の接着剤は、耐熱性及びフィルム形成性に一層優れる。高分子成分は、フィルム形成剤と言い換えてもよい。
高分子成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリル樹脂がより好ましく、フェノキシ樹脂が更に好ましい。これらの高分子成分は単独で又は2種以上の混合物又は共重合体として使用することもできる。ただし、高分子成分には、熱硬化性樹脂である上記のエポキシ樹脂及び後述するフィラーに該当する化合物は含まれない。
高分子成分の重量平均分子量は、例えば10000以上であり、20000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましい。このような高分子成分によれば、第1の接着剤の耐熱性及びフィルム形成性を一層向上させることができる。高分子成分の重量平均分子量は、200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましい。このような高分子成分によれば、第1の接着剤の耐熱性を一層向上させることができる。これらの観点から、高分子成分の重量平均分子量は、10000~200000、20000~100000又は30000~100000であってよい。
第1の接着剤が高分子成分を含有するとき、高分子成分の含有量に対する熱硬化性樹脂の含有量の比(質量比)は、0.01~5であることが好ましく、0.05~3であることがより好ましく、0.1~2であることが更に好ましい。上記の比を0.01以上とすることで、より良好な硬化性及び接着力が得られ、上記の比を5以下とすることでより良好なフィルム形成性が得られる。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合、高分子成分の含有量に対するエポキシ樹脂の含有量の比(質量比)が上記範囲であることが好ましい。
[フィラー]
第1の接着剤は、必要に応じて、フィラーを含有していてもよい。フィラーによって、第1の接着剤の粘度、第1の接着剤の硬化物の物性等を制御することができる。具体的には、フィラーによれば、例えば、接続時のボイド発生の抑制、第1の接着剤の硬化物の吸湿率の低減等を図ることができる。
フィラーとしては、無機フィラー(無機粒子)、有機フィラー(有機粒子)等が挙げられる。無機フィラーとしては、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられ、その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。絶縁性無機フィラーはウィスカーであってもよい。ウィスカーとしては、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、樹脂フィラー(樹脂粒子)が挙げられる。樹脂フィラーとしては、ポリウレタン、ポリイミド等が挙げられる。樹脂フィラーは、無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロー性向上に適していると共に、柔軟性付与が可能であるためフィルム形成性向上にも効果がある。
無機フィラーの含有量は、弾性率を所望の範囲に調整しやすい観点、並びに、反りを抑制しつつ、ボイドの発生をより十分に低減することができ、更にはより優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる観点から、フィラーの全質量を基準として、50質量%以上、70質量%以上又は80質量%以上であってよい。無機フィラーの含有量は、100質量%以下又は90質量%以下であってよい。
絶縁信頼性に更に優れる観点から、フィラーは絶縁性である(絶縁性フィラーである)ことが好ましい。第1の接着剤は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラー(金属粒子)、及び、カーボンブラック等の導電性の無機フィラーを含有していないことが好ましい。
絶縁性フィラーの含有量は、弾性率を所望の範囲に調整しやすい観点、並びに、反りを抑制しつつ、ボイドの発生をより十分に低減することができ、更にはより優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる観点から、フィラーの全質量を基準として、50質量%以上、70質量%以上又は90質量%以上であってよい。フィラーは、実質的に絶縁性フィラーのみからなっていてよい。すなわち、フィラーは、導電性フィラーを実質的に含有しなくてよい。「実質的に含有しない」とは、フィラーにおける導電性フィラーの含有量が、フィラーの全質量基準で、0.5質量%未満であることを意味する。
フィラーの物性は、表面処理によって適宜調整されてもよい。フィラーは、分散性又は接着力が向上する観点から、表面処理を施したフィラーであることが好ましい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系又はビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のしやすさから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性、流動性及び接着力に優れる観点から、グリシジル系の化合物、フェニルアミノ系の化合物、及び、(メタ)アクリル系の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。表面処理剤としては、保存安定性に優れる観点から、フェニル系の化合物、及び、(メタ)アクリル系の化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
フィラーの平均粒径は、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、1.5μm以下が好ましく、視認性(透明性)に優れる観点から、1.0μm以下がより好ましい。
フィラーの含有量は、放熱性が低くなることが抑制される観点、及び、ボイドの発生、吸湿率が大きくなること等を抑制しやすい観点から、第1の接着剤の全質量を基準として、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。フィラーの含有量は、粘度が高くなって第1の接着剤の流動性が低下すること、及び、接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じることが抑制されやすく、接続性及び絶縁信頼性が低下することを抑制しやすい観点から、第1の接着剤の全質量を基準として、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。これらの観点から、フィラーの含有量は、第1の接着剤の全質量を基準として、15~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、40~80質量%が更に好ましい。
[添加剤]
第1の接着剤は、必要に応じて、酸化防止剤、カップリング剤(シランカップリング剤、チタンカップリング剤等)、レベリング剤、イオントラップ剤等の添加剤を更に含有してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては、例えば、グリシジル基含有シランカップリング剤が好適に用いられる。これらの添加剤の配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。例えば、シランカップリング剤の含有量は、第1の接着剤の全質量を基準として、0.1質量%以上又は0.5質量%以上であってよく、5質量%以下又は3質量%以下であってよい。
(第2の層)
第2の層は、第2の接着剤からなる層である。第2の接着剤は、熱硬化性成分を含有する。
[熱硬化性成分]
熱硬化性成分としては、例えば、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル発生剤が挙げられる。本実施形態では、第1の接着剤が熱硬化性成分として熱硬化性樹脂及び硬化剤を含み、第2の接着剤が熱硬化性成分としてラジカル重合性化合物及び熱ラジカル発生剤を含むことが好ましい。この場合、圧着を高温且つ短時間で行う場合であっても、第2の層が第1の層よりも速やかに且つ十分に硬化することで、ボイドの発生及びはんだの飛散等が起こり難くなり、より優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる。また、圧着時間の短時間化が可能であることから、生産性を向上させることが可能となり、さらに、フリップチップパッケージを容易に高機能化及び高集積化することが可能となる。また、第2の接着剤及びその硬化物中の塩素イオン量を第1の接着剤及びその硬化物中の塩素イオン量よりも少なくすることが容易となるため、上述した抽出水中の塩素イオン濃度を低減しやすい。
第2の層は熱硬化性成分としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含んでいてもよいが、上記塩素イオン濃度を低減する観点及び速硬化性の観点から、第2の層は熱硬化性樹脂(特にエポキシ樹脂)を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に含有しない」とは、第2の接着剤における熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)の含有量が、第2の接着剤の全質量基準で、0.5質量%未満であることを意味する。
ラジカル重合性化合物は、熱、光、放射線、電気化学的作用等によるラジカルの発生に伴い、ラジカル重合反応が可能である化合物である。ラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物等が挙げられる。ラジカル重合性化合物としては、耐久性、電気絶縁性及び耐熱性に優れる観点から、(メタ)アクリル化合物が好ましい。(メタ)アクリル化合物は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、フルオレン型、アダマンタン型又はイソシアヌル酸型の骨格を含有する(メタ)アクリル化合物;各種多官能(メタ)アクリル化合物(前記骨格を含有する(メタ)アクリル化合物を除く)等を使用することができる。多官能(メタ)アクリル化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ラジカル重合性化合物は、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
ラジカル重合性化合物は、より優れた接続性及び絶縁信頼性が得られる観点、並びに、耐熱性に優れる観点及びボイドの発生を抑制できる観点から、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ナフタレン型骨格、フルオレン型骨格、アダマンタン型骨格又はイソシアヌル酸型骨格を有することが好ましく、フルオレン型骨格又はビスフェノールA型骨格を有することがより好ましい。ボイドの発生を更に抑制できる観点から、ラジカル重合性化合物は、上述したいずれかの骨格を有する(メタ)アクリレートであることが更に好ましい。
ラジカル重合性化合物は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生しにくく、また、硬化前(Bステージ)の第2の接着剤の粘性(タック)が小さく取り扱い性に優れる。室温(25℃)で固形であるラジカル重合性化合物としては、ビスフェノールA型骨格、フルオレン型骨格、アダマンタン型骨格、又はイソシアヌル酸型骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物における(メタ)アクリロイル基の官能基数は、3以下が好ましい。官能基数が多い場合、硬化のネットワークが急速に進み、未反応基が残存する場合がある。一方、官能基数が3以下であると、官能基数が多くなりすぎず、短時間での硬化が十分に進行しやすいため、硬化反応率が低下することを抑制しやすい。
ラジカル重合性化合物の分子量は、2000より小さいことが好ましく、1000以下であることがより好ましい。ラジカル重合性化合物の分子量が小さいほど反応が進行しやすく、硬化反応率が高くなる。
ラジカル重合性化合物の含有量は、硬化成分が少なくなることが抑制され、硬化後の樹脂の流動を十分に制御しやすい観点から、第2の接着剤の全質量を基準として、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。ラジカル重合性化合物の含有量は、硬化物が硬くなりすぎることが抑制され、パッケージの反りが大きくなることが抑制されやすい観点から、第2の接着剤の全質量を基準として、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。これらの観点から、ラジカル重合性化合物の含有量は、第2の接着剤の全質量を基準として、10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましい。
熱ラジカル発生剤は、ラジカル重合性化合物の硬化剤として機能するものであれば特に制限なく用いることができる。熱ラジカル発生剤としては、アゾ化合物、過酸化物(有機過酸化物等)などが挙げられる。熱ラジカル発生剤としては、過酸化物が好ましく、有機過酸化物がより好ましい。この場合、フィルム形態にする際の溶剤を乾燥させる工程でラジカル反応が進行せず、取り扱い性及び保存安定性に優れる。そのため、熱ラジカル発生剤として過酸化物を用いる場合、一層優れた接続性及び絶縁信頼性が得られやすい。有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。有機過酸化物としては、保存安定性に優れる観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド及びパーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。さらに、有機過酸化物としては、耐熱性に優れる観点から、ハイドロパーオキサイド及びジアルキルパーオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミル過酸化物、ジ-tert-ブチル過酸化物等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤の含有量は、十分に硬化が進行しやすい観点から、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。熱ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。熱ラジカル発生剤の含有量の上限値が上記範囲であると、硬化が急激に進行して反応点が多くなることが抑制されることにより、分子鎖が短くなること、及び、未反応基が残存することが抑制される。そのため、熱ラジカル発生剤の含有量の上限値が上記範囲であると、信頼性の低下を抑制しやすい。これらの観点から、熱ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.5~10質量部が好ましく、1~5質量部がより好ましい。
[その他の成分]
第2の接着剤は、必要に応じて、第1の接着剤に用いることができる上述した高分子成分、フィラー及び添加剤を更に含有することができる。高分子成分、フィラー及び添加剤の好ましい態様(種類、含有量等)も第1の接着剤の場合と同じである。例えば、第2の接着剤が高分子成分を含有する場合、高分子成分の含有量に対するラジカル重合性化合物の含有量の比(質量比)は、0.01~5であることが好ましい。第2の接着剤には、ラジカル重合性化合物以外の重合性化合物(例えば、カチオン重合性化合物及びアニオン重合性化合物)を配合してもよい。
第2の接着剤は、フラックス化合物を含有していてもよいが、好ましくはフラックス化合物を実質的に含有しない。ここで「実質的に含有しない」とは、第2の接着剤におけるフラックス化合物の含有量が、第2の接着剤の全質量基準で、0.5質量%未満であることを意味する。
第2の接着剤は、下記の条件(B)を満たすことが好ましい。
条件(B):第2の接着剤を空気雰囲気下、240℃で60分間加熱して硬化物とし、硬化物を粉砕して粉砕物とし、粉砕物をTyler篩200メッシュを通過させ、篩を通過した粒状物1gとイオン交換水40gとを混合して混合物とし、混合物を密閉容器内で、2気圧下、121℃で48時間煮沸し、煮沸後の混合物から粒状物を取り除いて得られる抽出水の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法により測定したとき、抽出水の塩素イオン濃度が1質量ppm以下である。
条件(B)における抽出水の塩素イオン濃度は、より好ましくは0.8質量ppm以下であり、更に好ましくは0.7質量ppm以下であり、0質量ppmであってもよい。条件(B)に示す抽出水の塩素イオン濃度の測定では、半導体用フィルム状接着剤を硬化させてから第1の層と第2の層とを分離してよく、半導体用フィルム状接着剤の硬化前に第1の層と第2の層とを分離してもよい。
半導体用フィルム状接着剤1における第1の層2の厚さ及び第2の層3の厚さは、第1の層中のフラックス化合物に起因する接続性の向上効果、塩素イオンによる絶縁信頼性への影響等を考慮して適宜設定することができる。
具体的には、第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率が、1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましい。第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率が1/4以上であると、上記条件(A)における抽出水の塩素イオン濃度を所望の範囲に調整することが容易となり、より優れた絶縁信頼性が得られる傾向がある。また、第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率は、3/4以下であることが好ましい。第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率が3/4以下であると、より優れた接続性が得られる傾向がある。これらの観点から、第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計に対する第2の層の厚さの比率は、好ましくは1/4以上3/4以下であり、より好ましくは、1/3以上3/4以下である。
半導体用フィルム状接着剤の総厚、第1の層の厚さ及び第2の層の厚さは、接続部の高さに応じて調整可能である。半導体用フィルム状接着剤の総厚は、例えば、10~100μmであってよく、10~80μmであってよく、10~50μmであってよい。本実施形態では、第1の層の厚さと第2の層の厚さの合計が上記範囲であってよい。第1の層の厚さは、例えば、1~50μmであってよく、3~50μmであってよく、4~30μmであってよく、5~20μmであってよい。第2の層の厚さは、例えば、7~50μmであってよく、8~45μmであってよく、10~40μmであってよい。
本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、第1の層における第2の層とは反対側の面上、及び/又は、第2の層における第1の層とは反対側の面上に、基材フィルム及び/又は保護フィルムを備えていてもよい。この場合、基材フィルム又は保護フィルムと第1の層との間、及び/又は、基材フィルム又は保護フィルムと第2の層との間には、粘着層が設けられてもよい。
半導体用フィルム状接着剤において、第1の層と第2の層とは隣接していてよい。この場合、第1の層と第2の層とは互いに剥離しないように形成されていることが好ましい。例えば、第1の層と第2の層と間の剥離強度は、10N/m以上であってよい。
半導体用フィルム状接着剤は、加熱により硬化して半導体用フィルム状接着剤の硬化物を形成できるものである。半導体用フィルム状接着剤を240℃で60分間加熱したときの硬化反応率は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。本実施形態では、第1の接着剤を240℃で60分間加熱したときの硬化反応率が上記範囲であることが好ましく、第2の接着剤を240℃で60分間加熱したときの硬化反応率が上記範囲であることが好ましい。硬化反応率は、DSC(株式会社リガク製、商品名:DSC8231型)を用いて発熱量を測定することにより得ることができる。
半導体用フィルム状接着剤は、半導体チップと配線回路基板、又は、半導体チップ同士のそれぞれの接続部を互いに電気的に接続して半導体装置を製造するために好適に用いることができる。半導体用フィルム状接着剤は、第1の層中のフラックス化合物がフラックス剤として機能するように、すなわち、第1の層と上記接続部の表面が接するように用いられればよく、その使用方法は特に限定されない。
<半導体用フィルム状接着剤の製造方法>
本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、例えば、第1の層を備える第1のフィルム状接着剤と、第2の層を備える第2のフィルム状接着剤とを用意し、第1の層を備える第1のフィルム状接着剤と、第2の層を備える第2のフィルム状接着剤とを貼り合わせることにより得ることができる。
第1のフィルム状接着剤を用意する工程では、例えば、まず、熱硬化性樹脂、硬化剤及びフラックス化合物、並びに必要に応じて添加される高分子成分及びフィラー等の他の成分を、有機溶媒中に加え、攪拌混合、混錬等により、溶解又は分散させて、樹脂ワニス(塗工ワニス)を調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム又は保護フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター等を用いて塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム又は保護フィルム上に第1の接着剤からなる第1の層を形成することができる。
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましい。有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合及び混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル又はホモディスパーを用いて行うことができる。
基材フィルム及び保護フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム及びポリエーテルイミドフィルムを例示できる。基材フィルム及び保護フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。また、上記の基材フィルム及び保護フィルムは、その一方面上に粘着層を備えていてもよい。
基材フィルムへ塗布した樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50~200℃、0.1~90分間の加熱を行うことが好ましい。実装後のボイド又は粘度調整に影響がなければ、有機溶媒は、第1のフィルム状接着剤全質量に対して1.5質量%以下まで除去されることが好ましい。
第2のフィルム状接着剤を用意する工程では、第1の層と同様の方法により基材フィルム又は保護フィルム上に第2の接着剤からなる第2の層を形成することができる。
第1のフィルム状接着剤と、第2のフィルム状接着剤とを貼り合わせる方法としては、例えば、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等の方法が挙げられる。ラミネートは、例えば、30~120℃の加熱条件下で行ってよい。
本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、例えば、基材フィルム上に第1の層又は第2の層の一方を形成した後、得られた第1の層又は第2の層上に、第1の層又は第2の層の他方を形成することにより得てもよい。第1の層及び第2の層は、上述した、基材付きフィルム状接着剤の製造における第1の層及び第2の層の形成方法と同様の方法により形成してよい。
本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、例えば、基材フィルム上に第1の層及び第2の層を実質的に同時に形成することにより得てもよい。第1の接着剤と第2の接着剤とを同時に塗工作製する方法としては、例えば、逐次塗工方式、多層塗工方式等の塗工方法が挙げられる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置について、図2及び図3を用いて以下説明する。図2は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(配線回路基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤(第1の接着剤及び第2の接着剤)の硬化物からなる封止部40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着剤の硬化物により封止されており外部環境から遮断されている。封止部40は、第1の接着剤の硬化物を含む上部部分40aと、第2の接着剤の硬化物を含む下部部分40bとを有している。
図2(b)に示すように、半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤(第1の接着剤及び第2の接着剤)の硬化物からなる封止部40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、接着剤の硬化物により封止されており外部環境から遮断されている。封止部40は、第1の接着剤の硬化物を含む上部部分40aと、第2の接着剤の硬化物を含む下部部分40bとを有している。
図3は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図3(a)に示すように、半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図3(b)に示すように、半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
半導体チップ10としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体を用いることができる。
基板20としては、回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)15を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線15が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線15が形成された回路基板などを用いることができる。
配線15、バンプ32等の接続部は、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅、スズ-銀-銅等)、ニッケル、スズ、鉛などを含有しており、複数の金属を含有していてもよい。
上記金属の中でも、接続部の電気伝導性・熱伝導性に優れたパッケージとする観点から、金、銀及び銅が好ましく、銀及び銅がより好ましい。コストが低減されたパッケージとする観点から、安価な材料である、銀、銅及びはんだが好ましく、銅及びはんだがより好ましく、はんだが更に好ましい。室温において金属の表面に酸化膜が形成すると生産性が低下すること及びコストが増加することがあるため、酸化膜の形成を抑制する観点から、金、銀、銅及びはんだが好ましく、金、銀、はんだがより好ましく、金、銀が更に好ましい。
上記配線15及びバンプ32の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅等)、スズ、ニッケルなどを主な成分とする金属層が、例えばメッキにより形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、上記金属層は、単層又は複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。
また、本実施形態の半導体装置は、半導体装置100~400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100~400は、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅、スズ-銀-銅等)、スズ、ニッケルなどを含むバンプ、配線等で互いに電気的に接続されていてもよい。
半導体装置を複数積層する手法としては、図4に示すように、例えばTSV(Through-Silicon Via)技術が挙げられる。図4は、本発明の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図であり、TSV技術を用いた半導体装置である。図4に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には接着剤(第1の接着剤及び第2の接着剤)の硬化物が隙間なく充填されており、封止部40を構成している。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び封止部40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間、並びに、半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間、並びに、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体用フィルム状接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法について、図5を用いて以下説明する。図5は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す図であり、各工程を示す図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、半導体装置の断面を示す。
まず、図5(a)に示すように、配線15を有する基板20上に、接続バンプ30を形成する位置に開口を有するソルダーレジスト60を形成する。このソルダーレジスト60は必ずしも設ける必要はない。しかしながら、基板20上にソルダーレジストを設けることにより、配線15間のブリッジの発生を抑制し、接続性及び絶縁信頼性を向上させることができる。ソルダーレジスト60は、例えば、市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキを用いて形成することができる。市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキとしては、具体的には、SRシリーズ(日立化成株式会社製、商品名)及びPSR4000-AUSシリーズ(太陽インキ製造株式会社製、商品名)が挙げられる。
次に、図5(a)に示すように、ソルダーレジスト60の開口に接続バンプ30を形成する。そして、図5(b)に示すように、接続バンプ30及びソルダーレジスト60が形成された基板20上に、第2の接着剤を含む第2の層41b側の面が基板20側となるように、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤(以下、場合により「フィルム状接着剤」という。)41を貼付する。フィルム状接着剤41の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。フィルム状接着剤41の供給面積及び厚みは、半導体チップ10及び基板20のサイズ、接続バンプ30の高さ等によって適宜設定される。なお、フィルム状接着剤41の貼付は、第1の接着剤を含む第1の層41a側の面が基板20側となるように行ってもよい。
上記のとおりフィルム状接着剤41を基板20に貼り付けた後、半導体チップ10の配線15と接続バンプ30とをフリップチップボンダー等の接続装置を用いて、位置合わせする。続いて、半導体チップ10と基板20とを接続バンプ30の融点以上の温度で加熱しながら圧着し、図5(c)に示すように、半導体チップ10と基板20とを接続すると共に、フィルム状接着剤41の硬化物からなる封止部40によって、半導体チップ10及び基板20間の空隙を封止充填する。以上により、半導体装置600が得られる。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、位置合わせをした後に仮固定し(半導体用フィルム状接着剤を介している状態)、リフロー炉で加熱処理することによって、接続バンプ30を溶融させて半導体チップ10と基板20とを接続してもよい。仮固定の段階では、金属接合を形成することが必ずしも必要ではないため、上記の加熱しながら圧着する方法に比べて低荷重、短時間、低温度による圧着でよく、生産性が向上すると共に接続部の劣化を抑制することができる。
また、半導体チップ10と基板20とを接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、更に接続性及び絶縁信頼性を高めてもよい。加熱温度は、フィルム状接着剤の硬化が進行する温度が好ましく、完全に硬化する温度がより好ましい。加熱温度、加熱時間は適宜設定される。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、フィルム状接着剤41を半導体チップ10に貼付した後に半導体チップ10と基板20とを接続してもよい。
生産性が向上する観点から、複数の半導体チップ10が連結した半導体ウェハに半導体用フィルム状接着剤を供給した後、ダイシングして個片化することによって、半導体チップ10上に半導体用フィルム状接着剤が供給された構造体を得てもよい。半導体用フィルム状接着剤は、例えば、加熱プレス、ロールラミネート及び真空ラミネート等の貼付方式により半導体チップ10上の配線、バンプ等を埋め込むように供給すればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上し、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。
接続荷重は、接続バンプ30の数及び高さのばらつき、加圧による接続バンプ30、又は接続部のバンプを受ける配線の変形量を考慮して設定される。接続温度は、接続部の温度が接続バンプ30の融点以上であることが好ましいが、それぞれの接続部(バンプ及び配線)の金属接合が形成される温度であればよい。接続バンプ30がはんだバンプである場合は、約240℃以上が好ましい。
接続時の接続時間は、接続部の構成金属により異なるが、生産性が向上する観点から短時間であるほど好ましい。接続バンプ30がはんだバンプである場合、接続時間は20秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が更に好ましい。銅-銅又は銅-金の金属接続の場合は、接続時間は60秒以下が好ましい。
上述した様々なパッケージ構造のフリップチップ接続部においても、本実施形態の半導体用フィルム状接着剤は、優れた耐リフロー性、接続性及び絶縁信頼性を示す。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1~8及び比較例1~10)
<第1の層を備える単層フィルムの作製>
第1の層を備える単層フィルムの作製に使用した化合物を以下に示す。
[エポキシ樹脂]
・EP1032(トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ、三菱ケミカル株式会社製、商品名「jER1032H60」、「jER」は登録商標(以下同じ))
・YL983U(ビスフェノールF型液状エポキシ、三菱ケミカル株式会社製、商品名「jERYL983U」)
[硬化剤]
・2P4MHZ(2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MHZ-PW」)
[フラックス剤]
・グルタル酸(東京化成株式会社製、融点約98℃)
・2-メチルグルタル酸(シグマアルドリッチ社製、融点約78℃)
・3-メチルグルタル酸(東京化成株式会酸、融点約87℃)
[高分子成分]
・FX293(フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名、重量平均分子量Mw:約45000)
・LA2250(ポリメチルメタクリレートとポリブチルアクリレートとのトリブロック共重合体、株式会社クラレ製、商品名「クラリティ LA2250」、「クラリティ」は登録商標)
[フィラー]
・SE2050(シリカフィラー、株式会社アドマテックス製、商品名、平均粒径:0.5μm)
・EXL2655(有機フィラー、ロームアンドハースジャパン株式会社製、商品名「パラロイド EXL-2655」、コアシェルタイプ有機微粒子、「パラロイド」は登録商標)
[カップリング剤]
・SH6040(シランカップリング剤、3-グリシドキシトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社、商品名)
表1に示す配合量(単位:質量部)のエポキシ樹脂、硬化剤、フラックス剤、高分子成分、フィラー及びカップリング剤を、NV値([乾燥後の塗料分質量]/[乾燥前の塗料分質量]×100)が60%になるように有機溶媒(メチルエチルケトン)に添加した。その後、Φ1.0mmのビーズ及びΦ2.0mmのビーズを、固形分(エポキシ樹脂、硬化剤、フラックス剤、高分子成分、フィラー及びカップリング剤)と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P-7)で30分攪拌した。攪拌後、ビーズをろ過によって除去し、第1の接着剤を含む塗工ワニスa1~a4を作製した。
Figure 0007183702000005
得られた塗工ワニスa1~a4を、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA54」)上に、小型精密塗工装置(株式会社廉井精機製)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC株式会社製)で乾燥(80℃/10min)して、表2に示す厚さの第1の層(フィルム状接着剤A)を備える単層フィルムを得た。
Figure 0007183702000006
<第2の層を備える単層フィルムの作製>
第2の層を備える単層フィルムの作製に使用した化合物を以下に示す。
[アクリル化合物]
・EA-0200(フルオレン型骨格を有するアクリレート、大阪ガスケミカル株式会社製、商品名「OGSOL EA-0200」、官能基数:2、「OGSOL」は登録商標)
・EA-1020(ビスフェノールA型骨格を有するアクリレート、新中村化学工業株式会社製、商品名)
[熱ラジカル発生剤]
・パークミルD(ジクミル過酸化物、日油株式会社、商品名、「パークミル」は登録商標)
[高分子成分]
・KH-CT-865(アクリル樹脂、日立化成株式会社製、商品名、重量平均分子量Mw:100000)
・ウレタン樹脂(DICコベストロポリマー株式会社製、商品名「パンデックスT-8175N」、「パンデックス」は登録商標)
[フィラー]
・SE2050(シリカフィラー、株式会社アドマテックス製、商品名、平均粒径:0.5μm)
・EXL2655(有機フィラー、ロームアンドハースジャパン株式会社製、商品名「パラロイド EXL-2655」、コアシェルタイプ有機微粒子、「パラロイド」は登録商標)
[カップリング剤]
・SH6040(シランカップリング剤、3-グリシドキシトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社、商品名)
表3に示す配合量(単位:質量部)のアクリル化合物、高分子成分、フィラー及びカップリング剤をNV値が60%になるように有機溶媒(メチルエチルケトン)に添加した。その後、Φ1.0mmのビーズ及びΦ2.0mmのビーズを、固形分(アクリル化合物、高分子成分、フィラー及びカップリング剤)と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P-7)で30分攪拌した。攪拌後、ビーズをろ過によって除去した。次いで、得られた混合物に熱ラジカル発生剤を添加し、攪拌混合し、第2の接着剤を含む塗工ワニスb1~b3を作製した。
Figure 0007183702000007
得られた塗工ワニスb1~b3を、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA54」)上に、小型精密塗工装置(廉井精機)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC株式会社製)で乾燥(80℃/10min)して、表4に示す厚さの第2の層(フィルム状接着剤B)を備える単層フィルムを得た。
Figure 0007183702000008
<2層フィルムの作製>
上記で作製した単層フィルムのうちの2つを、第1のフィルム及び第2のフィルムとして用意し、第1のフィルムと第2のフィルムとを50℃でラミネートした後、第1のフィルム側の基材フィルムは剥離し、基材フィルムを剥離した面に、粘着層を設けた基材フィルム(6331-00、日立マクセル株式会社製)をラミネートした。これにより、総厚40μmのフィルム状接着剤C(第1のフィルム由来の層と第2のフィルム由来の層とからなる積層体)を備える2層フィルムを得た。単層フィルムの組み合わせは、表5及び表6に示すとおりとした。
<評価1:塩素イオン濃度の測定>
上記で作製した単層フィルムと2層フィルムを用いて、フィルム状接着剤A(第1の層)、フィルム状接着剤B(第2の層)及びフィルム状接着剤C(第1のフィルム由来の層と第2のフィルム由来の層とからなる積層体)について、以下の方法で塩素イオン濃度を測定した。まず、上記で作製した単層フィルム及び2層フィルムをそれぞれ空気雰囲気下、240℃で60分間加熱して、フィルム状接着剤A~Cの硬化物を得た。得られた硬化物を粉砕して粉砕物とし、得られた粉砕物をTyler篩200メッシュを通過させた。篩を通過した粒状物1gとイオン交換水40gとを混合して混合物を調製した。調製した混合物を容器に入れて密栓した。この密閉容器内で、2気圧下、121℃で48時間煮沸した。煮沸後の混合物から粒状物を取り除いて抽出水を得た後、抽出水の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法によって測定した。結果を表5及び表6に示す。
<評価2:絶縁信頼性評価(HAST試験)>
実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤C(厚さ:40μm)を、くし型電極評価TEG(日立化成株式会社製、配線ピッチ:40μm)に貼付し、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中、175℃で2時間加熱し、フィルム状接着剤Cを硬化させた。この際、第2のフィルム由来の層がくし型電極評価TEGと接するように、フィルム状接着剤Cをくし型電極評価TEGに貼付した。これにより、くし型電極評価TEG上にフィルム状接着剤Cの硬化物を備える構造体を得た。得られた構造体を、高加速寿命試験装置(株式会社平山製作所製、商品名「PL-422R8」、条件:130℃/85%RH/200時間、5V印加)に設置し、HAST試験を行った。200時間後の絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が10Ω以上であった場合を「A」とし、10Ω以上10Ω未満であった場合を「B」とし、10Ω未満であった場合を「C」として評価した。結果を表5及び表6に示す。
<評価3:接続性評価>
実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤Cを、所定のサイズ(縦8mm×横8mm×厚さ40μm)に切り抜き、得られたフィルム状サンプルを銅配線付きガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材の厚さ:420μm、銅配線の厚さ:9μm)上に貼付した。この際、第2のフィルム由来の層が銅配線付きガラスエポキシ基板と接するように、フィルム状接着剤Cを銅配線付きガラスエポキシ基板に貼付した。次いで、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:縦7.3mm×横7.3mm×厚さ0.15mm、バンプ高さ:銅ピラーとはんだとの合計の高さ約40μm、バンプ数328)を、フィルム状接着剤C側から、フリップ実装装置(パナソニック株式会社製、商品名「FCB3」)で実装した(実装条件:圧着ヘッド温度350℃、圧着時間5秒、圧着圧力0.5MPa)。これによって、ガラスエポキシ基板とはんだバンプ付き半導体チップとがデイジーチェーン接続された半導体装置を作製した。
作製した半導体装置の接続抵抗値を、マルチメータ(株式会社エーディーシー製、商品名「R6871E」)を用いて測定することによって、実装後の初期導通を評価した。接続抵抗値が10.0Ω以上13.5Ω以下の場合を接続性良好として「A」と評価し、接続抵抗値が13.5Ωを超え20Ω以下の場合を「B」と評価し、接続抵抗値が20Ωより大きい場合、接続抵抗値が10Ω未満の場合及び接続不良によるOpenの場合(抵抗値が表示されない場合)を「C」と評価した。結果を表5及び表6に示す。
<評価4:フラックス活性評価>
接続性評価で接続性良好であった実施例について、接続部の断面を観察し、Cu配線の上面のはんだ濡れが90%以上である場合を良好として「A」と評価し、はんだ濡れが90%未満である場合を「B」と評価した。結果を表5及び表6に示す。
Figure 0007183702000009
Figure 0007183702000010
実施例1~8では、優れた絶縁信頼性が得られることを確認した。また、実施例1~8のフィルム状接着剤C(半導体用フィルム状接着剤)を用いた場合、実装後の接続性が良好であり、優れたフラックス活性が得られることも確認された。
1,41…半導体用フィルム状接着剤、2,41a…第1の層、3,41b…第2の層、10…半導体チップ、15…配線(接続部)、20…基板(配線回路基板)、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…封止部、50…インターポーザ、60…ソルダーレジスト、100,200,300,400,500,600…半導体装置。

Claims (8)

  1. フラックス化合物を含有する第1の熱硬化性接着剤からなる第1の層と、前記第1の層上に設けられた、第2の熱硬化性接着剤からなる第2の層と、を備え、
    下記の条件(A)を満たす、半導体用フィルム状接着剤であって、
    前記第1の熱硬化性接着剤が、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂及び硬化剤を更に含有し、
    前記第2の熱硬化性接着剤が、ラジカル重合性化合物及び熱ラジカル発生剤を含有し、
    前記第1の層の厚さと前記第2の層の厚さの合計に対する前記第2の層の厚さの比率が、1/4以上3/4以下である、半導体用フィルム状接着剤。
    条件(A):半導体用フィルム状接着剤を空気雰囲気下、240℃で60分間加熱して硬化物とし、前記硬化物を粉砕して粉砕物とし、前記粉砕物をTyler篩200メッシュを通過させ、前記篩を通過した粒状物1gとイオン交換水40gとを混合して混合物とし、前記混合物を密閉容器内で、2気圧下、121℃で48時間煮沸し、煮沸後の混合物から粒状物を取り除いて得られる抽出水の塩素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー法により測定したとき、前記抽出水の塩素イオン濃度が2質量ppm以下である。
  2. 前記ラジカル重合性化合物の分子量が2000より小さく、
    前記ラジカル重合性化合物の含有量が、前記第2の熱硬化性接着剤の全質量を基準として、10~50質量%である、請求項1に記載の半導体用フィルム状接着剤。
  3. 前記フラックス化合物はカルボキシル基を有する、請求項1又は2に記載の半導体用フィルム状接着剤。
  4. 前記フラックス化合物は2つ以上のカルボキシル基を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体用フィルム状接着剤。
  5. 前記フラックス化合物は下記式(2)で表される化合物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体用フィルム状接着剤。
    Figure 0007183702000011

    [式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は電子供与性基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。]
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体用フィルム状接着剤の製造方法であって、
    前記第1の層を備える第1のフィルム状接着剤と、前記第2の層を備える第2のフィルム状接着剤とを貼り合わせる工程を備える、半導体用フィルム状接着剤の製造方法。
  7. 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、
    前記接続部の少なくとも一部を、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体用フィルム状接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。
  8. 半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置であって、
    前記接続部の少なくとも一部が、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体用フィルム状接着剤の硬化物によって封止されている、半導体装置。
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