JP7179219B1 - SiCデバイス及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】VF劣化が抑制されたSiCデバイスを提供することである。【解決手段】本発明のSiCデバイスは、SiCエピタキシャルウェハを備え、前記SiCエピタキシャルウェハは、3インチ~6インチのSiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成され、前記SiCエピタキシャル層に含まれる、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計数が同定され、かつ、前記SiCエピタキシャル層に含まれる、前記基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び前記基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、SiCデバイス及びその製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きく、熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。炭化珪素はこれらの特性を有することから、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
SiCデバイスの実用化の促進には、高品質の結晶成長技術、高品質のエピタキシャル成長技術の確立が不可欠である。
SiCデバイスは、昇華再結晶法等で成長させたSiCのバルク単結晶から加工して得られたSiC単結晶基板(単に、SiC基板ということもある)上に、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)等によってデバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル層(膜)を成長させたSiCエピタキシャルウェハを用いて作製されるのが一般的である。
SiCエピタキシャルウェハはより具体的には、(0001)面から<11-20>方向にオフ角を有する面を成長面とする4H-SiC単結晶基板上にステップフロー成長(原子ステップからの横方向成長)させて4HのSiCエピタキシャル層を成長させるのが一般的である。
SiCエピタキシャルウェハのエピタキシャル層の欠陥としては、SiC単結晶基板の欠陥を引き継ぐ欠陥と、エピタキシャル層中に新たに形成される欠陥が知られている。前者としては、貫通転位、基底面転位やキャロット欠陥などが知られており、後者としては、三角欠陥などが知られている。
例えば、キャロット欠陥はエピ表面側から見るとステップフロー成長方向に長い棒状の欠陥であるが、基板の転位(貫通螺旋転位(TSD)あるいは基底面転位(BPD))や基板上の傷が起点として形成されると言われている(非特許文献1参照)。
また、三角欠陥はステップフロー成長方向(<11-20>方向)に沿って上流から下流側に三角形の頂点とその対辺(底辺)が順に並ぶような方向を向いて形成されるが、SiCエピタキシャルウェハの製造時のエピタキシャル成長前のSiC単結晶基板上あるいはエピタキシャル成長中のエピタキシャル層内に存在した異物(ダウンフォール)を起点として、そこから基板のオフ角に沿って3Cの多形の層が延びてエピ表面に露出しているものと言われている(非特許文献2参照)。
最近、SiC単結晶基板中のカーボンインクルージョン(以下、「基板カーボンインクルージョン」ということがある)に起因するラージピット欠陥が見出された(特許文献1参照)。この基板カーボンインクルージョン起因のラージピット(Large-pit)欠陥は、SiC単結晶基板中のカーボンインクルージョンが起点としてエピタキシャル層で新たな欠陥として変換(転換)されたものである。
特開2018-039714号公報
J. Hassan et al., Journal of Crystal Growth 312 (2010) 1828-1837 C. Hallin et al., Diamond and Related Materials 6 (1997) 1297-1300
SiCエピタキシャルウェハを用いて作製されたpnダイオードや、MOSFETの寄生ダイオード(ボディダイオード)などのバイポーラ動作を含む素子に順方向に通電すると、V劣化(バイポーラ劣化)が生じることが知られている。V劣化とは、順方向通電時に、基底面転位が面欠陥である積層欠陥(SF:Stacking Fault)に拡張し、この積層欠陥は抵抗として作用するため、順方向電圧(V)の上昇を招く現象である。
本発明者は鋭意研究の結果、ラージピット欠陥が順方向通電により積層欠陥に拡張して、V劣化を招くことを初めて見出した。すなわち、順方向電流印加後に基底面転位を起点として拡張し、積層欠陥が形成されることは知られていたが、順方向電流印加後にラージピット欠陥を起点として拡張し、積層欠陥が形成されることは従来知られていなかった。このラージピット欠陥を起点とした積層欠陥の形成のメカニズムには、ラージピット欠陥に付随した基底面方向に延びる転位が関連していると考えられる。
基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥も、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥も、順方向通電後にそれを起点として拡張して積層欠陥に変換し得る。
そのため、SiCデバイス用のSiCエピタキシャルウェハとしては、ラージピット欠陥の密度が低減され、望ましくはラージピット欠陥がないものを用いることが求められる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、V劣化が抑制されたSiCエピタキシャルウェハ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様に係るSiCエピタキシャルウェハは、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成されたSiCエピタキシャルウェハであって、前記SiCエピタキシャル層に含まれる、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下である。
(2)上記(1)に記載のSiCエピタキシャルウェハは、前記基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥の密度が0.5個/cm以下であってもよい。
(3)本発明の第2の態様に係るSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成されたSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、前記SiC単結晶基板中のマイクロパイプ及び基板カーボンインクルージョンの合計密度が1個/cm以下であるSiC単結晶基板を選別する工程を有する。
本発明のSiCエピタキシャルウェハによれば、V劣化が抑制されたSiCエピタキシャルウェハを提供できる。
本発明の一実施形態に係るSiCエピタキシャルウェハの断面模式図を示す。 (a)は本発明のSiCエピタキシャルウェハのSICA像であり、図2(b)は(a)に対応するPL像である。 基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥近傍の断面のSTEM像である。 図2に示したSiCエピタキシャルウェハを用いて作製したpnダイオードの、順方向通電試験前後の電気特性を示したグラフである。
以下、本発明を適用した実施形態であるSiCエピタキシャルウェハ及びその製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(SiCエピタキシャルウェハ)
図1は、本発明の一実施形態に係るSiCエピタキシャルウェハの断面模式図である。
図1に示すSiCエピタキシャルウェハ10は、SiC単結晶基板1上にSiCエピタキシャル層2が形成されたSiCエピタキシャルウェハであって、SiCエピタキシャル層2に含まれる、マイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下である。
本発明のSiCエピタキシャルウェハに用いるSiC単結晶基板は、4HのSiC単結晶基板であることが好ましい。
また、本発明のSiCエピタキシャルウェハに用いるSiC単結晶基板はオフ角を有し、例えば、0.4°以上、8°以下のものであることが好ましい。典型的には、オフ角4°のものを用いることができる。
SiC単結晶基板の厚さとしては特に限定するものではないが、例えば、150μm以上550μm以下のものを用いることができる。好ましくは300μm以上400μm以下のものを用いることができる。
SiC単結晶基板のサイズとしては特に限定するものではないが、例えば、3インチ~6インチのものを用いることができる。
本明細書において「ラージピット欠陥」とは、共焦点微分干渉顕微鏡とフォトルミネッセンス(PL)観察機能を併設した検査装置(レーザーテック株式会社製、SICA88)を用いた場合に、得られた顕微鏡像(以下、SICA像ということがある)において、サイズ(像における外周の2点間を直線で結んだときの最大距離)が5μm以上の凹み又は穴(ピット)であり、かつ、ロングパスフィルター(≧660nm)を使用して得られたPL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見えるものである。
また、SICA像において、サイズが5μm以上の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥であっても、サイズが小さめのものについては、経験的には50%程度は基板カーボンインクルージョン起因のものでも、基板のマイクロパイプ起因のものでもない。換言すると、この場合、50%程度は、基板カーボンインクルージョン起因のものか、基板のマイクロパイプ起因のものか、いずれかである。
一方、SICA像において、サイズが10μm以上の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥は経験的には、90%程度は、基板カーボンインクルージョン起因のものか、基板のマイクロパイプ起因のものか、いずれかである。
また、SICA像において、サイズが15μm以上の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥は経験的には、ほぼ100%が、基板カーボンインクルージョン起因のものか、基板のマイクロパイプ起因のものか、いずれかである。
以上のように、SiCエピタキシャルウェハのSICA像の凹みあるいは穴(ピット)のサイズ、及び、その凹みあるいは穴(ピット)のPL像のサイズ及び見え方に基づき、凹みあるいは穴(ピット)が、基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥、及び、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥のいずれかであるかを、上記確率で予測できる。すなわち、SICA像においてサイズが10μm以上の凹みあるいは穴(ピット)であれば、SiCエピタキシャルウェハのSICA像及びPL像だけから、90%程度以上の高い確率で、基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥、及び、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥のいずれかであるかを同定できる。
以下では、SiCエピタキシャルウェハのSICA像及びPL像に、さらにSiC単結晶基板のSICA像及びPL像を組み合わせることで高い確率で、基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥と基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥とを識別する方法について説明する。
<基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥と基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の識別方法>
SiCエピタキシャルウェハのSiCエピタキシャル層におけるラージピット欠陥の起因は、SiC単結晶基板における基板カーボンインクルージョン及び基板のマイクロパイプのSICA像及びPL像を、SiCエピタキシャルウェハのSICA像及びPL像と対比することにより、高い精度で同定することができる。
SiC単結晶基板のPL像において黒点が存在する場合、そのSiC単結晶基板と同じインゴット中で隣接するSiC単結晶基板のPL像においてもほぼ同じ位置に黒点が存在するときは、その黒点は基板のマイクロパイプであると同定できる。これにより、その後、エピタキシャル層を形成してSiCエピタキシャルウェハにおいてその黒点に対応する箇所に形成されたラージピット欠陥は基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥であると同定できる。このときのラージピット欠陥は、SICA像ではピットとして観察され、PL像では白い円状(楕円状、扁平円状などを含む)や蜘蛛の巣状(中心に核があってその周りに紐状のものがあるものや、紐状のものが集まったものなど)として観察されることが多い。
一方、SiC単結晶基板のSICA像においてピットとして観察され、かつ、PL像において黒点が存在する場合、そのSiC単結晶基板と同じインゴット中で隣接するSiC単結晶基板のPL像においてほぼ同じ位置には黒点が存在しないときは、PL像における黒点は基板のカーボンインクルージョンであると同定できる。これにより、その後、エピタキシャル層を形成してSiCエピタキシャルウェハにおいてその黒点に対応する箇所に形成されたラージピット欠陥は基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥であると同定できる。このときのラージピット欠陥は、SICA像ではピットとして観察され、PL像では白い円状(楕円状、扁平円状などを含む)として観察されることが多い。
なお、SiCエピタキシャルウェハの断面を電子顕微鏡等で観察することによっても、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥と基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥との精確な識別は可能である。
SiCエピタキシャルウェハにおいて、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下であると、通常のSiCデバイスの仕様を満たす。
ここで、SiCエピタキシャルウェハについて“基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度”とは、SICA像において、サイズが5μm以上10μm未満の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥については、カウントされた数の50%を当該欠陥に該当するものとし、SICA像において、サイズが10μm以上15μm未満の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥については、カウントされた数の90%を当該欠陥に該当するものとし、SICA像において、サイズが15μm以上の凹みあるいは穴(ピット)であり、かつ、PL像において、顕微鏡像におけるサイズと同じかそれ以上のサイズで白く見える欠陥については、カウントされた数のすべてを当該欠陥に該当するものとし、これらの合計を当該欠陥の数とし、その面積密度を意味する。
SiCエピタキシャルウェハは、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が、0.1個/cm以下であることが好ましく、0.01個/cm以下であることがより好ましく、0個/cmであることがさらに好ましい。
図2に、本発明のSiCエピタキシャルウェハのSICA像及びPL像を示す。図2(a)はSICA像であり、図2(b)はPL像である。
SiCエピタキシャルウェハは、以下のように作製した。
SiC単結晶基板としては、(0001)Si面に対して<11-20>方向に4°のオフ角を有する、4インチの4H-SiC単結晶基板を用いた。
4H-SiC単結晶基板について公知の研磨工程を行った。その後、その単結晶基板をCVD装置に設置し、水素ガスによる基板表面の清浄化(エッチング)工程を行った。次に、原料ガスとしてシラン及びプロパンを用い、キャリアガスとして水素を供給しながら、成長温度1500℃以上、C/Si比1.25以下の条件の下、SiCエピタキシャル成長工程を行い、膜厚10μmのSiCエピタキシャル層をSiC単結晶基板上に形成して、SiCエピタキシャルウェハを得た。
図2に示したSiCエピタキシャルウェハにおけるラージピットは、SICA像においては直径15μm程度の円状であり、PL像においては直径20~30μm程度の円状である。SiCエピタキシャル層形成前の4H-SiC単結晶基板の表面についてSICA像を得ており、このラージピットが基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥であることを、断面分析により確認を行った。
図3は、そのラージピットについて、走査透過型電子顕微鏡(STEM)によりその断面を観察した画像である。スケールは各目盛りが0.6μmを示す。
図3に示すSTEM像は一例であるが、STEM像において、下方の基板の位置にマイクロパイプが見えている。また、この基板のマイクロパイプから伸びた転位が存在し、その転位の先の表面側にラージピット欠陥(図2)が見えている。このように、図3に示すSTEM像においては、エピ表面のラージピット欠陥が基板のマイクロパイプに起因することが明確に示されている。そして、この基板のマイクロパイプと表面のラージピットとの間には、図2に示されているように転位が入っている。この転位には、表面に向かって伸びるもののほかに、基底面に沿って伸びるものも見られる。この基底面に延びる転位が、順方向通電した際に積層欠陥に拡張し、V劣化を引き起こす。
図4に、図2に示したSiCエピタキシャルウェハを用いて、公知の方法にてpnダイオードを作製し、順方向に960A/cm-2で1時間の通電を行った前後で、順方向の電気特性を測定した結果を示す。この通電試験により、3.4%の順方向電圧(V)の悪化を確認した。このとき、SiCエピタキシャル層にはBPDは存在せず、また、SiC単結晶基板のBPD密度は400/cm以下のものを用いることにより、ラージピット以外の欠陥拡張要因による劣化の寄与を低減させている。
本発明のSiCエピタキシャルウェハは、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥の密度が0.5個/cm以下であることが好ましい。
ここで、SiCエピタキシャルウェハについて“基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥の密度”とは、同じインゴット中で隣接するSiC単結晶基板を用いたSiCエピタキシャルウェハのSICA像において、ほぼ同じ位置にピットとして観察され、かつ、PL像では白い円状(楕円状、扁平円状などを含む)や蜘蛛の巣状(中心に核があってその周りに紐状のものがあるものや、紐状のものが集まったものなど)として観察される欠陥の数をカウントし、その密度を意味する。
本発明者は、基板のマイクロパイプが特に基板の周端部にあるときに、SiCエピタキシャル層の成長中に割れやすいことを見出しており、SiCエピタキシャル層の成長中に割れなかったものでもその後のデバイス作製において割れやすいことが懸念されるが、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥の密度が10個/cm以下である場合にはその懸念が払拭される。
(SiCエピタキシャルウェハの製造方法)
本発明の一実施形態に係るSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成されたSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、SiC単結晶基板中のマイクロパイプ及び基板カーボンインクルージョンの合計密度が1個/cm以下であるSiC単結晶基板を選別する工程を有する。
ここで、SiCエピタキシャルウェハの製造方法において“SiC単結晶基板中のマイクロパイプ及び基板カーボンインクルージョンの合計密度”とは、SiC単結晶基板のSICA像においてピットが観察され、かつ、そのPL像が黒点として観察される欠陥の数をカウントし、その合計密度を意味する。
その他の工程、例えば、基板の研磨工程、SiCエピタキシャル層の形成工程としては、公知の条件で行うことができる。
かかる選別工程を有するSiCエピタキシャルウェハの製造方法によれば、SiCエピタキシャル層に含まれる、マイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下であるSiCエピタキシャルウェハを製造することができる。
1 SiC単結晶基板
2 SiCエピタキシャル層
10 SiCエピタキシャルウェハ

Claims (7)

  1. SiCエピタキシャルウェハを備え、
    前記SiCエピタキシャルウェハは、3インチ~6インチのSiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成され、
    前記SiCエピタキシャル層に含まれる、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計数が同定され、かつ、前記SiCエピタキシャル層に含まれる、前記基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び前記基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下である、SiCデバイス。
  2. パワーデバイスである、請求項1に記載のSiCデバイス。
  3. 高周波デバイスである、請求項1に記載のSiCデバイス。
  4. 高温動作デバイスである、請求項1に記載のSiCデバイス。
  5. pnダイオードである、請求項1に記載のSiCデバイス。
  6. MOSFETである、請求項1に記載のSiCデバイス。
  7. SiCエピタキシャルウェハを用いたSiCデバイスの製造方法であって、
    前記SiCデバイスの製造方法は、
    3インチ~6インチのSiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が形成されたSiCエピタキシャルウェハを使用し、
    前記SiCエピタキシャル層に含まれる、基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計数が同定され、かつ、前記SiCエピタキシャル層に含まれる、前記基板のマイクロパイプ起因のラージピット欠陥及び前記基板カーボンインクルージョン起因のラージピット欠陥の合計密度が1個/cm以下である、SiCデバイスの製造方法。
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