JP7178787B2 - 積層シート及びその製造方法並びに成形品 - Google Patents

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本発明は、接着剤を使用せず、接着性及び透明性に優れる積層シート及びその製造方法、並びに該積層シートから得られる成形品に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)に代表されるポリエステル樹脂は、化学的及び物理的性質に優れている。ポリエステル樹脂は、飲料ボトル等の容器、フィルム、及びシート等に広く利用されている。様々な機能を発揮させるために、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムを積層した積層シートが用いられている。このような積層シートにおいては、ポリエステル系基材シートとポリエステル系フィルムとを接着させる必要がある。
ポリエステル樹脂同士を熱接着させるには、通常、融点近くまで加熱する必要がある。しかし、このような加熱を加えると、フィルム及び基材シートの形状の維持が困難となるため、このような加熱による接着は現実的ではない。そのため、ポリエステル樹脂同士を熱接着加工するには通常、少なくともポリエステル樹脂の融点より低い温度で融着できる接着剤が必要とされる。例えば、特許文献1は、光学特性を低下させずに剛性を付与した樹脂フィルムを提供することを目的とし、延伸した樹脂基材の2枚以上を、一定の厚さの接着層で貼り合わせた樹脂フィルムを開示している。
一方、特許文献2は、接着剤を全く使用せずに、透明性、接着強度、及び再利用性に優れた多層シート及びその製造方法が記載されている。この方法では、水を介して樹脂シート間を密着させ、次いで加熱加圧することにより、樹脂シート同士を接着させている。
特開2012-161966号公報 特許第5539805号公報
特許文献1等に記載されている、接着剤により樹脂シートを貼り合わせた積層シートでは、基材の貼り合わせの際に接着層が気泡を巻き込み、あるいは接着剤の反応によって気泡が発生し、これにより接着層の接着性及び透明性の低下が生じることが知られている(特許文献1の段落[0013]参照)。
一方、接着剤を使用せずに樹脂シートを貼り合わせる方法でも、基材間に気泡が入ることによって接着層の接着性及び透明性の低下が生じることが知られている(特許文献2の段落[0007]参照)。このような問題を解決するためには、単に接着剤を使用せずに樹脂シートを貼り合わせるだけでは不十分であり、特許文献2に記載のような特殊な製造方法が必要となる。
本発明は、接着剤を使用せず、接着性及び透明性に優れる積層シート及びその製造方法、並びに該積層シートから得られる成形品を提供することを目的とする。
本発明のポリエステル系積層シートは、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムが直に積層されたシートであって、幅15mmの試験片を採取し、前記試験片における、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとの剥離強度(JIS Z 0238に準拠)が0.98N以上であり、且つ全光線透過率が85%以上であることを特徴とする。
本発明の成形品は、本発明のポリエステル系積層シートを熱成形することにより得られることを特徴とする。
本発明のポリエステル系積層シートの製造方法は、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムを直に載置して積層体を得る工程と、前記積層体をロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~150℃で3回以上圧着することにより、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとを接着させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のポリエステル系積層シートは、接着剤を使用せずに基材とシートとを接着させることができ、且つ接着性及び透明性に優れる。よって、本発明のポリエステル系積層シートは、接着性及び透明性が求められる用途、例えば、飲食品等の包装用容器に好適に用いることができる。また、本発明の製造方法によれば、上記の利点を有する本発明の積層シートを容易に製造することができる。
実施例のドラムラミネーターの概略を示す図である。 ドラムラミネーターの他の例を示す図である。 実施例の剥離強度の結果を示すグラフである。 実施例の積層シートの全光線透過率の結果を示すグラフである。 実施例の積層シートのヘーズ値の結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
(1)ポリエステル系積層シート
本実施形態に係るポリエステル系積層シート(以下、「本積層シート」という。)では、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムが直に積層されている。即ち、本積層シートは、接着剤を使用せずに、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとが接着された、基材シート層及びフィルム層を有する。これにより、接着剤を用いたことに起因する接着性及び透明性の低下を抑制することができる。
前記ポリエステル系基材シート及び前記ポリエステル系フィルムは、主成分としてポリエステル樹脂を含む。前記「主成分」は、全樹脂成分中、ポリエステル樹脂が50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含まれていることを意味する。よって、前記ポリエステル系基材シート及びポリエステル系フィルムは、ポリエステル樹脂のみで構成されていてもよく、接着性及び透明性を著しく損なわない範囲で、他の樹脂を含んでいてもよい。また、前記ポリエステル樹脂は1種でもよく、異なる2種以上のポリエステル樹脂でもよい。
前記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸又はその誘導体(エステル及び無水物等)とポリアルコールとの重縮合体である限り、具体的構造及び種類に限定はない。前記多価カルボン酸として通常、ジカルボン酸が用いられ、前記ポリアルコールとして通常、ジオールが用いられる。前記多価カルボン酸として、例えば、芳香族多価カルボン酸を用いることができる。前記ポリエステル樹脂は、前記多価カルボン酸又はその誘導体と前記ポリアルコールとの重縮合体でもよく、更に他の単量体、例えばスチレン等のビニル基をもった単量体と共重合させた共重合体でもよい。また、前記ポリエステル樹脂は、他の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)により変性されたポリエステル樹脂でもよい。
前記ポリエステル樹脂として具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン-1,2-ビス(フェノキシ)エタン-4,4’-ジカルボキシレート、及びポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートが挙げられる。前記ポリエステル樹脂として好ましくはPETである。尚、前記PETは、酸成分としてのテレフタル酸と、単一のジオール成分との共重合体でもよく、あるいは2種以上のジオール成分との共重合体でもよい。
前記ポリエステル樹脂は結晶状態及び非晶状態のいずれでもよい。成形性の観点から、前記ポリエステル樹脂として好ましくは非晶状態のポリエステル樹脂であり、より好ましくは非晶状態のPETである。尚、「非晶状態」は、結晶化していない状態及び完全に結晶化しない状態を含む。例えば、「非晶状態のPET」は、A-PETのように結晶化していない状態のPET及びPET-Gのように完全に結晶化しない状態のPETを含む。前記ポリエステル系基材シートとして好ましくは非晶状態のポリエステル樹脂、より好ましくは非晶状態のPET、更に好ましくはA-PETである。また、前記ポリエステル系フィルムとして好ましくは非晶状態のポリエステル樹脂、より好ましくは非晶状態のPETである。
前記ポリエステル樹脂は未延伸でもよく、延伸されていてもよい。例えば、前記ポリエステル樹脂として、二軸延伸ポリエステルを用いることができる。延伸倍率には特に限定はないが、延伸倍率が低いと、本積層シートの成形性が向上することから好ましい。具体的には、前記延伸倍率は2~7倍、好ましくは2~5倍の範囲とすることができる。二軸延伸の場合は、縦及び横方向にそれぞれ、上記範囲で延伸することが好ましい。前記ポリエステル系基材シートとして未延伸ポリエステル系基材シートが好ましい。また、前記ポリエステル系フィルムとして、低延伸倍率、具体的には上記範囲の延伸倍率のポリエステル系フィルムが好ましい。
前記ポリエステル系基材シート及び前記ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル樹脂の具体的組み合わせには特に限定はない。この組み合わせとして具体的には、例えば、前記ポリエステル系基材シートとしての未延伸ポリエステルと、前記ポリエステル系フィルムとしての延伸ポリエステルとの組み合わせが挙げられる。また、前記ポリエステル系基材シート及び前記ポリエステル系フィルムのうちの少なくとも一方が、非晶状態のポリエステル樹脂であることが好ましい。より好ましくは、両者が非晶状態のポリエステル樹脂である。
本積層シートで好ましくは、前記ポリエステル系基材シートが未延伸で非晶状態のポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル系フィルムが延伸された非晶状態のポリエステル樹脂である。本積層シートで特に好ましくは、前記ポリエステル系基材シートが未延伸のA-PETであり、前記ポリエステル系フィルムが延伸された非晶状態のPETである。
本積層シートの全光線透過率は85%以上である。よって、本積層シートは透明性に優れる。前記全光線透過率は、JIS K 7361に準拠して測定された値である。
本積層シートにおいて、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとの剥離強度は0.98N以上、好ましくは1.07N以上、更に好ましくは1.17N以上、より好ましくは1.27N以上である。この剥離強度は、実施例に記載の方法、即ち、JIS Z 0238に準拠し、幅15mmの試験片について、剥離速度300mm/min、剥離角度180°で測定された値である。
本積層シートのヘーズ値の具体的範囲には特に限定はない。本積層シートのヘーズ値は通常通常6.0%以下、好ましくは5.5%以下、更に好ましくは5.0%以下である。前記ヘーズ値は、JIS K 7136に準拠して測定された値である。ヘーズ値が上記範囲であると、透明性に優れることから好ましい。
本積層シート並びに前記基材シート層及び前記フィルム層の厚さは、必要に応じて適宜決定することができる。前記基材シート層は通常100~1000μm、好ましくは150~700μm、更に好ましくは200~500μmである。また、前記フィルム層は、前記基材シート層と同じか、あるいは薄ければよい。前記フィルム層の厚さは通常、1~100μm、好ましくは5~50μm、更に好ましくは7~25μmである。
本積層シートは、前記基材シート層及び前記フィルム層のみで構成されていてもよく、必要に応じて他の層を有していてもよい。
本積層シートを得る方法には特に限定はない。本積層シートは通常、本発明の製造方法により得ることができる。
前記基材シート層及び前記フィルム層は、接着性及び透明性を著しく損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分として具体的には、例えば、公知の樹脂シートに用いられている添加剤、例えば、難燃剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、及び抗菌剤が挙げられる。
本積層シートの形状、寸法、及び具体的用途には特に限定はない。後述のように、本積層シートは、成形することにより、各種の成形品を得るために用いることができる。該成形品として具体的には、包装用容器等の容器、例えば、飲食品包装用容器が挙げられる。よって、本積層シートは好ましくは、熱成形又は成形品製造のために用いることができ、より好ましくは、包装用容器の製造のために用いることができる。尚、前記「容器」は、容器全体だけでなく、容器の一部も含む。例えば、前記「容器」には、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれる。
(2)成形品
本実施形態に係る成形品(以下、「本成形品」という。)は、本積層シートを熱成形することにより得られる。前記熱成形の具体的方法には特に限定はなく、公知の熱成形方法、例えば、熱盤成形、真空成形、圧空成形又は真空圧空成形を用いることができる。また、熱成形の条件も特に限定はない。成形条件は必要に応じて適宜決定することができる。
本成形品の形状、寸法、及び具体的用途には特に限定はない。本成形品の用途としては、包装用容器等の容器、例えば、飲食品包装用容器が挙げられる。尚、前記「容器」は、容器全体だけでなく、容器の一部も含む。例えば、前記「容器」には、容器の本体のみならず、容器の蓋体も含まれる。
(3)ポリエステル系積層シートの製造方法
本実施形態に係るポリエステル系積層シートの製造方法(以下、「本方法」という。)では、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムを直に載置して積層体を得る工程を含む。前記ポリエステル系基材シート及び前記ポリエステル系フィルムについては、上記の説明が妥当する。尚、「ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムを直に載置して」には、前記ポリエステル系基材シートに前記ポリエステル系フィルムを直に載置する場合に加えて、これとは逆に、前記ポリエステル系フィルムに前記ポリエステル系基材シートを直に載置する場合も含む。
前記積層体を得る具体的方法には特に限定はない。前記積層体は、少なくとも積層体を一対のロールで圧着する最初の段階で形成されていればよい。前記積層体は通常、図1に示すように、ポリエステル系基材シートのロール及びポリエステル系フィルムのロールから供給されたポリエステル系基材シート及びポリエステル系フィルムを、適宜のロール(図1では、No.1のロールよりも上流側のロール)を通して、ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムを直に載置することにより得ることができる。
本方法は、前記積層体をロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~150℃で3回以上圧着することにより、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとを接着させる工程を含む。この工程により、得られる積層シートの接着性及び透明性を高めることができる。
「2回圧着」及び「3回以上圧着」とは、一対のロールによる圧着を2回又は3回以上行うことを意味する。例えば、図1に示すドラムラミネーターは一対のロールを3個有する(No.1~No.3)。このうち、No.1とNo.2又はNo.3のロールにより圧着すれば、「2回圧着」となり、No.1~No.3のロールにより圧着すれば、「3回圧着」となる。
前記「一対のロール」は、ロールと加熱ロール同士で積層体を圧着することができる限り、その具体的構成には特に限定はない。前記「一対のロール」は、例えば、図2に示すように、独立したロール及び加熱ロールの組を2以上有する場合や、あるいは、図1に示すように、独立した2以上のロールと単一の加熱ドラムの組み合わせを含む。
前記ロール温度は、一対のロールのうちの一方、通常は前記ポリエステル系フィルムと接する側のロールを意味する。
本方法は、得られる積層シートの接着性及び透明性を著しく損なわない限り、必要に応じて前記各工程以外の他の工程を含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途等に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。
(1)積層シートの製造
ポリエステル系基材シートとして、A-PET(遠東新世紀株式会社製PET樹脂「CB―602」、厚さ0.35mm×幅500mm)を使用した。また、ポリエステル系フィルムとして、PET-G様の非晶ポリエステルである二軸延伸シュリンクフィルム(東洋紡製、グレード名「SC821」、延伸倍率;縦3倍×横4倍、厚さ12μm×幅490mm)を使用した。
前記基材シート及び前記フィルムをドラムラミネーターで熱圧着することにより、積層シートを製造した。ドラムラミネーターの詳細を図1に示す。ドラムラミネーターは、3つの圧着ロール(No.1~3)を有する。表1中、「圧着回数」1回は、圧着ロールNo.1のみを使用し、「圧着回数」2回は、圧着ロールNo.1及びNo.2を使用し、「圧着回数」3回は、圧着ロールNo.1~3を使用して熱圧着したことを示す。ライン速度は5m/minである。
(2)剥離強度
前記方法により得られた各積層シートから15mm幅で短冊状の試験片を切り出した(n=3)。積層シートを構成するフィルムの端約20mmを剥がし、該フィルム及びフィルムを剥がした基材シートの端をそれぞれ冶具で掴み、JIS Z 0238に準拠し、フィルムとシートを速度300mm/minで180°方向へ引っ張り、フィルム剥離時の試験力を測定した。結果を表1及び図2に示す。表1中、「-」は、未接着の状態であったため、測定をしなかったことを示す。また、表1中、「*」は、測定中にフィルムが破れ、測定不可であったことを示す。
Figure 0007178787000001
表1及び図3より、ロール温度120℃で1又は2回圧着の場合には、基材シートとフィルムが未接着であったのに対し、3回圧着では剥離強度が1.10Nであった。また、ロール温度130℃~150℃では、1回圧着の場合と比べて、2回又は3回圧着の方が高い剥離強度を示した。特にロール温度130℃~140℃では、1回圧着の場合と比べて、2回又は3回圧着の場合、1回圧着の8倍以上(2回圧着)及び15倍以上(3回圧着)の高い剥離強度を示した。これらの結果から、ロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~150℃で3回以上圧着することにより、接着剤を使用しなくても、基材シートとフィルムとの接着性が優れた積層シートが得られることが分かる。
また、本実施例で使用したようなシュリンクフィルムは、熱を加えると収縮するため、ラミネート時の収縮又はしわが発生し易い。加熱ロールの温度を上げると、基材シートとフィルムとの接着は強くなるが、収縮が生じ易い。一方、加熱ロールの温度が低いと、収縮を抑制できる反面、基材シートとフィルムとの接着性が低下する。本実施例の方法によれば、収縮が発生しにくい低温条件下でも、基材シートとフィルムとの接着性を向上させることができる。
(3)透明性
上記で得られた各積層シート及び容器を用いて、JIS K 7136に準拠して、全光線透過率(Tt)(%)及び拡散透過率(Td)(%)を測定した。測定されたTt及びTdを用い、以下の式に基づいて、ヘーズ値を算出した。その結果を表2並びに図4及び図5に示す。
ヘーズ値(%)=100×Td÷Tt
Figure 0007178787000002
表2及び図4より、ロール温度130℃~150℃で1回圧着することにより得られた積層シートは、全光線透過率は85%未満であった。これに対し、ロール温度130℃~150℃で2回圧着又は120℃~150℃で3回圧着することにより得られた積層シートは、いずれも全光線透過率が85%以上であった。また、表2及び図5より、ロール温度130℃~150℃で2回圧着又は120℃~150℃で3回圧着することにより得られた積層シートは、ヘーズ値が6.0%以下であり、ロール温度130℃~150℃で1回圧着した場合と同程度のヘーズ値を維持した。これらの結果から、ロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~150℃で3回以上圧着することにより、透明性に優れた積層シートが得られることが分かる。
尚、ロール温度90℃~110℃で1~3回以上圧着又は120℃で1~2回圧着した積層シートは、基材シートとフィルムが未接着であり、一方、ロール温度160℃以上で圧着すると、フィルム及び/又はシートが変形してしまったため、透明性の評価が実施できなかった。
また、ロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~150℃で3回以上圧着して得られた積層シートを熱成形することにより、成形品を得ることができた。そして、表2に示すように、ロール温度130℃~150℃で1回圧着して得られた積層シートを熱成形して得られた成形品と同程度の透明性及びヘーズ値を維持している。軟包材によく使用される二軸延伸PETフィルムは延伸且つ熱固定されており、ラミネートしたものを容器成形することが困難であると知られている。一方、本実施例で使用したシュリンクフィルムは延伸倍率が低く、非晶ポリエステルであり結晶化はしないことから、ラミネートした後も容器成形が可能である。また、上記のように、本実施例によれば、基材シートとフィルムとの接着性を向上させつつ、シュリンクフィルムを用いたことによる、ラミネート時の収縮又はしわの発生を抑制することができる。これらの結果から、本実施例の積層シートは、ラミネート時の収縮の発生を抑制しつつ、二次加工(容器成形)が可能であり、また、透明性が維持された成形品を得ることが可能であることが分かる。

Claims (4)

  1. ポリエステル系基材シートにポリエステル系フィルムが直に積層されたポリエステル系積層シートにおいて、
    前記ポリエステル系基材シートは、未延伸の非晶状態のポリエステル樹脂であり、
    前記ポリエステル系フィルムは、縦及び横方向にそれぞれ延伸倍率2~7倍の非晶状態のポリエステル系フィルムであり、
    前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとの剥離強度を以下の測定条件で測定したときに0.98N以上であり、前記積層シートのヘーズ値が5.0%以下であり、且つ全光線透過率が85%以上であることを特徴とする、ポリエステル系積層シート。
    (剥離強度の測定条件)
    JIS Z 0238に準拠し、幅15mmの試験片を、剥離速度300mm/min、剥離角度180°で剥離して剥離強度を測定する。
  2. 前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムを熱圧着することにより積層することを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル系積層シート。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステル系積層シートを熱成形することにより得られることを特徴とする、成形品。
  4. 未延伸の非晶状態のポリエステル樹脂であるポリエステル系基材シートに、縦及び横方向にそれぞれ延伸倍率2~7倍の非晶状態のポリエステル系フィルムであるポリエステル系フィルムを直に載置して積層体を得る工程と、
    前記積層体をロール温度130℃~150℃で2回圧着又はロール温度120℃~140℃で3回圧着することにより、前記ポリエステル系基材シートと前記ポリエステル系フィルムとを接着させる工程と、
    を含むことを特徴とする、ポリエステル系積層シートの製造方法。
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