JP7177650B2 - 防水性布帛、および該防水性布帛を用いて製造された防水シーツ - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る防水性布帛は、少なくとも布帛層と、防水層とが積層されており、かつ該防水層の表面全面または一部に界面活性剤を含有する層、より具体的には界面活性剤を含有する最外層が設けられており、さらに耐水圧が500mmH2O以上でありかつJIS L1099:2012 B-1に基づく透湿度が3000g/m2/24hr未満であるものである。
本実施の形態における防水シーツは、上記防水性布帛を少なくとも一部に用いたものであり、例えば介護用の敷布団やマットレスなどである。
[A:透湿度]
透湿度は、JIS L1099:2012 B-1法(酢酸カリウム法)により測定した。ただし、表示を24時間に換算して行った。
[B:耐水圧]
耐水圧は、JIS L1092:2009 耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)により測定した。
[C:水接触角]
界面活性剤を含有する層の表面に対する水の接触角は、協和界面科学株式会社製 FACE CA-Dによって、初期と下記Dの洗濯処理後の両方について測定した。測定に使用した水はpH6~8、温度25℃のイオン交換水である。
[D:洗濯処理]
JIS L0217:1995 103法に準じて洗濯処理を20回行った。なお、洗濯時間を25分、1回あたりのすすぎ時間を10分とし処理したものを5回の洗濯処理とし、この作業を4回行い、20回の洗濯処理とした。乾燥は、20回の洗濯処理の後、吊り干しにて1回行った。
防水性を漏水の観点から評価し、具体的には10cm四方の試料の防水膜面に2gの水を滴下し、膜面に押し込むように力を加えて塗り広げた後、裏面からの漏水の有無を確認することにより評価した。
[F:水膨潤]
防水性を水膨潤の観点からも評価し、具体的には10cm四方の試料の防水膜面に2gの水を滴下して塗り広げ、5分間静置したのちの外観を確認することにより評価した。
[G:水馴染み性]
水馴染み性は、10cm四方の試料の防水膜面に2gの水を滴下して塗り広げた後、乾いた雑巾でふき取った際のふき取り作業のしやすさを以下の4段階で評点付けすることにより、初期と上記Dの洗濯処理後の両方について評価した。以下の4段階のうち2~4の評価を合格とした。
1:ふき取りにくい
2:ふき取りやすい
3:かなりふき取りやすい
4:非常にふき取りやすい
[H:伸縮追随性]
伸縮追随性は、幅25mmの短冊状の試験片を、チャック間距離100mmでつかみ、引張試験機にて120mmまで20%伸長させ100mmまで復帰させる操作を5回行い、試験後の外観(破れ、亀裂及び白化の有無等)を確認することにより評価した。
[I:膜面のべたつき]
防水膜面を手で触って膜面のべたつきを確認した。
<織物を用いた布帛層>
ポリエステル繊維を用いた織物(糸使い:84デシテックス/72フィラメント、密度:経106本/吋、緯86本/吋の平織物)を分散染料で緑色に染色し、熱セットを行った。
次に、グラビアコーターを用いて湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂接着剤 タイフォース NH-321(DIC株式会社製)を110℃に加熱し溶融させ、点状に、厚み38μmのPETフィルムの面に付与した。
次に、PETフィルムの接着剤を付与した面に上記ポリエステル繊維を用いた織物を重ね合せ、ニップロールを用いて100℃で熱圧着した。熱圧着したのち、70℃で72時間エージングすることで、ポリエステル繊維を用いた織物とPETフィルムが積層された防水性布帛を得た。
次に、ポリウレタン樹脂系塗料 ラックスキン U956(セイコー化成株式会社製、固形分濃度:18%)100部、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレングリコール ニューポール 80-4000(三洋化成工業株式会社製、単一製品)2部を調合して撹拌した溶液を、ポリエステル繊維を用いた織物と積層したPETフィルムの表面全面にグラビアコーターにて塗工した後、120℃にて熱風乾燥させることにより、防水層の表面に界面活性剤を含有する層を有する防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表1に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程を省略した以外は、実施例1に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表1に記載した。
<透湿性の高いポリウレタン樹脂フィルムによる防水層の積層>
離型紙上に有機溶剤で希釈したポリウレタン樹脂 クリスボン S-525CAT(DIC株式会社製)の溶液を塗布後乾燥させて厚さ20μmの透湿性の高いポリウレタン樹脂フィルムを製膜した。
次に、ポリウレタン樹脂 クリスボン TA-170(DIC株式会社製)100部、ポリイソシアネート溶液 コロネート L(東ソー株式会社製)12部、N-メチルジエタノールアミン0.2部を調合、有機溶剤で希釈し撹拌した溶剤を離型紙上に製膜したフィルム上に塗工した後、90℃にて熱風乾燥してフィルムに接着剤層を付与した。
次に、フィルムの接着剤層に実施例1に記載したポリエステル繊維を用いた織物を重ね合せ、ニップロールを用いて120℃で熱圧着した。熱圧着したのち、60℃で24時間エージング後に離型紙を剥離することで、ポリエステル繊維を用いた織物と透湿性の高いポリウレタン樹脂フィルムが積層された防水性布帛を得た。
<耐水圧の低い防水層の積層>
有機溶剤で希釈したポリウレタン樹脂 クリスボン NY-393(DIC株式会社製)の溶液を、実施例1に記載したポリエステル繊維を用いた織物の片面に、ナイフコーターを用いフローティングにて塗布後乾燥してポリエステル繊維を用いた織物と耐水圧の低いポリウレタン樹脂層が積層された防水性布帛を得た。
<編物を用いた布帛層>
ポリアミド繊維を用いた編物(糸使い:78デシテックス/24フィラメント、密度:コース40個/吋、ウェール28個/吋のハーフトリコット)を酸性染料で緑色に染色し、熱セットを行った。
<透湿性の低いポリウレタン樹脂フィルムによる防水層の積層>
離型紙上に有機溶剤で希釈したポリウレタン樹脂 クリスボン NY-393(DIC株式会社製)の溶液を塗布後乾燥させて厚さ20μmのポリウレタン樹脂フィルムを製膜した。
次に、ポリウレタン樹脂 クリスボン TA-465(DIC株式会社製)100部、ポリイソシアネート溶液 コロネート L(東ソー株式会社製)12部、N-メチルジエタノールアミン0.2部を調合、有機溶剤で希釈し撹拌した溶剤を離型紙上に製膜したフィルム上に塗工した後、90℃にて熱風乾燥してフィルムに接着剤層を付与した。
次に、フィルムの接着剤層に実施例2に記載したポリアミド繊維を用いた編物を重ね合せ、ニップロールを用いて120℃で熱圧着した。熱圧着したのち、60℃で24時間エージング後に離型紙を剥離することで、ポリアミド繊維を用いた編物とポリウレタン樹脂フィルム(ポリウレタン樹脂を質量比率で100%含有)が積層された防水性布帛を得た。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、ポリオキシアルキレングリコールの添加部数を4部とした以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、ポリオキシアルキレングリコールの添加部数を30部とした以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、ポリオキシアルキレングリコールの添加部数を10部とした以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、ポリオキシアルキレングリコールの添加部数を20部とした以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、ポリオキシアルキレングリコールに替えて、アニオン系界面活性剤であるジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム溶液 ぺレックス OT-P(花王株式会社製、不揮発成分濃度:86%)を10部添加した以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
防水層の表面への界面活性剤を含有する層の付与工程において、3官能イソシアネート溶液 コロネート L(東ソー株式会社製、不揮発成分濃度:75%)8部を添加した以外は、実施例3に記載した方法により防水性布帛を得た。得られた防水性布帛の性能を表2に記載した。
Claims (10)
- 少なくとも布帛層と、防水層とが積層されており、かつ該防水層の表面全面または一部に界面活性剤を含有する層が設けられており、前記界面活性剤を含有する層の表面に対する水の初期接触角が135度以下であり、さらに耐水圧が500mmH2O以上でありかつJIS L1099:2012 B-1法に基づく透湿度が3000g/m2/24hr未満であることを特徴とする防水性布帛。
- 前記布帛層が編物であることを特徴とする請求項1に記載の防水性布帛。
- 前記防水層が前記防水性布帛を20%伸長させても破れ、亀裂および白化が発生しない柔軟性を有する樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水性布帛。
- 前記防水層がポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂層であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 前記界面活性剤を含有する層の表面に対する水の初期接触角が125度未満であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 前記界面活性剤を含有する層の中に、界面活性剤が質量比率で15%~55%含有されていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 前記界面活性剤がアニオン系であることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 前記界面活性剤を含有する層に架橋剤が添加されていることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 前記架橋剤が2を超える架橋基を有する多官能イソシアネートであることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の防水性布帛。
- 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の防水性布帛を用いて製造された防水シーツ。
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