図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本発明の実施形態に係る発光モジュールおよび発光モジュールの製造方法は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、工程、その工程の順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る発光モジュールを示す斜視図である。
図2は、図1に示すII-II線による断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る発光モジュール1は、導光部材10と、光源20と、光反射性部材30と、配線構造体40と、絶縁膜50と、を備えている。導光部材10の形状は、略板状である。光反射性部材30は、導光部材10の下に配置されている。配線構造体40は、光反射性部材30の下に配置されている。絶縁膜50は、配線構造体40の下に配置されている。光源20の上部は導光部材10内に配置されており、下部は光反射性部材30内に配置されている。
本明細書においては、発光モジュールの構成の説明において、絶縁膜50から導光部材10に向かう方向を「上」といい、その逆方向を「下」というが、この表現は便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。また、本明細書において、「平面視」とは、上方または下方から見ることをいう。
発光モジュール1は、複数のユニット100に分かれている。複数のユニット100は平面状に配列されている。導光部材10、光反射性部材30、配線構造体40、及び、絶縁膜50は、発光モジュール1全体にわたって、複数のユニット100に共通して配置されている。
光源20は、ユニット100毎に配置されている。光源20は、平面視において、各ユニット100の中央付近に配置されている。光反射性部材30は、例えば、光拡散材を含有した樹脂材料により形成されており、全体として白色である。光拡散材には、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、またはガラス等を用いることができる。このような光反射性部材30は、光源20からの光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する。
光反射性部材30は、光源20の下部の周囲に配置された第1部分31と、第1部分31上に配置された第2部分32と、を含む。例えば、第1部分31と第2部分32は一体的に形成されている。この場合、第1部分31と第2部分32の境界は観察されない。第1部分31は、少なくとも光源20を除いた発光モジュール1全体にわたって配置されている。第2部分32は、平面視で光源20を囲み、且つ光源20から離れて位置している。第2部分32の上面は、断面視で、第1部分31からの高さが光源20から遠ざかるにつれて高くなっている。第2部分32の稜線により、各ユニット100が区画されている。これにより、本実施形態における光反射性部材30の上面30aは、光源20を囲む凹面を構成している。
導光部材10は、透光性の材料からなり、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、ガラス等の材料を用いることができる。導光部材10の下面10aには、少なくとも光源20及び光反射性部材30が配置されている。導光部材10の上面10bは、略平坦であり、平面視で光源20と重なる位置に凹部10cが形成されている。凹部10cは、例えば、円錐状、四角錐状若しくは六角錐状等の多角錐形、又は、円錐台状、四角錘台状若しくは六角錘台状等の多角錘台状の凹部が挙げられる。
凹部10c内には、光調整部材60が配置されている。光調整部材60は、光源20からの光の一部を反射し、他の一部を透過させる。光調整部材60は、例えば、光源20からの光に対する反射率を70%以上とすることができ、より好ましくは、80%以上とすることができる。本実施形態における光調整部材60は、導光部材10の上面10b側において凹部10cの内側面が露出するように配置されているが、凹部10c内部全体に配置することもできる。また、光調整部材60の少なくとも一部は、導光部材10を介して光反射性部材30と対向している。これにより、光源20からの光を導光部材10の上面10bから効率良く外部に取り出すことができる。
このような光調整部材60は、光反射性部材30と同様に、例えば、光拡散材が含有された樹脂材料を用いることができる。光調整部材60は、例えば、アルミニウム(Al)もしくは銀(Ag)などの光反射性の金属部材、またはDBR(Distributed Bragg Reflector)であってもよい。さらに、光調整部材60は、これらを組み合わせて用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る発光モジュールの光源を示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、光源20の形状は、概ね、直方体である。光源20は、発光素子21を少なくとも備える。発光素子21は、半導体構造体と、半導体構造体と電気的に接続された正負一対の電極と、を備える。本実施形態における発光素子21の下面側には、正負一対の電極にそれぞれ接続された一対の電極22a及び22bが配置されている。半導体構造体においては、例えば、p型半導体層、発光層、n型半導体層が少なくとも積層されることにより、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)構造が実現されている。
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。例えば、可視光としては、少なくとも青色から赤色までの光を挙げることができる。このような発光層を含む半導体構造体としては、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。
また、発光素子21は、半導体構造体に2以上の発光層を含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に2以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とが順に積層された構造が2回以上繰り返された構造であってもよい。2以上の発光層は、例えば、発光色が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光色が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光色が同じとは、使用上同じ発光色とみなせる範囲であればよく、例えば、各発光色の主波長に数nm程度のばらつきがあってもよい。発光色の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば2つの発光層を含む場合の組み合わせとしては、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などが挙げられる。
発光素子21上には、透光部材24が配置されている。平面視で、透光部材24は発光素子21よりも大きい。透光部材24においては、例えば、透光性の樹脂材料からなる母材中に、蛍光体が分散されている。蛍光体は、発光素子21から出射した光の一部を吸収して、異なる波長の光を放射する。一例では、蛍光体は、発光素子21から出射した青色の光を吸収して、黄色の光を放射する。これにより、青色の光と黄色の光が混色して、光源20からは白色の光が出射される。なお、透光部材24には、蛍光体が含有されていなくてもよい。
蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、およびLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、または、量子ドット蛍光体等を用いることができる。透光性部材24に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
発光素子21の上部の周囲及び発光素子21と透光部材24との間には、透光層25が設けられている。透光層25は、透光性の樹脂材料、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂等を母材とする接着剤が固化したものである。透光層25は、母材よりも屈折率が低い樹脂材料からなる粒子等を含むことができる。透光層25は、発光素子21から側方に出射した光を内面で反射させ、上方に導く。透光部材24の下方であって、発光素子21、電極22a及び22b、透光層25の周囲には、封止部材26が配置されている。
封止部材26には、光反射性の材料を用いることができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛またはガラス等の粒子からなる光拡散材を含む、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂である。このような封止部材26の反射率は、発光素子21からの光に対して、例えば、60%以上の反射率を有するものが挙げられ、90%以上の反射率を有するものが挙げられる。封止部材26の下面には、電極22a及び22bが露出している。封止部材26の下面において、電極22a及び22bが露出した領域の形状は、例えば、それぞれ直角二等辺三角形であり、底辺同士が対向している。このように、本実施形態における光源20は、発光素子21、電極22a及び22b、透光部材24、透光層25並びに封止部材26により構成されているが、これには限定されず、例えば、光源20は発光素子21のみにより構成されていてもよい。
光源20の下部と光反射性部材30との間、及び、光源20の上部と導光部材10との間には、固定部材70が配置されている。すなわち、平面視で、固定部材70は光源20の周囲に配置されている。固定部材70は、例えば、透光性の樹脂材料からなり、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂等からなる。
図4は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図5は、図4の領域Aを示す拡大図である。
図6は、図5に示すVI-VI線による断面図である。
図4~図6に示すように、配線構造体40は、第1配線層41と、第2配線層42と、を有する。図4及び図5においては、図を見やすくするために、絶縁膜50を省略し、第1配線層41を薄い灰色で示し、第2配線層42を濃い灰色で示している。
第1配線層41及び第2配線層42は、それぞれ、導電性ペーストを例えば塗布又は印刷することにより形成されたものである。このため、第1配線層41は、樹脂材料からなる母材41aと、母材41a中に配置された複数の導電部材41bと、を含む。同様に、第2配線層42は、樹脂材料からなる母材42aと、母材42a中に配置された複数の導電部材42bと、を含む。母材41a及び41bは、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリル樹脂(PMMAなど)、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリノルボルネン樹脂又はフッ素樹脂などにより形成することができる。導電部材41b及び42bは、例えば、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)又はチタン(Ti)等を含む金属粒子を用いることができる。
第1配線層41の厚みは、3μm~20μmが好ましく、さらに好ましくは5μm~10μmである。また、第2配線層42の厚みは、3μm~20μmが好ましく、さらに好ましくは5μm~10μmである。
第1配線層41は、光反射性部材30下に配置されている。第1配線層41は、さらに光源20下にも配置され、光源20の電極22a及び22bと電気的に接続されている。より詳細には、第1配線層41の先端は、少なくとも光源20の封止部材26の下面と、光源20の電極22a及び22bの下面とに接するように配置されている。図6に示すように、第2配線層42は、第1配線層41下に配置されている。なお、図4及び図5は下面図であるため、第2配線層42は第1配線層41よりも図の手前側に示されている。第1配線層41と第2配線層42とは接しており、第1配線層41と第2配線層42との接触面を、以下「接触面43」という。
発光モジュール1の下面には、第2配線層42が絶縁膜50から露出した接続領域44a及び44bが存在する。接続領域44a及び44bは、配線構造体40が外部の配線基板に電気的に接続される領域である。このような配線基板上に1以上の発光モジュール1が配置されることにより、面状光源が構成される。図4に示す例では、第1配線層41及び第2配線層42は、接続領域44aと接続領域44bとの間に8本の電流経路を構成している。8本の電流経路は相互に並列に接続されている。各電流経路においては、2つの光源20が直列に接続されている。
本実施形態においては、平面視で、第2配線層42の全体が第1配線層41の一部と重なっている。第1配線層41の下面は、一部が第1配線層41と第2配線層42との接触面43であるが、残部は接触面43ではなく、第2配線層42によって覆われていない。一方、第2配線層42の上面は全て接触面43である。平面視で、接触面43の一部は、光源20と重なっている。これにより、第2配線層42を電極22a又は22bの近くまで配置することができ、配線構造体40の抵抗値を低減することができる。
第1配線層41のうち、平面視で電極22aと重なる部分と、電極22bと重なる部分との間には、溝41eが形成されている。溝41eは、例えば、レーザーエッチングにより形成されたものである。溝41eは、第1配線層41の上に位置する樹脂部分の下面、例えば、光反射性部材30の下面及び封止部材26の下面にも形成されている。溝41eの存在により、1つの光源20の電極22aと電極22bとは、配線構造体40によっては短絡していない。図4及び図5には、レーザーエッチングの際のレーザー光の軌跡Eを示している。一方、第2配線層42は、光源20の電極22a及び22bから離れており、第1配線層41を介して電極22a又は22bに電気的に接続されている。
平面視で、第1配線層41と第2配線層42との接触面43の外縁は、第1外縁43aと第2外縁43bとを有する。第1外縁43aは、第1配線層41の外縁と重なっている。第2外縁43bは、第1配線層41の外縁から離れている。すなわち、平面視で、第2外縁43bは、第1配線層41の内側に位置する。第2外縁43bは、第2外縁43bの両端部を結ぶ線分43cに対して交差する。
また、第2外縁43bは、2つの屈曲点Fを備える。なお、本明細書において、「屈曲点」とは、線が延びる方向が不連続的に変化する点、曲率が不連続的に変化する点、又は、曲率が最大値をとる点をいう。図5に示す例では、屈曲点Fは、第2外縁43bが延びる方向が不連続的に変化している。
次に、本実施形態に係る発光モジュールの製造方法を説明する。
図7A~図7D、図8A~図8Dは、本実施形態に係る発光モジュールの製造方法を示す断面図である。
図9は、本実施形態に係る発光モジュールの製造方法における第1配線層の状態を示す下面図である。
導光部材10を準備し、図7Aに示すように、支持テープ201上に導光部材10を配置する。このとき、導光部材10の下面10aを支持テープ201の上面に接着させる。導光部材10の上面10bには凹部10c(以下、第1凹部という)が形成されている。導光部材10の下面10aには、後の工程で光源20を配置するための凹部10d(以下、第2凹部という)が形成されている。また、第2凹部10d間には、溝10eが形成されている。平面視で、溝10eの形状は例えば第2凹部10dを囲む格子状である。第1凹部10c内に遮光性の樹脂材料、例えば光拡散材を10wt%~30wt%含有する樹脂材料を配置し、オーブンにて60℃~130℃程度で加熱して硬化させることにより、光調整部材60を形成する。
次に、図7Bに示すように、導光部材10を上下逆にして、支持テープ202に貼り替える。そして、第2凹部10d内に、液体状の樹脂材料を介して、光源20を配置する。次に、樹脂材料をオーブンにて60℃~130℃程度で加熱して硬化させる。これにより、樹脂材料が固定部材70となり、光源20が導光部材10に固定される。光源20の一部及び固定部材70の一部は、導光部材10の下面10aから突出する。
次に、光拡散材を50wt%~70wt%含有する樹脂材料を溝10e内に配置する。この樹脂材料は、導光部材10の上方にも配置され、光源20も覆う。次に、フィルム203を真空貼り合わせ法により樹脂材料に貼付する。このとき、光源20とフィルム203との間には、樹脂材料が介在する。次に、図7Cに示すように、ローラー204により、フィルム203を押圧する。これにより、フィルム203を介して樹脂材料が平坦化される。次に、フィルム203を除去する。次に、オーブンにて60℃~130℃程度で加熱して樹脂材料を硬化させる。これにより、樹脂材料が光反射性部材30となる。
次に、図7Dに示すように、光反射性部材30を砥石205により研削する。これにより、光反射性部材30の一部が除去されて、光源20の電極22a及び22bが露出する。
次に、図8Aに示すように、光反射性部材30の下面に導電性ペーストを例えば印刷法により配置し、オーブンにて100℃~130℃程度で加熱して硬化させる。これにより、第1配線層41が形成される。このとき、導電性ペーストの硬化に伴い、導電性ペーストが収縮する。この段階では、第1配線層41は各光源20の電極22aと電極22bとの間で連続して設けられる。次に、第1配線層41の下面に導電性ペーストを印刷法により配置し、オーブンにて100℃~130℃程度で加熱して硬化させる。これにより、第2配線層42が形成される。このときも、導電性ペーストの硬化に伴い、導電性ペーストが収縮する。第2配線層42は、各光源20の電極22a側の部分と電極22b側の部分とが分離して設けられる。
図9に示すように、第2配線層42は、主として長手方向に沿って収縮する。第2配線層42の収縮により、第1配線層41にも力が印加される。接触面43の第2外縁43b付近は、第2配線層42の長手方向における端部であるため、収縮による変位量が大きい。このため、第1配線層41における第2外縁43bの近傍に配置された部分には、大きな引張応力が印加される。この結果、第2外縁43bに沿って、第1配線層41に亀裂Cが生じる可能性がある。
しかしながら、第2外縁43bには屈曲点Fが設けられているため、亀裂Cが発生し、第2外縁43bに沿って伸展しても、屈曲点Fで停止する可能性が高い。このため、亀裂Cが第1配線層41の幅方向全体に伸展することを抑制でき、第1配線層41が完全に分断されることを抑制できる。また、第2外縁43bには、2つの屈曲点Fの間に、第1配線層41の長手方向に沿って延びる部分が存在する。この部分は第2配線層42の収縮の影響を受けにくく、亀裂Cが発生しにくい。また、この部分は、2つの屈曲点Fによって、亀裂Cから保護される。
次に、図8Bに示すように、第1配線層41に対してレーザーエッチングを施す。具体的には、第1配線層41における光源20の電極22aに電気的に接続されている部分と、この光源20の電極22bに電気的に接続されている部分との間の部分にレーザー光Lを照射し、この部分を除去する。これにより、第1配線層41に溝41eが形成され、第1配線層41における光源20の電極22aに接続された部分と、この光源20の電極22bに接続された部分とが分断される。このとき、レーザー光Lの軌跡Eには第2配線層42は配置されていない。したがって、第2配線層42はレーザーエッチングされない。このようにして、配線構造体40が形成される。
次に、図8Cに示すように、光反射性部材30上に、第1配線層41及び第2配線層42を覆うように絶縁性の樹脂材料を印刷し、硬化させる。これにより、絶縁膜50が形成される。
次に、図8Dに示すように、導光部材10、光反射性部材30、配線構造体40及び絶縁膜50等からなる構造体を上下反転し、支持テープ202から支持テープ206に貼り替える。そして、導光部材10の上面10b側から、ブレード207により切断する。これにより、構造体を個片化する。このようにして、発光モジュール1が製造される。
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、導電性ペーストを例えば印刷法により配置し、硬化させることにより、第1配線層41及び第2配線層42を形成している。このため、配線層を形成するコストが、例えば、スパッタ法又はめっき法等により配線層を形成した場合のコストに比べて低い。また、第1配線層41に重ねて第2配線層42を配置しているため、接続領域44a、複数の光源20、及び、接続領域44bの相互間の配線抵抗が低く、動作の信頼性が高い。
更に、光源20の電極22a及び22bに近傍には第2配線層42を配置していない。このため、レーザー光Lの軌跡Eに第2配線層42は介在しない。したがって、図8Bに示すレーザーエッチングを施す際に、レーザー光Lは第1配線層41のみを除去すればよく、レーザーエッチングの精度が高い。この結果、発光モジュール1には短絡等の欠陥が生じにくく、信頼性が高い。
更にまた、本実施形態によれば、第1配線層41と第2配線層42との接触面43の第2外縁43bに、2ヶ所の屈曲点Fを設けている。これにより、第2配線層42を形成するための導電性ペーストを硬化させる際に、導電性ペーストの収縮により第1配線層41に亀裂Cが発生しても、亀裂Cの伸展が屈曲点Fによって阻止される。この結果、第1配線層41が分断されることを抑制し、配線のオープン不良を抑制できる。特に、屈曲点Fを2ヶ所以上設けることにより、第2外縁43bにおける2ヶ所の屈曲点Fに挟まれた部分を外部の亀裂Cから保護したり、2ヶ所の屈曲点Fに挟まれた部分に発生した亀裂Cを封じ込めたりすることができる。これにより、信頼性が高い発光モジュール1を実現できる。
<第1の実施形態の変形例>
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
図10は、本変形例に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図11は、図10に示すXI-XI線による断面図である。
図10は、第1の実施形態に図5に相当する領域を示す。後述する図12~図18も同様である。
図10及び図11に示すように、本変形例に係る発光モジュール1aにおいては、平面視で、第2配線層42が、光源20から離れている。したがって、平面視で、第1配線層41と第2配線層42との接触面43も、光源20から離れている。これにより、第2配線層42をレーザー光Lの軌跡Eからより遠ざけることができ、レーザーエッチングをより精度よく行うことができる。本変形例における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図12は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図12に示すように、本実施形態に係る発光モジュール2においては、接触面43の第2外縁43bが曲線である。また、第2外縁43bは、第2外縁43bの両端部を結ぶ線分43cに対して交差している。第2外縁43bは線分43cの両側に2ヶ所の屈曲点Fを備えている。本実施形態においては、第2外縁43bの曲率は屈曲点Fにおいて最大値をとる。また、本実施形態においては、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れている。なお、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっていてもよい。
本実施形態においても、第1配線層41において、第2外縁43bの近傍において亀裂Cが発生した場合に、亀裂Cの伸展を屈曲点Fにおいて抑制することができる。また、第2外縁43bを曲線としているため、第2外縁43bに沿って亀裂Cが伸展しにくい。
また、線分43cと第2外縁43bとが交差する点に対して、2つの屈曲点Fが略対称となる位置にある。これにより、第2外縁43bにおける2つの屈曲点F間に位置する部分を長くすることができる。この結果、亀裂Cの伸展を抑制できる。更に、一方の屈曲点Fとその近傍に位置する第2外縁43bの一方の端部との最短距離、及び、他方の屈曲点Fとその近傍に位置する第2外縁43bの他方の端部との最短距離が、それぞれ、2つの屈曲点F間の最短距離よりも短い。これにより、第2外縁43bの端部を起点として生じた亀裂Cが、第2外縁43bの内側に伸展することを抑制できる。
本実施形態においては、第2外縁43bの形状を工夫することにより、第2配線層42をレーザー光の軌跡Eからできるだけ離しつつ、第2配線層42をできるだけ電極22a又は22bの近くまで延在させている。これにより、レーザーエッチングの精度を向上させつつ、配線抵抗を低減することができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
以下の実施形態において説明する第2外縁43bの形状のバリエーションも、本実施形態と同様に、亀裂の伸展の阻止、レーザーエッチング性の向上、及び、配線抵抗の低減を目的としている。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図13に示すように、本実施形態に係る発光モジュール3においては、第2配線層42における第2外縁43bは、その幅方向の中央部に電極22a側又は22b側に延在する矩形状の凸部を有する。このため、接触面43の第2外縁43bは4ヶ所の屈曲点Fを有し、そのうち2ヶ所の屈曲点Fは、第2外縁43bの両端部を結ぶ線分43c上に位置し、他の2ヶ所の屈曲点Fは線分43cに対して同じ側に位置している。屈曲点Fにおいては、第2外縁43bが延びる方向が不連続的に変化する。
亀裂Cは、第2外縁43bの両端部付近で発生しやすい。本実施形態によれば、第2外縁43bの両端部付近において亀裂Cが発生した場合に、4ヶ所の屈曲点Fによってこの亀裂Cの伸展を阻止し、亀裂Cが1つに繋がることを抑制できる。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっている。なお、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図14に示すように、本実施形態に係る発光モジュール4においては、第2配線層42の幅方向の両端部が電極22a側又は22b側に延在すると共に、第2外縁43bが湾曲している。第2配線層42の第2外縁43bの幅方向の中央部においては、第2外縁43bは直線状である。このため、第2外縁43bは、湾曲部と直線部との間で2ヶ所の屈曲点Fを有し、この2ヶ所の屈曲点Fは、第2外縁43bの両端部を結ぶ線分43cに対して同じ側に位置している。屈曲点Fにおいては、第2外縁43bの曲率が不連続的に変化する。
本実施形態においては、屈曲点Fが角張っていないので、屈曲点Fを起点とする亀裂Cが生じにくい。また、2つの屈曲点Fは、線分43cに対して光源20とは反対側に位置している。これにより、仮に亀裂Cが伸展しても、亀裂Cを光源20から遠ざけることができる。この結果、信頼性が高い発光モジュールを実現できる。
本実施形態においては、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れている。なお、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。
図15は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図15に示すように、本実施形態に係る発光モジュール5においては、第2配線層42の第2外縁43bの幅方向の両端部が電極22a側又は22b側に延在する直角三角形状の凸部を有している。この凸部において、第2外縁43bは直線である。第2配線層42の第2外縁43bの幅方向の中央部においても、第2外縁43bは直線である。このため、第2外縁43bは、幅方向の両端部と中央部との間に2ヶ所の屈曲点Fを有し、この2ヶ所の屈曲点Fは線分43cに対して同じ側に位置している。屈曲点Fにおいては、第2外縁43bが延びる方向が不連続的に変化する。また、屈曲点Fにおいては、第2外縁43bが鈍角をなして屈曲している。
本実施形態においては、屈曲点Fにおける第2外縁43bの屈曲角が鈍角であるため、屈曲点Fを起点とする亀裂Cが生じにくい。また、2つの屈曲点Fは、線分43cに対して光源20とは反対側に位置している。これにより、仮に亀裂Cが伸展しても、亀裂Cを光源20から遠ざけることができる。この結果、信頼性が高い発光モジュールを実現できる。
本実施形態においては、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れている。なお、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す模式的下面図である。
図16に示すように、本実施形態に係る発光モジュール6においては、接触面43の第2外縁43bの形状が、電極22a又は22b側から見て凹となる円弧状であり、複数の屈曲点が存在する。ただし、本実施形態における第2外縁43bの曲率は一定である。換言すれば、第2外縁43bには、曲率が最大値をとる屈曲点Fが無数に存在する。この場合も、第1配線層41における第2外縁43b付近に発生した亀裂Cの伸展は、いずれかの屈曲点Fにおいて阻止される。
本実施形態においては、無数の屈曲点Fが線分43cに対して光源20とは反対側に位置している。これにより、仮に亀裂Cが伸展しても、亀裂Cを光源20から遠ざけることができる。この結果、信頼性が高い発光モジュールを実現できる。
本実施形態においては、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れている。なお、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態について説明する。
図17は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図17に示すように、本実施形態に係る発光モジュール7においては、第2配線層42が、幅方向の片側において、第1配線層41の外縁から離れて電極22a側又は22b側に延在する三角状の凸部を有している。このため、第2外縁43bには、第2配線層42の突出部の先端及び根元に、2ヶ所の屈曲点Fを有している。2つの屈曲点Fのうち、突出部の根元に位置する屈曲点Fは第2外縁43bの両端部を結ぶ線分43c上に位置し、突出部の先端に位置する屈曲点Fは線分43cから離れている。屈曲点Fにおいては、第2外縁43bが延びる方向が不連続的に変化する。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっている。なお、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第8の実施形態>
次に、第8の実施形態について説明する。
図18は、本実施形態に係る発光モジュールの配線を示す下面図である。
図18に示すように、本実施形態に係る発光モジュール8においては、第2配線層42の幅方向の片側において、第2外縁43bが、線分43cに対して、電極22a又は22bから遠ざかる方向に凹んでいる。第2外縁43bは、凹部の根元及び先端に2つの屈曲点Fを有し、凹部の根元に位置する屈曲点Fは線分43c上に位置し、凹部の先端に位置する屈曲点Fは線分43cから電極22a又は22bから遠ざかる方向に離れている。屈曲点Fにおいては、第2外縁43bが延びる方向が不連続的に変化している。
本実施形態においては、第1の実施形態の変形例と同様に、平面視で、接触面43は光源20から離れている。なお、第1の実施形態と同様に、平面視で、接触面43は光源20と重なっていてもよい。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
<第9の実施形態>
次に、第9の実施形態について説明する。
図19は、本実施形態に係る発光モジュールを示す断面図である。
図19に示すように、本実施形態に係る発光モジュール9は、基本的な構成が第1の実施形態に係る発光モジュール1とは異なっている。以下、詳細に説明する。
発光モジュール9において、導光部材10には、厚さ方向に貫通した貫通部10gが設けられている。貫通部10gの形状は、平面視において例えば円形である。また、貫通部10gの形状は、平面視において四角形、又は角が丸まった四角形等の他の形状とすることもできる。光源20は、その全体が貫通部10g内に配置されている。貫通部10g内において、貫通部10gの内面と光源20との間には、固定部材70が配置されている。固定部材70上には、光調整部材60(以下、第1光調整部材という)が配置されている。第1光調整部材60は、光源20からの光の一部を反射し、他の一部を透過する部材である。
このような第1光調整部材60の反射率としては、光源20からの光に対して、例えば20%以上90%以下が好ましく、さらに好ましくは30%以上85%以下である。第1光調整部材60は、例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、ZnO又はガラス等の光拡散材を含有する、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂等の樹脂材料を用いることができる。また、第1光調整部材60は、例えば、アルミニウム(Al)若しくは銀(Ag)等の金属材料、又は誘電体多層膜を用いてもよい。第1光調整部材60の形状は、平面視において例えば四角形である。また、第1光調整部材60の形状は、平面視において円形、三角形、六角形又は八角形等の他の形状とすることもできる。第1光調整部材60の端部は、導光部材10上に配置されている。
導光部材10には、ユニット100間の境界に沿って、区画溝10hが形成されている。本実施形態においては、区画溝10hは、導光部材10の下面10aから上面10bまで貫通しているが、導光部材10の下面10a又は上面10bのみに開口する凹状としてもよい。区画溝10hの内面には、光反射膜81が配置されている。光反射膜81には、光反射性部材30と同様に、例えば、光拡散材を含有する樹脂材料、又は金属材料を用いることができる。
光源20においては、発光素子21は透光部材24内に配置されている。透光部材24上には光調整部材27(以下、第2光調整部材という)が配置されている。第2光調整部材27は、光源20の真上方向へ出射される光の一部を反射させ、他の一部を透過させる。このような第2光調整部材27の透過率は、例えば、1%以上50%以が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。第2光調整部材27は、第1光調整部材と同様に、例えば、光拡散材を含有する樹脂材料又は金属材料を用いることができる。本実施形態においては、光源20に透光層25は配置されていない。また、封止部材26は発光素子21の下方であって、電極22a及び22bの周囲に配置されている。光源20と光反射性部材30との間には、透明樹脂層82が配置されている。また、光反射性部材30には第1部分31のみが配置されており、第2部分32は配置されていない。光反射性部材30の第1部分31は、光源20下にも配置されている。光源20の電極22a及び22bは、それぞれ金属層83a及び83bを介して、第1配線層41に接続されている。
そして、発光モジュール9においては、第2配線層42が、配線部42c及び接続部42dを有する。接続部42dは配線部42cから上方に延出している。配線部42c及び接続部42dは、導電性ペーストにより一体的に形成されている。配線部42cは第1配線層41から離れており、接続部42dの上面が第1配線層41と接している。したがって、本実施形態においては、第1配線層41と第2配線層42との接触面43とは、第1配線層41と接続部42dとの接触面である。換言すれば、第2配線層42の上面において、接触面43ではない領域が存在する。平面視で、接触面43は第1配線層41の一部と重なる。平面視で、配線部42bの一部は、第1配線層41の外縁を越えて延出している。すなわち、平面視で、第2配線層42の一部は第1配線層41の外側に位置する。
第1配線層41と接触面43との位置関係、特に、接触面43の第2外縁43bの形状は、前述の第1~第8の実施形態及びその変形例のいずれかと同様であってもよい。この場合は、平面視で、第1配線層41と第2配線層42との接触面43の外縁は、第1外縁43aと第2外縁43bを有する。第1外縁43aは第1配線層41の外縁と重なる。第2外縁43bは第1配線層41の外縁から離れており、2つ以上の屈曲点Fを備える。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び効果は、第1の実施形態と同様である。
前述の各実施形態及びその変形例は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態及び変形例には限定されない。例えば、前述の各実施形態及び各変形例において、いくつかの構成要素又は工程を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態及び各変形例は、相互に組み合わせて実施することができる。