JP7172439B2 - 印刷物、復号方法、復号装置、及び復号システム - Google Patents

印刷物、復号方法、復号装置、及び復号システム Download PDF

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Description

本発明は、印刷物、復号方法、復号装置、及び復号システムに関する。
印刷物には、それに記録された情報が、必要な場合にのみ識別可能であることが望まれることがある。
例えば、特許文献1には、カードに記録された情報が容易に識別されないように、スクラッチによって擦り落とすことが可能な隠蔽層を設けることが記載されている。特許文献2には、カードゲーム装置で使用するカードに、ゲームのキャラクタに固有の特性を表すデータを含むコードパターンを、赤外線で識別可能に印刷することが記載されている。特許文献3には、原画像の明度を部分的に高めるか又は低め、これにより、原画像に二次元コードを埋め込むことが記載されている。特許文献4には、有色インキで印刷した万線と部分的に重なり合うように、先の万線と平行であり且つ先の万線とはピッチが異なる万線状の凹凸構造を設け、それらの重なり合った部分を潜像とすることが記載されている。
特開2002-36740号公報 国際公開第2010/095379号 特開2011-142607号公報 特開2006-111019号公報
本発明は、読取方法を知らない者による情報の読み取りが困難な印刷技術を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、基材と、前記基材上に設けられた1以上の印刷層とを備え、前記1以上の印刷層は、同じ材料からなり且つ互いに隣接した複数のパターンを含み、前記複数のパターンの各々は、二方向に配列し、互いに等しい形状を有している複数のサブパターンからなり、前記複数のパターンは、それらが含んでいる前記複数のサブパターンの形状が異なっており、単位領域に占める前記複数のサブパターンの面積比が互いに等しく、前記複数のパターンの1以上からなる第1配列は、一次元又は二次元コードを構成し、前記複数のパターンの残りからなる第2配列は、前記一次元又は二次元コードの背景を構成した印刷物が提供される。
なお、「単位領域に占める複数のサブパターンの面積比が互いに等しい」ことは、ヒトが肉眼で観察した場合に複数のパターンを互いから区別不可能な程度に、先の面積比の差が十分に小さいことを意味する。即ち、2以上のパターン間で上記面積比が異なっている場合、面積比の最大値Rmaxと面積比の最小値Rminとの差Rmax-Rminと、面積比の最大値Rmaxとの比(Rmax-Rmin)/Rmaxが十分に小さい場合、例えば、0.1%以下である場合、肉眼による観察では、それらパターンを互いから区別することはできない。
また、「サブパターンの形状が異なって」いることは、サブパターンの輪郭の形、サブパターンの大きさ、及びサブパターンを構成する線の太さの1以上が異なっていることを意味している。
本発明の第2側面によると、第1側面に係る印刷物のうち前記複数のパターンに対応した領域を撮像することによって得られた画像から、前記複数のサブパターンの形状に基づいて、前記一次元又は二次元コードを復号することを含んだ復号方法が提供される。
本発明の第3側面によると、第1側面に係る印刷物を撮影することによって得られた前記複数のパターンの画像から、画像濃度が異なる複数のパターンを生成することと、画像濃度が異なる前記複数のパターンから、前記一次元又は二次元コードを復号することとを含んだ復号方法が提供される。
本発明の第4側面によると、第1側面に係る印刷物のうち前記複数のパターンに対応した領域を撮像することによって得られた第1画像データから、前記複数のサブパターンの形状に基づいて、前記一次元又は二次元コードを復号する処理部を備えた復号装置が提供される。
本発明の第5側面によると、第1側面に係る印刷物を撮影することによって得られた前記複数のパターンの情報を含む第1画像データから、画像濃度が異なる複数のパターンの情報を含む第2画像データを生成し、前記第2画像データから前記一次元又は二次元コードを復号する処理部を備えた復号装置が提供される。
本発明の第6側面によると、第4又は第5側面に係る復号装置と、前記印刷物を撮影して前記第1画像データを取得する読取部と、復号した前記一次元又は二次元コード、この一次元又は二次元コードを復号することにより得られる原情報、及び、この原情報を用いて生成した情報の1以上を出力する出力部とを備えた復号システムが提供される。
本発明によると、読取方法を知らない者による情報の読み取りが困難な印刷技術が提供される。
本発明の第1実施形態に係る印刷物を概略的に示す平面図。 図1の印刷物の一部を拡大して示す平面図。 図2に示す構造のIII-III線に沿った断面図。 図1及び図2に示す印刷物の第1パターンを拡大して示す平面図。 図4に示す第1パターンを構成している第1サブパターンを拡大して示す平面図。 図1及び図2に示す印刷物の第2パターンを拡大して示す平面図。 図6に示す第2パターンを構成している第2サブパターンを拡大して示す平面図。 図1及び図2に示す印刷物の第3パターンを拡大して示す平面図。 図8に示す第3パターンを構成している第3サブパターンを拡大して示す平面図。 本発明の一実施形態に係る復号システムを概略的に示すブロック図。 変形例に係る復号方法を示すフローチャート。 解像度を調節する方法の一例を概略的に示す図。 解像度を低めた第1サブパターンの画像の一例を概略的に示す図。 解像度を低めた第2サブパターンの画像の一例を概略的に示す図。 解像度を低めた第3サブパターンの画像の一例を概略的に示す図。 復号した二次元コードの一例を示す図。 第1比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図。 図17に示す印刷物のXVIII-XVIII線に沿った断面図。 第2比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図。 図19に示す印刷物のXX-XX線に沿った断面図。 第3比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図。 図21に示す印刷物のXXII-XXII線に沿った断面図。 本発明の第2実施形態に係る印刷物の一部を拡大して示す平面図。 本発明の第3実施形態に係る印刷物の一部を拡大して示す平面図。 第1パターンの一変形例を概略的に示す平面図。 第2パターンの一変形例を概略的に示す平面図。 第3パターンの一変形例を概略的に示す平面図。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷物を概略的に示す平面図である。図2は、図1の印刷物の一部を拡大して示す平面図である。図3は、図2に示す構造のIII-III線に沿った断面図である。
図中、X方向は、印刷物1の印刷面に平行な方向であり、Y方向は、印刷物1の印刷面に平行であり且つX方向に対して垂直な方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直な方向である。また、この印刷物1の説明において参照する平面図では、後述する保護層13は省略している。
図1乃至図3に示す印刷物1は、カードである。印刷物は、カード以外の形状を有していてもよい。印刷物1は、例えば、識別カード、遊戯用カード、又は有価証券として利用することができる。印刷物1は、他の物品に支持させるラベルであってもよい。例えば、印刷物1は、粘着ラベルであってもよい。即ち、印刷物1は、ラベル付き物品において使用してもよい。
この印刷物1は、図3に示すように、基材11と、印刷層12と、保護層13とを含んでいる。
基材11は、例えば、紙、プラスチック、又は金属からなる。基材11は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。ここでは、基材11は薄層状の形状を有しているが、基材11は、他の形状を有していてもよい。また、基材11は、IC(集積回路)チップ、アンテナ、磁気テープなどの他の要素を更に含んでいてもよい。
印刷層12は、図1に示すように、第1部分P1と、第2部分P2と、第3部分P3とを含んでいる。
第1部分P1は、図2に示すように、第1パターンPT1と、第2パターンPT2と、第3パターンPT3とを含んでいる。ここでは、第1部分P1は3種のパターンを含んでいるが、第1部分P1は、2種以上のパターンを含んでいればよい。第1部分P1は、全体に亘ってほぼ同じ厚さを有している。
第1パターンPT1と第2パターンPT2と第3パターンPT3とは、同じ材料からなる。即ち、それらは、同一のインキで形成されている。このインキは、プロセスインキのように、通常の印刷に使用するインキであってもよく、赤外吸収インキ及び赤外発光インキなどの特殊インキであってもよい。赤外吸収インキとしては、例えば、フタロシアニン化合物及びシアニン化合物等の近赤外線吸収剤を含んだインキを使用することができる。赤外発光インキとしては、例えば、赤外線で励起され、励起光よりも長波長の赤外線を発光する赤外発光蛍光体を含んだインキを使用することができる。特殊インキは、有色インキであってもよく、不可視インキ、即ち、無色透明のインキであってもよい。
第1部分P1は、肉眼で観察した場合には、一様な領域、即ち、全体に亘って同じ色を有している領域として見える。第1部分P1には、二次元コードが潜像として記録されている。第1部分P1に記録されている潜像は、一次元コードであってもよい。なお、第1部分P1については、後で詳述する。
第2部分P2は、図1に示すように、文字列「1234567890」に対応したパターンを含んでいる。このパターンは、第1部分P1に記録された情報を復号するための鍵情報、例えば、第1パターンPT1と第2パターンPT2と第3パターンPT3とを、第1配列を構成するものと、第2配列を構成するものとに区別するための鍵情報に対応したパターンである。鍵情報に対応したパターンは、他の文字列であってもよく、一次元又は二次元コードであってもよく、それ以外の形状を有していてもよい。
第2部分P2が含んでいるパターンは、単一のインキで形成されていてもよく、複数種のインキで形成されていてもよい。また、第2部分P2が含んでいるパターンは、第1部分P1のパターンを形成しているインキと同じインキで形成されていてもよく、第1部分P1のパターンを形成しているインキとは異なるインキで形成されていてもよい。
第2部分P2は、第1部分P1と同じ下地上に設けられていてもよく、異なる下地上に設けられていてもよい。第2部分P2は省略することができる。
第3部分P3は、文字列「ABCDEFGHIJKLMN」に対応したパターンを含んでいる。このパターンは、他の文字列であってもよく、顔写真、図又は絵であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
第3部分P3が含んでいるパターンは、第1部分P1に記録された情報及び第2部分P2に記録された情報の少なくとも一方と関連した情報を含んでいてもよい。或いは、このパターンが含んでいる情報は、第1部分P1に記録された情報及び第2部分P2に記録された情報の何れとも無関係であってもよい。或いは、このパターンは、単なる模様のように、情報を含むものでなくてもよい。
第3部分P3が含んでいるパターンは、単一のインキで形成されていてもよく、複数種のインキで形成されていてもよい。また、第3部分P3が含んでいるパターンは、第1部分P1又は第2部分P2のパターンを形成しているインキと同じインキで形成されていてもよく、第1部分P1又は第2部分P2のパターンを形成しているインキとは異なるインキで形成されていてもよい。
第3部分P3は、第1部分P1又は第2部分P2と同じ下地上に設けられていてもよく、異なる下地上に設けられていてもよい。第3部分P3は省略することができる。
保護層13は、図3に示すように、印刷層12を覆っている。保護層13は、印刷層12を損傷から保護する。保護層13は、基材11の印刷層12が設けられた主面の全体を覆うように設けられていてもよく、その一部のみを覆うように設けられていてもよい。
保護層13は、例えば、透明な層である。保護層13の全体又は一部は、透明でなくてもよい。例えば、第1部分P1が含んでいるパターンが赤外吸収インキから形成されている場合、保護層13のうち第1部分P1を覆っている部分は、赤外吸収インキが吸収を示す赤外域の光を透過させるものであれば、可視光線を遮断するものであってもよい。また、第1部分P1が含んでいるパターンが赤外発光インキから形成されている場合、保護層13のうち第1部分P1を覆っている部分は、赤外発光インキを励起させる光、例えば紫外線又は赤外線を透過させるとともに、赤外域の光、特には赤外発光インキの発光を透過させるものであれば、可視光線を遮断するものであってもよい。
保護層13の厚さは、500μm以下であることが好ましく、10乃至100μmの範囲内にあることがより好ましい。薄い保護層13は、印刷層12を損傷から十分に保護できない可能性がある。厚い保護層13は、印刷物1の製造コストの上昇を招き得る。
次に、第1部分P1について、詳しく説明する。
図4は、図1及び図2に示す印刷物の第1パターンを拡大して示す平面図である。図5は、図4に示す第1パターンを構成している第1サブパターンを拡大して示す平面図である。図6は、図1及び図2に示す印刷物の第2パターンを拡大して示す平面図である。図7は、図6に示す第2パターンを構成している第2サブパターンを拡大して示す平面図である。図8は、図1及び図2に示す印刷物の第3パターンを拡大して示す平面図である。図9は、図8に示す第3パターンを構成している第3サブパターンを拡大して示す平面図である。
図2に示すように、第1パターンPT1と第2パターンPT2と第3パターンPT3とは、互いに隣接している。第1パターンPT1からなる第1配列は、二次元コードを構成している。第2パターンPT2と第3パターンPT3とからなる第2配列は、二次元コードの背景を構成している。
第1パターンPT1は、図4に示すように、複数の第1サブパターンSPT1からなる。第1サブパターンSPT1は、二方向に配列している。ここでは、第1サブパターンSPT1は、X方向とY方向とに同じ周期で配列している。第1サブパターンSPT1は、図5に示すように、円環形状を有している。
第2パターンPT2は、図6に示すように、複数の第2サブパターンSPT2からなる。第2サブパターンSPT2は、二方向に配列している。ここでは、第2サブパターンSPT2は、X方向とY方向とに同じ周期で配列している。
図7と図5との対比から明らかなように、第2サブパターンSPT2は、第1サブパターンSPT1とは、形状が異なっている。具体的には、第2サブパターンSPT2は、図7に示すように、一方の円環の外径が他方の円環の内径よりも小さい2つの円環を同心に配置した構造を有している。図5及び図7の対比から明らかなように、第2サブパターンSPT2が含んでいる2つの円環のうち径がより小さな円環を構成している曲線は、第1サブパターンSPT1が含んでいる円環を構成している曲線と、太さがほぼ等しい。また、第2サブパターンSPT2が含んでいる2つの円環のうち径がより大きな円環を構成している曲線は、第1サブパターンSPT1が含んでいる円環を構成している曲線よりも細く、第2サブパターンSPT2が含んでいる2つの円環のうち径がより小さな円環を構成している曲線よりも細い。第2サブパターンSPT2が含んでいる2つの円環は、互いから離間している。
第3パターンPT3は、図8に示すように、複数の第3サブパターンSPT3からなる。第3サブパターンSPT3は、二方向に配列している。ここでは、第3サブパターンSPT3は、X方向とY方向とに同じ周期で配列している。
図9と図5及び図7との対比から明らかなように、第3サブパターンSPT3は、第1サブパターンSPT1及び第2サブパターンSPT2とは、形状が異なっている。具体的には、第3サブパターンSPT3は、図9に示すように、1つの円環の外径が他の1つの円環の内径よりも小さく、更に他の1つの円環の内径が、上記他の1つの円環の外径よりも大きい3つの円環を同心に配置した構造を有している。図5及び図9の対比から明らかなように、第3サブパターンSPT3が含んでいる各円環を構成している曲線は、第1サブパターンSPT1が含んでいる円環を構成している曲線よりも細い。第3サブパターンSPT3が含んでいる3つの円環は、互いから離間している。
第1パターンPT1と第2パターンPT2と第3パターンPT3とは、単位領域に占めるサブパターンの面積比が互いに等しい。つまり、第1パターンPT1と第2パターンPT2と第3パターンPT3とは、単位領域に占めるサブパターンの面積比が互いに等しくなるように、サブパターンの形状とサブパターンの配置とが調節されている。ここでは、一例として、第1サブパターンSPT1と第2サブパターンSPT2と第3サブパターンSPT3とは面積が互いに等しく、それらの配列の周期も互いに等しいとする。
また、第1サブパターンSPT1と第2サブパターンSPT2と第3サブパターンSPT3とは、肉眼で観察した場合に互いから区別することが不可能又は困難な程度に小さい。サブパターンの各々は、最大寸法が0.5乃至30mmの範囲内にあることが好ましく、1乃至10mmの範囲内にあることがより好ましい。ここで、「最大寸法」は、Z方向からサブパターンを観察した場合の寸法の最大値を意味している。
サブパターンを構成している線の太さは、50乃至1,000μmの範囲内にあることが好ましく、100乃至500μmの範囲内にあることがより好ましい。細い線は、印刷が難しい。他方、小さなサブパターンで線を太くすると、線と線との間の隙間がつぶれることがある。
1つのサブパターンが互いから離間した複数の部分で構成されている場合、それら部分間の距離は、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。この距離が短いと、上記部分が繋がってしまうことがある。また、この距離が短いと、画像解析において、これら部分を互いから区別できなくなる可能性がある。なお、この距離は、例えば、1000μm以下である。
サブパターンは、0.85乃至50lpi(lines per inch)の密度で配置することが好ましく、2.5乃至25lpiの密度で配置することがより好ましい。なお、単位「lpi」は、2.54cmの長さに配置するサブパターンの個数である。この密度が低い場合、画像解析において、パターンの形状を正確に再現することが難しくなる可能性がある。密度が高い場合、サブパターン間の距離が短くなり、画像解析において、それらを互いから区別することが難しくなる可能性がある。
次に、復号システムについて説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る復号システムを概略的に示すブロック図である。
図10に示す復号システム2は、復号装置21と読取部22と出力部23とを含んでいる。
復号装置21は、処理部211と記憶部212とを含んでいる。
処理部211は、中央処理装置(CPU)を含んでいる。処理部211には、読取部22と出力部23とが接続されている。
処理部211は、例えば、第1画像データから、サブパターンの形状に基づいて、二次元コードを復号する。ここで、第1画像データは、印刷物1を撮影することによって得られ、第1パターンPT1、第2パターンPT2及び第3パターンPT3の情報を含む画像データである。
或いは、処理部211は、第1画像データから第2画像データを生成し、第2画像データから二次元コードを復号する。ここで、第2画像データは、画像濃度が異なる複数のパターンの情報を含む画像データである。
処理部211は、更に、この二次元コードから原情報を復号する。処理部211は、この原情報から別の情報を生成してもよい。処理部211は、復号した二次元コード、この二次元コードを復号することにより得られた原情報、及び、この原情報を用いて生成した情報の1以上を、出力部23へ出力する。なお、処理部211が実行する処理の詳細は、後で説明する。
記憶部212は、処理部211に接続されている。記憶部212は、処理部211が読み込むプログラムや、処理部211から供給されたデータなどを記憶する不揮発性メモリを含んでいる。
読取部22は、照明装置と撮像装置とを含んでいる。
照明装置は、印刷物1の第1部分P1に対応した領域を照明する。照明装置は、第1部分P1のパターンを形成しているインキがプロセスインキである場合は、可視光線を射出するものである。照明装置は、第1部分P1のパターンを形成しているインキが赤外発光インキである場合、紫外線又は赤外線を射出するものである。照明装置は、第1部分P1のパターンを形成しているインキが赤外吸収インキである場合、赤外線を射出するものである。屋外光や屋内光を照明光として利用可能な場合、照明装置は省略することができる。
撮像装置は、印刷物1の第1部分P1に対応した領域を撮像する。撮像装置は、第1部分P1のパターンを形成しているインキがプロセスインキである場合は、可視域の光によって表示される像を撮像するディジタルカメラである。撮像装置は、第1部分P1のパターンを形成しているインキが赤外発光インキ又は赤外吸収インキである場合は、赤外域の光によって表示される像を撮像するディジタルカメラである。
読取部22は、印刷物1を、照明装置及び撮像装置に対して相対的に移動させる移動機構、例えば、XYテーブルを更に含んでいてもよい。撮像装置は、印刷物1の第1部分P1に対応した領域全体の画像を、1回の撮像で取得するものであってもよいが、複数回の撮像で取得するものであってもよい。移動機構は、後者の場合に利用することができる。
読取部22は、撮像装置が印刷物1の第1部分P1に対応した領域を撮像することによって取得した第1画像データを、処理部211へ出力する。読取部22は、印刷物1の第2部分P2に対応した領域を撮像し、これによって取得した画像データを、処理部211へ更に出力するものであってもよい。
出力部23は、処理部211が出力した情報を、ヒトが知覚可能な形態、例えば、画像、音、振動、光、又はそれらの組み合わせへと変換して出力する。出力部23は、例えば、ディスプレイ、ブザー、バイブレータ、ランプ、又はそれらの組み合わせである。
次に、この復号システム2を用いた復号方法について説明する。
この復号方法では、先ず、印刷物1の第1部分P1に対応した領域を照明装置が照明した状態で、撮像装置が印刷物1の第1部分P1に対応した領域を撮像する。このようにして、読取部22は、第1画像データを取得する。読取部22は、この第1画像データを、処理部211へ出力する。更に、読取部22は、印刷物1の第2部分P2に対応した領域を撮像し、これによって取得した画像データを、処理部211へ出力する。
処理部211は、第2部分P2に対応した領域を撮像することによって取得した画像データと記憶部212が記憶している情報とから、鍵情報を復号する。鍵情報は、例えば、第1サブパターンSPT1からなるパターンの配列が二次元コードを構成する第1配列であること、及び、第2サブパターンSPT2からなるパターンと第3サブパターンSPT3からなるパターンとの配列が二次元コードの背景を構成する第2配列であることの少なくとも一方を表す情報を含んでいる。
また、処理部211は、第1サブパターンSPT1と第2サブパターンSPT2と第3サブパターンSPT3との形状の相違に基づいて、第1画像データから、二次元コードを復号する。具体的には、処理部211は、記憶部212が記憶している、第1サブパターンSPT1、第2サブパターンSPT2及び第3サブパターンSPT3の形状に関するデータを利用したパターンマッチングを行い、第1画像データから、第1サブパターンSPT1、第2サブパターンSPT2及び第3サブパターンSPT3の位置情報を取得する。次いで、処理部211は、それらの位置情報から、第1パターンPT1、第2パターンPT2及び第3パターンPT3の形状及び位置を求め、鍵情報を利用して、二次元コードを構成する第1配列と、二次元コードの背景を構成する第2配列とに関する情報を得る。このようにして、処理部211は、第1画像データから、二次元コードを復号する。
その後、処理部211は、二次元コードから原情報を復号する。処理部211は、場合によっては、この原情報から別の情報を生成する。処理部211は、復号した二次元コード、この二次元コードを復号することにより得られた原情報、及び、この原情報を用いて生成した情報の1以上を、出力部23へ出力する。
出力部23は、処理部211が出力した情報を、ヒトが知覚可能な形態、例えば、画像、音、振動、光、又はそれらの組み合わせへと変換して出力する。
次に、この復号システム2を用いた復号方法の変形例について説明する。
図11は、変形例に係る復号方法を示すフローチャートである。図12は、解像度を調節する方法の一例を概略的に示す図である。図13は、解像度を低めた第1サブパターンの画像の一例を概略的に示す図である。図14は、解像度を低めた第2サブパターンの画像の一例を概略的に示す図である。図15は、解像度を低めた第3サブパターンの画像の一例を概略的に示す図である。
この復号方法では、先ず、印刷物1の第1部分P1に対応した領域を照明装置が照明した状態で、撮像装置が印刷物1の第1部分P1に対応した領域を撮像する。このようにして、読取部22は、第1画像データを取得する(ステップS1)。読取部22は、この第1画像データを、処理部211へ出力する。更に、読取部22は、印刷物1の第2部分P2に対応した領域を撮像し、これによって取得した画像データを、処理部211へ出力する。
処理部211は、第2部分P2に対応した領域を撮像することによって取得した画像データと記憶部212が記憶している情報とから、鍵情報を復号する。鍵情報は、例えば、第2画像データの解像度、解像度を調整する際に使用する明度の閾値、並びに、画像濃度と第1及び第2配列との関係に関する情報を含んでいる。或いは、記憶部212が、第2画像データの解像度、解像度を調整する際に使用する明度の閾値、並びに、画像濃度と第1及び第2配列との関係の各々について、複数の選択肢を記憶している場合、鍵情報は、何れを選択するべきかを示す情報を含んでいる。
次に、処理部211は、第1画像データの解像度を調節する(ステップS2)。例えば、第1画像データが高解像度の画像データである場合、記憶部212が記憶している情報又は鍵情報に基づいて、第1画像データから、解像度がより低い第2画像データを生成する。
第1画像データが高解像度の画像データである場合、第1パターンPT1に対応した領域と、第2パターンPT2に対応した領域と、第3パターンPT3に対応した領域とは、画像濃度が等しい。それ故、それら領域を、画像濃度に基づいて区別することはできない。
解像度を低めると、第1サブパターンSPT1と第2サブパターンSPT2と第3サブパターンSPT3との形状の相違に起因して、第1パターンPT1に対応した領域と、第2パターンPT2に対応した領域と、第3パターンPT3に対応した領域とに、画像濃度の相違を生じる。
図12には、第1サブパターンSPT1の高解像度画像I1を描いている。この高解像度画像I1を、1つの画素がグリッドGRの1マスに対応するように低解像度化すると、図13に示す低解像度画像I1’が得られる。
なお、ここでは、グリッドGRの或るマスに位置した全画素に占める明画素の割合が50%を超える場合には、このマスに対応した低解像度画像I1’の画素を明画素としている。また、グリッドGRの或るマスに位置した全画素に占める明画素の割合が50%以下の場合には、このマスに対応した低解像度画像I1’の画素を暗画素としている。
同様の処理を第2サブパターンSPT2の高解像度画像に対して行うと、図14に示す低解像度画像I2’が得られる。更に、同様の処理を第3サブパターンSPT3の高解像度画像に対して行うと、図15に示す低解像度画像I3’が得られる。
上述した例では、第1サブパターンSPT1と第2サブパターンSPT2と第3サブパターンSPT3とは面積が互いに等しく、それらの配列の周期も互いに等しい。これに対し、低解像度画像I1’と低解像度画像I2’と低解像度画像I3’とは、面積が異なっている。従って、第1画像データを低解像度化することにより、第1パターンPT1に対応した領域と、第2パターンPT2に対応した領域と、第3パターンPT3に対応した領域とに、画像濃度の相違を生じる。このようにして、処理部211は、解像度を調節した画像データから、画像濃度が異なる複数のパターンを生成する(ステップS3)。なお、第1画像データの解像度が低い場合には、この解像度の調節は省略できる。
次に、処理部211は、鍵情報を利用して、画像濃度が異なる複数のパターンから、二次元コードを復号する(ステップS4)。二次元コードの復号には、例えば、パターンマッチングを利用する。
その後、処理部211は、二次元コードから原情報を復号する(ステップS5)。処理部211は、場合によっては、この原情報から別の情報を生成する。処理部211は、復号した二次元コード、この二次元コードを復号することにより得られた原情報、及び、この原情報を用いて生成した情報の1以上を、出力部23へ出力する(ステップS6)。
出力部23は、処理部211が出力した情報を、ヒトが知覚可能な形態、例えば、画像、音、振動、光、又はそれらの組み合わせへと変換して出力する。
図16は、復号した二次元コードの一例を示す図である。
上述した復号方法によると、例えば、図16に示す二次元コードCDを得ることができる。
上述した印刷物1の第1部分P1に記録された情報は、読取方法を知らない者による読み取りが困難である。これについて、以下に説明する。
図17は、第1比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図である。図18は、図17に示す印刷物のXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
図17及び図18に示す印刷物1Aは、基材11と、その上に設けられた印刷層12Aとを含んでいる。印刷層12Aは、二次元コードを構成している。
印刷層12Aがプロセスインキで形成されている場合、印刷物1Aに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察で容易に知覚される。また、印刷層12Aが不可視インキで形成されている場合であっても、印刷物1Aに二次元コードが記録されていることは、表面の凹凸から容易に知覚され得る。
図19は、第2比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図である。図20は、図19に示す印刷物のXX-XX線に沿った断面図である。
図19及び図20に示す印刷物1Bは、基材11と印刷層12Bと保護層13とを含んでいる。印刷層12Bは、基材11上に設けられており、二次元コードを構成している。保護層13は、印刷層12B上に設けられている。保護層13は、基材11の印刷層12Bが設けられた面全体を覆っている。
印刷層12Bがプロセスインキで形成されている場合、保護層13は透明である必要がある。それ故、この場合、印刷物1Bに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察で容易に知覚される。また、保護層13の表面は、印刷層12Bのパターンに対応した凹凸を有し得る。それ故、印刷層12Bを不可視インキで形成するか、又は、印刷層12Bを赤外発光インキ若しくは赤外吸収インキで形成し且つ保護層13として可視光線を遮断するものを使用したとしても、印刷物1Bに二次元コードが記録されていることは、表面の凹凸から知覚され得る。表面に凹凸を有していない保護層13を得るには、スクリーン印刷やオフセット印刷などを複数回行うことにより、例えば、膜厚が20μm以上の厚い保護層13を形成しなければならない。
図21は、第3比較例に係る印刷物を概略的に示す平面図である。図22は、図21に示す印刷物のXXII-XXII線に沿った断面図である。
図21及び図22に示す印刷物1Cは、基材11と、その上に設けられた印刷層12Cとを含んでいる。印刷層12Cは、第1印刷層12C1と第2印刷層12C2とを含んでいる。第1印刷層12C1は、二次元コードを構成している。第2印刷層12C2は、第1印刷層12C1を形成しているインキとは異なるインキからなる。第2印刷層12C2は、上記二次元コードの背景を構成している。
第1印刷層12C1及び第2印刷層12C2がプロセスインキで形成されている場合、高いコントラスト比と、肉眼で観察することによる知覚され易さとは、二律背反の関係にある。
第1印刷層12C1及び第2印刷層12C2の一方を特殊インキで形成し、それらの他方を先の特殊インキと同じ色のプロセスインキで形成した場合、印刷物1Cに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察では知覚され難いと考えられる。また、この場合、第1印刷層12C1の厚さと第2印刷層12C2の厚さとを一致させれば、印刷層12Cの表面に、第1印刷層12C1のパターンに対応した凹凸が生じるのを防止できると考えられる。
しかしながら、この場合であっても、印刷層12Cからの反射光を観察すると、第1印刷層12C1及び第2印刷層12C2の光沢の相違から、印刷物1Cに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察で容易に知覚され得る。また、第1印刷層12C1の厚さと第2印刷層12C2の厚さとを完全に一致させないと、それらの厚さの相違から、印刷物1Cに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察で容易に知覚され得る。更に、第1印刷層12C1と第2印刷層12C2とを、それらが部分的に重なり合わず且つそれらの間に隙間を生じないように形成することは困難である。第1印刷層12C1と第2印刷層12C2とが部分的に重なり合うか又はそれらの間に隙間を生じると、印刷層12Cには、二次元コードパターンの輪郭に沿った畝状の突起又は溝を生じることになる。それ故、印刷物1Cに二次元コードが記録されていることは、肉眼による観察で容易に知覚され得る。
これに対し、図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1では、二次元コードに対応した1以上のパターンと、その背景に対応した1以上のパターンとを設け、それらパターン間で、単位領域に占めるサブパターンの面積比を互いに等しくしている。そして、それらパターンには、同じ材料を使用している。従って、肉眼で観察した場合には、上記パターンが設けられた領域は、全体に亘って同じ色を有している領域として見える。
また、二次元コードの復号には、上述した手順が必要である。それ故、この手順を知らない者による情報の復号は困難である。
従って、上述した印刷物1の第1部分P1に記録された情報は、読取方法を知らない者による読み取りが困難である。
また、この印刷物1では、二次元コードを構成する第1配列は第1パターンPT1からなり、二次元コードの背景を構成する第2配列は、第2パターンPT2と第3パターンPT3とからなる。即ち、二次元コードの背景を構成する第2配列は、複数のパターンからなる。それ故、ディジタルカメラで取得した画像や複写機で複写することによって得られた複写物において、パターン間で明度に相違を生じたとしても、二次元コードの背景に対応した複数のパターンが、二次元コードの知覚を妨げる。
従って、このような点でも、上述した印刷物1の第1部分P1に記録された情報は、読取方法を知らない者による読み取りが困難である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図23は、本発明の第2実施形態に係る印刷物の一部を拡大して示す平面図である。
図23に示す印刷物1は、以下の点を除き、図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1と同様である。即ち、図23に示す印刷物1では、二次元コードを構成する第1配列は、第1パターンPT1と第2パターンPT2とからなり、二次元コードの背景を構成する第2配列は第3パターンPT3からなる。
この印刷物1は、図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1と同様の効果を奏する。
また、この印刷物1では、二次元コードを構成する第1配列は、第1パターンPT1と第2パターンPT2とからなり、二次元コードの背景を構成する第2配列は第3パターンPT3からなる。即ち、二次元コードを構成する第1配列は、複数のパターンからなる。それ故、ディジタルカメラで取得した画像や複写機で複写することによって得られた複写物において、パターン間で明度に相違を生じたとしても、二次元コードは知覚され難い。
従って、このような点でも、上述した印刷物1の第1部分P1に記録された情報は、読取方法を知らない者による読み取りが困難である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図24は、本発明の第3実施形態に係る印刷物の一部を拡大して示す平面図である。
図24に示す印刷物1は、以下の点を除き、図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1と同様である。即ち、図24に示す印刷物1では、二次元コードを構成する第1配列は、第1パターンPT1と第2パターンPT2とからなり、二次元コードの背景を構成する第2配列は、第3パターンPT3と第4パターンPT4とからなる。
第4パターンPT4は、複数の第4サブパターン(図示せず)からなる。第4サブパターンは、第1サブパターンSPT1、第2サブパターンSPT2及び第3サブパターンSPT3とは、形状が異なっている。第4サブパターンは、二方向に配列している。ここでは、第4サブパターンは、X方向とY方向とに同じ周期で配列している。
第4パターンPT4は、第1パターンPT1、第2パターンPT2及び第3パターンPT3と同じ材料からなる。第4パターンPT4は、第1パターンPT1、第2パターンPT2及び第3パターンPT3と、単位領域に占めるサブパターンの面積比が等しい。
この印刷物1は、図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1と同様の効果を奏する。
また、この印刷物1では、二次元コードを構成する第1配列は、第1パターンPT1と第2パターンPT2とからなり、二次元コードの背景を構成する第2配列は、第3パターンPT3と第4パターンPT4とからなる。即ち、二次元コードを構成する第1配列は複数のパターンからなり、二次元コードの背景を構成する第2配列も複数のパターンからなる。それ故、ディジタルカメラで取得した画像や複写機で複写することによって得られた複写物において、パターン間で明度に相違を生じたとしても、二次元コードは極めて知覚され難い。
従って、このような点でも、上述した印刷物1の第1部分P1に記録された情報は、読取方法を知らない者による読み取りが困難である。
サブパターンには、様々な構造を採用することが可能である。
図25は、第1パターンの一変形例を概略的に示す平面図である。図26は、第2パターンの一変形例を概略的に示す平面図である。図27は、第3パターンの一変形例を概略的に示す平面図である。
図25に示す第1パターンPT1では、第1サブパターンSPT1は、Y方向に延びた線分状である。これら第1サブパターンSPT1は、X方向とY方向とに配列しており、Y方向に隣り合った第1サブパターンSPT1は互いに接している。その結果、第1サブパターンSPT1は、ストライプ状の配列を形成している。
図26に示す第2パターンPT2では、第2サブパターンSPT2は円形状である。これら第2サブパターンSPT2は、X方向とY方向とに同じ周期で配列している。第2サブパターンSPT2は、互いから離間しており、水玉模様状の配列を形成している。
図27に示す第3パターンPT3では、第3サブパターンSPT3は「X」字状である。即ち、第3サブパターンSPT3は、2つの線分を直交させた形状を有している。各第3サブパターンSPT3は、これを構成している一方の線分がX方向に平行になり、他方の線分がY方向に平行になるように配向している。
これら第3サブパターンSPT3は、X方向とY方向とに配列している。X方向に隣り合った第3サブパターンSPT3は互いに接しており、Y方向に隣り合った第3サブパターンSPT3も互いに接している。その結果、第3サブパターンSPT3は、正方格子状の配列を形成している。
このように、サブパターンには、様々な構造を採用することが可能である。
各サブパターンは、図26に示すように円形であるか、又は、図5、図7及び図9に示すように同心円状の輪郭を有していることが好ましい。
通常、サブパターンは、基材の表面に対して突き出ている。それ故、例えば、図25に示す第1パターンPT1は、それがプロセスインキから形成されている場合、X方向に平行な軸の周りで印刷物1を傾けたときと、Y方向に平行な軸の周りで印刷物1を傾けたときとで、明度に相違を生じる。また、図27に示す第3パターンPT3は、それがプロセスインキから形成されている場合、X方向に平行な軸の周りで印刷物1を傾けたときと、Z方向に垂直であり且つX方向に対して45°の角度を成している軸の周りで印刷物1を傾けたときとで、明度に相違を生じる。その結果、肉眼で観察した場合に、第1パターンPT1、第2パターンPT2及び第3パターンPT3の何れかのパターンを、残りのパターンから区別可能となる可能性がある。
各サブパターンが円形であるか又は同心円状の輪郭を有している場合、上述した明度の相違を生じることはない。従って、この構造を採用すると、読取方法を知らない者による情報の読み取りを更に困難にすることができる。
なお、上記の実施形態では、二次元コードを構成しているパターンは、略正方形状を有しているセルをX方向とY方向とに配列させた構造を有しているが、二次元コードは、他の方向に配列させた構造を有しているパターンで構成することも可能である。例えば、セルを同心円状に配列させた構造を有しているパターンで二次元コードを構成してもよい。この場合、それらセルの面積は、均一にしなくてもよい。
また、上記の実施形態では、サブパターンが配列する2つの方向は直線方向であるが、これら方向は直線方向に限られない。例えば、サブパターンが配列する2つの方向の一方を円弧などの曲線状の方向とし、他方を先の曲線と交差する直線方向としてもよい。
<実施例>
図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1を製造した。
具体的には、基材11としては、コート紙を使用した。第1部分P1は、赤外発光インキを使用して形成した。この赤外発光インキとしては、赤外線を照射することにより励起され、この励起光よりも長波長の赤外線を発光する赤外発光蛍光体を含んだ紫外線硬化型のオフセット印刷用インキを使用した。また、保護層13は、プロセスインキを使用して形成した。このプロセスインキとしては、T&K TOKA社製の白色インキである改UV161 コンク白を使用した。なお、第2部分P2及び第3部分P3は省略した。
この印刷物1に記録された二次元コードを、図10を参照しながら説明した復号システム2を用いて復号した。ここでは、鍵情報について上述した情報は、記憶部212に記憶させておいた。その結果、二次元コードを復号することができた。
また、この印刷物1を肉眼で観察した。その結果、印刷物1を正面から肉眼で観察した場合及び斜め方向から肉眼で観察した場合の何れにおいても、二次元コードの存在を確認することはできなかった。
<比較例>
図1乃至図9を参照しながら説明した印刷物1を製造した。
具体的には、基材11としては、実施例で使用したのと同様のコート紙を使用した。第1印刷層12C1は、実施例で使用したのと同様の赤外発光インキを使用して形成した。第2印刷層12C2は、赤外発光蛍光体を含んでおらず、赤外線インキとほぼ色とするために顔料を追加したこと以外は赤外線インキと同様の組成を有するインキを使用して形成した。
この印刷物1に励起光としての赤外線を照射し、これを赤外線カメラで撮影した。その結果、得られた画像に二次元コードを確認することができた。
また、この印刷物1を肉眼で観察した。その結果、印刷物1を正面から肉眼で観察した場合は、二次元コードの存在を確認することはできなかった。但し、この印刷物1を斜め方向から肉眼で観察した場合、第1印刷層12C1と第2印刷層12C2との光沢の違いから、二次元コードの存在を確認することができた。
1…印刷物1、1A…印刷物、1B…印刷物、1C…印刷物、2…復号システム、11…基材、12…印刷層、12A…印刷層、12B…印刷層、12C…印刷層、12C1…第1印刷層、12C2…第2印刷層、13…保護層、21…復号装置、22…読取部、23…出力部、211…処理部、212…記憶部、CD…二次元コード、GR…グリッド、I1…高解像度画像、I1’…低解像度画像、I2’…低解像度画像、I3’…低解像度画像、P1…第1部分、P2…第2部分、P3…第3部分、PT1…第1パターン、PT2…第2パターン、PT3…第3パターン、SPT1…第1サブパターン、SPT2…第2サブパターン、SPT3…第3サブパターン。

Claims (15)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた1以上の印刷層とを備え、
    前記1以上の印刷層は、同じ材料からなり且つ互いに隣接した複数のパターンを含み、
    前記複数のパターンの各々は、二方向に配列し、互いに等しい形状を有している複数のサブパターンからなり、
    前記複数のパターンは、それらが含んでいる前記複数のサブパターンの形状が異なっており、単位領域に占める前記複数のサブパターンの面積比が互いに等しく、
    前記複数のパターンの1以上からなる第1配列は、一次元又は二次元コードを構成し、前記複数のパターンの残りからなる第2配列は、前記一次元又は二次元コードの背景を構成した印刷物。
  2. 前記複数のパターンの各々において、前記複数のサブパターンの各々は、円形であるか又は同心円状の輪郭を有している請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記第1配列は、前記複数のパターンの2以上からなる請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記第2配列は、前記複数のパターンの2以上からなる請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷物。
  5. 前記複数のパターンは不可視インキからなる請求項1乃至4の何れか1項に記載の印刷物。
  6. 前記複数のパターンは赤外吸収インキ又は赤外発光インキからなる請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷物。
  7. 前記複数のパターンを被覆した保護層を更に備えた請求項1乃至6の何れか1項に記載の印刷物。
  8. 前記保護層は可視光線を遮断する請求項7に記載の印刷物。
  9. 前記複数のパターンの各々において、前記複数のサブパターンの各々は、最大寸法が0.5乃至30mmの範囲内にある請求項1乃至8の何れか1項に記載の印刷物。
  10. 前記1以上の印刷層は、前記複数のパターンを、前記第1配列を構成するものと、前記第2配列を構成するものとに区別するための鍵情報に対応したパターンを更に含んだ請求項1乃至9の何れか1項に記載の印刷物。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の印刷物のうち前記複数のパターンに対応した領域を撮像することによって得られた画像から、前記複数のサブパターンの形状に基づいて、前記一次元又は二次元コードを復号することを含んだ復号方法。
  12. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の印刷物を撮影することによって得られた前記複数のパターンの画像から、画像濃度が異なる複数のパターンを生成することと、
    画像濃度が異なる前記複数のパターンから、前記一次元又は二次元コードを復号することと
    を含んだ復号方法。
  13. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の印刷物のうち前記複数のパターンに対応した領域を撮像することによって得られた第1画像データから、前記複数のサブパターンの形状に基づいて、前記一次元又は二次元コードを復号する処理部を備えた復号装置。
  14. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の印刷物を撮影することによって得られた前記複数のパターンの情報を含む第1画像データから、画像濃度が異なる複数のパターンの情報を含む第2画像データを生成し、前記第2画像データから前記一次元又は二次元コードを復号する処理部を備えた復号装置。
  15. 請求項13又は14に記載の復号装置と、
    前記印刷物を撮影して前記第1画像データを取得する読取部と、
    復号した前記一次元又は二次元コード、この一次元又は二次元コードを復号することにより得られる原情報、及び、この原情報を用いて生成した情報の1以上を出力する出力部と
    を備えた復号システム。
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