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Description
本発明の親水性繊維を構成するフィラメント数は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができるが、ポリオレフィン繊維からなるマルチフィラメントとできるだけ本数を揃える方がよく、3~250本であることが好ましい。親水性繊維のフィラメント数が3本以上であれば、編地の柔軟性を損なうことがなく、繊維間隙の毛細管現象により吸水性が向上するため好ましい。親水性繊維のフィラメント数は、10本以上であることがより好ましく、15本以上であることが更に好ましく、20本以上であることが特に好ましい。一方、親水性繊維のフィラメント数は適宜、ポリオレフィン繊維からなるマルチフィラメント数にバランス良く合わせ、250本以下にすることで柔軟性が保たれた繊維構造体が得られる。親水性繊維のフィラメント数は、200本以下であることがより好ましく、150本以下であることが更に好ましく、100本以下であることが特に好ましい。
キーエンス社製マイクロスコープVHX-6000を用いて一定倍率、好ましくは500倍に拡大した編地おもて面の写真を撮影し、5cm2の一定範囲(A)について、ポリオレフィン繊維の露出面積(S)を三谷商事社製winROOFで計測し、下記百分率の式で算出した。
編地おもて面におけるポリオレフィン繊維の面積占有率=(S/A)×100
B.繊度
温度20℃、湿度65%RHの環境下において、INTEC製電動検尺機を用いて、実施例・比較例で用いた繊維100mをかせ取りした。得られたかせの重量を測定し、下記式を用いて繊度(dtex)を算出した。
繊度(dtex)=繊維100mの重量(g)×100
なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を繊度とした。
強度および伸度は、実施例・比較例で用いた繊維を試料とし、JIS L1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)8.5.1に準じて算出した。温度20℃、湿度65%RHの環境下において、オリエンテック社製テンシロンUTM-III-100型を用いて、初期試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で引張試験を行った。最大荷重を示す点の応力(cN)を繊度(dtex)で除して強度(cN/dtex)を算出し、最大荷重を示す点の伸び(L1)と初期試料長(L0)を用いて下記式によって伸度(%)を算出した。
伸度(%)={(L1-L0)/L0}×100
なお、測定は1試料につき10回行い、その平均値を強度および伸度とした。
ポリオレフィン繊維の原料として用いたポリオレフィン(A)、ポリエステル(B)の合計を100重量部とし、複合比率としてA/B[重量部]を算出した。
事前に真空乾燥したポリオレフィン(A)およびポリエステル(B)について、東洋精機製キャピログラフ1Bにて、孔径1.0mm、孔長10mmのキャピラリーを使用して窒素雰囲気下で5分間滞留させた後に測定を行った。なお、測定温度は後述する試作例中の紡糸温度と同様とし、剪断速度1216sec-1での見掛け粘度(Pa・s)を溶融粘度(Pa・s)とした。測定は1試料につき3回行い、その平均値を溶融粘度とした。ポリオレフィン(A)、ポリエステル(B)の溶融粘度をそれぞれηA、ηBとし、下記式を用いて溶融粘度比を算出した。
溶融粘度比(ηB/ηA)=ηB/ηA
F.島成分の不連続性
試作例によって得られたポリオレフィン繊維をエポキシ樹脂で包埋した後、LKB製ウルトラミクロトームLKB-2088を用いてエポキシ樹脂ごと、繊維軸に対して垂直方向に繊維を切断し、厚さ約100nmの超薄切片を得た。得られた超薄切片を固体の四酸化ルテニウムの気相中に常温で約4時間保持して染色した後、染色された面をウルトラミクロトームで切断し、四酸化ルテニウムで染色された超薄切片を作製した。染色された超薄切片について、日立製透過型電子顕微鏡(TEM)H-7100FA型を用いて、加速電圧100kVの条件で繊維軸に対して垂直な断面、すなわち繊維横断面を観察し、繊維横断面の顕微鏡写真を撮影した。観察は300倍、500倍、1000倍、3000倍、5000倍、10000倍、30000倍、50000倍の各倍率で行い、顕微鏡写真を撮影する際には100個以上の島成分が観察できる最も低い倍率を選択した。
試作例によって得られたポリオレフィン繊維をエポキシ樹脂で包埋した後、LKB製ウルトラミクロトームLKB-2088を用いてエポキシ樹脂ごと、繊維軸に対して垂直方向に繊維を切断し、厚さ約100nmの超薄切片を得た。得られた超薄切片を固体の四酸化ルテニウムの気相中に常温で約4時間保持して染色した後、染色された面をウルトラミクロトームで切断し、四酸化ルテニウムで染色された超薄切片を作製した。染色された超薄切片について、日立製透過型電子顕微鏡(TEM)H-7100FA型を用いて、加速電圧100kVの条件で繊維軸に対して垂直な断面、すなわち繊維横断面を観察し、繊維横断面の顕微鏡写真を撮影した。観察は300倍、500倍、1000倍、3000倍、5000倍、10000倍、30000倍、50000倍の各倍率で行い、顕微鏡写真を撮影する際には100個以上の島成分が観察できる最も低い倍率を選択した。撮影された写真について、同一の写真から無作為に抽出した100個の島成分の直径を画像処理ソフト(三谷商事製WINROOF)で測定し、その平均値を島成分の分散径(nm)とした。繊維横断面に存在する島成分は必ずしも真円とは限らないため、真円ではない場合には外接円の直径を島成分の分散径として採用した。単繊維の繊維横断面に存在する島成分が100個未満の場合には、同条件で製造した複数の単繊維を試料として繊維横断面を観察し、顕微鏡写真を撮影する際には単繊維の全体像が観察できる最も高い倍率を選択した。撮影された写真について、各単繊維の繊維横断面に存在する島成分の分散径を測定し、合計100個の島成分の分散径の平均値を島成分の分散径とした。
試作例によって得られたポリオレフィン繊維を試料とし、下記条件にて測定を行い、偏光方向が繊維軸と一致する場合を平行条件、直行する場合を垂直条件として、それぞれの偏光ラマンスペクトルを得た。ポリエステル(B)のC=C伸縮振動に帰属される1615cm-1付近のラマンバンドが存在する場合には、平行条件におけるラマンバンド強度をI1615平行、垂直条件におけるラマンバンド強度をI1615垂直とし、下記式を用いて配向パラメータを算出した。ポリエステル(B)のC=C伸縮振動に帰属される1615cm-1付近のラマンバンドが存在しない場合には、ポリエステル(B)のC=O伸縮振動に帰属される1730cm-1付近のラマンバンドにおいて、平行条件におけるラマンバンド強度をI1730平行、垂直条件におけるラマンバンド強度をI1730垂直とし、下記式を用いて配向パラメータを算出した。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を配向パラメータとした。
配向パラメータ=I1615平行/I1615垂直、または配向パラメータ=I1730平行/I1730垂直
装置 :RENISHAW製inVia
測定モード :顕微ラマン
対物レンズ :×20
ビーム径 :5μm
光源 :YAG 2nd 532nm Line
レーザーパワー:100mW
回折格子 :Single -3000gr/mm
スリット :65μm
検出器 :CCD 1024×256pixels 。
上記Hにおいて、繊維軸に平行に偏光したレーザー光を入射し、散乱光には検光子を入れずに測定した以外は同様に測定を行い、偏光ラマンスペクトルを得た。ポリエステル(B)のC=O伸縮振動に帰属される1730cm-1付近のラマンバンドの半値全幅をΔν1730とし、下記式を用いて結晶化度を算出した。下記式における換算密度ρは、種々のPET試料の半値幅から経験的に導出されたものである。
換算密度ρ(g/cm3)=(305-Δν1730)/209
結晶化度(%)=100×(ρ-1.335)/(1.455-1.335)
なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を結晶化度とした。
黒色板に各単繊維を間隔空けずに200本平行に並べた糸サンプルを作製し、糸サンプルを炭酸ナトリウム1.5g/L、明成化学工業製グランアップUS-20 0.5g/Lを含む水溶液中、80℃で20分間精練後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥器内で60分間乾燥した。精練後の筒編みを、協和界面科学製接触角計を用いて試料に水滴1.0μLを滴下し、接触角を測定した。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を接触角とした。なお、水滴が繊維に吸水されてしまった場合が接触角0°とした。
編地から抜き出した繊維を、編構造による屈曲がなくなる程度の張力で試料台に接着した状態にてキーエンス社製マイクロスコープVHX-6000を用いて一定倍率、好ましくは500倍に 拡大した編地おもて面の写真を撮影し、クリンプ間隔D(mm)、及び、クリンプ長L(mm)を求めた。クリンプ間隔Dとはクリンプの頂点間を直線で結んだ長さであり、クリンプ長Lとはクリンプの山-谷-山を折れ線で結んだ長さである。クリンプ間隔Dおよびクリンプ長Lを、それぞれ20カ所について測定し次式
クリンプ率(C)=(L/D-1)×100(%)
によってクリンプ率(C)を求め、その平均を算出した。
後段に記載する実施例・比較例の染色工程において染料を使用せずに同条件で加工することで白色の編地を作製し、得られた編地を5cm四方にカットして、コニカミノルタ製のL*a*b*表色系分光測色計CM-3600dを用い、D65光源6、視野角10度、およびSEC方式(正反射光除去条件)の条件で、測定した。測定手順としては、まず、防透け性測定サンプルを5cm四方にカットする。次に、白板として、丸断面セミダルポリエステルフィラメント使いの100%タフタ(L*=90~91)を使用し、使用タフタのL*値(Lw)を測定する。また黒板として、丸断面セミダルフィラメント100%使いタフタ(L*=19~20)を使用し、使用タフタのL*値(Lb)を測定する。さらに、本発明の編地の裏面に白板を4重にして重ね測色機に装着し、おもて面のL*値(Lfw)を測定する。次に、同一編地の裏面に黒板を4重にして重ねて測色機に装着し、おもて面のL*値(Lfb)を測定する。測定は5回行い、その平均値を求めた。そしてその測定値を、下記式に当てはめて、防透け性を求めた。
防透け性(%)=100-(Lfw-Lfb)/(Lw-Lb)×100
防透け性の指標は、100(%)に近いほど、透けない。
染色後および還元洗浄後の編地を試料とし、コニカミノルタ製分光測色計CM-3700d型を用いてD65光源、視野角度10°、光学条件をSCE(正反射光除去法)として、色調(L*値、a*値、b*値)を測定した。なお、測定は1試料につき3回行い、その平均値を採用した。また、色調測定結果を基に、下記式
ΔL*=L*(還元洗浄後)-L*(染色後)
Δa*=a*(還元洗浄後)-a*(染色後)
Δb*=b*(還元洗浄後)-b*(染色後)
ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}0.5
を用いてΔEを算出した。
仕上げセット後の編地について、5年以上の品位判定の経験を有する検査員5名の合議によって、◎、○、△、×の4段階で均染性を評価した。評価は、◎が最も良く、○、△の順に悪くなり、×が最も劣ることを示す。
◎:非常に均一に染色されており、全く染め斑が認められない
○:ほぼ均一に染色されており、ほとんど染め斑が認められない
△:ほとんど均一に染色されておらず、うっすらと染め斑が認められる
×:均一に染色されておらず、はっきりと染め斑が認められる。
摩擦堅牢度の評価は、JIS L0849:2013(摩擦に対する染色堅ろう度試験方法)9.2 摩擦試験機II形(学振形)法の乾燥試験に準じて行った。大栄科学精機製学振型摩擦試験機RT-200を用いて、JIS L0803:2011に規定の白綿布(綿3-1号)で編地へ摩擦処理を施した後、白綿布の汚染の度合いをJIS L0805:2005に規定の汚染用グレースケールを用いて級判定することによって、摩擦堅牢度(汚染)を評価した。
洗濯堅牢度の評価は、JIS L0844:2011(洗濯に対する染色堅ろう度試験方法)A-2号に準じて行った。大栄科学製作所製ラウンダメーターを用いて、JIS L0803:2011に規定の添付白布(綿3-1号、ナイロン7-1号)とともに編地を洗濯処理した後、試料の変退色の度合いをJIS L0804:2004に規定の変退色用グレースケールを用いて級判定することによって、洗濯堅牢度(変退色)を評価した。また、添付白布の汚染の度合いをJIS L0805:2005に規定の汚染用グレースケールを用いて級判定することによって、洗濯堅牢度(汚染)を評価した。さらに、洗濯処理後の洗液の汚染の度合いをJIS L0805:2005に規定の汚染用グレースケールを用いて級判定することによって、洗濯堅牢度(液汚染)を評価した。
ガラス板上に、市販の万年筆用インク(PILOT製INK-350-B)を2倍に水で希釈したインク液を0.1cc滴下し、その上に編地を、ポリオレフィン繊維の面積占有率が0~40%の面(以後、裏面)がインク液に接する下側を向くように載置した。60秒間放置しインク液を吸収させた後、この編地を別のガラス板上に移し、ここでも裏面を下にして3分間放置した。サンプル編地のポリオレフィン繊維の面積占有率が0~40%の面(以後、おもて面)、裏面のインク液の拡散面積をデジタルプラ二メーター(内田洋行製 KP-90)で測定し、表裏拡散面積比(裏面の拡散面積/おもて面の拡散面積)を算出した。
ガラス板上に、水を1.0cc滴下し、その上に編地を、ポリオレフィン繊維の面積占有率が0~40%の面(以後、裏面)が水に接する下側を向くように載置した。60秒間放置し水を吸収させた後、この編地を別のガラス板上に移し、ここでも裏面を下にして3分間放置した。ここで水を吸収させた前後の編地おもて面の変化を5年以上の級判定の経験を有する検査員5名の合議によって◎、○、△、×、××の5段階でシミ防止性を評価した。評価は◎が最もよく、○、△、×の順にわるくなり、××が最も劣ることを示す。
◎:吸水前後の変色が全く認められない。
○:吸水前後の変色がほとんど認められない。
△:吸水前後の変色がうっすらと認められる。
×:吸水前後の変色がはっきりと認められる。
××:吸水前後の変色がさらにはっきりと認められる。
ポリオレフィン(A)としてポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ製ノバテックMA2)を90重量部、ポリエステル(B)としてポリエチレンテレフタレートを10重量部添加して、二軸エクストルーダーを用いて混練温度280℃で混練を行った。二軸エクストルーダーより吐出されたストランドを水冷した後、ペレタイザーにて5mm長程度にカットして、ペレットを得た。得られたペレットを150℃で12時間真空乾燥した後、エクストルーダー型溶融紡糸機へ供給して溶融させ、紡糸温度285℃、吐出量32.5g/分で紡糸口金(吐出孔径0.18mm、吐出孔長0.23mm、孔数48、丸孔)から吐出させて紡出糸条を得た。この紡出糸条を風温20℃、風速25m/分の冷却風で冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、1250m/分で回転する第1ゴデットローラーで引き取った後、1250m/分で回転する第2ゴデットローラーを介して、1250m/分で回転するワインダーで巻き取って、260dtex-48fの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を第1ホットローラー温度30℃、第2ホットローラー温度30℃、第3ホットローラー温度130℃の条件で2段延伸とし、総延伸倍率3.1倍の条件で延伸し、84dtex-48fの延伸糸を得た。得られた繊維の繊維特性を表1に示す。
芯成分として150℃で12時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレート、鞘成分としてポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ製ノバテックMA2)を用いて、各成分を各々エクストルーダーに供給して溶融させ、紡糸温度285℃、芯成分吐出量3.25g/分、鞘成分吐出量26.0g/分で芯鞘複合紡糸口金(吐出孔径0.18mm、吐出孔長0.23mm、孔数48、丸孔)から吐出させて紡出糸条を得た以外は試作例1と同様の条件にて延伸糸を得た。得られた繊維の繊維特性を表1に示す。
試作例1において、二軸エクストルーダーでの混練強度を変更することでポリエチレンテレフタレートの分散径を変更した延伸糸を得た。得られた繊維の繊維特性を表1に示す。
試作例1にてポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ製ノバテックMA2)とポリエチレンテレフタレートの複合比を表1のとおり変更した延伸糸を得た。得られた繊維の繊維特性を表1に示す。
試作例1においてポリエステル(B)をジカルボン酸成分としてイソフタル酸(IPA)を30mol%共重合したポリエチレンテレフタレートとし、ポリオレフィン(A)の溶融粘度(ηA)とポリエステル(B)の溶融粘度(ηB)との溶融粘度比(ηB/ηA)を表1に示すとおり変更した以外は試作例1と同様の条件にて延伸糸を得た。得られた繊維の繊維特性および布帛特性の評価結果を表1に示す。
試作例1においてポリエステル(B)をジカルボン酸成分としてアジピン酸(AA)を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレートとした以外は試作例1と同様の条件にて延伸糸を得た。得られた延伸糸の繊維特性および布帛特性の評価結果を表1に示す。
試作例1で得られたポリオレフィン繊維がニードル面に、84dtex-48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸がシンカー面に配されるように28Gのシングル丸編機を用いて、リバーシブル天竺組織の編地を編成した。次に染色工程として、得られた編地を炭酸ナトリウム1.5G/L、明成化学工業製界面活性剤グランアップUS-20 0.5G/Lを含む水溶液中、80℃で20分間精練後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。精練後の筒編みを135℃で1分間乾熱セットし、乾熱セット後の筒編みに対して、分散染料として日本化薬製Kayalon Polyester Blue UT-YAを1.3重量%加え、pHを5.0に調整した染色液中、浴比1:100、130℃で45分間染色後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。染色後の筒編みを、水酸化ナトリウム2g/L、亜ジチオン酸ナトリウム2g/L、明成化学工業製界面活性剤グランアップUS-20 0.5g/Lを含む水溶液中、浴比1:100、80℃で20分間還元洗浄後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。還元洗浄後の筒編みを135℃で1分間乾熱セットし、仕上げセットを行った。得られた編地の特性を表2に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維を試作例2の延伸糸に変更した以外は、実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地はポリオレフィン繊維が芯にポリエチレンテレフタレートを配した芯鞘糸であるため、防透け性が低く、シミ防止性に劣るものであった。得られた編地の特性を表2に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維の代わりに撥水性ポリエチレンテレフタレート繊維を使用した以外は、実施例1と同様に編地を作製した。ここで撥水性ポリエチレンテレフタレート繊維とは、公知の方法で撥水加工されたポリエチレンテレフタレート繊維であり、撥水剤としては環境面に配慮したパーフルオロオクタン酸およびパーフルオロオクタンスルホン酸の濃度が0~5ng/g以下のフッ素系撥水剤が2.0wt%塗布されたものを使用した。得られた編地はポリエステル繊維で構成されているため軽量性が得られず、さらに洗濯処理によって撥水剤が脱落するため洗濯後のシミ防止性に劣るものであった。得られた編地の特性を表2に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維の給糸位置を調整して、編地におけるポリオレフィン繊維の面積占有率を表2に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様に編地を作製した。
実施例1において、親水性繊維の繊度を変えて編地中の繊維の混率を表2に示す通り変更した以外は、実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表2に示す。
実施例1においてシンカー面にもポリオレフィン繊維を用いた以外は、実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地はポリオレフィン繊維のみからなるため、シミ防止性に劣るものであった。得られた編地の特性を表3に示す。
試作例1で得られたポリオレフィン繊維を地糸とし、84dtex-48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸を挿入糸として28Gのシングル丸編機を用いて、インレー天竺組織の編地を編成した。染色工程は実施例1と同様に実施し、得られた編地の特性を表3に示す。
試作例1で得られたポリオレフィン繊維をニードル面、84dtex-48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸がシンカー面に配されるように28Gのダブル丸編機を用いて、リバーシブル(8口)組織の編地を得た。染色工程は実施例1と同様に実施し、得られた編地の特性を表3に示す。
試作例1で得られたポリオレフィン繊維をフロント筬、84dtex-48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸をバック筬に配して、シングルトリコット編機を用いてハーフトリコット組織の編地を編成した。染色工程は実施例1と同様に実施し、得られた編地の特性を表3に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維を実施例8では試作例3、実施例9では試作例4で得られた延伸糸に変更した以外は実施例1と同様に編地を作製した。特に、実施例8で得られた編地はポリエステル(B)の分散径が小さいため、適度な光散乱と耐摩耗性の向上によって、シミ防止性と染色堅牢度に優れるものであった。得られた編地の特性を表3に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維を実施例10では試作例5、実施定12では試作例7で得られた延伸糸に変更した以外は、実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表3に示す。
実施例1において、84dtex-48fのポリエチレンテレフタレート仮撚糸を綿番手40番手の綿紡績糸とした以外は実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表4に示す。
試作例1にて得られた延伸糸を38mmにカットしOHARA製混打綿機を用いて開綿した。その後、開綿した繊維を、石川製作所製カード機を用いてカードスライバーとし、石川製作所製練条機に2回通して、2.95g/100cmのスライバーを作成した。更に、豊田自動織機製粗紡機に通して0.47g/100cmの粗糸(繊維束A)を作成した。その後、豊田自動織機製リング精紡機を用いてドラフト32倍で紡出し、トラベラ回転数9000rpmで綿番手40番手のポリオレフィン系繊維からなる紡績糸を得た。実施例1においてポリオレフィン繊維を上記紡績糸とした以外は実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表4に示す。
試作例1で得られた延伸糸を用いて、下記条件で仮撚加工して仮撚加工糸を作製した。FR(フィードローラー)、1DR(1ドローローラー)、1stヒーター、冷却板、仮撚装置、2DR(2ドローローラー)、交絡ノズル、3DR(3ドローローラー)、2ndヒーター、4DR(4ドローローラー)、ワインダーを備えた延伸仮撚加工装置を用いて、FR速度:350m/分、FR-1DR間の加工倍率1.13倍、熱板型の接触式1stヒーター(長さ110mm):145℃、冷却板長さ:65mm、フリクションディスク型摩擦仮撚装置、2DR-3DR間倍率:0.98倍、3DR-4DR間倍率:0.94倍、熱板型の接触式2ndヒーター(長さ80mm):120℃、2DR-3DR間において交絡ノズルによる交絡付与、4DR-ワインダー倍率:0.98倍で仮撚加工し、82dtex-48fの仮撚加工糸を得た。実施例1において、ポリオレフィン繊維を上記仮撚糸とした以外は同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表4に示す。
実施例15において、仮撚加工を3DR-4DR間倍率:0.98倍、4DR-ワインダー倍率:0.94倍、2ndヒーター:室温(25℃)とした以外は実施例12と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表4に示す。
実施例1において、ポリオレフィン繊維を実施例17では試作例8、実施例18では試作例9、実施例19では試作例10で得られた延伸糸に変更した以外は実施例1と同様に編地を作製した。得られた編地の特性を表4に示す。
実施例16において、ポリオレフィン繊維を実施例20では試作例9、実施例21では試作例11で得られた延伸糸とした以外は実施例16と同様に仮撚加工および編成した編地を得た。得られた編地の特性を表4に示す。
Claims (3)
- ポリオレフィン繊維とポリオレフィン繊維よりも親水性の高い少なくとも一種以上の繊維からなり、
前記ポリオレフィン繊維が、ポリオレフィン(A)を海成分、ポリエステル(B)を島成分とする海島構造からなるポリマーアロイ繊維であって、当該ポリオレフィン繊維のクリンプ率が10%以上であり、
編地おもて面におけるポリオレフィン繊維の面積占有率が60%以上100%以下であり、編地裏面におけるポリオレフィン繊維の面積占有率が0%以上40%以下である編地。 - 前記ポリオレフィン繊維が、伸度が10~80%であり、ラマン分光法により求めたポリオレフィン繊維中のポリエステル(B)の配向パラメータが1.0~10.0であることを特徴とする請求項1に記載の編地。
- ラマン分光法により求めたポリオレフィン繊維中のポリエステル(B)の結晶化度が1~40%であることを特徴とする請求項1または2に記載の編地。
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