JP7171378B2 - マルチ電子ビーム検査装置及びマルチ電子ビーム検査方法 - Google Patents

マルチ電子ビーム検査装置及びマルチ電子ビーム検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、マルチ電子ビーム検査装置及びマルチ電子ビーム検査方法に関する。例えば、電子線によるマルチビームを照射して放出されるパターンの2次電子画像を用いて検査する検査装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを撮像した測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、これとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置には、レーザ光を検査対象基板に照射して、この透過像或いは反射像を撮像する装置の他、検査対象基板上を電子ビームで走査(スキャン)して、電子ビームの照射に伴い検査対象基板から放出される2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。電子ビームを用いた検査装置では、さらに、マルチビームを用いた装置の開発も進んでいる。電子線画像を参照画像と比較して検査する検査装置において、検査感度を一定レベルに保つためには、電子線画像の像生成特性に合うように参照画像を作成する必要がある。しかし、マルチビームを用いる場合、ビーム間の電子線画像の特性に差が生じるため、ビーム間で検査感度を一定レベルに保つことが困難である。このため、ビーム毎の特性に適合させた参照画像を作成する必要がある。
ここで、パターン部の明度、背景部の明度、方向別のエッジ部の明度、及びエッジ部のぼけ量をパラメータとしてマルチビームのビーム毎に個別に算出して、実SEM画像と比較するための模擬SEM像を生成する点が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる手法では、設計データを使ったモデル信号波形と実SEM像のリアル信号波形とを、ビーム毎に個別に演算することによりビーム毎の個別パラメータを得る必要がある。これは、結局、検査に先立って、事前に設計データから参照画像を作成するためのフィルタ関数をビーム毎に個別に演算して求めていることと同様である。よって、計算量がまだまだ多くなってしまう。このため、もっと簡易にビーム間の特性差に適合できる手法が望ましい。
特開2013-246062号公報
そこで、本発明の一態様は、マルチビーム検査において、従来に比べて簡易にビーム間の特性差に適合させた参照画像を作成可能な装置および方法を提供する。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム検査装置は、
複数の図形パターンが形成された基板にマルチ1次電子ビームを照射して、マルチ1次電子ビームの照射に起因して基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して、複数の図形パターンの2次電子画像を取得する2次電子画像取得機構と、
複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、マルチ1次電子ビームの代表ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせて、2次電子画像に対応する参照画像を作成する参照画像作成部と、
マルチ1次電子ビームの代表ビームを前記基板と複数の校正用パターンが形成された校正基板とのうち一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンとマルチ1次電子ビームのその他のビームを前記基板と前記校正基板とのうち前記一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報に基づいて、参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正した補正参照画像を作成する補正部と、
前記複数の図形パターンの2次電子画像と補正参照画像とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
また、補正部は、エッジ部のピーク強度と裾引き量とを用いて、参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正すると好適である。
また、複数の校正用パターンが形成された校正基板にマルチ1次電子ビームを照射して、マルチ1次電子ビームの照射に起因して校正基板から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビームを検出して取得される複数の校正用パターンの2次電子画像を用いて、代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報が取得されると好適である。
或いは、検査対象となる基板の複数の図形パターンの前記2次電子画像を用いて、代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報が取得されるように構成しても好適である。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム検査方法は、
複数の図形パターンが形成された基板にマルチ1次電子ビームを照射して、マルチ1次電子ビームの照射に起因して基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して、複数の図形パターンの2次電子画像を取得する工程と、
複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、マルチ1次電子ビームの代表ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせて、2次電子画像に対応する参照画像を作成する工程と、
マルチ1次電子ビームの代表ビームを前記基板と複数の校正用パターンが形成された校正基板とのうち一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンとマルチ1次電子ビームのその他のビームを前記基板と前記校正基板とのうち前記一方に照射して照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報に基づいて、参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正した補正参照画像を作成する工程と、
前記複数の図形パターンの2次電子画像と補正参照画像とを比較する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マルチビーム検査において、従来に比べて簡易にビーム間の特性差に適合させた参照画像を作成できる。
実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームのスキャン動作を説明するための図である。 実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるサンプル領域の測定画像の一例を示す図である。 実施の形態1における設計画像のエッジ波形と測定画像のエッジ波形とフィルタ関数のモデルとの一例を示す図である。 実施の形態1における中心ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他の周辺ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれを説明するための図である。 実施の形態1におけるエッジ部の傾きのずれデータマップの一例を説明するための図である。 実施の形態1における参照画像の一例を示す図である。 実施の形態1の変形例における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1の変形例における校正基板の一例を示す図である。 実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)及び検査室103を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、ビームセパレーター214、偏向器218、電磁レンズ224、電磁レンズ226、及びマルチ検出器222が配置されている。
検査室103内には、少なくともXYZ方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、チップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105に配置される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。マルチ検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、フィルタ関数演算回路113、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、画像補正回路129、エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130、磁気ディスク装置等の記憶装置109,111、モニタ117、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146,148に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。DACアンプ148は、偏向器218に接続される。
また、チップパターンメモリ123は、比較回路108とフィルタ関数演算回路113に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。さらに、駆動機構142では、例えば、ピエゾ素子等を用いて、Z方向(高さ方向)にステージ105を移動可能に制御している。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。ステージ座標系は、例えば、マルチ1次電子ビームの光軸(電子軌道中心軸)に直交する面に対して、X方向、Y方向、θ方向が設定される。
電磁レンズ202、電磁レンズ205、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、電磁レンズ224、電磁レンズ226、及びビームセパレーター214は、レンズ制御回路124により制御される。また、一括ブランキング偏向器212は、2極以上の電極により構成され、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。偏向器218は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ148を介して偏向制御回路128により制御される。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状の横(x方向)m列×縦(y方向)n段(m,nは2以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向に所定の配列ピッチで形成されている。図2の例では、23×23の穴(開口部)22が形成されている場合を示している。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、横縦(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、横縦(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、横縦が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
次に、検査装置100における画像取得機構150の動作について説明する。
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202によって屈折させられ、成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、図2に示すように、複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、マルチ1次電子ビーム20が形成される。
形成されたマルチ1次電子ビーム20は、電磁レンズ205、及び電磁レンズ206によってそれぞれ屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを繰り返しながら、マルチ1次電子ビーム20の各ビームのクロスオーバー位置に配置されたビームセパレーター214を通過して電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。そして、電磁レンズ207は、マルチ1次電子ビーム20を基板101にフォーカス(合焦)する。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされた(合焦された)マルチ1次電子ビーム20は、主偏向器208及び副偏向器209によって一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。なお、一括ブランキング偏向器212によって、マルチ1次電子ビーム20全体が一括して偏向された場合には、制限アパーチャ基板213の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板213によって遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチ1次電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ基板213の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板213は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチ1次電子ビーム20を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板213を通過したビーム群により、検査用(画像取得用)のマルチ1次電子ビーム20が形成される。
基板101の所望する位置にマルチ1次電子ビーム20が照射されると、かかるマルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチ1次電子ビーム20(マルチ1次電子ビーム)の各ビームに対応する、反射電子を含む2次電子の束(マルチ2次電子ビーム300)が放出される。
基板101から放出されたマルチ2次電子ビーム300は、電磁レンズ207を通って、ビームセパレーター214に進む。
ここで、ビームセパレーター2140はマルチ1次電子ビーム20の中心ビームが進む方向(電子軌道中心軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。そのため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。ビームセパレーター214に上側から侵入してくるマルチ1次電子ビーム20には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチ1次電子ビーム20は下方に直進する。これに対して、ビームセパレーター214に下側から侵入してくるマルチ2次電子ビーム300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子ビーム300は斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20から分離する。
斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20から分離したマルチ2次電子ビーム300は、偏向器218によって、さらに曲げられ、電磁レンズ224,226によって、屈折させられながらマルチ検出器222に投影される。マルチ検出器222は、投影されたマルチ2次電子ビーム300を検出する。マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子が投影されても良い。マルチ検出器222は、例えば図示しない2次元センサを有する。そして、マルチ2次電子ビーム300の各2次電子が2次元センサのそれぞれ対応する領域に衝突して、電子を発生し、2次電子画像データを画素毎に生成する。マルチ検出器222にて検出された強度信号は、検出回路106に出力される。
図3は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。図3において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。各チップ332の領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域32毎に実施される。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数のマスクダイ33に分割される。実施の形態1では、かかるマスクダイ33が単位検査領域となる。対象となるマスクダイ33へのビームの移動は、主偏向器208によるマルチビーム20全体での一括偏向によって行われる。
図4は、実施の形態1におけるマルチビームのスキャン動作を説明するための図である。図4の例では、5×5列のマルチ1次電子ビーム20の場合を示している。1回のマルチ1次電子ビーム20の照射で照射可能な照射領域34は、(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じたx方向サイズ)×(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じたy方向サイズ)で定義される。各ストライプ領域32の幅は、照射領域34のy方向サイズと同様、或いはスキャンマージン分狭くしたサイズに設定すると好適である。図3及び図4の例では、照射領域34がマスクダイ33と同じサイズの場合を示している。但し、これに限るものではない。照射領域34がマスクダイ33よりも小さくても良い。或いは大きくても構わない。そして、マルチ1次電子ビーム20の各ビームは、自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。マルチ1次電子ビーム20を構成する各ビームは、互いに異なるいずれかのサブ照射領域29を担当することになる。そして、各ショット時に、各ビームは、担当サブ照射領域29内の同じ位置を照射することになる。サブ照射領域29内のビームの移動は、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。かかる動作を繰り返し、1つのビームで1つのサブ照射領域29内を順に照射していく。そして、1つのサブ照射領域29のスキャンが終了したら、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が同じストライプ領域32内の隣接するサブ照射領域29へと移動する。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域32内を順に照射していく。1つのストライプ領域32のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が次のストライプ領域32へと移動する。
なお、例えばx方向に並ぶ複数のチップ332を同じグループとして、グループ毎に例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割されるようにしても好適である。そして、ストライプ領域32間の移動は、チップ332毎に限るものではなく、グループ毎に行っても好適である。
ここで、ステージ105が連続移動しながらマルチ1次電子ビーム20を基板101に照射する場合、マルチ1次電子ビーム20の照射位置がステージ105の移動に追従するように主偏向器208によって一括偏向によるトラッキング動作が行われる。そのため、マルチ2次電子ビーム300の放出位置がマルチ1次電子ビーム20の軌道中心軸に対して刻々と変化する。同様に、サブ照射領域29内をスキャンする場合に、各2次電子ビームの放出位置は、サブ照射領域29内で刻々と変化する。このように放出位置が変化した各2次電子ビームをマルチ検出器222の対応する検出領域内に照射させるように、偏向器218は、マルチ2次電子ビーム300を一括偏向する。
図5は、実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図5において、実施の形態1における検査方法は、サンプル領域設定工程(S102)と、画像取得工程(S104)と、設計画像作成工程(S106)と、フィルタ係数演算工程(S108)と、ずれデータ測定工程(S110)と、被検査画像取得工程(S202)と、参照画像作成工程(S204)と、参照画像補正工程(S206)と、位置合わせ工程(S208)と、比較工程(S210)と、いう一連の工程を実施する。
サンプル領域設定工程(S102)として、制御計算機110は、設計データから参照画像を作成するためのフィルタ関数を演算するためのサンプル領域を設定する。サンプル領域は、検査対象となる基板101の検査領域330から任意に設定される。或いは、ユーザによって、指定された領域であっても構わない。例えば、設計データに定義される図形パターンのレイアウトを参照して設定すればよい。サンプル領域として、線幅の狭い図形パターンが配置されるマスクダイ33と線幅が広い図形パターンが配置されるマスクダイ33が設定される。これらの複数のサンプル領域は、同じチップ332内の領域であっても良いし、異なる複数のチップ332に分かれていてもよい。
画像取得工程(S104)として、画像取得機構150は、設定されたサンプル領域を含むストライプ領域32をスキャンして、ストライプ領域32の画像を取得する。画像の取得は、上述したように、マルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビーム300をマルチ検出器222で検出して、かかる領域での2次電子画像を取得する。マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子が投影されても良い。画像取得機構150は、マルチ1次電子ビーム20を用いて、図形パターンが形成されたサンプル領域を含むストライプ領域32上を走査し、マルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して被検査基板101から放出される、マルチ2次電子ビーム300を検出する。マルチ検出器222によって検出された2次電子の検出データ(測定画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。このようにして、画像取得機構150は、サンプル領域を含むストライプ領域32上に形成されたパターンの測定画像を取得する。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、フィルタ関数演算回路113に転送される。
設計画像作成工程(S106)として、参照画像作成回路112は、複数の図形パターン(チップパターン)を形成する基になった設計データ、或いは基板101に形成されたチップパターンの露光イメージデータに定義された設計パターンデータに基づいて、設定されたサンプル領域の画像展開を行って設計画像(展開画像)を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換(展開)する。
ここで、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。作成されたサンプル領域の設計画像のデータは、フィルタ関数演算回路113に出力される。或いは、参照画像作成回路112ではなく、フィルタ関数演算回路113内でサンプル領域の設計画像を作成しても好適である。
フィルタ係数演算工程(S108)として、フィルタ関数演算回路113は、マルチ1次電子ビーム20の代表ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせて、設計画像作成工程(S106)において作成された設計画像を用いてサンプル領域の測定画像(2次電子画像)に対応する参照画像を作成するためのフィルタ関数Fの係数a,b,・・・を演算する。代表ビームとして、例えば、マルチ1次電子ビーム20の中心ビームを用いると好適である。但し、これに限るものではない。中心ビーム以外のビームを代表ビームに設定しても構わない。測定画像としての2次電子画像データは、電子光学系によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データにもフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。参照画像を作成するためのフィルタ関数は、マルチ1次電子ビーム20の中心ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせていれば、特段、新しい関数を用いる必要は無く、従来と同様の関数を用いれば良い。以下、フィルタ関数Fの一例を説明する。
図6は、実施の形態1におけるサンプル領域の測定画像の一例を示す図である。図6の例では、5×5列のマルチ1次電子ビーム20を照射して得られるサンプル領域として設定されたマスクダイ33の2次電子画像の一例を示している。実施の形態1では、かかるフィルタ処理を施すためのフィルタ関数をマルチ1次電子ビーム20の代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られた2次電子像に合わせ込む。そして、その他のビームの照射によって得られた2次電子像に対して施すフィルタ処理についても同様の係数を用いる。これにより、マルチビームの個別ビーム毎にフィルタ係数の演算を行う場合に比べて演算処理を大幅に簡略化できる。そのため、フィルタ関数演算回路113は、かかるサンプル領域のマスクダイ33の2次電子画像のうち、中心ビームの照射によって得られた画像領域10の2次電子像データを読み込む。図6の例では、中心ビームの照射によって得られた画像領域10内には、y方向に延びるx方向に線幅の狭い図形パターン12(ラインパターン)と、x,y方向に線幅の広い図形パターン14(矩形パターン)と、x方向に延びるy方向に線幅の狭い図形パターン16(ラインパターン)とが、示されている。図形パターンのエッジは、x方向のエッジと、y方向のエッジとが存在するため、それぞれのエッジ形状に合わせるための演算が必要となる。1つのサンプル領域内に、y方向に延びるx方向に線幅の狭い図形パターン12(ラインパターン)と、x,y方向に線幅の広い図形パターン14(矩形パターン)と、x方向に延びるy方向に線幅の狭い図形パターン16(ラインパターン)とが、配置されていない場合には、複数のサンプル領域からこれらのデータを取得すればよい。
図7は、実施の形態1における設計画像のエッジ波形と測定画像のエッジ波形とフィルタ関数のモデルとの一例を示す図である。図7(a)の例に示すように、x方向に線幅の狭い図形パターン12の設計画像Lgのエッジ波形は、デジタル状に垂直に立ち上がり、頂部で直角に曲がり線幅分だけ水平となり、再度、垂直に立ち下がる直線によって形成される。一方、x方向に線幅の狭い図形パターン12の測定画像G1’は、斜めに立ち上がり、頂部で大きな曲率で曲がった後、斜めに立ち下がる連続的な曲線によって形成される。また、図7(b)の例に示すように、線幅の広い図形パターン14の設計画像Lのエッジ波形も、線幅の狭い図形パターン12と同様、デジタル状に垂直に立ち上がり、頂部で直角に曲がり線幅分だけ水平となり、再度、垂直に立ち下がる直線によって形成される。一方、線幅の広い図形パターン14の測定画像G2’は、斜めに立ち上がり、頂部で小さな曲率で曲がった後、緩やかに一旦斜めに立ち下がる連続的な曲線によって形成される。例えば、x方向に線幅の狭い図形パターン12では、図7(a)の例に示すように、x方向に線幅の狭い図形パターン12の設計画像Lgを微分して得られた微分画像Ldifの絶対値をとったエッジ画像Legdeと図7(c)に示すように幅が狭くなることを予定した分布関数G1(x)とを畳み込み積分演算した結果に係数C1を乗じた結果がx方向に線幅の狭い図形パターン12の測定画像G1’に合うように近似した分布関数G1(x)をフィルタ関数Fにすると好適である。また、例えば、x方向に線幅の広い図形パターン14の左エッジでは、図7(b)の例に示すように、図形パターン12の設計画像Lgを微分して得られた微分画像Ldifの絶対値をとったエッジ画像Legdeと図7(c)に示すように幅の狭い分布関数G1(x)とを畳み込み積分演算して係数C1を乗じた項と、図形パターン12の設計画像Lgを微分して得られた微分画像Ldifの絶対値をとったエッジ画像Legdeと図7(d)に示すように幅が広くなることを予定した分布関数G2(x)とを畳み込み積分演算した結果に係数C2を乗じた結果が、図形パターン12が存在する範囲、つまりLg>0の時に有効となるとした項との最大値を、x方向に線幅の広い図形パターン14の測定画像G2’(左エッジ部の測定画像G2L’)に合うように近似した分布関数G1(x)、G2(x)の組合せ関数をフィルタ関数Fにすると好適である。なお、x方向に線幅の狭い図形パターン12についても、線幅の広い図形パターン14と同様に分布関数G1(x)と分布関数G2(x)を用いて同じ方法で計算してもよい。これは、線幅の狭い図形パターン12の左エッジでは、Lgの幅が狭い為、分布関数G2(x)で生成される信号成分が限定されるため、分布関数G2(x)の成分を含んで求めても、線幅の狭い図形パターン12のフィルタ関数と実質的に同じになる為である。よって、マルチ1次電子ビーム20の中心ビームの照射によって得られた2次電子像を使って、分布関数G1(x)、G2(x)の組合せ関数の係数を演算により求めることで、参照画像を作成するためのフィルタ関数Fの係数a,b,・・・を得ることができる。取得されたフィルタ関数Fの係数a,b,・・・は、参照画像作成回路112に出力され、記憶される。
エッジ部の傾きのずれデータ測定工程(S110)として、エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130は、検査対象となる基板101の複数の図形パターンの2次電子画像を用いて、代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれを測定する。
図8は、実施の形態1における中心ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他の周辺ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれを説明するための図である。取得されたサンプル領域となるマスクダイ33の測定画像には、図8(a)に示すように、マルチ1次電子ビーム20の各ビームの照射によってそれぞれ撮像された画像領域10が存在する。実施の形態1では、図8(b)に示すように、中心ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部のピーク強度Pと裾引き量Wと、その他の周辺ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部のピーク強度P’と裾引き量W’とを比較する。ピーク強度は、エッジ波形の立ち上がり前の位置からピーク位置までの強度で定義される。裾引き量は、例えば、エッジ波形の立ち上がり開始位置からピーク位置までの幅で定義される。或いは、ピーク位置の予め設定された割合の位置(ピーク位置に対して例えば20%の位置)からピーク位置(100%)までの幅で定義しても好適である。
比較する対象は、幅が狭い図形パターン同士を用いると好適である。但し、これに限るものではない。比較するのはエッジ部なので、幅が広い図形パターン同士のエッジ部、或いは幅が広い図形パターンのエッジ部と幅が狭い図形パターンのエッジ部とを比較する場合でも構わない。中心ビーム以外の各周辺ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部のピーク強度P’から中心ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部のピーク強度Pを差し引いたずれ量ΔPを演算する。同様に、中心ビーム以外の各周辺ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部の裾引き量W’から中心ビームの照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部の裾引き量Wを差し引いたずれ量ΔWを演算する。ずれ量ΔP、ΔWは、x方向のエッジとy方向のエッジとについてそれぞれ演算する。画像領域10内に複数の図形パターンが存在する場合には、代表パターン同士を比較する。或いは、全パターンを使って比較した結果の平均値として求めても良い。
エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130は、演算されたずれ量ΔP、ΔWを定義したエッジ部の傾きのずれデータマップを作成する。実施の形態1では、検査対象となる基板101の複数の図形パターンの2次電子画像を用いて、代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報がエッジ部の傾きのずれデータマップとして取得(作成)される。
図9は、実施の形態1におけるエッジ部の傾きのずれデータマップの一例を説明するための図である。図9において、エッジ部の傾きのずれデータマップでは、マルチ1次電子ビーム20のビーム毎に、エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWをエッジ部の傾きのずれデータマップ値として定義すると好適である。中心ビーム(座標0,0)では、エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWが共にゼロになる。その他の周辺ビーム(座標x,y)では、エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWがそれぞれ演算されたエッジ部の傾きのずれデータマップ値となる。作成されたエッジ部の傾きのずれデータマップは、記憶装置111に格納される。
以上の前処理が終了した段階で、実際の検査処理を実施する。
被検査画像取得工程(S202)として、画像取得機構150(2次電子画像取得機構)は、複数の図形パターンが形成された基板101にマルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビーム300を検出して、複数の図形パターンの2次電子画像を取得する。上述したように、マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子が投影されても良い。具体的には、以下のように動作する。上述したように、画像取得機構150は、ストライプ領域32をスキャンして、ストライプ領域32の画像を取得する。画像の取得は、上述したように、マルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビーム300をマルチ検出器222で検出する。マルチ検出器222によって検出された2次電子の検出データ(測定画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。このようにして、画像取得機構150は、各ストライプ領域32上に形成されたパターンの測定画像を取得する。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
参照画像作成工程(S204)として、参照画像作成回路112(参照画像作成部)は、基板101に形成された複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、マルチ1次電子ビーム20の代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる像生成特性に合わせて、2次電子画像に対応する参照画像を作成する。参照画像作成回路112は、フレーム領域毎に、参照画像を作成する。フレーム領域として、例えばマスクダイ33を用いると好適である。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。
上述したように、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、演算された係数を適用したフィルタ関数Fを使ってフィルタ処理を施す。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データをマルチ1次電子ビーム20の代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる像生成特性に合わせることができる。作成された参照画像の画像データは画像補正回路129に出力される。
参照画像補正工程(S206)として、画像補正回路129(補正部)は、マルチ1次電子ビーム20の代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとマルチ1次電子ビーム20のその他の周辺ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報に基づいて、参照画像内のその他の周辺ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正した補正参照画像を作成する。
図10は、実施の形態1における参照画像の一例を示す図である。図10(a)に示す矩形の波形を持った設計画像は、フィルタ関数Fを使ってフィルタ処理を施すことで、図10(b)に示すように、なだらかな曲線の波形を持った参照画像に変換される。しかし、かかる参照画像は、マルチ1次電子ビーム20の代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる像生成特性に合わせて作成される。そのため、マルチ1次電子ビーム20の代表ビーム以外のその他のビームの照射によって得られる像とは、ずれが生じてしまう。そこで、画像補正回路129は、記憶装置111からエッジ部の傾きのずれデータマップを読み出し、画像領域10毎に、画像領域10に適用された1次電子ビームの照射によって得られる像生成特性に沿って参照画像データを補正する。具体的には、画像補正回路129は、エッジ部のピーク強度と裾引き量とを用いて、参照画像内の代表ビーム以外のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正する。エッジ部の傾きのずれデータマップには、マルチ1次電子ビーム20のビーム毎に、エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWがマップ値として定義されている。そこで、画像補正回路129は、画像領域10毎に、使用した1次電子ビームに定義されるエッジ部の傾きのずれ量ΔPを参照画像の図形パターンのエッジ部のピーク強度P’に加算する。同様に、画像補正回路129は、画像領域10毎に、使用した1次電子ビームに定義されるエッジ部の傾きのずれ量ΔWを参照画像の図形パターンのエッジ部の裾引き量W’に加算する。そして、図10(c)に示すように、エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWが加算されたピーク強度と裾引き量の波形となるように、画像補正回路129は、参照画像データを補正することにより補正参照画像を作成する。作成された補正参照画像の画像データは比較回路108に出力される。
ここで、上述した例では、エッジ部のずれデータを検査対象の基板101のサンプル領域から取得する場合を説明したが、これに限るものではない。複数の校正用パターンが形成された校正基板にマルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して校正基板から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビーム300を検出して取得される複数の校正用パターンの2次電子画像を用いて、代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他の周辺ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報を取得しても好適である。
図11は、実施の形態1の変形例における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図11において、エッジ部の傾きのずれデータ測定工程(S110)の代わりに、校正パターン画像取得工程(S120)とエッジ部の傾きのずれデータ測定工程(S122)とを実施する点以外は、図5と同様である。
サンプル領域設定工程(S102)からフィルタ係数演算工程(S108)までの各工程に先立って、校正パターン画像取得工程(S120)とエッジ部の傾きのずれデータ測定工程(S122)とを実施する。但し、これに限るものではない。サンプル領域設定工程(S102)からフィルタ係数演算工程(S108)までの各工程の後に実施しても構わない。或いは、並行して実施しても構わない。但し、並行して実施する場合、画像取得工程(S104)と校正パターン画像取得工程(S120)とを同時に実施しないことは言うまでもない。
校正パターン画像取得工程(S120)として、画像取得機構150は、ステージ105上に複数の校正用パターンが形成された校正基板を配置する。そして、画像取得機構150は、校正基板上のストライプ領域32をスキャンして、ストライプ領域32の画像を取得する。画像の取得は、上述したように、マルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビーム300をマルチ検出器222で検出して、かかる領域での2次電子画像を取得する。上述したように、マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子が投影されても良い。
図12は、実施の形態1の変形例における校正基板の一例を示す図である。図12において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の校正基板300が用いられる。校正基板300上には、チップ(ウェハダイ)332が配置される。チップ332の領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割される。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数のマスクダイ33に分割される。マスクダイ33は、マルチ1次電子ビーム20の各ビームが照射するサブ照射領域29(図12には図示しないが、図4に示したサブ照射領域29と同じ)に合わせた画像領域10に分割される。図12の例では、例えば、5×5本のマルチ1次電子ビーム20が照射される場合を示している。各画像領域10には、x方向にエッジを有する例えば線幅の細いラインパターン11とy方向にエッジを有する例えば線幅の細いラインパターン15とがそれぞれ校正用パターンとして形成されている。校正用パターンとして、線幅の広いラインパターンを用いても構わない。或いは、ラインパターンではなく、x,y方向にエッジを有する矩形パターンを配置しても構わない。画像取得機構150は、マルチ1次電子ビーム20を用いて、これらの校正用パターンが形成されたストライプ領域32上を走査し、マルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して被検査基板101から放出される、マルチ2次電子ビーム300をマルチ検出器222で検出する。マルチ検出器222によって検出された2次電子の検出データ(測定画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。このようにして、画像取得機構150は、ストライプ領域32上に形成された複数の校正用パターンの測定画像を取得する。そして、得られた校正用パターンの測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、フィルタ関数演算回路113に転送される。
エッジ部の傾きのずれデータ測定工程(S122)として、エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130は、校正基板300の複数の校正用パターンの2次電子画像を用いて、代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれを測定する。上述したように、ここでは、代表ビーム(例えば中心ビーム)の照射によって得られた画像領域10内の校正用パターンのエッジ部のピーク強度Pと裾引き量Wと、その他のビーム(例えば周辺ビーム)の照射によって得られた画像領域10内の校正用パターンのエッジ部のピーク強度P’と裾引き量W’とを比較する。そして、エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130は、代表ビーム(中心ビーム)以外の各ビームの照射によって得られた画像領域10内の校正用パターンのエッジ部のピーク強度P’から代表ビーム(中心ビーム)の照射によって得られた画像領域10内の図形パターンのエッジ部のピーク強度Pを差し引いたエッジ部の傾きのずれ量ΔPを演算する。同様に、代表ビーム(中心ビーム)以外の各ビームの照射によって得られた画像領域10内の校正用パターンのエッジ部の裾引き量W’から代表ビーム(中心ビーム)の照射によって得られた画像領域10内の校正用パターンのエッジ部の裾引き量Wを差し引いたエッジ部の傾きのずれ量ΔWを演算する。エッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWは、x方向のエッジとy方向のエッジとについてそれぞれ演算する。そして、エッジ部の傾きのずれデータ測定回路130は、演算されたエッジ部の傾きのずれ量ΔP、ΔWを定義したエッジ部の傾きのずれデータマップ(ずれ情報)を作成する。作成されたエッジ部の傾きのずれデータマップは記憶装置111に格納される。以降、参照画像補正工程(S206)までの各工程の内容は、上述した内容と同様である。
以上のように、校正基板300からビーム間のエッジ部の傾きのずれデータを取得しても好適である。
図13は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。図13において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置52,56、位置合わせ部57、及び比較部58が配置される。位置合わせ部57、及び比較部58といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。位置合わせ部57、及び比較部58内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
比較回路108内では、転送されたパターン画像データ(2次電子画像データ)が、マスクダイ33毎のマスクダイ画像として記憶装置56に一時的に格納される。また、転送された補正参照画像データが、記憶装置52に一時的に格納される。
位置合わせ工程(S208)として、位置合わせ部57は、被検査画像となるマスクダイ画像と、当該マスクダイ画像に対応する補正参照画像とを読み出し、画素より小さいサブ画素単位で、両画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。画素サイズとして、例えば、マルチ1次電子ビーム20の各ビームサイズと同程度のサイズの領域に設定されると好適である。よって、各ビームによってスキャンされるサブ照射領域29は、n×n画素によって構成される。例えば、16×16画素で構成される。
比較工程(S210)として、比較部58は、マスクダイ画像(2次電子画像)と補正参照画像とを比較する。比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
以上のように、実施の形態1によれば、ビーム間の電子線画像の特性の差があっても、各ビームの電子線画像の特性に合った参照画像を作成でき、電子線画像の検査感度のばらつきが抑制できる。
さらに、実施の形態1によれば、マルチビーム検査において、従来に比べて簡易にビーム間の特性差に適合させた参照画像を作成できる。
以上の説明において、一連の「~回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、フィルタ関数演算回路113、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、画像補正回路129、及びずれデータ測定回路130は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。図1の例では、1つの照射源となる電子銃201から照射された1本のビームから成形アパーチャアレイ基板203によりマルチ1次電子ビーム20を形成する場合を示しているが、これに限るものではない。複数の照射源からそれぞれ1次電子ビームを照射することによってマルチ1次電子ビーム20を形成する態様であっても構わない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ電子ビーム検査装置及びマルチ電子ビーム検査方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
29 サブ照射領域
32 ストライプ領域
33 マスクダイ
34 照射領域
52,56 記憶装置
57 位置合わせ部
58 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109,111 記憶装置
110 制御計算機
112 参照画像作成回路
113 フィルタ関数演算回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
120 バス
121 静電レンズ制御回路
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
129 画像補正回路
130 エッジ部の傾きのずれデータ測定回路
142 駆動機構
144,146,148 DACアンプ
150 画像取得機構
160 制御系回路
201 電子銃
202 電磁レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205,206,207,224,226 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 一括ブランキング偏向器
213 制限アパーチャ基板
214 ビームセパレーター
216 ミラー
218 偏向器
222 マルチ検出器
300 マルチ2次電子ビーム
330 検査領域
332 チップ

Claims (5)

  1. 複数の図形パターンが形成された基板にマルチ1次電子ビームを照射して、前記マルチ1次電子ビームの照射に起因して前記基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して、前記複数の図形パターンの2次電子画像を取得する2次電子画像取得機構と、
    前記複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、前記マルチ1次電子ビームの代表ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせて、前記2次電子画像に対応する参照画像を作成する参照画像作成部と、
    前記マルチ1次電子ビームの代表ビームを前記基板と複数の校正用パターンが形成された校正基板とのうち一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンと前記マルチ1次電子ビームのその他のビームを前記基板と前記校正基板とのうち前記一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報に基づいて、前記参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正した補正参照画像を作成する補正部と、
    前記複数の図形パターンの前記2次電子画像と前記補正参照画像とを比較する比較部と、
    を備えたことを特徴とするマルチ電子ビーム検査装置。
  2. 前記補正部は、前記エッジ部のピーク強度と裾引き量とを用いて、前記参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正することを特徴とする請求項1記載のマルチ電子ビーム検査装置。
  3. 複数の校正用パターンが形成された校正基板にマルチ1次電子ビームを照射して、前記マルチ1次電子ビームの照射に起因して前記校正基板から放出される反射電子を含むマルチ2次電子ビームを検出して取得される前記複数の校正用パターンの2次電子画像を用いて、前記代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンと前記その他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きの前記ずれ情報が取得されることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ電子ビーム検査装置。
  4. 検査対象となる前記基板の前記複数の図形パターンの前記2次電子画像を用いて、前記代表ビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンと前記その他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きの前記ずれ情報が取得されることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ電子ビーム検査装置。
  5. 複数の図形パターンが形成された基板にマルチ1次電子ビームを照射して、前記マルチ1次電子ビームの照射に起因して前記基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して、前記複数の図形パターンの2次電子画像を取得する工程と、
    前記複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、前記マルチ1次電子ビームの代表ビームの照射によって得られる像生成特性に合わせて、前記2次電子画像に対応する参照画像を作成する工程と、
    前記マルチ1次電子ビームの代表ビームを前記基板と複数の校正用パターンが形成された校正基板とのうち一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンと前記マルチ1次電子ビームのその他のビームを前記基板と前記校正基板とのうち前記一方に照射して得られる2次電子画像の図形パターンとの間でのエッジ部の傾きのずれ情報に基づいて、前記参照画像内のその他のビームの照射によって得られる2次電子画像の図形パターンのエッジ形状を補正した補正参照画像を作成する工程と、
    前記複数の図形パターンの前記2次電子画像と前記補正参照画像とを比較する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ電子ビーム検査方法。
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