JP7170231B2 - 生体貼付用膜、積層体、及び美容方法 - Google Patents

生体貼付用膜、積層体、及び美容方法 Download PDF

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Description

本開示は、生体貼付用膜、積層体、及び美容方法に関する。
従来、皮膚等の生体組織に貼付される生体貼付用膜が知られている。
例えば、特許文献1には、顔料等の色材が多量に配合されている、ファンデーション等の化粧料が衣服等に付着しない、いわゆる二次付着レス効果に優れる美容方法が記載され、この美容方法に用いられる薄膜も記載されている。この薄膜は、基材膜と支持体とからなり、基材膜は10~500nmの厚みを有している。特許文献1に記載の美容方法において、基材膜が皮膚に貼付され、貼付された薄膜の支持体が除去される。基材膜の材料は、ポリ乳酸等の材料である。基材膜には、ヒアルロン酸等の成分が担持されている。
特許文献2には、所定の化粧方法に用いられ、皮膚上に適用される、自立性美容シートが記載されている。この自立性美容シートは、少なくとも1つの生体適合性及び/又は生
分解性の疎水性ポリマー層を含む。生体適合性及び/又は生分解性のポリマーは、例えば
、非架橋ポリ乳酸等の非架橋ポリマーである。疎水性ポリマー層は、例えば、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーを含む。
国際公開第2014/058060号公報 特表2015-512863号公報
特許文献1及び2に記載の技術において、再生セルロースを含む生体貼付用膜の生体組織への密着性については何ら検討されていない。そこで、本開示は、再生セルロースを含むとともに、生体組織に対し高い密着性を有する、生体貼付用膜を提供する。
本開示は、
再生セルロースと、前記再生セルロースに付着している粘着成分とを含み、
20~6500nmの厚みを有する自己支持型であり、
前記粘着成分は、ポリアミノ酸を含有している、
生体貼付用膜を提供する。
開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書及び図面から明らかになる。効果及び/又は利点は、明細書及び図面に開示された様々な実施形態又は特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
上記の生体貼付用膜は、再生セルロースを含みつつ、生体組織に対し高い密着性を有する。
図1Aは、本開示の積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図1Bは、本開示の生体貼付用膜における再生セルロースと粘着成分との位置関係の一例を模式的に示す断面図である。 図2Aは、本開示の生体貼付用膜の使用方法を示す図である。 図2Bは、本開示の生体貼付用膜の使用方法を示す図である。 図2Cは、本開示の生体貼付用膜の使用方法を示す図である。 図3は、本開示の積層体の別の一例を模式的に示す断面図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らは、従来実現されていなかった、再生セルロースで構成された、数μm以下の厚みの自己支持型の生体貼付用膜を開発した。本発明者らは、この生体貼付用膜についてさらに検討を重ねたところ、生体組織への密着性の観点から改良の余地があることを突き止めた。そこで、本発明者らは、生体貼付用膜の生体組織への密着性を高めるために、多大な試行錯誤を繰り返した。その結果、生体貼付用膜において再生セルロースに所定の粘着成分を付着させることによって、生体貼付用膜の生体組織への密着性が高まることを新たに見出した。本発明者らは、この新たな知見に基づいて本開示に係る生体貼付用膜を案出した。
本開示に係る態様の概要は、以下の通りである。
(項目1)
再生セルロースと、前記再生セルロースに付着している粘着成分とを含み、
20~6500nmの厚みを有する自己支持型であり、
前記粘着成分は、ポリアミノ酸を含有している、
生体貼付用膜。
(項目2)
前記再生セルロースは、30,000以上の重量平均分子量を有する、項目1に記載の生体貼付用膜。
(項目3)
前記ポリアミノ酸は、繰り返し構造単位において、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、グアニジノ基、及びカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する、項目1又は2に記載の生体貼付用膜。
(項目4)
前記粘着成分は、ポリグルタミン酸、ポリチロシン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1つ又は複数のポリアミノ酸を含有している、項目1~3のいずれか1つに記載の生体貼付用膜。
(項目5)
前記粘着成分の少なくとも一部は、当該生体貼付用膜の表面に存在している、項目1~4のいずれか1つに記載の生体貼付用膜。
(項目6)
前記粘着成分の少なくとも一部は、厚み方向において、当該生体貼付用膜の表面から前記再生セルロースの間に連続的に存在している、項目1~5のいずれか1つに記載の生体貼付用膜。
(項目7)
当該生体貼付用膜における前記粘着成分の含有量が0.05~50重量%である、項目1~6のいずれか1つに記載の生体貼付用膜。
(項目8)
前記ポリアミノ酸は、10,000以上の重量平均分子量を有する、項目1~7のいずれか1つに記載の生体貼付用膜。
(項目9)
項目1~8のいずれか1つに記載の生体貼付用膜と、
前記生体貼付用膜の第一主面上に配置され、前記第一主面から取り外し可能な第一保護層と、を備えた、
積層体。
(項目10)
前記生体貼付用膜において前記第一主面の反対側に位置する第二主面上に配置された第二保護層をさらに備えた、項目9に記載の積層体。
(項目11)
生体貼付用膜を貼り付ける美容方法であって、
前記生体貼付用膜は、再生セルロースと、前記再生セルロースに付着しているポリアミノ酸を含有している粘着成分とを含み、かつ、20~6500nmの厚みを有する自己支持型であり、
水を含有する装着剤を生体組織及び前記生体貼付用膜に付着させて、前記生体組織に前記生体貼付用膜を貼り付ける、
美容方法。
(実施形態)
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は例示に過ぎず、本開示の生体貼付用膜は以下の実施形態に限定されない。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序などの事項は、一例であり、本開示を限定する主旨で記載されたものではない。以下の種々の実施形態は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、必須の構成要素と理解されるべきではない。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
図1Aに示す生体貼付用膜10は、再生セルロースと、粘着成分とを含んでいる。粘着成分は、再生セルロースに付着している。再生セルロースは、典型的には、生体貼付用膜10の骨格(基材)を形成する。生体貼付用膜10は、20~6500nmの厚みを有する自己支持型の膜である。本明細書において、「自己支持型の膜」とは、支持体なしに膜の形態を維持できる膜を意味する。例えば、指又はピンセットを用いて自己支持型の膜の一部をつまんで自己支持型の膜を持ち上げたときに、自己支持型の膜を破損させることなく、支持体なしに自己支持型の膜の全体を持ち上げることが可能である。粘着成分は、ポリアミノ酸を含有している。
再生セルロースは、その繰り返し構造にヒドロキシル基を豊富に含む。このため、粘着成分に含まれるポリアミノ酸と再生セルロースとが水素結合により互いに引き合うように
相互作用すると考えられる。このため、生体貼付用膜10において、粘着成分がセルロースに適切に付着する。なお、特許文献1に記載のポリ乳酸でできた基材膜に対しては、ポリアミノ酸を粘着成分として用いることは困難であると考えられる。なぜなら、ポリ乳酸の繰り返し構造には水素結合を形成可能な官能基がなく、ポリ乳酸は疎水性を示すからである。親水性のポリアミノ酸と疎水性のポリ乳酸とは相互作用しにくく、ポリ乳酸の基材膜における粘着成分としてポリアミノ酸は適切でないと考えられる。
皮膚等の生体組織の最表面は、ケラチン等のタンパク質で主に構成されている。タンパク質はアミド結合で構成されている。このため、生体貼付用膜10を生体組織に貼り付けたときに、ポリアミノ酸のアミド結合と、タンパク質のアミド結合との間に水素結合が形成され、生体貼付用膜10が生体組織に対し高い密着性を発揮できる。
粘着成分は、ポリアミノ酸を含有しており、生体適合性を有する。生体適合性とは、生体組織と接触させたときに蒸れ及び気触れ等の生体に有害な現象を発生させにくい特性を意味する。
ポリアミノ酸は、例えば、アミノ酸のホモポリマーである。この場合、ポリアミノ酸において、電荷及び親水性又は疎水性等の影響から分子内相互作用が少なくなりやすい。このため、ポリアミノ酸において、様々なアミノ酸が配列したタンパク質又はペプチドと比べて、フォールディングが生じにくく、均一な構造をとりやすい。これにより、ポリアミノ酸において、相互作用可能な箇所が外部に現れやすく、生体組織又は再生セルロースと相互作用しやすい。その結果、生体貼付用膜10の生体組織への密着性がより確実に高まる。
ポリアミノ酸は、典型的には、水溶性である。この場合、水溶液等を用いて生体貼付用膜10を容易に生体組織から剥離でき、生体貼付用膜10が生体に残存しにくい。なお、仮に、生体貼付用膜10が生体に残存しても、生体貼付用膜10は、生体適合性を有するので、生体において問題を生じさせにくい。
ポリアミノ酸を形成するアミノ酸は、L体、D体、又はラセミ体でありうる。ポリアミノ酸を形成するアミノ酸は、望ましくはL体である。生体には、主にL体のアミノ酸が存在する。このため、仮に、何らかの理由で、ポリアミノ酸が経皮吸収されアミノ酸等の化合物に分解された場合に、粘着成分に含まれるポリアミノ酸がL体であれば、生体貼付用膜10がより安全である。
ポリアミノ酸は、例えば、繰り返し構造単位において、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、グアニジノ基、及びカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する。この場合、これらの官能基によって、生体組織のケラチン等のタンパク質又は再生セルロースとポリアミノ酸との間に多くの水素結合が形成され、生体貼付用膜10の生体組織への密着性が高まる。
粘着成分は、例えば、ポリグルタミン酸、ポリチロシン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ポリセリン、ポリヒドロキシプロリン、ポリヒドロキシリシン、ポリグリシン、ポリアラニン、ポリシステイン、ポリイソロイシン、ポリロイシン、ポリメチオニン、ポリフェニルアラニン、ポリプロリン、ポリトリプトファン、ポリバリン、ポリサイロキシン、ポリホスホセリン、ポリ-β-アラニン、ポリ-γ-アミノ酪酸、ポリクレアチン、ポリシトルリン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ又は複数のポリアミノ酸を含有している。
粘着成分は、望ましくは、ポリグルタミン酸、ポリチロシン、ポリリジン、ポリアルギ
ニン、ポリオルニチン、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つ又は複数のポリアミノ酸を含有している。
本開示の生体貼付用膜10において、「粘着成分は、再生セルロースに付着している」とは、典型的には、粘着成分の少なくとも一部が生体貼付用膜10の表面に存在している状態を示す。ただし、生体貼付用膜10の表面に接するように粘着成分が存在している状態も、「粘着成分は、再生セルロースに付着している」の範囲に含まれる。また、生体貼付用膜10の装着等により粘着成分が表面に溶出可能な状態も、「粘着成分は、再生セルロースに付着している」の範囲に含まれる。例えば、生体貼付用膜10における粘着成分の一部は生体貼付用膜10の表面に存在している。このため、粘着成分が再生セルロース及び生体組織の両方と相互作用しやすく、生体貼付用膜10の生体組織への密着性がより高まる。なお、粘着成分の少なくとも一部は、望ましくは、生体貼付用膜10の厚み方向において、生体貼付用膜10の表面から再生セルロースの間に連続的に存在している。この場合、生体貼付用膜10の表面から離れた位置で粘着成分のポリアミノ酸が再生セルロースと水素結合を形成できるため有用である。
生体貼付用膜10における粘着成分は、生体貼付用膜10の厚み方向において、均一に分布していてもよい。粘着成分は、生体貼付用膜10において、特定の箇所に集中して存在していてもよい。例えば、生体貼付用膜10において、粘着成分が高濃度に存在する複数の領域が、所定の間隔で存在していてもよい。粘着成分は、生体貼付用膜10の表面において、層状に存在していてもよい。この場合、粘着成分の層は、再生セルロースによって構成された基材の全体を覆っていてもよいし、基材の一部を覆っていてもよい。
図1Bに、生体貼付用膜10における再生セルロース13と粘着成分14との位置関係の一例を示す。図1Bに示す通り、生体貼付用膜10において、粘着成分14の一部が生体貼付用膜10の表面に存在している。この場合、粘着成分14は、再生セルロース13の表面に接触していてもよい。望ましくは、粘着成分14の一部は、生体貼付用膜10の厚み方向において、再生セルロース13の内部から生体貼付用膜10の表面にかけて連続的に存在している。生体貼付用膜10において粘着成分14がなす物理的な形状は特定の立体形状に限定されない。その形状は、望ましくは、再生セルロース13と粘着成分14との接触面積ができる限り大きくなるような形状である。これにより、粘着成分14による粘着効果が高まる。粘着成分14は、生体貼付用膜10の一方の表面(主面)から他方の表面(主面)まで連続的に存在していてもよい。粘着成分14の一部は、生体貼付用膜10の表面に存在せず、再生セルロース13の内部のみに存在していてもよい。なお、再生セルロース13と粘着成分14との位置関係は、粘着成分14が再生セルロース13に付着している限り、図1Bに示す状態に限定されない。
生体貼付用膜10における粘着成分の含有量は、例えば、0.05~50重量%である。この場合、生体貼付用膜10がより確実に生体組織に対し高い密着性を発揮できる。なお、生体貼付用膜10における粘着成分の含有量が50重量%以下であると、生体貼付用膜10のべたつきが抑制され、生体貼付用膜10を生体に貼り付けやすい。
再生セルロースの質量に対する粘着成分の質量の比は、例えば、0.05~90%であり、0.05~50%でありうる。
粘着成分のポリアミノ酸は、例えば、10,000以上の重量平均分子量を有する。この場合、ポリアミノ酸の粘性が高まり、生体貼付用膜10の生体組織への密着性がより確実に高まる。ポリアミノ酸は、例えば、10,000~10,000,000の重量平均分子量を有する。ポリアミノ酸は、10,000~2,000,000の重量平均分子量を有していてもよい。ポリアミノ酸が2,000,000以下の重量平均分子量を有する
と、再生セルロースへ粘着成分を容易に付着させることができる。ポリアミノ酸の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定できる。GPC測定用のサンプルは、例えば、市販されている試薬等の溶解、市販されている美容材又は薬剤からの抽出、又は生体貼付用膜10から粘着成分であるポリアミノ酸を抽出することによって作製できる。例えば、生体貼付用膜10から粘着成分を抽出する場合、生体貼付用膜10を後述の溶液に浸漬させ、攪拌、振とう、超音波処理、又は加温等の処理によりポリアミノ酸のみを溶液に抽出できる。この溶液は、例えば、水、メタノール、エタノール、又は酢酸等の水又は水溶性の高い溶媒である。
再生セルロースにおいては分子内及び/又は分子間で水素結合が形成されやすく、生体貼付用膜10は密な構造を有しやすい。このため、天然セルロースのナノファイバー由来の膜と比較して再生セルロース由来の膜は形状を保ちやすい。さらに、セルロースは、両親媒性を示すので、親水性の有効成分及び疎水性の有効成分を適切に担持でき、生体貼付用膜10は高い汎用性を有する。
再生セルロースの原料は、特に限定されない。例えば、再生セルロースの原料は、植物由来の天然セルロース、生物由来の天然セルロース、セロハン等の再生セルロース、又はセルロースナノファイバー等の加工されたセルロースでありうる。再生セルロースの原料における不純物の濃度が10重量%以下であることが有利である。
再生セルロースは、例えば、実質的に以下の式(I)で表されるセルロースである。ここで、「実質的に式(I)で表されるセルロース」とは、式(I)で表されるセルロースにおけるグルコース残基のヒドロキシル基が90%以上残っているセルロースを意味する。式(I)で表されるセルロースにおけるグルコース残基のヒドロキシル基の数に対する、生体貼付用膜10に含まれるセルロース中のグルコース残基のヒドロキシル基の数の割合は、例えばX線光電子分光(XPS)等の公知の方法で定量できる。なお、生体貼付用膜10に含まれる再生セルロースは、場合によっては、分岐構造を含んでいてもよい。人工的に誘導体化されたセルロースは、典型的には、「実質的に式(I)で表されるセルロース」には該当しない。一方、「実質的に式(I)で表されるセルロース」からは、誘導体化を経て再生されたセルロースが排除されるわけではない。誘導体化を経て再生されたセルロースであっても、「実質的に式(I)で表されるセルロース」に該当することがある。
Figure 0007170231000001
本開示の実施形態では、生体貼付用膜10が再生セルロースで構成されている。天然セルロースのファイバーを水などに分散させた懸濁液から形成された膜の強度は、セルロースのファイバーを構成するナノファイバー間の水素結合が担う。そのため、脆いセルロース膜しか得られない。これに対し、再生セルロースで構成された膜では、ナノファイバーが分子鎖の単位までほぐされているので、再生セルロースで構成された膜の強度は、セルロース分子鎖間の水素結合が担うことになる。すなわち、再生セルロースで構成された膜
では、ナノファイバーよりも小さい単位同士の水素結合が均一に形成される。そのため、天然セルロースのファイバーを水などに分散させた懸濁液から膜を形成した場合と比較して、脆さを抑制して、適度な柔軟性を有し、かつ、破れにくいセルロース膜を提供することができる。ここで、「ナノファイバー」は、「ナノフィブリル(又はマイクロフィブリル)」とも呼ばれ、セルロース分子が集合した最も基本となる単位であり、約4nmから約100nm程度の幅を有し、例えば約1μm以上の長さを有する。
本明細書において、「再生セルロース」は、天然セルロースに特有の結晶構造Iを持たないセルロースを意味する。セルロースの結晶構造は、XRDパターンによって確認することが可能である。天然セルロースはCuKα線を用いたXRDパターンにおいて、結晶構造Iに特有の、14-17°及び23°付近のピークが現れるが、再生セルロースは、結晶構造IIであることが多く、12°、20°、及び22°付近にピークを有し、14-17°及び23°付近のピークを有しない。
例えば、生体貼付用膜10に含まれる再生セルロースの質量基準で90%以上が、化学修飾及び誘導体化がなされていない再生セルロースである。望ましくは、生体貼付用膜10に含まれる再生セルロースの質量基準で98%以上が、化学修飾又は誘導体化がなされていない再生セルロースでありうる。この場合、生体貼付用膜10には、化学修飾及び誘導体化がなされていないセルロースが多く含まれ、セルロースの1分子鎖あたりにより多くの水酸基が含まれると考えられる。このため、セルロースの分子間により多くの水素結合が形成され、生体貼付用膜10が高い強度を有しやすいと考えられる。生体貼付用膜10に含まれる再生セルロースは、未架橋であってもよい。
生体貼付用膜10に含まれるセルロースは、例えば、0~12%の結晶化度を有する。この場合、結晶構造の形成に関わる水酸基の量が適度に少なく、生体貼付用膜10の生体への密着性が高くなりやすい。なお、水酸基が存在すべきサイトにおいて所定の化学修飾がなされることにより、生体貼付用膜10が様々な機能を発現しうる。
生体貼付用膜10に含まれるセルロースの結晶化度は、例えば、Park et al. "Cellulose crystallinity index: measurement techniques and their impact on interpreting cellulase performance" Biotechnology for Biofuels 2010, 3 10に報告されている13C-NMRを利用した手法によって決定できる。この手法によれば、固体13C-NMR測定により取得されたスペクトルにおける、87~93ppm付近のピークを結晶構造由来とみなし、80~87ppm付近のブロードなピークを非結晶構造由来とみなして、前者のピーク面積をX、後者のピーク面積をYと表すとき、下記の式により結晶化度が決定される。下記の式において、「×」は、乗算を表す。
(結晶化度)%=(X/(X+Y))×100
上記の通り、生体貼付用膜10は、20~6500nmの厚みを有する。生体貼付用膜10の厚みが20nm以上であれば、生体貼付用膜10は、生体組織に貼り付け可能な自己支持型の膜として機能しうる。生体貼付用膜10の厚みが6500nm以下であれば、生体貼付用膜10を生体組織に貼り付けたときに、生体貼付用膜10が摩擦又は皮膚からの応力等によって剥がれにくい。一方、生体貼付用膜10は、水溶液等を用いて生体組織から容易に剥離できる。生体貼付用膜10の厚みは、例えば、生体貼付用膜10の厚みを複数箇所測定し、平均することによって決定される。各箇所における厚みは、例えば、ブルカー ナノ インコーポレイテッド製 触針式プロファイリングシステムDEKTAK(登録商標)を用いて測定できる。
生体貼付用膜10の厚みは、100nm以上であってもよい。生体貼付用膜10の厚みが100nm以上であると、生体貼付用膜10の強度が高まり、生体貼付用膜10が取り
扱いやすい。生体貼付用膜10の厚みは、300nm以上であってもよい。生体貼付用膜10の厚みが300nm以上であると、生体貼付用膜10の強度がより高まり、生体貼付用膜10が破れにくく容易に使用できる。生体貼付用膜10の厚みは、500nm以上であってもよい。生体貼付用膜10の厚みが500nm以上であると、より多くの美容成分等の有効成分を生体貼付用膜10に保持させることができる。生体貼付用膜10の厚みは、2000nm以下であってもよい。生体貼付用膜10の厚みが2000nm以下であると、生体貼付用膜10の生体組織への密着性が高く、皮膚等の生体組織の表面に生体貼付用膜10を安定的に貼り付けることができる。生体貼付用膜10の厚みは、1300nm以下であってもよい。生体貼付用膜10の厚みが1300nm以下であると生体貼付用膜10の生体組織への密着性がより高く、皮膚等の生体組織の表面に生体貼付用膜10を長時間安定的に貼り付けた状態を維持することができる。
生体貼付用膜10を平面視したとき生体貼付用膜10の形状は特に限定されない。生体貼付用膜10は、平面視で、円形、楕円形、又は多角形でありうる。生体貼付用膜10は、平面視で、不定形でありうる。
生体貼付用膜10は、単層膜であってもよいし、複数の層が積層された積層構造を有する膜であってもよい。生体貼付用膜10が積層構造を有する膜である場合、複数の層に保持される有効成分は、同一であってもよいし、層毎に異なっていてもよい。なお、生体貼付用膜10は、セルロースを含む層と、セルロース以外の材料で形成された層とが積層された積層構造を有していてもよい。
生体貼付用膜10は、美容用途の場合、例えば、(i)美白、保湿、及びシワ対策等のスキンケア、(ii)育毛、増毛、脱毛、及びヘアスタイリング等のヘアケア、又は(iii
)ファンデーション、フェイスパウダー、及びネイルアート等のメイクアップに用いられる。生体貼付用膜10は、医薬用途の場合、例えば、鎮痛消炎薬、抗炎症薬、強心薬、抗真菌薬、副腎皮質ホルモン薬、及び血行促進薬等の医薬の生体への投与に利用されてもよい。
生体貼付用膜10は、再生セルロース及び粘着成分以外の成分を含んでいてもよい。例えば、生体貼付用膜10は、所定の有効成分を含みうる。有効成分は、例えば、美白成分、紫外線防御成分、保湿成分、育毛成分、及び化粧料等の美容成分又は薬効成分でありうる。美容成分は、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、サクシノグルカン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、ムチン、コンドロイチン硫酸、キシリトール、マルチトース、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、及びレチノイン酸等のビタミンA、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ピリドキサミン、及び葉酸等のビタミンB、アスコルビン酸(ナトリウム)等のビタミンC、エルゴカルシフェロール及びコレカルシフェロール等のビタミンD、α-トコフ
ェロール等のビタミンE、フィロキノン及びメナキノン等のビタミンK、トレチノイン及びパルミチン酸レチノール等のビタミンA誘導体、フルスルチアミン等のビタミンB誘導体、グリセリルアスコルビン酸及びテトラヘキシルデカン酸アスコルビル等のビタミンC誘導体、ジヒドロタキステロール等のビタミンD誘導体、酢酸α-トコフェロール、α-トコフェリルキノン、及びコハク酸α-トコフェロール等のビタミンE誘導体、ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム、ルシノール、アントシアニン等のポリフェノール、3-サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム、プラセンタ、ジオキシベンゾン、4-メトキシけい皮酸2-エチルヘキシル、各種アミノ酸、ケラチン、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス、キチン、キトサン、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、トラネキサム酸、グリセ
ロール、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸、セラミド、ミノキシジル、フィナステリド、コラーゲン、エラスチン、各種エキス、クエン酸、レシチン、カルボマー、キサンタンガム、デキストラン、パルミチン酸、ラウリン酸、ワセリン、酸化チタン、酸化鉄、合成色素、染料、フェノキシエタノール、フラーレン、アスタキサンチン、コエンザイム、ヒトオリゴペプチド、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸、脂肪酸ポリグリセリル、ポリグリセリン、ホホバオイル、トリメチルグリシン、マンニトール、トレハロース、グリコシルトレハロース、プルラン、エリスリトール、エラスチン、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチルヘキサン酸エチル、アクリル酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、スクワラン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸グリセリン、エタノール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、又はエクトインである。薬効成分は、例えば、セファランチン、ルチン、硝酸イソソルビド、インドメタシン、ジフルコルトロン吉草酸エステル、アシクロビル、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、フェルビナク、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ロキソプロフェン、サリチル酸メチル、又はタクロリムスである。これらの有効成分は、固体、溶液、分散液、又はエマルジョンの状態で生体貼付用膜10に含まれうる。
生体貼付用膜10の少なくとも一部は、着色されていてもよい。例えば、生体貼付用膜10の少なくとも一部は、皮膚の色に近い色に着色されていてもよい。この場合、皮膚におけるシミ、ほくろ、及び傷痕を生体貼付用膜10で覆って、これらを目立たなくすることができる。
生体貼付用膜10は、例えば、顔及び腕等の部位において皮膚に貼り付けられて使用される。このため、生体貼付用膜10は、典型的には、7mm2以上の面積を有する。これ
により、生体貼付用膜10を皮膚に貼り付けるときに広い領域を覆うことができる。なお、生体貼付用膜10は、臓器等の皮膚以外の生体組織の表面に貼り付けられてもよい。生体貼付用膜10を臓器の表面に貼り付けることによって、臓器を保護できる。例えば、臓器同士の癒着を防止できる。
図1Aに示す通り、積層体50aは、生体貼付用膜10と、第一保護層21とを備えている。生体貼付用膜10は、第一主面11及び第二主面12を有する。第二主面12は、生体貼付用膜10において第一主面11の反対側に位置する。第一保護層21は、第一主面11上に配置されている。第一保護層21は、第一主面11から取り外し可能な層である。第一保護層21は、例えば第一主面11に接触している。
第一保護層21は、例えば、(i)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリウレタン、合成ゴム、セルロース、テフロン(登録商標)、アラミド、及びポリイミド等の高分子材料のシート、織布、不織布、若しくはメッシュ、(ii)シート状の金属、又は(iii)シート状のガラスでありう
る。第一保護層21の表面の全体又は一部には、化学的又は物理的な表面処理が施されていてもよい。なお、第一保護層21は、平面視で、生体貼付用膜10の形状と同一又は異なる形状を有し、生体貼付用膜10の大きさと同一又は異なる大きさを有する。例えば、単一の第一保護層21の上に複数の生体貼付用膜10が配置されていてもよい。なお、生体貼付用膜10は、第一保護層21なしでもその形状を維持できる。このため、第一保護層21が第一主面11から取り外されても、生体貼付用膜10はその形状を維持できる。
積層体50aの使用方法の一例を説明する。生体貼付用膜10は、例えば、顔の皮膚に貼り付けられる。生体貼付用膜10は、腕の皮膚に貼り付けられてもよいし、皮膚以外の
生体組織に貼り付けられてもよい。図2Aに示す通り、例えば、生体貼付用膜10の第二主面12を生体の特定の部位(例えば、皮膚)に向けて積層体50aを近づけ、生体貼付用膜10の第二主面12を生体の特定の部位に接触させる。このとき、生体の特定の部位又は生体貼付用膜10に液体又はクリームである装着剤を付着させてもよい。この装着剤は、例えば、純水、生理食塩水、化粧水、美容液等の水溶液、有機溶媒を含んだ化粧水、乳液、美容液、及びクリームからなる群から選ばれる少なくとも1つである。装着剤は、例えば、水を含む。この場合、生体貼付用膜10の粘着成分は典型的には水溶性を有するので、粘着成分が水に溶解して粘度が低下し、生体貼付用膜10の肌との密着性が向上する。装着剤は、多価アルコールを含んだ水溶液であってもよい。この場合、多価アルコールは、例えば、グリセロール又はプロパンジオールである。これらの水溶液によれば、水と比較して、生体貼付用膜10を肌により長時間容易に密着させることができる。装着剤は、例えば、水、油脂、アルコール、又は乳化剤などを含有し、前述の1種以上の有効成分をさらに含有していてもよい。装着剤は、第二主面12と生体の特定の部位とが接触する前に生体の特定の部位又は生体貼付用膜10に付着させてもよいし、第二主面12と生体の特定の部位とが接触した後に生体貼付用膜10に付着させてもよい。
次に、図2Bに示す通り、生体貼付用膜10の第一主面11から第一保護層21を剥離する。このとき、生体貼付用膜10は、生体組織に密着しており、生体貼付用膜10が生体組織に貼り付いた状態が保たれる。第一保護層21が完全に剥離されると、図2Cに示す通り、生体貼付用膜10の第一主面11の全体が露出する。
積層体50aは、図3に示す積層体50bのように変更されてもよい。積層体50bは、特に説明する場合を除き、積層体50aと同様に構成されている。積層体50aの構成要素と同一又は対応する積層体50bの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。積層体50aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、積層体50bにも当てはまる。
図3に示す通り、積層体50bは、第二保護層22をさらに備えている。第二保護層22は、第二主面12上に配置されている。第二保護層22によって、第二主面12を保護できる。また、第二保護層22によって、積層体50bのハンドリングが容易になる。
第二保護層22の材料は、第一保護層21の材料と同一であってもよいし、第一保護層21の材料と異なっていてもよい。第二保護層22は、平面視で、生体貼付用膜10の形状と同一又は異なる形状を有し、生体貼付用膜10の大きさと同一又は異なる大きさを有する。第二保護層22は、平面視で、第一保護層21の形状と同一又は異なる形状を有し、第一保護層21の大きさと同一又は異なる大きさを有する。
第二保護層22は、典型的には、第二主面12から取り外し可能である。積層体50bを使用するときには、例えば、先ず、第二保護層22が生体貼付用膜10から剥離される。これにより、第二主面12が露出する。その後、第二主面12を生体の特定の部位に近づけ、積層体50aの使用方法と同様にして、生体貼付用膜10が生体の特定の部位に貼り付けられる。
生体貼付用膜10の製造方法の一例を説明する。まず、溶媒にセルロースを溶解させてセルロース溶液を調製する。30,000以上の重量平均分子量の再生セルロース膜を得
るために、重量平均分子量が少なくとも30,000以上のセルロースを用いる。これに
より、6500nm以下の厚み有する自己支持型の生体貼付用膜を作製できる。150,
000以上の重量平均分子量の再生セルロース膜を得るために、重量平均分子量が少なくとも150,000以上のセルロースを用いてセルロース溶液を調製してもよい。この場合、1300nm以下の厚み有する自己支持型の生体貼付用膜を作製できる。このように
、セルロース溶液の調製において使用されるセルロースの重量平均分子量を大きくすることにより、1分子鎖において、より多くの水酸基が含まれる。これにより、多くの分子間水素結合を形成することが可能となり、より薄い生体貼付用膜を安定に作製できる。セルロース溶液の調製に使用するセルロースは、所望の重量平均分子量を有する限り、特に制限されない。セルロース溶液の調製に使用するセルロースは、例えば、パルプ及び綿花等の植物由来のセルロース、又は、バクテリア等の生物が生成したセルロースでありうる。セルロースの原料における不純物濃度は、例えば10重量%以下である。再生セルロースの重量平均分子量は、2,000,000以下であると取り扱いが容易となるため有用である。更に望ましくは再生セルロースの重量平均分子量は1,000,000以下である。
溶媒は、例えば少なくともイオン液体を含有している溶媒(第1溶媒)である。第1溶媒を用いることにより、セルロースを比較的短時間で溶解させることができる。イオン液体は、アニオンとカチオンとから構成される塩であり、150℃以下の温度において液体状態を示しうる。第1溶媒に含まれるイオン液体は、例えば、アミノ酸又はアルキルリン酸エステルを含むイオン液体である。第1溶媒がこのようなイオン液体を含有していることにより、セルロースの分子量の低下を抑制しながらセルロースを溶解させることができる。特に、アミノ酸は、生体内に存在する成分であるので、アミノ酸を含むイオン液体は、生体に対してより安全な生体貼付用膜10を形成するのに有利である。
セルロースを析出させない溶媒によって予め希釈されたイオン液体を用いてセルロースを溶解してもよい。例えば、第1溶媒として、非プロトン性極性溶媒とイオン液体との混合物を用いてもよい。非プロトン性極性溶媒は、水素結合を形成しにくく、セルロースを析出させにくい。
第1溶媒に含まれるイオン液体は、例えば、下記の式(II)で表されるイオン液体である。式(II)で表されるイオン液体において、アニオンがアミノ酸である。式(II)に記載の通り、このイオン液体において、アニオンは、末端カルボキシル基及び末端アミノ基を含んでいる。式(II)で表されるイオン液体のカチオンは、第四級アンモニウムカチオンであってもよい。
Figure 0007170231000002
式(II)中、R1~R6は、独立して、水素原子又は置換基を表す。置換基は、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はフェニル基でありうる。置換基は、炭素鎖に分岐を含んでいてもよい。置換基は、アミノ基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基等の官能基を含んでいてもよい。nは、例えば、4又は5である。
第1溶媒に含まれるイオン液体は、下記の式(III)で表されるイオン液体であっても
よい。式(III)中、R1、R2、R3、及びR4は、独立して、水素原子又は1~4個の炭
素原子を有するアルキル基を表す。
Figure 0007170231000003
セルロース溶液を調製する工程において、第2溶媒をさらに加えてもよい。例えば、所定の重量平均分子量を有するセルロースと第1溶媒との混合物に第2溶媒をさらに加えてもよい。第2溶媒は、例えば、セルロースを析出させない溶媒である。第2溶媒は、非プロトン性極性溶媒でありうる。
セルロース溶液のセルロースの濃度は、典型的には、0.2~15重量%である。セルロース溶液のセルロースの濃度が0.2重量%以上であれば、生体貼付用膜10の厚みを薄くしつつ、その形状を保つのに必要な強度を有する生体貼付用膜10が得られる。また、セルロース溶液のセルロースの濃度が15重量%以下であれば、セルロース溶液におけるセルロースの析出を抑制できる。セルロース溶液のセルロースの濃度は、1~10重量%であってもよい。セルロース溶液のセルロースの濃度が1重量%以上であると、より高い強度を有する生体貼付用膜10が得られる。セルロース溶液のセルロースの濃度が10重量%以下であると、セルロースの析出がより低減された安定したセルロース溶液を調製できる。
次に、基板の表面にセルロース溶液を塗布して、基板の表面上に液膜を形成する。基板の表面の水に対する接触角は、例えば70°以下である。この場合、セルロース溶液の基板に対する濡れ性が適切であり、基板の表面に沿って広がりのある液膜を安定的に形成できる。基板の材料は、特に限定されない。基板は、典型的には、平滑な表面を有する非多孔構造を有する。この場合、基板の内部にセルロース溶液が入り込むことを防止でき、後工程において生体貼付用膜10を基板から分離しやすい。
基板は、化学的又は物理的な表面改質がなされていてもよい。基板として、例えば、紫外線(UV)照射又はコロナ処理等の表面改質処理がなされたポリマー材料の基板を用いてもよい。表面改質の方法は特に限定されない。例えば、表面改質剤の塗布、表面修飾、プラズマ処理、スパッタリング、エッチング、又はブラストが適用されうる。
基板にセルロース溶液の液膜を形成する方法は、例えば、アプリケータなどにより基板の表面との間に所定のギャップを形成するギャップコーティング、スロットダイコーティング、スピンコーティング、バーコーターを用いたコーティング(Metering rod coating)、及びグラビアコーティング等の方法である。ギャップの厚み又はスロットダイの開口の大きさと塗工スピード、スピンコートの回転数、又はバーコーター又はグラビアコートの溝の深さや塗工スピードなどにより調整した液膜の厚みと、セルロース溶液の濃度を調整することによって、生体貼付用膜の厚みを調整可能である。なお、基板にセルロース溶液の液膜を形成する方法は、キャスティング法、スキージを用いたスクリーン印刷、吹付塗装、又は静電噴霧であってもよい。
基板にセルロース溶液の液膜を形成するときに、セルロース溶液及び基板の少なくとも一方を加熱してもよい。この加熱は、例えば、セルロース溶液を安定に保つことができる温度範囲(例えば、40~100℃)で実施されてもよい。
基板に形成されたセルロース溶液の液膜は、加熱されてもよい。液膜の加熱は、例えば、第1溶媒に含まれるイオン液体の分解温度よりも低い温度(例えば、50~200℃)でなされてもよい。このような温度で液膜の加熱を実行することにより、イオン液体以外の溶媒(例えば、第2溶媒)を適度に除去でき、生体貼付用膜10の強度が高くなりやすい。液膜の加熱は、減圧環境下で実行されてもよい。この場合、溶媒の沸点よりも低い温度でイオン液体以外の溶媒をより短時間で適度に除去できる。
基板にセルロース溶液の液膜を形成した後に、液膜はゲル化されてもよい。例えば、イオン液体に溶解可能であり、かつ、セルロースを溶解させない液体の蒸気に液膜を曝すことにより、液膜をゲル化させ、高分子ゲルシートを得ることができる。例えば、30~100%RHの相対湿度の環境下に液膜を放置すると、液膜中のイオン液体が水と接触することにより、液膜におけるセルロースの溶解度が低下する。これにより、セルロース分子の一部が析出し、3次元構造が形成される。その結果、液膜がゲル化する。ゲル化点の有無は、ゲル化した膜を持ち上げることが可能か否かによって判断できる。
なお、液膜の加熱は、液膜のゲル化の前に行われてもよいし、液膜のゲル化の後に行われてもよいし、液膜のゲル化の前後で行われてもよい。
次に、セルロースを溶解させない液体であるリンス液に、基板及び高分子ゲルシートを浸漬させる。この工程において、高分子ゲルシートからイオン液体が除去される。この工程は、高分子ゲルシートの洗浄の工程と理解されうる。この工程において、イオン液体に加えて、セルロース溶液に含まれていた成分のうち、セルロース及びイオン液体以外の成分(例えば、第2溶媒)の一部が除去されてもよい。リンス液は、典型的には、イオン液体に溶解可能な液体である。このような液体の例は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドである。
次に、高分子ゲルシートを粘着成分の溶液に浸漬させる。このとき、粘着成分の溶液は、上記の有効成分をさらに含んでいてもよい。粘着成分の溶液における溶媒は、例えば、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、グリセリン、プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、及びジメチコンからなる群から選択される少なくとも1つである。粘着成分の溶液への高分子ゲルシートの浸漬に代えて、噴霧法、蒸着、又は塗工によって高分子ゲルシートに粘着成分を付着させてもよい。高分子ゲルシートは、粘着成分の溶液への浸漬とは別に、上記の有効成分を含む溶液、分散液、又はエマルジョンに浸漬されてもよい。
次に、高分子ゲルシートから溶媒等の不要な成分を除去する。換言すると、高分子ゲルシートを乾燥させる。高分子ゲルシートの乾燥方法として、自然乾燥、真空乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥、及び超臨界乾燥等の乾燥方法を適用できる。高分子ゲルシートの乾燥方法は真空加熱であってもよい。高分子ゲルシートの乾燥の条件は、特に限定されない。高分子ゲルシートの乾燥の条件として、第2溶媒及びリンス液の除去に十分な時間及び温度が選択される。高分子ゲルシートから溶媒が除去されることによって、生体貼付用膜10が得られる。
高分子ゲルシートを乾燥させる工程において、例えば、凍結乾燥を適用する場合、凍結
可能であり、かつ、100~200℃付近の沸点を有する溶媒が用いられる。例えば、水、tert-ブチルアルコール、酢酸、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、又はジメチルスルホキシド等の溶媒を利用して凍結乾燥を行うことができる。
上記の方法では、高分子ゲルシートの乾燥に先立って、粘着成分の溶液への高分子ゲルシートの浸漬が行われているが、高分子ゲルシートの乾燥の後に粘着成分を付着させる工程が行われてもよい。例えば、高分子ゲルシートの乾燥により得られた高分子シートを粘着成分の溶液に浸漬させてもよい。このとき、粘着成分の溶液は、上記の有効成分をさらに含んでいてもよい。その後、浸漬後の高分子シートをさらに乾燥させる。なお、この場合も、噴霧法、蒸着、又は塗工によって高分子ゲルシートに粘着成分を付着させてもよい。
実施例により、本開示の生体貼付用膜をより詳細に説明する。なお、本開示の生体貼付用膜は、以下の実施例に限定されない。まず、各実施例及び各比較例に係る生体貼付用膜の評価試験について説明する。
<剥離試験>
市販の美容液を前腕の内側の肌に滴下した後に、各実施例及び各比較例に係る生体貼付用膜を貼り付けた。15分間経過後に綿棒を用いて生体貼付用膜を擦り、生体貼付用膜が肌から剥離するまでの回数を測定した。
<耐久試験>
市販の美容液を前腕の内側の肌に滴下した後に、一部の実施例及び一部の比較例に係る生体貼付用膜を貼り付けた。6時間経過後に生体貼付用膜が肌から完全に剥離しているか確認した。剥離していない場合をOKと評価し、剥離している場合をNGと評価した。
(実施例1A)
90%以上の純度を有する、木材を原料とした漂白パルプ由来のセルロースをイオン液体で溶解させ、セルロース溶液を調製した。イオン液体としては、式(III)において、
1がメチル基、R2、R3、及びR4のそれぞれがエチル基であるイオン液体を用いた。基板上にセルロース溶液を塗布し、その塗膜をゲル化させて高分子ゲルシートを形成した。このとき、生体貼付用膜の厚みが2400nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した。その後、所定のリンス液を用いて、基板及び高分子ゲルシートを洗浄した。次に、2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液中に洗浄した高分子ゲルシートを浸漬させ、その後、高分子ゲルシート乾燥させて、実施例1Aに係る生体貼付用膜を得た。実施例1Aに係る生体貼付用膜は、平面視で約5cm四方の四角形状であり、透明な外観を有していた。
ここで、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの濃度を以下に記載の方法で決定した。ポリグルタミン酸ナトリウムを超純水に溶解させて濃度の異なる複数のポリグルタミン酸ナトリウム水溶液を調製した。それらの水溶液におけるポリグルタミン酸ナトリウム水溶液の210nmの波長の光に対する吸光度を吸光光度計(島津製作所社製、製品名:UV-1600)で測定した。ポリグルタミン酸ナトリウム水溶液の濃度と吸光度とに基づいて検量線を作成し、検量線の傾きa210を決定した。次に、実施例1Aに
係る生体貼付用膜を超純水に浸漬させた状態で超音波洗浄処理を1時間行い、超純水に生体貼付用膜の水に可溶な成分を抽出し、サンプル液を得た。上記の吸光光度計を用いて、サンプル液の210nmの波長の光に対する吸光度I210を測定した。この測定結果から
、傾きa210に基づいて、サンプル液に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量Mp
を決定した。質量Mpを実施例1Aに係る生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量とみなした。その結果、実施例1Aに係る生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量は、実施例1Aに係る生体貼付用膜の質量に対して、0.05%であった。
(実施例1B)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して0.2%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Bに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例1C)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して1.2%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Cに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例1D)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Dに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例1E)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して7.1%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Eに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例1F)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Fに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例1G)
生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して24.8%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例1Gに係る生体貼付用膜を作製した。
(比較例1A)
ポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液への高分子ゲルシートの浸漬を省略した以外は、実施例1Aと同様にして、比較例1Aに係る生体貼付用膜を作製した。
実施例1A~1G及び比較例1Aに係る生体貼付用膜の剥離試験の結果を表1に示す。なお、表1中の“-”とは、耐久試験を実施していないことを意味する。加えて、実施例
1A、1D、及び1Gに係る生体貼付用膜の耐久試験の結果を示す。なお、実施例1A~1Gに係る生体貼付用膜は皮膚に貼り付けた後、流水で容易に皮膚から剥離し、皮膚には装着の跡が残らなかった。
Figure 0007170231000004
表1に示す通り、実施例1A~1Gと比較例1Aとの比較によれば、生体貼付用膜がポリグルタミン酸ナトリウムを含むと、剥離試験における生体からの剥離までの回数が増加することが示された。生体貼付用膜におけるポリグルタミン酸ナトリウムの濃度が12.4質量%まで増加するにつれて、剥離試験における生体からの剥離までの回数が増加した。また、実施例1A、1D、及び1Gに係る生体貼付用膜は、肌に貼り付けてから6時間経過後においても肌に貼り付いていた。生体貼付用膜にポリグルタミン酸ナトリウムが含まれていることによって、生体貼付用膜が生体に強固に密着することが示された。
(実施例2A)
生体貼付用膜の厚みが450nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Aに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例2B)
生体貼付用膜の厚みが800nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Bに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例2C)
生体貼付用膜の厚みが1500nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Cに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例2D)
生体貼付用膜の厚みが3700nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Dに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例2E)
生体貼付用膜の厚みが5100nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Eに係る生体貼付用膜を作製した。
(実施例2F)
生体貼付用膜の厚みが6500nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。さらに、生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.3%となるように、浸漬の条件を変更した以外は、実施例1Aと同様にして、実施例2Fに係る生体貼付用膜を作製した。
(比較例2A)
生体貼付用膜の厚みが1500nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、比較例1Aと同様にして比較例2Aに係る生体貼付用膜を作製した。
(比較例2B)
生体貼付用膜の厚みが5100nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、比較例1Aと同様にして比較例2Bに係る生体貼付用膜を作製した。
(比較例2C)
生体貼付用膜の厚みが6500nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、比較例1Aと同様にして比較例2Cに係る生体貼付用膜を作製した。
実施例1D、2A~2F及び比較例1A、2A~2Cに係る生体貼付用膜の剥離試験の結果を表2に示す。表2中の“-”は、粘着成分を担持させていないことを意味する。な
お、実施例2A~2Fに係る生体貼付用膜は皮膚に貼り付けた後、流水で容易に皮膚から剥離し、皮膚には装着の跡が残らなかった。
Figure 0007170231000005
表2に示す通り、生体貼付用膜の厚みが450~6500nmの範囲にあるとき、実施例に係る生体貼付用膜の剥離試験における生体からの剥離までの回数は、比較例に係る生体貼付用膜の剥離試験における生体からの剥離までの回数よりも多かった。450~6500nmの範囲において生体貼付用膜の厚みが変化しても、生体貼付用膜にポリグルタミン酸ナトリウムが含まれていることによって、生体貼付用膜が生体に強固に密着することが示された。
(実施例3A)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例3Aに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、15,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液
を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。
(実施例3B)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例3Bに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、400,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。
(比較例3A)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、比較例3Aに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、グルタミン酸ナトリウムの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるグルタミン酸ナトリウムの質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
実施例1D、3A、3B及び比較例1A及び3Aに係る生体貼付用膜の剥離試験の結果を表3に示す。なお、実施例3A及び3Bに係る生体貼付用膜は皮膚に貼り付けた後、流水で容易に皮膚から剥離し、皮膚には装着の跡が残らなかった。
Figure 0007170231000006
表3に示す通り、15,000以上の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムを12.4質量%含む生体貼付用膜において、剥離試験における生体からの剥離までの回数が、比較例1A及び3Aに係る生体貼付用膜に比べて多かった。このため、生体貼
付用膜にポリグルタミン酸ナトリウムが含まれていれば、ポリグルタミン酸ナトリウムの重量平均分子量が変化しても、生体貼付用膜が生体に強固に密着することが示された。
(実施例4A)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Aに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、20,000の重量平均分子量を有するポリチロシンの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリチロシンの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリチロシンの質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
(実施例4B)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Bに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、25,000の重量平均分子量を有するポリリジン塩酸塩の水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリリジン塩酸塩の質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリリジン塩酸塩の質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
(実施例4C)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Cに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、10,000の重量平均分子量を有するポリアルギニンの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリアルギニンの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリアルギニンの質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
(実施例4D)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Dに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、22,500の重量平均分子量を有するポリオルニチン塩酸塩の水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリオルニチン塩酸塩の質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリオルニチン塩酸塩の質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
(実施例4E)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Eに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、15,000の重量平均分子量を有するポリアスパラギン酸ナトリウムの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリアスパラギン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリアスパラギン酸ナトリウムの質量は、実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
(実施例4F)
下記の点以外は、実施例1Aと同様にして、実施例4Fに係る生体貼付用膜を作製した。2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液の代わりに、15,000の重量平均分子量を有するポリヒスチジンの水溶液を用いた。生体貼付用膜に含まれるポリヒスチジンの質量が生体貼付用膜の質量に対して12.4%となるように、浸漬の条件を調整した。生体貼付用膜に含まれるポリヒスチジンの質量は、
実施例1Aに記載の方法に準じて決定した。
実施例3A、4A~4F及び比較例1Aに係る生体貼付用膜の剥離試験の結果を表4に示す。なお、実施例4A~4Fに係る生体貼付用膜は皮膚に貼り付けた後、流水で容易に皮膚から剥離し、皮膚には装着の跡が残らなかった。
Figure 0007170231000007
表4に示す通り、10,000以上の重量平均分子量を有するポリアミノ酸を生体貼付用膜において12.4%の濃度で含ませると、剥離試験における生体からの剥離までの回数が多かった。このため、生体貼付用膜に含まれるポリアミノ酸の種類が変化しても、生体貼付用膜が生体に強固に密着することが示された。
(実施例5A)
生体貼付用膜の厚みが800nmとなるようにセルロース溶液の塗膜の厚みを調整した以外は、実施例1Aと同様にして高分子ゲルシートを形成した。この高分子ゲルシートをポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液に浸漬させずに乾燥させ、高分子シートを得た。この高分子シートを、2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液中に浸漬させ、その後高分子シートを乾燥させ、実施例5Aに係る生体貼付用膜を作製した。生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.4%となるように、浸漬の条件を調整した。
(比較例5A)
重量平均分子量250,000のポリ乳酸をクロロホルムに溶解させ、ポリ乳酸のクロロホルム溶液(ポリ乳酸の濃度:2.4質量%)を調製した。約500の重量平均分子量
を有するポリビニルアルコールで形成された表面を有する基板上に、スピンコーティングによって、ポリ乳酸のクロロホルム溶液を塗布し、塗膜を形成した。この塗膜からクロロホルムを揮発させ、ポリ乳酸のシートを形成した。その後、ポリ乳酸のシートを水に浸漬させてポリビニルアルコールを溶解させ、ポリ乳酸のシートに付着した水を乾燥させて、ポリ乳酸でできた比較例5Aに係る生体貼付用膜を作製した。
(比較例5B)
比較例5Aと同様にして作製したポリ乳酸膜を、2,000,000の重量平均分子量を有するポリグルタミン酸ナトリウムの水溶液中に浸漬させ、その後ポリ乳酸膜を乾燥させて、比較例5Bに係る生体貼付用膜を作製した。生体貼付用膜に含まれるポリグルタミン酸ナトリウムの質量が生体貼付用膜の質量に対して2.4%となるように、浸漬の条件を調整した。
実施例5A、比較例5A、及び比較例5Bに係る生体貼付用膜の剥離試験及び耐久試験の結果を表5に示す。なお、実施例5Aに係る生体貼付用膜は皮膚に貼り付けた後、流水で容易に皮膚から剥離し、皮膚には装着の跡が残らなかった。
Figure 0007170231000008
表5に示す通り、ポリグルタミン酸ナトリウム及び再生セルロースを含む実施例5Aの生体貼付用膜において、剥離試験における生体からの剥離までの回数が多かった。また、実施例5Aの生体貼付用膜は、肌に貼り付けてから6時間経過後においても肌に貼り付いていた。従って、ポリグルタミン酸ナトリウム及び再生セルロースを含む生体貼付用膜は、生体に強固に密着することが示された。
10 生体貼付用膜
11 第一主面
12 第二主面
13 再生セルロース
14 粘着成分
21 第一保護層
22 第二保護層
50a、50b 積層体

Claims (11)

  1. 再生セルロースと、前記再生セルロースに付着している粘着成分とを含み、
    20~6500nmの厚みを有する自己支持型であり、
    前記粘着成分は、ポリアミノ酸を含有している、
    生体貼付用膜。
  2. 前記再生セルロースは、30,000以上の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の生体貼付用膜。
  3. 前記ポリアミノ酸は、繰り返し構造単位において、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、グアニジノ基、及びカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する、請求項1又は2に記載の生体貼付用膜。
  4. 前記粘着成分は、ポリグルタミン酸、ポリチロシン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1つ又は複数のポリアミノ酸を含有している、請求項1~3のいずれか1項に記載の生体貼付用膜。
  5. 前記粘着成分の少なくとも一部は、当該生体貼付用膜の表面に存在している、請求項1~4のいずれか1項に記載の生体貼付用膜。
  6. 前記粘着成分の少なくとも一部は、厚み方向において、当該生体貼付用膜の表面から前記再生セルロースの間に連続的に存在している、請求項1~5のいずれか1項に記載の生体貼付用膜。
  7. 当該生体貼付用膜における前記粘着成分の含有量が0.05~50重量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の生体貼付用膜。
  8. 前記ポリアミノ酸は、10,000以上の重量平均分子量を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の生体貼付用膜。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の生体貼付用膜と、
    前記生体貼付用膜の第一主面上に配置され、前記第一主面から取り外し可能な第一保護層と、を備えた、
    積層体。
  10. 前記生体貼付用膜において前記第一主面の反対側に位置する第二主面上に配置された第二保護層をさらに備えた、請求項9に記載の積層体。
  11. 生体貼付用膜を貼り付ける美容方法であって、
    前記生体貼付用膜は、再生セルロースと、前記再生セルロースに付着しているポリアミノ酸を含有している粘着成分とを含み、かつ、20~6500nmの厚みを有する自己支持型であり、
    水を含有する装着剤を生体組織及び前記生体貼付用膜に付着させて、前記生体組織に前記生体貼付用膜を貼り付ける、
    美容方法。
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