以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る熱交換器10は、車両用空調装置が有するヒートポンプシステム(全体構成は不図示)の室外機として構成されている。熱交換器10には、車両の外部から導入された空気が供給される。熱交換器10では、後述のチューブ200の内部を通る冷媒と、チューブ200の外部を通る上記空気との間で熱交換が行われる。
暖房時においては、熱交換器10が蒸発器として機能するようにヒートポンプシステムの状態が切り換えられる。これにより、熱交換器10では、冷媒との熱交換によって熱が空気(外気)から回収される。一方、冷房時においては、熱交換器10が凝縮器として機能するようにヒートポンプシステムの状態が切り換えられる。これにより、熱交換器10では、車室内から回収された熱が空気(外気)へと放出される。
このような構成に替えて、熱交換器10が、常に蒸発器として機能するようなものであってもよい。
尚、以下に説明する熱交換器10の構成上の工夫点は、主に熱交換器10が蒸発器として機能する場合を考慮したものとなっている。このため、以下では、熱交換器10が蒸発器として機能することを前提として説明を行う。
図1に示されるように、熱交換器10は、タンク11と、タンク12と、チューブ200と、フィン100と、を備えている。
タンク11は、外部から供給される冷媒を一時的に貯えるための容器である。タンク11は、略円柱形状の細長い容器として形成されており、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で配置されている。
タンク11のうち、その上下方向において中央となる位置よりも上方側の部分には、受入部16が形成されている。受入部16は、外部から供給される冷媒を受け入れて、これをタンク11の内部に流入させる部分である。受入部16は、ヒートポンプシステムにおいて冷媒が流れる配管を接続するためのコネクタとして形成されている。
タンク12は、タンク11と同様に、冷媒を一時的に貯えるための容器として設けられている。タンク12は、略円柱形状の細長い容器として形成されており、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で配置されている。タンク12は、その長手方向がタンク11の長手方向と平行となるように配置されている。
タンク12のうち、その上下方向において中央となる位置よりも下方側の部分には、排出部17が形成されている。排出部17は、チューブ200を通ってタンク12に到達した冷媒を、外部に排出するための部分である。排出部17は、タンク11の受入部16と同様に、ヒートポンプシステムにおいて冷媒が流れる配管を接続するためのコネクタとして形成されている。
チューブ200は、流体の流れる流路が内部に形成された金属製の管であって、熱交換器10に複数本備えられている。それぞれのチューブ200は細長い直線状の管となっており、その一端がタンク11に接続されており、その他端がタンク12に接続されている。これにより、タンク11の内部空間は、それぞれのチューブ200を介して、タンク12の内部空間と連通されている。
それぞれのチューブ200は、その長手方向がタンク11等の長手方向とは垂直となっている。つまり、それぞれのチューブ200は水平方向に沿って伸びるように配置されている。また、それぞれのチューブ200は、次に述べるフィン100と共に、タンク11等の長手方向(つまり上下方向)に沿って交互に積層された状態で保持されている。
フィン100は、金属板を波状に折り曲げることによって形成されたコルゲートフィンである。フィン100は、上下方向において互いに隣り合うチューブ200の間となる位置に配置されている。ヒートポンプシステムの動作中においては、空気の熱がチューブ200を介して冷媒に伝達されるほか、フィン100及びチューブ200を介しても冷媒に伝達される。つまり、空気との接触面積がフィン100によって大きくなっており、これにより空気と冷媒との熱交換が効率的に行われる。フィン100の具体的な形状については後に説明する。
積層された全てのチューブ200及びフィン100が配置された部分は、空気と冷媒との間で熱交換が行われる部分であって、所謂「熱交換コア部」と称される部分である。熱交換コア部の上下両側となる位置には、金属板であるサイドプレート14、15が設けられている。サイドプレート14、15は、熱交換コア部を上下両側から挟み込むことにより、熱交換コア部を補強してその形状を維持するためのものである。
尚、図1においては紙面奥側から紙面手前側に向かう方向がx方向となっており、同方向に沿ってx軸が設定されている。x方向は、上記の熱交換コア部を空気が通過する方向である。また、x方向に対して垂直な方向であって、タンク11からタンク12に向かう方向(つまり、チューブ200の長手方向ともいえる)がy方向となっており、同方向に沿ってy軸が設定されている。更に、x方向及びy方向のいずれに対しても垂直な方向であって、下方側から上方側に向かう方向がz方向となっており、同方向に沿ってz軸が設定されている。z方向は、上記のチューブ200及びフィン100が積層されている方向である。以降においては、上記のように定義されたx方向、y方向、及びz方向を用いて説明を行う。図1以外の図を参照する場合においても同様である。
ヒートポンプシステムが動作しているときにおける冷媒の流れについて簡単に説明する。冷媒は、ヒートポンプシステムのうち熱交換器10よりも上流側において不図示の膨張弁を通り、その温度及び圧力を低下させた状態で熱交換器10に供給される。このとき、冷媒はそのほぼ全体が液相の状態となっている。当該冷媒は、受入部16からタンク11の内部に流入し、タンク11の内部に一時的に貯えられる。その後、冷媒はそれぞれのチューブ200の内部を通ってタンク12に向かって流れる。
冷媒は、それぞれのチューブ200の内部を流れる際において、熱交換コア部を通過する外部の空気によって加熱される。つまり、空気から冷媒へと熱が回収される。これにより、チューブ200の内部を通る冷媒はその温度を上昇させ、その一部又は全部が液相から気相へと変化する。また、熱交換コア部を通過する空気は冷却され、その温度を低下させる。
冷媒は上記のような熱交換に供された後、タンク12の内部に一時的に貯えられる。その後、冷媒は排出部17から排出され、ヒートポンプシステムにおいて熱交換器10よりも下流側に配置された圧縮機(不図示)に向かって流れる。
尚、タンク12等の内部がセパレータで仕切られており、冷媒がタンク11とタンク12との間を往復するような経路で流れるような構成としてもよい。
熱交換器10が備えるフィン100の具体的な形状について、図2等を参照しながら説明する。図2は、図1に示されるフィン100及びその近傍の構成を拡大して示すものである。図2においては、フィン100と、これを間に挟む一対のチューブ200とが示されている。
波状に折り曲げられているフィン100のうち、z方向側に向かって突出している部分の頂点は、z方向側にあるチューブ200に対して-z方向側から当接しており、当該部分においてチューブ200に接合されている。フィン100のうち、上記のようにz方向側(上方側)のチューブ200に接合されている部分のことを、以下では「山部110」とも称する。
波状に折り曲げられているフィン100のうち、-z方向側に向かって突出している部分の頂点は、-z方向側にあるチューブ200に対してz方向側から当接しており、当該部分においてチューブ200に接合されている。フィン100のうち、上記のように-z方向側(下方側)のチューブ200に接合されている部分のことを、以下では「谷部120」とも称する。
このような山部110及び谷部120は、いずれも、チューブ200の長手方向(つまりy方向)に沿って並ぶように形成されている。
フィン100のうち、山部110と、これと隣り合う谷部120との間の部分は、概ねz方向に沿って伸びる板状の部分となっている。以下では、当該部分のことを「板状部130」とも称する。板状部130の大部分は、概ねその法線をy軸に沿わせた平板状となっている。フィン100では、複数の板状部130が、y方向に沿って並ぶように配置されている。
フィン100のうち、互いに隣り合う板状部130によって挟まれている空間は、熱交換に供される空気が通るための空間となっている。これらの空間のうち、山部110の-z方向側(つまり下方側)にある方の空間のことを、以下では「山部空間SP1」とも称する。また、互いに隣り合う板状部130によって挟まれている空間のうち、谷部120のz方向側(つまり上方側)にある方の空間のことを、以下では「谷部空間SP2」とも称する。熱交換コア部を通る空気は、山部空間SP1及び谷部空間SP2のうちいずれか一方を通ることとなる。
図3には、図2のIII-III断面が示されている。尚、フィン100は薄い金属板によって形成されているので、図3ではその断面が太線によって模式的に示されている。図3に示されるように、一つのフィン100が有する複数の板状部130の形状は、互いに同一とはなっていない。複数の板状部130には、互いに形状の異なる第1板状部131と第2板状部132とが含まれており、本実施形態では、これらがチューブ200の長手方向(つまりy方向)に沿って交互に並ぶように配置されている。
第1板状部131では、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)の端部の位置が、同方向に沿ったチューブ200の端部の位置と概ね一致している。一方、第2板状部132では、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)の端部が、同方向に沿った第1板状部131の端部の位置よりも更に上流側に向かって突出している。このように、本実施形態のフィン100では、第1板状部131と、第1板状部131よりも-x方向側に突出する第2板状部132とが、y方向に沿って交互に並ぶように配置されている。尚、ここでいう「空気の主流方向」とは、空気の様々な流れ方向において、最も主流をなす流れの方向、すなわちx方向のことである。
第2板状部132が上記のように突出する方向である-x方向は、空気の主流方向に対して平行な方向であって、空気の主流に沿って下流側から上流側へと向かう方向である。当該方向は、本実施形態における「所定方向」に該当する。第2板状部132は、第1板状部131のうち所定方向側の端部よりも、所定方向に向かって更に外側へと突出している。
図4には、上記のような形状のフィン100が、xy平面に沿ってその全体が平坦となるように伸ばされた状態が示されている。図4に示されるフィン100の状態は、波状に折り曲げられる直前の状態、ということもできる。同図においては、フィン100のうち、折り曲げられて山部110となる部分が、符号110の付された点線によって示されている。同様に、フィン100のうち、折り曲げられて谷部120となる部分が、符号120の付された点線によって示されている。
第1板状部131及び第2板状部132を有するフィン100は、図4に示されるような形状の板状部材を折り曲げることによって形成することができる。同図に示されるように、本実施形態では、第2板状部132のうち、空気の主流方向に沿った上流側に向かって突出している部分の形状が矩形となっている。
図3に戻って説明を続ける。それぞれの板状部130には、複数のルーバー140が形成されている。ルーバー140は、板状部130の一部を切り起こすことによって形成されたものである。ルーバー140は、山部空間SP1を流れる空気の一部を谷部空間SP2に流入させたり、谷部空間SP2を流れる空気の一部を山部空間SP1に流入させたりすることで、空気との熱交換を更に効率的に行うために設けられている。
図5に示されるのは、板状部130のうち-x方向側の端部近傍の部分を、y軸に沿って見ながら模式的に描いた図である。板状部130には、z方向に沿って伸びる直線状の切り込みCTが複数形成されており、これらがx方向に沿って並んでいる。切り込みCTの両端部は、いずれも板状部130の端部までは伸びていない。
板状部130のうち、互いに隣り合う切り込みCTの間に挟まれている短冊状の部分は、いずれもz軸に沿った回転軸の周りに回転するように変形している。このように変形したそれぞれの部分がルーバー140となっている。
図3に示されるように、板状部130のうちx軸に沿った中央よりも上流側(-x方向側)の部分では、各ルーバー140は、上記短冊状の部分を上面視において時計回り方向に変形させることにより形成されている。このため、ルーバー140のうち、空気の主流方向に沿った上流側の端部が、いずれもy方向側に向けて突出した状態となっている。
一方、板状部130のうちx軸に沿った中央よりも下流側(x方向側)の部分では、各ルーバー140は、上記短冊状の部分を上面視において反時計回り方向に変形させることにより形成されている。このため、ルーバー140のうち、空気の主流方向に沿った下流側の端部が、いずれもy方向側に向けて突出した状態となっている。
図3では、それぞれの板状部130に形成された複数のルーバー140のうち、最も-x方向側となる位置に配置されたルーバー140の-x方向側の端部が、符号UTによって示されている。このような端部のことを、以下では「端部UT」とも称する。端部UTは、板状部130が有するルーバー140のうち、空気の主流方向に沿った最も上流側の端部、ともいうことができる。
第1板状部131における端部UTは、山部空間SP1に向けて突出している。第2板状部132における端部UTは、谷部空間SP2に向けて突出している。換言すれば、複数の板状部130のうち、ルーバー140の端部UTが山部空間SP1に向けて突出しているものが、第1板状部131として形成されている。また、複数の板状部130のうち、ルーバー140の端部UTが谷部空間SP2に向けて突出しているものが、第2板状部132として形成されている。
フィン100が以上に説明したように構成されていることの理由について、図6を参照しながら説明する。図6には、図3に示されるフィン100の断面のうち、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)の端部近傍の部分が、拡大して示されている。
熱交換器10を通過する空気は、車両の外部から導入された空気であるから、当該空気には水蒸気が含まれている。このため、当該空気が熱交換コア部を通る際において急激に冷却されると、水蒸気の一部が結露してそのまま凍結し、霜となってチューブ200やフィン100の表面に付着する。このような霜の付着(着霜)は、フィン100のうち空気が最初に触れる部分、すなわち-x方向側の端部近傍において特に生じやすい。図6では、着霜が生じ始めてから一定の期間が経過した時点における、フィン100の各部に付着した霜の外形を示す範囲が、着霜範囲FR1、FR2、FR3として示されている。
着霜範囲FR1は、第1板状部131の-x方向側の端部近傍に付着した霜の外形を示している。着霜範囲FR2は、第2板状部132の-x方向側の端部近傍に付着した霜の外形を示している。着霜範囲FR3は、各ルーバー140の-x方向側の端部近傍に付着した霜の外形を示している。着霜範囲FR2の大きさは、着霜範囲FR1の大きさと概ね等しい。着霜範囲FR3の大きさは、着霜範囲FR1や着霜範囲FR2の大きさに比べると小さい。
図6に示された状態から、各部に付着した霜がさらに成長して大きくなると、最終的には、空気の通る流路が全て霜によって遮られてしまう。この場合、除霜制御を行うことにより、付着した霜を融解させて除去する必要がある。除霜制御としては、例えば、蒸発器及び凝縮器のそれぞれに対する空気の供給を停止させた状態で冷媒を循環させ、これにより冷媒の温度を上昇させる制御等が挙げられる。
除霜制御が行われている期間においては、熱交換器10における空気の回収を行うことができない。このため、霜が成長する速度を可能な限り遅くして、除霜制御が実行される頻度を抑制することが好ましい。
仮に、第2板状部132が本実施形態のように-x方向側に突出しておらず、第1板状部131の形状と第2板状部132の形状とが互いに同一であるような場合(つまり、特開2013-139996号公報に記載されているようにフィン100の全体を一様に上流側に向けて突出させた場合)には、着霜範囲FR1と着霜範囲FR2とが重なってしまう。この場合、山部空間SP1や谷部空間SP2に流入する空気の流れは、一部を除いて、比較的短時間のうちに霜によって遮られてしまうこととなる。その結果、除霜制御を頻繁に実行する必要が生じる。
これに対し、本実施形態においては、それぞれのフィン100が、第1板状部131と、これよりも-x方向側に突出する第2板状部132と、を有している。このため、図3のように、着霜範囲FR1や着霜範囲FR2がある程度大きくなった後であっても、両者の間に形成された隙間を通って空気が山部空間SP1等に流入する。霜が成長した後であっても、熱交換器10を通過する空気の流量が確保されるので、除霜制御が実行される頻度を抑制することができる。
特に本実施形態では、第1板状部131と第2板状部132とが、チューブ200の長手方向(つまりy方向)に沿って交互に並ぶように配置されている。このため、互いに隣り合う板状部130の隙間の全てにおいて、通過する空気の流量を長時間に亘り確保することができる。
着霜が生じ始めてから、山部空間SP1の入口や谷部空間SP2の入口が全て霜によって塞がれてしまうまでの時間(以下では、当該時間のことを「閉塞時間」とも称する)の長さは、第2板状部132の突出量が大きくなるほど長くなる。ここでいう「突出量」とは、図4において「L」で示されるように、第1板状部131の-x方向側端部から、第2板状部132の-x方向側端部までの、x軸に沿った距離のことである。
図7には、このような突出量と、閉塞時間との関係が示されている。同図の横軸は、突出量をミリメートルの単位で示すものである。同図の縦軸は、各突出量に対応した閉塞時間の大きさを、突出量が0のときの閉塞時間を基準(1.0)とした倍率によって示すものである。
本発明者らが行った実験によれば、図7に示されるように、突出量が大きくなるほど閉塞時間は長くなり、突出量を3mmとすれば閉塞時間は2倍以上に伸びることが確認された。
ところで、除霜制御が行われると、霜が融解して生じた水による目詰まりが発生しやすい。目詰まりが生じると、空気の流れが水によって遮られるだけでなく、当該水が再び短時間のうちに凍結するので、短時間のうちに再度の除霜制御が必要になるという問題も生じる。
-x方向側への突出量が小さい第1板状部131においては、板状部130の上流側端部に付着した霜(着霜範囲FR1)と、ルーバー140の端部UTに付着した霜(着霜範囲FR3)との間の距離が短くなっている。このため、除霜制御が行われると、それぞれの霜が融解して生じた水が合体して大きな水塊となってしまう。しかしながら、本実施形態では、第1板状部131が有するルーバー140の端部UTが、山部空間SP1に向けて突出している。山部空間SP1の下方側(-z方向側)の幅は比較的広くなっているので、端部UTの近傍で大きな水塊が生じても、当該水塊は外部へと排出される。このため、上記のような目詰まりの発生は抑制される。
一方、-x方向側への突出量が大きい第2板状部132においては、板状部130の上流側端部に付着した霜(着霜範囲FR2)と、ルーバー140の端部UTに付着した霜(着霜範囲FR3)との間の距離が長くなっている。このため、除霜制御が行われても、それぞれの霜が融解して生じた水が合体して大きな水塊となる可能性は小さい。第2板状部132におけるルーバー140の端部UTは、谷部空間SP2に向けて突出している。谷部空間SP2の下方側(-z方向側)の幅は比較的狭くなっているのであるが、上記のように大きな水塊が端部UTの近傍で生じる可能性は小さいので、上記のような目詰まりの発生は谷部空間SP2においても抑制される。
本実施形態では、図4のようにフィン100が波状に折り曲げられる前の状態においては、第1板状部131となる部分の幅W1と、第2板状部132となる部分の幅W2とが互いに等しくなっている。尚、ここでいう「幅」とは、y方向(チューブ200の長手方向ともいえる)に沿った寸法のことである。
このような構成においては、図8に示されるように、1枚の板状部材PLの中央を、矩形波状の線L1に沿って切断することにより、互いに概ね同一形状である一対のフィン100(100A、100B)を得ることができる。これにより、フィン100を形成する際における材料の無駄を省くことができる。
フィン100に第1板状部131及び第2板状部132を形成したことによるもう一つの効果について、図9を参照しながら説明する。図9は、熱交換器10が備える複数のフィン100の構成を、y軸に沿って見ながら模式的に描いたものである。図9に示される点線DL1は、第1板状部131の-x方向側の端部の位置を示している。図9においては、フィン100のうち、点線DL1から-x方向側に突出する第2板状部132のみが図示されており、第1板状部131については図示が省略されている。また、チューブ200の図示も省略されている。
図9に示されるそれぞれの第2板状部132は、z方向に沿って一列に並んでいる。つまり本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL1から-x方向側に突出している部分が、上下方向に沿って並んでいる。
図6の着霜範囲FR1、FR2、FR3で着霜が生じている状態において、除霜制御が開始されると、それぞれの霜は互いに分離された状態のまま融解して水となる。この場合、着霜範囲FR2で生じた水は、着霜範囲FR1で生じた水から分離された状態のまま、第2板状部132の先端に沿って、重力によって下方側へと移動する。図9では、このような水の流れが矢印AR1で示されている。
着霜範囲FR1、FR2で生じた水の一部は、チューブ200の表面に沿ってx方向側へと移動し、熱交換コア部の内側に侵入する。図9では、このような水の流れが矢印AR2で示されている。熱交換コア部の内側に侵入した水は、空気の流れを阻害することとなるので、矢印AR2で示されるような水の流れは可能な限り小さくすることが好ましい。
特開2013-139996号公報に記載されているように、フィン100の全体を一様に上流側に向けて突出させた場合には、それぞれのフィン100のうち上流側の端部に付着した霜が、短時間のうちに繋がって一つの塊になってしまう。このように成長した霜が、その後の除霜制御によって融解すると、生じた水によって大きな水塊が形成され、その一部がフィンの隙間に入り込んで残留しやすくなる傾向がある。つまり、図9の矢印AR2で示されるような水の流れが大きくなる傾向がある。
これに対し、本実施形態に係る熱交換器では、フィン100の一部である第2板状部132を、他の部分である第1板状部131よりも-x方向側に向けて突出させている。このような構成においては、第2板状部132の端部に付着した霜は、第1板状部131に付着した霜よりも上流側となる位置で成長する。このため、それぞれの霜が短時間のうちに繋がって一つの塊になってしまうことが防止される。それぞれの霜が互いに分離されたままの状態で除霜制御が開始されると、第2板状部132の先端で生じた水は、第1板状部131の先端で生じた水と繋がる前に下方側に移動し、図9の矢印AR1に沿って外部に排出されることとなる。その結果、フィン100に付着していた霜が融解しても、生じた水によって大きな水塊が形成されるような現象が抑制される。これにより、矢印AR2のように、熱交換器コア部の内側に侵入するような水の流れが抑制される。
尚、第2板状部132の端部に付着した霜と、第1板状部131に付着した霜と、のそれぞれが成長し繋がった後に除霜制御が開始されたとしても、第2板状部132の端部に付着している水と、第1板状部131の端部に付着している水とは、融解の過程において互いに分離された状態となりやすい。このため、全てのフィン100の板状部130を一様に上流側に突出させた構成に比べると、生じた水による大きな水塊の形成が抑制されるため、やはり熱交換器10の排水性能は高くなる。
このように、本実施形態に係る熱交換器10では、第2板状部132を、第1板状部131よりも-x方向側に突出させることにより、図9の矢印AR1に沿った排水を促すための導水部材として機能させている。その結果、熱交換器10の排水性能が従来の構成に比べて高められている。
本発明者らは、以上のような熱交換器10の排水性能を評価するために、熱交換器10の全体を一旦水没させてから引き上げた後、所定時間が経過した時点における熱交換器10の重量(水を含む重量)から、当初の熱交換器10の重量(水を含まない重量)を差引いて得られる「保水量」を算出した。その結果、フィン100の一部を突出させない従来の構成、すなわち、板状部130の全てが第1板状部131としたような構成に比べると、熱交換器10では、上記のように測定される保水量が50%以上減少した。つまり、フィン100の一部である第2板状部132を突出させたことにより排水性能が向上した結果、熱交換器10に貯えられてしまう水の量が大幅に減少することが確認された。
以上においては、第1板状部131と第2板状部132のとの間の境界が、それぞれの板状部130の境界(つまり山部110及び谷部120)と一致している場合の例について説明した。しかしながら、それぞれの境界が互いに正確には一致しておらず、僅かにずれているような構成であってもよい。
図10には、第1実施形態の変形例に係るフィン100の形状が、図4と同様の方法によって示されている。図10に示される一点鎖線111、121は、第1板状部131と第2板状部132のとの間の境界を示す線となっている。同図に示されるように、一点鎖線111の位置と山部110の位置とは互いに一致しておらず、y軸に沿って僅かにずれた位置となっている。同様に、一点鎖線121の位置と谷部120の位置とは互いに一致しておらず、y軸に沿って僅かにずれた位置となっている。
このような構成では、一つの板状部130の全体が第1板状部131又は第2板状部132のいずれかとなっているのではなく、一つの板状部130の一部が第1板状部131となっており、残部が第2板状部132となっている。「複数の板状部130には第1板状部131と第2板状部132とが含まれる」との表現は、このような構成をも含むものである。このような構成の変形例であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
第2実施形態について、図11を参照しながら説明する。本実施形態では、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
本実施形態では、第2板状部132のうち、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)に向かって突出している部分の形状が、矩形とはなっておらず、-x方向側に行くほどその幅が小さくなるような形状となっている。第2板状部132のうち最も-x方向側の端部における縁は、yに沿った直線状となっている。このような態様でも、第1実施形態について説明したものと同様の効果を奏する。
第3実施形態について、図12を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
本実施形態でも、第2板状部132のうち、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)に向かって突出している部分の形状が、矩形とはなっておらず、-x方向側に行くほどその幅が小さくなるような形状となっている。本実施形態では、第2板状部132のうち最も-x方向側の端部における縁が、yに沿った直線状とはなっておらず、その幅が0となるように尖った形状となっている。このような態様でも、第1実施形態について説明したものと同様の効果を奏する。
第4実施形態について、図13を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
本実施形態では、第2板状部132のうち、空気の主流方向に沿った上流側(つまり-x方向側)に向かって突出している部分の形状が、矩形とはなっておらず、図13に示されるような円弧状となっている。このような態様でも、第1実施形態について説明したものと同様の効果を奏する。
第5実施形態について、図14を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
本実施形態では、第1板状部131及び第2板状部132は、チューブ200の長手方向(y方向)に沿って交互に並ぶようには形成されていない。本実施形態では、フィン100の一部において、y方向に沿って3つの第2板状部132が連続して並ぶように形成されている。このような態様でも、第1実施形態について説明したものと同様の効果を奏する。
第6実施形態について、図15を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
本実施形態では、複数の板状部130に、第1板状部131と、第2板状部132Aと、第2板状部132Bと、が含まれている。第2板状部132Bは、その-x方向側端部が、第1板状部131の-x方向側端部よりも更に-x方向側に突出している部分である。第2板状部132Aは、その-x方向側端部が、第2板状部132Bの-x方向側端部よりも更に-x方向側に突出している部分である。これらは、y方向に沿って、第1板状部131、第2板状部132B、第1板状部131、第2板状部132A、の順で繰り返し並ぶように配置されている。このような態様でも、第1実施形態について説明したものと同様の効果を奏する。
第7実施形態について、図16及び図17を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。図16では、本実施形態に係る熱交換器10が備えるフィン100の形状が、図3と同様の断面によって示されている。
図16に示されるように、本実施形態では、第2板状部132が-x方向側ではなくx方向側へと突出している。つまり、第2板状部132のうちx方向側の端部が、第1板状部131のうちx方向側の端部よりも、x方向側に向かって更に外側へと突出している。一方、第2板状部132のうち-x方向側の端部の位置(x座標)は、第1板状部131のうち-x方向側の端部の位置(x座標)と同じである。
第2板状部132が上記のように突出する方向であるx方向は、空気の主流方向に対して平行な方向であって、空気の主流に沿って上流側から下流側へと向かう方向である。当該方向は、本実施形態における「所定方向」に該当する。このため、本実施形態においても、第2板状部132は、第1板状部131のうち所定方向側の端部よりも、所定方向に向かって更に外側へと突出している。
図17は、本実施形態に係る熱交換器10が備える複数のフィン100の構成を、y軸に沿って見ながら模式的に描いたものである。図17に示される点線DL2は、第1板状部131のx方向側の端部の位置を示している。図17においては、フィン100のうち、点線DL2からx方向側に突出する第2板状部132のみが図示されており、第1板状部131については図示が省略されている。また、チューブ200の図示も省略されている。
図17に示されるそれぞれの第2板状部132は、z方向に沿って一列に並んでいる。つまり本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL2からx方向側に突出している部分が、上下方向に沿って並んでいる。
これまでに説明したように、熱交換器10によって空気の冷却が行われると、フィン100のうち-x方向側の端部には着霜が生じる。その後、除霜制御が行われると、霜が融解し、生じた水の一部が熱交換コア部の内側へと侵入する。当該水は、空気の流れによって、第2板状部132の表面に沿ってx方向側へと移動する。図17では、このような水の流れが矢印AR3で示されている。
上記のように移動した水は、矢印AR3に沿って、第2板状部132のうち点線DL2よりもx方向側に突出している部分まで移動する。当該部分では、水は第2板状部132の表面にのみ触れている状態なので、重力により落下しやすくなっている。このため、当該水は第2板状部132の先端に沿って、重力によって下方側へと移動する。図17は、このような水の流れが矢印AR4で示されている。
本実施形態では、第2板状部132を空気の主流方向に沿った下流側へと突出させることにより、矢印AR4に沿った排水を促すための導水部材として機能させている。その結果、熱交換器10の排水性能が従来の構成に比べて高められている。
このように、第2板状部132を、空気の主流方向に沿った上流側ではなく下流側へと突出させることによっても、熱交換器10の排水性能を高めることができる。
第8実施形態について、図18及び図19を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。図18では、本実施形態に係る熱交換器10が備えるフィン100の形状が、図3と同様の断面によって示されている。
図18に示されるように、本実施形態では、第2板状部132が-x方向側に突出していることに加えて、x方向側へも突出している。つまり、第2板状部132のうち-x方向側の端部が、第1板状部131のうち-x方向側の端部よりも、-x方向側に向かって更に外側へと突出しており、第2板状部132のうちx方向側の端部が、第1板状部131のうちx方向側の端部よりも、x方向側に向かって更に外側へと突出している。
複数の第2板状部132のうち、上記のように-x方向側に突出しているものは、空気の主流方向に沿った上流側における第1板状部131の端部よりも、更に上流側へと突出している「上流側第2板状部」に該当する。また、複数の第2板状部132のうち、上記のようにx方向側に突出しているものは、空気の主流方向に沿った下流側における第1板状部131の端部よりも、更に下流側へと突出している「下流側第2板状部」に該当する。本実施形態では、一つのフィン100が有する複数の第2板状部132が、上記のような上流側第2板状部及び下流側第2板状部のそれぞれを含んでいる。
尚、本実施形態では、一つの第2板状部132が、上記のような上流側第2板状部及び下流側第2板状部のいずれにも該当している。このような態様に替えて、上流側第2板状部に該当する第2板状部132と、下流側第2板状部に該当する第2板状部132とが、互いに分かれているような態様であってもよい。
図19は、本実施形態に係る熱交換器10が備える複数のフィン100の構成を、y軸に沿って見ながら模式的に描いたものである。図19に示される点線DL1は、第1板状部131の-x方向側の端部の位置を示している。図19に示される点線DL2は、第1板状部131のx方向側の端部の位置を示している。図19においては、フィン100のうち、点線DL1や点線DL2から突出する第2板状部132のみが図示されており、第1板状部131については図示が省略されている。また、チューブ200の図示も省略されている。
図19に示されるそれぞれの第2板状部132は、z方向に沿って一列に並んでいる。つまり本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL1から-x方向側に突出している部分が、上下方向に沿って並んでいる。同様に、第2板状部132のうち点線DL2からx方向側に突出している部分も、上下方向に沿って並んでいる。
図19に示される矢印AR1、AR2は、図9に示される矢印AR1、AR2と同じものである。図9を参照しながら説明した第1実施形態と同様に、本実施形態でも、矢印AR1で示されるような水の流れ(つまり排水)が促進される。その結果、矢印AR2のように、熱交換器コア部の内側に侵入するような水の流れが抑制される。
図19に示される矢印AR3、AR4は、図17に示される矢印AR3、AR4と同じものである。図9を参照しながら説明した第1実施形態と同様に、本実施形態でも、第2板状部132を空気の主流方向に沿った下流側へと突出させることにより、矢印AR4に沿った排水を促すための導水部材として機能させている。その結果、熱交換器10の排水性能が高められている。
このように、本実施形態では、-x方向側及びx方向側のそれぞれに第2板状部132を突出させることで、熱交換コア部の上流側部分における排水性能(矢印AR1)と、熱交換コア部の下流側部分における排水性能(矢印AR4)と、の両方が高められている。
第9実施形態について、図20乃至図22を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
図20は、本実施形態に係る熱交換器10が備える複数のフィン100の構成を、y軸に沿って見ながら模式的に描いたものである。図20に示される点線DL1は、第1板状部131の-x方向側の端部の位置を示している。図20においては、フィン100のうち、点線DL1から-x方向側に突出する第2板状部132のみが図示されており、第1板状部131については図示が省略されている。また、チューブ200の図示も省略されている。
図20に示されるそれぞれの第2板状部132は、z方向に沿って一列に並んでいる。つまり本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL1から-x方向側に突出している部分が、上下方向に沿って並んでいる。
それぞれの第2板状部132のうち、点線DL1から-x方向側に突出している部分には、下方側に向けて突出する水案内部133が形成されている。ここで、空気の主流に沿って下流側から上流側へと向かう方向を「所定方向」とすれば、水案内部133が形成されている位置は、第2板状部132のうち、所定方向側における第1板状部131の端部よりも、所定方向に向かって更に外側へと突出している部分、ともいうことができる。
図21に示されるのは、本実施形態に係る熱交換器10のうちフィン100及びその近傍の部分を、-x方向側から見て描いた図である。同図に示されるように、フィン100に形成された水案内部133は、当該フィン100の一つ下にあるチューブ200と重なる位置まで伸びている。
図20に示されるように、水案内部133の下端と、その一つ下にある第2板状部132の上端との間は近接している。このため、水案内部133に沿って下方側に水が移動すると、当該水は、その一つ下にある第2板状部132に触れた後、当該第2板状部132に沿って更に下方側へと移動しやすくなっている。このように、本実施形態では、それぞれの第2板状部132に水案内部133が形成されていることで、図9に示される第1実施形態に比べて、矢印AR1で示されるような水の流れ(つまり排水)が更に促進される。その結果、矢印AR2のように、熱交換器コア部の内側に侵入するような水の流れが抑制される。
本実施形態では、第2板状部132のうち水案内部133が形成されている部分の形状が、第1実施形態と同様に矩形となっている。このような態様に替えて、図11乃至13に示したような形状の第2板状部132に、水案内部133が形成されていることとしてもよい。
図22には、本実施形態に係るフィン100の形状が、図4と同様の方法によって示されている。本実施形態でも、図22のようにフィン100が波状に折り曲げられる前の状態においては、第1板状部131となる部分の幅W1と、第2板状部132となる部分の幅W2とが互いに等しくなっている。尚、ここでいう「幅」とは、y方向に沿った寸法のことである。
図23を参照しながら、本実施形態の変形例に係るフィン100の製造方法について説明する。この変形例では、第2板状部132の突出部分のうち、水案内部133よりも手前側部分の幅が、第9実施形態における当該幅よりも狭くなっている。また、水案内部133が下方側に向けて突出する長さは、第9実施形態における当該長さよりも長くなっている。このような構成においては、図23に示されるように、1枚の板状部材PLの中央を線L2に沿って切断することにより、互いに概ね同一形状である一対のフィン100(100A、100B)を得ることが可能となる。これにより、フィン100を形成する際における材料の無駄を省くことができる。
第10実施形態について、図24、図25を参照しながら説明する。本実施形態でも、フィン100の形状についてのみ第1実施形態と異なっており、その他の点については第1実施形態と同じである。
図24は、本実施形態に係る熱交換器10が備える複数のフィン100の構成を、y軸に沿って見ながら模式的に描いたものである。図24に示される点線DL1は、第1板状部131の-x方向側の端部の位置を示している。図24に示される点線DL2は、第1板状部131のx方向側の端部の位置を示している。図24においては、フィン100のうち、点線DL1や点線DL2から突出する第2板状部132のみが図示されており、第1板状部131については図示が省略されている。また、チューブ200の図示も省略されている。
本実施形態では、図19の第8実施形態と同様に、第2板状部132が-x方向側に突出していることに加えて、x方向側へも突出している。つまり、第2板状部132のうち-x方向側の端部が、第1板状部131のうち-x方向側の端部よりも、-x方向側に向かって更に外側へと突出しており、第2板状部132のうちx方向側の端部が、第1板状部131のうちx方向側の端部よりも、x方向側に向かって更に外側へと突出している。
図24に示されるそれぞれの第2板状部132は、z方向に沿って一列に並んでいる。つまり本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL1から-x方向側に突出している部分が、上下方向に沿って並んでいる。同様に、第2板状部132のうち点線DL2からx方向側に突出している部分も、上下方向に沿って並んでいる。
本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL1から-x方向側に突出している部分(つまり上流側第2板状部の突出部分)に、図20の第9実施形態と同様の水案内部133が形成されている。また、第2板状部132のうち点線DL2からx方向側に突出している部分(つまり下流側第2板状部の突出部分)にも、下方側に向けて突出する水案内部133が形成されている。尚、図25には、上記のようなフィン100の形状が、図4と同様の方法によって示されている。
このように、本実施形態では、上流側第2板状部のうち、第1板状部131の上流側の端部よりも更に上流側へと突出している部分、及び、下流側第2板状部のうち、第1板状部131の下流側の端部よりも更に下流側へと突出している部分、のそれぞれに、下方側に向けて突出する水案内部133が形成されている。
図24に示される矢印AR1、AR2は、図20に示される矢印AR1、AR2と同じものである。図20を参照しながら説明した第9実施形態と同様に、本実施形態でも、矢印AR1で示されるような水の流れ(つまり排水)が、水案内部133によって更に促進される。その結果、矢印AR2のように、熱交換器コア部の内側に侵入するような水の流れが抑制される。
図24に示される矢印AR3、AR4は、図17に示される矢印AR3、AR4と同じものである。図17を参照しながら説明した第7実施形態と同様に、本実施形態でも、第2板状部132を空気の主流方向に沿った下流側へと突出させることにより、矢印AR4に沿った排水を促すための導水部材として機能させている。
更に、本実施形態では、第2板状部132のうち点線DL2からx方向側に突出している部分にも水案内部133が形成されている。これにより、当該部分においても、矢印AR4に沿った排水が水案内部133によって更に促進される。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。