以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る熱交換器10は、車両用の空調装置として構成されたヒートポンプシステム20の一部となっていると共に、車両の冷却システム60の一部ともなっている。ヒートポンプシステム20は、熱交換器10と、室内凝縮器201と、室内蒸発器211と、を備え、ヒートポンプサイクルを構成している。ヒートポンプシステム20は、車外の空気から冷媒に吸熱させると共に、圧縮機43によって冷媒を圧縮してその温度を更に上昇させることによって加熱された空気を車室内に供給する暖房運転と、車室内の空気から冷媒に吸熱させ、当該熱を車外に放出する冷房運転と、を行うものである。
室内凝縮器201及び室内蒸発器211は、空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。室内凝縮器201及び室内蒸発器211と熱交換器10との間で冷媒(第1流体)が循環させられている。後に詳しく説明するように、暖房運転時においては、熱交換器10と室内凝縮器201との間で冷媒が循環し、熱交換器10において外気から回収された熱及び圧縮機43の圧縮動作により温度上昇した冷媒からの熱が室内凝縮器201からケーシング31内への空気と放出される。また、冷房運転時においては、熱交換器10と室内蒸発器211との間で冷媒が循環し、室内蒸発器211において回収されたケーシング31内の空気の熱が熱交換器10から外気へと放出される。
ケーシング31は、熱交換によって加熱又は冷却された空気を車室内に供給するためのダクトとなっている。ケーシング31の上流側部分には、送風機32及び内外気切替装置33が配置されている。送風機32は、ケーシング31内の空気を車室内に向けて送り出すためのファンである。内外気切替装置33は、車外の空気がケーシング31内に供給される外気循環状態と、車室内の空気が再びケーシング31内に供給される内気循環状態とを切り替えるための切替弁である。送風機32の回転及び内外気切替装置33の動作は制御装置100によって制御される。
ケーシング31内における空気の流れ方向に沿って、上流側に室内蒸発器211、下流側に室内凝縮器201が配置されている。また、室内蒸発器211と室内凝縮器201との間にはエアミックスドア34が配置されている。エアミックスドア34は、ケーシング31内を流れる空気のうち室内凝縮器201を通過する空気の量、すなわち加熱されて車室内へと向かう空気の量を調整するための流量調整弁である。エアミックスドア34の開度が制御装置100によって変更されることにより、車室内に供給される空気の温度が調整される。
暖房運転について説明する。暖房運転時において、冷媒は、熱交換器10、三方弁41、アキュムレータ42、圧縮機43、室内凝縮器201、固定絞り44を順に通って熱交換器10に戻るよう、これらを繋ぐ配管内を循環する。このような冷媒の循環は、ポンプである圧縮機43が室内凝縮器201に向けて冷媒を送り出すことによって行われる。
固定絞り44は、通過する冷媒を減圧膨張させるためのオリフィスである。圧縮機43によって送り出される冷媒は、圧縮機43と固定絞り44との間で圧縮されて、室内凝縮器201において気相から液相へと変化(凝縮)する。このとき、圧縮された冷媒が高温となることにより、ケーシング31内において室内凝縮器201を通過する空気が加熱される。
固定絞り44を通過した冷媒は、減圧膨張することによりその温度を外気温よりも低い温度まで低下させた状態で熱交換器10に到達する。熱交換器10には、送風ファン50によって車外からの空気(外気)が供給されている。熱交換器10では、供給された空気と冷媒との間で熱交換が行われ、空気の熱が冷媒によって回収される。冷媒は空気との熱交換によってそのエンタルピを増加させ、熱交換器10の内部で液相から気相へと変化する。つまり、暖房運転時においては、熱交換器10は蒸発器として機能する。尚、熱交換器10の具体的な構造については、後に詳しく説明する。
熱交換器10を通過した冷媒は、アキュムレータ42を通って圧縮機43に戻り、再び圧縮機43から室内凝縮器201に向けて送り出される。アキュムレータ42は、通過する冷媒の一部が液相となっている場合において、当該冷媒(液体)を回収するものである。このようなアキュムレータ42を通過させることにより、圧縮機43において所謂液圧縮が生じることが防止される。
続いて、冷房運転について説明する。冷房運転時において、冷媒は、熱交換器10、三方弁41、固定絞り45、室内蒸発器211、アキュムレータ42、圧縮機43、室内凝縮器201、バイパス流路46を順に通って熱交換器10に戻るよう、これらを繋ぐ配管内を循環する。換言すれば、このような経路を冷媒が循環するように、三方弁41の状態及びバイパス流路に設けられた開閉弁47の状態が制御装置100によって切り替えられる。暖房運転時と同様に、このような冷媒の循環は、ポンプである圧縮機43が室内凝縮器201に向けて冷媒を送り出すことによって行われる。
バイパス流路46は、固定絞り44を迂回する流路である。冷房運転時においては開閉弁47が開いた状態となり、冷媒のほとんどがバイパス流路46を通って熱交換器10に到達する。このため、冷房運転時においては、固定絞り44での冷媒の減圧膨張は生じない。
固定絞り45は、固定絞り44と同一構成のオリフィスであり、三方弁41と室内蒸発器211との間に配置されている。圧縮機43によって送り出される冷媒は、圧縮機43と固定絞り45との間で圧縮されて、熱交換器10又はその近傍において気相から液相へと変化(凝縮)する。圧縮された冷媒が高温となることにより、熱交換器10を通過する車外からの空気が加熱される。また、熱交換器10において冷媒から空気への放熱が行われることにより、熱交換器10を通過する冷媒の温度が低下する。
固定絞り45を通過した冷媒は、減圧膨張することによりその温度を低下させた状態で室内蒸発器211に到達する。室内蒸発器211には、送風機32によって空気が供給されている。室内蒸発器211では空気と冷媒との間で熱交換が行われ、室内蒸発器211を通過する空気が冷却される。一方、室内蒸発器211を通過する冷媒はそのエンタルピを増加させ、室内蒸発器211の内部で液相から気相へと変化する。
室内蒸発器211を通過した冷媒は、アキュムレータ42を通って圧縮機43に戻り、再び圧縮機43から室内凝縮器201に向けて送り出される。このときのアキュムレータ42の機能は、既に説明した暖房運転時における機能と同一である。
以上に説明したように、熱交換器10はヒートポンプシステム20の一部となっているのであるが、本実施形態においては車両の冷却システム60の一部ともなっている。冷却システム60は、高温となるエンジン等からなる冷却対象61と、ポンプ62と、水温センサ63と、バイパス流路64と、三方弁65とから構成されている。熱交換器10は、これらを循環する冷却水(第2流体)の経路に配置されている。
ポンプ62が動作することにより、冷却水は冷却対象61と熱交換器10との間を循環して流れる。熱交換器10には、冷却対象61を通過して高温となった冷却水が供給される。熱交換器10では、送風ファン50によって供給されている車外からの空気と、高温の冷却水との熱交換が行われて、通過する冷却水の温度が低下する。すなわち、熱交換器10は冷却対象61を冷却するためのラジエータとしても機能する複合型の熱交換器となっている。
循環する冷却水の温度が低下したことが水温センサ63により検知されると、制御装置100は三方弁65により流路を切り替えて、冷却水が熱交換器10を迂回してバイパス流路64を流れる状態とする。冷却水は熱交換器10で冷却されなくなるため、その温度が次第に上昇して行く。冷却水の温度が所定の閾値を超えると、制御装置100は再び三方弁65により流路を切り替えて、冷却水が熱交換器10を通過して流れる状態する。このような流路の切り替えによって、冷却システム60を循環する冷却水の温度が一定範囲内に保たれる。
熱交換器10の具体的な構成について、図2、図3、図5、及び図6を参照しながら説明する。熱交換器10は、一対のタンク110及びタンク120(図2では不図示、図5において図示)と、これらの間に配置された複数の第1チューブ130、第2チューブ140とを備えている。タンク110,120は、いずれも、ヒートポンプシステム20を循環する冷媒を内部に蓄える円柱形状のタンクであって、その長手方向を鉛直方向に沿わせた状態で、互いに平行となるように配置されている。図2及び図3では、送風ファン50によって熱交換器10に供給される空気の流れ方向(以下、「第1方向」とも称する)を矢印AR1で示している。本実施形態においては、空気の流れ方向は水平方向であり、且つ第1チューブ130の長手方向及び第2チューブ140の長手方向のいずれに対しても垂直な方向である。
第1チューブ130は、その断面が扁平形状となっており、長手方向に沿った複数の流路131が内部に形成されたチューブである。第1チューブ130の上面及び下面はいずれも水平面と平行である。つまり、第1方向に沿った面となっている。第1チューブ130は、その長手方向を水平方向に沿わせた状態で、タンク110とタンク120とを繋ぐように配置されている。図6に示されるように、タンク110の内部とタンク120の内部とは、第1チューブ130内の流路131によって連通されている。このため、第1チューブ130を通じてタンク110からタンク120へと(もしくはその逆方向に)冷媒が流れることが可能となっている。第1チューブ130は、第1方向に沿った空気の流れの中に配置されることで、内部を流れる冷媒と空気との熱交換が行われる熱交換部として機能するものである。
熱交換器10の全体形状は、第1チューブ130の長手方向における中央部分を通り且つ当該長手方向に対して垂直な面(対称面)を挟んで、略対称な形状となっている。このため、図2においては、当該対称面よりもタンク110側の部分のみを描いており、タンク120側の部分については図示を省略している。
第1チューブ130と同様に、第2チューブ140はその断面が扁平形状となっており、長手方向に沿った複数の流路141が内部に形成されている。第2チューブ140の上面及び下面はいずれも水平面と平行である。つまり、第1方向に沿った面となっている。第2チューブ140は、その長手方向を水平方向に沿わせた状態で、タンク110とタンク120とを繋ぐように配置されている。図5に示されるように、タンク110の内部とタンク120の内部とは、第2チューブ140内の流路141によっても連通されている。第2チューブ140は、第1方向に沿った空気の流れの中に配置されることで、内部を流れる冷媒と空気との熱交換が行われる熱交換部として機能するものである。
第2チューブ140の幅方向(水平方向であり、且つ第2チューブ140の長手方向に対して垂直な方向)の寸法は、第1チューブ130の幅方向の寸法よりも長くなっている。第2チューブ140のうち第1方向における上流側端部である第2端部142は、第1チューブ130のうち第1方向における上流側端部である第1端部132よりも更に上流側(y方向側)となる位置に配置されている。
尚、図2においては、水平方向であり且つタンク120からタンク110に向かう方向をx方向としてx軸を設定している。また、矢印AR1で示した第1方向とは逆の方向をy方向としてy軸を設定している。更に、鉛直上方に向かう方向をz方向としてz軸を設定している。以降の図面においても、同様にしてx軸、y軸、z軸を設定している。
図2に示されるように、第1チューブ130及び第2チューブ140はそれぞれ複数備えらえており、これらがz方向(第1方向と交わる方向)に沿って交互に並んだ状態で配置されている。また、第1チューブ130と第2チューブとの間にはコルゲートフィン150がx方向に沿って配置されている。図4に示されるように、コルゲートフィン150は、互いに平行な複数の平板部151と、隣り合う平板部151の上端部同士を繋ぐ屈曲部152と、隣り合う平板部151の下端部同士を繋ぐ屈曲部153と、を有するように形成された一枚の金属板である。平板部151は、法線方向がx方向に沿うように設けられている。屈曲部152の上端、及び屈曲部153の下端は、近傍にある第1チューブ130又は第2チューブ140の表面に対してそれぞれろう接固定されている。このため、第1チューブ130等からの熱は、熱交換器10を通過する空気に直接伝達されるだけでなく、コルゲートフィン150を介しても空気に伝達される。つまり、コルゲートフィン150によって空気との接触面積が大きくなっており、冷媒と空気との熱交換が効率よく行われる。
図3に示されるように、タンク110の内部には一つの空間が形成されている一方で、タンク120の内部には二つの空間が形成されている。具体的には、タンク120のz方向における中央部には、水平な平板である仕切り板121が配置されており、当該仕切り板121により、タンク120の内部の空間が上流側空間122と下流側空間123とに分けられている。
上流側空間122は、仕切り板121よりも下方側の空間であって、冷媒の入口である入口部124が形成されている。入口部124には、図1に示された固定絞り44及びバイパス流路46の下流側の配管が接続されている(図3においては不図示)。
下流側空間123は、仕切り板121よりも上方側の空間であって、冷媒の出口である出口部125が形成されている。出口部125には、図1に示された三方弁41に伸びる配管が接続されている(図3においては不図示)。
固定絞り44又はバイパス流路46から熱交換器10に向かって流れた冷媒は、図3において矢印で示したように、入口部124から上流側空間122に流入する。その後、冷媒は第1チューブ130の流路131及び第2チューブ140の流路141を通り、タンク110の内部に流入する。更に、冷媒はタンク110の内部を上方に向かって流れた後、第1チューブ130の流路131及び第2チューブ140の流路141を通って下流側空間123の内部に流入し、出口部125から排出されて三方弁41へと向かう。冷媒は、熱交換器10の内部を上記のように流れながら、コルゲートフィン150の間を通過する空気との熱交換によって吸熱又は放熱する。
図2を参照しながら説明を続ける。熱交換器10は、一対のタンク210及びタンク220(図2では不図示、図5において図示)と、これらの間に配置された複数の通水チューブ230と、複数のプレートフィン240とを更に備えている。タンク210,220は、いずれも、冷却システム60を循環する冷却水を内部に蓄える円柱形状のタンクであって、その長手方向を鉛直方向に沿わせた状態で、互いに平行となるように配置されている。
通水チューブ230は、x方向に略沿ってタンク210とタンク220とを繋ぐように配置されている。図6に示されるように、タンク210の内部とタンク220の内部とは、通水チューブ230によって互いに連通されている。このため、通水チューブ230を通じてタンク210からタンク220へと(もしくはその逆方向に)冷却水が通過することが可能となっている。
図2に示されるように、通水チューブ230は複数備えられており、互いに平行な状態でz方向に沿って並んでいる。また、それぞれの通水チューブ230の流路断面は楕円形となっており、当該楕円形の長軸方向がy軸に沿った方向となっている。
プレートフィン240は金属からなる矩形の板であり、その厚さ方向がx方向に沿って配置され、その長手方向がz方向に沿って配置されている。それぞれのプレートフィン240は互いに同一形状であって、x方向に沿って複数並んでいる。それぞれのプレートフィン240は、このように配置された結果、第1チューブ130と第2チューブ140との双方に近接している。
それぞれの通水チューブ230は、全てのプレートフィン240をx方向に沿って貫通しており、当該貫通部分においてプレートフィン240にろう接固定されている。図2に示されるように、プレートフィン240を通水チューブ230が貫通する位置は、プレートフィン240のうちy方向における略中央となる位置であり、且つ第1チューブ130と同一の高さとなる位置である。通水チューブ230の内部を冷却水が流れると、当該冷却水によって各プレートフィン240が加熱又は冷却される。
図3に示されるように、タンク210の内部には一つの空間が形成されている一方で、タンク220の内部には二つの空間が形成されている。具体的には、タンク220のz方向における中央部には、水平な平板である仕切り板221が配置されており、当該仕切り板221により、内部の空間が上流側空間222と下流側空間223とに分けられている。
上流側空間222は、仕切り板221よりも下方側の空間であって、冷却水の入口である入口部224が形成されている。入口部224には、図1に示した冷却対象61の下流側の配管が接続されている。
下流側空間223は、仕切り板221よりも上方側の空間であって、冷却水の出口である出口部225が形成されている。出口部225には、図1に示した三方弁65に伸びる配管が接続されている。
図3において矢印で示したように、冷却対象61から熱交換器10に向かって流れた冷却水は、入口部224から上流側空間222に流入する。その後、冷却水は通水チューブ230を通りタンク210の内部に流入する。更に、冷却水はタンク210の内部を上方に向かって流れた後、通水チューブ230を通って下流側空間223の内部に流入し、出口部225から排出されて三方弁65へと向かう。冷却水は、熱交換器10の内部を上記のように流れながら、それぞれのプレートフィン240を加熱又は冷却する。その結果、複数のプレートフィン240の間を通過する空気と冷却水との熱交換が行われる。
以上のように、本実施形態においては、熱交換器10において冷媒が流れる方向と、冷却水が流れる方向とが、第1方向に沿って見た場合において略同一となっている。その結果、流れる冷媒の温度が冷房運転時において最も高くなる部分(第1チューブ130及び第2チューブ140のうち入口部124に近い部分)と、流れる冷却水の温度が冷房運転時において最も高くなる部分(通水チューブ230のうち入口部224に近い部分)とが、第1方向に沿って見た場合において互いに重なっている。また、流れる冷媒の温度が冷房運転時において最も低くなる部分(第1チューブ130及び第2チューブ140のうち出口部125に近い部分)と、流れる冷却水の温度が冷房運転時において最も低くなる部分(通水チューブ230のうち出口部225に近い部分)とが、第1方向に沿って見た場合において互いに重なっている。
このような構成であるから、冷房運転時においては、空気が熱交換器10のどの位置を通過した場合でも、当該空気は高温のプレートフィン240を通過して加熱された後に、第1チューブ130等を通過して更に加熱されることとなる。つまり、空気が高温のプレートフィン240を通過して加熱された後に、第1チューブ130等を通過して冷却されてしまうようなことがないため、冷媒の循環経路内において確実にサブクール状態を取りやすい構成となっている。
図2を参照しながら、プレートフィン240の具体的な形状を更に説明する。プレートフィン240のうち、第2チューブ140と同一の高さとなる位置には、第2チューブ140側からy方向に向けて後退するように矩形の凹部241(受入部)が形成されている。当該凹部241の内部には、第2チューブ140の第2端部142が収納されており、上面視においては、プレートフィン240と第2チューブ140とが一部において重なった状態となっている。このような構成であるから、第2端部142が第1端部132よりもy方向側に配置されていても、これによって熱交換器10のy方向における寸法が大型化してしまうことはない。
尚、本実施形態においては、構成の理解を容易なものとするために、複数のプレートフィン240がx方向に沿って並ぶ範囲を比較的狭いものとして図2等を描いている。しかしながら、冷却システム60におけるラジエータとして熱交換器10が機能する際の熱交換効率に鑑みれば、実際にプレートフィン240が並ぶ範囲は可能な限り広くすることが望ましい。理想的には、空気の流れ方向における上流側(y方向側)から見た場合において、コルゲートフィン150が並ぶ範囲、すなわち空気が通過する範囲の略全体に亘るように、プレートフィン240を並べた構成とすることが望ましい。後に説明する他の実施形態(図9乃至16)においても同様である。
第2端部142を第1端部132よりもy方向側となる位置に配置し、これをプレートフィン240の凹部241に収納した構成とすることの効果について説明する。既に説明したように、ヒートポンプシステム20の暖房運転時においては、熱交換器10は蒸発器として機能する。このとき、熱交換器10を通過する冷媒の温度は外気温よりも低く、0℃以下となっている。このため、送風ファン50によって供給された空気が熱交換器10を通過する際には、低温となった第1チューブ130等の表面に当該空気が触れて冷却され、空気中の水分が凝縮してそのまま霜となり第1チューブ130、第2チューブ140、及びコルゲートフィン150の表面に付着してしまう。
図7は、仮に熱交換器10の第1チューブ130と第2チューブ140とが互いに同一の形状であり、第1端部132のy座標と、第2端部142のy座標とが同一となるように配置した熱交換器10Xを示した図であって、上記のように霜が付着する現象(着霜)が生じた状態を模式的に示した図である。熱交換器10Xは、第1チューブ130Xと、第2チューブ140Xと、コルゲートフィン150Xと、を備えている。第1チューブ130Xの第1端部132Xのy座標と、第2チューブ140の第2端部142のy座標とが略同一となるように配置され、それらの上流側にはプレートフィン240Xが配置されている。着霜は、湿気を含んだ空気が最初に冷却される部分、つまり、第1チューブ130X、第2チューブ140X、及びコルゲートフィン150Xのうち、それぞれを通過する空気が最初に触れる部分(空気の流れ方向に沿った上流側であり、図7の太線BL1の近傍)において特に生じやすい。
図7では、第1チューブ130Xの第1端部132X、第2チューブ140Xの第2端部142X、及びコルゲートフィン150Xのy方向側端部が、z方向に沿ってほぼ直線状に並んでいる。つまり、着霜が生じやすい部分(太線BL1)がz軸に沿ってほぼ直線状に並んでいる。このため、暖房運転時において霜が付着する範囲は、図7において斜線で示した領域FA1のようなものとなり、全体がほぼ平坦な一枚の板状となるように霜が付着することとなる。
図8では、実際の熱交換器10において着霜が生じた状態を模式的に示している。実際の熱交換器10においては、第1チューブ130、第2チューブ140、及びコルゲートフィン150のうち、それぞれを通過する空気が最初に触れる部分(図8の太線BL2の近傍)、すなわち着霜が生じやすい部分は直線状には並んでいない。つまり、第2チューブ140の第2端部142が第1チューブ130の第1端部132よりも空気流の上流側(y方向側)に配置されているので、第2端部142と第1端部132との距離が図7の場合に比べて引き離されている。
このため、暖房運転時において霜が付着し始める範囲は、図8において斜線で示した領域FA2のように、互いに繋がっていない複数に分かれた領域となりやすい。第1端部132及び第2端部142に空気が触れることによってそれらに霜が生じたとしても、互いに繋がりにくくなる。従って、空気が流れる流路の全体が霜により覆われた状態となるには、互いに離隔した第1端部132及び第2端部142を繋ぐような霜の発生が必要となり、それに要する水(水蒸気)の量が多くなる。
このように、図7に示されるような熱交換器10Xにおいては空気の流れを妨げてしまう程度の量の霜が、図8に示される本実施形態に係る熱交換器10において発生したとしても、空気が流れる流路の全体が霜で塞がれてしまった状態(領域FA2が一つに繋がった状態)とはなりにくく、空気との熱交換を引き続き行い得る可能性が高まっている。
また、本実施形態においては、第1チューブ130と第2チューブ140とが、z方向に沿って交互に並んだ状態で配置されている。このため、暖房運転時において霜が付着し始める領域FA2はより多くの領域に分かれやすくなっており、空気が流れる流路の全体が霜で塞がれてしまった状態となる可能性は更に低いものとなっている。
プレートフィン240は、高温のエンジン等からなる冷却対象61の熱を通過する空気に放散する部分である。このため、プレートフィン240の内部を流れる冷却水の温度は、暖房運転時において第1チューブ130の流路131及び第2チューブ140の流路141を流れる冷媒の温度よりも高くなっている。また、プレートフィン240の温度も第1チューブ130等に比べれば高温となっている。
熱交換器10では、プレートフィン240のうち−y方向側の端部が、第1チューブ130のうちy方向側の端部に近接している。また、凹部241を区画する面の全体において、プレートフィン240と第2チューブ140とが近接した状態となっている。つまり、熱交換器10において霜が発生しやすい部分(図8の太線BL2に沿った部分)が、全て高温のプレートフィン240に近接した状態となっている。
また、図8に示されるように、第2端部142が入り込む凹部241がプレートフィン240に設けられた結果、第1端部132と第2端部142の間にプレートフィン240の一部が入り込んだ状態となっているため、第1端部132と第2端部142との間もプレートフィン240によって加熱される。これにより、第1端部132に生じた霜と第2端部142に生じた霜とを繋げるような霜の付着及び成長を更に抑制することが可能となっている。このように、プレートフィン240は、熱交換器10を空気が通過する流路全体が着霜によって閉塞されてしまうこと抑制する機能を有しており、本発明における閉塞抑制部に該当するものである。
熱交換器10においては、プレートフィン240は第1チューブ130と第2チューブ140との間に並べて配置されるのではなく、第1チューブ130及び第2チューブ240よりも第1方向における上流側(y方向側)に配置されている。このため、タンク110、120の内部に冷媒と冷却水との両方を流す必要はなく、冷媒の流路と冷却水の流路とを独立した構成とすることが可能となっている。更に、第1チューブ130及び第2チューブ140は、双方ともに同じ冷媒をその内部に流すものとなっている。このため、第1チューブ130及び第2チューブ140が接続されたタンク110,120には、一種類の冷媒のみを流せばよく、二種類以上の流体が流れる流路をタンク110,120の内部に設ける必要はない。その結果、熱交換器10の構造は比較的単純なものとなっており、比較的少ない工数で製造することが可能となっている。
ヒートポンプシステム20が暖房運転から冷房運転に切り替わった直後においては、冷媒の温度が高温となるために、付着していた霜が液体(水)となって第1チューブ130及び第2チューブ140それぞれの上面に溜まってしまうことが考えられる。しかしながら、熱交換器10においては、長手方向が鉛直方向に沿うように配置されたプレートフィン240が、第1チューブ130及び第2チューブ140の両方に近接して配置されている。このため、水がプレートフィン240を伝って下方に流れやすくなっている。このように、熱交換器10は排水性が良好であるため、溜まった水が空気の流通を妨げてしまうことが防止される。本実施形態においては、それぞれのプレートフィン240の全体が、本発明の「長手部分」に該当する。
本実施形態においては、第1チューブ130及び第2チューブ140の両方を加熱するための部材であるプレートフィン240が、上記のように排水性を向上させるための部材としても機能する。このように、加熱のための部材と排水性を向上させるための部材とが共通化されており、両者をそれぞれ別部材として備える必要がない。その結果、熱交換器10の部品点数が低減され、その構造が更に単純なものとなっている。
尚、排水性を良好なものとするための構成としては上記のようなものに限られない。例えば、プレートフィン240が一つ又は複数の長手部分を有する形状となっており、当該長手部分を第1チューブ130及び第2チューブ140の双方に近接させた上で、当該長手部分の延伸方向が上方から下方に向かうように配置されていればよい。つまり、一つの長手部分が近接する対象が、熱交換器10が備える全ての第1チューブ130及び第2チューブ140でなくともよい。また長手部分の延伸方向が、鉛直方向に対して傾斜した方向であってもよい。
本実施形態においては、第1チューブ130の内部に複数の流路131が形成された構成としたが、本発明の実施態様としては、このような態様に限られない。例えば、単一の板を曲げ加工し、端部同士を溶接することにより形成された溶接管を、第1チューブ130としてもよい。すなわち、内部に単一の流路が形成された管を第1チューブ130としてもよい。第2チューブ140についても同様である。
また、通水チューブ230は、断面が楕円形状の配管だけでなく、断面が真円形状の配管も用いることができる。また、第1チューブ130と同様の配管(扁平多穴管)を用いることもできる。
本実施形態においては、第1チューブ130及び第2チューブ140は、z方向に沿って交互に並んだ状態で配置されている。第1チューブ130及び第2チューブ140の並べ方としては、必ずしもこのようなものに限られない。つまり、これらの並び順の少なくとも一部において、第1チューブ130の次に第2チューブ140が配置されているような並び方であればよい。例えば、z方向に沿って、2本の第1チューブ130と1本の第2チューブ140とが交互に配置されるような並べ方であってもよい。
本実施形態においては、加熱部として機能するプレートフィン240は、通水チューブ230を流れる冷却水(冷媒よりも温度の高い流体)によって高温となり、第1チューブ130及び第2チューブ140を加熱する。このような態様に替えて、プレートフィン240が他の熱源によって高温となる構成としてもよい。例えば、プレートフィン240の内部に電気ヒータが埋め込まれており、当該電気ヒータの発熱によってプレートフィン240が高温となる構成としてもよい。
尚、通水チューブ230を流れる流体は冷却水に限られず、ヒートポンプシステム20を循環する冷媒であってもよい。例えば、室内凝縮器201と固定絞り44間の冷媒や固定絞り44よりも下流側の冷媒をまず通水チューブ230に流通させた後、第1チューブ130及び第2チューブ140に流通させてもよい。このような構成においては、内部の圧力損失により、通水チューブ230内の冷媒温度は第1チューブ130及び第2チューブ140内の冷媒温度よりも高くなる。さらに、通水チューブ230よりも下流側の冷媒を、固定絞りなどの圧力損失付与手段により減圧させてから第1チューブ130及び第2チューブ140に流通させてもよい。この場合、通水チューブ230内の冷媒温度は第1チューブ130内及び第2チューブ140内の冷媒温度よりもさらに高くなる。
ところで、図1を参照しながら説明したように、熱交換器10は、車両用の空調装置として構成されたヒートポンプシステム20の一部となっているのであるが、熱交換器10を通過した空気を直接車室内に供給するものではない。つまり、本実施形態における熱交換器10は空調装置の室外機として機能するものである。しかしながら、熱交換器10を空調装置の室内機として用いる構成とすることも可能である。
例えば、ヒートポンプシステム20における冷房運転時の場合と同様に、熱交換器10を凝縮器として用いることによって内部に外気温よりも高温の冷媒を通過させれば、空気は熱交換器10を通過する際において加熱されることとなる。また、冷却水の温度は空気よりも高温であるから、ラジエータの放熱部として機能するプレートフィン240を通過する際にも、空気は加熱されることとなる。そこで、熱交換器10を通過して加熱された空気を、車室内に直接供給する構成としてもよい。このような構成においては、図2に示される熱交換器10が、車内空調装置の室内機として機能することとなる。
この場合、例えばエンジンの始動直後等、冷却水及びプレートフィン240の温度が低いときにのみ、第1チューブ130及び第2チューブ240に高温の冷媒を通過させて、これを補助的な熱源として用いてもよい。また、例えばハイブリッド車のように、エンジンの発熱量が小さくプレートフィン240の温度が定常的に低いような場合には、第1チューブ130等に高温の冷媒を常に通過させる構成としてもよい。つまり、車室内の暖房を行う際には、常に、冷媒(第1流体)と冷却水(第2流体)の両方によって車室内に供給する空気を加熱する構成としてもよい。
続いて、本発明の第2実施形態に係る熱交換器10Aについて、図9を参照しながら説明する。熱交換器10Aは、タンク110Aの形状及びタンク210の配置について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、タンク210がタンク110Aよりもx方向側となる位置に配置されている。タンク110Aのy方向側の面のうち、各通水チューブ230Aと同一の高さとなる位置には、通水チューブ230A側から−y方向に向けて後退するように凹部111Aが形成されている。この凹部111Aの内部に、各通水チューブ230Aの一部が収納されている。
このような構成においては、通水チューブ230Aをタンク110A側(−y方向側)に近づけることができるため、熱交換器10Aのy方向に沿った寸法を小さくすることができる。また、タンク210がタンク110Aよりもx方向側に配置されているため、より多くのプレートフィン240をコルゲートフィン150の上流側(y方向側)に配置することが可能となる。
続いて、本発明の第3実施形態に係る熱交換器10Bについて、図10を参照しながら説明する。熱交換器10Bは、タンク210Bの形状について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、タンク210Bの−y方向側の面のうち、各第2チューブ140と同一の高さとなる位置に、各第2チューブ140側からy方向に向けて後退するように凹部211Bが形成されている。この凹部211Bの内部に、各第2端部142の一部が収納されている。
このような構成においては、タンク210Bを第2チューブ140側(−y方向側)に近づけることができるため、熱交換器10Bのy方向に沿った寸法を小さくすることができる。
続いて、本発明の第4実施形態に係る熱交換器10Cについて、図11を参照しながら説明する。熱交換器10Cは、通水チューブ230Cの形状及びタンク210の配置について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、タンク210がタンク110よりもx方向側となる位置に配置されている。タンク210には、プレートフィン240を貫通する通水チューブ230Cの端部が接続されている。本実施形態においては通水チューブ230Cの断面形状が楕円形状とはなっておらず、第1チューブ130と同様の扁平形状となっている。また、通水チューブ230Cの内部には、複数の流路231Cが形成されている。
通水チューブ230Cは、その扁平な断面形状における長手方向をy方向に沿わせた状態で、各プレートフィン240を貫通している。また、最もx方向側に配置されたプレートフィン240とタンク210との間(図11において符号Pを付した部分)において、通水チューブ230Cが90度ねじれた形状となっている。その結果、通水チューブ230Cのうちタンク210側の部分(y方向に沿って第1タンク110と対向する部分)においては、その扁平な断面形状における長手方向をz方向に沿わせた状態となっている。
このような構成においては、通水チューブ230Cの断面形状を扁平としながらもタンク210をタンク110側(−y方向側)に近づけることができるため、熱交換器10Cのy方向に沿った寸法が大型化してしまうことがない。また、タンク210がタンク110よりもx方向側となる位置に配置されているため、より多くのプレートフィン240をコルゲートフィン150の上流側(y方向側)に配置することが可能となる。
続いて、本発明の第5実施形態に係る熱交換器10Dについて、図12を参照しながら説明する。熱交換器10Dは、一方のタンク210を有さない点及び通水チューブ230Dの形について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、最もx方向側に配置されたプレートフィン240よりも更にx方向側にはタンク210が配置されておらず、タンク220(図12においては不図示、図5参照)のみが配置されている。タンク220から出た冷却水が再びタンク220に戻るように構成するため、それぞれの通水チューブ230Dは、長手方向が水平方向に沿うように配置された2本の通水チューブ230Daのx方向側の端部同士が、U字形状の配管230Dbにより接続された形状となっている。つまり、タンク110側の端部においてU字型に折り返されている。図12において矢印で示したように、冷却水はx方向に向かって通水チューブ230Da内を流れた後、配管230Dbで折り返されて、通水チューブ230Da内を−x方向に向かって流れる。
このような構成においては、通水チューブ230Dに冷却水を供給するためのタンクが、少なくともタンク110側においてはコルゲートフィン150のy方向側に存在しないため、熱交換器10Dのy方向に沿った寸法が大型化してしまうことがない。またこの部分において、コルゲートフィン150を通過する空気の流れをタンクが妨げてしまうことがないため、空気との熱交換をより効率的に行うことができる。
続いて、本発明の第6実施形態に係る熱交換器10Eについて、図13及び図14を参照しながら説明する。熱交換器10Eは、第2チューブ140Eの形状について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、第2チューブ140Eの第2端部142Eのうち、y方向に沿ってタンク210と対向する部分が、下方に向かって局所的に垂れ下がった形状となっている。このような構成においては、タンク210を第2チューブ140E側(−y方向側)に近づけることができるため、熱交換器10Eのy方向に沿った寸法を小さくすることができる。
続いて、本発明の第7実施形態に係る熱交換器10Fについて、図15を参照しながら説明する。熱交換器10Fは、第2チューブ140Fの形状及び配置について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、第2チューブ140Fをその長手方向に対して垂直な面で切断した場合の断面形状が、第1チューブ130をその長手方向に対して垂直な面で切断した場合の断面形状と同一となっている。ただし、それぞれの第2チューブ140Fの位置は、第1チューブ130の位置よりもy方向側となっている。このため、第2チューブ140Fの第2端部142Fが第1チューブ130の第1端部132よりもy方向側となる位置に配置されており、プレートフィン240に形成された凹部241の内部に第2端部142Fが収納されている。このような構成においては、互いに形状の異なる二種類のチューブ(第1チューブ130及び第2チューブ140)を用いる必要がないため、熱交換器10Fを製造するための部品コストを抑制することができる。
続いて、本発明の第8実施形態に係る熱交換器10Gについて、図16を参照しながら説明する。熱交換器10Gは、第1チューブ130を有さない点及び通水チューブ230の数について熱交換器10と異なっているが、他の構成については概ね熱交換器10と同一である。
本実施形態においては、熱交換器10における第1チューブ130を有しておらず、冷媒が流れるチューブの全てが第2チューブ140となっている。つまり、それぞれのチューブ(第2チューブ140)は、その長手方向に対して垂直な面で切断した場合の断面形状が全て同一となっている。また、全てのチューブ(第2チューブ140)の第2端部142が、プレートフィン240の凹部241に収納されている。第1チューブ130の代替として第2チューブ140を増設しているので、熱交換器10に比較して第2チューブ140の数は多くなっており、それに伴って凹部241の数も多くなっている。
また、プレートフィン240を貫通する通水チューブ230は、隣り合う二つの凹部241の間となる位置に必ず一つ配置されている。その結果、本実施形態における通水チューブ230の本数は、熱交換器10における通水チューブ230の本数よりも多くなっている。このように、本発明を実施するに当たっては、プレートフィン240の大きさや、第2チューブ140の数を考慮して通水チューブ230の本数を適宜変更し、適切な放熱性能とすることも望ましい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。